JP2003068381A - 異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに電気回路部品の検査治具および電気回路部品の検査方法 - Google Patents

異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、ならびに電気回路部品の検査治具および電気回路部品の検査方法

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JP2003068381A
JP2003068381A JP2001258141A JP2001258141A JP2003068381A JP 2003068381 A JP2003068381 A JP 2003068381A JP 2001258141 A JP2001258141 A JP 2001258141A JP 2001258141 A JP2001258141 A JP 2001258141A JP 2003068381 A JP2003068381 A JP 2003068381A
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electric circuit
conductive sheet
conductive
circuit component
inspection
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Kazuo Inoue
和夫 井上
Hisao Igarashi
久夫 五十嵐
Takeo Hara
武夫 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維配向型の異方導電性シートを用いて、電
気回路部品の電気的検査を実施する場合に、導電性繊維
が圧縮されても座屈変形することがなく、電気回路部品
の被検査電極と検査用回路基板の接続用電極との間の電
気的接触が確実に確保され、繰り返し使用が可能で、し
かも、電気回路部品の被検査電極以外の部分の表面を損
傷することがないようにする。 【解決手段】 厚さ方向に配向した導電性繊維を有し、
所定の部位に突設電極部を備えた繊維配向型異方導電性
シートであって、一対の磁極板の間に、導電性繊維を含
有した導電性シート材材料と、導電性シート材料と磁極
板の間に、弾性有機材料を配置して、磁極板に磁場を印
加しながら加熱しつつ、導電性繊維を配向させ、両磁極
板の間の距離を制御して、弾性有機材料層内に導電性繊
維を突設形成し、弾性有機材料層を選択的に除去するこ
とにより、残余の部分を突設電極部とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路部品、電
子部品、電子回路基板等において、電気特性の検査、計
測、または電気的な相互の接続等のために用いる、異方
導電性シートおよび異方導電性シートの製造方法、なら
びに、電気回路部品の検査治具およびそれを用いた電気
回路部品の検査用ソケット、電気回路部品の検査装置、
電気回路部品の検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス産業の発達に伴い、電
気製品の小型化、軽量化、高密度配線化が図られ、電気
回路部品、電子部品、電子回路基板等(以下、単に「電
気回路部品」と言う。)のバーン・イン・テスト等の検
査、計測あるいは相互間の電気的な接続等(以下、単に
「電気的検査」と言う。)は、微細な電極間ピッチを介
して行われるようになり、困難になりつつある。
【0003】このような状況下、電気回路部品、特にI
C(集積回路)、LSI(大規模集積回路)では、電気
的な接続を行う電極の配置が、従来の四角形の4辺の位
置に電極部を配置するペリフェラル配置から、例えば、
BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Packag
e)、ASIC(Application Specific Integrated Cir
cuit)など四角形の辺の内部にまで電極を配置したマト
リクス配置の形状のものが多数開発されてきている。こ
れに伴って、実装される側の電気回路基板の電極部のデ
ザインも、同様にマトリクス配置のものが出来てきてい
る。
【0004】このようなマトリクス配置の電極部を持つ
電気回路部品の電気的検査、あるいは実装の一手段とし
て、弾性を有する異方導電性シートを用いる方法が行わ
れている。すなわち、異方導電性シートは、厚み方向に
のみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたと
きに厚み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有
するものであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合などの
手段を用いずにコンパクトな電気的接続を達成すること
が可能であること、機械的な衝撃やひずみを吸収してソ
フトな接続が可能であることなどの特長を有するため、
電気回路部品の表面の凹凸を吸収し、安定な電気的接触
を得るのに有利である。
【0005】このため、従来より、異方導電性シートと
して、繊維配向型の構造のものとして、特開昭52−1
26794号公報には、シートの厚さにほぼ等しい長さ
の磁性線状導電体をエラストマー中に均一に分散して得
られる異方導電性エラストマーシートが開示され、ま
た、特公昭60−32282号公報(特許第13114
6号)には、シートの厚さにほぼ等しい長さの磁性線状
導電体をエラストマー中に不均一に局所的に分布させる
ことにより、厚み方向に伸びる多数の導電路形成部と、
これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成された異方導電
性エラストマーシートが提案されている。
【0006】すなわち、このような繊維配向型の異方導
電性シートによれば、導電性繊維が絶縁部であるエラス
トマー中に配向しているため、粒子配向型の異方導電性
シートに比較して、異方導電性シートと検査基板および
被検査物との間のみの接触であるので、接触点数が少な
くなるため、接触安定性、接触信頼性に優れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維配
向型の異方導電性シートを用いて、例えば、BGAなど
