JP4482220B2 - 金属を含む酸性廃液の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の酸洗やめっき廃液等の金属を溶解した酸性廃液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼板の圧延やめっき処理等を施す際に、鋼板に付着した油脂やスケールを酸洗処理して除去し、鋼板の表面に発生する疵やメッキ表面の汚れ等を防止している。
この酸洗処理やめっき処理は、塩酸、硝酸、硝弗酸等を含む酸性の液を用いるため、鋼板中の鉄、クロム、ニッケル等の金属を溶解した酸性廃液が発生する。
この酸性廃液は、アルカリ液を加えて中和処理してから、凝集剤を添加してシックナー等の沈殿池(沈殿槽)を利用して金属水酸化物を沈殿させてスラリーとし、このスラリーを脱水処理してスラジに加工する。
しかし、これ等金属水酸化物は、粒子が小さくて沈殿速度が遅く、スラリーを脱水処理した際に生成するスラジの含水量も高く、使用する際スラジの乾燥が必要になる。しかも、スラジは、多量に水を含んだ状態で搬送するため輸送費用が増加する等の問題がある。
従って、特開平4−267994号公報に記載されているように、予め金属水酸化物を含む液を入れた沈殿池にアルカリ液と凝集剤を混合した液を供給し、この沈殿池で沈殿した金属水酸化物を含むスラリーを取り出し、このスラリーにアルカリ液を添加したものを中和処理槽の金属イオンを含む酸性廃液に添加することが行われており、廃液の中和処理によって生成する金属水酸化物の粒子を大きくし、沈殿池での沈殿速度を高め、シックナー等の沈殿池の小型化や処理効率の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−267994号公報に記載された方法では、金属水酸化物の粒子をある程度大きくできるが、その結合は、主に高分子凝集剤によって粒子と粒子を凝集させるため、攪拌等の弱い力が付与された際に、金属水酸化物の塊が容易に分離し、大きい金属水酸化物の粒子を安定して形成することができず、凝集剤等の薬剤コストが上昇する。
しかも、粒子中の金属水酸化物の密度が小さく、且つ、粒子が容易に壊れるため、沈殿した金属水酸化物の粒子を含むスラリーを脱水処理した際に、スラジの含水量が55〜70質量%と高くなる。
従って、粒子の密度をさほど高くできないことから、沈殿池(沈殿槽)での沈殿速度も遅くなり、シックナー等の沈殿池が大きくなったり、沈殿や脱水処理等の効率が低下する等の問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、金属水酸化物の密度の高い大きい粒子を形成して沈殿速度を速め、脱水の処理効率が高く、低水分のスラジにすることができる金属を含む酸性廃液の処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明の金属を含む酸性廃液の処理方法は、0.01〜1質量%の金属イオンを含む酸性廃液を連続して容器内に供給しながら、前記酸性廃液にアルカリ液を添加して金属水酸化物の粒子を析出させて脱水処理を行う酸性廃液の処理方法であって、1)前記容器内攪拌を行いながら、2)前記容器内に前記アルカリ液を添加してpHを4〜10にし、かつ、3)前記容器内の前記酸性廃液中に含まれる過剰の水分を分離膜で除去することを、前記金属水酸化物の濃度が10〜50質量%に到達するまで行い、前記金属水酸化物に前記金属イオンを接触させ前記金属水酸化物粒子径を3〜20μmにした後、前記脱水処理を行う。
この方法により、酸性廃液を攪拌して、中和処理によって析出する小さい金属水酸化物の粒子の表面に、酸性廃液中の金属イオンを積極的に接触させるので、金属水酸化物の表面に金属を析出させたり、ある程度大きくなった粒子同士が接触した際に、粒子と粒子の接触面に金属イオンが接触して金属が析出することにより、粒子結合を促進することができる。
そして、金属水酸化物の粒子を大きくして、その粒子の密度を高くでき、金属水酸化物の沈殿速度を高め、脱水し易くすることができる。
【0006】
ここで、前記中和処理では、前記酸性廃液にアルカリ液を添加してpHを4〜10にするので、酸性廃液中に溶解している金属イオンを金属水酸化物の粒子として析出させることができる。
