JP2003068755A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法

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JP2003068755A
JP2003068755A JP2001251415A JP2001251415A JP2003068755A JP 2003068755 A JP2003068755 A JP 2003068755A JP 2001251415 A JP2001251415 A JP 2001251415A JP 2001251415 A JP2001251415 A JP 2001251415A JP 2003068755 A JP2003068755 A JP 2003068755A
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amorphous silicon
silicon layer
thin film
film transistor
impurity
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JP2001251415A
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Yukikazu Shimado
幸和 島戸
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフ電流に関して優れた特性及び信頼性を有
する薄膜トランジスタを簡単に作製すること。 【解決手段】 基板20上にゲート電極21、ゲート絶
縁膜22、活性領域として働く真性非晶質シリコン層2
3、不純物含有非晶質シリコン層24を形成する。ソー
ス電極251とドレイン電極252を互いに離間して形
成する。不純物含有非晶質シリコン層24のうちソース
電極251とドレイン電極252との間に存する部分を
ドライエッチングして真性非晶質シリコン層23の表面
26を露出させる。真性非晶質シリコン層23の露出し
た表面26を保護膜27で覆う。上記ソース電極251
とドレイン電極252を形成した後、不純物含有非晶質
シリコン層24をドライエッチングする前に、不純物含
有非晶質シリコン層24の表面を酸素含有プラズマに曝
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非晶質シリコン
からなる活性領域を有する薄膜トランジスタに関する。
また、この発明は、そのような薄膜トランジスタの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、アクティブマトリクス形液晶
表示装置では、液晶を封じる一対の基板の一方(アクテ
ィブマトリクス基板)に、画素毎に、非晶質シリコンか
らなる活性領域を有する薄膜トランジスタが設けられて
いる。図9は画素に設けられた薄膜トランジスタの平面
レイアウトを例示し、図10は図9におけるA−A′線
に沿った断面を示している。図10によって良く分かる
ように、この薄膜トランジスタ171は、透明な絶縁性
基板11上に、Ta等の導電膜からなるゲート電極12
と、窒化シリコン膜のような絶縁膜からなるゲート絶縁
膜13と、不純物を含まない真性非晶質シリコン層14
と、P(リン)のような不純物を含むn型非晶質シリコ
ン層15,15と、透明導電性膜あるITOのからなる
ソース電極161およびドレイン電極162と、窒化シ
リコン膜からなる保護膜17を備えている。n型非晶質
シリコン層15,15は、真性非晶質シリコン層14と
ソース電極161,ドレイン電極162とをオーミック
に接触させるための層であり、ソース電極161,ドレ
イン電極162と同様に、ゲート電極12上で互いに離
間して配置されている。図9に示すように、ゲート電極
12はゲート線212に、ソース電極161は信号配線
261に、また、ドレイン電極162は画素の略全域を
占める画素電極262に、それぞれ電気的に接続されで
いる。
【0003】従来、この薄膜トランジスタ171を含む
アクティブマトリクス基板は、次のようにして製造され
ている。まず、図10に示した透明な絶縁性基板11上
に、スパッタ法を用いてTaからなる導電性膜を形成
し、この導電性膜に対してフォトリソグラフィ及びエッ
チングを行って、ゲート電極12とゲート線212をパ
ターン形成する。次に、ゲート電極12、ゲート線21
2を覆ってゲート絶縁膜13を成膜する。このゲート絶
縁膜13上に、プラズマCVD法によって、不純物を含
まない真性非晶質シリコン層14と、P(リン)のよう
な不純物を含むn型非晶質シリコン層15とを順次積層
した後、フォトリソグラフィ及びドライエッチングを行
って真性非晶質シリコン層14とn型非晶質シリコン層
15とをゲート電極を覆う矩形の島状にパターン加工す
る。
【0004】更に、スパッタ法を用いて、この上にIT
Oからなるソース電極161、ドレイン電極162及び
これらにつながる信号配線261、画素電極262を堆
積し、それらをパターン加工する。この後、ドライエッ
チングを行ってn型非晶質シリコン層15をソース電極
161、ドレイン電極162と同様のパターンに分離す
る(ソース・ドレイン分離エッチング工程)。そして、
窒化シリコン膜からなる保護膜17を全面に被覆する。
【0005】なお、図示はしないが、アクティブマトリ
クス基板の保護膜17上には、液晶を配向させるための
配向膜が形成される。このアクティブマトリクス基板に
対向される対向基板には、透明絶縁性基板上に、対向電
極、配向膜がこの順に形成される。アクティブマトリク
ス基板と対向基板とがそれぞれの配向膜が対向するよう
に貼り合わせられ、両基板間に液晶が注入されて、液晶
表示装置が構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液晶表示装
