JP2003066208A - 離散パターン、該離散パターンを用いた光学部材、導光板、サイドライト装置、透過型液晶表示装置、該離散パターンの生成方法および該離散パターンを生成するためのプログラム、該離散パターンを生成するためのコンピュータ可読なプログラムが記録されたコンピュータ可読な記録媒体並びに離散パターン生成システム - Google Patents

離散パターン、該離散パターンを用いた光学部材、導光板、サイドライト装置、透過型液晶表示装置、該離散パターンの生成方法および該離散パターンを生成するためのプログラム、該離散パターンを生成するためのコンピュータ可読なプログラムが記録されたコンピュータ可読な記録媒体並びに離散パターン生成システム

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JP2003066208A JP2002114722A JP2002114722A JP2003066208A JP 2003066208 A JP2003066208 A JP 2003066208A JP 2002114722 A JP2002114722 A JP 2002114722A JP 2002114722 A JP2002114722 A JP 2002114722A JP 2003066208 A JP2003066208 A JP 2003066208A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 充分に一様で、かつランダムな離散パターン
を提供する。 【解決手段】 2次元的に配置される離散したドットか
ら形成され、前記ドットが、ロー・ディスクレパンシイ
・シーケンスを使用して生成されている。本発明におい
ては、ディスクレパンシイの2乗であるDが、その区画
に含まれるドット数Nに対して一定の関係を満たす場合
に、好ましい一様な離散パターンを提供することができ
ることが見出された。また、本発明は、充填率に関連し
てドットを自動的に生成または削除することにより、充
填率が急激に変化する場合においても良好な離散パター
ンを提供することを可能とする。また、本発明の離散パ
ターンには、良好な青色ノイズ特性を与えることがで
き、濃淡画像の良好なディザリング・パターンを与える
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離散パターンに関
し、より詳細には、低いディスクレパンシイを有し、か
つ互いに重なり合わないように配置されたドットのパタ
ーンを含む、離散パターン、該離散パターンを用いた光
学部材、導光板、サイドライト装置、透過型液晶表示装
置、該離散パターンの生成方法および該離散パターンを
生成するためのプログラム、該離散パターンを生成する
ためのコンピュータ可読なプログラムが記録されたコン
ピュータ可読な記録媒体並びに離散パターン生成システ
ムに関する。
【0002】また、本発明は、ドットの充填率が急激に
変化する部分を含む離散パターンに対しても良好な特性
を与えることができるように、ドットの自動生成および
削除を可能とする離散パターンの生成方法および該離散
パターンを生成するためのプログラム、該離散パターン
を生成するためのコンピュータ可読なプログラムが記録
されたコンピュータ可読な記録媒体並びに離散パターン
生成システムに関する。
【0003】さらに、本発明は、濃淡画像の2値化のた
めのディザリング・パターンを与えることが可能な離散
パターンの生成方法および該離散パターンを生成するた
めのプログラム、該離散パターンを生成するためのコン
ピュータ可読なプログラムが記録されたコンピュータ可
読な記録媒体並びに離散パターン生成システムに関す
る。
【0004】
【従来の技術】これまで離散パターンを使用する種々の
技術が知られている。離散パターンを使用する技術とし
ては、例えば、透過型液晶表示装置の導光板や、散乱
板、ディザリング・パターン、リソグラフィー用フォト
マスク・パターン、滑り止め用のパターンなどを挙げる
ことができ、近年では、DNAチップにおけるDNAの
配置などに対する離散パターンの適用も検討されてい
る。
【0005】上述した離散パターンは、従来では、いわ
ゆる乱数発生器などを用いてランダムにドットを配置す
る、あるいは、方眼紙のような規則的な直交格子上にド
ットを配置することにより形成されている。しかしなが
ら、従来の手法にしたがい、通常の乱数発生器を単に用
いただけで生成されたランダムなパターンには、以下の
ような不都合がある。すなわち、ランダムにドットを配
置したとしても、ドットは有限の大きさを有しているた
めドット間における重なりやドット密度にムラが生じて
しまい、これがドット・パターンの概観を損ね、輝度ム
ラ、濃度ムラといった光学的な不都合を発生させてしま
うことになるというものである。また、規則的に配置し
た場合には、ドット間あるいは外部の規則パターンとの
干渉によって、モアレ等の光学的な不都合を発生させて
しまう。
【0006】そこで、ドット間の重なり、またはドット
間に過度の接近なく不規則パターンを生成する方法が特
開平10−153779号公報において提案されてい
る。そこではまず「絶対乱数配置法」として、(1)乱
数発生器により初期位置(x、y)をすべてのドットに
対し与え、(2)重なっているドットに関しては再び乱
数を発生させ位置を修正するという手順が提案されてい
る。しかしながら、特開平10−153779号公報に
おいて開示されている計算方法では、50%を越える高
い充填率の領域においてドット間の重なりを排除する計
算が収束しないという不都合があることが知られてい
る。すなわち特開平10−153779号公報に記載の
手法では、ランダム性を保持したまま、ドット間の異常
接近のない不規則パターンを生成することが実質的に困
難であるという不都合がある。また、擬似乱数の多重発
生に基づくこのような手法では、低充填率領域で仮にド
ット間の重なりが除去できても、ドット・パターン自体
のムラを取り除くことが困難であるという不都合もあ
る。
【0007】図1には、特開平10−153779号公
報に記載の手法により形成されるドット・パターンの例
を示す。図1に示したドット・パターンは、(1)直線
または曲線から形成される2次元規則格子点上にドット
を配置し、それを初期位置とし、(2)乱数発生器によ
り初期位置からの変位を与え、(3)重なっているドッ
トに関しては再び乱数を発生させ位置を修正するという
プロセスにより生成されたものである。図1に示される
ように、この方法によれば、格子点からの変位を小さく
保つ限りにおいてはドット間の重なりなくドットを配置
することが可能である。しかしながら格子点からの摂動
としてランダム位置を生成する方法では、充填率が比較
的高い、例えば50%を越えるような領域において、モ
アレ模様の発生を避けつつ充分な不規則性を有するパタ
ーンを生成することが困難である。また、擬似乱数の多
重発生に基づくこのような手法では、仮にドット間の重
なりが除去できても、ドット同士に凝集がしばしば見ら
れ、一様性の高いランダムパターンを生成するのが困難
である。
【0008】この理由について、以下に考察する。上述
したランダム・ドットを利用する公知例において、ドッ
トの寸法を100μm程度とし、充填率を70%として
配置する場合について考察する。ここで、図1に示すよ
うにドットの形状を完全な正方形と仮定する。上述した
ドットの寸法の場合には、上述の充填率では、ドットの
間にはわずか20μmの間隔が生成されるにすぎない。
図1には、正確な縮尺率で、ドット100およびドット
間の間隔102を示す。この規則的な格子から出発し
て、ランダムに摂動を与えた場合には、図1の破線で示
すドット104が得られる。これらのドット104は、
図1にも示されるように極めて制限された不規則性(以
下、本発明においてはランダム性という。)を有するパ
ターンしか生成し得ないことがわかる。この理由は、互
いに隣り合ったドット同士は、互いに飛び越さず、ま
た、位置の修正についても充填率が高いため、制限され
た範囲でしか行うことができないためである。
【0009】図1に示した従来例では、正方格子を用い
て説明しているが、ドット同士が接近しすぎないという
条件の下では、他の種類の規則格子であっても多かれ少
なかれ、ドット・パターンのランダム性が制限されてし
まうことになる。すなわち、所定のドットを初期位置と
して与え、これに対して摂動としてランダムな配置を生
成する方法は、充填率が高くなると原理的に真にランダ
ムに近いドット・パターンを与えることができないとい
う不都合を生じさせ、ランダムなパターンを充填率にか
かわらずに生成する点からは、充分なものとはいえな
い。
【0010】さらに、上述した方法により生成されたド
ット・パターンの光学的特性について考察すると、ドッ
ト・パターンを光線が透過または反射する際のモアレ模
様の発生という問題も生じる。従来、印刷技術の分野で
は、モアレ模様の排除の方法につき多くの研究・提案が
なされている。例えば特開2000−94756号公報
においては、プリンタのハーフトーン処理において、紙
送りのドラム回転による規則的な印刷の揺らぎと、印刷
網点パターンとにより生成されるモアレ(いわゆる送り
ムラ・すじムラ)を回避する技術が提案されている。
【0011】このため、特開2000−94756号公
報においては網点配置にランダム性が導入されている。
すなわち、規則格子上に配列する印刷網点に対してラン
ダムに摂動を与えることにより、モアレなどにより生成
される上述したムラが良好に改善されている。しかしな
がら、先に述べた理由により、上述した方法をそのまま
ランダム性を有し、かつ一様な離散パターンに直接適用
することは困難である。
【0012】プリンタといった印刷技術の他にも、上述
したランダムなドット・パターンの生成およびモアレ模
様の低減といった問題は、種々の分野、例えば、背面照
明装置(以下、本発明においてはバック・ライトとい
う。)を含んだ表示装置においても発生する。
【0013】例えば代表的な例として、透過型液晶表示
装置は小型・軽量に制作できること、消費電力が低いこ
となどから、いわゆるIT革命のハード面での核となる
技術として近年ますますその重要度を増している。しか
し従来型のディスプレイ、すなわちCRTとは異なり、
液晶それ自体は発光しないため、バックライト・ユニッ
トを用いて液晶セル全体を照明する必要がある。とりわ
け最近は液晶表示装置にカラー化・高精細化の要求が強
まっており、それに応じてバックライト・ユニットにも
広い面積を一様に明るく照明できる特性が強く求められ
ている。
【0014】図2は、バックライト・ユニットを含む典
型的な表示装置として、透過型液晶ディスプレイを示
す。図2に示した透過型液晶表示装置を例に取り、上述
したランダムなドット・パターンおよびモアレに対する
対応策について以下に説明する。図2に示すように、従
来の透過型液晶表示装置は、バックライト・ユニットを
含んで構成されており、このバックライト・ユニット
は、ランダムにドット・パターン106が形成された導
光板108と、導光板108に隣接して配置される蛍光
管CFLと、この蛍光管CFLを覆って、蛍光管CFL
から放出される光線を効率的に導光板108へと入射さ
せるためのリフレクタ112と、導光板108により散
乱された光線を効率的に例えば図示しない液晶パネルへ
と反射させるための反射シート114とを含んで構成さ
れている。
【0015】導光板108に形成されたドット・パター
ン106は、可能な限りランダムとなるように形成され
ていて、モアレ模様といった問題が改善されている。図
2に示すように、バックライト・ユニットには、拡散シ
ート116と、プリズム・シート118aと、118b
とが配置されていて、液晶パネルへと照射される光線を
規制している。
【0016】上述したバックライト・ユニットは、ノー
トパソコンといった小型が要求される装置においては、
図2に示したように側面照明方式(サイドライト方式)
が広く採用されている。図2に示したバックライト・ユ
ニットにおいては、蛍光管といった冷陰極線管(CF
L)から出た光線は、アクリル樹脂などから形成される
導光板108の底面に形成されたドット・パターン、ま
たは導光板108の下側に配置された反射シート114
で散乱され、導光板上面に配された拡散シート116、
さらにプリズム・シート118a、118bを通過して
図示しない液晶パネルへと照射され、ユーザにより観測