の電気回路部品の電気的検査を実施する場合には、図7
に示したように、電気回路部品102を検査治具100
の検査用回路基板103に対して圧接した際に、異方導
電性シート106が、電気回路部品102の被検査電極
108と検査用回路基板103の接続用電極110との
間で圧縮されることになる。
【0008】この際、図7に示したように、異方導電性
シート106のエラストマーなどのマトリックスからな
る絶縁部112の内部では、電気回路部品102の被検
査電極108と検査用回路基板103の接続用電極11
0との間で、配向した導電性繊維104が、一点鎖線で
示したように湾曲し(104a)、または傾斜してしま
う(104b)ことになる。
【0009】このように導電性繊維104が傾斜してし
まった場合(104b)には、図7に示したように、電
気回路部品102の被検査電極108と検査用回路基板
103の接続用電極110との間の電気的接触が確保さ
れなくなる。また、導電性繊維104が湾曲して(10
4a)、導電性繊維104の降伏点を超えて(弾性限界
を超えて)圧縮された場合には、図8に示しように、導
電性繊維104aが座屈変形した状態となり、繰り返し
使用しようとしても、電気回路部品102の被検査電極
108と検査用回路基板103の接続用電極110との
間の電気的接触が確保されなくなり、繰り返しの使用が
できないことになる。
【0010】また、繊維配向型の異方導電性シートを用
いて、電気回路部品の電気的検査を実施する場合には、
電気回路部品102の被検査電極108が、異方導電性
シート106内に配向した導電性繊維104によって、
電気回路部品102の被検査電極108に傷がつくこと
があり、後の工程に影響を及ぼすおそれがあった。さら
に、繊維配向型の異方導電性シートを用いて、電気回路
部品の電気的検査を実施する場合、被検査対象物である
電気回路部品が、アルミパッドタイプ(AL−Pad)
や被検査電極の突設高さの低いLGA(Land Grid Arra
y)の場合、電気回路部品の被検査電極以外の表面が、
異方導電性シート内に配向した導電性繊維によって傷が
つくことがあり、電気回路部品の特性に影響を与えるお
それがある。
【0011】例えば、図9に示したようなAL−Pad
電極208を有する半導体などの電気回路部品202を
電気的検査を行う場合には、表面の保護膜(passivatio
n film)209がポリイミド等の場合には、膜厚が約1
0μm程度あるために、異方導電性シート206を、電
気回路部品202の被検査電極208と検査用回路基板
203の接続用電極210との間で圧縮した際に、異方
導電性シート206が保護膜209に圧着されて、保護
膜209が確実にダメージを受ける。
【0012】本発明は、このような現状を考慮して、繊
維配向型の異方導電性シートを用いて、電気回路部品の
電気的検査を実施する場合に、保護膜の厚さに関わらず
保護膜に傷をつけることなく接触できるとともに、導電
性繊維が圧縮されても座屈変形することがなく、電気回
路部品の被検査電極と検査用回路基板の接続用電極との
間の電気的接触が確実に確保され、繰り返し使用が可能
な異方導電性シートおよび異方導電性シートの製造方
法、ならびに、電気回路部品の検査治具およびそれを用
いた電気回路部品の検査用ソケット、電気回路部品の検
査装置、電気回路部品の検査方法を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するために発明
なされたものであって、本発明の繊維配向型異方導電性
シートは、厚さ方向に配向した導電性繊維を有し、所定
の部位に突設電極部を備えた繊維配向型異方導電性シー
トであって、一対の磁極板の間に、導電性繊維を含有し
た導電性シート材材料と、導電性シート材料と前記磁極
板の間に、弾性有機材料を配置して、前記磁極板に磁場
を印加しながら加熱しつつ、導電性繊維を配向硬化さ
せ、前記両磁極板の間の距離を制御して、前記弾性有機
材料層内に導電性繊維を突設形成し、前記弾性有機材料
層を選択的に除去することにより、残余の部分を突設電
極部としたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の異方導電性シートは、前記
突設電極部には、メッキが施してあることを特徴とす
る。また、本発明の異方導電性シートの製造方法は、厚
さ方向に配向した導電性繊維を有し、所定の部位に突設
電極部を備えた繊維配向型異方導電性シートを製造する
方法であって、一対の磁極板の間に、導電性繊維を含有
した導電性シート材材料と、導電性シート材料と前記磁
極板の間に、弾性有機材料を配置して、前記磁極板に磁
場を印加しながら加熱しつつ、導電性繊維を配向硬化さ
せ、前記両磁極板の間の距離を制御して、前記弾性有機
材料層内に導電性繊維を突設形成し、前記弾性有機材料
層を選択的に除去して、前記弾性有機材料層内に突出形
成した導電繊維を露出させ、前記導電性繊維露出部分に
メッキを施し、前記導電繊維が露出した部分を除いた、
前記弾性有機材料層の弾性有機材料と突出導電繊維を除
去することにより、前記メッキを施した部分を突設電極
部となるようにすることを特徴とする。
【0015】また、本発明の異方導電性シートの製造方
法は、厚さ方向に配向した導電性繊維を有し、所定の部
位に突設電極部を備えた繊維配向型異方導電性シートを
製造する方法であって、一対の磁極板の間に、導電性繊
維を含有した導電性シート材材料と、導電性シート材料
と前記磁極板の間に、弾性有機材料を配置して、前記磁
極板に磁場を印加しながら加熱しつつ、導電性繊維を配
向させ、前記両磁極板の間の距離を制御して、前記弾性
有機材料層内に導電性繊維を突設形成し、前記弾性有機
材料層を選択的に除去して、前記弾性有機材料層内に突
出形成した導電繊維を露出させ、前記導電繊維が露出し
た部分を除去し、前記導電繊維が露出した部分を除去し
た残りの弾性有機材料層の弾性有機材料を除去して、導
電性繊維を露出させることにより、前記導電性繊維露出
部分を突設電極部となるようにすることを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の本発明の異方導電性シー
トの製造方法は、前記導電性繊維露出部分にメッキを施
して、メッキを施した部分を突設電極部となるようにす
ることを特徴とする。また、本発明の電気回路部品の検
査治具は、検査すべき電気回路部品の被検査電極の位置
に対応するように、接続用電極がその上面に配設された