置の表示品位上の重要な要素であるコントラストが薄膜
トランジスタのオン/オフ電流比で決まることから、ア
クティブマトリクス基板では、薄膜トランジスタのオフ
動作時のソース・ドレイン間リーク電流つまりオフ電流
値が非常に重要な特性の一つとされている。また、薄膜
トランジスタの長期間にわたる動作に伴って薄膜トラン
ジスタのオフ電流値は増加する傾向を示すことから、オ
フ電流値の増加現象は製品の信頼性にかかわる重要な問
題でもある。
【0007】上記従来の薄膜トランジスタでは、オフ電
流増加現象として、図11(A)に示すように薄膜トラ
ンジスタのしきい値電圧の変化によるものと、図11
(B)に示すように薄膜トランジスタのしきい値電圧の
変化を伴わないものとの2つのタイプが発生する。
【0008】図11(A)に示すタイプの、しきい値電
圧の変化によるオフ電流値の増加は、薄膜トランジスタ
のゲート電極に長時間オフ駆動電圧(負電圧)が印加さ
れたときに、トランジスタ特性カーブが負電圧の方向に
シフトすることによって引き起こされる。このしきい値
電圧変化の要因としては、保護膜17上下の汚染あるい
は原子間結合の不完全性やゆらぎ等により誘起された電
荷がつくる電界や、保護膜17自身の帯電による電界の
影響が挙げられている。
【0009】図11(B)に示すタイプの、しきい値電
圧の変化を伴わないオフ電流値の増加は、トランジスタ
特性カーブのドレイン電流立ち上がり部分の電流値が増
加することによって引き起こされる。このしきい値電圧
変化の要因としては、局在準位にあった電子が光により
励起される影響や、保護膜17上下の汚染あるいは原子
間結合の不完全性やゆらぎ等により誘起された電荷がつ
くる電界や、保護膜17自身の帯電による電界でのバッ
クチャネル効果の影響が挙げられている。
【0010】ここで、オフ電流増加現象を防ぐために、
バックチャネル側(真性非晶質シリコン層14のゲート
電極12と反対側の面)にP型シリコン層を配置する技
術が提案されている(特開平8−8440号公報)。こ
の技術によれば、バックチャネル側に電子が誘起される
ことに起因するオフ電流増加を防ぐ効果が期待される。
【0011】しかしながら、この技術では、ソース・ド
レイン分離エッチング工程後に、P型シリコン層の形成
工程である気相成長工程、アニール工程、プラズマCV
D工程もしくはイオン注入工程といった工程が必要とな
る。それぞれの工程では、一般的にソース・ドレイン分
離エッチングに用いられるウェットエッチング装置もし
くはドライエッチング装置とは別の装置を使用しなけれ
ばならない。このため、製造プロセスが煩雑化し、製造
コストが増大するという問題をもたらす。また、上記P
型シリコン層の形成条件次第では、そのP型シリコン層
がソース・ドレイン間リーク電流を流し、むしろオフ電
流値増加につながる可能性がある。このため、製造プロ
セス上、P型シリコン層の形成条件の制御・管理が難し
いといった問題がある。
【0012】そこで、この発明の課題は、オフ電流に関
して優れた特性及び信頼性を有する薄膜トランジスタを
提供することにある。
【0013】また、この発明の課題は、オフ電流に関し
て優れた特性及び信頼性を有する薄膜トランジスタを簡
単に作製できる薄膜トランジスタの製造方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】薄膜トランジスタにおい
ては、保護膜/バックチャネル界面にはソース・ドレイ
ン分離エッチング工程後のレジスト除去工程や大気搬送
工程にて汚染が付着する。この付着した汚染によりバッ
クチャネルに電子が励起しやすく、励起された電子によ
る電界効果によりトランジスタのしきい値電圧が低下
し、オフ電流値が増大することになる。また、保護膜自
体の帯電でも同様にしきい値電圧が低下し、オフ電流が
増大する。また、高温高湿条件下における長時間動作時
には、保護膜/バックチャネル界面への水分等の侵入に
よる上記と同様な帯電量の増加や、保護膜上への水分等
の侵入による上記と同様な帯電量の増加現象により、ト
ランジスタのしきい値電圧が動作時間につれて低下する
傾向が見られ、結果としてオフ電流が増加する。このこ
とはトランジスタおよび液晶表示装置の信頼性低下の重
要な要因となっている。
【0015】そこで、上記課題を解決するため、この発
明の薄膜トランジスタは、基板上にゲート電極と、ゲー
ト絶縁膜と、活性領域として働く真性非晶質シリコン層
とが積層され、上記真性非晶質シリコン層上にソース電
極とドレイン電極とが互いに離間して設けられ、上記ソ
ース電極、上記ドレイン電極と上記真性非晶質シリコン
層との間に挟まれた不純物含有非晶質シリコン層を有す
る薄膜トランジスタにおいて、上記真性非晶質シリコン
層の上記ゲート電極と反対側の表面が平滑化されるとと
もに、この表面を覆う保護膜を備えたことを特徴とす
る。
【0016】この発明の薄膜トランジスタでは、真性非
晶質シリコン層のゲート電極と反対側の表面、つまり活
性領域のバックチャネル表面が平滑化されている。した
がって、従来(活性領域のバックチャネル表面が平滑化
されないもの)に比して、バックチャネル表面の面積が
減少する。これにより、上述のような電子励起による電
荷の影響を減少させることができ、しきい値電圧の低下
を抑制してオフ電流の増加を防止することができる。ま
た、バックチャネル表面が平滑化されていることによっ
て、その上に積層される保護膜との界面(保護膜/バッ
クチャネル界面)の密着性が向上する。これにより、高
温高湿状況下での長時間動作によるバックチャネル表面
への水分の浸入による帯電効果を低減でき、しきい値電
圧の低下を抑制してオフ電流の増加を防止することがで
きる。これらの作用により、薄膜トランジスタの特性及
び信頼性を向上することができる。この結果、長時間駆
動による薄膜トランジスタのオフ電流の増加による液晶
表示装置のコントラスト低下を抑えることができ、液晶