pHが4より小さいと、酸性廃液中に溶解している金属イオンの析出が不十分になり、溶液中に多くの金属イオンが残存するため、処理後の水質が悪化する。一方、pHが10より高くなると、酸性廃液中に溶解している金属イオンの析出を促進できるが、中和剤の使用量が増加し、処理コストが高くなる。
【0007】
更に、酸性廃液中に含まれる過剰の水分を除去できるので、金属水酸化物の粒子の含有量が高くなり、金属水酸化物と金属イオンの接触を良好に行うことができ、金属水酸化物の粒子の成長を図ることができる。
しかも、処理液中の金属水酸化物の粒子の濃度を高くしているので、処理液の脱水処理を効率良く行うことができる。
【0008】
また、前記分離膜の孔径を1〜100μmにすると良い。
分離膜の孔径が1μmより小さいと、金属水酸化物の細かい粒子が詰って脱水が不十分になる。一方、孔径が100μmより大きくなると、分離膜の孔をそのまま通過する粒子が増加し、脱水処理後の排水の水質が悪化する。
【0010】
また、前記酸性廃液には、製鉄工場の鋼板の酸洗廃液あるいはめっき廃液を用いることができる。
金属イオンを多く含む廃液を中和処理するので、金属水酸化物の粒子を多く析出でき、しかも、多量に含まれる金属イオンを接触させて、金属水酸化物の粒子の成長と粒子密度を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法に適用される廃液処理装置の全体図、図2は処理経過時間と金属水酸化物濃度の関係を表すグラフ、図3は廃液処理槽の運転日数と金属水酸化物の粒子径の関係を表すグラフ、図4は本発明の第2の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法に適用される廃液処理装置の全体図、図5は脱水時間と濾水量の関係を表すグラフである。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法に適用される廃液処理装置10は、製鉄工場で圧延された薄鋼板を塩酸、硝酸、硝弗酸等の酸液で酸洗処理した後の酸洗廃液22(酸性廃液の一例)を一旦貯蔵する廃液タンク11と、廃液タンク11に設けたポンプ12から酸洗廃液22を受けいれる容器の一例である廃液処理槽13と、廃液処理槽13内にポンプ14を用いてカセイソーダ、あるいは生石灰、消石灰等を溶かしたアルカリ液を添加するためのアルカリ液タンク15と、廃液処理槽13内に生成した金属水酸化物を含む中和処理液24をスラリーとして吸引するスラリーポンプ16と圧送した中和処理液24を脱水する脱水装置17を有している。
廃液処理槽13の底部には、中和処理を行って生成した中和処理液24を攪拌するために、気体の吹き込み孔19を複数設け、気体供給管18aに連通した筒状のパイプ18が配置されており、更に、中和処理した後の余剰の水を除去する分離膜の一例である膜モジュール20が廃液処理槽13の下側部に備えられている。
膜モジュール20は、ポリプロピレンからなる素材を用い、孔径が1〜100μmで、通気量が1200cm3 /cm2 ・分となる孔を有し、図示しない負圧装置にパイプ21を介して連通している。
更に、廃液処理槽13の上方には、廃液処理槽13内のpH計25、スラリー濃度計23を備えている。
【0012】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法について説明する。
製鉄工場で圧延された薄鋼板を酸洗処理した後の酸洗廃液22を貯蔵した廃液タンク11からポンプ12を作動して酸洗廃液22を廃液処理槽13内に600m3/Hrで連続して供給を行う。この酸洗廃液22は、pHが2以下で、Fe、Zn、Cr、Ni等を0.01〜1質量%溶解しており、これ等の金属は、金属イオンとして存在している。
酸洗廃液22の供給と同時に、アルカリ液タンク15に連通したポンプ14を作動して1〜2m3/Hrでアルカリ液を廃液処理槽13内に添加して酸洗廃液22を中和処理し、金属水酸化物の粒子が析出した中和処理液24を生成する。
この中和処理は、pH計25の指針を見ながらアルカリ液を添加し、pH4〜10になるように行う。