されることになる。すなわち図2に示したバックライト
・ユニットは、線状光源を面状光源に変換するためのデ
バイスということができる。
【0017】図2に示されるようにいわゆるサイドライ
ト方式を採用する限りにおいては、光源の光を散乱して
液晶パネルへと反射させるための機構が不可欠であり、
この機構は、バックライト・ユニットの輝度向上を達成
するための重要な要素技術となる。このため従来から導
光板108の底面、または反射シート114に対して製
法上の様々な検討がなされている。例えば、特開平8−
085001号公報では、負のスクイ角を持つ切削工具
を使って導光板底面に機械加工を施し、故意に散乱面を
形成して散乱効果を得る検討が行われている。しかしな
がら上述した方法では、バックライト・ユニットの輝度
の一様性を定量的に制御するのが困難であること、また
光の散乱方向に偏りが生じて散乱光線が無駄となるた
め、高い輝度の質の良いバックライト・ユニットを得る
には不向きであること、といった不都合がある。
【0018】さらに、これまで特開平7−294745
号公報で、導光板底面に凹面型の断面形状を持つ溝を施
して、光線を導光板上面に散乱させる方法、特開平6−
242320号公報で、二酸化チタン等の粒子状顔料を
塗布したパターンを導光板底面に形成する方法などが提
案されている。上述した従来の方法は、ある種の幾何学
的周期性を持った散乱体、すなわちドット・パターンを
導光板に形成するという点において共通の特徴を有して
いる。しかしながら、液晶表示装置には、通常カラーフ
ィルタやプリズム・シートといった微細な周期パターン
を含む要素が必然的に含まれるので、ドット構造の配列
に周期性がある場合には、ドット構造と光線が光学的に
干渉してモアレ模様を生じることになる。このようなモ
アレ模様は、光源としての価値を著しく低下させること
になるため、可能な限り、または完全に発生しないよう
にすることが望ましい。
【0019】上述したように、バックライト・ユニット
を使用する透過型液晶表示装置といった表示装置におい
て導光板108に形成されたドット・パターンにより生
成されるモアレ模様についても、これまで上述したよう
な種々の要素技術を使用してその低減が検討されてい
る。
【0020】例えば特開平9−269489号公報で
は、マイクロドットと称する微小な散乱体を導光板底面
にランダムに多数配置して光散乱を生じさせる方法が開
示されており、さらには、特開2000−171797
号公報でその改善について検討されている。また、特開
平11−250713号公報では、反射型の液晶表示装
置への応用を企図して導光板上面にランダムにドットを
配置する試みもなされている。図3には、反射型液晶表
示装置に対してランダムに生成されたドット・パターン
を適用する従来例を示す。
【0021】図3に示されるように従来では、従来の方
法により擬似乱数を用いてランダムに形成されたドット
・パターンを含む導光板がバックライト・ユニットを構
成するために使用されている。図3に示すバックライト
・ユニットでは、擬似的にランダムに形成された複数の
ドット120が形成された導光板122に対して、蛍光
管CFLと、リフレクタ124とが隣接して配置されて
いる。図4に示した導光板120と、蛍光管CFLと、
リフレクタ124とは、フレーム126により保持され
ていて、矢線Aの方向へと光線を反射させるバックライ
ト・ユニットを構成している。図3に示したバックライ
ト・ユニットには、図2において説明したように、反射
シートと、拡散シートと、プリズム・シートとが配置さ
れているが、図3においては省略して示している。
【0022】図3に示した従来のバックライト・ユニッ
トに使用される導光板122には、導光板122の散乱
強度をできるだけ導光板122の全体にわたり均一とす
るといった光学的な要求から、例えば導光板122の中
心領域と、導光板122の四隅の領域とにおいて、ドッ
トの充填率分布を連続的に変化させることが要求される
場合がある。このため、与えられた連続的な充填率分布
を満足するように初期位置を生成する簡便な手法の確立
についても検討が行われている。例えば格子間隔が異な
る領域を連結させて充填率を連続的に変化させたパター
ンの形成が従来試みられている。しかしながらこの方法
では、充填率の変化する境界部において、多くの場合に
つなぎ目が目視されてしまうといった欠陥が発生する。
【0023】このようなつなぎ目は、与えられた充填率
分布に見合うように連続的に形状の変化する2次元格子
を、ドットを形成する面全体にわたり生成することによ
り低減することができるとも考えられる。しかしなが
ら、分布が単純で、簡単な解析関数で与えられる場合を
除けば、上述した格子生成自体が高度、かつ大規模な計
算を必要とするものである。すなわち格子点からの摂動
を考える従来の方法は、不規則性において不充分である
ばかりではなく、充填率分布への対応という点で充分に
満足されるものではない。
【0024】さらに、上述したバックライト・ユニット
に対しては、輝度向上、または光線に対する角度依存性
を改善するべく、バックライト・ユニットの構造自体を
変更することも提案されている。例えば、沖庸次・勝間
田実、’99最新液晶プロセス技術、プレスジャーナ
ル、平成10年9月10日発行、第441頁では、導光
板上面にプリズムを直接形成したバックライト・ユニッ
トが提案されている。また、上述した以外にも、拡散シ
ート、プリズム・シートなどの光学的シートを省略する
ことも提案されている。
【0025】しかしながら、上述した検討は、いずれも
導光板の散乱機構を正確に制御することを必要とするた
め、モアレ模様や干渉縞の発生する可能性を高めてしま
うことになり、モアレ模様の低減に対しての対策をより
厳密に講じる必要を生じてしまう。さらには、上述した
従来の擬似的にランダムなドット・パターンは、上述し
た高充填率分布への対応という点では不充分であるこ
と、ドット・パターンの一様さ自体が不充分であるこ
と、またバックライト・ユニットの構造によっては、あ
る種の干渉縞が不可避であることなど、より高品質のド
ット・パターンを含む離散パターンを提供する必要があ
る。このためには、離散パターンのランダム性に加え
て、均一さに対する指標を新たに導入した上で、より厳
密な条件を満足したランダムな離散パターンの生成方法
を提供することが望まれていた。
【0026】一方で、近年では多次元空間中の所定のあ
る領域から不規則、かつ一様にサンプル点を抽出すると
いう問題に対して、LDS法を使用することが、特に数
値積分といった数学的な分野において検討されてきてい
る。例えば、二宮祥一らの情報処理、第39巻、794
頁、1998年においては、金融派生商品の価格計算を
モンテカルロ法と同様の多重数値積分の近似によって行
う場合には、擬似乱数のかわりにFAURE数列やSO
BOL数列などの決定的なLDSによって、多次元空間
において不規則かつ一様に分布したサンプルを利用する
ことによって精度の高い計算を非常に高速に行えること
が示唆されている。
【0027】また、米国特許第5、872、725号明
細書および特開平11−259452号公報において説
明されているように、これらは数学的に偏り、または非
一様性を意味するディスクレパンシイとして定義される
量の上限が定められている数列であって、モンテカルロ
法のような多重積分の計算の収束を劇的に速める数列で
あるが故に使用されている。また、レイ・トレーシング
法におけるレンダリング速度向上のためにも、上述した
LDS法を用いた数値積分が使用される場合も報告され
ている。
【0028】すなわち、上述したようにランダム性にの
み直接依拠したドット・パターンにより形成される擬似
ランダムなドット・パターンでは、上述した不都合を改
善しつつ、良好な導光板、該導光板を利用するバックラ
イト・ユニット、該バックライト・ユニットを含む透過
型液晶表示装置を提供するなどの光学部材には、不充分
であり、このため、ディスクレパンシイを制御して初期
分布を生成する新規な方法が必要とされていた。本発明
においては、用語“ディスクレパンシイ”とは、例えば
手塚、“点列のディスクレパンシイについて”、「離散
構造とアルゴリズムIV」、室田一雄編、近代科学社、第
3章に記載されるように、離散したドットの分布の一様
さの指標を意味する。
【0029】また、銀塩写真フィルムのように連続的な
階調を含む画像、すなわち連続階調画像を、印刷や複写
などで行われているように二値表現だけが可能な媒体で
表現する手法であるハーフトーニング(halftoning)に
おいても、離散的なドットパターンを取り扱う必要が生
じる。印刷、製版の分野ではハーフトーニングを網掛け
とも呼んでいる。上述した技術は、より一般的には、微
小ドットの密度で画像の濃淡を表現する二値化手法であ
るということができる。
【0030】近年では、デジタル信号処理技術、プリン
タおよびファクシミリ技術の進展により、このような二
値化手法に対する産業上の要求は大変大きく、様々な手
法が提案されてきている。文献により表現は異なるもの
の、以後、同じ大きさを持つ微小ドットの密度で濃淡を
表現する手法を、FM(frequency modulated)スクリ
ーン法と呼ぶ。このFMスクリーン法は、計算手法の観
点から大別すると、誤差拡散法と、マスク法に大別され
る。
【0031】誤差拡散法は、入力画像を一画素ごとに、
しきい値と比較することによって二値あるいは多値画像
に変換し、その際に出力値と入力値との間に生じた誤差
を所定の近傍の画素群に重みづけして拡散することによ
って、画像濃度を保存しようとするものである。この場
合、入力画像と出力画像の画素は、1対1に対応するこ
とになる。この方法による出力画像は比較的画質がよく
解像性もよいとされ、広く実用にされている。しかし、
単に所与のしきい値と比較して二値化を進めてゆくマス
ク法に比べ、1画素ごとにやや複雑な計算が必要とされ
る。また、入力画像によってドットを打つ位置が異なる
ため、混色の程度を予測するのがむずかしく、色の再現
性が悪いとされている。また、誤差拡散法を適用する境
界領域において過渡的な領域が出現すること、ワームや
serpentine rasterと呼ばれる虚像がしばしば観察され
ることなども、未解決な問題と考えられている(谷萩隆
嗣、マルチメディアとディジタル信号処理、コロナ社、
1997、295ページ)。加えて、電子的なハードウェアの
進歩は近年目覚しく、誤差拡散にともなう計算量は必ず
しも致命的な問題とはならないが、画質において問題が
存在することは、改善を要する問題であると認識されて
いる。
【0032】誤差拡散法の画質上の問題を軽減するため
に、周辺への誤差の割り当ての分布を変えたり(Floyd-
Steinberg法をはじめ様々な分布がある)、また、拡散
の走査方向を最適化する試みなどがさまざまなされてい
る(たとえばT.Asano、 “Digital halftoning algorit
hm based on random space-filling curve”、 Proc.In
ternational Conference on Image Processing、 199
6、 545、参照)。しかし、ひとつの画素の誤差を、周
囲の有限の領域に振り分けるという手法では、多かれ少
なかれ宿命的に画質上の問題が発生することはある程度
避けることができない。この理由は、誤差拡散法では、
走査方向によって、誤差を発生する側と、誤差を受け持
たされる側の区別が導入されることになる。そのような
区別は、二値化画像を構成するドットが平等であるべき
限りにおいては、人為的なものに過ぎないからである。
【0033】画像の二値化においても同じことが言え
る。本来、二値化画像は、全体として元の画像を正しく
再現するように決められるべきである。画素間に一方だ
けを考えた関係を導入する手法は、本質的に近似でしか
ありえない。上述したように、誤差拡散法の改良は長い
歴史を持っているが、いずれも、誤差拡散アルゴリズム
の存在を前提にした、対症療法的なものであった。最善
の二値化アルゴリズムは、おそらく全ドットの相互の関
係に基づくものであろうが、階調勾配の再現なども可能
な実用的なアルゴリズムは、今まで知られていなかっ
た。
【0034】以下さらに、二値化画像の画質に関するUl
ichneyの基準と、マスク法の従来技術についての説明を
行う。Ulichneyは視覚的に好ましいFMスクリーンパタ
ーンの条件として以下の二つの条件を挙げている(R.