表示装置の信頼性を向上することができる。
【0017】一実施形態の薄膜トランジスタは、上記真
性非晶質シリコン層の上記ゲート電極と反対側の表面
は、表面粗さRqが0.3nm乃至2.0nmの範囲内
に設定されていることを特徴とする。
【0018】なお、表面粗さRqは、その表面の平均線
から測定された曲線までの偏差の自乗を均した値の平方
根で定義される。
【0019】表面粗さRqが2.0nm以下であれば、
実際に長時間駆動時のしきい値電圧変動を抑制でき、オ
フ電流の増加を有効に防止することができる。これに対
して、表面粗さRqが2.0nmを超えると、長時間駆
動時のしきい値電圧変動が大きくなって、オフ電流増加
が大きくなる。
【0020】一方、表面粗さRqが0.3nmを下回る
と、ダングリングボンドによるバックチャネル界面局在
準位が減少してバックチャネルの移動度が上がる。この
ため、トランジスタのオフ状態においてバックチャネル
電界効果で発生するバックチャネルを流れる電流値が大
きくなり、むしろオフ電流が増加する。この結果、液晶
表示装置のコントラストの低下を招く。これに対して、
表面粗さRqが0.3nm以上であれば、バックチャネ
ルの移動度増大によるオフ電流増加は生じない。
【0021】したがって、上記真性非晶質シリコン層の
ゲート電極と反対側の表面、つまり活性領域のバックチ
ャネル表面は、表面粗さRqが0.3nm乃至2.0n
mの範囲内に設定されているのが望ましい。
【0022】この発明の薄膜トランジスタの製造方法
は、基板上にゲート電極を形成する工程と、上記ゲート
電極上にゲート絶縁膜、活性領域として働く真性非晶質
シリコン層、不純物含有非晶質シリコン層をこの順に堆
積する工程と、上記真性非晶質シリコン層と上記不純物
含有非晶質シリコン層との2層を島状にパターン加工す
る工程と、上記パターン加工された不純物含有非晶質シ
リコン層上にソース電極とドレイン電極を互いに離間し
て形成する工程と、上記不純物含有非晶質シリコン層の
うち上記ソース電極とドレイン電極との間に存する部分
をドライエッチングして上記真性非晶質シリコン層の表
面を露出させる工程と、上記真性非晶質シリコン層の露
出した表面を保護膜で覆う工程と有する薄膜トランジス
タの製造方法において、上記ソース電極とドレイン電極
を形成した後、上記不純物含有非晶質シリコン層をドラ
イエッチングする前に、上記不純物含有非晶質シリコン
層の表面を酸素含有プラズマに曝す工程を有することを
特徴とする。
【0023】この発明の薄膜トランジスタの製造方法で
は、上記ソース電極とドレイン電極を形成した後、上記
不純物含有非晶質シリコン層をドライエッチングする前
に、上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸素含有
プラズマに曝す。これにより、上記不純物含有非晶質シ
リコン層をドライエッチングした後に、上記真性非晶質
シリコン層の露出した表面、つまり活性領域のバックチ
ャネル表面が平滑に仕上がる。したがって、従来(活性
領域のバックチャネル表面が平滑化されないもの)に比
して、バックチャネル表面の面積が減少する。これによ
り、上述のような電子励起による電荷の影響を減少させ
ることができ、しきい値電圧の低下を抑制してオフ電流
の増加を防止することができる。また、バックチャネル
表面が平滑化されていることによって、その上に積層さ
れる保護膜との界面(保護膜/バックチャネル界面)の
密着性が向上する。これにより、高温高湿状況下での長
時間動作によるバックチャネル表面への水分の浸入によ
る帯電効果を低減でき、しきい値電圧の低下を抑制して
オフ電流の増加を防止することができる。これらの作用
により、薄膜トランジスタの特性及び信頼性を向上する
ことができる。この結果、長時間駆動による薄膜トラン
ジスタのオフ電流の増加による液晶表示装置のコントラ
スト低下を抑えることができ、液晶表示装置の信頼性を
向上することができる。
【0024】また、上記不純物含有非晶質シリコン層の
表面を酸素含有プラズマに曝す工程と、上記不純物含有
非晶質半導体層をドライエッチングする工程とは、同一
のドライエッチング装置を用いて連続して行うことがで
きる。したがって、新たな製造装置を導入する必要はな
く、製造工程が煩雑になることもない。したがって、製
造コストの上昇を抑制しながら、優れた特性及び信頼性
を有する薄膜トランジスタを簡単に作製できる。
【0025】一実施形態の薄膜トランジスタの製造方法
は、上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸素含有
プラズマに曝す工程と、上記不純物含有非晶質シリコン
層をドライエッチングする工程とを、上記基板を大気中
に曝すことなく連続して行うことを特徴とする。
【0026】この一実施形態の薄膜トランジスタの製造
方法では、上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸
素含有プラズマに曝す工程と、上記不純物含有非晶質シ
リコン層をドライエッチングする工程とを、上記基板を
大気中に曝すことなく連続して行うので、上記バックチ
ャネル表面に大気中の汚染が付着するのを防止できる。
【0027】一実施形態の薄膜トランジスタの製造方法
は、上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸素含有
プラズマに曝す工程の前に、上記不純物含有非晶質シリ
コン層の表面をフッ素含有プラズマに曝すことを特徴と
する。
【0028】この一実施形態の薄膜トランジスタの製造
方法では、上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸
素含有プラズマに曝す工程の前に、上記不純物含有非晶
質シリコン層の表面をフッ素含有プラズマに曝すので、
上記バックチャネル表面がさらに平滑に仕上がる。
