JP2003070481A - マラリア抗原関連ペプチド - Google Patents

マラリア抗原関連ペプチド

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JP2003070481A
JP2003070481A JP2001269907A JP2001269907A JP2003070481A JP 2003070481 A JP2003070481 A JP 2003070481A JP 2001269907 A JP2001269907 A JP 2001269907A JP 2001269907 A JP2001269907 A JP 2001269907A JP 2003070481 A JP2003070481 A JP 2003070481A
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malaria
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ser
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Masamichi Aikawa
正道 相川
Masaru Ishikawa
大 石川
Takao Taki
孝雄 瀧
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Tokai University
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Tokai University
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】マラリア抗原にかわる新規なマラリア抗原擬似
ペプチド、該マラリア抗原擬似ペプチドを利用したワク
チン、マラリア治療剤の提供。 【解決手段】特定のアミノ酸配列からなるマラリア抗原
関連ペプチド、該マラリア抗原関連ペプチドに対する抗
体と特異的に反応するマラリア抗原関連ペプチドを取得
した。当該ペプチドがマラリア抗原に代わるワクチンと
して有用である可能性を見いだした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マラリア抗原を模
倣するペプチドに関する。さらに本発明はマラリア抗原
に代わるワクチン及びそれを用いた医薬組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術】マラリアは、年間4億人が感染し、そのう
ち200〜300万人が死亡すると報告されている伝播
性感染症である。マラリア感染患者は重度な貧血を起こ
すことがあり、時として死に至る。これを阻止する策と
して、輸血が施されるが、この血液製剤にHIVなどの
ウイルスが含まれていることが多く、2次感染として、
AIDSやHCV感染患者の増加の原因にもなってい
る。 すでに抗マラリア剤は存在するものの、薬剤耐性
株の出現が報告されている。また、年間の死亡者の大半
が幼い子供であることを考えると、マラリアワクチンの
開発並びにその臨床上での成功は、単に医学の発展にと
どまらず、発展途上国における20年後以降の労働力の
確保、またその国の生活水準(経済・教育・環境等)の
向上に大きく貢献するものと期待される。
【0003】ところで、マラリア流行地域の住人が、マ
ラリア感染を繰り返す過程で、自然免疫を獲得していく
ことなどから、マラリアに対するワクチンの有用性は以
前から指摘されている。そして、ある種の特定抗原の特
定部位に対する抗体産生が、感染の阻止や感染後の様々
な症状の発現や悪化の阻止に重要であると考えられてお
り、この考えのもとで、既に多数の抗原候補分子が同定
され、これらの抗原候補分子を用いた種々のワクチンの
開発も進んでいる(例えば、WO00/25728:Banic,D.M.,
et al.,Am.J.Trop.Med.Hyg.,58(6),768-774(1998):Bio
chem.Biophys.Acta, 1227(1/2),28-32(1994):WO94/126
40:Mol.Cell.Biol.,11(2)963-971(1991)) 。
【0004】近年、分子生物学的手法が複合糖質の分野
にも応用され、糖鎖構造をペプチドに置き換える技術が
開発され、本発明者らは、先にファージディスプレイラ
ンダムライブラリーを用いて、該ファージライブラリー
から特定分子に親和性をもつペプチドが短期間で効率よ
くスクリーニングをできることを見出した(特開平10-23
7098号:石川大、瀧孝雄、細胞工学, 16 (12) 1821−18
28 (1997))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】マラリア抗原を最小単
位のオリゴペプチドとして同定できれば、それをマラリ
ア感染や症状の悪化を阻止する抗マラリア中和抗体とし
て用いることができると思われる。またかかる分子量の
小さいオリゴペプチドによれば多量に効率よく製造する
ことが可能であり、また投与形態や処方など幅広い応用
が可能であり、これによって良好なワクチンの提供が実
現できると思われる。
【0006】本発明はかかるマラリアに対するワクチン
(マラリアワクチン)として有用に使用できるオリゴペ
プチドを提供することを目的とするものである。なお、
本明細書においては、かかるオリゴペプチドを、マラリ
ア抗原を模倣するペプチドとして、マラリア抗原関連ペ
プチドまたはマラリア抗原擬似ペプチドと称する。ま
た、本明細書において「マラリア抗原」とはマラリア原
虫が産生する分子を包括的に意味するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者らは、上記の課題を解
決するために、日夜鋭意研究を重ねて、マラリア感染患
者の血清中に含まれる抗マラリア抗体(IgGおよびIgM)の
抗原結合部位によって認識される擬似抗原ペプチドの取
得に成功した。そして、「マラリア抗原」の構造を模倣
する“マラリア擬似抗原ペプチド”の中からさらにマラ
リア抗原由来のペプチドと反応性を有する中和抗体を取
得することができ、これらのマラリア抗原擬似ペプチド
が、マラリア抗原に代わるワクチンとして有用である可
能性を見出した。 本発明はかかる知見に基づいて開発
されたものである。すなわち、本発明は下記に掲げるも
のである: 項1.配列番号1〜4のいずれかに示されるアミノ酸配
列からなるマラリア抗原関連ペプチド。 項2.項1に記載するマラリア抗原関連ペプチドに対す
る抗体と特異的に反応するマラリア抗原関連ペプチド。 項3.配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるマラ
リア感染患者血清と特異的に反応するマラリア抗原関連
ペプチド。 項4.項1叉は2の少なくとも1種のマラリア抗原関連
ペプチドと薬学的に許容される担体を含有する、マラリ
ア抗原を認識する抗体の産生を刺激または増強するため
のワクチン。 項5.配列番号1〜4のいずれかに示されるアミノ酸配
列からなるマラリア抗原関連ペプチドをコードするDN
A。 項6.配列番号5〜8のいずれかに示される塩基配列か
らなるマラリア抗原関連ペプチドをコードするDNA。 項7.項5または6に記載するDNAが挿入された組換
え体発現ベクター。 項8.項7記載の組換え体発現ベクターが組込まれた宿
主細胞。 項9.項5または6に記載のDNAによってコードされ
るマラリア抗原関連ペプチドの組換体発現産物。 項10.項9記載の組換体発現産物を有効成分とするD
NAワクチン。 項11.項4に記載のワクチンまたは項10記載のDN
Aワクチンの少なくとも1種を含有する抗マラリア医薬
組成物。
【0008】なお、本明細書において、アミノ酸、ペプ
チド、塩基配列、核酸等の略号による表示は、IUPA
C、IUBの規定、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む
明細書等の作成のためのガイドライン」(特許庁編)及
び当該分野における慣用記号に従うものとする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のマラリア抗原関連ペプチ
ドは、マラリア抗原を模倣するいわゆるマラリア抗原擬
似ペプチドである。かかるマラリア抗原関連ペプチド
は、マラリア感染患者の血清、すなわち抗マラリア抗原
-抗血清と特異的に反応する性質を有しており、この限
りにおいて特に制限はされないが、その具体例として
は、後述する配列表に示される配列番号1〜4に記載の
アミノ酸配列を有するペプチドを挙げることができる。
【0010】上記本発明のマラリア抗原関連ペプチドの
同定、抗マラリア抗原-抗体との反応特異性、マラリア
抗原関連ペプチドに対して産生された抗体とマラリア抗
原の親和性につき詳述すれば次の通りである。
【0011】本発明のマラリア抗原関連ペプチドの同定
には、ファージディスプレイ法を好適に用いることがで
きる。かかる方法の実施に際して、スクリーニングする
対象分子を多数製造したり、またこれらの分子を含む大
集団をスクリーニングためには、例えばファージディス
プレイライブラリーが好適に使用できる。なお、該ライ
ブラリー中のランダムペプチドディスプレイファージ
は、多数のペプチドの発現に利用されており、このた
め、目的の標的分子叉は標的細胞を用いてインビトロで
スクリーニングすることによって、該標的分子叉は標的
細胞に特異的に結合するペプチドを同定することができ
る。このようなファージディスプレイライブラリーを用
いたスクリーニングは、従来より種々の細胞表面レセプ
ターと特異的に結合するリガンドや種々の抗体を同定す
るために使用されている方法である。なお、これらファ
ージディスプレイライブラリーの作成方法及びインビト
ロスクリーニング法については、スコット及びスミスら
によって開示されている(Scott, J. M. and Smith, G.
