JP2003526315A - アミノ末端修飾を有するケモカイン - Google Patents

アミノ末端修飾を有するケモカイン

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードする配列を含むポリヌクレオチド、コードされるアミノ末端修飾ケモカイン、およびその用途を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 一般的には、本発明は、アミノ末端修飾(N−末端修飾)ケモカイン、および
ケモカイン受容体とそれらの受容体の天然リガンドとの間の相互作用を抑制する
ためのかかるケモカインの使用に関する。より詳細には、本発明は、アミノ末端
にさらなるアミノ酸または他の基が結合したケモカインをコードする組み換えポ
リヌクレオチド配列の宿主細胞における発現、ならびにワクチンアジュバント、
移動性細胞の化学走性動員剤、血管形成刺激または抑制のための薬剤、自己免疫
疾患および炎症に対する薬剤ならびに特定の受容体へのHIV結合および感受性
細胞に対するHIV感染を抑制する薬剤としてのケモカイン受容体を同定するた
めの研究道具としてのN−末端修飾ケモカインの使用に関する。
【0002】 ケモカイン(または化学走性サイトカイン)は移動性細胞を化学走性的に誘引
しうるサイトカイン分子のクラスであり、炎症における細胞動員および活性化に
関与している。一般的には、ケモカインはサイトカインのごとき他の小型蛋白と
同様に8〜10kDaの低分子であり、インビボにおいて迅速に不活性化され、
比較的寿命が短いものと考えられている。大部分のケモカインは、これらの蛋白
のアミノ末端付近の2個の非常に保存されたシステインアミノ酸の間隔に基づい
て2つのサブグループに分類され、それらはCXC(アルファケモカイン)また
はCC(ベータケモカイン)である。CXCおよびCCサブグループ中において
、ケモカインは、それらのアミノ酸配列類似性に基づいてさらに関連ファミリー
に分類される。CXCケモカインファミリーはIP−10およびMigファミリ
ー;GROα、GROβおよびGROγファミリー;インターロイキン−8(I
L−8)ファミリー;ならびに血小板因子4(PF4)ファミリーを包含する。
同定されている他のCXCケモカインは:C10、DC−CK1、CKα1、C
Kα2、ENA−78、GCP−2および血小板塩基性蛋白(PBP)ならびに
その誘導体CTAPIII、β−スロンボグロブリン、そしてNAP−2である
。CCケモカインファミリーは、単球化学誘引性蛋白(MCP)ファミリー(M
CP−1からMCP−4までを含む);マクロファージ抑制蛋白−1α(MIP
−1α)、マクロファージ抑制蛋白−1β(MIP−1β)、ならびに活性化に
より調節される正常T細胞発現(RANTES)蛋白;ならびにリンホタクチン
ファミリーを包含する。同定されている他のCCケモカインは:ATAC、エオ
タキシン、エオタキシンエオタキシン2、I−309、HCC−1、HCC−2
、HCC−3、LARK/MIP−3α、MIP−3β、PARC、TARC、
6Ckine、ELC、SLC、CKβ4,CKβ6、CKβ7、CKβ8、C
Kβ9、CKβ11、CKβ12、CKβ13である。CX3C(またはCX3
C)は最近同定されたケモカインの新たなクラスのメンバーである。ケモカイン
ストローマ細胞由来因子1α(SDF−1α)およびストローマ細胞由来因子1
β(SDF−1β)は、アミノ酸類似性によればCXCおよびCCケモカインサ
ブグループに対してほぼ同等に関連したカモカインファミリーを形成している。
ケモカインファミリーの個々のメンバーは少なくとも1種のケモカイン受容体に
結合することが知られており、一般的には、CXCケモカインはCXCRクラス
の受容体(XCXR1〜CXCR4)に結合し、CCケモカインはCCRクラス
の受容体(CCR1〜CCR8)に結合する。例えば、SDF−1αはCXCR
受容体フシン/CXCR4のリガンドとして知られており、MIP−1αはCC
R受容体CCR1、CCR4およびCCR5に結合することが知られている。
【0003】 同定されている他のケモカイン受容体は:BLR1、MDR15、EBI−1
、CMKBRL1、HCMV−US28、HSV−ECRF3およびDuffy抗原
(DARC)である。
【0004】 自己免疫疾患、炎症または正常な免疫応答に関与している可能性のある、ある
いは血管形成、骨吸収または他の細胞プロセスを刺激または特性する他の細胞間
因子を放出する可能性のあるリンパ球、白血球および抗原提示細胞(APCs)
のごとき移動性細胞が、ケモカイン勾配の存在によって誘引される。例えば、自
己免疫疾患の開始には、自己蛋白に応答しうるリンパ球の、抗原性自己蛋白を有
する器官中への浸潤または動員が必要である。炎症性アテローム性動脈硬化傷害
は、一部には、傷害部位に動員された白血球による血管コンパートメントの浸潤
による。免疫応答を誘導するためには、抗原性蛋白および糖蛋白がBリンパ球表
面に結合して抗体産生を刺激し、抗原提示細胞により取り込まれ、処理され、つ
いで、Tリンパ球に対して提示されてTリンパ球応答を媒介しなくてはならない
。特定部位へのケモカイン勾配により誘引された場合にIP−10またはIL−
8を分泌する移動性細胞は、それぞれ、当該部位における血管形成を抑制または
刺激しうる。ケモカインを用いて、適当なケモカインを発現する移動性細胞のた
めの化学誘引性勾配を確立してもよく、あるいは存在している化学誘引性勾配を
不明瞭にしてもよい。
【0005】 ケモカイン受容体は、ウイルス蛋白との相互作用のごとき化学走性以外の機能
にも関与している。HIV−1は細胞表面に結合して、これらの細胞に侵入し、
細胞中でウイルス遺伝子を複製または完成させることが知られている。特定の抗
原提示細胞を含めて、Tリンパ球および他の細胞上のCD4蛋白はHIV−1ウ
イルスエンベロープ蛋白gp120に結合することが示されている。これにより
、gp120のコンホーメション変化が誘発され、ついで、gp120およびお
そらくCD4の領域が露出し、そして、ケモカイン受容体に結合すると考えられ
る。現在に至まで、CXCR4(フシンとしても知られる)、CCR5、および
いくつかの他のケモカイン受容体がHIV−1の共受容体として同定されている
。HIV−1の単球親和性(M−親和性)単離体は、細胞に感染するにはCCR
5との相互作用を必要とし、T−リンパ球親和性(T−親和性)HIV−1単離
体は、感染に別の共受容体CXCR4を必要とする。HIV−1が細胞に侵入す
るためにCCR2およびCCR3のごとき他のCCR受容体も使用できることを
示すいくつかの証拠がある。いくつかのHIV−2単離体に関しては、フシン/
CXCR4単独のごときある種のケモカインは、細胞に結合して侵入するのに必
要な細胞表面蛋白を提供しうるように思われる。
【0006】 ケモカイン−受容体相互作用を促進、変化または抑制する新たな組成物、なら
びにそれらの使用方法に対する必要性があり続けている。
【0007】発明の概要 出願人は、ケモカインまたはケモカイン由来のポリペプチドを含むある種のア
ミノ末端修飾ケモカインをコードする新規ポリヌクレオチドを初めて構築した。
これらの構築物から発現されるアミノ末端修飾ケモカインは、ケモカイン受容体
を発現する細胞との新規相互作用を包含する、新規かつ予期せぬ特性を示した。
【0008】 1の具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードする単離
ポリヌクレオチドを含む組成物を提供し、該ケモカインはSDF−1α、SDF
−1β、IP−10、Mig、GROα、GROβ、GROγ、インターロイキ
ン−8、PF4、ENA−78、GCP−2、PBP、CTAP−III、β−
スロンボグロブリン、NAP−2、C10、DC−CK1、CKα1、CKα2
、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、MIP−
1β、リンホタクチン、ATAC、エオタキシン、エオタキシン2、HCC−1
、HCC−2、HCC−3、LARC/MIP−3α、MIP−3β、PARC
、TARC、6Ckine、ELC、SLC、CKβ4、CKβ6、CKβ7、
CKβ8、CKβ9、CKβ11、CKβ12、CKβ13、およびCX3Cか
らなる群より選択される。好ましくは、アミノ−末端修飾ケモカインは、ケモカ
インのアミノ末端に共有結合した少なくとも1個のメチオニン残基、あるいはケ
モカインのアミノ末端に共有結合した少なくとも1個のアミノオキシペンタン残
基、あるいはケモカインのアミノ末端に共有結合した少なくとも1個のGroH
EKペプチドを含む。ある好ましい具体例において、ポリヌクレオチドは発現制
御配列に作動可能に連結され、あるいは発現されたアミノ末端修飾ケモカインの
分泌を指令する配列に作動可能に連結される。また本発明は、かかるポリヌクレ
オチド組成物で形質転換された宿主細胞、好ましくは、哺乳動物細胞も提供する
【0009】 アミノ末端修飾ケモカインの製造方法も提供され、該方法は、 (a)適当な培地においてかかるポリヌクレオチド組成物で形質転換された宿
主細胞の培養物を増殖させ、 (b)培養物からアミノ末端修飾ケモカインを精製する ことを含む。
【0010】 かかる方法により製造されたポリペプチドも本発明により提供される。
【0011】 宿主においてアミノ末端修飾ケモカインを製造する方法も提供され、該方法は
、 (a)宿主から幹細胞を単離し、 (b)かかるポリヌクレオチド組成物で幹細胞を形質転換し、ついで (c)形質転換幹細胞を宿主中に再導入する ことを含み、形質転換幹細胞がアミノ末端修飾ケモカインを発現するものである
方法である。
【0012】 もう1つの具体例は、アミノ末端修飾ケモカインをコードする単離ポリヌクレ
オチドを含む組成物を提供し、該アミノ末端修飾ケモカインはSDF−1α、S
DF−1β、IP−10、Mig、GROα、GROβ、GROγ、インターロ
イキン−8、PF4、ENA−78、GCP−2、PBP、CTAP−III、
β−スロンボグロブリン、NAP−2、C10、DC−CK1、CKα1、CK
α2、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、MI
P−1β、リンホタクチン、ATAC、エオタキシン、エオタキシン2、HCC
−1、HCC−2、HCC−3、LARC/MIP−3α、MIP−3β、PA
RC、TARC、6Ckine、ELC、SLC、CKβ4、CKβ6、CKβ
7、CKβ8、CKβ9、CKβ11、CKβ12、CKβ13、およびCX3
Cからなる群より選択されるケモカインから誘導される。
【0013】 もう1つの具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードす
る単離ポリヌクレオチドを含む組成物を提供し、該ポリヌクレオチドは (a)配列番号:6のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98506として寄託されたmet−hSDF−1
αをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド配列を
含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:10のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:10のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択される。
【0014】 さらなる具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードする
単離ポリヌクレオチドを含む組成物を提供し、該ポリヌクレオチドは (a)配列番号:7のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98507として寄託されたmet−hSDF−1
βをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド配列を
含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:11のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:11のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択される。
【0015】 もう1つの具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードす
る単離ポリヌクレオチドを含む組成物を提供し、該ポリヌクレオチドは (a)配列番号:8のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98508として寄託されたGroHEK/hSD
F−1αをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド
配列を含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:12のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:12のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択される。
【0016】 もう1つの具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードす
る単離ポリヌクレオチドを含む組成物を提供し、該ポリヌクレオチドは (a)配列番号:9のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98509として寄託されたGroHEK/hSD
F−1βをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド
配列を含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:13のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:13のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択される。
【0017】 さらなる具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードする
単離ポリヌクレオチドを含む組成物を提供し、該ケモカインはフシン/CXCR
4ケモカイン受容体に結合するものである。
【0018】 また本発明は、アミノ末端修飾ケモカインをコードする単離ポリヌクレオチド
を含む組成物を提供し、該アミノ末端修飾ケモカインは、対応未修飾ケモカイン
よりも有効なHIV感染抑制剤である。
【0019】 他の具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を提
供し、ケモカインはSDF−1α、SDF−1β、IP−10、Mig、GRO