検査用回路基板と、前記検査用回路基板の上面に配置さ
れた請求項1から2のいずれか記載の異方導電性シート
とを備え、前記電気回路部品を検査用回路基板に対して
圧接した際に、前記電気回路部品の被検査電極と検査用
回路基板の接続用電極が、前記異方導電性シートの突設
電極部に当接することによって、前記電気回路部品の被
検査電極と検査用回路基板の接続用電極との間が電気的
に接続されるように構成されていることを特徴とする。
【0017】また、本発明の検査用ソケットは、前記電
気回路部品の検査治具を備え、電気回路部品を前記スペ
ーサ部材上に着脱自在に装着できるように構成したこと
を特徴とすることを特徴とする。また、本発明の電気回
路部品の検査装置は、前記電気回路部品の検査治具を備
え、検査用回路基板の接続用電極から、突設電極部、異
方導電性シート、突設電極部、および電気回路部品の被
検査電極を介して、電気回路部品に電源や信号を供給す
るとともに、電気回路部品からの信号を取り出して、電
気回路部品の電気的検査を行うように構成したことを特
徴とする。
【0018】また、本発明の電気回路部品の検査方法
は、前記電気回路部品の検査治具を用いて、電気回路部
品の電気的検査を行う電気回路部品の検査方法であっ
て、検査すべき電気回路部品の被検査電極を、導電性シ
ートの突設電極部に合わせて配置するとともに、前記検
査用回路基板の接続用電極を、導電性シートの突設電極
部に合わせて配置して、前記電気回路部品を検査用回路
基板に対して圧接することにより、前記電気回路部品の
被検査電極と検査用回路基板の接続用電極が、前記異方
導電性シートの突設電極部に当接させて、前記電気回路
部品の被検査電極と検査用回路基板の接続用電極との間
を電気的に接続しつつ、電気回路部品の電気的検査を行
うことを特徴とする。
【0019】このように構成することによって、導電性
繊維を突設形成した突設電極部が形成されているので、
異方導電性シートの圧縮量が、異方導電性シート本体内
に配向した導電性繊維の弾性限界内にあるように設定す
ることができる。従って、電気回路部品を検査用回路基
板に対して圧接(加圧)した際に、導電性繊維が圧縮さ
れても座屈変形することがなく、電気回路部品の被検査
電極と検査用回路基板の接続用電極との間の電気的接触
が確実に確保され、接触安定性および接触信頼性に優れ
ており、繰り返し使用が可能である。
【0020】また、加圧量が大きくなっても、突設電極
部が圧縮されて、圧縮力が吸収されるので、異方導電性
シート内に配向した導電性繊維が座屈変形することがな
く、しかも、異方導電性シートが、電気回路部品の被検
査電極以外の表面に当接した場合にも、異方導電性シー
ト内に配向した導電性繊維によって傷がつくことがな
い。
【0021】さらに、被検査対象物である電気回路部品
が、アルミパッドタイプ(AL−Pad)や被検査電極
の突設高さの低いLGA(Land Grid Array)の場合で
あっても、導電性繊維を突設形成した突設電極部が形成
されているので、この突設電極部を介して、電気回路部
品の被検査電極と接触することになるので、低荷重で安
定的に接触することができる。しかも、保護膜の厚さに
関わらず保護膜に傷をつけることなく接触できるととも
に、電気回路部品の被検査電極以外の表面が、異方導電
性シート内に配向した導電性繊維によって傷がつくこと
がなく、電気回路部品の特性に影響を与えるおそれもな
い。
【0022】さらに、異方導電性シートの上下面に存在
する突設電極部が、金属でメッキされているので、導電
性繊維の繊維の長さが均一ではない場合であっても、導
電性繊維の突設端部の位置の不均一を、この金属メッキ
層によって吸収することができ、その電極表面が平坦と
なるので、接触安定性も良好で、電気的接触が確実に確
保され、接触信頼性に優れる。
【0023】また、異方導電性シートの上下面に存在す
る突設電極部が、金属でメッキされているので、導電性
繊維の突設端部が、この金属メッキ層によって固定され
ていることになるので、電気回路部品を検査用回路基板
に対して圧接(加圧)した際に、導電性繊維が圧縮され
ても座屈変形することがなく、電気回路部品の被検査電
極と検査用回路基板の接続用電極との間の電気的接触が
確実に確保され、接触安定性および接触信頼性に優れて
おり、繰り返し使用が可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(実施例)について説明する。図1は、本
発明の電気回路部品の検査治具の第1の実施例の概略を
示す断面図、図2は、その使用状態を説明する部分拡大
断面図である。図1で、10は全体で本発明の電気回路
部品の検査治具(以下、「検査治具」と言う。)を示し
ている。
【0025】この第1の実施例の検査治具10は、略矩
形枠体状の補強板12を備えており、この補強板12の
上面に、検査用回路基板14が、補強板12の上に立設
されたガイドピン16によって、所定の位置に位置決め
されて配置されている。この検査用回路基板14には、
図示しない回路パターンが形成されているとともに、そ
のパターン上には、検査すべき電気回路部品18の被検
査電極20の位置に対応するように、接続用電極22が
その上面に配設されている。なお、この実施例では、電
気回路部品18として、マトリックス状に配設した複数
のハンダからなるバンプ電極が形成されたBGAタイプ
のものを示している。
【0026】また、検査用回路基板14の上面には、異
方導電性シート24が、ガイドピン16によって、所定
の位置に位置決めされて配置されている。なお、図1
中、30は、電気回路部品18を位置決めするための位
置決め板、32は、電気回路部品18を収容する収容部
である。この場合、検査用回路基板14は、例えば、B
T基板、ポリイミド基板、FR−5等の耐熱性基板材料
で構成されているとともに、下面に配置したアルミニウ
ム等の金属やPPS等の樹脂からなる補強板12によっ
て機械的に補強されている。
【0027】また、異方導電性シート24は、その厚さ
方向に配向した導電性繊維を有する繊維配向型異方導電
性シートであり、厚み方向にのみ導電性を示すように構
成されている。この異方導電性シート24は、図2に示
したように、絶縁性を有する絶縁部24aとこの絶縁部
24a内部に、厚さ方向に配向した導電性繊維24b
が、異方導電性シート24の全面に亘って均一に分布す
るように形成されているタイプの分散型異方導電性シー
トである。異方導電性シート24の厚みは、特に限定さ
れるものではないが、好ましくは50〜1000μm、