P., Science, 249, 386-390 (1990); Smith, G.P. andS
cott, J.K., Methodsin Enzymology, 217, 228-257 (1
993))。
【0012】本発明のマラリア抗原関連ペプチドの同定
は、制限はされないが、好適には特開平10−2370
99号公報、特開平10−237098号公報または石
川大、瀧孝雄、細胞工学, 16 (12) 1821-1828(1997)に
記載される糖脂質糖鎖擬似ペプチドの同定方法に従って
もしくは準じて行うことができる。
【0013】上記同定方法は、具体的には下記の方法で
実施できる。すなわち、まず所望の抗原物質を認識する
抗血清を得、標識した後、該標識抗体を固相化する。次
いで、該固相化抗体に予め調製したファージディスプレ
イライブラリー希釈混合物を添加して反応させて、上記
抗体と結合したファージを回収し、得られたファージを
大腸菌に感染させる。次に感染させた大腸菌を、例えば
テトラサイクリンを含有する選択培地中で数時間培養
し、これをテトラサイクリンを含有する寒天プレート中
にプレコートし、次いで回収されたファージを含むコロ
ニーを更に適当な培地中にて培養して、ファージを分離
・精製する(バイオパニング)。得られたファージをさ
らに2回目以降のバイオパニングに用いる。さらに得ら
れたファージを前記抗原物質を認識するモノクローナル
抗体と反応させる工程を複数回、好ましくは3から4回
繰り返す(バイオパニング)。以上の操作によって、所望
の抗原に対する抗体と反応するファージライブラリーを
得ることができる。
【0014】本発明においては、マラリア抗原に代わる
ワクチンを開発する目的で、ニシ、サヤらの方法(Nish
i,T., Saya,H., et al., FEBS Lett., 399, 237-240(19
96))に従って得られたファージライブラリーおよびマラ
リアに感染した患者より採取した血清プールを用いて、
抗マラリア抗原-抗血清と特異的に結合するペプチドを
発現し得る所望のファージを選択し、選択されたファー
ジから上記ペプチドをコードするDNAを得る方法を用
いることが出来る。
【0015】かくして得られるDNAの塩基配列を決定
することにより、所望のマラリア抗原擬似ペプチドを同
定することが出来る。DNAの配列決定は、当業界で公
知の方法により容易に行うことができ、例えばジデオキ
シ法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5463-5467 (1
977)〕やマキサム−ギルバート法〔Method in Enzymolo
gy, 65, 499 (1980)〕等が例示できる。また、かかる塩
基配列の決定は、市販のシークエンスキット等を用いて
も容易に行なうことができる。
【0016】なお、本発明のマラリア抗原関連ペプチド
の同定方法は、後記実施例により具体的に示されてい
る。実施例で示されるように、ヒト抗マラリア抗原-抗
血清に対してバイオパニングを用いて同定された本発明
のマラリア抗原関連ペプチドは、マラリア感染したヒト
の体液、特に血液(血清)やリンパ液などの細胞表面上
に存在するか若しくは細胞膜表面上に表出する抗原と結
合する抗マラリア抗原-抗体と結合し得る。
【0017】本発明のマラリア抗原関連ペプチドの抗マ
ラリア抗原-抗体に対する反応特異性(抗マラリア抗原-
抗体への結合能力)は、それがマラリア患者から得られ
た生体試料(例えば、血液(血清)やリンパ液)と特異
的に結合し得ることをインビトロで確認することにより
確認、評価することができる。かかるマラリア抗原関連
ペプチドの抗マラリア抗原-抗体に対する反応特異性の
評価方法についても、後記実施例により具体的に示され
ている。
【0018】本発明のマラリア抗原関連ペプチドは、本
発明によって開示されたそのアミノ酸配列に従って、一
般的な化学合成法により製造することができる。該方法
には、通常の液相法及び固相法によるペプチド合成法が
包含される。かかるペプチド合成法は、より詳しくは、
アミノ酸配列情報に基づいて各アミノ酸を1個ずつ逐次
結合させて鎖を延長させていくステップワイズエロンゲ
ーション法と、アミノ酸数個からなるフラグメントを予
め合成し、次いで各フラグメントをカップリング反応さ
せるフラグメント・コンデンセーション法との両方を包
含し、本発明のマラリア抗原関連ペプチドの合成は、そ
のいずれによってもよい。
【0019】上記ペプチド合成に採用される縮合法も、
各種方法に従うことが出来る。その具体例としては、例
えばアジド法、混合酸無水物法、DCC法、活性エステ
ル法、酸化還元法、DPPA(ジフェニルホスホリルア
ジド)法、DCC+添加物(1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール、N−ヒドロキシサクシンアミド、N−ヒドロキ
シ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
等)、ウッドワード法等が例示できる。これらの各方法
に利用できる溶媒もペプチド縮合反応に使用されること
がよく知られている一般的なものから適宜選択すること
が出来る。その例としては、例えば ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキ
サホスホロアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン
(THF)、酢酸エチル等及びこれらの混合溶媒等を挙げ
ることが出来る。尚、上記ペプチド合成反応に際して、
反応に関与しないアミノ酸及至ペプチドにおけるカルボ
キシル基は、一般にはエステル化により、例えばメチル
エステル、エチルエステル、第三級ブチルエステル等の
低級アルキルエステル、例えばベンジルエステル、P−
メトキシベンジルエステル、P−ニトロベンジルエステ
ルアラルキルエステル等として保護することが出来る。
また、側鎖に官能基を有するアミノ酸、例えばTyrの
水酸基は、アセチル基、ベンジル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、第三級ブチル基等で保護されてもよいが、
必ずしもかかる保護を行う必要はない。更に例えばAr
gのグアニジノ基は、ニトロ基、トシル基、2−メトキ
シベンゼンスルホニル基、メチレン−2−スルホニル
基、ベンジルオキシカルボニル基、イソボルニルオキシ
カルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基等の適
当な保護基により保護することが出来る。上記保護基を
有するアミノ酸、ペプチド及び最終的に得られる本発明
のマラリア抗原関連ペプチドにおけるこれら保護基の脱
保護反応もまた、慣用される方法、例えば接触還元法
や、液体アンモニア/ナトリウム、フッ化水素、臭化水
素、塩化水素、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、メタン
スルホン酸等を用いる方法等に従って、実施することが
出来る。
【0020】かくして得られる本発明のマラリア抗原関
連ペプチドは、通常の方法にしたがって、例えばイオン
交換樹脂、分配クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラ
フィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)、向流分配法等のペプチ
ド化学の分野で汎用されている方法に従って、適宜その
精製を行なうことができる。
【0021】斯くして得られる本発明のマラリア抗原関
連ペプチドを抗原とする抗血清はマラリア抗原と特異的
に結合する作用を有している。このため、本発明のマラ
リア抗原関連ペプチドは、ヒトマラリア感染症に対する
ワクチンとして使用することができる。従って、本発明
のマラリア抗原関連ペプチドは、マラリア感染症の治療
用の医薬として使用することが可能である。
【0022】さらに本発明マラリア抗原関連ペプチド
は、抗マラリア抗原-抗血清と特異的に結合するため、
組織中、細胞表面上、または血液などの体液中に存在す
る抗マラリア抗原-抗体の検出にも使用することができ