【0029】一実施形態の薄膜トランジスタの製造方法
は、上記不純物含有非晶質シリコン層の表面をフッ素含
有プラズマに曝す工程と、上記不純物含有非晶質シリコ
ン層の表面を酸素含有プラズマに曝す工程とを、上記基
板を大気中に曝すことなく連続して行うことを特徴とす
る。
【0030】この一実施形態の薄膜トランジスタの製造
方法では、上記不純物含有非晶質シリコン層の表面をフ
ッ素含有プラズマに曝す工程と、上記不純物含有非晶質
シリコン層の表面を酸素含有プラズマに曝す工程とを、
上記基板を大気中に曝すことなく連続して行うので、上
記バックチャネル表面に大気中の汚染が付着するのを防
止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。
【0032】(第1実施形態)図2(G)は、作製され
るべき一実施形態の薄膜トランジスタの断面構造を示し
ている。この薄膜トランジスタは、ガラスからなる透明
絶縁性基板20上に、ゲート電極21と、ゲート絶縁膜
22と、活性領域として働く真性非晶質シリコン層23
と、n型非晶質シリコン層24,24と、ソース電極2
51およびドレイン電極252とを備えている。n型非
晶質シリコン層24,24は、真性非晶質シリコン層2
3とソース電極251,ドレイン電極252とをオーミ
ックに接触させるための層であり、ソース電極251,
ドレイン電極262と同様に、ゲート電極21上で互い
に離間して配置されている。上記真性非晶質シリコン層
23のゲート電極21と反対側の表面26は平滑化され
ている。さらに、この真性非晶質シリコン層表面26を
少なくとも覆うように保護膜27が設けられている。
【0033】この薄膜トランジスタは、液晶を封じる一
対の基板の一方(アクティブマトリクス基板)に、画素
毎に設けられる。図示はしないが、アクティブマトリク
ス基板の保護膜27上には、液晶を配向させるための配
向膜が形成される。このアクティブマトリクス基板に対
向される対向基板には、透明絶縁性基板上に、対向電
極、配向膜がこの順に形成される。アクティブマトリク
ス基板と対向基板とがそれぞれの配向膜が対向するよう
に貼り合わせられ、両基板間に液晶が注入されて、液晶
表示装置が構成される。
【0034】図4(A)は真性非晶質シリコン層表面2
6の平滑度(表面粗さRq)と上記薄膜トランジスタの
しきい値電圧との相関を示し、図4(B)は真性非晶質
シリコン層表面26の平滑度(表面粗さRq)と長時間
動作時の上記薄膜トランジスタのしきい値電圧変動量と
の相関を示している。また、図4(C)は真性非晶質シ
リコン層表面26の平滑度(表面粗さRq)と長時間動
作時の上記液晶表示装置のコントラスト低下オフ電圧変
動量(つまりコントラスト低下が現れるオフ駆動電圧の
低下)との相関を示している。ここで、真性非晶質シリ
コン層表面26の平滑度(表面粗さRq)は原子間力電
子顕微鏡(AFM)で定量評価される。表面粗さRq
は、その表面の平均線から測定された曲線までの偏差の
自乗を均した値の平方根で定義される。
【0035】この図4(A)(B)(C)から、上記真
性非晶質シリコン層表面26の平滑度(表面粗さRq)
と、薄膜トランジスタのしきい値電圧特性および長時間
動作時のしきい値電圧変動量およびこれにより発生する
液晶表示装置のコントラスト低下との間に密接な相関が
あり、表面粗さRqを2.0nm以下に制御すること
で、薄膜トランジスタの長時間駆動時のしきい値電圧変
動を抑制し信頼性の向上を図れることが分かる。
【0036】一方、上記真性非晶質シリコン層表面26
の表面粗さRqが0.3nmを下回ると、ダングリング
ボンドによるバックチャネル界面局在準位が減少してバ
ックチャネルの移動度が上がる。このため、トランジス
タのオフ状態においてバックチャネル電界効果で発生す
るバックチャネルを流れる電流値が大きくなり、むしろ
オフ電流が増加する。この結果、液晶表示装置のコント
ラストの低下を招く。これに対して、表面粗さRqが
0.3nm以上であれば、バックチャネルの移動度増大
によるオフ電流増加は生じない。
【0037】したがって、上記真性非晶質シリコン層表
面26、つまり活性領域のバックチャネル表面26は、
表面粗さRqが0.3nm乃至2.0nmの範囲内に設
定されているのが望ましい。
【0038】この薄膜トランジスタは次のようにして作
製される。
【0039】 図1(A)に示すように、ガラスから
なる透明絶縁性基板20上にスパッタ法によりタンタ
ル、アルミ、チタン、クロム、モリブデン等の金属を成
膜し、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを行
って上記金属からなるゲート電極21を形成する。今回
は、ゲート電極21としてTiN/Ta/TaN積層構
造を有するものを採用するとともに、ゲート電極21の
厚さを約0.3μmに設定した。しかし、これに限られ
るものではなく、所望のバスライン抵抗が得られる金
属、合金、あるいはTi/Al/Tiなどの積層構造お
よび膜厚を採用することができる。
【0040】 次に、ゲート電極21の上にゲート絶
縁膜22、真性非晶質シリコン層23および不純物含有
非晶質シリコン層としてのn型非晶質シリコン層24
を、プラズマCVD法により連続して成膜する。この
後、図1(B)に示すように、フォトリソグラフィおよ
びドライエッチングを行って真性非晶質シリコン層23
とn型非晶質シリコン層24とを島状にパターン加工す
る。今回は、ゲート絶縁膜22の厚さを約0.4μm、
真性非晶質シリコン層23の厚さを約0.1μm、n型
非晶質シリコン層24の厚さを約0.04μmに設定し
た。しかし、所望の特性が得られる膜厚であれば、これ
に限られない。
【0041】 次に、図1(C)に示すように、この
上にモリブデンからなる金属膜をスパッタ法で成膜した
後、フォトリソグラフィ及びエッチングを行って、上記
金属膜からなるソース電極251とドレイン電極252