A. Ulichney、 Proceedings of the IEEE、 76 (1988)
56.)。 1.ドットの分布についての動径フーリエ成分が、「青
色ノイズ」特性をもつこと、 2.ドットの分布が等方的であること、である。
【0035】これらの基準は、画質評価の標準的な指標
として現在広く受け入れられている。Ulichneyの発見は
誤差拡散アルゴリズムの改良という方向性に沿って提案
されてきたものであったが、その後、その知見をマスク
法に適用して、誤差拡散法の欠点の一部を補う二値化手
法を構成することが検討されている。すなわち、Ulichn
eyの示した上記の定量的基準を満たすように、二値化の
際のしきい値を与えるマスクを製作することが考えられ
た。それがしばしば「青色ノイズマスク法」と呼ばれて
いる手法である。その代表的な論文として、Mitsa-Park
er(T. Mitsa andK. J. Parker、 J. Opt. Soc. Am.
A、 9 (1992) 1920)を挙げることができる。同様に、
特許公報第2622429、米国特許第5、111、310号明細書を
従来法を総説するものとして挙げることができる。
【0036】図4には、マスク法(組織的ディザ法)の
処理の概念図を示す。図4(a)が読み取り画像、図4
(b)がディザマトリックス、図4(c)が表示画像を
示す。マスク法は一般に、読み取り画像に対して、所与
の行列のしきい値と比較して二値化を行う方法である。
図4に示したものは、そのうちでももっとも簡単な、原
画素と二値化画像の画素が1対1に対応したマスク法を示
す。そこでは、「ディザマトリクス」と呼ばれる数表に
示された値と、原画素の輝度値を比較して、その大小関
係によって、二値化画像の白黒を決定する方式が説明さ
れている。青色ノイズマスク法が目指すのは、結果とし
て得られた二値画像(図4(c)がそれにあたる)が、
等方的な青色ノイズ特性をもつことである。したがっ
て、連続階調画像の二値化問題は基本的に、ドットパタ
ーンの最適化問題と等価であると言える。青色ノイズ特
性とは、理想的には所定の階調レベルにおいてドット一
個あたりの面積と、充填率との比に関連する主波長を中
心としてドットが分布する離散パターンを意味する。
【0037】なおマスク法にはこの他にも、原画素ひと
つに、多数のドットを含むドットパターン(ディザリン
グビットマップと呼ばれる)を対応させる方法もある。
便宜上これを、1対多マスク法と呼び、図4において説
明した方法を1対1マスク法と呼ぶ。
【0038】上述したように、また特開2000−59
626号公報に詳述されているように、現在のほとんど
すべての二値化手法は、上述したUlichneyの基準を基に
設計されている。Ulichney自身が誤差拡散法に基づいて
提示したように、Ulichneyの基準を満たす二値化画像は
実際上、ざらつき感や幾何学模様のない滑らかな画像と
なることが知られている。しかしながら、Ulichneyの基
準はマクロ量についての制限となっており、それを実際
に製作する直接的な基準とはなっていない、という不都
合がある。さらに具体的に考えると、仮に望ましいパワ
ースペクトル(Wiener-Khinchinの定理によりドット位
置の分布についての自己相関関数のフーリエ変換と等し
い)についての条件を提示されたとしても、実際にドッ
トパターンないし、それをもとにしたしきい値マスクを
作ることは容易ではない。また、等方性についての制限
が与えられたとしても、それを実現する方法は自明では
ない。この不都合は、Ulichneyの基準を発展的に継承し
た、Lauらの「緑色ノイズマスク」法についての一連の
研究にも当てはまる(例えば、D. L. Lau、 G. R.Arc
e、 and N. C. Gallaghe、 Proc. IEEE、 86 (1998) 24
24 参照)。
【0039】さらに、Ulichneyの条件では、ドットパタ
ーンのムラを直接的に表す有効な指標が存在しないとい
う点で、不満足なものである。実際、Ulichney(R. A.
Ulichney、 Proceedings of the IEEE、 76 (1988) 5
6.))によれば、白色雑音によるドットパターン(すな
わち、各ドットの位置を擬似乱数で確率抽出したパター
ン)が与えられているが、Ulichneyのanisotropyなる量
では「完全に等方的(-10dB)」と判定されている。
【0040】さらに、1対多青色マスク法の現状につい
て説明を行うと、誤差拡散法の煩雑な計算処理を簡便に
するという目的で、青色ノイズ特性を持つドットパター
ンを異なる輝度ごとに用意し、原画素の輝度値にしたが
って、元画素をそのドットパターンで置き代えてゆく二
値化手法が、米国特許第4、920、501号明細書に開示さ
れている。まず1対多マスク法の概要について図に示
す。図5に示すように、原画像OPを小区画に分割する
(図5(a))。その代表輝度値(Jとした)に対応す
る散開型のドットパターンを選択する(図5(b)。そ
れがその小区画の二値化画像となる(図5(c))。図
5では階調を256階調とし、その256枚のドットパターン
をあらかじめメモリ上に格納していることを想定してい
る。表1には、米国特許第4,920,501号明細書に開示さ
れた手法をまとめる。
【0041】
【表1】
【0042】このドットパターン生成手法は、初期配置
を乱数で生成することと、それをシミュレーテド・アニ
ーリング法(西森英稔、スピングラス理論と情報統計力
学、岩波書店、1999、9.4節参照)で緩和させてゆくこ
とにある。この従来法は、白色雑音特性をもつ初期配置
に、最適化手法を用いることでその周波数特性を改善さ
せうるということを示した。さらに、このアルゴリズム
で、Ulichney条件をよく満たすような青色マスクが製作
できるとされている。しかし擬似乱数により生成された
初期配置は明らかにムラが大きく、そのままでは高品質
な二値化ができないという不都合があった。
【0043】特開平10−275228号公報において
は、上述した方法の改良が検討されている。特開平10
−275228号に開示された方法は、後述するMitsa-
Parker条件を満たすように、初期パターンとしての中間
階調パターンから、他のパターンを順次シミュレーテド
・アニーリング法を用いて決めるものである。その初期
パターンは、乱数により「ダーツ投げ」的に決めるので
はなく、従来技術を用いて最適なものを採用することを
指摘するにすぎない。いずれにしても、特開平10−2
75228号公報に開示の初期位置生成→最適化、とい
う手順でパターンを作る方法である。
【0044】しかしながら、特開平10−275228
号公報でも開示されているように、仮に中間階調のパタ
ーンを、Ulichney基準の意味で最適に選んだとしても、
それから生成される多階調のパターンは必ず幾分かは最
適でない。たとえば、中間階調において、ドットパター
ンを、最近接ドットの間隔がある値にほとんど集中する
ように最適化したものとする。そこにひとつドットを加
えると、そのドット近傍では、必ず最適でないドット間
隔を持った場が出現する。なぜなら、過去にすでに作っ
たドットは固定されているものと考えるからである。
【0045】すなわち、これらの手法は、ドットパター
ンの最適化という観点からは、原理的な不都合を生じ
る。また、特開平10−275228号公報において
は、出発パターンの最適化方法については、なんら具体
的に改良を検討しているわけではない。
【0046】さらに、1対1青色マスク法を用いて最適
な二値化を行うことについても未だ充分な訳ではなく、
種々の改良検討が行われている。MitsaとParkerは、1
対1青色マスクの製作においては、下記式の条件が満た
されるべきことを説明している(T.Mitsa and K.J.Park
er、 J. Opt. Soc. Am. A、 9 (1992) 1920.)。
【0047】
【数31】 上式中、p(i,j,g2)は、g2階調のマスクパターンにおけ
る(i,j)区画の出力値(0または1)を表す。この条
件は、「g1階調において(i,j)区画が黒ならば、それよ
り高いg2階調でもその区画は黒である」ということを述
べている。これを便宜上 Mitsa-Parker条件と呼ぶこと
にする。特開2000−59626号公報に詳述されて
いるように、これが満たされていれば、
【0048】
【数32】 という関係から、しきい値マスクを作ることができる
(256階調を仮定した)。すなわち、 Mitsa-Parker
条件の下では、1対多マスク法のためのしきい値マスク
を用いて、1対1マスク用のしきい値マスクを製作する
ことができるといえる。
【0049】これを前提に、特開2001−29861
7号公報においては、青色ノイズ特性をもつしきい値マ
スクの製作法が開示されている。そこでは、低階調のド
ットパターンから始めて(そこではベイヤー行列に基づ
く規則的ディザ法を使って点を打つ)、前段階の(より
低い)階調パターンにおけるドットに斥力ポテンシャル
を与え、ポテンシャルの最低の点に新たにドットを打つ
という手順で、順次高階調のパターンを製作する。そこ
では、この原理を用いて均質で青色ノイズ特性をもつド
ットパターンを製作できるとされている。なお、この公
知例は、W.Purgathofer、 R.F.Tobler、 and M.Grele
r、 Proceedings of the International Conference on
Image Processing、 1032 (1994) に述べられているも
のと実質的に同等である。彼らはまた、
【0050】
【数33】 のような斥力ポテンシャルを提案している。rがドット
からの距離である。この式は、距離がsという大きさを
越えると急速にポテンシャルが減少することを示す。こ
れは、Ulichney基準をミクロ的に言い換える試みと解釈
することができる。というのは、Ulichney自身、最近接
のドット間隔が「主波長」の周りに適度に集中していれ
ば、青色ノイズ特性をもつパターンが作成できることを
述べているからである。しかしながら、このような観点
からパターンの望ましいスペクトル特性を得ようとする
手法は今まで提案されていない。
【0051】彼らの方法、また、特開2001−298
617号公報で開示された方法は、力学的緩和過程とし
ては充分なものではない。上述したように、ある階調に
おいて、ドットパターンが、最近接ドットの間隔がsと
いう値にほとんど集中するように最適化されていたとす
る。そこにひとつドットを加えると、そのドット近傍で
は、必ず最適でないドット間隔を持った場が出現する。
なぜなら、過去にすでに作ったドットは固定されている
ものと考えるからである。
【0052】より最近、強力な緩和アルゴリズムがHill
erらによって提案された(S.Hiller、 O.Deussen、 and
A.Keller、 “Tiled Blue Noise Samples”、 Proceed
ingsof the 6th International Fall Workshop on Visi