そして、アルカリ液の添加を開始してから、筒状のパイプ18に設けた複数の吹き込み孔19から気体の一例である空気を64Nm3/Hr吹き込んで、中和処理液24を攪拌する。
【0013】
そして、図2に示すように、中和処理の経過時間と共に、廃液処理槽13内の金属水酸化物の量を増加させることができる。
更に、中和処理液24が生成される際に、連続して酸洗廃液22を廃液処理槽13内に供給しているので、酸洗廃液22中に含まれる金属イオンが、中和作用によるpHの上昇に伴ってその溶解度が低下して金属水酸化物として析出し、この金属水酸化物の表面に更に金属イオンが接触したり、金属水酸化物の粒子同士の接触面あるいは隙間に金属イオンが接して金属が析出すること等により、金属水酸化物の粒子が大きくなる。
その結果、図3に示すように、廃液処理槽13の運転日数が長くなるにつれて、中和処理時のpHが4.0の場合(□)、pHが6.5の場合(△)、中和処理時のpHが10(■)の場合において、いずれも金属水酸化物の粒子の成長が促進され、それぞれ粒子径を6.5μm、3.7μm、3.0μmに大きくすることができた。
更に、このようにして生成した金属水酸化物は、金属を析出させて大きく(3〜20μm)しているため、粒子が緻密であり、しかも、沈殿し易くなっている。
【0014】
中和処理過程では、酸洗廃液22が連続して供給されるため、廃液処理槽13内の中和処理液24が増加する。
従って、中和処理を行った後、負圧装置に連通したパイプ21から負圧で吸引することにより、中和処理液24の余剰水600m3/Hrを膜モジュール20で濾過して除去する。
この膜モジュール20を用いて濾過する際に、膜モジュール20の表面に中和処理液24に含まれる金属水酸化物の粒子が付着する。
この付着物は、時間の経過と共に厚くなるため、吹き込み孔19から吹き込んだ空気によって発生する中和処理液24の流れが、膜モジュール20の表面を洗う流れ(クロス流)を形成し、膜モジュール20の表面の過剰な付着物を除去できる。
その結果、膜モジュール20の性能を損なうことなく、連続して余剰水の濾過を行うことができる。
中和処理が所定時間を経過すると、廃液処理槽13内の中和処理液24が濃縮されるので、スラリー濃度計23で測定し、金属水酸化物の濃度が10〜50質量%に到達した時点で、空気の吹き込みのみを継続した状態で、金属水酸化物を多く含む中和処理液24、すなわちスラリーをポンプ16で吸引し、一般に用いられるフィルタープレス等の脱水装置17に圧送して脱水処理を行う。
このスラリーは、金属水酸化物の粒子が緻密で、しかも、粒子が大きいため、脱水装置17による脱水効率が格段に向上し、含水率が50質量%以下の低水分の金属水酸化物(スラジ)にすることができる。
脱水処理されたスラジは、トラックやベルトコンベア等で搬送され、製鉄原料やレンガ原料等に利用される。
【0015】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法について説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法に使用される廃液処理装置30は、第1の実施の形態における廃液処理槽13の膜モジュール20による余剰水の除去にかえて沈殿槽を用いた場合であり、第1の実施の形態の廃液処理装置10と同一の部分には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4に示すように、廃液処理装置30は、ポンプ12から供給される酸洗廃液22と、ポンプ14を介してアルカリ液タンク15から供給されるアルカリ液を受け入れる容器の一例である中和処理槽31と、上方と下方が中和処理槽31に連通するようにして配置した仕切り板32で区画された沈殿槽33を設けている。更に、沈殿槽33には、中和処理槽31の上方から溢れた中和処理液36の流れを抑制する整流板34と、余剰水を排水するための排水管35を設けており、沈殿槽33の下方には、中和処理液36から沈殿して金属水酸化物を多量に含むスラリーを吸引するスラリーポンプ16と圧送したスラリーを脱水する脱水装置17を備えている。