α、GROβ、GROγ、インターロイキン−8、PF4、ENA−78、GC
P−2、PBP、CTAP−III、β−スロンボグロブリン、NAP−2、C
10、DC−CK1、CKα1、CKα2、MCP−1、MCP−2、MCP−
3、MCP−4、MIP−1α、MIP−1β、リンホタクチン、ATAC、エ
オタキシン、エオタキシン2、HCC−1、HCC−2、HCC−3、LARC
/MIP−3α、MIP−3β、PARC、TARC、6Ckine、ELC、
SLC、CKβ4、CKβ6、CKβ7、CKβ8、CKβ9、CKβ11、C
Kβ12、CKβ13、およびCX3Cからなる群より選択される。好ましくは
、アミノ末端修飾ケモカインは、ケモカインのアミノ末端に共有結合した少なく
とも1個のメチオニン残基、あるいはケモカインのアミノ末端に共有結合した少
なくとも1個のアミノオキシペンタン残基、あるいはケモカインのアミノ末端に
共有結合した少なくとも1個のGroHEKペプチドを含む。
【0020】 さらなる具体例は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を提供し、該アミ
ノ末端修飾ケモカインはSDF−1α、SDF−1β、IP−10、Mig、G
ROα、GROβ、GROγ、インターロイキン−8、PF4、ENA−78、
GCP−2、PBP、CTAP−III、β−スロンボグロブリン、NAP−2
、C10、DC−CK1、CKα1、CKα2、MCP−1、MCP−2、MC
P−3、MCP−4、MIP−1α、MIP−1β、リンホタクチン、ATAC
、エオタキシン、エオタキシン2、HCC−1、HCC−2、HCC−3、LA
RC/MIP−3α、MIP−3β、PARC、TARC、6Ckine、EL
C、SLC、CKβ4、CKβ6、CKβ7、CKβ8、CKβ9、CKβ11
、CKβ12、CKβ13、およびCX3Cからなる群より選択されるケモカイ
ンから誘導される。
【0021】 もう1つの具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成
物を提供し、該アミノ末端修飾ケモカインは (a)配列番号:10のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98506として寄託されたmet−hSDF−1
αポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:10のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98506として寄託されたmet−hSDF−1
αポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列のアミノ末端フラグ
メント; からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0022】 もう1つの具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成
物を提供し、該アミノ末端修飾ケモカインは (a)配列番号:11のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98507として寄託されたmet−hSDF−1
βポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:11のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98507として寄託されたmet−hSDF−1
βポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列のアミノ末端フラグ
メント; からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0023】 もう1つの具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成
物を提供し、該アミノ末端修飾ケモカインは (a)配列番号:12のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98508として寄託されたGroHEK/hSD
F−1αポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:12のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98508として寄託されたGroHEK/hSD
F−1αポリヌクレオチドポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸
配列のアミノ末端フラグメント; からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0024】 もう1つの具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成
物を提供し、該アミノ末端修飾ケモカインは (a)配列番号:13のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98509として寄託されたGroHEK/hSD
F−1βポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:13のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98509として寄託されたGroHEK/hSD
F−1βポリヌクレオチドポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸
配列のアミノ末端フラグメント; からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0025】 本発明のアミノ末端修飾ケモカインを含む組成物は、医薬上許容される担体を
さらに含んでいてもよい。アミノ末端修飾ケモカインと反応するが、未修飾ケモ
カイン反応しない抗体を含む組成物も、本発明により提供される。
【0026】 また本発明は、アミノ末端修飾ケモカインと相互作用しうる分子を同定する方
法も提供し、該方法は、 (a)アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を、インジケーター分子および
相互作用につき試験すべき分子を含む組成物と混合し、ついで (b)変化したインジケーター分子の存在を検出する ことを含む。
【0027】 受容体機能を変化させる方法も提供され、該方法は、受容体を少なくとも1種
のアミノ末端修飾ケモカインに結合させることを含む。
【0028】 また本発明は、ケモカイン受容体と受容体のリガンドとの間の相互作用を抑制
する方法も提供し、該方法は、受容体を少なくとも1種のアミノ末端修飾ケモカ
インに結合させることを含む。
【0029】 受容体機能を低下させる方法も提供され、該方法は、受容体を少なくとも1種
のアミノ末端修飾ケモカインに結合させ、機能的受容体分子数を減少させること
を含む。
【0030】 また本発明は、HIV感染を予防、治療または改善する方法も提供し、該方法
は、アミノ末端修飾ケモカインを含む治療上有効量の少なくとも1種の組成物を
投与することを含む。好ましくは、組成物は (a)SDF−1αおよびSDF−1βからなる群より選択されるケモカイン
を含むアミノ末端修飾ケモカイン;および (b)MIP−1αおよびMIP−1βからなる群より選択されるケモカイン
を含むアミノ末端修飾ケモカイン を含む。
【0031】 さらに、HIVとHIV受容体との相互作用を抑制しうるアミノ末端修飾ケモ
カインを同定する方法も提供され、該方法は、 (a)アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を、HIV受容体分子を含む組
成物と混合し、第1の混合物を得て、 (b)第1の混合物を、HIV分子を含む組成物と混合し、第2の混合物を得
て、 (c)HIV受容体分子を含む組成物を、HIV分子を含む組成物と混合し、
対照混合物を得て、 (d)第2の混合物中および対照混合物中のHIV分子とHIV受容体分子と
の相互作用量を決定し、ついで (e)第2の混合物中のHIV分子とHIV受容体分子との相互作用量と、対
照混合物中のHIV分子とHIV受容体分子との相互作用量とを比較する(ここ
に、HIV分子とHIV受容体分子との相互作用量が対照混合物中よりも第2の
混合物中において少ない場合、アミノ末端修飾ケモカインはHIVとHIV受容
体との相互作用を抑制するものである) ことを含む。
【0032】 本発明は、HIV感染に対して感受性のある細胞のHIVによる感染を抑制し
うるアミノ末端修飾ケモカインを同定する方法も提供し、該方法は、 (a)アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を、HIV感染に対して感受性
のある細胞を含む組成物と混合し、第1の混合物を得て、 (b)第1の混合物を、HIV粒子を含む組成物と混合し、第2の混合物を得
て、 (c)HIV感染に対して感受性のある細胞を含む組成物を、HIV粒子を含
む組成物と混合し、対照混合物を得て、 (d)第2の混合物中および対照混合物中のHIVによる感受性細胞の感染量
を決定し、ついで (e)第2の混合物中のHIVによる感受性細胞の感染量と、対照混合物中の
HIVによる感受性細胞の感染量とを比較する(ここに、HIVによる感受性細
胞の感染量が対照混合物中よりも第2の混合物中において少ない場合、アミノ末
端修飾ケモカインはHIVによる感受性細胞の感染を抑制するものである) ことを含む。
【0033】 また本発明は、生物の1領域に移動性細胞を誘引する方法も提供し、該方法は
、アミノ末端修飾ケモカインを含む治療上有効量の少なくとも1種の組成物を投
与することを含む。
【0034】 血管形成を刺激する方法も提供され、該方法は、アミノ末端修飾ケモカインを
含む治療上有効量の少なくとも1種の組成物を投与することを含む。
【0035】 さらに、血管形成を抑制する方法も提供され、該方法は、アミノ末端修飾ケモ
カインを含む治療上有効量の少なくとも1種の組成物を投与することを含む。
【0036】 炎症を予防、治療または改善する方法も提供され、該方法は、アミノ末端修飾
ケモカインを含む治療上有効量の少なくとも1種の組成物を投与することを含む
【0037】 自己免疫疾患を予防、治療または改善する方法も提供され、該方法は、アミノ
末端修飾ケモカインを含む治療上有効量の少なくとも1種の組成物を投与するこ
とを含む。
【0038】 免疫応答を誘導する方法も提供され、該方法は、ワクチンおよびアミノ末端修
飾ケモカインを含む治療上有効量の少なくとも1種の組成物を投与することを含
む。
【0039】 本発明は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物も提供し、該ケモカインは
フシン/CXCR4ケモカイン受容体に結合するものである。
【0040】 さららる具体例において、本発明は、アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物
も提供し、該アミノ末端修飾ケモカインは、対応未修飾ケモカインよりも有効な
HIV感染抑制剤である。
【0041】 さらに、宿主のHIV感染を予防、治療または改善する方法も提供され、該方
法は: (a)宿主から幹細胞を単離し、 (b)本発明のポリヌクレオチドを含む少なくとも1種の組成物で幹細胞を形
質転換し、次いで (c)形質転換した幹細胞を宿主に再導入する(形質転換した幹細胞は少なく
とも1種のアミノ末端修飾ケモカインを発現する) ことを含む。
【0042】 好ましくは、形質転換した幹細胞は、SDF−1αおよびSDF−1βからな
る群より選択されるケモカインを含むアミノ末端修飾ケモカイン;ならびにMI
P−1αおよびMIP−1βからなる群より選択されるケモカインを含むアミノ
末端修飾ケモカインを発現する。
【0043】 本発明の他の態様および利点は、以下に示す本発明の詳細な説明を考慮すれば
明らかであろう。
【0044】発明の詳細な説明 本発明者らは、新規アミノ末端修飾ケモカインを発現するポリヌクレオチドを
初めて構築した。N末端修飾ケモカインはケモカイン受容体と相互作用し、新規
で予想外の特性を有する。
【0045】 本明細書において用いる「ケモカイン」は、走化性活性を有する全てのタンパ
ク質分子を包含する。アミノ末端修飾ケモカインは、そのアミノ末端において修
飾されたケモカインが、いずれかの種類の変更、付加、挿入、欠失、変異、置換
(substitution)、置き換え(replacement)、または他の修飾によってそれ自
体がケモカインから誘導されている場合、「ケモカインから誘導されている」。
特定の細胞集団に対する走化性活性は、そのような細胞集団の方向付けられた配
向または移動の直接的または間接的刺激である。好ましくは、細胞集団は、循環
血球および/または骨髄幹細胞を包含する。より好ましくは、細胞集団は、単球
、B細胞、T細胞、好塩基球、好酸球、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞
および骨髄幹細胞を包含してもよい。最も好ましくは、細胞集団は、単球、T細
胞、好塩基球および骨髄幹細胞を包含してもよい。好ましくは、ケモカインは、
細胞の方向付けられた移動を直接的に刺激する能力を有する。特定のポリペプチ
ドが細胞の集団に対して走化性活性を有するかどうかを、細胞走化性についての
いずれかの公知のアッセイにおいてポリペプチドを用いることによって容易に決
定することができる。走化性活性についてのアッセイ(走化性を誘導または防止
するタンパク質を同定する)は、膜を横切る細胞の移動を誘導するタンパク質の
能力、および一方の細胞集団の他方の細胞集団への接着を誘導するタンパク質の
能力を測定するアッセイからなる。移動および接着に適切なアッセイは、限定す
るものではないが、以下に記載されるものを包含する:Current Protocols in I
mmunology, J.E. Coligan, A.M. Kruisbeek, D.H. Margulies, E.M. Shevach, W
.Strober編, Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience出版(第6
.12章, Measurement of alpha and beta Chemokines 6.12.1-6.12.28); Taubら
, J. Clin. Invest. 95: 1370-1376, 1995; Lindら, APMIS 103: 140-146, 1995
; Mullerら, Eur. J. Immunol. 25: 1744-1748; Gruberら, J. of Immunol. 152
: 5860-5867, 1994; Johnstonら, J. of Immunol. 153: 1762-1768, 1994(これ
ら全てを本明細書に出典明示で援用する)。
