JP2003068499A - 真空ケーブルおよび真空プラズマ処理装置 - Google Patents

真空ケーブルおよび真空プラズマ処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマを安定して発生することができる真
空ケーブルおよび真空プラズマ処理装置を提供するこ
と。 【解決手段】 中心導体31と、該中心導体31を覆う
外部導体32とを備えているとともに、外周面がフレキ
シブルチューブ60で覆われている。さらに、前記外部
導体32と防着板22とを電気的に接触状態とする金属
板(導通手段)50と、金属板50を前記外部導体32
に電気的に接触状態で固定する固定金具とを備え、金属
板50は、前記防着板22に対してボルト留めされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD(Che
mical Vapor Deposition)装置、ドライエッチング装置
等の真空プラズマ処理装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】図5において、符号10は、従来のプラ
ズマCVD装置が備える製膜室である。この製膜室10
は、チャンバ12の略中央に、両側面にラダー電極13
が設けられた製膜ユニット14を有しており、この製膜
ユニット14の両側面側に、ヒータカバー15を介して
基板加熱ヒータ16が設けられている。図6に示すよう
に、ラダー電極13に対向して防着板(アース板)22
が設けられている。そして、この製膜室10では、チャ
ンバ12内が減圧された状態にてSiH4からなる原料
ガスを含む処理原料ガスである製膜ガスが送りこまれ、
ラダー電極13に高周波電流が供給されると、チャンバ
12内にてプラズマが発生し、基板加熱ヒータ16によ
って加熱されたガラス基板Kに製膜が施されるようにな
っている。
【0003】さて、ラダー電極13には図6の真空RF
ケーブル30が接続される。図7にその詳細を示した。
図において、符号31は金属製のメッシュでできた外部
導体32に覆われた中心導体である。中心導体31と外
部導体32との間には、ガイシ35が介在している。ケ
ーブル30の先端部には、ラダー電極13に取り付けら
れる接続部36が設けられている。接続部36は、中心
導体31と導通状態にある先端金具38を備えている。
先端金具38の先端部には円柱状の円柱部39と、円柱
部39先端に設けられ該円柱部39より径の大きい係止
部40が形成されている。円柱部39には、一対の稼働
金具45,46が挿入されており、さらに、稼働金具4
5,46を互いに離間させる方向に付勢する稼働金具押
付ばね47が設けられている。さらに、外部導体32
は、外部導体32と防着板22との接触を強化する金属
板50が固定部51により固定されている。金属板50
は防着板22に対してスポット溶接により固定されて接
触が促進されている。
【0004】このように構成されている真空RFケーブ
ル30は、図8に示したラダー電極13の横グリッド1
3aに接続される。横グリッド13aには、横グリッド
13aの幅方向の切り欠き52aと、切り欠き52aの
先端部から横グリッド13aの長手方向に延びる切り欠
き52bとが形成されている。各切り欠き52aの幅は
円柱部39が挿入可能な幅であり、かつ、係止部40お
よび稼働金具45が通り抜けない程度の幅となってい
る。そして、係止部40と稼働金具45との間に横グリ
ッド13aを挟んだ状態で、円柱部39を切り欠き52
bに挿入する。この状態で、稼働金具45が稼働金具押
付ばね47によって横グリッド13aに押し付けられ、
先端金具38が固定されるとともに中心導体31とラダ
ー電極13とが導通状態とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、このように構成
された真空RFケーブル30では、以下に示すような問
題点を有する。外部導体32と真空容器内部の他の部材
との間で異常放電を起こしてしまう場合がある。このた
め、製膜品質等の悪化を招いてしまうという問題があ
る。また、反応生成物によって外部導体32の表面が汚
染されたり、真空容器内で発生した各種ラジカル物質に
直接接触するため、腐蝕をおこしたりして寿命が短く、
プラズマを不安定にさせる要因になっていた。外部導体
32と防着板22との接触が不十分であると、プラズマ
の発生が不安定になる。そこでスポット溶接を行ってい
るが、作業性がよくないという問題があった。また、ラ
ダー電極13に対して先端金具38を簡単に取り付ける
ことができるものの、接触が不安定であるため、真空容
器内で発生した各種ラジカル物質が直接面に入り込み、
反応生成物が付着したり、腐蝕をおこしたりして電気特
性が不安定になり、プラズマ発生が不安定になるという