とを互いに離間した状態に形成する。今回はソース電極
251、ドレイン電極252としてモリブデンを採用
し、その膜厚を約0.1μmとしたが、上述のゲート電
極21と同様、これに限られることはなく、所望のバス
ライン抵抗が得られるタンタル、アルミ、チタン、クロ
ムのような金属あるいは合金および膜厚であれば良い。
もちろん、上述のゲート電極21と同様、Ta/Ta
N、Al/Tiなどの積層膜であっても良い。また、ソ
ース電極251、ドレイン電極252は一般的な金属膜
だけでなく、透明導電性膜、例えばITO等であっても
良い。また、今回は薄膜トランジスタのチャネル長を5
μm、チャネル幅30μmをとしたが、これに限られる
ことなく、所望の電流特性が得られるサイズであれば良
い。
【0042】 この後、真性非晶質シリコン層23の
表面を積極的に平滑化する工程に入っていく。真性非晶
質シリコン層23の表面を平滑化するために、本実施の
形態においては、次に述べるようにプラズマエッチング
装置によるプラズマ処理を実施する。なお、プラズマエ
ッチング装置は、真空チャンバ内に高周波電力(RFパ
ワー)が印加される平行平板電極を有するタイプのもの
であり、対向する平行平板電極の間に基板20が搬送さ
れてプラズマに曝される。
【0043】まず、図1(D)に示すように、n型非晶
質シリコン層24の表面を酸素プラズマに曝した。この
酸素プラズマ条件としては、酸素ガスを300scc
m、RFパワーを500W、圧力を200Pa、処理時
間を180秒とした。
【0044】続いて、同一の真空チャンバ内で上記基板
20を大気に曝すことなく連続して、図2(E)に示す
ように、n型非晶質シリコン層24のうち上記ソース電
極251とドレイン電極252との間に存する部分をド
ライエッチングする。これにより、図2(F)に示すよ
うに、真性非晶質シリコン層23のゲート電極21と反
対側の表面26を露出させる。このエッチング条件とし
ては、HClガスを360sccm、SFガスを36
0sccm、RFパワーを250W、圧力を13.3P
a、電極温度を60℃とした。
【0045】このようにした場合、n型非晶質シリコン
層24をドライエッチングした後に、真性非晶質シリコ
ン層23の露出した表面26、つまり活性領域のバック
チャネル表面26が平滑に仕上がる。したがって、従来
(活性領域のバックチャネル表面が平滑化されないも
の)に比して、バックチャネル表面26の面積が減少す
る。これにより、既述のような電子励起による電荷の影
響を減少させることができ、しきい値電圧の低下を抑制
してオフ電流の増加を防止することができる。
【0046】ここで、図3に示すように、真性非晶質シ
リコン層表面26の表面粗さRqは、前述の酸素プラズ
マ処理時間が50秒以上になると処理時間の増加に伴っ
て顕著に低下(平滑度が上昇)してゆき、酸素プラズマ
処理時間が180秒以上になると飽和する。したがっ
て、酸素プラズマ処理時間は180秒以上であるのが望
ましい。
【0047】また、本発明者の実験により、n型非晶質
シリコン層24の表面を酸素含有プラズマに曝す前にフ
ッ素含有プラズマに曝すことで、同じ平滑度を得るため
に酸素含有プラズマに曝す時間をより短縮できることが
分かっている。これを適用することも可能である。具体
的には、上記ソース電極251とドレイン電極252と
を形成した後、n型非晶質シリコン層24の表面をフッ
素含有プラズマに曝し、同一の真空チャンバ内で上記基
板20を大気に曝すことなく連続して酸素含有プラズマ
に曝し、さらに同一の真空チャンバ内で上記基板20を
大気に曝すことなく連続して、n型非晶質シリコン層2
4のうち上記ソース電極251とドレイン電極252と
の間に存する部分をドライエッチングする。上記フッ素
含有プラズマ条件としては、HClガスを360scc
m、SFガスを360sccm、RFパワーを250
W、圧力を13.3Pa、電極温度を60℃、処理時間
を5秒とする。
【0048】 この後、図2(G)に示すように、基
板20上の全域を覆うように窒化シリコン膜からなる保
護膜27を形成する。本実施形態では、プラズマCVD
法により保護膜27を約0.2μmの厚さに成膜した。
【0049】上述のようにバックチャネル表面26が平
滑化されているので、その上に積層される保護膜27と
の界面(保護膜/バックチャネル界面)の密着性が向上
する。これにより、高温高湿状況下での長時間動作によ
るバックチャネル表面への水分の浸入による帯電効果を
低減でき、しきい値電圧の低下を抑制してオフ電流の増
加を防止することができる。
【0050】これにより、薄膜トランジスタの特性及び
信頼性を向上することができる。この結果、長時間駆動
による薄膜トランジスタのオフ電流の増加による液晶表
示装置のコントラスト低下を抑えることができ、液晶表
示装置の信頼性を向上することができる。
【0051】また、本実施形態では、n型非晶質シリコ
ン層24の表面をフッ素含有プラズマに曝す工程と、n
型非晶質シリコン層24の表面を酸素含有プラズマに曝
す工程と、n型非晶質シリコン層24をドライエッチン
グする工程とを、同一のドライエッチング装置を用いて
連続して行っている。したがって、新たな製造装置を導
入する必要はなく、製造工程が煩雑になることもない。
したがって、製造コストの上昇を抑制しながら、優れた
特性及び信頼性を有する薄膜トランジスタを簡単に作製
できる。
【0052】なお、n型非晶質シリコン層24の表面を
フッ素含有プラズマに曝す工程と酸素含有プラズマに曝
す工程との間、n型非晶質シリコン層24の表面を酸素
含有プラズマに曝す工程とn型非晶質シリコン層24を
ドライエッチングする工程との間で、基板20を大気に
曝して別の装置のチャンバで処理することも可能であ
る。また、ドライエッチングの方式としてリアクティブ
イオンエッチング(RIE)装置によるリアクティブイ
オンエッチングを採用しても良い。
【0053】(第2実施形態)図5(A)〜図6(F)