【0046】 本明細書において用いる「共有結合」は、直接的かまたはそれ自体が分子に共
有結合しているリンカー分子を介する、分子の共有化学結合による互いの結合を
意味する。
【0047】 本明細書において用いる「アミノ末端修飾ケモカイン」は、いずれかの化学部
分のケモカインポリペプチドのN末端への共有結合の結果を包含する。ここで、
化学部分は以下を包含し得る:いずれかのアミノ酸(単数または複数)または化
学的に修飾されたアミノ酸(単数または複数);ケモカイン、サイトカイン、免
疫グロブリン、抗原、キナーゼ、プロテアーゼ(限定するものではないが、CD
26、HIVプロテアーゼ、グランザイムもしくはカテプシンGを包含する)、
他の酵素、または構造タンパク質のフラグメントまたは全体;上記からいずれか
の形態の変更、付加、挿入、欠失、変異、置換、置き換え、または他の修飾によ
って誘導されたポリペプチド(限定するものではないが成熟IL−8ポリペプチ
ドのLeu−25残基に対する変更(Wellsら, 1996, J. Leukoc. Biol. 59: 53
-60)、SDF−1αおよびSDF−1βの対応するロイシン残基に対する変更
(例えば、配列番号1および2の残基47、配列番号10および11の残基27
、配列番号12および13の残基48、および配列番号14および15の残基2
6)ならびに成熟MIP−1αおよびMIP−1βのチロシン−28残基に対す
る変更(Wellsら, 1996, J. Leukoc. Biol. 59: 53-60)を包含する);His
、Flagまたはmycのような抗体結合タグ;レクチン結合ドメイン;毒素な
ど。好ましくは、ケモカインポリペプチドのN末端へ結合される化学部分は、ケ
モカインポリペプチドのその受容体(単数または複数)への結合を妨害しない。
より好ましくは、アミノ末端修飾ケモカインは、天然に生じる成熟(または分泌
)形態(単数または複数)のケモカインのアミノ末端へ共有結合されたメチオニ
ン残基を含む。別のより好ましい実施態様において、セリンまたはスレオニン残
基をケモカインのN末端に結合させ(N末端残基が既にセリンまたはスレオニン
でない場合)、次いでケモカインを穏やかな過ヨウ素酸酸化に供して、セリンま
たはスレオニンをアルデヒドに転換し、続いてアミノオキシペンタン(AOP)
と反応させて、所望のAOP−ケモカインオキシムを形成させる(Simmonsら, 1
997, Science 276: 276-279(本明細書に出典明示で援用する)を参照のこと)
。アミノ末端修飾ケモカインの他の調製方法は、米国特許第5,656,456
号(本明細書に出典明示で援用する)に記載されている。別の好ましい実施態様
において、ケモカインポリペプチドのN末端に結合される化学部分は、酵素的ま
たは化学的切断部位を含み、その結果アミノ末端修飾ケモカインは、切断されて
、所望の活性を有する分子(単数または複数)を産生し得る。より好ましくは、
エンテロキナーゼ標的アミノ酸配列を含むGroHEKペプチド(配列番号5)
をケモカインのN末端に、所望によりGroHekペプチドをケモカインに連結
する追加のアミノ酸(単数または複数)とともに結合する。GroHEKペプチ
ドを、ケモカインにN末端修飾として結合したままにでき、またはそれを、エン
テロキナーゼによって切断することができる(その結果、追加の連結アミノ酸(
単数または複数)がケモカインへのN末端付加となる)。また、より好ましくは
、HIVプロテアーゼ標的アミノ酸配列を含むペプチドをケモカインのN末端に
、所望によりHIVプロテアーゼ認識ペプチドをケモカインに連結する追加のア
ミノ酸(単数または複数)とともに結合して、HIVプロテアーゼ切断部位を形
成させる。HIVプロテアーゼ認識ペプチドを、ケモカインにN末端修飾として
結合したままにでき、またはそれを、HIVプロテアーゼによって切断すること
ができる(その結果、追加の連結アミノ酸(単数または複数)(存在する場合)
がケモカインへのN末端付加となる)。HIVプロテアーゼによって切断される
アミノ酸配列の例は、TomasselliおよびHeinrikson, Methods in Enzymology 24
1:279-301, 1994(本明細書に出典明示で援用する)に記載されている。別の好
ましい実施態様において、ケモカインポリペプチドのN末端に結合される化学部
分は、所望の活性を有する分子を含み、その結果N末端修飾ケモカインはこの所
望の活性も有する。より好ましくは、ケモカインポリペプチドのN末端に結合さ
れる化学部分は、プロテアーゼを含む。
【0048】 本発明は、アミノ末端修飾ケモカインのフラグメントも包含する。好ましくは
、そのようなフラグメントは、アミノ末端修飾ケモカインの所望の活性を保持す
るか、または所望の活性を生じるようにそれを修飾する。アミノ末端修飾ケモカ
インのフラグメントは、直鎖状形態であってもよく、または例えばH.U. Saragov
iら, Bio/Technology 10, 773-778 (1992)およびR.S. McDowellら, J. Amer. Ch
em. Soc. 114, 9245-9253 (1992)(その両方を本明細書に出典明示で援用する)
に記載の公知の方法を使用してそれを環化してもよい。本明細書において提供す
るアミノ末端修飾ケモカインは、精製タンパク質のアミノ酸配列に類似するが、
修飾が天然に提供されているか故意に操作されているアミノ酸配列によって特徴
付けられるポリペプチドも包含する。例えば、当業者は、ポリペプチドまたはD
NA配列中の修飾を、公知の技術を使用して作製することができる。ポリペプチ
ド配列中の目的の修飾は、コード配列中の選択されたアミノ酸残基の変更、付加
、挿入、欠失、変異、置換、置き換え、または他の修飾を包含し得る。一例とし
て、1個以上のシステイン残基を、欠失させるかまたは他のアミノ酸で置換して
、分子のコンホメーションを変化させてもよい。また、ポリペプチドのアミノ酸
配列をランダム変異技術を使用して変化させ得る。限定するものではないが、炭
水化物、脂質、またはポリエチレングリコールを包含するが他の部分をポリペプ
チドに結合させること、そのような部分を除去することまたは変化させることも
可能である。そのような変更、付加、挿入、欠失、変異、置換、置き換え、また
は他の修飾のための技術は当業者に周知である(米国特許第4,518,584
号を参照のこと)。好ましくは、そのような変更、付加、挿入、欠失、変異、置
換、置き換え、または他の修飾は、アミノ末端修飾ケモカインの所望の活性を保
持しているか、または所望の活性を生じるようにそれを修飾する。
【0049】 本明細書の開示が与えられれば、当業者はまた、生物学的活性を保持すること
が予想され、従ってスクリーニングまたはその他の免疫学的方法に有用であり得
るアミノ末端修飾ケモカインの配列の他のフラグメントおよび誘導体を容易に作
製し得る。そのような修飾は本発明に包含されると考えられる。例えば、アミノ
末端修飾ケモカインを、「リンカー」配列を介して免疫グロブリンのFc部分に
結合させることができる。2価形態のアミノ末端修飾ケモカインについては、そ
のような融合をIgG分子のFc部分に対して行うことができる。他の免疫グロ
ブリンアイソタイプを使用して、そのような融合体を生成してもよい。例えば、
アミノ末端修飾ケモカイン−IgM融合体は、10価形態のケモカインを生じる
。さらに、アミノ末端修飾ケモカインを、Pi結合を介して、ミセル調製物中に
存在するホスファチジルイノシトールに連結させることによって、多価形態のア
ミノ末端修飾ケモカインを作製することが可能である。
【0050】 本発明は、さらに分泌リーダー配列を含むアミノ末端修飾ケモカインおよびア
ミノ末端修飾ケモカインの形態の両方も提供する。分泌リーダー配列が結合され
たアミノ末端修飾ケモカインを宿主細胞中で発現させる場合、分泌リーダー配列
は、アミノ末端修飾ケモカインが翻訳される際に切断され、所望のアミノ末端修
飾を有するか、またはケモカインのN末端に結合された前駆体分子を有する(化
学的または生物学的プロセスによって所望のN末端修飾に転換してもよい)分泌
されたアミノ末端修飾ケモカインを生じる。分泌リーダー配列は、天然に生じる
全長形態のケモカイン上に見出されるものと同じであってもよく、または特定の
宿主細胞におけるアミノ末端修飾ケモカインの発現のために特定して選択された
「合成」分泌リーダー配列であってもよい。
【0051】 本発明は、開示するケモカインの種ホモログであるケモカインを含むものを包
含するアミノ末端修飾ケモカインも提供する。本明細書に提供する配列から適切
なプローブまたはプライマーを作製し、所望の種由来の適切な核酸供給源をスク
リーニングすることによって、種ホモログを単離および同定してもよい。本発明
は、開示するケモカインまたはケモカインをコードするポリヌクレオチドの対立
遺伝子変異体;すなわち、これもまたそのポリヌクレオチドによりコードされて
いるポリペプチドと同一、相同またはこれに関連したポリペプチドをコードする
開示するポリヌクレオチドの天然に生じる別の形態も包含する。
【0052】 本発明は、ストリンジェントな条件下で、好ましくは高度にストリンジェント
な条件下で、本明細書に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイズし得るポリヌ
クレオチドも包含する。高度にストリンジェントな条件は、例えば0.2×SS
C、65℃を包含し;ストリンジェントな条件は、例えば4×SSC、65℃ま
たは50%ホルムアミドおよび4×SSC、42℃を包含する。好ましくは、そ
のようなハイブリダイズするポリヌクレオチドは、それがハイブリダイズする本
発明のポリヌクレオチドと、配列同一性で少なくとも70%相同(より好ましく
は少なくとも80%相同;最も好ましくは90%または95%相同)である。
【0053】アミノ末端修飾ケモカインの発現および精製 タンパク質を組換え生産するために、本発明の単離されたポリヌクレオチドを
、Kaufmanら, Nucleic Acids Res. 19, 4485-4490 (1991)に開示されるpMT2
またはpED発現ベクターのような発現制御配列に作動可能に連結してもよい。
多くの適切な発現制御配列が当該分野において公知である。組換えタンパク質の
一般的な発現方法も公知であり、それらはR. Kaufman, Methods in Enzymology
185, 537-566 (1990)に例示されている。本明細書で定義する「作動可能に連結
」は、本発明の単離されたポリヌクレオチドおよび発現制御配列が、ベクター内
または細胞中で、タンパク質が、連結されたポリヌクレオチド/発現制御配列を
用いて形質転換(トランスフェクト)されている宿主細胞によって発現されるよ
うに配置されていることを意味する。
【0054】 多数の型の細胞が、タンパク質の発現に適切な宿主細胞として作用し得る。哺
乳動物宿主細胞は、例えば、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(C
HO)細胞、ヒト腎臓293細胞、ヒト表皮A431細胞、ヒトColo205
細胞、3T3細胞、CV−1細胞、他の形質転換された霊長類細胞株、正常二倍
体細胞、初代組織のインビトロ培養物由来の細胞株、初代外植片、HeLa細胞
、マウスL細胞、BHK、HL−60、U937、HaKまたはJurkat細
胞を包含する。
【0055】 あるいは、酵母のような下等真核生物または細菌のような原核生物においてタ
ンパク質を生産することが可能であり得る。潜在的に適切な酵母株は、Saccharo
myces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces株、Candida、
または異種タンパク質を発現可能ないずれかの酵母株を包含する。潜在的に適切
な細菌株は、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium
、または異種タンパク質を発現可能ないずれかの細菌株を包含する。タンパク質
が酵母または細菌において作製される場合、機能的なタンパク質を得るために、
その中で生産されたタンパク質を、例えば、適切な部位のリン酸化またはグリコ
シル化により修飾する必要があるかもしれない。公知の化学的または酵素的方法
を使用してそのような共有結合を達成し得る。
【0056】 本発明の単離されたポリヌクレオチドを1つ以上の昆虫発現ベクター中の適切
な制御配列に作動可能に連結し、昆虫発現系を用いることによって、タンパク質
を生産してもよい。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系用の材料および方法は、
例えばInvitrogen, San Diego, California, U.S.A.からキット形態(MaxBacR
ット)で市販されており、そのような方法は、SummersおよびSmith, Texas Agri cultural Experiment Station Bulletin No. 1555 (1987) (本明細書に出典明示
で援用する)に記載されるように、当該分野において周知である。本明細書にお
いて用いる場合、本発明のポリヌクレオチドを発現可能な昆虫細胞は「形質転換
」されている。
【0057】 本発明のタンパク質を、トランスジェニック動物の産物として、例えば、タン
パク質をコードしているヌクレオチド配列を含む体細胞または生殖細胞により特
徴付けられるトランスジェニックウシ、ヤギ、ブタ、またはヒツジの乳の成分と
して発現させてもよい。
【0058】 あるいは、本発明のタンパク質を、精製を容易にする形態で発現させてもよい
。例えば、本発明のタンパク質を、マルトース結合タンパク質(MBP)、グル
タチオン−S−トンスフェラーゼ(GST)またはチオレドキシン(TRX)の
融合タンパク質のような融合タンパク質として発現させてもよい。そのような融
合タンパク質の発現および精製用のキットは、それぞれNew England BioLabs(B
everly, MA)、Pharmacia(Piscataway, NJ)およびInVitrogen(San Diego, CA
)から市販されている。タンパク質にエピトープでタグを付し、次いで、そのよ
うなエピトープに対する特異的抗体を用いることにより精製することもできる。
1つのそのようなエピトープ(「Flag」)はKodak (New Haven, CT)から市販さ
れている。
【0059】 組換えタンパク質の発現に適切な培養条件下で形質転換宿主細胞を培養するこ
とによって、本発明のタンパク質を調製してもよい。次いで、得られた発現タン
パク質を、ゲル濾過およびイオン交換クロマトグラフィーのような公知の精製プ
ロセスを使用して、そのような培養物(すなわち、培養培地または細胞抽出物)
から精製してもよい。タンパク質の精製は、タンパク質に結合する因子を含有す
るアフィニティーカラム;コンカナバリンA−アガロース、heparin-toyopearlR
またはCibacrom blue 3GA SepharoseRのようなアフィニティー樹脂での1つ以上
のカラム工程;フェニルエーテル、ブチルエーテル、もしくはプロピルエーテル