特に好ましくは100〜300μmとするのが望まし
い。
【0028】そして、異方導電性シート24の上下面に
は、図2に示したように、電気回路部品18の被検査電
極20、および検査用回路基板14の接続用電極22の
位置に対応するように、突設電極部26が形成されてい
る。この突設電極部26にも、厚さ方向に配向した導電
性繊維24bの端部24cが突出形成されている。な
お、この突設電極部26の突設高さは、異方導電性シー
ト24の厚さや、被検査回路部品の電極形態によって決
定されるものであるが、10〜200μm、好ましく
は、20〜50μmとするのが望ましい。
【0029】本発明において、異方導電性シート24の
絶縁部24aとしては、弾性を有する絶縁体が好まし
い。かかる弾性を有する絶縁体としては、ゴム状重合体
が好ましい。ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、
天然ゴム、ポリイソプレン、SBR、NBRなどの共役
ジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、スチレンブタ
ジエンジエンブロック共重合体、スチレンイソプレンブ
ロック共重合体などのブロック共重合体およびこれらの
水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステ
ル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコンゴム、エ
チレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレンジエン
共重合体などが挙げられる。耐候性の必要な場合は共役
ジエン系ゴム以外のゴム状重合体が好ましく、特に成形
加工性および電気特性の点からシリコンゴムが好まし
い。
【0030】ここでシリコンゴムについてさらに詳細に
説明する。シリコンゴムとしては、液状シリコンゴムを
架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコンゴム
はその粘度が歪速度10-1secで105ポアズ以下の
ものが好ましく、縮合型、付加型、ビニル基やヒドロキ
シル基含有型などのいずれであってもよい。具体的には
ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生
ゴム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙
げることができる。これらのうちビニル基含有シリコン
ゴムとしては、通常、ジメチルジクロロシランまたはジ
メチルジアルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシ
ランまたはジメチルビニルアルコキシシランの存在下に
おいて、加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き
溶解−沈澱の繰り返しによる分別を行うことにより得る
ことができる。
【0031】また、ビニル基を両末端に含有するもの
は、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状
シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、末
端停止剤を用いて重合を停止して重合体を得る際に、末
端停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを使
用し、反応条件(例えば、環状シロキサンの量および末
端停止剤の量)を適宜選ぶことにより、得ることができ
る。ここで、触媒としては、水酸化テトラメチルアンモ
ニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアル
カリまたはこれらのシラノレート溶液などが挙げられ、
反応温度としては例えば80〜130℃が挙げられる。
このようなビニル基含有ポリジメチルシロキサンは、そ
の分子量Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量を
いう。以下同じ。)が10000〜40000のもので
あることが好ましい。また、得られる導電路素子の耐熱
性の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算
重量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子
量Mnとの比Mw/Mnの値をいう。以下同じ。)が2
以下のものが好ましい。
【0032】また、ヒドロキシル基含有シリコンゴム
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシラン、メチ
ルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキ
シシランなどのヒドロシラン化合物の存在下において、
加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き溶解−沈
澱の繰り返しによる分別を行うことにより得ることがで
きる。また 、環状シロキサンを触媒の存在下にアニオ
ン重合し、末端停止剤を用いて重合を停止して重合体を
得る際に、反応条件(例えば、環状シロキサンの量およ
び末端停止剤の量)を選び、末端停止剤としてジメチル
ヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまた
はジメチルヒドロアルコキシシランを使用することによ
って得ることができる。ここで、触媒としては、水酸化
テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホス
ホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶
液などが挙げられ、反応温度としては例えば80〜13
0 ℃が挙げられる。
【0033】ゴム状重合体の分子量(標準ポリスチレン
換算重量平均分子量)は10,000〜40,000で
あるものが好ましい。なお、ゴム状重合体成分の分子量
分布指数(標準ポリスチレン換算重量平均分子量と標準
ポリスチレン換算数平均分子量との比(以下「Mw /M
n 」と記す)は、得られる導電性エラストマーの耐熱性
の点から2以下が好ましい。本発明においては、上記の