は第2実施形態の薄膜トランジスタの製造工程を示して
いる。この薄膜トランジスタは、液晶表示装置のアクテ
ィブマトリクス基板において各画素毎に設けられるもの
である。実際には、何十万個という薄膜トランジスタが
1枚のアクティブマトリクス基板上に同時に並行して形
成されるが、便宜上任意の1個の薄膜トランジスタに関
して説明する。
【0054】 図5(A)に示すように、ガラスから
なる透明絶縁性基板28上にスパッタ法により窒化チタ
ン、タンタル、窒化タンタルの順に成膜されたTiN/
Ta/TaNからなる金属積層を形成し、フォトリソグ
ラフィおよびドライエッチングを行って上記金属積層か
らなるゲート電極29を形成する。今回は、ゲート電極
29としてTiN/Ta/TaN積層構造を有するもの
を採用した。しかし、これに限られるものではなく、所
望のバスライン抵抗が得られるタンタル、アルミ、チタ
ン、クロム、モリブデン等の金属あるいは合金、あるい
はTi/Al/Tiなどの積層構造を採用することがで
きる。
【0055】 次に、ゲート電極29の上にゲート絶
縁膜30、真性非晶質シリコン層31および不純物含有
非晶質シリコン層としてのn型非晶質シリコン層32
を、プラズマCVD法により連続して成膜する。この
後、図5(B)に示すように、フォトリソグラフィおよ
びドライエッチングを行って真性非晶質シリコン層31
とn型非晶質シリコン層32とを島状にパターン加工す
る。
【0056】 次に、図5(C)に示すように、この
上にモリブデンからなる金属膜をスパッタ法で成膜した
後、フォトリソグラフィ及びエッチングを行って、上記
金属膜からなるソース電極331とドレイン電極332
とを互いに離間した状態に形成する。今回はソース電極
331、ドレイン電極332としてモリブデンを採用し
たが、上述のゲート電極29と同様、これに限られるこ
とはなく、所望のバスライン抵抗が得られるタンタル、
アルミ、チタン、クロム、モリブデン等の金属あるいは
合金であれば良い。もちろん、上述のゲート電極29と
同様、Ta/TaN、Al/Tiなどの積層膜であって
も良い。また、ソース電極331、ドレイン電極332
は一般的な金属膜だけでなく、透明導電性膜、例えばI
TO等であっても良い。
【0057】 この後、真性非晶質シリコン層31の
表面を積極的に平滑化する工程に入っていく。真性非晶
質シリコン層31の表面を平滑化するために、本実施の
形態においては、次に述べるようにプラズマエッチング
装置によるプラズマ処理を実施する。なお、プラズマエ
ッチング装置は、真空チャンバ内に高周波電力(RFパ
ワー)が印加される平行平板電極を有するタイプのもの
であり、対向する平行平板電極の間に基板28が搬送さ
れてプラズマに曝される。
【0058】具体的には、本実施の形態においては、図
6(D)に示すように、n型非晶質シリコン層32のう
ち上記ソース電極331とドレイン電極332との間に
存する部分を、酸素とフッ素の両方を含むプラズマガス
を用いてドライエッチングする。これにより、図6
(E)に示すように、真性非晶質シリコン層31のゲー
ト電極29と反対側の表面34を露出させる。このエッ
チング条件としては、酸素ガスを300sccm、SF
ガスを200sccm、RFパワーを250W、圧力
を16Paとした。
【0059】このようにした場合、エッチングガス(プ
ラズマ)が酸素を含有しない場合に比して、n型非晶質
シリコン層32をドライエッチングした後に、真性非晶
質シリコン層31の露出した表面34、つまり活性領域
のバックチャネル表面34が平滑に仕上がる。したがっ
て、従来(活性領域のバックチャネル表面が平滑化され
ないもの)に比して、バックチャネル表面34の面積が
減少する。これにより、第1実施形態と同様に、しきい
値電圧の低下を抑制してオフ電流の増加を防止すること
ができる。
【0060】 この後、図6(F)に示すように、基
板28上の全域を覆うように窒化シリコン膜からなる保
護膜35を形成する。
【0061】上述のようにバックチャネル表面34が平
滑化されているので、その上に積層される保護膜35と
の界面(保護膜/バックチャネル界面)の密着性が向上
する。これにより、高温高湿状況下での長時間動作によ
るバックチャネル表面への水分の浸入による帯電効果を
低減でき、しきい値電圧の低下を抑制してオフ電流の増
加を防止することができる。
【0062】これにより、薄膜トランジスタの特性及び
信頼性を向上することができる。この結果、長時間駆動
による薄膜トランジスタのオフ電流の増加による液晶表
示装置のコントラスト低下を抑えることができ、液晶表
示装置の信頼性を向上することができる。
【0063】なお、ドライエッチングの方式としてリア
クティブイオンエッチング(RIE)装置によるリアク
ティブイオンエッチングを採用しても良い。
【0064】(第3実施形態)図7(A)〜図8(F)
は第3実施形態の薄膜トランジスタの製造工程を示して
いる。この薄膜トランジスタは、液晶表示装置のアクテ
ィブマトリクス基板において各画素毎に設けられるもの
である。実際には、何十万個という薄膜トランジスタが
1枚のアクティブマトリクス基板上に同時に並行して形
成されるが、便宜上任意の1個の薄膜トランジスタに関
して説明する。
【0065】 図7(A)に示すように、ガラスから
なる透明絶縁性基板36上にスパッタ法により窒化チタ
ン、タンタル、窒化タンタルの順に成膜されたTiN/
Ta/TaNからなる金属積層を形成し、フォトリソグ
ラフィおよびドライエッチングを行って上記金属積層か
らなるゲート電極37を形成する。今回は、ゲート電極
37としてTiN/Ta/TaN積層構造を有するもの
を採用した。しかし、これに限られるものではなく、所
望のバスライン抵抗が得られるタンタル、アルミ、チタ
ン、クロム、モリブデン等の金属あるいは合金、あるい
はTi/Al/Tiなどの積層構造を採用することがで
きる。