る。かかる抗マラリア抗原-抗体の検出によってマラリ
ア感染の診断または病態の把握が可能である。
【0023】さらに本発明のマラリア抗原関連ペプチド
には、上記配列番号1から4で示されるアミノ酸配列を
有するペプチドのほかに、アミノ酸配列としてTGGG
配列(配列番号9),TGGGXF配列(配列番号10)
またはTGGGXA配列(Xは任意のアミノ酸)(配列
番号11)を含むペプチド;アミノ酸配列としてPSTG
S配列(配列番号12)またはPXT(又はS)GS配列
(配列番号13、14)、PSS(又はX)GS配列(配列
番号15、16),PXXGS配列(配列番号17),ZSX
GT(Xは任意のアミノ酸、Zは疎水性アミノ酸)配列
(配列番号18)を含むペプチド;アミノ酸配列としてG
ANPG配列(配列番号19)を含むペプチドなどが含ま
れる。
【0024】また、本発明のマラリア抗原関連ペプチド
には、前記配列番号1から4で示されるアミノ酸配列ま
たは上記アミノ酸配列において、1若しくは数個のアミ
ノ酸配列が置換、欠失、付加若しくは挿入により改変さ
れたアミノ酸配列からなり、且つ該改変アミノ酸配列を
有するペプチドを免疫源とした場合に産生されるポリク
ローナル抗体がマラリア抗原に特異的に結合する性質を
有するペプチド、または産生されるポリクローナル抗体
がマラリア抗原と関連する関連抗原に対して中和活性を
有するペプチドも包含される。
【0025】本発明のマラリア抗原関連ペプチドは、よ
り好ましくは、マラリア抗原関連ペプチドに対して特異
的な抗体を産生する能力を有する免疫原性ペプチドであ
り、これは、免疫原性を高めた形態、例えば免疫原性を
高めるキャリア蛋白との融合ペプチド形態、多抗原性ペ
プチド形態などであることができる。
【0026】免疫原性を高めるキャリア蛋白との融合ペ
プチド形態を有する本発明のマラリア抗原関連ペプチド
は、免疫原性を高める慣用のキャリア蛋白を上記本発明
のマラリア抗原関連ペプチドに結合させることにより収
得できる。
【0027】キャリア蛋白としては、免疫原性を高める
ことができる限り特に制限はなく、担体効果(carrier
effect)により免疫原性を与える各種の蛋白乃至ペプチ
ドおよび生体の免疫応答を促進する各種の蛋白乃至ペプ
チドが包含される。該キャリア蛋白は、また抗腫瘍活性
などの医薬作用を併せ持つ蛋白乃至ペプチドであること
ができる。
【0028】本発明のマラリア抗原関連ペプチドが概し
て医薬品分野で利用されることを考慮すると、上記キャ
リア蛋白としては、医薬として許容される蛋白乃至ペプ
チドから選択されるのが好ましい。その具体例として
は、例えばKLH、IL-12、GM-CSFなどのサイトカインなど
を例示できる。他の蛋白乃至ペプチドの例としては、例
えばIFN-α、IFN-β、IFN-γ、IL-1、IL-2、TNF、TGF-
β、アンジオスタチン、トロンボスポンジン、エンドス
タチンなどを例示することができる。
【0029】本発明におけるペプチドとキャリア蛋白と
の結合反応は、前記したペプチド合成法に従い実施する
ことができ、かくして融合ペプチド形態の本発明のマラ
リア抗原関連ペプチドを得ることができる。
【0030】また、融合ペプチド形態の本発明のマラリ
ア抗原関連ペプチドは、上記キャリア蛋白をコードする
DNA乃至遺伝子を利用して、前記した遺伝子組換え技
術に従って製造することもできる。
【0031】前述するように、本発明のマラリア抗原関
連ペプチドは、多抗原性ペプチド(multiple antigen p
eptide:MAP)形態であることもできる。このMAPは、
基本分子に、例えば配列番号1〜4、配列番号9〜19
に示される特定のアミノ酸配列を包含するペプチドの複
数個が結合した形態として特徴付けられる。
【0032】MAP形態である本発明のマラリア抗原関
連ペプチドの好適な一例としては、例えば基本分子(骨
格)としてデンドリマー構造を有するものを挙げること
ができる。
【0033】デンドリマーとは、一般に樹枝状形状から
星形の立体配置を有する球状乃至その他の構造の分子と
して知られている。該分子はまた複数個の機能基を有す
る枝(繰返し単位)を有することにより特徴付けられる
(例えば、特表昭60-500295号公報;特開昭63-99233号
公報;特開平3-263431号公報;米国特許第4507466号明
細書;同第4568737号明細書;Polymer Journal, 17, p.
117 (1985); Angewandte Chem. Int. Engl., 29, 138-1
75 (1990); Macromolecures, 25, p.3247 (1992)など参
照)。
【0034】本発明に利用できるデンドリマーは、開始
部分となる核構造、該開始核に結合した繰返し単位
(枝)で構成される内部層(世代)および各枝に結合し
て存在する機能基よりなる外表面を有するものであれ
ば、特に制限されない。該デンドリマーの大きさ、形
態、反応性などは、開始核部分、世代数および各世代に
用いられる繰返し単位を適宜選択することによって調節
することができ、これらにも特に制限はない。適当な大
きさなどを有するデンドリマーの製造は、後記する常法
に従うことができ、また異なる大きさのデンドリマー
は、利用される世代数を増やすことによって容易に得る
ことができる(例えば米国特許第4694064号明細書など
参照)。
【0035】デンドリマー構造を有する本発明のマラリ
ア抗原関連ペプチド(MAP)の一例としては、例えば窒
素原子を開始核部分とし、該核部分に結合する-CH2CH2C
ONHCH2CH2-構造からなる繰返し単位(枝)を有するデン
ドリマーの各枝の最外側末端に特定アミノ酸配列のマラ
リア抗原関連ペプチドの複数個を結合させたものを挙げ
ることができる。他の一例としては、例えばLys、Arg、
Glu、Aspなどのアミノ酸のいずれかを開始核部分とし、
該核部分に直接結合する繰返し単位として同様の各アミ
ノ酸を利用し、同様に各枝末端に同様に複数のマラリア
抗原関連ペプチドを結合させたものを挙げることができ
る。
【0036】上記窒素原子を開始核部分とするデンドリ
マーは、常法に従い製造できる。またその構造物(本発
明のマラリア抗原関連ペプチドを結合させるべきデンド
リマー原料)は、市販品としても入手できる(Polyscie
nces, Inc., 400 Vally Road, Warrington, PA, 18976
U.S.A.)。他方のアミノ酸を開始核部分とするデンドリ
マーは、例えば前記したペプチド合成法に従い製造する
ことができる。また、例えばFmoc8-Lys4-Lys2-Lys-βAl
a-Alko樹脂(渡辺化学工業社製)などとして市販のデン
ドリマー原料を利用して製造することもできる。
【0037】より具体的には、上記デンドリマー原料
は、次の如くして製造することができる。即ち、固相ペ
プチド合成用の樹脂に、スぺーサーを介してまたは介さ
ずに、2つのアミノ基を同一のまたは同一でない保護基
で保護したα,ω-ジアミノ酸を縮合反応させ、ついで保
護基を除去し、更に同様の保護α,ω-ジアミノ酸の縮合
反応及び脱保護基反応を繰返す。
【0038】固相ペプチド合成用の樹脂としては、通常
のペプチド合成に汎用されているものをいずれも使用す
ることができる。その例としては、例えばポリスチレン
樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリスチレンポリエチ
レングリコール樹脂などの末端にクロロメチル基、4-
(ヒドロキシメチル)フェノキシ基、4-((α-2',4'-ジメ
トキシフェニル)-9-フルオレニルメトキシカルボニルア
ミノメチル)フェノキシ基などを有するものを挙げるこ
とができる。スぺーサーとしては、1個または複数個の
アミノ酸を挙げることができる。また、α,ω-ジアミノ
酸としては、リジン、オルニチン、1,4-ジアミノ酪酸、
1,3-ジアミノプロピオン酸などを挙げることができる。
【0039】保護基としては、Boc基、Fmoc基、Z基など
を挙げることができる。機能基としては、アミノ基、カ
ルボキシル基および水酸基を挙げることがきる。保護基
の除去反応は、前述したペプチド合成法に従うことがで