ビニル基含有ポリジメチルシロキサンおよびヒドロキシ
ル基含有ポリジメチルシロキサンのいずれか一方を用い
ることもでき、両者を併用することもできる。
【0034】さらに、本発明の導電性エラストマー用組
成物は、硬化させるために硬化触媒を用いることができ
る。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪
酸アゾ化合物、ヒドロキシル化触媒、放射線などが挙げ
られる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過
酸化ビスジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化
ジターシャリーブチルなどが挙げられる。また、脂肪酸
アゾ化合物としてはアゾビスイソブチロニトリルなどが
挙げられる。ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得
るものとしては、具体的には、塩化白金酸およびその
塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビ
ニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金と1,3
−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコンプレック
ス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファイトと白
金とのコンプレックス、アセチルアセトネート白金キレ
ート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知
のものを挙げることができる。硬化触媒の使用量は、高
分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬
化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子
物質形成材料100重量部に対して3〜15重量部であ
る。
【0035】硬化触媒の添加方法も特に限定されるもの
ではないが、保存安定性、成分混合時の触媒の偏在防止
などの観点から、主剤である成分に予め混合しておくこ
とが好ましい。硬化触媒の使用量は、実際の硬化速度、
可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用するのが
好ましい。また、硬化速度、可使時間を制御するために
通常用いられる、アミノ基含有シロキサン、ヒドロキシ
基含有シロキサンなどのヒドロシリル化反応制御剤を併
用することもできる。
【0036】一方、異方導電性シート24の導電性繊維
24bとしては、磁性体繊維であるのが好ましく、その
長さは、異方導電性シート24の最大厚さと略同じサイ
ズとするのが望ましい。また、その径としては、直径
が、5〜100μm、好ましくは、10〜30μmとす
るのが望ましい。このような磁性体繊維としては、例え
ば、ニッケル、鉄、コバルト、SUSなどのステンレス
鋼、その他の磁性体である合金からなる磁性体金属繊維
とすることができる。
【0037】この場合、磁性体金属繊維の表面には、
金、銀、銅、ロジウム、パラジウムなどの金属またはこ
れらの合金からなる導電性金属で被覆するのが望まし
い。このような導電性金属で被覆することによって、電
気抵抗値を低くすることができる。また、導電性繊維2
4bとしては、表面に磁性体金属が被覆された非磁性体
繊維とすることができる。この場合、非磁性体繊維とし
ては、リン青銅、真鍮、SUSなどのステンレス鋼が使
用でき、磁性体金属としては、ニッケル、ニッケル−コ
バルト合金、鉄などが使用できる。このように構成され
る異方導電性シートの製造方法について、以下に説明す
る。
【0038】図3は、本発明の異方導電性シートの製造
方法の第1の実施例を説明する概略工程図である。先
ず、図3(A)に示したように、一対の磁極板30、3
0の表面に、ドライフィルムレジスト等からなる剥離可
能な弾性有機材料32を配置するとともに、これらの弾
性有機材料32の間に、導電性繊維24bを含有したペ
ースト状の導電性シート材料24aを塗設することによ
って配置する。
【0039】この場合、弾性有機材料32としては、特
に限定されるものではないが、例えばドライフィルムレ
ジストや液状レジスト材料などが使用可能である。ま
た、この弾性有機材料32の厚さとしては10〜200
μm、好ましくは20〜50μmとするのが望ましい。
この状態で、磁極板に磁場を印加しながら加熱しつつ、
導電性繊維24bを配向させ、両磁極板30の間の距離
を徐々に減少するように制御して、弾性有機材料層32
内に導電性繊維24bを突設するように形成して、異方
性導電性(判読不能)24を硬化するとともに、弾性有
機材料32をプリベークする。
【0040】この場合、導電性繊維24bを配向させる
ために印可される磁場の強さは0.1〜5テスラ程度、
好ましくは0.2〜2テスラ程度であり、磁場印加時間
は1〜120分程度、好ましくは5〜30分程度であ
る。また、加熱温度としては、80〜120℃、好まし
くは、90〜110℃である。そして、プリベーク完了
後、図3(B)に示したように、磁極板30を取り外
す。
【0041】次に、図3(C)に示したように、この異
方導電性シート24の弾性有機材料層32に、所定のパ
ターンのマスク34をして、マスク34がされていない
部分の弾性有機材料層32の部分32aを、露光、苛性
ソーダなどを用いて現像処理することによって選択的に
除去する。この状態では、図3(D)に示したように、
弾性有機材料層32が除去された部分32aには、配向
した導電性繊維24bの端部24cが、表面に露出した
状態となっている。
【0042】そして、この状態で、図3(E)に示した
ように、導電性金属からなる金属メッキ処理を施すこと
によって、配向した導電性繊維24bの端部24cの、
表面に露出した部分32a、メッキ36が形成される。
なお、実際は、露出した部分32aの突出した導電性繊
維24bの端部24c全体が、メッキによって被覆され
た状態となるが、図面では、説明の便宜上および理解の
ため、導電性繊維24bの端部24cの上部にメッキ層
36があるように記載した(以下においても同様であ
る。) この場合、導電性金属としては、特に限定されるもので
はないが、金、パラジウム、ロジウムなどの金属が使用