【0066】 次に、ゲート電極37の上にゲート絶
縁膜38、真性非晶質シリコン層39および不純物含有
非晶質シリコン層としてのn型非晶質シリコン層40
を、プラズマCVD法により連続して成膜する。この
後、図7(B)に示すように、フォトリソグラフィおよ
びドライエッチングを行って真性非晶質シリコン層39
とn型非晶質シリコン層40とを島状にパターン加工す
る。
【0067】 次に、図7(C)に示すように、この
上にモリブデンからなる金属膜をスパッタ法で成膜した
後、フォトリソグラフィ及びエッチングを行って、上記
金属膜からなるソース電極411とドレイン電極412
とを互いに離間した状態に形成する。今回はソース電極
411、ドレイン電極412としてモリブデンを採用し
たが、上述のゲート電極37と同様、これに限られるこ
とはなく、所望のバスライン抵抗が得られるタンタル、
アルミ、チタン、クロム、モリブデン等の金属あるいは
合金であれば良い。もちろん、上述のゲート電極37と
同様、Ta/TaN、Al/Tiなどの積層膜であって
も良い。また、ソース電極411、ドレイン電極412
は一般的な金属膜だけでなく、透明導電性膜、例えばI
TO等であっても良い。
【0068】 次に、プラズマエッチング装置による
ドライエッチング処理を実施する。なお、プラズマエッ
チング装置は、真空チャンバ内に高周波電力(RFパワ
ー)が印加される平行平板電極を有するタイプのもので
あり、対向する平行平板電極の間に基板36が搬送され
てプラズマに曝される。
【0069】具体的には、図8(D)に示すように、n
型非晶質シリコン層40のうち上記ソース電極411と
ドレイン電極412との間に存する部分を、酸素を含ま
ないプラズマガスを用いてドライエッチングする。これ
により、図8(E)に示すように、真性非晶質シリコン
層39のゲート電極37と反対側の表面42を露出させ
る。このエッチング条件としては、HClガスを360
sccm、SFガスを360sccm、RFパワーを
250W、圧力を13.3Pa、電極温度を60℃とし
た。エッチングガス(プラズマ)が酸素を含まないこと
から、このドライエッチング処理が完了した時点で、真
性非晶質シリコン層39の露出した表面42は凸凹の大
きな状態となっている。
【0070】 この後、真性非晶質シリコン層表面4
2を積極的に平滑化する。
【0071】具体的には、上述のプラズマエッチング装
置(平行平板型の高周波プラズマエッチング装置)を用
いて、図8(E)に示すように、凸凹の大きな状態にあ
る真性非晶質シリコン層表面42を、酸素とフッ素の両
方を含むプラズマに曝す。このプラズマ条件としては、
酸素ガスを400sccm、SFガスを100scc
m、RFパワーを250W、圧力を16.0Pa、処理
時間を200秒とした。
【0072】このようにした場合、n型非晶質シリコン
層40をエッチングした際に生じた真性非晶質シリコン
層表面42、つまりバックチャネル表面42の凹凸は、
酸素とフッ素の両方を含むプラズマに曝されることで平
滑化される。したがって、従来(活性領域のバックチャ
ネル表面が平滑化されないもの)に比して、バックチャ
ネル表面42の面積が減少する。これにより、第1実施
形態と同様に、しきい値電圧の低下を抑制してオフ電流
の増加を防止することができる。
【0073】 この後、図8(F)に示すように、基
板36上の全域を覆うように窒化シリコン膜からなる保
護膜43を形成する。
【0074】上述のようにバックチャネル表面42が平
滑化されているので、その上に積層される保護膜43と
の界面(保護膜/バックチャネル界面)の密着性が向上
する。これにより、高温高湿状況下での長時間動作によ
るバックチャネル表面への水分の浸入による帯電効果を
低減でき、しきい値電圧の低下を抑制してオフ電流の増
加を防止することができる。
【0075】これにより、薄膜トランジスタの特性及び
信頼性を向上することができる。この結果、長時間駆動
による薄膜トランジスタのオフ電流の増加による液晶表
示装置のコントラスト低下を抑えることができ、液晶表
示装置の信頼性を向上することができる。
【0076】なお、ドライエッチングの方式としてリア
クティブイオンエッチング(RIE)装置によるリアク
ティブイオンエッチングを採用しても良い。
【0077】また、酸素を含まないプラズマでn型非晶
質シリコン層40をエッチングする工程と真性非晶質シ
リコン層表面42を酸素とフッ素の両方を含むプラズマ
に曝す工程とを、同一のドライエッチング装置の同一の
チャンバを使用して、大気に曝すことなく連続して行う
のが望ましい。
【0078】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の薄
膜トランジスタによれば、オフ電流に関して優れた特性
及び信頼性を示すことができる。
【0079】また、この発明の薄膜トランジスタの製造
方法によれば、オフ電流に関して優れた特性及び信頼性
を有する薄膜トランジスタを簡単に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態の薄膜トランジスタ
の製造方法を説明する工程断面図である。
【図2】 この発明の第1実施形態の薄膜トランジスタ
の製造方法を説明する工程断面図である。
【図3】 第1実施形態の製造方法において、n型非晶
質シリコン層表面を酸素を含んだプラズマに曝す処理時
間と真性非晶質シリコン層表面の平滑度(表面粗さR
q)との相関を示すグラフである。
【図4】 (A)は真性非晶質シリコン層表面の平滑度
(表面粗さRq)と薄膜トランジスタのしきい値電圧特
性との相関を示すグラフ、(B)は真性非晶質シリコン
層表面の平滑度(表面粗さRq)と長時間動作時のしき
い値電圧変動量との相関を示すグラフ、(C)は真性非
晶質シリコン層表面の平滑度(表面粗さRq)と長時間
動作時の液晶表示装置のコントラスト低下オフ電圧変動
量との相関を示すグラフである。