問題があった。
【0006】上記事情に鑑み、本発明においては、プラ
ズマを安定して発生することができる真空ケーブルおよ
び真空プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、真空下において用いられる真空処理装置の真空ケー
ブルにおいて、外周面がフレキシブルチューブで覆われ
ていることを特徴とする。
【0008】この発明においては、フレキシブルチュー
ブによって覆われる部分が汚染、腐蝕から守られる。
【0009】請求項2に記載の発明は、真空容器内に、
電極と、該電極に対向するアース板とが設けられた真空
処理装置の内部にて用いられる真空ケーブルにおいて、
前記真空ケーブルは、中心導体と、該中心導体を覆う外
部導体とを備え、該外部導体と前記アース板とを電気的
に接触状態とする導通手段が設けられ、該導通手段は、
前記アース板に対してボルト留めされることを特徴とす
る。
【0010】この発明によっては、ボルトによって導通
手段とアース板とが固定されるため、確実かつ容易にこ
れらを固定することができ、また、作業性の向上が図ら
れる。
【0011】請求項3に記載の発明は、真空容器内に、
電極と、該電極に対向するアース板とが設けられた真空
処理装置の内部にて用いられる真空ケーブルにおいて、
前記真空ケーブルは、中心導体と、該中心導体を覆う外
部導体とにより構成され、該外部導体と前記アース板と
を電気的に接触状態とする導通手段と、該導通手段を前
記外部導体に電気的に接触状態で固定する固定金具が設
けられていることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、固定金具を用いること
で、確実かつ容易に導通手段と外部導体とを電気的に接
続することができる。なお、導通手段と外部導体とは電
気的に接触していればよく、直接接していなくてもよ
い。
【0013】請求項4に記載の発明は、真空容器内に電
極が設けられた真空処理装置の内部にて用いられる真空
ケーブルにおいて、ケーブル先端に先端金具が設けら
れ、該先端金具の先端部には円柱状の円柱部と、円柱部
先端に設けられ該円柱部に対してケーブル長手方向にね
じ込み可能であって前記円柱部の端面との間で前記電極
が挟まれる係止ねじとを備えていることを特徴とする。
【0014】この発明においては、円柱部の端面と係止
ねじとの間に電極を挟み込み、係止ねじを円柱部により
ねじ込む。これにより確実に固定可能であり、円柱部の
端面と電極の接触面間に真空容器内で発生した各種ラジ
カル物質が直接入り込み、反応生成物が付着したり、腐
蝕をおこしたりして電気特性が不安定になり、プラズマ
発生が不安定になることを防止する。
【0015】請求項5に記載の発明は、真空容器内に、
電極と、該電極に対向するアース板とが設けられた真空
処理装置の内部にて用いられる真空ケーブルにおいて、
中心導体と、該中心導体を覆う外部導体とを備えている
とともに、外周面がフレキシブルチューブで覆われてお
り、さらに、前記外部導体と前記アース板とを電気的に
接触状態とする導通手段と、該導通手段を前記外部導体
に電気的に接触状態で固定する固定金具とを備え、前記
導通手段は、前記アース板に対してボルト留めされ、ケ
ーブル先端には先端金具が設けられ、該先端金具の先端
部には円柱状の円柱部と、円柱部先端に設けられ該円柱
部に対してケーブル長手方向にねじ込み可能であって前
記円柱部の端面との間で前記電極が挟まれる係止ねじと
を備えていることを特徴とする。
【0016】この発明においては、フレキシブルチュー
ブによって覆われる部分が汚染、腐蝕から守られる。ま
た、ボルトによって導通手段とアース板とが固定される
ため、確実かつ容易にこれらを固定することができ、ま
た、作業性の向上が図られる。固定金具を用いること
で、確実かつ容易に導通手段を定することができる。な
お、導通手段と外部導体とは電気的に接触していればよ
く、直接接していなくてもよい。さらに、円柱部の端面
と係止ねじとの間に電極を挟み込み、係止ねじを円柱部
によりねじ込む。これにより確実に固定可能でり、且つ
円柱部の端面と電極の接触面間に真空容器内で発生した
各種ラジカル物質が直接入り込み、反応生成物が付着し
たり、腐蝕をおこしたりして電気特性が不安定になるこ
とを防止し、安定にプラズマを発生することができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、真空容器内に、
電極と、該電極に対向するアース板とが設けられた真空
プラズマ処理装置であって、請求項1から5いずれかに
記載の真空ケーブルが、前記電極に接続されていること
を特徴とする。
【0018】この発明によれば、真空プラズマ処理装置
において、安定してプラズマを発生させることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1実施形態につ