のような樹脂を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィーを含む1つ以上の工
程;またはイムノアフィニティークロマトグラフィーも包含し得る。
【0060】 最後に、疎水性RP−HPLC媒体、例えば懸垂メチル(pendant methyl)ま
たは他の脂肪族基を有するシリカゲルを用いる1つ以上の逆相高速液体クロマト
グラフィー(RP−HPLC)工程を用いて、タンパク質をさらに精製すること
ができる。いくつかまたは全ての上記精製工程を種々の組み合わせで用いて、実
質的に均質な単離された組換えタンパク質を提供することもできる。このように
して精製したタンパク質は、他の哺乳動物タンパク質を実質的に含まず、本発明
に従って「単離されたタンパク質」として定義される。
【0061】 タンパク質を、公知の従来の化学合成によって生産してもよい。合成的手段に
よる本発明のタンパク質の構築方法は当業者に公知である。合成で構築したタン
パク質配列は、タンパク質と、一次、二次もしくは三次構造および/またはコン
ホメーション特性を共有することによって、それと共通の生物学的特性(タンパ
ク質活性を含む)を有し得る。従って、それらを、治療化合物のスクリーニング
および抗体の生成のための免疫学的プロセスにおいて、天然の精製タンパク質の
生物学的に活性なまたは免疫学的な置換物として用いてもよい。
【0062】アミノ末端修飾ケモカインの使用 アミノ末端修飾ケモカインは、ケモカインに対する受容体を発現する細胞を同
定するため、または、ケモカインの単離された受容体分子への結合を研究するた
めの手段として用いることができる。アミノ末端修飾ケモカインは、ケモカイン
に対する受容体を発現する細胞と一緒にインキュベートするとこれらの細胞に結
合し、アミノ末端修飾ケモカインに結合して局在化され得る指示分子、好ましく
は、市販の蛍光標識抗体または他の蛋白質を用いて表示され得る。これは、所定
のケモカインに対する表面受容体を有する細胞および該細胞表面上のこの受容体
の密度を示すであろう。
【0063】 アミノ末端修飾ケモカインとケモカイン受容体または他の分子との間の相互作
用は、また、BIAcoreTMセンサー(ファルマシア(Pharmacia))を用い
て表面プラスモン共鳴の変化を測定することにより直接検出することができる。
ケモカイン受容体またはアミノ末端修飾ケモカインは、製造者により推奨される
ようにBIAcoreTMセンサーチップ上の種々のフローセルに共有結合的に固
定することができる。次いで、相互作用について試験しようとする分子をフロー
セルに注入し、センサーチップ表面に結合した蛋白質の質量を反映する共鳴単位
の変化として結合を検出する。この例において、試験されている分子がケモカイ
ン受容体またはフローセルに共有結合的に固定化されたアミノ末端修飾ケモカイ
ンと相互作用するとフローセルの分子の状態は変化するので、該フローセルの分
子は指示分子として作用している。
【0064】 アミノ末端修飾ケモカインとケモカイン受容体または他の分子との間の相互作
用は、また、酵母において開発されたようなツーハイブリッド(two-hybrid)シ
ステムまたは「相互作用トラップ(interaction trap)」システムを用いて検出
することができる。(Bai and Elledge, 1996, Methods in Enzymology 273: 33
1-347;Allen et al., 1995, Trends in Biochem. Sci. 20: 511-516;およびWh
ite, 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 10001-10003を参照のこと(これ
らの文献の全てを出典明示により本明細書の記載とする))。例えば、アミノ末
端修飾ケモカインは、DNA結合ドメインを有する蛋白質と融合または共有結合
しており、指示分子は、転写活性化ドメインを有する蛋白質と融合または共有結
合した試験しようとする分子を含有する。アミノ末端修飾ケモカインと指示分子
の試験された分子部分との間の相互作用により、指示分子の転写活性化部分がレ
ポーター遺伝子の転写を活性化する。
【0065】 受容体−ケモカイン結合活性についての他の適当なアッセイは、以下の文献に
記載されるものを包含するがこれに限定されない:Current Protocols in Immun
ology, edited by J.E. Coligan, A.M. Kruisbeek, D.H. Margulies, E.M. Shev
ach, W. Strober, published by Greene Publishing Associates and Wiley-Int
erscience (Chapter 7.28, Measurement of Cellular Adhesion under Static C
onditions 7.28.1-7.28.22);Takai et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:6
864-6868, 1987;Bierer et al., J. Exp. Med. 168:1145-1156, 1988;Rosenst
ein et al., J. Exp. Med. 169:149-160, 1989;Stoltenborg et al., J. Immun
ol. Methods 175:59-68, 1994;Stitt et al., Cell 80:661-670, 1995;Daughe
rty et al., J. Exp. Med. 183:2349-2354, 1996;Wu et al., Nature 384: 179
-183, 1996;および Trkola et al., Nature 384: 184-187, 1996(これらの文
献の全てを出典明示により本明細書の記載とする)。
【0066】 アミノ末端修飾ケモカインは、また、ワクチンアジュバントとして用いること
ができる。免疫応答を誘発するために注射された蛋白質および糖蛋白質は、Bリ
ンパ球の表面に結合して抗体産生を刺激し、抗原提示細胞により採取され、処理
され、Tリンパ球に対して提示されてTリンパ球応答を媒介する。抗原注射にア
ミノ末端修飾ケモカインを含有させることにより、必要なAPCおよびリンパ球
の浸潤を、該ケモカインの化学走性的存在により誘発することができる。アミノ
末端修飾ケモカインを用いることの潜在的な長所は、アミノ末端修飾ケモカイン
が未修飾ケモカインと比較して増強された活性を有することができること、また
は、ケモカイン単独よりも長い生物学的半減期を有することができることである
【0067】 アミノ末端修飾ケモカインは、また、抗原提示細胞(APC)の活性を増強す
るために用いることができる。アミノ末端修飾ケモカインのケモカインドメイン
の存在は、APCを化学走性的に誘引する。抗原分子は、APCへのデリバリー
のためにケモカインのN末端に誘引される。かかる抗原含有アミノ末端修飾ケモ
カインがAPCの表面に結合して内在化され、該アミノ末端修飾ケモカインがA
PC中で分解されると、アミノ末端修飾ケモカインの抗原部分は、MHC蛋白質
との相互作用およびAPCの表面上での提示のために解放される。
【0068】 また、アミノ末端修飾ケモカインを用いて、移動細胞の化学走性的動員に影響
を及ぼすことができる。アミノ末端修飾ケモカインを用いて、適当なケモカイン
受容体を発現している移動細胞に対する化学誘引性勾配を確立するか、または、
存在する化学誘引性勾配を不明瞭にしてもよい。大きいかまたは特に安定な異種
ポリペプチドを該ケモカインのアミノ末端に付着させることにより、該アミノ末
端修飾ケモカインは、長い生物学的半減期を有するであろうし、長い永久的な化
学誘引性勾配を確立することができるであろうし、予め存在している勾配を不明
瞭にするのにより有効であろう。また、特定部位での化学誘引性勾配を確立する
ために特定分子または細胞に結合することによりアミノ末端修飾ケモカインを特
定部位に指向させるN−末端修飾が選択される。化学誘引性勾配を変えることに
より、アミノ末端修飾ケモカインを用いて、移動細胞の動員を必要とする炎症お
よび自己免疫障害を治療することができる。また、IL−8またはIP−10な
どの他の細胞間因子を産生する移動細胞を特定部位へ誘引することにより、アミ
ノ末端修飾ケモカインを用いて、例えば、その部位での血管形成を刺激すること
ができる(例えば、動員された移動細胞がIL−8を分泌している場合)か、ま
たは、その部位での血管形成を抑制することができる(例えば、動員された移動
細胞がIP−10を分泌している場合)。さらに、骨髄移植被移植者の骨髄内で
のアミノ末端修飾ケモカインの勾配を確立することにより、アミノ末端修飾ケモ
カインを用いて、移植された骨髄細胞を、それらを必要とする骨髄に動員するこ
とができる。同様に、それらを用いて決定された因子を分泌する特定のクラスの
移動細胞を引き付けることにより、他の細胞プロセスは、アミノ末端修飾ケモカ
インにより影響され得る。他の例として、骨吸収は、破骨細胞動員、分化および
活性化を媒介するIL−1β、IL−6およびTNF−αなどの可溶性調節分子
の骨髄内産生により制御される。IL−6は、破骨細胞の前駆細胞からの発生を
刺激することにより骨吸収に影響を及ぼし、骨芽細胞に対する分裂誘発効果を有
する。アミノ末端修飾ケモカインを用いて、破骨細胞を刺激する因子を分泌する
細胞を誘引することができるか、または、存在する化学誘引性勾配を不明瞭にす
ることにより、骨内の部位へのかかる細胞の動員を抑制することができる。
【0069】 また、アミノ末端修飾ケモカインを用いて、ケモカイン−受容体相互作用の特
性に作用することができ、内因性分子のそれらの受容体への結合を遮断できる。
N−末端修飾ケモカインにより影響される「受容体機能」としては、リガンド分
子を結合する能力、他の蛋白質と相互作用する能力、受容体を発現する細胞の特
性または作用に影響を及ぼす「シグナル」を伝達する能力、または、他の細胞と
相互作用するかもしくは他の細胞に影響を及ぼす能力が挙げられるが、これに限
定されない。受容体を結合することにより、アミノ末端修飾ケモカインは、正常
なリガンドを介して受け取られたシグナルと同様のシグナルを送達できる。アミ
ノ末端修飾ケモカインを結合することにより送達されたシグナルは、アミノ末端
修飾ケモカインの構造のために正常なリガンドの特性とは異なるいくつかの特性
を有する。これは、延長された誘発/活性化または低下した活性化を包含する。
アミノ末端修飾ケモカインは、それらのサイズが大きいことまたはN−末端修飾
の構造の性質のために、未修飾リガンドと比較して長い半減期を有することがで
き、延長されたシグナル伝達/活性化に至ることがある。また、アミノ末端修飾
ケモカインのサイズが大きいことにより、未修飾リガンドの結合を遮断する多少
の立体障害を引き起こすであろう。アミノ末端修飾ケモカインは、受容体と結合
し、同受容体を不活性化し、さらに、同受容体を介してシグナル伝達することに
より、正常なリガンドに対する同受容体の応答を脱感作することができる。受容
体が2種類以上のシグナル伝達機能を有する場合、アミノ末端修飾ケモカインは
、シグナル伝達の一の形態を抑制し、一方、他の形態を増強するかまたは変える
ことができる。また、アミノ末端修飾ケモカインは、受容体に結合することがで
き、該受容体のダウンレギュレーションおよび/または内在化を引き起こすこと
ができる。さらに、アミノ末端修飾ケモカインは、受容体に結合することができ
、受容体の内在化および分解を引き起こすことができ、かくして、それが膜表面
に再循環するのを防止することができる。また、一の受容体に結合することによ
り、アミノ末端修飾ケモカインは、別の受容体または膜蛋白質を脱感作させるか
または正常に機能できなくすることができる。
【0070】 CD4およびフシン(fusin)/CXCR4受容体を発現する細胞のHIV−
1感染は、フシン/CXCR4により結合される精製SDF−1ケモカインの添
加により非常に減少する。37℃で短期間、精製SDF−1の存在下、細胞をプ
レインキュベートすることにより受容体の大きなダウンレギュレーションを引き
起こす。このフシン/CXCR4のダウンレギュレーションは、HIV−1の細
胞への感染能の低下と相関関係にある。また、アミノ末端修飾ケモカインを用い
て、ウイルスのケモカイン受容体への結合を遮断することにより、HIVまたは
他のウイルスによる細胞の感染を予防することができる。「HIV分子」は、H
IVウイルス単離体に対して感受性のある細胞に感染する能力を有しても有して
いなくてもよい、単離ポリペプチドおよびそのフラグメントを包含するHIVウ
イルスのいずれの部分も意味する。「HIV粒子」は、ある種の細胞に感染する
能力を有するHIVビリオンまたはその誘導体を意味する。本明細書で用いる場
合、「感受性のある細胞」は、ある種のHIVウイルス単離体により感染され得
る種類の細胞、好ましくは、HIV−1IIIBにより感染され得るT1細胞である
。アミノ末端修飾ケモカインは、対応する未修飾ケモカインよりも有効なHIV
感染抑制剤であり、細胞培養上清中のHIV特異的蛋白質の存在によりアッセイ
されるように、感受性のある細胞のアミノ末端修飾ケモカインとのインキュベー
ションは、未修飾ケモカインとのインキュベーションよりもHIV感染の発生を
低下させる。例えば、実施例6の表2および表3は、付加的アミノ末端メチオニ
ンを有する成熟ヒトSDF−1αであるアミノ末端修飾ケモカインmet−hS
DF−1αが対応未修飾ケモカインlys−hSDF−1α(リジンは、未修飾
成熟蛋白質のアミノ末端アミノ酸である)よりも有効なHIV感染抑制剤である
ことを示している。
【0071】 アミノ末端修飾ケモカインmet−hSDF−1αは、フシン/CXCR4受
容体を発現する細胞に結合することが判明している。この結合は、以下に示す多
くの方法で、T親和性であるHIV−1単離体がフシン陽性細胞に感染するのを
遮断することができる:存在するケモカイン受容体に対してHIVと競争するこ
と、内在化によるケモカイン受容体のダウンレギュレーション、およびHIVが
感染のために必要とする受容体の脱感作。同様の方法で、met−MIP−1α
またはmet−MIP−1βなどの他のアミノ末端修飾ケモカインは、CCR5
受容体を発現する細胞に結合することができる。この結合は、多くの方法で、M
親和性であるHIV−1単離体がCCR5陽性細胞に感染するのを遮断するであ
ろう:存在するケモカイン受容体に対してHIVと競争すること、内在化による
ケモカイン受容体のダウンレギュレーション、およびHIVが感染のために必要
とする受容体の脱感作。さらに、グリコシル化の変化、または、化学的部分の、
アミノ末端修飾ケモカインの残部への付加などのアミノ末端修飾ケモカインの修
飾は、シグナル伝達の喪失を伴う結合を増強し、強い拮抗作用を生じる。数種類
のケモカインを用いてアミノ末端修飾ケモカインを調製することにより、広範囲
に及ぶケモカイン受容体を抑制または脱感作することができ、かくして、他のケ
モカイン受容体を用いて細胞に感染するように突然変異したウイルス単離体を遮