on、 Modeling、 and Visualization 2001、 in pres
s)。彼らによる方法、擬似乱数でドットパターンを生
成した後、Lloyd法と呼ばれる緩和アルゴリズムを適用
し、高速に青色ノイズ特性を持つドットパターンを生成
したと報告している。Lloydの方法とは、いわゆるボロ
ノイ分割を元にして、各ボロノイ多角形の重心にドット
を移動させる操作を反復することによって、最近接ドッ
ト間隔を平準化する方法である。これを図6に示す。図
6(a)がランダムに生成された初期位置とそのボロノ
イ分割を示し、図6(b)がLloyd緩和していく様子を
示し、図6(c)が緩和後のドットパターンである。Hi
llerらはさらに、適切に境界にもボロノイ図形を生成す
ることで、区画の間の継ぎ目といった問題なく、一様な
二値化画像を生成できると主張している。
【0053】この手法では、今まで述べてきた緩和過程
に特有の問題点が改善されている。すなわち、ドットを
緩和されるものと、緩和させるものに分割することな
く、全体を緩和させることで、一様なパターンを生成し
ている。しかも緩和の原理は、ドット間の最近接間隔を
直接的に最適化する方法に基づくものである。
【0054】しかしながらHillerらの方法には2つの不
都合があることも判明している。第一に、ボロノイ分割
に基づいた彼らの方法では、階調を段階的に変化させた
ドットパターンを作るのが原理的に難しいことである。
第二に、初期位置生成に擬似乱数を用いているために、
緩和後のパターンにはムラが見られることにある。
【0055】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、50
%を越えるような高い充填率領域に至るまで連続的に充
填率分布を持たせ、かつ目視される光学的な不都合を生
じさせないパターンを生成することを可能とする方法
は、提案されていない。さらに、充填率に対して強い上
限が課されることは、光学的部材の輝度、透過率、反射
率を制御する上で大きな障害となるので、充填率の分布
が存在しても互いの充填率には制限されずに離散パター
ンを生成することで、より高い柔軟性を付与しつつ、か
つモアレ模様を発生させずに充填率分布を良好に付与す
ることができることが望まれていた。加えて、疑似乱数
生成法を用いるランダムなドット・パターンを生成方法
では、高い充填率には対応できないことに加え、ドット
の分布の偏りが大きく、その修正に手間と時間を要する
といった計算機資源上の不都合があった。
【0056】特に、低充填率から高充填率に至るまで任
意の充填率分布が与えられたとき、とりわけドット径あ
たりの充填率変化が1パーセントを越えるような急峻な
充填率勾配が存在する場合に好適な、ドットパターンの
生成手法を提示することが必要とされていた。またその
手法を用いて遮光フィルム,フォトマスク等にドットを
生成することにより,むらや色づき,モアレなどの障害
を引き起こさない光学部材を製造することが必要とされ
ていた。また特に充填率勾配が大きい場合にでもドット
の追加及び削除を適応的に行い充填率分布を適正に保つ
ようなドットパターン生成方法が必要とされていた。
【0057】また、これまでマクロな言葉で記述された
Ulichney基準と等価な内容を、ドット位置を定義するミ
クロ量だけを使って述べることができ、それを具体的に
実現するアルゴリズムが必要とされていた。また、Ulic
hney基準では十分に表現できないムラについての定量的
基準を提示した上で、それを具体的に満足するドットパ
ターン生成方法を提示できれば、実用上の利益はきわめ
て大きい。
【0058】また、従来、出力側の解像度と、階調表現
に必要なビット数により、タイル的分割のサイズはほぼ
決まり、それが、知覚しうるartifactsを除去する手法
に制限を与えていた。タイル内での階調勾配を許せばそ
の制約を取り外すことができるが、そのような二値化手
法が必要とされていた。
【0059】さらには、これまでUlichney基準を,ドッ
トの位置を定義するミクロ量と直結した形で表現するア
ルゴリズムを提案することが必要とされていた。
【0060】また、原画像のタイル的分割に伴う虚像や
画質劣化を起こさない高品質な二値化方法を、階調の連
続的な勾配を考慮することで実現することが必要とされ
ていた。
【0061】すなわち、これまで充分にランダムに配置
され、ディスクレパンシイが低く、互いに重なり合いの
ない離散パターンを生成するための方法が必要とされて
いた。
【0062】さらに、これまで上述したドット・パター
ンを充填率にかかわらず、充分にランダムに配置するこ
とが可能な、離散パターン生成方法が必要とされてい
た。
【0063】また、上述した離散パターンを生成するた
めのプログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体
が必要とされていた。
【0064】さらに、これまで上述した離散パターンを
含む光学部材が必要とされていた。
【0065】また、上述した離散パターンを含む導光
板、および該導光板を含むバックライト・ユニットが必
要とされていた。
【0066】さらには、上述した離散パターンを含むバ
ックライト・ユニットを含んで構成される透過型液晶表
示装置が必要とされていた。
【0067】さらには、上述した離散パターンを生成す
るための離散パターン生成システムが必要とされてい
た。
【0068】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑
みてなされたものであり、本発明の第1の構成では、ラ
ンダム性が改善された離散パターンを形成するために、
所定の区画においてディスクレパンシイを低減させた配
置を初期位置として採用する。このため、離散パターン
の一様なランダム性が確保されることになる。さらに、
本発明においては上述した低ディスクレパンシイのドッ
ト・パターンを初期位置として使用して、有限の大きさ
を持つドットの間に斥力が作用するものとして位置変位
させることで、ドット間の重なりを排除する。
【0069】本発明においては、ドット間に斥力が作用
すると仮定してドットの重なりを排除するプロセスを、
斥力緩和法と定義する。このため、充填率が高い場合で
あっても与えられた充填率においてディスクレパンシイ
の低い初期位置から、斥力緩和法によりドット間の重な
り合いを解消し、かつディスクレパンシイの低く保持さ
れた離散パターンを生成することが可能となる。加え
て、本発明は、所定の区画ごとに充填率およびディスク
レパンシイを低減することが可能となるので、充填率が
連続して変化する場合であっても、ドット・パターンの
ランダム性の一様さの変化による不都合、すなわち充填
率の変化する境界の生成といった不都合を生じることな
く、充分なランダム性を有し、かつ充填率が連続して変
化する離散パターンを提供することを可能とする。
【0070】本発明の第2の構成では、ドットを自動的
に生成および削除することにより、所定の充填率に基づ
き、良好な離散パターンを提供することが可能となる。
本発明の第2の構成では、初期ドットの生成からドット
の自動生成を行うこともできるし、初期ドットを上述し
たロー・ディスクレパンシイ・シーケンス法により生成
しておき、ドットの位置を緩和させた後に充填率に関連
してドットの自動生成・自動削除を行うこともできる。
【0071】本発明の第3の構成では、まずドットパタ
ーンの初期位置を生成し、それを緩和させて、二値化パ
ターンを得るという手順をとる。とりわけ、本発明の第
3の構成では、Ulichney基準のうち、等方性という性質
を考える。等方的という性質は、日常の言葉でいえば、
ひとつにはドットパターンにムラがないということであ
る。この目的のためには、上述したロー・ディスクレパ
ンシイ・シーケンス(LDS)を用いることができる。
これは、ムラの指標としてのディスクレパンシイに上限
が定められた数列であって、適当な数学的操作で不規則
性を導入することができる。新たにディスクレパンシイ
なる量を、定量化の手段として取り入れたことにより、
濃淡画像の2値化を効果的に行うことができる。
【0072】本発明により提供される上述した離散パタ
ーンを含む光学的部材は、モアレ模様といった不都合を
生じることなく、高い輝度を一様に与えることを可能と
する、光学的変調要素の提供を可能とする。
【0073】すなわち、本発明の上記課題は、本発明の
離散パターン、該離散パターンを用いた光学部材、導光
板、サイドライト装置、透過型液晶表示装置、該離散パ
ターンの生成方法および該離散パターンを生成するため
のプログラム、該離散パターンを生成するためのコンピ
ュータ可読なプログラムが記録されたコンピュータ可読
な記録媒体並びに離散パターン生成システムを提供する
ことにより解決される。
【0074】すなわち、本発明によれば、2次元的に配
置される離散したドットから形成される離散パターンで
あって、横Lx、縦Lyの矩形型の区画に含まれる前記
ドットが、下記式(1)
【0075】
【数34】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0076】
【数35】 かつ、下記式(3)
【0077】
【数36】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。)離散パターンが提供される。
【0078】本発明においては、前記所定の区画に含ま
れる所定のドットの数が4000以下である場合に、上
記式(1)を満たす。前記Dは、ディスクレパンシイの
2乗であり、前記所定の区画に含まれる前記ドットは、
所定の充填率においてNのベキ乗数が−1.15より小
さいことが好ましい。
【0079】前記Sは、0.4以下とすることが好ま
しい。前記離散パターンは、前記所定の区画内における
平均的動径分布関数が充分なだらかになるような配置と
されることが好ましい。
【0080】前記ドットは、多角形、円形、正方形、矩
形、長円形、円錐台、多角形台を含む群から選択される
少なくとも1つの2次元または3次元形状とすることが
できる。前記離散パターンは、互いに隣接するドットが
実質的に互いに重なり合わないように配置される。前記
離散パターンは、前記所定の区画の前記ドットの充填率
に依存せずに配置することができる。前記離散パターン
は、光線を受動的に制御することができる。前記光線の
制御は、光線の散乱、光線の透過、光線の吸収のいずれ
かにより行われ、導光板、散乱板、ディザリング・パタ
ーン、リソグラフィー用フォトマスク・パターンに使用
することができる。
【0081】また、本発明によれば、2次元的に配置さ
れる離散したドットから形成される離散パターンが形成
された光学部材であって、横Lx、縦Lyの矩形型の区
画に含まれる前記ドットが、下記式(1)
【0082】
【数37】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0083】
【数38】 かつ、下記式(3)
【0084】
【数39】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。) 光学部材が提供される。前記所定の区画に含まれる所定