きる。枝の数は、繰返し単位の縮合と保護基の除去とを
n回繰り返すことにより2nとなる。この枝数は、具体的
には2から16の範囲を好ましいものとして挙げることが
できる。
【0040】得られるデンドリマー原料の各枝末端の機
能基に、特定アミノ酸配列のマラリア抗原関連ペプチド
を結合させることにより、所望のMAP形態の本発明ペ
プチドを収得することができる。この結合反応は、前記
したペプチド合成法に従うことができる。
【0041】MAP形態の本発明ペプチドは、常法に従
い、適当なマトリックス、例えばセファクリールS-300
(ファルマシア社製)などの樹脂を用いたクロマトグラ
フィー操作などにより精製することができる。
【0042】本発明のMAPにおいて、各枝末端に結合
させるマラリア抗原関連ペプチドは、同一のものである
必要はなく任意に組合せたものであることもできる。異
なるマラリア抗原関連ペプチドの組合せ例としては、例
えば、配列番号1及び2で示されるペプチドの組合せ;
配列番号1〜4で示されるペプチド及び配列番号9〜1
9に示されるアミノ酸配列を含むアミノ酸残基を有する
ペプチドの組合せ;表1に示される20前後のアミノ酸
残基を有する各種のペプチドの組合せなどを例示するこ
とができる。このようなMAPは、投与対象における血
中および組織中での安定性、結合された分子の免疫原性
などの向上に役立ち、本発明のマラリア抗原関連ペプチ
ドによるマラリア抗原関連ペプチド-抗体の産生をより
高める場合がある。
【0043】本発明のMAPは、また、それが有するマ
ラリア抗原関連ペプチドの一部としてもしくは開始核部
分に結合させる形で、前記した免疫原性を高めるキャリ
ア蛋白、例えばIL-12、GM-CSFなどの免疫応答を促進す
るポリペプチドなどを結合させた複合型MAP形態とす
ることもできる。
【0044】この複合型MAP形態の例としては、配列
番号1〜4および表4〜6に示すアミノ酸配列を有する
マラリア抗原関連ペプチドのいずれか1以上とIL-12、G
M-CSFなどの免疫応答を促進するポリペプチドなどを結
合させた複合型MAP形態を例示することができる。
【0045】MAP形態を有する本発明のマラリア抗原
関連ペプチドは、免疫原性において優れており、マラリ
ア抗原関連ペプチドに対する抗体の産生を誘起するかあ
るいは抗体産生を増加させる作用を奏し得る。このよう
に、MAP形態を有する本発明のマラリア抗原関連ペプ
チドは、マラリア感染症に対するワクチンとしての作用
を示す結果、抗マラリア効果を奏し得る。
【0046】MAP形態を有する本発明のマラリア抗原
関連ペプチドは、更に、その内部に任意の薬剤、例えば
免疫応答を促進させる作用を有する薬剤などを包み込ん
だ形態に調製することもできる。これは、目的とする抗
体の誘起を更に助長したり、抗体産生を更に増加させ得
るなどの、より高い効果を挙げることができる利点があ
る。
【0047】本発明はまた、本発明のマラリア抗原関連
ペプチドを有効成分として含有するヒトを含む動物のた
めの医薬組成物をも提供する。
【0048】より好ましい本発明の医薬組成物は、有効
成分として含む本発明のマラリア抗原関連ペプチドが、
マラリア抗原関連ペプチドに特異的な抗体を産生する能
力を有する免疫原性ペプチドであるものである。
【0049】免疫原性ペプチドである本発明マラリア抗
原関連ペプチドは、マラリア抗原関連ペプチドの構造的
一部に起因する免疫原性を有している。従って、該ペプ
チドは、その投与によって誘起または産生される抗体ま
たは補体に依存して細胞障害活性化による抗マラリア作
用を奏するため、抗マラリア作用を有する医薬組成物の
有効成分として有用である。また、該ペプチドは、マラ
リア抗原関連ペプチドを発現する細胞におけるマラリア
抗原関連ペプチドを介した細胞間接着の抑制作用などを
奏する医薬組成物としても有用である。
【0050】本発明は、上記医薬組成物に関して、例え
ばマラリア抗原関連ペプチドを認識する抗体の誘起(産
生)を刺激するかまたは該抗体の産生を増強するための
ワクチンとしての用途;抗マラリア作用(マラリア原虫
殺傷作用、マラリア原虫増殖抑制作用)を有する抗マラ
リア作用薬としての用途;およびマラリア抗原関連ペプ
チド発現性の三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、
四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、卵形マラ
リア原虫(Plasmodium ovalis)、及び熱帯熱マラリア原
虫(Plasmodium falciparum)からなる群から選ばれる疾
患の処置への使用を含むものである。
【0051】本発明の医薬組成物は、薬学的有効量の本
発明のマラリア抗原関連ペプチドと薬学的に許容される
担体を含む組成物として調製することができる。
【0052】用いられる薬学的に許容される担体は、当
該分野において周知であり、調製される組成物の形態に
応じて適宜選択することができる。例えば、組成物が水
溶液形態に調製される場合、上記担体としては、水また
は生理学的緩衝液などを制限なく利用することができ
る。また、上記担体としては、例えばグリコール、グリ
セロール、オリーブ油のような注入可能な有機エステル
なども使用することができる。
【0053】本発明の医薬組成物には、例えば有効成分
およびその吸収性を安定化または増加させ得る任意成分
を更に配合することができる。この任意成分としては、
例えば、グルコース、スクロース、デキストランなどの
炭水化物、アスコルビン酸、グルタチオンなどの抗酸化
剤、キレート剤、低分子タンパク質、アルブミンなどの
安定化剤乃至賦形剤を例示することができる。
【0054】本発明の医薬組成物には、製剤設計上汎用
される任意の添加剤、例えば通常の各種の防腐剤、等張
化剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、吸収促進剤などを
適宜配合することができる。これら添加剤の具体例とし
ては、次のものを例示することかできる。例えば防腐剤
としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、クロロヘキシジン、パラベン類(メチルパラベン、
エチルパラベンなど)、チメロサールなどの真菌および
細菌に有効な防腐剤を例示できる。等張化剤としては、
例えばD-マンニトール、D-ソルビトール、D-キシリトー
ル、グリセリン、ブドウ糖、マネトース、蔗糖、プロピ
レングリコールなどの多価アルコール類および塩化ナト
リウムなどの電解質類を例示できる。安定化剤として
は、例えばトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソー
ル、ブチルヒドロキシトルエン、エチレンジアミン四酢
酸塩(EDTA)、システインなどを例示できる。
【0055】本発明の医薬組成物の一具体例としては、
リポソーム製剤を挙げることができる。リポソーム製剤
は、酸性リン脂質を膜構成成分とするかあるいは中性リ
ン脂質と酸性リン脂質とを膜構成成分とするリポソーム
に、本発明マラリア抗原関連ペプチド ペプチドを保持
させたものであることができる。
【0056】膜構成成分としての酸性リン脂質および中
性リン脂質としては、特に制限はなく、この種のリポソ
ーム製剤に慣用される各種脂質の一種を単独で、または
二種以上を混合して使用することができる。
【0057】リポソーム膜は、酸性リン脂質を単独で用
いるかまたは中性リン脂質と酸性リン脂質とを併用し
て、常法に従い形成される。中性リン脂質と併用される
場合、酸性リン脂質の併用割合は、リポソーム膜構成成
分中に0.1〜100モル%程度、好ましくは1〜90モル%、
より好ましくは10〜50モル%程度とするのがよい。
【0058】上記リポソームの調製に当たっては、例え
ばコレステロールなどを添加することができる。これに
よりリン脂質の流動性を調製して、リポソームの調製を
より簡便なものとすることができる。該コレステロール
は、通常リン脂質に対して等量まで、好ましくは0.5倍
重量から等重量の量で添加配合されるのが好ましい。
【0059】リポソーム製剤中の有効成分と酸性リン脂
質との配合割合は、有効成分に対して酸性リン脂質が0.