可能である。
【0043】そして、この状態で、図3(F)に示した
ように、メッキ36が形成されていない弾性有機材料層
32の部分32bを、苛性ソーダなどを用いて除去し
て、この部分32bに、導電性繊維24bの端部24d
が露出した状態とする。次に、図3(G)に示したよう
に、部分32bの導電性繊維24bの端部24dが露出
した部分を、エッチング処理することによって、端部2
4dを除去し、メッキ36が施された突設電極部26が
形成された異方導電性シート24が得られる。
【0044】この場合、エッチング液としては、弾性有
機材料によって異なるが、例えばニッケル繊維の場合は
希硝酸、希硫酸などの酸が使用可能である。図4は、本
発明の異方導電性シートの製造方法の第2の実施例を説
明する概略工程図である。先ず、上記第1の実施例の製
造方法と同様にして、図4(A)に示したように、一対
の磁極板30、30の表面に、ドライフィルムレジスト
からなる弾性有機材料32を配置するとともに、これら
の弾性有機材料32の間に、導電性繊維24bを含有し
たペースト状の導電性シート材料24aを塗設すること
によって配置する。
【0045】この状態で、磁極板に磁場を印加しながら
加熱しつつ、導電性繊維24bを配向させ、両磁極板3
0の間の距離を徐々に減少するように制御して、弾性有
機材料層32内に導電性繊維24bを突設するように形
成して、弾性有機材料層32をプリベークする。そし
て、プリベーク完了後、図4(B)に示したように、磁
極板30を取り外す。
【0046】次に、図4(C)に示したように、この異
方導電性シート24の弾性有機材料層32に、所定のパ
ターンのマスク34をして、マスク34がされていない
部分の弾性有機材料層32の部分32cを、露光、苛性
ソーダなどを用いて現像処理することによって選択的に
除去する。この状態では、図4(D)に示したように、
弾性有機材料層32が除去された部分32cには、配向
した導電性繊維24bの端部24eが、表面に露出した
状態となっている。
【0047】次に、図4(E)に示したように、部分3
2cの導電性繊維24bの端部24eが露出した部分
を、エッチング処理することによって、除去する。そし
て、この状態で、図4(F)に示したように、弾性有機
材料層32の残りの部分32dを、苛性ソーダなどを用
いて除去することによって、この部分32dに、導電性
繊維24bの端部24fが露出した状態となった突設電
極部26が形成された異方導電性シート24が得られ
る。
【0048】図5は、本発明の異方導電性シートの製造
方法の第3の実施例を説明する概略工程図である。この
実施例の製造方法では、上記の第2の実施例の図4
(F)の状態(図5(A)参照)から、さらに、図5
(B)に示したように、導電性繊維24bの端部24f
が露出した部分32d以外の部分32eに、薄い弾性有
機材料層31を形成する。なお、この弾性有機材料31
としては、ポジ型液状レジスト及びネガ型液状レジスト
などが使用可能であり、その厚さとしては、導電性繊維
の端部24fの突出量を考慮すれば10〜200μm以
下、好ましくは20〜50μm以下とするのが望まし
い。
【0049】次に、図5(C)に示したように、導電性
繊維24bの端部24fが露出した部分32dに、導電
性金属からなる金属メッキ処理を施すことによって、配
向した導電性繊維24bの端部24fが、表面に露出し
た部分32dが、メッキ38される。なお、実際は、露
出した部分32dの突出した導電性繊維24bの端部2
4f全体が、メッキによって被覆された状態となるが、
図面では、説明の便宜上および理解のため、導電性繊維
24bの端部24fの上部にメッキ層38があるように
記載した。
【0050】そして、この状態で、図5(D)に示した
ように、メッキ38が形成されていない弾性有機材料層
31の部分を、苛性ソーダなどを用いて除去することに
よって、メッキ38が施された突設電極部26が形成さ
れた異方導電性シート24が得られる。このような異方
導電性シートの製造方法によって得られた異方導電性シ
ート24によれば、導電性繊維24bを突設形成した突
設電極部26が形成されているので、異方導電性シート
24の圧縮量が、異方導電性シート本体内に配向した導
電性繊維24bの弾性限界内にあるように設定すること
ができる。従って、電気回路部品18を検査用回路基板
14に対して圧接(加圧)した際に、導電性繊維24b
が圧縮されても座屈変形することがなく、電気回路部品
18の被検査電極20と検査用回路基板14の接続用電
極22との間の電気的接触が確実に確保され、接触安定
性および接触信頼性に優れており、繰り返し使用が可能
である。
【0051】また、加圧量が大きくなっても、突設電極
部26が圧縮されて、圧縮力が吸収されるので、異方導
電性シート24内に配向した導電性繊維24bが座屈変
形することがなく、しかも、異方導電性シート24が、
電気回路部品18の被検査電極以外の表面に当接した場
合にも、異方導電性シート24内に配向した導電性繊維
24bによって傷がつくことがない。
【0052】さらに、図3および図5に示した製造方法
で製造した異方導電性シート24では、異方導電性シー
ト24の上下面に存在する突設電極部26が、金属でメ
ッキ36、38されているので、導電性繊維24bの繊
維の長さが均一ではない場合であっても、導電性繊維2
4bの突設端部24d、24fの位置の不均一を、この
金属メッキ層36、38によって吸収することができ、
その電極表面が平坦となるので、接触安定性も良好で、
電気的接触が確実に確保され、接触信頼性に優れる。
【0053】また、異方導電性シート24の上下面に存
在する突設電極部26が、金属でメッキされているの
で、導電性繊維24bの突設端部24d、24fが、こ
の金属メッキ層によって固定されていることになるの
で、電気回路部品18を検査用回路基板14に対して圧
接(加圧)した際に、導電性繊維24bが圧縮されても
座屈変形することがなく、電気回路部品18の被検査電
極20と検査用回路基板14の接続用電極22との間の
電気的接触が確実に確保され、接触安定性および接触信
頼性に優れており、繰り返し使用が可能である。
【0054】図6は、本発明の電気回路部品の検査治具
の第2の実施例の概略を示す部分拡大断面図である。こ
の実施例の検査治具10では、電気回路部品18を、B
GAの代わりに、アルミパッドタイプ(AL−Pad)
の半導体などの電気回路部品18を用いており、Al電
極からなる被検査電極40があり、その周囲がポリイミ