のドットの数が4000以下である場合に、式(1)を
満たすことが好ましい。前記Dは、ディスクレパンシイ
の2乗であり、前記所定の区画に含まれる前記ドット
は、所定の充填率においてNのベキ乗数が−1.15よ
り小さくされる。前記Sは、0.4以下である。前記
離散パターンは、前記所定の区画内における平均的動径
分布関数が充分なだらかになるような配置とされる。前
記ドットは、多角形、円形、正方形、矩形、長円形、円
錐台、多角形台を含む群から選択される少なくとも1つ
の2次元または3次元形状である。前記離散パターン
は、互いに隣接するドットが実質的に互いに重なり合わ
ないように配置される。前記離散パターンは、前記所定
の区画の前記ドットの充填率に依存せずに配置される。
前記離散パターンは、光線を受動的に制御する。前記光
線の制御は、光線の散乱、光線の透過、光線の吸収のい
ずれかにより行われ、導光板、散乱板、フォトマスクと
して使用される。
【0085】さらに、本発明によれば、2次元的に配置
される離散したドットから形成される離散パターンが形
成された透過型液晶ディスプレイ用の導光板であって、
横Lx縦Lyの矩形型の区画に含まれる前記ドットが、
下記式(1)
【0086】
【数40】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0087】
【数41】 かつ、下記式(3)
【0088】
【数42】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。)導光板が提供される。
【0089】前記所定の区画に含まれる所定のドットの
数が4000以下である場合に、式(1)を満たす。前
記Dは、ディスクレパンシイの2乗であり、前記所定の
区画に含まれる前記ドットは、所定の充填率においてN
のベキ乗数が−1.15より小さくされる。前記S
は、0.4以下である。前記離散パターンは、前記所
定の区画内における平均的動径分布関数が充分なだらか
になるような配置とされる。前記ドットは、多角形、円
形、正方形、矩形、長円形、円錐台、多角形台を含む群
から選択される少なくとも1つの3次元形状である。前
記離散パターンが互いに隣接するドットが実質的に互い
に重なり合わないように配置される。前記離散パターン
が、前記所定の区画の前記ドットの充填率に依存せずに
配置され、前記導光板の隅領域において前記導光板の中
心領域よりも高い充填率で配置される。前記導光板は、
前記離散パターンが形成された表示領域と、該表示領域
を取り囲む非表示領域とを含む。
【0090】また、本発明によれば、2次元的に配置さ
れる離散したドットから形成される離散パターンが形成
され、横Lx、縦Lyの矩形型の区画に含まれる前記ド
ットが、下記式(1)
【0091】
【数43】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0092】
【数44】 かつ、下記式(3)
【0093】
【数45】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。)導光板と、該導光板に対して光線を入射す
るための光源と、該光源から放出される光線を反射させ
て、前記導光板に導入するためのリフレクタとを含むサ
イドライト装置が提供される。
【0094】前記所定の区画に含まれる所定のドットの
数が4000以下である場合に、式(1)を満たす。前
記Dは、ディスクレパンシイの2乗であり、前記所定の
区画に含まれる前記ドットは、所定の充填率においてN
のベキ乗数が−1.15より小さくされる。前記S
は、0.4以下である。前記離散パターンは、前記所
定の区画内における平均的動径分布関数が充分なだらか
になるような配置とされる。前記ドットは、多角形、円
形、長円形、正方形、矩形、円錐台、多角形台を含む群
から選択される少なくとも1つの3次元形状である。前
記離散パターンが互いに隣接するドットが実質的に互い
に重なり合わないように配置される。前記離散パターン
は、前記所定の区画の前記ドットの充填率に依存せずに
配置され、前記導光板の隅領域において前記導光板の中
心領域よりも高い充填率で配置される。前記導光板は、
前記離散パターンが形成された表示領域と、該表示領域
を取り囲む非表示領域とを含む。
【0095】また、本発明によれば、上述のサイドライ
ト装置をバックライト・ユニットとして含む透過型液晶
表示装置が提供される。
【0096】さらに、本発明によれば、2次元的に配置
される離散したドットから形成される離散パターンを生
成するための方法であって、該方法は、所定の区画を与
えるステップと、前記所定の区画に配置するドットの数
を決定するステップと、前記ドットの位置座標を、横L
x、縦Lyの矩形型の区画に含まれる前記ドットが、下
記式(1)
【0097】
【数46】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0098】
【数47】 かつ、下記式(3)
【0099】
【数48】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。)ように決定するステップと、前記決定され
た位置座標を初期位置として設定するステップと、前記
位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わないよ
うに前記ドットの位置座標を変化させるステップとを含
む離散パターンの生成方法が提供される。
【0100】前記位置座標の決定は、座標軸ごとに第1
の生成行列を生成し、記憶するステップと、前記第1の
生成行列を使用して第2の生成行列を生成し、記憶する
ステップと、前記区画内のN個のドットとそれぞれ対応
するN個の自然数集合の中のひとつの自然数nの二進展
開を第1のベクトルとして生成するステップと、前記第
1のベクトルと前記第2の生成行列との積から第2のベ
クトルを生成するステップと、座標ごとに前記第2のベ
クトルの要素を2進小数の各桁の値として前記ドットの
位置座標を生成するステップと、nを所定の増加分だけ
増加して、繰り返し発生させた点座標の総数が前記区画
内のドットの数Nとなるまで位置座標を生成するステッ
プとを含む。さらに前記所定の区画を複数所定の境界条
件を使用して隣接して所定の大きさの離散パターンを生
成するステップを含むことができる。前記位置座標を変
化させるステップは、互いに隣接する前記ドットのサイ
ズと距離とに関連する隣接する前記ドット間の斥力を算
出するステップを含む。前記位置座標を変化させるステ
ップは、所定のドットについて該ドット付近存在する他
のドットからの斥力を算出するステップと、該斥力の大
きさに応じて前記所定のドットを変位させるステップ
と、変位された前記所定のドットに関して斥力を算出す
るステップと、前記斥力を所定の範囲にあるドットにつ
いて合計するステップとを含む。
【0101】前記位置座標を変化させるステップは、さ
らに、第1の斥力の合計と、該第1の斥力の合計の直前
に算出された第2の斥力の合計との間の差が、所定の収
束条件を満たすまで実行される。前記斥力は、前記ドッ
トの間の距離に対して、所定値以下では一定であり、前
記ドット間の距離が所定値を越える場合には、前記ドッ
ト間の距離の増大に応じて減少する。ロー・ディスクレ
パンシー・シーケンス法を使用して前記ドットの初期位
置を与える。
【0102】さらに、本発明によれば、2次元的に配置
される離散したドットから形成される離散パターンを生
成するための方法を実行するためのプログラムであっ
て、該プログラムは、所定の区画を与えるステップと、
前記所定の区画に配置するドットの数を決定するステッ
プと、前記ドットの位置座標を、横Lx、縦Lyの矩形
型の区画に含まれる前記ドットが、下記式(1)
【0103】
【数49】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0104】
【数50】 かつ、下記式(3)
【0105】
【数51】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。)ように決定するステップと、前記決定され
た位置座標を初期位置として設定するステップと、前記
位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わないよ
うに前記ドットの位置座標を変化させるステップとを含
むステップを実行させる離散パターンを生成するための
プログラムが提供される。
【0106】前記位置座標を決定するステップは、座標
軸ごとに第1の生成行列を生成し、記憶するステップ
と、前記第1の生成行列を使用して第2の生成行列を生
成し、記憶するステップと、前記区画内のN個のドット
とそれぞれ対応するN個の自然数集合の中のひとつの自
然数nの二進展開を第1のベクトルとして生成するステ
ップと、前記第1のベクトルと前記第2の生成行列との
積から第2のベクトルを生成するステップと、座標ごと
に前記第2のベクトルの要素を2進小数の各桁の値とし
て前記ドットの位置座標を生成するステップと、nを所
定の増加分だけ増加して、繰り返し発生させた点座標の
総数が前記区画内のドットの数Nとなるまで位置座標を
生成するステップとを含む。さらに前記所定の区画を複
数所定の境界条件を使用して隣接して所定の大きさの離
散パターンを生成するステップを実行させることができ
る。前記位置座標を変化させるステップは、互いに隣接
する前記ドットのサイズと距離とに関連する隣接する前
記ドット間の斥力を算出するステップを含む。前記位置
座標を変化させるステップは、所定のドットについて該
ドット付近存在する他のドットからの斥力を算出するス
テップと、該斥力の大きさに応じて前記所定のドットを
変位させるステップと、変位された前記所定のドットに
関して斥力を算出するステップと、前記斥力を所定の範
囲にあるドットについて合計するステップとを含む。前
記位置座標を変化させるステップは、さらに、第1の斥
力の合計と、該第1の斥力の合計の直前に算出された第
2の斥力の合計との間の差が、所定の収束条件を満たす
まで実行される。前記斥力は、前記ドットの間の距離に
対して、所定値以下では、一定であり、前記ドット間の
距離が所定値を越える場合には、前記ドット間の距離の
増大に応じて減少する。ロー・ディスクレパンシー・シ
ーケンス法を使用して前記ドットの初期位置を与えるこ
とが好ましい。
【0107】さらに、本発明によれば、2次元的に配置
される離散したドットから形成される離散パターンを生
成するための方法を実行するためのプログラムを含むコ
ンピュータ可読な記録媒体であって、該プログラムは、
所定の区画を与えるステップと、前記所定の区画に配置
するドットの数を決定するステップと、前記ドットの位
置座標を、横Lx、縦Lyの矩形型の区画に含まれる前
記ドットが、下記式(1)
【0108】
【数52】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0109】