5〜100当量程度、好ましくは1〜60当量程度、より好ま
しくは1.5〜20当量程度とされるのがよい。
【0060】有効成分とする本発明のマラリア抗原関連
ペプチドの全脂質に対する使用モル%は、数モル%から
数十モル%程度、好ましくは5〜10モル%程度、通常5モ
ル%前後であることができる。
【0061】尚、上記リポソーム製剤の製造、濃縮、粒
径コントロールなどは、常法に従い実施できる。またリ
ポソーム製剤には、所望により前記した各種の添加剤な
どを配合することもできる。
【0062】上記リポソーム製剤の製造において、有効
成分とする本発明マラリア抗原関連ペプチド ペプチド
は、これに脂肪酸(例えばベヘン酸、ステアリン酸、パ
ルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸など)、アルキ
ル基、コレステリル基などを結合させて用いることもで
きる。これらを結合させて調製するリポソーム製剤の製
造もまた常法に従うことができる(Long Circulating L
iposomes: old drugs,New therapeutics., M. C. Woodl
e, G. Storm, Eds: Springer-Verlag Berlin(1998) な
ど参照)。
【0063】本発明の医薬組成物(製剤)中に含まれる
有効成分の量は、薬学的有効量である限り特に制限され
ず広範囲から選択することができる。通常、本発明のマ
ラリア抗原関連ペプチドは、製剤中に約0.00001〜70重
量%、好ましくは約0.0001〜5重量%の範囲から選択し
て使用されるのが望ましい。また、上記医薬組成物の投
与量も、特に限定されず、所望の治療効果、投与方法
(投与経路)、治療期間、患者の年齢、性別その他の条
件などに応じて広範囲から適宜選択することができる。
一般に、該投与量は、患者1日当たり体重1kg当たり、有
効成分が約0.01μg〜10mg、好ましくは約0.1μg〜1mgと
なる範囲から選ばれるのがよい。該製剤は1日当たり1回
投与に限らず、数回に分けて投与することができる。
【0064】本発明の医薬組成物は、好ましくはワクチ
ン組成物として使用できる。その使用に際しては、薬学
的有効量のアジュバントと併用されるのが抗マラリア効
果を高めるためにより好ましい。
【0065】アジュバントとしては、この種ワクチンに
慣用されるものをいずれも制限なく使用できる。その例
としては、例えばフロイント完全アジュバント、ムラミ
ルジペプチド、水酸化アルミニウム、BCG、IL−1
2、N-アセチルムラミン-L-アラニル-D-イソグルタミン
(MDP)、サイモシンα1、QS-21などを例示することが
できる。併用されるアジュバントの量は、その投与後、
ヒトまたは動物に対する免疫反応の一部として表出する
おそれのある皮膚の軟化、痛み、紅斑、発熱、頭痛、筋
肉痛などの症状の程度に応じて適宜決定することができ
る。通常、患者1日当たり体重1kg当たり、約0.1〜1000
μg、好ましくは約1μg〜数百μgの範囲から選ばれるの
が適当である。
【0066】本発明の医薬組成物は、例えば免疫応答促
進ペプチド、抗菌剤(合成抗菌剤)などの他の公知の医
薬品などと併用することができる。
【0067】また、併用薬を利用するに際しては、前記
したように、MAP形態である本発明マラリア抗原関連
ペプチドの内部にこれを包み込んだ形態で利用すること
もできる。
【0068】本発明の医薬組成物は、その有効成分がマ
ラリア抗原に対する抗体と結合する作用を利用して、マ
ラリア感染の診断剤として利用することもできる。この
場合、有効成分である本発明のマラリア抗原関連ペプチ
ドは、「抗マラリア抗原関連ペプチド-抗体」または
「抗マラリア抗原-抗体」の検出のために、例えば標識
化することができる。この標識化は、常法に従い、放射
性化合物、蛍光物質、酵素、ビオチン、造影剤などを利
用して行うことができる。
【0069】かかる診断剤の利用によれば、脳組織、血
液細胞、血液などの体液などの各種サンプル中の抗マラ
リア抗原関連ペプチド-抗体または抗マラリア抗原-抗体
が検出できる。この検出結果は、例えば、マラリアの診
断、病態の把握などに有用である。
【0070】さらに本発明は、前述する本発明のマラリ
ア抗原関連ペプチドをコードする塩基配列からなるDN
A自体をも提供する。該DNAは、前記した本発明のマ
ラリア抗原関連ペプチドの遺伝子工学的手法による製造
に有用である。また、該DNAはこれを有効成分とする
DNAワクチンの調製にも好適に利用することができ
る。
【0071】本発明のマラリア抗原関連ペプチドをコー
ドするDNAの配列は、前記した通りである。好ましい
DNAは、抗マラリア抗原関連ペプチド-抗体の産生能
を有する免疫原性ペプチドとして位置づけられる本発明
のマラリア抗原関連ペプチドをコードするDNAであ
る。更に好ましくは、特に好ましいものとして前記した
本発明のマラリア抗原関連ペプチドをコードするDNA
である。
【0072】DNAワクチンは、抗マラリア抗原関連ペ
プチド-抗体の産生能を有する免疫原性ペプチドである
本発明マラリア抗原関連ペプチドをコードする塩基配列
そのものまたは該塩基配列を有するDNAを含み、該D
NAによってコードされる本発明のマラリア抗原関連ペ
プチドの発現を可能とする組換え発現ベクターを有効成
分とする。
【0073】該ワクチンは、ヒトを含む哺乳類の血液細
胞または脳組織を標的とするDNAワクチンとして有用
であり、前記した本発明のマラリア抗原関連ペプチドを
有効成分とする医薬組成物と同様の使用において有用で
ある。
【0074】DNAワクチンは、医薬として許容される
担体を利用して常法に従い医薬組成物形態に調製するこ
とができる。該担体としては、例えば、滅菌生理食塩
水、滅菌緩衝化生理食塩水などの生理的に許容できる溶
液を挙げることができる。
【0075】また、該医薬組成物は、前記した本発明マ
ラリア抗原関連ペプチドを有効成分とする医薬組成物の
場合と同じくリポソーム製剤として調製することがで
き、アジュバントなどと併用することもできる。
【0076】更に、該医薬組成物には、任意の薬剤、添
加物などを含ませることもできる。その例としては、例
えばカルシウムイオンなどのDNAの細胞内取込みの助
けとなる薬剤を例示することができる。また、前記リポ
ソームおよび例えばフルオロカーボン乳剤、コクリエー
ト(cochleate)、チューブル(tubule)、金粒子、生
分解性マイクロスフェア、カチオン性ポリマーなどのト
ランスフェクションを容易にする薬剤乃至添加物をも使
用することができる。
【0077】ワクチン宿主に導入される発現可能なDN
Aまたは転写されたRNAの量は、非常に広い範囲から
選択される。それらの量は、例えば使用される転写およ
び翻訳プロモーターの強さにも依存する。免疫応答の大
きさは、タンパク質発現のレベルと発現された遺伝子産
物の免疫原性によっても影響される。非経口投与に適し
たDNAワクチンの効果的投与範囲は、DNAとして一
般的に約1ng〜5mg、好ましくは約100ng〜2.5mg、より好
ましくは約1〜750μg、特に好ましくは約10〜300μgの
範囲である。これは、通常、直接、筋肉組織に投与され
る。また、皮下注射、真皮導入、皮膚圧痕、腹腔内送
達、静脈内送達、吸入送達などの他の投与方法によるこ
とも可能である。
【0078】本発明DNAワクチンは、一度のみの投与
によるのではなく、初回投与後の状態をみながら、1か
ら複数回の追加ワクチン投与を行うことにより投与され
るのが好ましい。これによって、所望の効果をより高め
ることが可能となる。また、DNAワクチン投与後、前
記した本発明マラリア抗原関連ペプチドからなる医薬組
成物で追加免疫することも可能である。更に、前記した
各種併用薬の併用もワクチン投与による治療効果を高め
る可能性がある。
【0079】尚、本発明DNAワクチンにおいて、所望
のDNAを発現可能とする組換え発現ベクターの製造に
当たっては、この種のDNAワクチンに慣用されるかあ
るいは当該利用が可能とされる各種の発現ベクターを制
限なく利用することができる。その製造は常法に従うこ
とができる。
【0080】本発明マラリア抗原関連ペプチドは、これ
を抗原として新たな抗体、即ち、マラリア抗原関連ペプ
チドに結合性を有し、それ故、マラリア抗原関連ペプチ
ドを発現するマラリア感染細胞、例えば血液細胞と結合
して、該細胞の増殖を抑制する活性を発揮する抗体(中
和抗体)を製造することができる。本発明はかかる抗体
をも提供する。
【0081】かかる抗体の製造は、本発明のマラリア抗
原関連ペプチドが抗マラリア抗原関連ペプチド-抗体の
産生能を有する免疫原性ペプチドであることの確認手段
としても把握することができる。
【0082】また、本発明のマラリア抗原関連ペプチド
がその同定工程において、ファージライブラリーと患者
からのマラリア抗血清を用いて、該マラリア抗血清と特
異的に結合する、選択されたファージによって発現され
るペプチドをコードするDNAが取得できることから、
本発明によれば、該DNAを組み込んだ挿入DNAを発
現可能なベクターに組込んだ組換え発現ベクターを有効
成分とするヒトまたは哺乳類の細胞叉は組織を標的とす
るDNAワクチンを含有する組成物をも提供することが
可能である。
【0083】かかるDNAワクチンは、マラリア抗原関
連ペプチドをコードする塩基配列が得られる限り、通常
の遺伝子組換え技術を利用することによって製造するこ
とができる。上記塩基配列は、例えば、配列番号1から
4のいずれかに記載するアミノ酸配列を有するペプチド
を免疫源として産生されるポリクローナル抗体に特異的
に結合するマラリア抗原関連ペプチドをコードするDN
Aの塩基配列である限り、特に限定されない。従って、
遺伝子コード(コドン)の縮重のため配列番号5から8
のいずれかに示される塩基配列とは異なるが、正確に配
列番号1から4のいずれかに記載されるアミノ酸配列と
同じアミノ酸配列をもつマラリア抗原関連ペプチドをコ
ードするDNAである限り、それらの塩基配列を有する
DNAも本発明のDNAワクチンのためのマラリア抗原
関連ペプチドをコードするDNAとして包含される。