断することができる。また、例えば、met−hSDF−1のロイシン(配列番
号10および11の27位)をチロシンに変えてCXCR受容体からCCR受容
体へその結合特異性を変えることにより、より広範囲に及ぶ受容体に結合するよ
うにケモカイン配列を修飾することができる;かくして、一の修飾ケモカインは
、CCR5受容体および他のCCR受容体に結合することができ、別の修飾ケモ
カインは、CXCR4受容体および種々の別のCXCR受容体に結合することが
でき、さらに別の修飾ケモカインは、CCR受容体およびCXCR受容体の両方
に結合することができる。アミノ末端修飾ケモカインの組合せを同時に投与する
ことにより、最も多くの種類のケモカイン受容体をHIVまたは他のウイルス単
離体による結合から保護することができる。
【0072】 また、アミノ末端修飾ケモカインはT細胞蛋白質CD26と相互作用して、C
D26がHIV感染において果たす役割を変化させることもできる。
【0073】投与および用量 本発明のアミノ末端修飾ケモカイン(どのような源からであってもよく、組み
換え法および非組み換え法によるものを包含するが、これらに限らない)を、医
薬上許容される担体と混合して医薬組成物中に用いてもよい。かかる組成物は(
蛋白および担体のほかに)、希釈剤、充填剤、塩類、バッファー、安定化剤、可
溶化剤、および当該分野でよく知られた他の物質を含有していてもよい。用語「
医薬上許容される」は、有効成分の生物学的活性の有効性を妨害しない無毒の物
質を意味する。担体の特性は投与経路に依存する。本発明医薬組成物は、M−C
SF、GM−CSF、TNF、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL
−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、I
L−12、IL−13、IL−14、IL−15、IFN、TNF0、TNF1
、TNF2、G−CSF、Meg−CSF、スロンボポイエチン、幹細胞因子、
およびエリスロポイエチンのごときサイトカイン、リンホカイン、または他の造
血因子を含有していてもよい。医薬組成物はさらに、蛋白活性を増強し、あるい
は治療においてその活性または有用性を補う他の作用剤を含有していてもよい。
かかるさらなる因子および/または作用剤を医薬組成物に含有させて、本発明蛋
白との相乗効果を発揮させ、あるいは副作用を最小化してもよい。逆に、特定の
サイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓溶解因子または抗血栓因子、
または抗炎症剤の処方に本発明のポリペプチドを含有させて、サイトカイン、リ
ンホカイン、他の造血因子、血栓溶解因子または抗血栓因子、または抗炎症剤の
副作用を最小化してもよい。
【0074】 本発明のポリペプチドは、多量体(例えば、ヘテロダイマーまたはホモダイマ
ー)またはそれ自体もしくは他の蛋白との複合体となって活性でありうる。結果
的に、本発明医薬組成物は、かかる多量体または複合体形態の本発明のポリペプ
チドを含むものであってもよい。 本発明の医薬組成物は、本発明のポリペプチドと蛋白もしくはペプチド抗原と
の複合体の形態であってもよい。蛋白および/またはペプチド抗原は、Bリンパ
球ならびにTリンパ球に対して刺激シグナルを送達するであろう。Bリンパ球は
その表面免疫グロブリン受容体を通して抗原に応答するであろう。Tリンパ球は
、MHC蛋白による抗原提示後、T細胞受容体(TCR)を通して抗原に応答す
るであろう。MHCならびに宿主細胞のクラスIおよびクラスIIのMHC遺伝
子によりコードされたものを包含する構造上関連した蛋白は、Tリンパ球に対す
るペプチド抗原の提示に役立つであろう。抗原成分は、精製MHC−ペプチド複
合体のみとして、または直接T細胞にシグナルを送ることのできる同時刺激分子
とともに供給される。あるいはまた、B細胞上の表面免疫グロブリンおよび他の
分子に結合しうる抗体ならびにT細胞上のTCRおよび他の分子に結合しうる抗
体を、本発明の医薬組成物と混合することもできる。
【0075】 本発明の医薬組成物はリポソーム形態であってもよく、その中で本発明の蛋白
はさらに他の医薬上許容される担体、脂質のごとき両親媒性作用剤(水溶液中で
ミセルのような凝集体形態、不溶性単層、液状結晶またはラメラ層として存在)
と混合されている。リポソーム処方に適する脂質は、モノグリセリド、ジグリセ
リド、スルファチジド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸等を包含す
るが、これらに限らない。かかるリポソーム処方の製造は当業者のレベルの範囲
内であり、例えば、米国特許第4235871、4501728、483702
8、および4737323号(参照によりそれらすべてを本明細書に記載されて
いるものとみなす)に記載されたようなものである。
【0076】 本明細書の用語「治療上有効量」とは、有意な患者の利益、例えば、かかる症
状の徴候の改善、治癒、治癒速度の増大を示すに十分な医薬組成物または方法の
各有効成分の合計量を意味する。単独で投与される個々の有効成分について用い
る場合、該用語は当該成分のみをいう。有効成分の組み合わせに用いる場合、逐
次投与あるいは同時投与にかかわらず治療効果を生じる有効成分量の合計量をい
う。
【0077】 本発明の治療方法の実施において、治療上有効量の本発明のポリペプチドを治
療すべき症状を有する哺乳動物に投与する。本発明方法に従って、単独またはサ
イトカイン、リンホカインもしくは他の造血因子のごとき他の治療薬とともに本
発明のアミノ末端修飾ケモカインを投与してもよい。1種またはそれ以上のサイ
トカイン、リンホカインまたは他の造血因子と共投与する場合、本発明のポリペ
プチドをサイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓溶解因子もしくは抗
血栓因子と同時または逐次投与してもよい。逐次投与する場合、担当医師は、サ
イトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓溶解因子もしくは抗血栓因子と
本発明の蛋白との組み合わせにおける適切な投与順序を決定するであろう。
【0078】 本発明の医薬組成物中または本発明の実施に用いる本発明のポリペプチドの投
与を種々の慣用的方法、例えば、経口的摂食、吸入、または皮内、皮下、または
静脈注射で行うことができる。患者への静脈注射が好ましい。
【0079】 治療上有効量の本発明のポリペプチドを経口投与する場合、本発明のポリペプ
チドは錠剤、カプセル、粉末、溶液またはエリキシルの形態であろう。錠剤形態
で投与する場合、本発明の医薬組成物はゼラチンのごとき固体担体またはアジュ
バントをさらに含有していてもよい。錠剤、カプセル、および粉末は、約5ない
し95%の本発明のポリペプチド、好ましくは約25ないし90%の本発明のポ
リペプチドを含有する。液体形態で投与する場合、水、ペトロレウム、動物また
は植物起源の油脂、例えばピーナッツ油、鉱油、大豆油、またはゴマ油、または
合成油脂を添加してもよい。液体形態の医薬組成物は、生理食塩溶液、デキスト
ロースまたは他の糖類溶液、またはグリコール類(例えばエチレングリコール、
プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコール)をさらに含有していて
もよい。液体形態で投与する場合、医薬組成物は、約0.5ないし90重量%の
本発明のポリペプチド、好ましくは約1ないし50%の本発明のポリペプチドを
含有する。
【0080】 治療上有効量の本発明のポリペプチドを静脈、皮内または皮下注射により投与
する場合、本発明のポリペプチドはパイロジェン不含で、非経口的に許容される
水溶液の形態であろう。適切なpH、等張性、安定性を有するかかる非経口的に
許容されるポリペプチド溶液の調製は、当業者の範囲内である。静脈、皮内、ま
たは皮下注射用の好ましい医薬組成物は、本発明のアミノ末端修飾ケモカインの
ほかに、注射用塩化ナトリウム、リンゲル溶液、注射用デキストロース、注射用
デキストロースおよび塩化ナトリウム溶液、注射用乳酸含有リンゲル溶液、また
は当該分野で知られている他の担体を含有すべきである。本発明の医薬組成物は
、安定化剤、保存料、バッファー、抗酸化剤、または当業者に知られた他の添加
物を含んでいてもよい。
【0081】 本発明の医薬組成物中の本発明のポリペプチドの量は、治療すべき症状の性質
および重さ、ならびに患者がすでに受けていた治療の性質による。最終的には、
担当医師が、各患者を治療すべき本発明のアミノ末端修飾ケモカイン量を決定す
るであろう。まず、担当医師は、低用量の本発明のポリペプチドを投与し、患者
の応答を観察する。最適治療効果が得られるまで、より高用量の本発明のポリペ
プチドを投与してもよく、最適治療効果が得られた時点で用量をさらに増加させ
ない。本発明方法を実施するための種々の医薬組成物は、体重1kgあたり約0
.01μgないし約100mgの本発明蛋白(好ましくは、体重1kgあたり約
0.1μgないし約10mg、より好ましくは体重1kgあたり0.1μgない
し約1mgの本発明のポリペプチドを含有すべきである。 本発明の組成物を用いる静脈投与による治療の期間は、治療すべき疾病の重さ
ならびに各患者の状態および応答により変化させられるであろう。本発明のポリ
ペプチドの各適用期間は、連続静脈投与の場合12ないし24時間の範囲である
と考えられる。最終的には、担当医師が、本発明の医薬組成物を用いる静脈投与
による治療の期間を決定するであろう。
【0082】 本発明のポリペプチドを用いて動物を免役して、本発明のアミノ末端修飾ケモ
カインと特異的に反応するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を得てもよ
い。アミノ末端修飾ケモカイン全体またはそのフラグメントを免疫原として用い
てかかる抗体を得てもよい。ペプチド免疫源はカルボキシ末端にシステイン残基
をさらに含んでいてもよく、キーホールリムペット・ヘモシアニン(KLH)の
ごときハプテンに結合する。かかるペプチドを合成する方法は当該分野において
知られており、例えば、R. P. Merrifield, J. Amer. Chem. Soc. 85, 2149-215
4 (1963);J. L. Krstenansky, et. al., FEBS Lett. 211, 10 (1987)に記載の
ごときものがある。本発明のポリペプチドに結合するモノクローナル抗体は、ポ
リペプチドの免疫検出用の有用な診断薬でありうる。アミノ末端修飾ケモカイン
に結合する中和抗体は、アミノ末端修飾ケモカインのケモカイン部分に関連した
症状の治療薬として有用でありうるし、さらに当該ケモカインの異常発現が関与
しているいくつかの形態の癌の治療におけるある種の腫瘍の治療において有用で
ありうる。癌細胞または白血球細胞の場合、アミノ末端修飾ケモカインに対する
中和モノクローナル抗体は、アミノ末端修飾ケモカインのケモカイン部分に対応
するケモカインにより媒介されうる癌細胞の転移蔓延の検出および予防に有用で
ありうる。
【0083】 骨、軟骨、腱または靭帯の再生に有用な本発明の組成物に関して、治療方法は
、組成物を局所的、全身的、またはインプラントもしくはデバイスのごとく局部
的に投与することを包含する。投与する場合、本発明に使用する治療組成物は、
もちろん、パイロジェン不含の生理学的に許容される形態である。さらに、望ま
しくは、組成物をカプセル封入するかまたは粘性形態として注射して骨、軟骨ま
たは組織ダメージ部位に送達してもよい。局所投与は傷の治癒および組織修復に
適する。上記組成物中に含有されていてもよい本発明のポリペプチド以外の治療
上有用な作用剤を、代替的または付加的に、本発明方法における組成物と同時ま
たは逐次投与してもよい。好ましくは、骨および/または軟骨形成のためには、
組成物は、ポリペプチド含有組成物を骨および/または軟骨ダメージ部位に送達
し、骨および軟骨の発生のための構造を提供し、さらに最適には体内に吸収され
うるマトリックスを含有するであろう。かかるマトリックスは、他の移植される
医学的器具に現在使用されている材料からできていてもよい。
【0084】 マトリックス材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、美容上の外
観および界面特性に基づく。組成物の特別な適用により適当な処方が決定されよ
う。組成物用として可能なマトリックスは生分解性で、化学的に知られた硫酸カ
ルシウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸およびポリ無水物であってもよい。他の使用可能な材料は生分解性で、生
物学的によく知られたもの、例えば、骨または皮膚のコラーゲンである。さらに
マトリックスは純粋な蛋白または細胞外マトリックス成分を含んでいてもよい。
他の可能なマトリックスは、焼結ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミ
ネート、または他のセラミックスのごとき生分解性でなく、化学的に知られたも
のである。マトリックスは上記タイプの材料の組み合わせ、例えばポリ乳酸およ
びヒドロキシアパタイトあるいはコラーゲンおよびリン酸三カルシウムを含んで
いてもよい。バイオセラミックスを、組成物中、例えばカルシウム−アルミネー
ト−ホスフェート中において変更してもよく、加工して孔サイズ、粒子サイズ、
粒子形状および生分解性を変化させてもよい。
【0085】 150ないし800ミクロンの範囲の直径を有する多孔性粒子形態の乳酸およ
びグリコール酸の50:50(モル重量)のコポリマーが現在のところ好ましい
。いくつかの適用例においては、カルボキシメチルセルロースまたは自己由来の
血餅のごとき隔離剤を用いてマトリックスからの蛋白組成物の解離を防止するこ
とが有用であろう。
【0086】 隔離剤の好ましいファミリーは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルエオース、およびカルボキシメチルセルロースを包含するアルキルセ
ルロース(ヒドロキシアルキルセルロースを包含)のごときセルロース性材料で
あり、カルボキシメチルセルロース(CMC)のカチオン性の塩が最も好ましい
。他の好ましい隔離剤は、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、ポリ(エチレ
ングリコール)、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマーおよ
びポリ(ビニルアルコール)を包含する。本発明に有用な隔離剤の量は、全処方
重量に対して0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%であり、この量は
、ポリマーマトリックスからのアミノ末端修飾ケモカインの脱離を防止し、組成
物の適切な取り扱いを可能にする量であるが、前駆細胞がマトリックスから浸潤
し、そのことにより前駆細胞の骨形成活性を促進する機会を蛋白に付与するよう
にするには、あまり多くないようにする。
【0087】 さらなる組成物において、本発明のポリペプチドが骨および/または軟骨の欠