【数53】 かつ、下記式(3)
【0110】
【数54】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。)うに決定するステップと、前記決定された
位置座標を初期位置として設定するステップと、前記位
置座標が決定されたドットが互いに重なり合わないよう
に前記ドットの位置座標を変化させるステップとを含む
ステップを実行させる離散パターンを生成する、コンピ
ュータ可読な記憶媒体が提供される。
【0111】さらに、前記位置座標を決定するステップ
は、座標軸ごとに第1の生成行列を生成し、記憶するス
テップと、前記第1の生成行列を使用して第2の生成行
列を生成し、記憶するステップと、前記区画内のN個の
ドットとそれぞれ対応するN個の自然数集合の中のひと
つの自然数nの二進展開を第1のベクトルとして生成す
るステップと、前記第1のベクトルと前記第2の生成行
列との積から第2のベクトルを生成するステップと、座
標ごとに前記第2のベクトルの要素を2進小数の各桁の
値として前記ドットの位置座標を生成するステップと、
nを所定の増加分だけ増加して、繰り返し発生させた点
座標の総数が前記区画内のドットの数Nとなるまで位置
座標を生成するステップとを含む。さらに前記所定の区
画を複数所定の境界条件を使用して隣接して所定の大き
さの離散パターンを生成するステップを実行させること
ができる。前記位置座標を変化させるステップは、互い
に隣接する前記ドットのサイズと距離とに関連する隣接
する前記ドット間の斥力を算出するステップを含む。前
記位置座標を変化させるステップは、所定のドットにつ
いて該ドット付近存在する他のドットからの斥力を算出
するステップと、該斥力の大きさに応じて前記所定のド
ットを変位させるステップと、変位された前記所定のド
ットに関して斥力を算出するステップと、前記斥力を所
定の範囲にあるドットについて合計するステップとを含
む。前記位置座標を変化させるステップは、さらに、第
1の斥力の合計と、該第1の斥力の合計の直前に算出さ
れた第2の斥力の合計との間の差が、所定の収束条件を
満たすまで実行される。前記斥力は、前記ドットの間の
距離に対して、所定値以下では、一定であり、前記ドッ
ト間の距離が所定値を越える場合には、前記ドット間の
距離の増大に応じて減少する。ロー・ディスクレパンシ
ー・シーケンス法を使用して前記ドットの初期位置を与
えることが好ましい。
【0112】さらに、本発明によれば、上述の離散パタ
ーンを生成するための離散パターン生成システムであっ
て、上述の離散パターンを与えるための手段と、前記離
散パターンを形成するドットの位置座標を記録する記憶
手段と、該記録手段に含まれた位置座標を出力するため
のプリンタ手段と、該プリンタ手段により離散パターン
が形成されるパターン受容要素とを含む離散パターン生
成システムが提供される。
【0113】本発明によれば、コンピュータ・システム
を使用して2次元的に配置される離散したドットから形
成される離散パターンを生成するための方法であって、
該方法は、所定の区画を与えるステップと、前記ドット
の充填率分布関数を与えるステップと、前記ドットの面
積を与えるステップと、前記所定の区画に対して、前記
充填率分布関数にしたがって少なくとも2個のドットを
生成するステップと、前記生成されたドットを所定の関
数を使用して移動させ、新たな座標値に更新するステッ
プと、前記新たな座標値を取得したドット間の距離を判
断するステップと、前記距離に関連して新たなドットを
生成または削除するステップと、前記生成されたドット
を含めて前記所定の関数を使用してドットの座標値を更
新するステップとを含む離散パターンの生成方法が提供
される。
【0114】本発明によれば、コンピュータ・システム
を使用して2次元的に配置される離散したドットから形
成される濃淡画像の二値化パターンを生成するための方
法であって、該方法は、所定の区画を与えるステップ
と、前記所定の区画に配置するドットの数を決定するス
テップと、前記ドットの位置座標を、横Lx、縦Lyの
矩形型の区画に含まれる前記ドットが、下記式(1)
【0115】
【数55】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
y)として下記式(2)で与えられる。)、
【0116】
【数56】 かつ、下記式(3)
【0117】
【数57】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
のである。)ように決定するステップと、前記決定され
た位置座標を初期位置として設定するステップと、前記
位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わないよ
うに、かつ所定の階調に関連する間隔を中心として前記
ドットが分布するように前記ドットの位置座標を変化さ
せるステップと、前記所定の区画を複数所定の境界条件
を使用して隣接し、所定の大きさの離散パターンを生成
するステップとを含む二値化パターン生成方法が提供さ
れる。
【0118】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態に基づいて説明するが、本発明は後述する実施の
形態に制限されるものではない。以下、パートIとし
て、本発明の第1の構成である初期配置を与えた後、ド
ット間に斥力モデルを適用して斥力の緩和を行い、LD
S法によるランダムな離散パターンの形成を説明し、パ
ートIIにおいて、本発明の第2の構成であるドットを
自動的に生成・削除することによる離散パターンの形成
について説明する。さらに、パートIIIとして、本発
明の第3の構成である良好な青色ノイズ特性を与えるこ
とができる濃淡画像の二値化パターンの生成について説
明する。また、さらにパートIVとして、上述したLD
S法およびドット自動生成法に基づいて得られた離散パ
ターンを使用する光学的部材、サイドライト装置、およ
び透過型液晶表示装置について説明する。
【0119】パート I:LDS法およびドット間の斥
力を仮定してドットを緩和させることによる離散パター
ンの形成 以下、パートIとしてセクションAにおいて、離散パタ
ーンの初期位置の決定について説明し、セクションBに
おいて斥力緩和法によりドット間の重なりを排除して離
散パターンを形成する方法について説明し、セクション
Cにおいて、充填率を連続的に変化させる場合の取り扱
いについて説明し、セクションDにおいて、本発明によ
り与えられる離散パターンのディスクレパンシイの範囲
およびランダム性の判断基準について説明する
【0120】<セクションA> 低ディスクレパンシイを有する離散パターンの初期位置
の生成 (A−1)ディスクレパンシイの数学的定式化 縦Lx、横Lyの長さを有する長方形、正方形といった
矩形領域にN個の点が分布する場合に、そのディスクレ
パンシイは、以下のように与えることができる。
【0121】全体の矩形領域の中の位置(x、y)に対
して原点(0、0)と位置(x、y)を対角線とする矩
形の領域を考える。この領域の面積が正方形の中で占め
る割合をVとすると、V=x×y/(Lx×Ly)であ
る。また、考えているN個の点のうち、この矩形領域の
中に含まれる点の個数をA(x、y)とすると、N個の
点のうち、上述した矩形領域に含まれる点の割合は、A
(x、y)/Nとなる。点の分布が理想的に一様であれ
ば、どのような矩形領域をとっても中に含まれる点の割
合は、ちょうど矩形領域の面積が全体の正方形中で占め
る割合と同じになるはずである。
【0122】そこで、この両者の差が0からどれだけず
れているか調べれば、点の偏りが分かることになる。本
明細書においては、ディスクレパンシイを、(A(x、
y)/N−Vの二乗を、(x、y)を上述した正方形内
の全ての位置について積分したものの平方根として定義
する。すなわち、ディスクレパンシイの2乗をD(L
x、Ly;N)とすると、D(Lx、Ly;N)は、下
記式で与えられる。
【0123】
【数58】 上述したディスクレパンシイを使用すれば、理想的な分
布ではディスクレパンシイは0となり、また、例えば原
点にすべての点が固まっているような非常に偏った状況
では、最大値である1/9となる。
【0124】一方で、仮に真にランダムに生成された点
列の場合について考察する。このような真にランダムに
生成された点列については、ディスクレパンシイは、そ
れほど小さくはならない。この理由は、たとえばサイコ
ロを6回振ってランダムな数を作った場合、1から6ま
で偏りなく1回ずつ出る場合より、どれかの数が複数現
れる場合の方がしばしば見受けられるということから直
感的に理解できる。ランダムさと、偏りの無さ、すなわ
ち一様性とは異なる概念であり、ランダム性を有し、か
つディスクレパンシイの低い点列が必要な場合には、初
期位置においてすでにディスクレパンシイを低くするべ
く生成された点列を用いる必要がある。LDSは、そも
そも定義からディスクレパンシイが低いという特徴を持
つことに本発明者らは着目し、鋭意検討の結果LDS法
を所定の区画内にドットを配置する現実の問題に適用す
ることが有効であることを見出したのである。
【0125】(A−2)LDS法を適用するためのフロ
ーチャート 図7には、本発明において使用することができるLDS
法のフローチャートを示す。本発明において使用するL
DS法は、ステップS1から開始し、ステップS2にお
いて座標軸ごとに生成行列1の算出を行う。生成行列の
詳細については例えば、「離散構造とアルゴリズムI
V」、室田一雄編、近代科学社に詳細に説明されてい
る。ついで、ステップS3において下三角要素にランダ
ムな値を有するスクランブル行列を生成し、ステップS
4において、生成行列1とスクランブル行列の積を生成
行列2として記憶する。本発明においては、スクランブ
ル行列を使用せずに初期配置を生成することも可能であ
る。しかしながら、ドット数が多い場合には、スクラン
ブル行列を併用することが、より一様な離散パターンを
生成する点では好ましい。
【0126】ステップS5においては、所定の位置に対
応して付された自然数nの二進展開を行い、その結果を
ベクトルxとして記憶させる。ステップS6において
は、座標軸ごとの生成行列2をベクトルxに乗じて、ベ
クトルyを生成する。ステップS7においては、座標軸
ごとにベクトルyの要素を二進小数の各桁の値として、
新たな座標を生成し、ステップS8において、nを1だ
け増加させて所定の個数、例えばN個になるまでステッ
プS5からステップS8までを繰り返して、N個のLD
S法により生成された座標が定められることになる。
【0127】(A−3)LDS法の具体的な手順 図7に示したLDS法における離散パターンの生成の手
順を、1次元について適用する場合につき以下に詳細に
説明する。後述する手順は、説明のために使用するもの
であり、本発明は、2次元以上のいかなるより高い次元
でもそのまま応用することができる。
【0128】本発明において使用するLDS法による初
期位置決定では、ネット理論を拡張したNiederreiterの
構成法を使用して高速化を実現する。本発明では、初期