【0084】本発明のマラリア抗原関連ペプチドをコー
ドするDNAが挿入される発現ベクターは、ヒト叉は哺
乳類の真核性宿主細胞において発現を導くことが可能な
ベクターであればいずれでも良く、特に限定されない。
従って、本発明は、遺伝子組換え技術によってヒト叉は
哺乳類の真核性宿主細胞において発現を得られる抗原蛋
白質として発現されるワクチンとしての医薬組成物とし
て提供され得る。
【0085】前記抗原としてのマラリア抗原関連ペプチ
ドの製造及びマラリア抗原関連ペプチドをコードするD
NAの発現方法は、この分野で周知慣用技術となってい
る。該タンパクは通常の遺伝子組換え技術(例えば、Sci
ence, 224,1431 (1984); Biochem. Biophys. Res. Com
m.,130,692(1985); Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80,5
990 (1983))に従って調製することができる。蛋白の製
造及び発現方法は、大野らの「タンパク実験プロトコー
ル1機能解析編、細胞工学別冊、実験プロトコールシリ
ーズ、1997年、秀潤社」を参考に製造することができ
る。
【0086】得られた組換え蛋白は、所望により、その
物理的性質、化学的性質等を利用した各種の分離操作
〔「生化学データーブックII」、1175-1259 頁、第1版
第1刷、1980年 6月23日株式会社東京化学同人発行;Bi
ochemistry, 25(25), 8274-8277 (1986); Eur. J. Bioc
hem., 163, 313-321 (1987) 等参照〕により分離、精製
できる。該方法としては、具体的には例えば通常の再構
成処理、蛋白沈澱剤による処理(塩析法)、遠心分離、
浸透圧ショック法、超音波破砕、限外濾過、分子篩クロ
マトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロ
マトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)等の各種液体クロマトグラフィー、透析法、之等の
組合せ等を例示でき、特に好ましい上記方法としては所
望の蛋白を結合させたカラムを利用したアフィニティク
ロマトグラフィーを例示できる。
【0087】また、本発明マラリア抗原関連ペプチド
が、有効成分として使用される本発明の抗マラリア治療
剤または抗マラリア医薬組成物が患者に投与される場
合、有効成分としてのマラリア抗原関連ペプチドまたは
その部分ペプチド、及びこれらのペプチドと他の抗マラ
リア治療剤との複合体は、例えば複合体及び薬学的に受
容可能な担体を含有する薬学的組成物として投与され
る。これらや薬学的に受容な担体は、当該分野において
周知されており、例えば、水溶液として(水または生理
学的緩衝液)或いは他の溶媒または材料(例えば、グリコ
ール、グリセロール、オリーブ油のような注入可能な有
機エステル)を例示できる。更に薬学的に利用される担
体としては、例えば複合体の吸収を安定化または増加さ
せるように作用する化合物を含有し得る。該化合物とし
ては、例えば、グルコース、スクロースまたはデキスト
ランのような炭水化物、アスコルビン酸またはグルタチ
オンのような抗酸化剤、キレート剤、低分子タンパク
質、或いは、アルブミンのような他の安定化剤または賦
形剤を包含してもよい。
【0088】本発明の抗マラリア治療剤または抗マラリ
ア医薬組成物が患者に投与される場合、前述するよう
に、有効成分としてのマラリア抗原関連ペプチドまたは
その部分ペプチド及びこれらのペプチドと他の抗マラリ
ア治療剤との複合体が患者に投与されるが、これら有効
成分の投与量は、例えば後者の場合はマラリア抗原関連
ペプチドまたはその部分ペプチドと結合される所望の抗
マラリア治療効果を有する抗マラリア剤の量に依存す
る。従って、疾患治療のために投与される薬物とマラリ
ア抗原関連ペプチドまたはその部分ペプチドとの複合体
の有効量は、当業者には周知の方法を使用して決定する
ことが出来る。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、マラリア抗原に代わる
新規なマラリア抗原関連ペプチドが提供される。よって
該マラリア抗原関連ペプチドは、ヒトマラリア感染患者
に対するワクチンとしての分子医薬として、またマラリ
ア治療効果の向上に寄与する抗マラリア治療剤または抗
マラリア医薬組成物として有用であり、本発明によれば
マラリアの治療に有用なワクチンやマラリア治療剤を提
供することができる。
【0090】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため実施
例を挙げるが、本発明はかかる実施例に記載される範囲
に限定されるものではない。
【0091】参考例 ファージディスプレイライブラ
リーの調製 15merのランダムなアミノ酸配列からなるペプチドを
コードするランダムDNAを、ファージのコートタンパ
ク質pIIIの遺伝子に挿入し、ファージ外殻表面にラン
ダムな15merのアミノ酸配列からなるペプチドを発現
させ、所望のファージディスプレイライブラリーを構築
した。
【0092】上記ファージディスプレイライブラリーの
特徴は、スコットらによって(Scott,J.K. and Smith,
G.P., Science, 249,386-390 (1990))、また実際に構築
された該ライブラリーの特徴はニシら(Nishi T., et a
l., FEBS Lett, 399, 237-240(1996))に示されてお
り、本実施例においては熊本大学・腫瘍医学講座、佐谷
秀幸教授より分与されたものを増幅させて使用した(Lo
t; Ph.D. 970617)。
【0093】実施例1 熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum)に感染した
患者より採取した血清に特異的に結合するファージクロ
ーンを得る目的で、以下のようにパニングを行った。コ
ントロール血清(10人分)および患者血清(5人分)
をそれぞれ、IgG画分とIgM画分とに分け、コント
ロールIgGに結合しなかったファージクローンを患者
IgGと、またコントロールIgMに結合しなかったフ
ァージクローンを患者IgMと反応させて、それぞれに
結合するファージクローンを得た。 この操作を3回繰
返した。各ラウンドで得られたファージクローン(プー
ル)を大腸菌に感染させ、プレートに播き、コロニーを
無作為にそれぞれ、45個ずつピックアップし、ファー
ジクローンを増幅した。合計270クローンを選別し、
個々のクローンに対する患者血清(5人分混合)およ
び、コントロール血清(10人分混合)との結合親和性
をELISAで調べた。
【0094】バイオパニングで得られた270クローン
のファージクローンの結合特異性を調べる為にELIS
Aを行った。まず、プロテインAを固層化した96穴プ
レートに抗ヒトイムノグロブリン(κ軽鎖特異的)抗体
を反応させた。洗浄後、これに患者血清(5人分混合)
または、コントロール血清(10人分混合)を加え、す
ぐに上記で増幅した個々のファージクローンを各ウェル
に1010タイターずつ加えた。2時間後プレートを洗浄
し、ペルオキシダーゼ標識した抗ファージ抗体と反応さ
せた後、各ウェル中のペルオキシダーゼ活性を測定し
た。270クローン中90クローンがポジティブまたは
コントロールより強い結合を示すクローンとして、得ら
れた。
【0095】次に、ポジティブと考えられる90クロー
ンについて、更にどのクローンがIgGまたはIgMに
特異的に結合するクローンであるかをELISAで調べ
た。具体的には96穴プレートに抗ヒトIgG(Fc特
異的)抗体または抗ヒトIgM(μ鎖特異的)抗体をそ
れぞれ固層化し、各ウェルに患者血清(5人分混合)ま
たはコントロール血清(10人分混合)を添加し、これ
に個々のファージクローンを加えた。IgGまたはIg
Mに対する結合能は上記と同様にしてペルオキシダーゼ
標識抗ファージ抗体との反応からペルオキシダーゼ活性
を測定して評価した。
【0096】その結果、患者血清由来のIgGのみに結
合するか又は該IgGにより強く結合するクローンは、
27クローン中11クローンであった。また患者血清由
来IgMのみに結合するか又は該IgMにより強く結合
するクローン数はさらに多く、58クローンであった。
【0097】その後、上記実験でネガティブであったク
ローンの中で追試実験を行ったところ、いくつかの弱い
ポジティブクローンが得られ、最終的に270クローン
から75クローンが患者血清(IgGまたはIgM)と
結合するクローンとして得られた。
【0098】次いでポジティブと判定された75クロー
ンをそれぞれ増幅し、各クローンが発現するペプチドの
アミノ酸配列を決定した。アミノ酸配列の決定は、ダイ
ターミネーター法により、アマシャム社のTHERMO配列キ
ット(Amersham Life Sciene,Code; US79765, Lot番号;
201503)を用いて機器の使用説明書に従い実施した。な
お、DNAの伸長反応は、96℃で30秒、45℃で1
5秒、60℃で4分を1サイクルとして、これを30サ
イクル行い、DNAの塩基配列の決定は、ABI社製の
DNAシーケンサー(ABI PRISMTM377DNAシーケンサー)
を用いて行った。
【0099】この結果、これらの75クローンは、発現
しているペプチドのアミノ酸配列から表1に示すように
42クローンに分類された。
【0100】
【表1】
【0101】さらに、これらのクローンについて発現ペ
プチドのアミノ酸配列を比較して共通配列に基づいて分
類したところ、表2に示すようにIgM結合ペプチドは
4つに、また表3に示すようにIgG結合ペプチドは2
つに分類された。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】さらにこれらのペプチドについて、ホモロ
ジー検索を行ったところ、Plasmodium falciparum由来
の抗原タンパクとホモロジーが高いことが示された。表
4にPlasmodium falciparum由来の抗原タンパクとしてS