損、傷、または組織の治療に有益な他の作用剤と混合されていてもよい。これら
の作用剤は、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、形質
転換増殖因子(TGF−αおよびTGF−β)、およびインスリン様増殖因子(
IGF)を包含する。
【0088】 また、目下のところ、治療組成物は獣医学的用途にも価値がある。詳細には、
ヒトのほかに、家畜およびサラブレッドのウマが本発明のポリペプチドを用いる
かかる治療に望ましい患者である。
【0089】 組織の再生に使用されるポリペプチド含有医薬組成物の投与規則は、アミノ末
端修飾ケモカインの作用を変化させる種々の要因、例えば形成が望まれる組織重
量、ダメージ部位、ダメージを受けた組織の状態、傷のサイズ、必要な組織のタ
イプ(例えば、骨)、患者の年齢、性別、および食事、感染の重さ、投与期間、
ならびに他の臨床的要因を考慮して医師が決定するであろう。用量は、復元に使
用するマトリックスのタイプおよび医薬組成物中の他のポリペプチドの含有に応
じて変更されてもよい。例えば、IGF I(インスリン様増殖因子I)のごと
き他の既知増殖因子の最終組成物への添加も用量に影響しうる。組織/骨の増殖
および/または修復を、例えばX線、組織形態学的調査およびテトラサイクリン
標識により定期的に評価することにより経過をモニターすることができる。
【0090】 本発明のポリヌクレオチドを遺伝子治療に用いることもできる。かかるポリヌ
クレオチドをインビボまたはエクスビボで細胞に導入して哺乳動物対象中で発現
させることができる。核酸を細胞または生物に導入するための他の知られた方法
により本発明ポリヌクレオチドを投与してもよい(ウイルスベクターに入れて、
あるいは裸のDNAの形態として等があるが、これらに限らない)。
【0091】 本発明のアミノ末端修飾ケモカイン存在下で細胞をエクスビボにおいて培養し
て増殖させ、あるいはかかる細胞に対する所望効果を生じさせ、あるいはかかる
細胞中に所望活性を生じさせてもよい。次いで、処理された細胞を、治療目的で
、インビボにおいて導入することができる。例えば、幹細胞、好ましくは、HI
Vによる感染に対して感受性のある細胞の前駆細胞を、治療すべき器官から、好
ましくは、ヒト器官から得て、本発明のポリペプチドでエクスビボにて形質転換
することができる。体内に再導入された場合、幹細胞は分化して個々の細胞タイ
プになり、あるいは個々の細胞タイプに分化する娘細胞を生じるであろう。好ま
しくは、これらの細胞タイプはHIVによる感染に対して感受性のある細胞であ
る。分泌リーダー配列に結合したアミノ末端修飾ケモカインをコードするポリヌ
クレオチドで幹細胞が形質転換された場合、分化した細胞はアミノ末端修飾ケモ
カインを分泌い、その後、アミノ末端修飾ケモカインは、それらの分化した細胞
または他の細胞により発現されたケモカイン受容体に結合し、細胞をHIV感染
から防御することができる。
【0092】 本明細書に引用した特許および文献を、参照により全体が本明細書に記載され
ているものとみなす。
【0093】 下記実施例は本発明の具体例を説明するものであるが、本発明の範囲を限定す
るもではない。
【0094】実施例1:N-末端修飾ケモカインの発現および精製 全長ヒトケモカインSDF−1αおよびSDF−1β(hSDF−1αおよび
hSDF−1β、GeneSeq受託番号R75419およびR75420)のアミ
ノ酸配列を、各々、配列番号:1および配列番号:2として示す。配列番号:3
および配列番号:4はhSDF−1αおよびhSDF−1βをコードするcDN
A分子(GeneSeq受入れ番号Q74089およびQ74091)のヌクレオチ
ド配列を示す。成熟hSDF−1αおよびhSDF−1β蛋白のアミノ酸配列は
配列番号:1および配列番号:2の両方の配列においてアミノ酸22(リジン)
から開始する。hSDF−1αまたはhSDF−1βのcDNAを鋳型として用
いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に付し、成熟hSDF−1αおよびhSD
F−1β蛋白あるいはGroHEKなどの発現/精製アクセサリー配列(配列番号
:5、AAKDVKHHHHHHGSGSDDDDK)のC−末端に融合した成
熟hSDF−1αおよびhSDF−1β蛋白をコードする発現構築物を製造した
。NdeI/XbaI−制限hSDF−1α、hSDF−1β、GroHEK/
hSDF−1αおよびGroHEK/hSDF−1βPCR産物(一般に、hS
DF−1PCR産物という)をイー・コリ(E.coli)発現ベクターpAL
781(LaVallieら、1993年、Biotechnology(NY)11:187-193)中にクロー
ンし、hSDF−1PCR産物を翻訳開始コドンとして供するATGコドンにイ
ンフレームにて融合させ、配列番号:6ないし配列番号:9で示される4種のコ
ード化配列を得た。hSDF−1αおよびhSDF−1βをこれらのベクターよ
り発現させると、その得られた蛋白はメチオニン残基を成熟hSDF−1αまた
はhSDF−1β蛋白のN−末端に結合させており;これらの蛋白をmet−h
SDF−1αおよびmet−hSDF−1βといい、それらは、各々、配列番号
:10および配列番号:11に示されるアミノ酸配列を有する。同様に、Gro
HEK/hSDF−1αおよびGroHEK/hSDF−1βをこれらのベクタ
ーより発現させた場合、得られた蛋白はGroHEKペプチドを成熟hSDF−
1αまたはhSDF−1β蛋白のN−末端に結合させており;これらの蛋白をG
roHEK/hSDF−1αおよびGroHEK/hSDF−1βといい、それ
ら蛋白は、各々、配列番号:12および配列番号:13に示されるアミノ酸配列
を有する。そのhSDF−1PCR産物を含む発現ベクターを配列決定し、それ
を用いてイーコリ株GI934を形質転換させた(Luら、1996年、J.Biol.C
hem.、271:5059-5065)。得られた形質転換株hSDF−1α、hSDF−1β、
GroHEK/hSDF−1αおよびGroHEK/hSDF−1βを1997
年8月15日にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Typ
e Culture Collection)に寄託し、各々、ATCC98506、ATCC985
07、ATCC98508およびATCC98509の受入れ番号を得た。
【0095】met−hSDF−1およびGroHEK/hSDF−1蛋白の発現および精製 met−hSDF−1α、met−hSDF−1β、GroHEK/hSDF
−1αまたはGroHEK/hSDF−1βを発現するプラスミドを有するGI
934の新たな培養基を用い、IMC/Amp培地(0.2%カサミノ酸、0.5
%グルコース、1mM MgSO4および100μg/mlのアンピシリンを補足
したM9培地)にOD550が0.05になるまで植え付けた。その培養基をO
D550が0.5に達するまで30℃で増殖させ、ついでL−トリプトファンを
100μg/mlの濃度まで加え、その培養温度を37℃にシフトさせた。トリ
プトファンを添加して4時間経過後、遠心分離に付して細胞を集め、使用するま
で−80℃で貯蔵した。
【0096】 met−hSDF−1α、met−hSDF−1β、GroHEK/hSDF
−1αまたはGroHEK/hSDF−1β蛋白を含有する封入体を含む細胞を
10mM EDTA、1mM p−アミノベンズアミジン(PABA)および1m
Mフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を含有する100mMトリ
ス溶液(pH8)に懸濁させ、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディッ
クス、マサチューセッツ州、ニュートン)またはフレンチプレッシャーセル(S
LMインストルメンツ社)にて溶菌させた。その細胞溶菌液をGSAローターに
て30分間6000で遠心分離に付した後、そのペレットを、最初、1M Na
Cl、1mM PABAおよび1mM PMSFを含有する100mMトリス溶液
(pH8)で洗浄し、ついで0.5%トリトンX−100、1mM PABAおよ
び1mM PMSFを含有する100mMトリス溶液(pH8)で洗浄した。
【0097】 発現した蛋白を再生するために、洗浄した封入体を15mMリン酸ナトリウム
、15mM酢酸ナトリウム、1mM PABAおよび6M塩酸グアニジンを含む
pH6.5(または5.5)の溶液(100ml)に可溶化させた。不溶性物質を
除去した後、上清を5000の分子量をカットオフする透析管に入れ、15mM
リン酸ナトリウム、15mM酢酸ナトリウム、1mMPABAおよび10mM
EDTAを含む溶液(pH6.5(または5.5))に対して4℃で16時間透析
した。ついで、再生したmet−hSDF−1またはGroHEK/hSDF−
1蛋白を含有する透析物を遠心分離操作により清澄化した。
【0098】 再生したmet−hSDF−1またはGroHEK/hSDF−1蛋白を含有
する溶液を7.5にpH調整し、15mMリン酸ナトリウムの緩衝液(pH7.5
)で平衡にしたQAEカラムに加えた。そのカラムの流出物を集め、pHを5.
5に調整し、15mMリン酸ナトリウム、15mM酢酸ナトリウムの緩衝液(p
H5.5)で平衡にしたSP−650カラムに加えた。ついで、結合した物質を
、15mMリン酸ナトリウム、15mM酢酸ナトリウムの緩衝液(pH5.5)
中の1M NaClの線状グラジエントを用いて溶出させた。所望のhSDF−
1蛋白を含む溶出液のフラクションをSDS−PAGEで同定した。
【0099】エンテロキナーゼによる切断に付す、発現/精製アクセサリー配列の除去 精製したGroHEK/hSDF−1蛋白を含有する溶液をPBSに対して透
析し、ついでエンテロキナーゼを用いて切断した。その消化物をNi−IDAカ
ラムに加え、成熟hSDF−1蛋白をエンテロキナーゼおよびGroHEKフラ
グメントより分離した。GroHEKペプチドをこれらのGroHEK/hSD
F−1αまたはGroHEK/hSDF−1β蛋白のN−末端より切断し、その
N−末端アミノ酸としてリジンを有する成熟した形態のhSDF−1αまたはh
SDF−1β蛋白を得る;これらの蛋白はlys−hSDF−1αまたはlys
−hSDF−1βと称され、各々、配列番号:14および配列番号:15に示さ
れるアミノ酸配列を有する。
【0100】実施例2:N−末端修飾ケモカインのよるカルシウムフラックスの刺激 ケモカインが細胞膜の中にある受容体と結合すると、カルシウムフラックスが
誘発される。N−末端修飾ケモカインがこれらの受容体に結合すると、カルシウ
ムフラックスの持続期間、強度または他の特性は変わるかもしれず、あるいはカ
ルシウムフラックスは抑制されるかもしれない。met−hSDF−1β、ly
s−hSDF−1βおよびlys−hSDF−1α−Fcが結合することで誘発
されるカルシウムフラックスを以下のプロトコルを用いて測定し、成熟ケモカイ
ン(lys−)のケモカイン受容体に対する結合の効果を、N−末端修飾ケモカ
イン(met−)によって示される結合の効果と比較した。lys−hSDF−
1α−Fc蛋白(または「ケモカイン−Fc蛋白」)は成熟hSDF−1αまた
はhSDF−1β蛋白と同じケモカインN−末端を有するが、発現した場合に、
Fc領域が相互に作用して二量体を形成するように、このケモカイン領域をヒト
IgG4分子のFc領域に融合させた。さらに、このプロトコルを用いて他のN
−末端修飾ケモカインと適当なケモカイン受容体との相互作用により誘発される
カルシウムフラックスをアッセイすることもできる。
【0101】 適当なケモカイン受容体(フシン/CXCR4)を発現するU937細胞を集
め、フェノールレッド不含のRPMI1640緩衝液(10mM HEPES、
0.02%BSA)中で2回洗浄し、1ml当たり107個の細胞に調整した。5
0μgのバイアルのFLUO−3エステル(モレキュラー・プローブ、オレゴン
州、ジュージーン、カタログ番号F−1242)を使用直前に50μlのDMS
Oに溶かした。各1mlの細胞について1mg/mlのFLUO−3エステル溶
液(5μl)を加えた。混合物を20ないし30分間室温でインキュベートし、
ついでフェノールレッド不含のRPMI1640緩衝液(2.5%仔ウシ血清お
よび10mM HEPESを含むフェノールレッド不含RPMI1640を用い
ることもできる)で2回洗浄した。細胞を再びRPMI1640緩衝液に107
個/mlで懸濁させ、使用するまで氷上で貯蔵した。カルシウムフラックスを試
験するのに、50μlの細胞をフェノールレッド不含のRPMI1640緩衝液
を用いて500μlに希釈した。FACSスキャン(BD)蛍光活性化細胞分析
装置を用い、ローディングされた細胞のついてのバックグラウンドリーディング
を決定した(FL1チャネル)。細胞をアミノ末端修飾または未修飾ケモカイン
で適宜刺激し、3ないし15分間またはそれ以上の間、FACSで読み取り、カ
ルシウムフラックスによる蛍光の増加を観察した。イオノホアであるイオノマイ
シンを陽性対照として用い、試験されている細胞がカルシウムフラックスの表示
能を有することを説明することができる。
【0102】 この実験の結果が図1に示されており、met−hSDF−1βのその受容体
との結合がいずれのlys−hSDF−1βまたはlys−hSDF−1α−F
cよりも低い濃度で強いカルシウムフラックスを誘発することを明示している。
この結果は、Wellら(1996、J.Leukoc.Biol.59:53−6
0)により観察された実験結果、すなわち、アミノ末端修飾ケモカインmet−
RANTESはRANTES応答性THP−1プロ単球細胞系にて化学走性また
はカルシウム動員を誘発できないと結論する結果を考慮した場合に意外なことで
ある。
【0103】実施例3:N−末端修飾ケモカインによる化学走性の刺激または抑制 N−末端修飾ケモカインを以下のいずれかの化学走性活性についてのアッセイ
により化学走性を刺激または抑制するその能力について試験することができる。
これらのアッセイ(化学走性を誘発または抑制する蛋白を同定するアッセイ)は
、膜を通過する細胞の移動を誘発する蛋白の能力ならびに一の細胞集団から別の
細胞集団への接着を誘発する蛋白の能力を測定する。移動および接着についての
適当なアッセイ法は、Current Protocols in Immunology、J.E.Coligan、A.M.Kr
uisbeek、D.H.Margulies、E.M.Shevach、W.Strober編、Greene Publishing Asso
ciates and Wiley-Interscience出版(6.12章、アルファおよびベータケモカ
インの測定6.12.1−6.12.28);Taubら、J.Clin.Invest. 95:13
70−1376、1995;Lindら、APMIS103:140−146、19
95;Mullerら、Eur.J.Immunol.25:1744−1748;Gruberら、J. of
Immunol.152:5860−5867、1994;Johnstonら、J. of Immunol.