位置としてのランダム性も重要となるので、手塚、“点
列のディスクレパンシイについて”、「離散構造とアル
ゴリズムIV」、室田一雄編、近代科学社、第3章による
ランダムなスクランブルを適用した一般化Niederreiter
sequenceを用いることにより、ランダム性と小さなデ
ィスクレパンシイとを併せ持つ数列を生成した。
【0129】LDSの典型的な生成方法では、ネット理
論を用いる。ディスクレパンシイの定義にあるようにい
かなる大きさの領域を考えても、その中に入る点の大き
さの総和が区画の大きさに近づく必要がある。そのため
素数pのべき乗で階層的に一辺の長さが小さくなるp進
ボックスによって区画を小区画へと分割し、さまざまな
大きさのボックスによって区画がP進ボックスにより入
れ子的に埋め尽くされている状況を考え、その中から、
点の入るべき位置を自然数のp進展開係数を元に位置座
標を決定することによって、ディスクレパンシイを低く
するものである。
【0130】これを具体的に説明すると、1、2、3、
4と順に並んだ自然数を用いる場合には、同じ数の重な
りは生じないものの、端から順に並んでいくため広く区
画の全体に散らばった点列を作ることはできない。
【0131】このため本発明においては、元となる自然
数の列にそれぞれ座標値を対応させる厳密に決定論的な
方法を用い、ランダムな点列のような偏りを排除しつ
つ、自然数のように端から順に並ぶことの無い点列を与
える方法を採用する。この基本的な考え方としては、区
画をまず大きな単位で小区画へと分割し、それぞれの小
区画に点を配置し、点の数が増えてくると、より細かい
小区画へと分割し、別々の位置を占めるようにさせるも
のである。
【0132】ここで、自然数の列についてその性質を考
えると、まず1の位が1から9まで速く変化し、その
後、上位の桁が順にゆっくりと変化する。そこで、この
桁取りを逆に1の位が上位にくるよう並べ、桁毎に異な
る大きさで分割された小区画を、元の自然数が少し変化
するごとに大きく変化させて区画の全体を覆うことによ
り、偏りなく位置座標を生成することができる。すなわ
ち、本発明において採用する生成方法においては、自然
数を10進法では無く、2進法で表現した後、各桁に現
れる数値を所定の方式によって置き換える。すなわち、
元となる自然数列を2進数で表示した後、より速く変化
する下位の桁が座標値の上位桁に対応して大きな区画の
全体にわたる位置変化をもたらし、変化の遅い上位の桁
が座標値の下位の桁に対応して細かな位置変化をもたら
すよう変換することにより、より不規則性を高めるもの
である。
【0133】具体的に説明すると、例えば1から5まで
の自然数を2進数としてあらわすと、順に、1、10、
11、100、101となる。ここで、例えばabcd
という展開がされた自然数nにつき、abcdを逆から
に配置して、やはり2進数の小数で0.dcbaに対応
させる。この場合、上述した自然数の場合の実施の形態
では、順に、0.1、0.01、0.11、0.00
1、0.101となり、それぞれ1/2、1/4、3/
4、1/8、5/8であるから図8に示すように、0か
ら1の間で次第に細かくなる小区画が中心Crに対して
ランダムに分布する点列が得られる。
【0134】2次元上の座標値を求める際には、x座標
とy座標といった各次元ごとに独立に変化するように上
述した方法を用いて次元ごとに異なる変換行列を適用し
て各桁の値を変換し、元となる自然数列から対応する座
標点をドットごとに算出する。図9には、各座標軸ごと
にに用いるべき座標の位置に順に自然数を割り当てるこ
とにより位置座標を生成して得られた2次元における低
ディスクレパンシイの離散パターンを示す。図9中、縦
軸については、上述した変換を施すことにより矢線で示
される変換が行われて座標が生成され、2次元的な位置
座標が得られている。図9においては、それぞれ横軸お
よび縦軸が交差する位置座標に、ドット10を配置し
て、LDS法により生成された初期配置としている。
【0135】本発明においては、さらに桁の並べ替えに
スクランブル法と呼ばれる一定の入れ替えを行うことに
よって、より点座標の並び方にバリエーションを与える
ことが好ましい。スクランブル法を採用する場合には、
あらかじめ各次元毎に与えておいた生成行列を記憶装置
に保管しておき、変換したい自然数の2進数表示の各桁
の数値からなるベクトルxと乗算を行うことで、ベクト
ルyを生成させることにより容易に拡張することができ
る。
【0136】図10には、区画内に50個のドット10
を配置するものとして、上述したLDS法により生成さ
れたドット・パターンを含む離散パターンを示す。図1
0においては、縦軸および横軸は、規格化した単位長さ
で示されており、区画は、正方形とされている。
【0137】図11は、上述した本発明において用いる
低ディスクレパンシイのドット・パターンを例示した図
である。図11においては、ドット間の重なり合いにつ
いて特に処理しておらず、いわゆる初期位置に対応する
ものである。図11(a)が、本発明によりLDS法を
使用して得られたドット・パターンであり、図11
(b)が比較のために擬似乱数発生法を使用して生成し
たドット・パターンを示す。
【0138】図11(a)と、図11(b)とを比較し
てわかるように、LDS法を使用して生成された初期位
置は、ドット間の重なり合いの処理をしていないにもか
かわらず、図11(b)に示す擬似乱数発生法により生
成されるドット・パターンに比較して、充分な一様性を
示しており、著しくドットの密度が低い箇所や、高い箇
所が生成されていないことがわかる。一方で、擬似乱数
発生法を使用して生成されたドット・パターンは、図1
1(b)に示すように局所的に濃度の高い箇所および低
い箇所が生成されており、ランダムではあるものの、一
様性が、図11(a)に示す本発明の場合に比較して不
充分であることが示されている。
【0139】本発明において低ディスクレパンシイの離
散パターンを生成する際には、ネット理論を使用する他
にも、別の実施の形態として、Good Lattic
ePoint(GLP)法といった方法も用いることが
できる。図12には、GLP法を使用して得られた低デ
ィスクレパンシイのドット・パターンを示す。図12に
示したドット・パターンは、ドット10が、GLP法に
より正方形で示された区画内に配置されて、初期配置と
されている。図12に示したドット・パターンを得る場
合には、生成ベクトルを(h1、h2)として選択した
場合、自然数kに対してGLPは、(((h1×k)m
odn)/n、((h2×k)modn/n)で与えら
れる。例えば、2つの隣り合ったフィボナッチ数列をF
(m−1)およびF(m)で定義する場合、n=F
(m)、生成ベクトルを(1、F(m−1))とするこ
とができる。
【0140】図12は、F(m−1)=987、F
(m)=1587を用いて作成したドット・パターンを
例示したものである。図12に示されるように上述した
GLP法においてもディスクレパンシイが小さい一様な
分布が得られる。しかしながら、GLP法を使用する図
12のドット・パターンから理解されるように、それぞ
れのドットは、LDS法に比較して比較的規則的に並ん
でしまうという特徴があり、例えば液晶表示装置などモ
アレ模様を発生させたくない用途には不向きである。
【0141】しかしながら、モアレ模様が重要な要因と
ならない場合、具体的には滑り止めや意匠的な用途、デ
ィザリング・パターンとして本発明の離散パターンを使
用する場合には、充分なランダム性を有する離散パター
ンを与えることができる。同様にして本発明の他の実施
の形態においてはまた、素数の平方根の小数部を用いる
Richtmeyer sequenceや、座標軸ごとに異なる素数によ
るp進展開を用いるHalton sequenceも、低ディスクレ
パンシイのパターン生成に使用可能である。
【0142】<セクションB> 斥力緩和法による隣接するドットの重なり合いの排除 (B−1)斥力緩和法の概説 格子点からの摂動を考える従来手法では、すでに説明し
たように高い充填率領域において本質的に不都合が発生
する。すなわち、乱数の逐次発生に由来する方法は、高
い充填率領域においてドット間の重なりのない不規則パ
ターンを作ることは実質上不可能に近いためである。ド
ット間にある種の相互作用を導入することなしには、5
0%を越える高い充填率の不規則パターンを生成するこ
とは困難であり、特に本発明においてはドット間の重な
り排除を、比較的疎な充填率の区画はもちろんのことな
がら、50%以上の高い充填率の区画についても容易に
適用できることが必要とされる。また、この斥力緩和法
は、後述する本発明の第二の構成および第三の構成にお
いても、関数の形状を適宜変更することにより好適に適
用することができる。
【0143】本発明においては、充填率とは、所定の区
画内にドットを配置する際のドット面積と、区画の面積
との比を使用することができる。この際、様々な幾何学
的形状をもつドットに対応するために、上記ドット面積
を、ドットの最大径の2乗にドットの個数を乗じたもの
として定義する。また、単にドットの数と区画の面積と
の比を充填率の定義として使用することもできる。
【0144】原理的には、初期位置を擬似乱数発生法で
定めた場合にも斥力緩和法によりドット間の重なり排除
を達成することは可能である。しかしながら、擬似乱数
発生法により初期位置を定めた場合には、多くの場合に
は後述するように網目状のムラがパターンに出現し、こ
のムラを除去するのに多大な処理と処理のための時間を
要することとなる。このため、予めディスクレパンシイ
の低い初期位置を例えば、LDS法により生成し、この
初期位置に対して斥力緩和法を適用することで、よりい
っそう一様性の高められた離散パターンを生成すること
が好ましい。
【0145】上述したように例えばLDS法を使用して
初期配置を生成しただけでは、一様性、ランダム性は充
分であるものの現実のドットの有限の大きさのため、ド
ット間に重なりが生じ、ドット見えなどの不都合が生じ
る原因となる。そこでこれら分布の再構成処理(重なり
排除)が不可欠である。本発明においては、LDS法を
使用して生成された初期位置に配置されたドットを、互
いに相互作用する2次元粒子系と見なし、隣接するドッ
ト間の重なりを、初期位置から斥力により緩和される過
程と見なして排除する。すなわち、本発明においては、
ドット間に対して少なくとも粒子間の距離がゼロの近傍
で強い斥力を及ぼす相互作用模型を適用するものであ
る。このため、初期位置で互いに重なり合ったドットの
間では、高いポテンシャル・エネルギー状態となり、互
いに重なり合ったドットのみを効率的に移動可能とし、
ドット間の重なり合い排除することが可能となる。
【0146】このようなモデルを採用する場合には、緩
和時間の経過に応じて隣接したドットが斥力によって互
いに適当な間隔を持った状態に落ち着くことになるもの
と考えることができる。本発明においては、上述した過
程を、斥力緩和法と定義する。本発明においては、緩和
の程度に応じて、また緩和をもたらす力学的機構に応じ
て特定の用途に適する様々なパターンを生成することが