いて、図面を参照して説明する。なお、上記従来例と同
一の構成については同一の符号を用い、その説明を省略
する。図1に示したものは、本発明の第1実施形態とし
て示した真空RFケーブルである。図において符号60
は外部導体32を覆うフレキシブルチューブであり、柔
軟に曲げることができる。このフレキシブルチューブ6
0は導体であり、フレキシブルチューブ60の外側から
金属板(導通手段)50が固定部51によって固定され
ている。これにより、外部導体32は防着板(アース
板)22に導通状態にある。
【0020】このように構成されている本例の真空RF
ケーブルにおいては、外部導体32がフレキシブルチュ
ーブ60によって保護されているため、外部導体32の
腐蝕、汚染が防止され、長寿命化が実現することによ
り、安定してプラズマを発生させることができる。ま
た、金属製のメッシュである外部導体32が保護される
ため、作業中における外部導体32の破損を防止するこ
とができる。
【0021】なお、フレキシブルチューブ60は導体で
なくてもよい。導体でない場合には、図2に示すよう
に、先端から固定部51まではフレキシブルチューブ6
0を設けず、金属板50と外部導体32とを直接接触さ
せるようにすればよい。
【0022】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。なお、上記従来例と同一の構成については同一の
符号を用い、その説明を省略する。図3に示すように、
本例においては、金属板50が防着板22にボルト65
によって固定されている。また、フレキシブルチューブ
60と金属板50とは、固定金具67により締結されて
いる。この金具67は一対の締結部材からなり、ボルト
68によってこれら締結部材が互いに締結されること
で、金属板50とフレキシブルチューブ60とが締結さ
れるようになっている。
【0023】このように、本例の真空RFケーブルにお
いては、ボルト65および固定金具67により、確実に
防着板22と外部導体32とを電気的に接触させること
ができるため、安定してプラズマを発生させることがで
きる。さらに、固定の際の作業性を向上させることがで
きる。
【0024】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。なお、上記従来例と同一の構成については同一の
符号を用い、その説明を省略する。図4において、符号
70は係止ねじである。係止ねじ70は、円柱部39の
先端にねじ込み可能となっている。また、係止ねじ70
のねじ頭70aおよび円柱部39は、ラダー電極13の
横グリッド13aに設けられた切り込み52bを通り抜
けない程度の径になっている。
【0025】このように構成された本例の真空RFケー
ブルにおいては、係止ねじ70を円柱部39に十分ねじ
込んでいない状態で、円柱部39の端面および稼働金具
45とねじ頭70aとの間に横グリッド13aを挟んだ
状態で、先端金具38を切り欠き52bに挿入する。そ
して、係止ねじ70を円柱部39に十分にねじ込む。こ
のようにすることで、稼働金具45の稼働金具押付ばね
47による押し付け力に加え、係止ねじ70による締結
力が働くため、先端金具38を確実にラダー電極13に
固定することができ、且つ円柱部の端面と電極の接触面
間に真空容器内で発生した各種ラジカル物質が直接入り
込み、反応生成物が付着したり、腐蝕をおこしたりして
電気特性が不安定になることを防止し、したがって、プ
ラズマを安定して発生させることができる。
【0026】なお、本例では稼働金具45を稼働金具押
付ばね47によって押し付けることとしたが、これを設
けずに係止ねじ70による締結だけであってもよい。ま
た、上記各実施形態を互いに組み合わせてもよいのはも
ちろんである。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
以下の効果を得ることができる。請求項1に記載の発明
によれば、フレキシブルチューブによって覆われる部分
が汚染、腐蝕から守られるため、長寿命化が実現するこ
とにより、安定してプラズマを発生させることができ
る。請求項2に記載の発明によれば、ボルトによって導
通手段とアース板とが固定されるため、確実にこれら電
気的に接触させることができるため、安定してプラズマ
を発生させることができる。さらに、固定の際の作業性
を向上させることができる。請求項3に記載の発明によ
れば、固定金具を用いることで、確実かつ容易に導通手
段と外部導体とを電気的に接続することができる。請求
項4に記載の発明によれば、ケーブル先端の先端金具を
電極に確実に固定することができ、且つ接触部を汚染、
腐蝕から守ことができるため、安定してプラズマを発生