【図5】 この発明の第2実施形態の薄膜トランジスタ
の製造方法を説明する工程断面図である。
【図6】 この発明の第2実施形態の薄膜トランジスタ
の製造方法を説明する工程断面図である。
【図7】 この発明の第3実施形態の薄膜トランジスタ
の製造方法を説明する工程断面図である。
【図8】 この発明の第3実施形態の薄膜トランジスタ
の製造方法を説明する工程断面図である。
【図9】 従来の液晶表示装置のアクティブマトリクス
基板に設けられた薄膜トランジスタの平面パターンレイ
アウトを示す図である。
【図10】 図9におけるA−A′線における断面図で
ある。
【図11】 一般的な非晶質シリコン薄膜トランジスタ
のオフ電流値増加現象を説明する図である。
【符号の説明】
20,28,36 透明絶縁性基板 21,29,37 ゲート電極 22,30,38 ゲート絶縁膜 23,31,39 真性非晶質シリコン層 24,32,40 n型非晶質シリコン層 251,331,411 ソース電極 252,332,412 ドレイン電極 26,34,42 真性非晶質シリコン層表面 27,35,43 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 627C Fターム(参考) 2H092 JA26 JA34 JA37 JA41 JB57 JB58 KA05 MA08 MA12 MA18 MA37 NA01 NA22 4M104 AA01 BB01 BB02 BB13 BB14 BB16 BB17 BB30 BB36 BB40 CC01 CC05 DD37 DD43 DD65 FF17 FF18 GG09 GG10 GG14 GG20 HH12 5F004 AA11 AA16 DA00 DA01 DA02 DA03 DA26 DB01 EB08 5F110 AA06 BB01 CC07 DD02 EE01 EE03 EE04 EE06 EE15 EE44 GG02 GG15 GG22 GG25 GG28 GG29 GG35 GG45 GG58 HK01 HK03 HK04 HK06 HK07 HK09 HK16 HK21 HK22 HK33 HK35 HK42 NN02 NN24 NN35 QQ04 QQ09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にゲート電極と、ゲート絶縁膜
    と、活性領域として働く真性非晶質シリコン層とが積層
    され、上記真性非晶質シリコン層上にソース電極とドレ
    イン電極とが互いに離間して設けられ、上記ソース電
    極、上記ドレイン電極と上記真性非晶質シリコン層との
    間に挟まれた不純物含有非晶質シリコン層を有する薄膜
    トランジスタにおいて、 上記真性非晶質シリコン層の上記ゲート電極と反対側の
    表面が平滑化されるとともに、この表面を覆う保護膜を
    備えたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜トランジスタにお
    いて、 上記真性非晶質シリコン層の上記ゲート電極と反対側の
    表面は、表面粗さRqが0.3nm乃至2.0nmの範
    囲内に設定されていることを特徴とする薄膜トランジス
    タ。
  3. 【請求項3】 基板上にゲート電極を形成する工程と、 上記ゲート電極上にゲート絶縁膜、活性領域として働く
    真性非晶質シリコン層、不純物含有非晶質シリコン層を
    この順に堆積する工程と、 上記真性非晶質シリコン層と上記不純物含有非晶質シリ
    コン層との2層を島状にパターン加工する工程と、 上記パターン加工された不純物含有非晶質シリコン層上
    にソース電極とドレイン電極を互いに離間して形成する
    工程と、 上記不純物含有非晶質シリコン層のうち上記ソース電極
    とドレイン電極との間に存する部分をドライエッチング
    して上記真性非晶質シリコン層の表面を露出させる工程
    と、 上記真性非晶質シリコン層の露出した表面を保護膜で覆
    う工程と有する薄膜トランジスタの製造方法において、 上記ソース電極とドレイン電極を形成した後、上記不純
    物含有非晶質シリコン層をドライエッチングする前に、
    上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸素含有プラ
    ズマに曝す工程を有することを特徴とする薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の薄膜トランジスタの製
    造方法において、 上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸素含有プラ
    ズマに曝す工程と、上記不純物含有非晶質シリコン層を
    ドライエッチングする工程とを、上記基板を大気中に曝
    すことなく連続して行うことを特徴とする薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の薄膜トランジスタの製
    造方法において、 上記不純物含有非晶質シリコン層の表面を酸素含有プラ
    ズマに曝す工程の前に、上記不純物含有非晶質シリコン
    層の表面をフッ素含有プラズマに曝すことを特徴とする
    薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の薄膜トランジスタの製
    造方法において、 上記不純物含有非晶質シリコン層の表面をフッ素含有プ
    ラズマに曝す工程と、上記不純物含有非晶質シリコン層
    の表面を酸素含有プラズマに曝す工程とを、上記基板を
    大気中に曝すことなく連続して行うことを特徴とする薄
    膜トランジスタの製造方法。
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