erine-repeat antigen(SERA)と上記ペプチドのアミノ
酸配列を対比した結果を、表5にPlasmodium falciparu
m由来の抗原タンパクとしてmerozoite surface antigen
2(MSA2)のIsolate7G8(80-108)と上記ペプチドのアミ
ノ酸配列を対比した結果を、また表6にPlasmodium fal
ciparum由来の抗原タンパクとしてmerozoite surface a
ntigen2(MSA2)のIsolate7G8(42-67)と上記ペプチドの
アミノ酸配列を対比した結果をそれぞれ示す。
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】次いで得られた42つのポジティブクロー
ンを用いて、個々の患者血清(前述の5人を含む20人
分)との反応の強弱を調べたところ、患者血清と非常に
強く反応した。これに対し、コントロール血清との反応
はほとんど認められなかった。
【0109】1例として、クローンu-2-3について患者
血清とコントロール血清との反応性とを比較した結果を
図1に示す。また、比較のため、ネガティブコントロー
ルとしてペプチドを含まないファージクローン(fdD2
3)について同様に患者血清とコントロール血清との反
応性とを比較した結果も併せて示す。図から分かるよう
に、ポジティブクローンu-2-3は、患者血清に対して有
意な反応性を示したが、ネガティブコントロールである
ファージクローン(fdD23)はほとんど反応性を示さな
かった。
【0110】また図2に全てのポジティブクローンと患
者血清(20人)及びコントロール血清(10人)とを反応
させた結果を示す。また、比較のため上述のホモロジー
検索で得られたPlasmodium falciparum由来の抗原タン
パクから作成したペプチド(SERA27-42、TGGG→AAAA、M
SA2 95-111、MSA2(7G8)、MSA2(Thai Tn))についても同
様にして各血清に対する反応性をみた。
【0111】その結果、図2に示すように共通配列をも
つクローン同士が類似の反応性パターンを示し、Plasmo
dium falciparum由来の抗原タンパクから作成したペプ
チドも類似の反応性パターンを示すものがあった。
【0112】以上の結果から、表2に分類別に示すよう
に、それぞれ共通配列TGGGXF、TGGGXA(X
は任意のアミノ酸。以下同じ。)またはTGGG配列を
含むペプチド;PSTGS、PXT(S)GS、PSS
(X)GS、PXXGSまたはZSXGT(Xは任意ア
ミノ酸、Zは疎水性アミノ酸を示す)配列を含むペプチ
ド;GANPGを含むペプチド;および表2のOther群
から選択された15残基のペプチドをもつグループから
1クローンずつ(SERA27-42、MSA2 7G8、およびMSA2 95
-111;配列番号1〜3)、及びその他に反応性の高かっ
た1クローン(u-3-32; 配列番号4)の各群から選択
した4種類の混合物を用いて、それらの患者血清中に含
まれる抗体(IgM)との結合能を、被験血清数を増やし
て検討した。
【0113】結果を図3に示す。図3Aからわかるよう
に、上記ペプチドは患者65人の血清中25人の血清と
反応し、患者血清の4割に相当する血清中に上記ペプチ
ドと結合する抗体が含まれていることが判明した。これ
に対し、図3Bからわかるようにコントロール血清(63
人分)とは全く反応しないか、または非常に低い反応性
しか示さなかった。さらに、上述の65名の患者はWH
Oによる診断定義では、重篤度の中程度と診断された群
であった。そこで、症状の重篤度との相関を調べる目的
で、重篤な患者群(20人)との反応性を調べた。結果を
図3Cに示すが、20人中1人(5%)と高い反応を示し
たが、残りの19人(95%)とは反応しないことがわかっ
た。また、予備試験の段階ではあるが、得られた一部の
ペプチドと反応性の強い患者には血中のマラリア数が少
ないことが示された(図4)。
【0114】上記の結果より、これら反応性の強いペプ
チドは、マラリア感染症の診断薬として利用できること
が示唆された。さらに、これらのペプチドを認識する患
者血清中の抗体は、マラリア抗原に対するエピトープを
認識し、抗マラリア活性を有している可能性が高く、こ
のことか本発明のペプチドはマラリアのワクチンとして
用いることができる可能性が高いと期待される。
【0115】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. <120> Malaria-antigen related peptides <130> 3A701JP <160> 92 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Peptide selected from phage library Peptide related to malaria-antigen <400> 1 Gln Thr Gly Asn Thr Gly Gly Gly Gln Ala Gly Asn Thr Val Gly 5 10 15 <210> 2 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Peptide selected from phage library Peptide related to malaria-antigen <400> 2 Pro Ser Thr Gly Ala Gly Gly Thr Ala Gly Gly Ser Ala Gly Gly 5 10 15 <210> 3 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Peptide selected from phage library Peptide related to malaria-antigen <400> 3 Gly Ala Asn Pro Gly Ala Asp Ala Glu Arg Ser Pro Ser Thr Pro Ala Thr 5 10 15 <210> 4 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Peptide selected from phage library Peptide related to malaria-antigen <400> 4 Gly Met Arg Gly Ile Val Gly Ser Gly Trp Asp Ala Arg Ala Val 5 10 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Sequence <400> 68 Ala Asp Gly Ala Glu Glu Arg Gly Thr His Tyr Ile Ser Phe Arg Pro 5 10 15 Thr Gly Gly Gly Ala Ala Gly 20 <210> 69 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 69 Ala Asp Gly Ala Gly Phe Gly Thr Gly Gly Gly Met Pro Leu Ala Arg 5 10 15 Leu Pro Arg Gly Ala Ala Gly 20 <210> 70 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 70 Ala Asp Gly Ala Ser Trp Phe Glu Ser Thr Gly Gly Gly Ser Ser Pro 5 10 15 Ser Pro Ser Gly Ala Ala Gly 20 <210> 71 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 71 Ala Asp Gly Ala Tyr Ile Ala Arg Ser Ile Pro Thr Gly Gly Gly Leu 5 10 15 Val Trp Leu Gly Ala Ala Gly 20 <210> 72 <211> 22 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 72 Ala Asp Gly Ala Pro Ser Thr Gly Ser Leu Phe Ser Pro Leu Ser Ser 5 10 15 Ser Val Gly Ala Ala Gly 20 <210> 73 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 73 Ala Asp Gly Ala Leu Pro Ser Ser Pro Ser Thr Gly Ser His Val Arg 5 10 15 Val Arg Ser Gly Ala Ala Gly 20 <210> 74 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 74 Ala Asp Gly Ala Leu Leu Leu Ser Pro Ser Thr Gly Ser Trp Lys Val 5 10 15 Ser Ala Pro Gly Ala Ala Gly 20 <210> 75 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 75 Ala Asp Gly Ala Glu Phe Leu Ser Leu Val Pro Ser Thr Gly Ser Ser 5 10 15 Thr Arg Gly Gly Ala Ala Gly 20 <210> 76 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 76 Ala Asp Gly Ala Leu Trp Ala Leu His Gly Pro Pro Ser Thr Gly Ser 5 10 15 Ser Val Arg Gly Ala Ala Gly 20 <210> 77 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 77 