させることができる。請求項5に記載の発明によれば、
安定してプラズマを発生することができる真空ケーブル
を実現することができる。請求項6に記載の発明によれ
ば、安定してプラズマを発生することができる真空プラ
ズマ処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態として示した真空RF
ケーブルである。
【図2】 同真空RFケーブルの変形例である。
【図3】 本発明の第2実施形態として示した真空RF
ケーブルである。
【図4】 本発明の第3実施形態として示した真空RF
ケーブルである。
【図5】 プラズマCVD装置の概略構成を示した斜視
図である。
【図6】 同プラズマCVD装置におけるラダー電極と
防着板を示した図である。
【図7】 従来の真空RFケーブルを示した図である。
【図8】 従来の真空RFケーブルをラダー電極13に
接続する状態を示した図である。
【符号の説明】 13 ラダー電極 22 防着板(アース板) 31 中心導体 32 外部導体 38 先端金具 39 円柱部 50 金属板(導通手段) 60 フレキシブルチューブ 70 係止ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹川 英四郎 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 大坪 栄一郎 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 BC04 BC06 BD14 CA02 CA13 CA65 DA01 EB01 EB41 EC21 EC30 5F045 AA08 AC01 BB14 EH04 5G313 AB02 AB10 AD08 AE01 AE08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空下において用いられる真空処理装置
    の真空ケーブルにおいて、 外周面がフレキシブルチューブで覆われていることを特
    徴とする真空ケーブル。
  2. 【請求項2】 真空容器内に、電極と、該電極に対向す
    るアース板とが設けられた真空処理装置の内部にて用い
    られる真空ケーブルにおいて、 前記真空ケーブルは、中心導体と、該中心導体を覆う外
    部導体とを備え、該外部導体と前記アース板とを電気的
    に接触状態とする導通手段が設けられ、 該導通手段は、前記アース板に対してボルト留めされる
    ことを特徴とする真空ケーブル。
  3. 【請求項3】 真空容器内に、電極と、該電極に対向す
    るアース板とが設けられた真空処理装置の内部にて用い
    られる真空ケーブルにおいて、 前記真空ケーブルは、中心導体と、該中心導体を覆う外
    部導体とにより構成され、該外部導体と前記アース板と
    を電気的に接触状態とする導通手段と、該導通手段を前
    記外部導体に電気的に接触状態で固定する固定金具が設
    けられていることを特徴とする真空ケーブル。
  4. 【請求項4】 真空容器内に電極が設けられた真空処理
    装置の内部にて用いられる真空ケーブルにおいて、 ケーブル先端に先端金具が設けられ、該先端金具の先端
    部には円柱状の円柱部と、円柱部先端に設けられ該円柱
    部に対してケーブル長手方向にねじ込み可能であって前
    記円柱部の端面との間で前記電極が挟まれる係止ねじと
    を備えていることを特徴とする真空ケーブル。
  5. 【請求項5】 真空容器内に、電極と、該電極に対向す
    るアース板とが設けられた真空処理装置の内部にて用い
    られる真空ケーブルにおいて、 中心導体と、該中心導体を覆う外部導体とを備えている
    とともに、外周面がフレキシブルチューブで覆われてお
    り、 さらに、前記外部導体と前記アース板とを電気的に接触
    状態とする導通手段と、該導通手段を前記外部導体に電
    気的に接触状態で固定する固定金具とを備え、前記導通
    手段は、前記アース板に対してボルト留めされ、 ケーブル先端には先端金具が設けられ、該先端金具の先
    端部には円柱状の円柱部と、円柱部先端に設けられ該円
    柱部に対してケーブル長手方向にねじ込み可能であって
    前記円柱部の端面との間で前記電極が挟まれる係止ねじ
    とを備えていることを特徴とする真空ケーブル。
  6. 【請求項6】 真空容器内に、電極と、該電極に対向す
    るアース板とが設けられた真空プラズマ処理装置であっ
    て、請求項1から5いずれかに記載の真空ケーブルが、
    前記電極に接続されていることを特徴とする真空プラズ
    マ処理装置。
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