ドなどの樹脂からなる保護膜(passivation film)42
で被覆されている。
【0055】そして、この保護膜42の間の開口部44
に、異方導電性シート24の突設電極部26が嵌入して
いる。なお、その他の点では、上記の第1の実施例と同
様であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付し
てその詳細な説明を省略する。このように構成すること
によって、電気回路部品18を検査用回路基板14に対
して圧接した際に、異方導電性シート24に突設した突
設電極部26が、検査すべき電気回路部品18の保護膜
42の間の開口部44に嵌入して、被検査電極40に当
接する。これによって、電気回路部品18の被検査電極
40と検査用回路基板14の接続用電極22との間が電
気的に接続されるように構成されている。
【0056】従って、異方導電性シート24に、導電性
繊維24bを突設形成した突設電極部26が形成されて
いるので、この突設電極部26を介して、電気回路部品
18の被検査電極40と接触することになるので、低荷
重で安定的に接触することができる。しかも、保護膜4
2の厚さに関わらず保護膜42に傷をつけることなく接
触できるとともに、電気回路部品18の被検査電極40
以外の表面が、異方導電性シート内に配向した導電性繊
維24bによって傷がつくことがなく、電気回路部品1
8の特性に影響を与えるおそれもない。
【0057】なお、このことは、図示しないが、被検査
電極の突設高さの低いLGA(LandGrid Array)の場合
であっても同様である。このような電気回路部品の被検
査電極が平面または窪んだ状態の電極である場合として
は、アルミパッドタイプ(AL−Pad)などの電極形
成後に電極の周囲に保護膜が形成されているタイプの電
気回路部品やWLCSP(Wefar LevelChip Size Packa
ge)のようなハンダボールを形成する前の電気回路部品
などがある。
【0058】以上、本発明の好ましい実施の態様を説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記
実施例では、電気回路部品の検査治具について説明した
が、本発明は、図示しないが、上記したいずれかの電気
回路部品の検査治具を備え、電気回路部品を前記スペー
サ部材上に着脱自在に装着できるように構成すれば検査
用ソケットにも適用でき、また、上記したいずれかの電
気回路部品の検査治具を備え、検査用回路基板の接続用
電極から、異方導電性シート、電気回路部品の被検査電
極を介して、電気回路部品に電源や信号を供給するとと
もに、電気回路部品からの信号を取り出して、電気回路
部品の電気的検査を行うように構成した電気回路部品の
検査装置にも適用出来るなど本発明の目的を逸脱しない
範囲で種々の変更が可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、導電性繊維を突設形成
した突設電極部が形成されているので、異方導電性シー
トの圧縮量が、異方導電性シート本体内に配向した導電
性繊維の弾性限界内にあるように設定することができ
る。従って、電気回路部品を検査用回路基板に対して圧
接(加圧)した際に、導電性繊維が圧縮されても座屈変
形することがなく、電気回路部品の被検査電極と検査用
回路基板の接続用電極との間の電気的接触が確実に確保
され、接触安定性および接触信頼性に優れており、繰り
返し使用が可能である。
【0060】また、加圧量が大きくなっても、突設電極
部が圧縮されて、圧縮力が吸収されるので、異方導電性
シート内に配向した導電性繊維が座屈変形することがな
く、しかも、異方導電性シートが、電気回路部品の被検
査電極以外の表面に当接した場合にも、異方導電性シー
ト内に配向した導電性繊維によって傷がつくことがな
い。
【0061】さらに、被検査対象物である電気回路部品
が、アルミパッドタイプ(AL−Pad)や被検査電極
の突設高さの低いLGA(Land Grid Array)の場合で
あっても、導電性繊維を突設形成した突設電極部が形成
されているので、この突設電極部を介して、電気回路部
品の被検査電極と接触することになるので、低荷重で安
定的に接触することができる。しかも、保護膜の厚さに
関わらず保護膜に傷をつけることなく接触できるととも
に、電気回路部品の被検査電極以外の表面が、異方導電
性シート内に配向した導電性繊維によって傷がつくこと
がなく、電気回路部品の特性に影響を与えるおそれもな
い。
【0062】さらに、異方導電性シートの上下面に存在
する突設電極部が、金属でメッキされているので、導電
性繊維の繊維の長さが均一ではない場合であっても、導
電性繊維の突設端部の位置の不均一を、この金属メッキ
層によって吸収することができ、その電極表面が平坦と
なるので、接触安定性も良好で、電気的接触が確実に確
保され、接触信頼性に優れる。
【0063】また、異方導電性シートの上下面に存在す
る突設電極部が、金属でメッキされているので、導電性
繊維の突設端部が、この金属メッキ層によって固定され
ていることになるので、電気回路部品を検査用回路基板
に対して圧接(加圧)した際に、導電性繊維が圧縮され
ても座屈変形することがなく、電気回路部品の被検査電
極と検査用回路基板の接続用電極との間の電気的接触が
確実に確保され、接触安定性および接触信頼性に優れて
おり、繰り返し使用が可能であるなどの幾多の作用効果
を奏する極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電気回路部品の検査治具の第
1の実施例の概略を示す断面図である。
【図2】図2は、その使用状態を説明する部分拡大断面
図である。
【図3】図3は、本発明の異方導電性シートの製造方法
の第1の実施例を示す工程概略図である。
【図4】図4は、本発明の異方導電性シートの製造方法
の第2の実施例を示す工程概略図である。
【図5】図5は、本発明の異方導電性シートの製造方法
の第2の実施例を示す工程概略図である。
【図6】図6は、本発明の電気回路部品の検査治具の第
2の実施例の概略を示す断面図である。
【図7】図7は、従来の電気回路部品の検査治具を用い
て電気検査を実施する状態を説明する部分拡大断面図で
ある。
【図8】図8は、従来の電気回路部品の検査治具を用い
て電気検査を実施する状態を説明する部分拡大断面図で
ある。
【図9】図9は、従来のAL−Padタイプの電気回路
部品の検査治具を用いて電気検査を実施する状態を説明