153:1762−1768、1994(そのすべての内容を出典明示により本
明細書の一部とする)に記載の方法を包含するが、これらに限定されるものでは
ない。
【0104】 実施例4:N−末端修飾または未修飾ケモカインと一緒にインキュベートした後
のケモカインの受容体との結合 N−末端修飾および未修飾ケモカインがケモカイン−Fc蛋白と競合してケモ
カイン受容体に結合する能力を試験した。細胞をケモカインと一緒にプレインキ
ュベートし、ついでケモカイン−Fc蛋白および蛍光標識した抗−Fc抗体と反
応させて、ケモカイン−Fcがフシン/CXCR4受容体と結合しうるかどうか
を測定した。図2に示すように、未修飾形態およびN−末端修飾メチオニン形態
のhSDF−1βは共にhSDF−1β−Fcのフシン/CXCR4受容体との
結合に影響を及ぼす。
【0105】 met−hSDF−1β蛋白がケモカイン受容体の結合についての利用可能性
に影響を及ぼす能力を、N−末端にリジン残基を有する成熟ヒトSDF−1β(
lys−hSDF−1β)蛋白の能力と比較した。U937細胞をmet−hS
DF−1βまたはlys−hSDF−1βのいずれかと一緒に、0.02%アジ
ド、仔ウシ血清、およびウサギ血清を含有するD−PBS中、4℃で1時間プレ
インキュベートし、つづいて450ng/mlのlys−hSDF−1α−Fc
と一緒に氷上で20分間インキュベートし、その細胞を洗浄し、ヤギ抗−ヒトフ
ィコエリスリン接合抗体(GaH)を用いて染色した。氷上で短時間インキュベ
ートした後、その染色細胞を洗浄し、FACSスキャン装置(BDインストラメ
ンツ、カリフォルニア州、マウンテンビュー)を用いて蛍光フローサイトメトリ
ーにより分析した。データは、各々、二重試験した試料の平均値を示し;図2に
示される「GaH」対照はlys−hSDF−1α−Fc蛋白を加えなかった試
料である。これらの実験結果は図2に示されており、met−hSDF−1βお
よびlys−hSDF−1βは共に等しくlys−hSDF−1α−Fcの受容
体発現細胞との結合を遮断しうることを示している。この結果から、HIV感染
を抑制するmet−hSDF−1βの能力の亢進(実施例6ならびに表2および
3を参照のこと)は、met−hSDF−1βおよびlys−hSDF−1βが
共にlys−hSDF−1α−Fcのその受容体との結合を同じ程度にまで遮断
するのが明らかであるため、フシン/CXCR4受容体とのより大きな結合能に
よるものではないと結論することができる。 他のN−末端修飾ケモカインのケモカイン受容体への結合を遮断する能力を、
上記した方法に類似するアッセイ法にて測定する。
【0106】 実施例5:N−末端修飾ケモカイン結合によるケモカイン受容体のダウンモジュ
レーション ケモカインはHIV感染を抑制しうる(実施例6を参照のこと)が、この抑制
が、HIV結合について非機能的な受容体を形成することによるか、あるいは感
染の下流方向にある事象、すなわち、ウイルス粒子の複製または生成に影響を及
ぼすシグナル化特性を改変することにより、共同受容体結合部位についてウイル
スと競合することを介して起こるかどうかは確立されていない。ケモカインによ
る受容体の結合が脱感作またはダウンモジュレーション(また、「ダウンレギュ
レーション」ともいう)のいずれかを惹起しうるであろう。ケモカイン受容体お
よび他のセブンスパン(seven-span)G−蛋白結合受容体は脱感作され、なお細
胞表面に存在するが、もはやリガンドに結合できないようになる。この問題を研
究するために、本発明者らは細胞をケモカインと一緒にインキュベートし、つい
で蛍光標識した抗受容体抗体と反応させて、細胞がなお受容体を発現するかどう
かを測定した。図1に示されるように、hSDF−1βの未修飾形態(「lys
−」)およびN−末端修飾形態(「met−」)は共にフシン/CXCR4受容
体をダウンモジュレートし、N−末端修飾met−hSDF−1βではより大き
なダウンモジュレーションの効果を示した。
【0107】 U937細胞を一晩(16時間)37℃で500ng/mlのmet−hSD
F−1βまたはlys−hSDF−1α−Fcのいずれかとインキュベートした
。インキュベーション後、細胞を蛍光標識した抗−フシン/CXCR412G5
モノクローナル抗体で染色し、FACSを用いて分析した。イソ型対照を用いて
観察される平均蛍光値である3.6を元の蛍光データから差し引き、正味の平均
蛍光値を決定してそれを表1に示す。これらの実験結果が表1に示されており、
met−hSDF−1βのHIV感染を抑制する能力の亢進(実施例6ならびに
表2および3を参照のこと)は、おそらく、HIVのフシン/CXCR4受容体
への結合を介しており、met−hSDF−1βはlys−hSDF−1βより
も大きくその受容体のダウンモジュレーションを引き起こすため、受容体のダウ
ンモジュレーションの増加によるものとすることができる。
【0108】 表1 N末端修飾ケモカイン(met−hSDF−1β)またはN末端未修飾ケ
モカイン(lys−hSDF−1β、lys−hSDF−1−Fc)とともにイ
ンキュベーションした後の、フシン/CXCR4受容体のダウンモジュレーショ
ン 試料 平均蛍光値 対照% 対照 23.2 100% met−hSDF−1β 0.5 2.3% lys−hSDF−1β 2.0 9.3% lys−hSDF−1−Fc 2.2 9.6%
【0109】 N−末端修飾ケモカインが細胞に結合することによる他のケモカイン受容体の
ダウンレギュレーションは、上記した方法に類似する受容体ダウンレギュレーシ
ョンについてのアッセイ法により決定する。
【0110】実施例6−細胞のHIV感染を抑制するためのN末端修飾ケモカインの使用 T細胞系T1はCD4およびケモカイン受容体フシン/CXCR4を発現し、
T−親和性ウイルスHIV−1IIIBに容易に感染する。異なる形態のhSDF−
1βがケモカイン受容体へのHIV結合を抑制する能力を以下のようにして試験
した。T1細胞を、濃度約115nMとして添加されたケモカインとともに37
℃で2時間プレインキュベーションした。ついで、T1細胞を、感染の多重度(
MOI)10-2として添加したHIV−1IIIBに感染させた。37℃で4時間イ
ンキュベーション後、細胞を2回洗浄し、ウェル1個につき5x105個の細胞
を、2mlの培地の入った24ウェルプレートに添加した。その後3週間毎に、
培地の半分(1ml)を除去し、約115nMのケモカインを含有する1mlの
新鮮培地と置き換えた。4日目からは、試料を3日毎に取り、ELISAにより
HIV−p24について分析した。対照として、ウイルス感染したT1細胞を外
来性ケモカインなしでプレインキュベーションし、あるいは外来性カモケインと
ともにインキュベーションした。PeproTech(Rocky Hill, NJ)からlys−hS
DF−1αを得た。表2に示すように、met−hSDF−1βとのプレインキ
ュベーションおよびこのケモカインの3日毎の培地への添加により、T1 CD
+ 細胞に対するHIV−1の感染がほとんど完全に抑制される。N末端修飾メ
チオニン形態のhSDF−1βに関して見られた抑制とは対照的に、プレインキ
ュベーションならびに約115nMの未修飾lys−hSDF−1αまたはly
s−hSDF−1βの3日毎の添加により、ずっと低いレベルの抑制が起こり、
10日培養において約60%である。アミノ末端配列KPV...を有する未修
飾hSDF−1αおよびhSDF−1β(配列番号:14および配列番号:15
)はほぼ同レベルのHIV感染抑制を示すが、修飾アミノ末端配列MKPV..
.を有するhSDF−1β(配列番号:11)は一定レベルのHIV感染抑制を
示し(10日培養で99%以上)、未修飾カモカインの103倍以上である。
【0111】 表2 未修飾(lys−hSDF−1αまたはβ)およびN末端修飾(met−
hSDF−1β)ケモカインによるT1細胞へのHIV感染に対する抑制 HIV−1 p24(pg/ml) 7日目 対照に対する 10日目 対照に対する 抑制% 抑制% ケモカイン: 対照 632 − 646000 − (ケモカインなし) lys-hSDF-1α 107 83% 266000 59% lys-hSDF-1β 160 75% 280000 57% met-hSDF-1β 5 99% 308 99+%
【0112】 T1細胞をmet−hSDF−1βとともに2時間培養し、次いで、HIV−
IIIBに感染させ、さらにmte−hSDF−1βを添加しなかった場合、感染
抑制レベルは5日目で81%、10日目で72%であった(表3)。この同じ実
験において、met−hSDF−1βとともに培養し、次いで、この培養物にN
末端修飾ケモカインを3日間隔で添加した場合、HIV感染は完全に抑制された
。T細胞をN−末端修飾ケモカインで前処理せずにウイルス感染させたが、感染
後115nMのmet−hSDF−1βを3日毎に添加した場合であっても、抑
制は5日目で93%、10日目で98%であった。対照的に、未修飾ケモカイン
lys−hSDF−1αを感染後に添加した場合、感染抑制はずっと弱かった(
データ示さず)。
【0113】 表3 N末端修飾(met−hSDF−1β)ケモカインを用いた前処理および
後処理による、T1 T細胞へのHIV感染に対する抑制 対照に対する抑制% 5日目 10日目 N末端修飾ケモカイン met−hSDF−1βでの処理: 対照(ケモカインなし) − − 前処理のみ 81% 72% 前処理および3日毎に添加 99.9% 99.9% 前処理なし、3日毎に添加 93% 98%
【0114】 表2および3の結果は、末梢血単核細胞または一次マクロファージ培養物への
HIV感染に対するアミノ末端修飾ケモカインmet−RANTESの能力を試
験したSimmonsらの観察結果(1997, Science 276: 276-279)を考慮すると、驚
くべきものである。Simmonsらは、met−RANTESが、これらの細胞への
HIV感染を抑制することにおいて未修飾RANTESケモカインよりもやや効
果的であるかあるいはあまり効果的でないことを見出している。
【0115】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2に記載した、ケモカイン受容体へのN末端修飾ケモカインまたは未修
飾ケモカインの結合により生じた細胞中へのカルシウム流入を示すグラフである
【図2】 実施例4に記載した、N末端修飾ケモカインまたは未修飾ケモカインのいずれ
かとともにインキュベーションした後のケモカイン受容体に対するケモカイン−
Fc蛋白の結合を示すグラフである。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 C07K 14/52 C07K 14/47 C12N 15/00 ZNAA 14/52 A61K 37/02 C12N 5/10 C12N 5/00 B (31)優先権主張番号 09/175,713 (32)優先日 平成10年10月20日(1998.10.20) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ジージアン・ルー アメリカ合衆国01876マサチューセッツ州 ベッドフォード、オールド・バーリント ン・ロード120番 (72)発明者 ジョン・エム・マッコイ アメリカ合衆国01867マサチューセッツ州 リーディング、ハワード・ストリート56番 (72)発明者 スティーブン・エル・スワンバーグ アメリカ合衆国02118マサチューセッツ州 ボストン、ショーマット・アベニュー524 番、アパートメント1 (72)発明者 ブルース・ウォーカー アメリカ合衆国02129マサチューセッツ州 チャールズタウン、サーティーンス・スト リート149番、ルーム5212ディ、マサチュ ーセッツ・ジェネラル・ホスピタル、エイ ズ・リサーチ・センター (72)発明者 オットー・ヤング アメリカ合衆国02129マサチューセッツ州 チャールズタウン、サーティーンス・スト リート149番、ルーム5234、マサチューセ ッツ・ジェネラル・ホスピタル、エイズ・ リサーチ・センター Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 BA26 BA35 BA56 BA57 BA58 GA27 4B065 AA26X AA93Y AB01 CA24 CA44 CA45 4C084 AA01 AA06 AA07 AA13 CA53 CA56 CA59 DA01 NA14 ZB071 ZB111 ZB211 ZC551 4H045 AA10 AA20 AA30 BA21 CA40 DA01 DA02 EA53 FA74

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ末端修飾ケモカインをコードする単離ポリヌクレオチ
    ドを含む組成物であって、該ケモカインがSDF−1α、SDF−1β、IP−
    10、Mig、GROα、GROβ、GROγ、インターロイキン−8、PF4
    、ENA−78、GCP−2、PBP、CTAP−III、β−スロンボグロブ
    リン、NAP−2、C10、DC−CK1、CKα1、CKα2、MCP−1、
    MCP−2、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、MIP−1β、リンホタ
    クチン、ATAC、エオタキシン、エオタキシン2、HCC−1、HCC−2、
    HCC−3、LARC/MIP−3α、MIP−3β、PARC、TARC、6
    Ckine、ELC、SLC、CKβ4、CKβ6、CKβ7、CKβ8、CK
    β9、CKβ11、CKβ12、CKβ13、およびCX3Cからなる群より選
    択されるものである組成物。
  2. 【請求項2】 アミノ末端修飾ケモカインが、そのアミノ末端に共有結合し
    た少なくとも1個のメチオニン残基を含むものである請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 アミノ末端修飾ケモカインが、そのアミノ末端に共有結合し
    た少なくとも1個のアミノオキシペンタン残基を含むものである請求項1の組成
    物。
  4. 【請求項4】 アミノ末端修飾ケモカインが、そのアミノ末端に共有結合し
    た少なくとも1個のGroHEKペプチドを含むものである請求項1の組成物。
  5. 【請求項5】 アミノ末端修飾ケモカインをコードする単離ポリヌクレオチ
    ドを含む組成物であって、該アミノ末端修飾ケモカインが、SDF−1α、SD
    F−1β、IP−10、Mig、GROα、GROβ、GROγ、インターロイ
    キン−8、PF4、ENA−78、GCP−2、PBP、CTAP−III、β
    −スロンボグロブリン、NAP−2、C10、DC−CK1、CKα1、CKα
    2、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、MIP
    −1β、リンホタクチン、ATAC、エオタキシン、エオタキシン2、HCC−
    1、HCC−2、HCC−3、LARC/MIP−3α、MIP−3β、PAR
    C、TARC、6Ckine、ELC、SLC、CKβ4、CKβ6、CKβ7
    、CKβ8、CKβ9、CKβ11、CKβ12、CKβ13、およびCX3C
    からなる群より選択されるケモカインから誘導されたものである組成物。
  6. 【請求項6】 ポリヌクレオチドが (a)配列番号:6のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98506として寄託されたmet−hSDF−1
    αをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド配列を
    含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:10のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
    ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:10のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
    コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
    補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
    ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択されるものである請求項1の組成物。
  7. 【請求項7】 ポリヌクレオチドが (a)配列番号:7のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98507として寄託されたmet−hSDF−1
    βをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド配列を
    含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:11のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
    ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:11のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
    コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
    補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
    ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択されるものである請求項1の組成物。
  8. 【請求項8】 ポリヌクレオチドが (a)配列番号:8のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98508として寄託されたGroHEK/hSD
    F−1αをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド
    配列を含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:12のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
    ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:12のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
    コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
    補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
    ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択されるものである請求項1の組成物。
  9. 【請求項9】 ポリヌクレオチドが (a)配列番号:9のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド; (b)受託番号ATCC 98509として寄託されたGroHEK/hSD
    F−1βをコードするポリヌクレオチドの蛋白コーディング配列のヌクレオチド
    配列を含むポリヌクレオチド; (c)配列番号:13のアミノ酸配列を含むアミノ末端修飾ケモカインをコー
    ドするポリヌクレオチド; (d)配列番号:13のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメントを含む蛋白を
    コードするポリヌクレオチド; (e)上記(a)〜(d)に示すポリヌクレオチドのいずれか1つに対して相
    補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド;および (f)ストリンジェントな条件下で上記(a)〜(e)に示すポリヌクレオチ
    ドのいずれか1つにハイブリダイゼーションしうるポリヌクレオチド からなる群より選択されるものである請求項1の組成物。
  10. 【請求項10】 ポリヌクレオチドが発現制御配列に作動可能に連結されて
    いるものである請求項1の組成物。
  11. 【請求項11】 ポリヌクレオチドがさらに、発現されたアミノ末端修飾ケ
    ンカインの分泌を指令する配列に作動可能に連結されているものである請求項1
    0の組成物。
  12. 【請求項12】 請求項10の組成物で形質転換された宿主細胞。
  13. 【請求項13】 細胞が哺乳動物細胞である請求項12の宿主細胞。
  14. 【請求項14】 (a)適当な培地においてかかるポリヌクレオチド組成物
    で形質転換された宿主細胞の培養物を増殖させ、 (b)培養物からアミノ末端修飾ケモカインを精製する ことを含む、アミノ末端修飾ケモカインの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14の方法により製造されるポリペプチド。
  16. 【請求項16】 宿主においてアミノ末端修飾ケモカインを製造する方法で
    あって、 (a)宿主から幹細胞を単離し、 (b)かかるポリヌクレオチド組成物で幹細胞を形質転換し、ついで (c)形質転換幹細胞を宿主中に再導入する ことを含み、形質転換幹細胞がアミノ末端修飾ケモカインを発現するものである
    方法。
  17. 【請求項17】 アミノ末端修飾ケモカインをコードする単離ポリヌクレオ
    チドを含む組成物であって、該ケモカインがフシン/CXCR4ケモカイン受容
    体に結合するものである組成物。
  18. 【請求項18】 アミノ末端修飾ケモカインをコードする単離ポリヌクレオ
    チドを含む組成物であって、該アミノ末端修飾ケモカインが対応未修飾ケモカイ
    ンよりも有効なHIV感染抑制剤である組成物。
  19. 【請求項19】 アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物であって、該ケモ
    カインがSDF−1α、SDF−1β、IP−10、Mig、GROα、GRO
    β、GROγ、インターロイキン−8、PF4、ENA−78、GCP−2、P
    BP、CTAP−III、β−スロンボグロブリン、NAP−2、C10、DC
    −CK1、CKα1、CKα2、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP
    −4、MIP−1α、MIP−1β、リンホタクチン、ATAC、エオタキシン
    、エオタキシン2、HCC−1、HCC−2、HCC−3、LARC/MIP−
    3α、MIP−3β、PARC、TARC、6Ckine、ELC、SLC、C
    Kβ4、CKβ6、CKβ7、CKβ8、CKβ9、CKβ11、CKβ12、
    CKβ13、およびCX3Cからなる群より選択されるものである組成物。
  20. 【請求項20】 アミノ末端修飾ケモカインが、ケモカインのアミノ末端に
    共有結合した少なくとも1個のメチオニン残基を含むものである請求項19の組
    成物。
  21. 【請求項21】 アミノ末端修飾ケモカインが、ケモカインのアミノ末端に
    共有結合した少なくとも1個のアミノオキシペンタン残基を含むものである請求
    項19の組成物。
  22. 【請求項22】 アミノ末端修飾ケモカインが、ケモカインのアミノ末端に
    共有結合した少なくとも1個のGroHEKペプチドを含むものである請求項1
    9の組成物。
  23. 【請求項23】 アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物であって、該アミ
    ノ末端修飾ケモカインがSDF−1α、SDF−1β、IP−10、Mig、G
    ROα、GROβ、GROγ、インターロイキン−8、PF4、ENA−78、
    GCP−2、PBP、CTAP−III、β−スロンボグロブリン、NAP−2
    、C10、DC−CK1、CKα1、CKα2、MCP−1、MCP−2、MC
    P−3、MCP−4、MIP−1α、MIP−1β、リンホタクチン、ATAC
    、エオタキシン、エオタキシン2、HCC−1、HCC−2、HCC−3、LA
    RC/MIP−3α、MIP−3β、PARC、TARC、6Ckine、EL
    C、SLC、CKβ4、CKβ6、CKβ7、CKβ8、CKβ9、CKβ11
    、CKβ12、CKβ13、およびCX3Cからなる群より選択されるケモカイ
    ンから誘導されるものである組成物。
  24. 【請求項24】 アミノ末端修飾ケモカインが (a)配列番号:10のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98506として寄託されたmet−hSDF−1
    αポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:10のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98506として寄託されたmet−hSDF−1
    αポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列のアミノ末端フラグ
    メント からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むものである請求項19の組成物。
  25. 【請求項25】 アミノ末端修飾ケモカインが (a)配列番号:11のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98507として寄託されたmet−hSDF−1
    βポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:11のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98507として寄託されたmet−hSDF−1
    βポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列のアミノ末端フラグ
    メント からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むものである請求項19の組成物。
  26. 【請求項26】 アミノ末端修飾ケモカインが (a)配列番号:12のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98508として寄託されたGroHEK/hSD
    F−1αポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:12のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98508として寄託されたGroHEK/hSD
    F−1αポリヌクレオチドポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸
    配列のアミノ末端フラグメント からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むものである請求項19の組成物。
  27. 【請求項27】 アミノ末端修飾ケモカインが (a)配列番号:13のアミノ酸配列; (b)受託番号ATCC 98509として寄託されたGroHEK/hSD
    F−1βポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸配列; (c)配列番号:13のアミノ酸配列のアミノ末端フラグメント;および (d)受託番号ATCC 98509として寄託されたGroHEK/hSD
    F−1βポリヌクレオチドポリヌクレオチドによりコードされる蛋白のアミノ酸
    配列のアミノ末端フラグメント からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むものである請求項19の組成物。
  28. 【請求項28】 さらに医薬上許容される担体を含む請求項19の組成物。
  29. 【請求項29】 請求項19のアミノ末端修飾ケモカインと反応するが未修
    飾ケモカインと反応しない抗体を含む組成物。
  30. 【請求項30】 アミノ末端修飾ケモカインと相互作用しうる分子を同定す
    る方法であって、 (a)アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を、インジケーター分子および
    相互作用につき試験すべき分子を含む組成物と混合し、ついで (b)変化したインジケーター分子の存在を検出する ことを含む方法。
  31. 【請求項31】 受容体を請求項19の少なくとも1種のアミノ末端修飾ケ
    モカインに結合させることを含む、受容体機能を変化させる方法。
  32. 【請求項32】 受容体を請求項19の少なくとも1種のアミノ末端修飾ケ
    モカインに結合させることを含む、ケモカイン受容体と受容体のリガンドとの間
    の相互作用を抑制する方法。
  33. 【請求項33】 受容体を請求項19の少なくとも1種のアミノ末端修飾ケ
    モカインに結合させ、機能的受容体分子数を減少させることを含む、受容体機能
    を低下させる方法。
  34. 【請求項34】 治療上有効量の請求項19の少なくとも1種の組成物を投
    与することを含む、HIV感染の予防、治療または改善方法。
  35. 【請求項35】 投与される組成物が (a)SDF−1αおよびSDF−1βからなる群より選択されるケモカイン
    を含むアミノ末端修飾ケモカイン;および (b)MIP−1αおよびMIP−1βからなる群より選択されるケモカイン
    を含むアミノ末端修飾ケモカイン を含むものである請求項34の方法。
  36. 【請求項36】 HIVとHIV受容体との相互作用を抑制しうるアミノ末
    端修飾ケモカインを同定する方法であって、 (a)アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を、HIV受容体分子を含む組
    成物と混合し、第1の混合物を得て、 (b)第1の混合物を、HIV分子を含む組成物と混合し、第2の混合物を得
    て、 (c)HIV受容体分子を含む組成物を、HIV分子を含む組成物と混合し、
    対照混合物を得て、 (d)第2の混合物中および対照混合物中のHIV分子とHIV受容体分子と
    の相互作用量を決定し、ついで (e)第2の混合物中のHIV分子とHIV受容体分子との相互作用量と、対
    照混合物中のHIV分子とHIV受容体分子との相互作用量とを比較する(ここ
    に、HIV分子とHIV受容体分子との相互作用量が対照混合物中よりも第2の
    混合物中において少ない場合、アミノ末端修飾ケモカインはHIVとHIV受容
    体との相互作用を抑制するものである) ことを含む方法。
  37. 【請求項37】 HIV感染に対して感受性のある細胞のHIVによる感染
    を抑制しうるアミノ末端修飾ケモカインを同定する方法であって、 (a)アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物を、HIV感染に対して感受性
    のある細胞を含む組成物と混合し、第1の混合物を得て、 (b)第1の混合物を、HIV粒子を含む組成物と混合し、第2の混合物を得
    て、 (c)HIV感染に対して感受性のある細胞を含む組成物を、HIV粒子を含
    む組成物と混合し、対照混合物を得て、 (d)第2の混合物中および対照混合物中のHIVによる感受性細胞の感染量
    を決定し、ついで (e)第2の混合物中のHIVによる感受性細胞の感染量と、対照混合物中の
    HIVによる感受性細胞の感染量とを比較する(ここに、HIVによる感受性細
    胞の感染量が対照混合物中よりも第2の混合物中において少ない場合、アミノ末
    端修飾ケモカインはHIVによる感受性細胞の感染を抑制するものである) ことを含む方法。
  38. 【請求項38】 治療上有効量の請求項19の少なくとも1種の組成物を投
    与することを含む、移動性細胞を生物の1領域に誘引する方法。
  39. 【請求項39】 治療上有効量の請求項19の少なくとも1種の組成物を投
    与することを含む、血管形成を刺激する方法。
  40. 【請求項40】 治療上有効量の請求項19の少なくとも1種の組成物を投
    与することを含む、血管形成を抑制する方法。
  41. 【請求項41】 治療上有効量の請求項19の少なくとも1種の組成物を投
    与することを含む、炎症を予防、治療または改善する方法。
  42. 【請求項42】 治療上有効量の請求項19の少なくとも1種の組成物を投
    与することを含む、自己免疫疾患を予防、治療または改善する方法。
  43. 【請求項43】 ワクチンおよび治療上有効量の請求項19の少なくとも1
    種の組成物を投与することを含む、免疫応答を誘導する方法。
  44. 【請求項44】 アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物であって、該ケモ
    カインがフシン/CXCR4ケモカイン受容体に結合するものである組成物。
  45. 【請求項45】 アミノ末端修飾ケモカインを含む組成物であって、該アミ
    ノ末端修飾ケモカインが対応未修飾ケモカインよりも有効なHIV感染抑制剤で
    ある組成物。
  46. 【請求項46】 (a)宿主から幹細胞を単離し、 (b)本発明のポリヌクレオチドを含む少なくとも1種の組成物で幹細胞を形
    質転換し、次いで (c)形質転換した幹細胞を宿主に再導入する(形質転換した幹細胞は少なく
    とも1種のアミノ末端修飾ケモカインを発現する) ことを含む、宿主のHIV感染を予防、治療または改善する方法。
  47. 【請求項47】 形質転換された幹細胞が、SDF−1αおよびSDF−1
    βからなる群より選択されるケモカインを含むアミノ末端修飾ケモカイン;なら
    びにMIP−1αおよびMIP−1βからなる群より選択されるケモカインを含
    むアミノ末端修飾ケモカインを発現するものである請求項46の方法。
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