【0016】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法について説明する。
製鉄工場で圧延された薄鋼板を酸洗処理した後の酸洗廃液22を貯蔵した廃液タンク11からポンプ12を作動して酸洗廃液22を中和処理槽31内に600m3 /Hrで連続して供給を行う。
酸洗廃液22の供給と同時に、アルカリ液タンク15に連通したポンプ14を作動して1〜2m3 /Hrのアルカリ液を中間処理槽31内に添加して酸洗廃液22を中和して、中和処理液36を生成する。
この中和処理は、pH計25の指針を見ながらアルカリ液を添加し、pHが4〜10となるように行われる。
そして、アルカリ液の添加を開始してから、筒状のパイプ18に設けた複数の吹き込み孔19から空気を64Nm3 /Hr吹き込んで、中和処理液36を攪拌する。
酸洗廃液22を中和処理槽31に連続して供給しているので、中和処理槽31内の中和処理液36が増加し、仕切り板32の上方から沈殿槽33内に溢れ、この溢れ流を整流板34によって下向きの整流にしてから中和処理槽31に向かう流れにすることができ、仕切り板32の上方から中和処理槽31に向かう循環流が形成される。
【0017】
仕切り板32と沈殿槽33の整流板34の間に流入して下向き流れを形成した中和処理液36は、その一部が沈殿槽33内に流入し、中和処理液36に含まれる金属水酸化物が沈降し、清浄された余剰水が沈殿槽33の上方側部に設けた排水管35から系外に排出されて中和処理液36の水位を一定に保持する。
また、中和処理液36内には、連続して酸洗廃液22が供給されており、しかも、吹き込み孔19から吹き込まれる空気によって全体が攪拌されているので、酸洗廃液22中に含まれる金属イオンが中和作用によるpHの上昇に伴って、その溶解度が低下して析出して金属水酸化物の粒子となり、更に金属水酸化物の表面に金属イオンが接触したり、金属水酸化物の粒子同士の接触面あるいは隙間に金属イオンが析出して粒子同士を接合することにより、金属水酸化物の粒子が大きくなり、しかも、金属水酸化物の粒子を緻密にすることができる。
そして、沈殿槽33では、金属水酸化物が沈殿し、金属水酸化物の濃化したスラリーになる。このスラリーは、沈殿槽33の下方に設けたスラリーポンプ16で吸引され、脱水装置17により脱水される。
【0018】
【実施例】
次に、本発明の一実施例に係る金属を含む酸性廃液の処理方法について説明する。
圧延された薄鋼板を酸洗処理した後のpHが2以下で、三価のイオンFeを0.3質量%溶解した酸洗廃液を廃液処理槽内に600mL/分で連続して供給を行いながら、廃液処理槽にカセイソーダを添加して中和処理しpHが7.8の中和処理液に調整した。中和処理と同時に、廃液処理槽の底部から空気を6NL/分吹き込んで、中和処理液を攪拌し、酸洗廃液の連続供給による余剰水を膜モジュールを用いて濾過して系外に排出した。
中和処理液に含まれる金属水酸化物の濃度が30質量%になった時点で、スラリーポンプを作動して中和処理液を脱水装置に圧送して脱水処理を行い、脱水時間と濾水量を調査した。
図5に示すように、本実施例(■で示す)では、脱水を開始してから30秒で濾水量が150mL以上と良好であった。
そして、脱水処理後の金属水酸化物の水分や濾布の状態についても調査した結果、脱水処理後の金属水酸化物の水分が40質量%以下と極めて良好であり、濾布の目詰まりが無く優れた効果が得られた。
これに対し、従来法であるアルカリ液と凝集剤を酸洗廃液に添加してシックナーで沈殿させた金属水酸化物の一部を返送して、中和処理液に添加した場合(×で示す)では、脱水を開始してから30秒を経過した際の濾水量が10mL以下であり、300秒を経過した濾水量が60mLと極めて悪い結果となった。
そして、脱水処理後の金属水酸化物の水分や濾布の状態についても調査した結果、脱水処理後の金属水酸化物の水分が55質量%以上と高く、濾布の目詰まりが発生していずれも悪い結果となった。
【0019】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、金属水酸化物の粒子の濃度が高くなった中和処理液は、脱水装置を用いた脱水の他に、ヤード等の平地に搬送して天日乾燥を行うことができる。