する部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 検査治具 12 補強板 14 検査用回路基板 16 ガイドピン 18 電気回路部品 20 被検査電極 22 接続用電極 24 異方導電性シート 24a 絶縁部 24b 導電性繊維 26 突設電極部 40 被検査電極 42 保護膜 44 開口部
フロントページの続き (72)発明者 原 武夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 5E051 CA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ方向に配向した導電性繊維を有し、
    所定の部位に突設電極部を備えた繊維配向型異方導電性
    シートであって、 一対の磁極板の間に、導電性繊維を含有した導電性シー
    ト材料と、導電性シート材料と前記磁極板の間に、弾性
    有機材料を配置して、 前記磁極板に磁場を印加しながら加熱しつつ、導電性繊
    維を配向硬化させ、前記両磁極板の間の距離を制御し
    て、前記弾性有機材料層内に導電性繊維を突設形成し、 前記弾性有機材料層を選択的に除去することにより、残
    余の部分を突設電極部としたことを特徴とする繊維配向
    型異方導電性シート。
  2. 【請求項2】 前記突設電極部には、メッキが施してあ
    ることを特徴とする請求項1に記載の繊維配向型異方導
    電性シート。
  3. 【請求項3】 厚さ方向に配向した導電性繊維を有し、
    所定の部位に突設電極部を備えた繊維配向型異方導電性
    シートを製造する方法であって、 一対の磁極板の間に、導電性繊維を含有した導電性シー
    ト材材料と、導電性シート材料と前記磁極板の間に、弾
    性有機材料を配置して、 前記磁極板に磁場を印加しながら加熱しつつ、導電性繊
    維を配向硬化させ、前記両磁極板の間の距離を制御し
    て、前記弾性有機材料層内に導電性繊維を突設形成し、 前記弾性有機材料層を選択的に除去して、前記弾性有機
    材料層内に突出形成した導電繊維を露出させ、 前記導電性繊維露出部分にメッキを施し、 前記導電繊維が露出した部分を除いた、前記弾性有機材
    料層の弾性有機材料と突出導電繊維を除去することによ
    り、 前記メッキを施した部分を突設電極部となるようにする
    ことを特徴とする導電シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 厚さ方向に配向した導電性繊維を有し、
    所定の部位に突設電極部を備えた繊維配向型異方導電性
    シートを製造する方法であって、 一対の磁極板の間に、導電性繊維を含有した導電性シー
    ト材材料と、導電性シート材料と前記磁極板の間に、弾
    性有機材料を配置して、 前記磁極板に磁場を印加しながら加熱しつつ、導電性繊
    維を配向硬化させ、前記両磁極板の間の距離を制御し
    て、前記弾性有機材料層内に導電性繊維を突設形成し、 前記弾性有機材料層を選択的に除去して、前記弾性有機
    材料層内に突出形成した導電繊維を露出させ、 前記導電繊維が露出した部分を除去し、 前記導電繊維が露出した部分を除去した残りの弾性有機
    材料層の弾性有機材料を除去して、導電性繊維を露出さ
    せることにより、 前記導電性繊維露出部分を突設電極部となるようにする
    ことを特徴とする導電シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記導電性繊維露出部分にメッキを施し
    て、メッキを施した部分を突設電極部となるようにする
    ことを特徴とする請求項4に記載の導電シートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 検査すべき電気回路部品の被検査電極の
    位置に対応するように、接続用電極がその上面に配設さ
    れた検査用回路基板と、 前記検査用回路基板の上面に配置された請求項1から2
    のいずれか記載の異方導電性シートとを備え、 前記電気回路部品を検査用回路基板に対して圧接した際
    に、前記電気回路部品の被検査電極と検査用回路基板の
    接続用電極が、前記異方導電性シートの突設電極部に当
    接することによって、前記電気回路部品の被検査電極と
    検査用回路基板の接続用電極との間が電気的に接続され
    るように構成されていることを特徴とする電気回路部品
    の検査治具。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電気回路部品の検査治
    具を備え、電気回路部品を前記スペーサ部材上に着脱自
    在に装着できるように構成したことを特徴とする電気回
    路部品の検査用ソケット。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の電気回路部品の検査治
    具を備え、検査用回路基板の接続用電極から、突設電極
    部、異方導電性シート、突設電極部、および電気回路部
    品の被検査電極を介して、電気回路部品に電源や信号を
    供給するとともに、電気回路部品からの信号を取り出し
    て、電気回路部品の電気的検査を行うように構成したこ
    とを特徴とする電気回路部品の検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の電気回路部品の検査治
    具を用いて、電気回路部品の電気的検査を行う電気回路
    部品の検査方法であって、 検査すべき電気回路部品の被検査電極を、導電性シート
    の突設電極部に合わせて配置するとともに、 前記検査用回路基板の接続用電極を、導電性シートの突
    設電極部に合わせて配置して、 前記電気回路部品を検査用回路基板に対して圧接するこ
    とにより、前記電気回路部品の被検査電極と検査用回路
    基板の接続用電極が、前記異方導電性シートの突設電極
    部に当接させて、前記電気回路部品の被検査電極と検査
    用回路基板の接続用電極との間を電気的に接続しつつ、 電気回路部品の電気的検査を行うことを特徴とする電気
    回路部品の検査方法。
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