Ala Asp Gly Ala Val Gly His Pro Val Thr Gly Ser Cys Ser Ser His 5 10 15 Cys Glu Arg Gly Ala Ala Gly 20 <210> 78 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 78 Ala Asp Gly Ala Phe Ser Ser Ser Thr Pro Pro Ser Gly Ser Val Tyr 5 10 15 Val Asn Leu Gly Ala Ala Gly 20 <210> 79 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 79 Ala Asp Gly Ala Pro Ser His Gly Ser His Ala Val Gly Phe Ser Ser 5 10 15 Ser Arg Phe Gly Ala Ala Gly 20 <210> 80 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 80 Ala Asp Gly Ala Val Pro Ser Ser Gly Ser Ala Ser Trp Leu Gly Pro 5 10 15 Ala Phe Val Gly Ala Ala Gly 20 <210> 81 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 81 Ala Asp Gly Ala Arg Glu Pro Gln Pro Ile Ile Gly Ser Gln Ala Pro 5 10 15 His Gly Thr Gly Ala Ala Gly 20 <210> 82 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 82 Ala Asp Gly Ala Thr Gly Pro Phe Gly Phe Phe Val Pro Ala His Gly 5 10 15 Ser Trp Phe Gly Ala Ala Gly 20 <210> 83 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 83 Ala Asp Gly Ala Gly Tyr Val Asp Trp Ser Ile Gly Thr Leu Pro Cys 5 10 15 Val His Cys Gly Ala Ala Gly 20 <210> 84 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 84 Ala Asp Gly Ala Phe Ala Gly Pro Tyr Ser Arg Gly Thr Gln Pro Phe 5 10 15 Phe Ser Leu Gly Ala Ala Gly 20 <210> 85 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 85 Ala Asp Gly Ala Asn Pro Gly Arg Val Gly Val Asp Ser Ser Val Val 5 10 15 Pro Val Trp Gly Ala Ala Gly 20 <210> 86 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 86 Ala Asp Gly Ala Asn Pro Gly Arg Leu Cys Ser Pro His Cys Leu Leu 5 10 15 Leu Pro Pro Gly Ala Ala Gly 20 <210> 87 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 87 Ala Asp Gly Ala Asn Pro Gly Glu Leu Thr Phe Gly Ala Val Phe Pro 5 10 15 Gly His Arg Gly Ala Ala Gly 20 <210> 88 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 88 Ala Asp Gly Ala Leu Ser His Arg Arg Ile Phe Ser Val Leu His Gly 5 10 15 Ala Asn Pro Gly Ala Ala Gly 20 <210> 89 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 89 Ala Asp Gly Ala Asn Pro Ala Asp Leu Pro Ser Thr Leu Arg Arg Gly 5 10 15 Phe Ala Val Gly Ala Ala Gly 20 <210> 90 <211> 26 <212> PRT <213> Plasmodium falciparum <220> <223> Serine-repeat antigen <400> 90 Ile Lys Cys Thr Gly Glu Ser Gln Thr Gly Asn Thr Gly Gly Gly Gln 5 10 15 Ala Gly Asn Thr Val Gly Asp Gln Ala Gly 20 25 <210> 91 <211> 26 <212> PRT <213> Plasmodium falciparum <220> <223> Merozoite surface antigen2, Isolate7G8 (42-67) <400> 91 Ser Met Ala Glu Ser Lys Pro Ser Thr Gly Ala Gly Gly Thr Ala Gly 5 10 15 Gly Ser Ala Gly Gly Ser Ala Gly Gly Ser 20 25 <210> 92 <211> 29 <212> PRT <213> Plasmodium falciparum <220> <223> Merozoite surface antigen2, Isolate7G8 (80-108) <400> 92 Gly Ser Ala Gly Ser Gly Asp Gly Asn Gly Ala Asn Pro Gly Ala Asp 5 10 15 Ala Glu Arg Ser Pro Ser Thr Pro Ala Thr Thr Thr Thr 20 25
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは、ポジティブクローンu-2-3についてマラ
リア患者の血清とコントーロール血清に対する結合反応
性を比較した図であり、Bは、ネガティブコントロール
(fdD23)について、同様にマラリア患者の血清とコン
トーロール血清に対する結合反応性を比較した図であ
る。
【図2】すべてのポジティブクローンについてマラリア
患者血清(20人分)及びコントロール血清(10人分)と
の反応性をみた結果を示す図である。
【図3】4種の混合ペプチドについて、Aはマラリア患
者血清(65人分)との反応性をみた結果を、Bはコント
ロール血清(63人分)との反応性をみた結果を、Cはマ
ラリア患者のうち重篤な患者の血清(20人分)との反応
性をみた結果をそれぞれ示す。
【図4】患者血清と4種の混合ペプチドに対する結合反
応性を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12N 15/00 ZNAA // C12P 21/02 5/00 A (72)発明者 瀧 孝雄 徳島県板野郡北島町江尻字山王宮8−4 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA31 CA01 FA01 GA11 4B064 AG31 CA19 CC24 DA01 4B065 AA86Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA45 4C085 AA03 BA06 CC32 EE01 EE06 FF24 GG03 4H045 AA11 BA13 BA16 BA17 BA18 CA22 DA86 EA31 FA74

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号1〜4のいずれかに示されるアミ
    ノ酸配列からなるマラリア抗原関連ペプチド。
  2. 【請求項2】請求項1に記載するマラリア抗原関連ペプ
    チドに対する抗体と特異的に反応するマラリア抗原関連
    ペプチド。
  3. 【請求項3】配列番号1に示されるアミノ酸配列からな
    るマラリア感染患者血清と特異的に反応するマラリア抗
    原関連ペプチド。
  4. 【請求項4】請求項1叉は2の少なくとも1種のマラリ
    ア抗原関連ペプチドと薬学的に許容される担体を含有す
    る、マラリア抗原を認識する抗体の産生を刺激または増
    強するためのワクチン。
  5. 【請求項5】配列番号1〜4のいずれかに示されるアミ
    ノ酸配列からなるマラリア抗原関連ペプチドをコードす
    るDNA。
  6. 【請求項6】配列番号5〜8のいずれかに示される塩基
    配列からなるマラリア抗原関連ペプチドをコードするD
    NA。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載するDNAが挿入
    された組換え体発現ベクター。
  8. 【請求項8】請求項7記載の組換え体発現ベクターが組
    込まれた宿主細胞。
  9. 【請求項9】請求項5または6に記載のDNAによって
    コードされるマラリア抗原関連ペプチドの組換体発現産
    物。
  10. 【請求項10】請求項9記載の組換体発現産物を有効成
    分とするDNAワクチン。
  11. 【請求項11】請求項4に記載のワクチンまたは請求項
    10記載のDNAワクチンの少なくとも1種を含有する
    抗マラリア医薬組成物。
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