更に、酸洗廃液の他に、めっき廃液を用いることができ、この場合も酸洗廃液と同様の効果を得ることができる。
また、アルカリ液として、MgO、Mg(OH)2 等を含む液を用いることもできる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1〜記載の金属を含む酸性廃液の処理方法は、金属イオンを含む酸性廃液を連続して容器内に供給ながら、酸性廃液を中和処理して金属水酸化物の粒子を析出させ、容器内を攪拌して金属水酸化物に金属イオンを接触させることにより金属水酸化物を大きくしてから脱水処理を行うので、金属水酸化物を緻密で大きい粒子に形成して、脱水の処理効率を高めて金属水酸化物からなるスラジの水分を低くでき、再利用する際の処理コストを低減することができる。
【0021】
また、酸性廃液にアルカリ液を添加してpHを4〜10にするので、金属水酸化物の析出を促進して凝集剤を節減することができ、処理コストを低減することができる。
【0022】
そして、容器内の水の一部を分離膜を用いて除去するので、酸性廃液中に含まれる余剰水を容易に除去することができ、処理装置を簡素化がすることができる。更に、大きな粒子の金属水酸化物を形成することができ、より安定して脱水の処理効率を高めることができる。
【0023】
請求項記載の金属を含む酸性廃液の処理方法は、分離膜の孔径を1〜100μmにしているので、分離膜が目詰まりしたり、金属水酸化物が分離膜を通過するのを抑制して安定して余剰水を除去することができ、分離膜の寿命の延長を図ることができる。
【0025】
請求項記載の金属を含む酸性廃液の処理方法は、酸性廃液は、製鉄工場の鋼板の酸洗廃液、あるいはめっき廃液等の酸性廃液を用いるので、金属水酸化物を生成し易い廃液の中和処理に適用でき、処理後の排水の水質が改善され、脱水処理後のスラジの水分を大幅に低くでき、処理のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法に適用される廃液処理装置の全体図である。
【図2】処理経過時間と金属水酸化物濃度の関係を表すグラフである。
【図3】廃液処理槽の運転日数と金属水酸化物の粒子径の関係を表すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る金属を含む酸性廃液の処理方法に適用される廃液処理装置の全体図である。
【図5】脱水時間と濾水量の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
10:廃液処理装置、11:廃液タンク、12:ポンプ、13:廃液処理槽、14:ポンプ、15:アルカリ液タンク、16:スラリーポンプ、17:脱水装置、18:パイプ、18a:気体供給管、19:吹き込み孔、20:膜モジュール、21:パイプ、22:酸性廃液、23:スラリー濃度計、24:中和処理液、25:pH計、30:廃液処理装置、31:中和処理槽、32:仕切り板、33:沈殿槽、34:整流板、35:排水管、36:中和処理液

Claims (3)

  1. 0.01〜1質量%の金属イオンを含む酸性廃液を連続して容器内に供給しながら、前記酸性廃液にアルカリ液を添加して金属水酸化物の粒子を析出させて脱水処理を行う酸性廃液の処理方法であって、1)前記容器内攪拌を行いながら、2)前記容器内に前記アルカリ液を添加してpHを4〜10にし、かつ、3)前記容器内の前記酸性廃液中に含まれる過剰の水分を分離膜で除去することを、前記金属水酸化物の濃度が10〜50質量%に到達するまで行い、前記金属水酸化物に前記金属イオンを接触させ前記金属水酸化物粒子径を3〜20μmにした後、前記脱水処理を行うことを特徴とする金属を含む酸性廃液の処理方法。
  2. 請求項記載の金属を含む酸性廃液の処理方法において、前記分離膜の孔径を1〜100μmにしていることを特徴とする金属を含む酸性廃液の処理方法。
  3. 請求項1又は2記載の金属を含む酸性廃液の処理方法において、前記酸性廃液は、製鉄工場の鋼板の酸洗廃液あるいはめっき廃液であることを特徴とする金属を含む酸性廃液の処理方法。
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