できる。
【0147】図13は、ドットの形状を正方形とした場
合に、ドット12、ドット14、ドット16間に斥力が
作用するものとした場合の斥力緩和法の原理を示した概
略図である。図13においては、ドットを、斥力的に相
互作用する2次元粒子系と見なす。ある時点でドット1
2の周りにドット14およびドット16が配置されてい
るものとする。本発明においては、隣接するドット間の
距離が近いほど大きい斥力を受けるように斥力のモデル
を与える。
【0148】緩和過程を経た後のドットの座標は、例え
ば金森順次郎ら、「固体―構造と物性」、岩波書店、第
255頁;N.E.キューサック、「構造不規則系の物
理」、吉岡書店、第110頁、1994年に記載されて
いるいわゆる分子動力学法基づいて計算される。しかし
不規則パターンを作るという目的のためには、本発明に
おいてはドットの運動方程式をあらわに解く必要はな
い。そこで、本明細書においては、最も簡単な場合を実
施の形態として、斥力が例えば、久保亮五ら、「大学演
習熱学・統計力学」、裳華房、384頁、1961年に
記載されているような分子場模型に基づくものとして説
明する。しかしながら、本発明においてはさらに複雑な
モデルを採用することも可能である。
【0149】分子場模型は、ある時点での分布から、注
目するひとつのドットに作用する力を計算し、その力に
基づいて次のステップの変位を計算する方法である。図
13に示すようにドット12は、周囲に隣接するドット
14およびドット16から斥力を受ける。図13には、
ドット14およびドット16からドット12に作用する
それぞれの力をB14およびB16として示し、力B
14、B16の合力を矢線Bで示している。同様にドッ
ト12およびドット16についても斥力を適用する。こ
のようにすることで、ある時点において、それぞれのド
ットごとに周囲から受ける力が算出されることになる。
この力に比例させて各ドットに変位を与え、次の時点で
の分布を求める。この作業を繰り返えすことにより、強
い斥力を発生させるようなドット間の重なり合いを次第
に排除することができることになる。
【0150】(B−2)斥力緩和法における斥力モデル 本発明において使用する斥力緩和法の目的は、有限の大
きさを持つドット間の重なりもしくは異常接近を排除
し、ドット間の距離を適正に保つことであるから、用い
る相互作用の模型は、2つのドット間の距離がある限界
Dを越えて近づくと大きな斥力を及ぼし、その限界の外
では距離とともに急速にその大きさが減少するものであ
ることが望ましい。すなわち、斥力モデルを特徴付ける
パラメターとしては、斥力の到達範囲Dに加えて、斥力
の減衰距離Lが存在することが好ましい。
【0151】本発明においては上述したモデルを定式化
するために図14に示す座標系を設定する。すなわち、
パターンを生成するための2次元平面(もしくは曲面)
上においてある任意のドットに注目し、そのドットの中
心を原点として2次元極座標(r、θ)を設定する。始
線OO’のドット18、19に対する位置関係は、任意
とすることができる。ドット19の中心Pが、位置
(r、θ)に来た場合に作用する力を、下記式
【0152】
【数59】 で定義する。上記式中、 は、大きさがrであるベクトルOPを表す。
【0153】本発明においては、斥力の到達範囲Dを角
度θに依存させることもでき、例えば図14に示したよ
うに、D(θ)=OQのように定義することもできる。
上記式は、ドット間に作用する力がいわゆる中心力であ
ることを意味する。この条件は、緩和過程の進行に伴い
ドット群が渦を巻き、重なり排除が効率よく行えないな
どの不都合を生じないようにする点で効果的であること
が見出された。
【0154】力の大きさの指標となる関数F(r、θ)
は、rに依存しない所定の有限の関数F(θ)に対
し、下記式
【0155】
【数60】 の条件を満たすものを選択することができる。F(r、
θ)は、正が斥力を示し、負が引力を示すものとする。
ただし関数D(θ)は、一般にドットの最大径sまたは
ドットの平均間隔Δrのオーダの任意の関数である。こ
こでドットの平均間隔は、ドットを所定の充填率を満た
すように正方格子上に並べた場合の格子間隔として定義
することができる。
【0156】以下に、本発明の実施の形態においてにお
いて使用することができる斥力モデルを例示する。ま
た、便宜上斥力の減衰距離Lを、自然対数の底eを用い
て下記式
【0157】
【数61】 で定める。上記式から明らかなように、本発明において
は、Lは一般にθに依存するものとすることができる。
【0158】(B−3)斥力モデルの具体例
【0159】(1)等方的斥力モデル 本発明においては、上記式において使用されるF、
、Dのθ依存性を無視したものを等方的斥力モデル
と定義する。この場合、所定のドットの中心が中心ドッ
ト周りの半径Dの円に入ると、互いにドットの間に強い
斥力が生じることになる。上述の条件を満足する関数形
は、種々あるが、数値計算的な取り扱いの点からは、べ
き関数と指数関数を組み合わせた以下の斥力モデルを採
用することができる。 (a)指数関数型
【0160】
【数62】 (b)湯川型
【0161】
【数63】 (c)べき乗型
【0162】
【数64】 (d)レナードジョーンズ(LJ)型
【0163】
【数65】 (ただし、m、n、αは、実数であり、m>n、かつα
>1である。) (e)複合型
【0164】
【数66】 (ただし、m、n、αは、実数であり、m>n、かつα
>1である。)
【0165】図15には、上述したそれぞれの斥力モデ
ルを、図中における曲線が類似する位置となるようなパ
ラメータを使用して算出したグラフを示す。図15で
は、すべてのモデルに対しD=0.1mmとし、F
5とした。使用したその他のパラメータを、表2にまと
める。
【0166】
【表2】
【0167】本発明において説明する上述した斥力モデ
ルの実施の形態においては、いわゆる剛体球モデルのバ
リエーションとしてr<Dで力の大きさが一定となるも
ののみを挙げている。しかしながらrに依存させること
もでき、この場合には斥力は、rに応じて単調に減少す
ることが望ましい。
【0168】図15から理解されるように、これらの関
数形の違いがドット・パターンから生成される離散パタ
ーン対してに劇的な違いを与えることはない。本発明の
離散パターンを光学的な用途に提供し、この際モアレ模
様を排除するためにランダムな離散パターンを作るとい
った目的においては、n=1の指数関数型でも充分であ
る。しかしながら、ドット間の距離をある狭い範囲に限
定したい場合などには、LJ型または各斥力モデルを使
用することもできるし、これらの斥力モデルに、例えば
線形結合させた複合型のモデルを採用することもでき
る。
【0169】例えば、上述した極小値を有する斥力モデ
ルは、ドットの変位範囲を一定以下にとどめたい場合に
有効であり、この理由は、所定の位置においてドット間
の力が引力的に極小となることによる。ただしこれらの
極小点を持つ例えばLJ型の斥力モデルは、他に比べて
数値誤差が蓄積しやすいので、数値計算の場合には誤差
に注意することが必要とされる。
【0170】(2)異方的斥力モデル 上述した斥力モデルにおいて、斥力がθ依存性を持つモ
デルを、本発明においては異方的斥力モデルとする。以
下に、本発明の実施の形態において使用することができ
るの異方的斥力モデルを例示的に列挙する。実際のパタ
ーンを作る上では、上述したθ依存性は重要な要素とな
る。円形や正多角形などの対称性のよい形状を持つドッ
トであれば、等方的な斥力模型にも相当の利用価値があ
る。しかし対称性の低い形状のドットをより一様に分布
させるためには、本発明においては、ドット形状に応じ
て斥力の到達範囲を異方的とすることが好ましい。この
場合の斥力モデルについても、数多く例示することがで
きるが、ドットの形状が矩形とされている特定の実施の
形態については、特に有用な斥力モデルとして、以下の
2つのモデルを挙げることができる。
【0171】(a)楕円モデル 指数型、べき型、LJ型など種々のものがありえるが、
一例として最も簡単なn=1の指数型の楕円模型につい
ては、下記式
【0172】
【数67】 で与えられる。ただし、上記式中、
【0173】
【数68】 である。図16には、各パラメータの関係を示す。図1
6では、Dは、楕円の長軸であり、kDは、楕円の短軸
であり、rは、隣接する他のドットの中心までの距離で
ある。上記式で与えられる斥力場を図17に示す。図1
7に示した斥力場は、パラメータkを0.3としたとき
に与えられるものである。
【0174】(b)矩形モデル このモデルにおいても、指数型、べき型、LJ型など種
々例示することができるが、最も簡単なn=1の指数型
の矩形モデルについては下記式、
【0175】
【数69】 により与えられる。上記式中、R(r、θ)は下記式、
【0176】
【数70】 で表される。矩形モデルを使用した場合の斥力場を図1
8に示す。ただし、図18においては、k=1とした。
【0177】これまで説明した斥力モデルは、いわゆる
剛体球のクラスに属するモデルである。しかしながら、
本発明においては、上述したモデルに限定されることは
なく、ドット間の距離が近くなると強い反発力を生ずる
という性質を有していさえすれば、例えばN.E.キュ
ーサック、「構造不規則系の物理」、吉岡書店、199
4年に記載されるような、これまで知られたいかなる斥
力モデルでも用いることができる。
【0178】(B−4)斥力緩和法における収束判定条
件 緩和過程の進行を数値的に表す上でもっとも妥当な変量
としては、ドット一つあたりのポテンシャル・エネルギ
ーEを挙げることができる。このポテンシャル・エネル
ギーEは、厳密には、斥力との間において下記式
【0179】
【数71】 の関係を満たすスカラ関数Vに対して、
【0180】
【数72】 のように定義される。上記式中、gradは、2次元の
勾配演算子(gradient)を表し、
【0181】
【数73】 は、ドットiから見たドットjのポテンシャル・エネル
ギーEを表している。また、Nは、全ドット数である。
n=1の等方的指数関数モデルにつき、Vの関数形を具
体的に例示すると下記式、
【0182】
【数74】 で表される。図19には、上記したV(r)において、
D=0.1、L=0.04、F=5とした場合のr
に対するVの形を示す。
【0183】本発明における収束判定条件としては、k
=0.5の指数型モデルを採用し、ドット形状を矩形ド
ットとし、上記V(r)を評価関数として用いた場合に
は、一様で重なりのないパターンを生成するため緩和過
程の第nステップにおける1ドットあたりのポテンシャ
ル・エネルギーEの減少率を、
【0184】
【数75】 とすることが好ましいことが見出された。
【0185】他の模型、もしくは異方的な場合も同様に
してポテンシャル・エネルギーEを計算できる。しかし
ながら計算式が煩雑になる場合は、類似する関数を収束
判定に供することも実際的は可能である。また、本発明
においては図19に示したグラフをいくつかの直線で近
似して、収束判定を行うこともできる。さらに、楕円模
型の収束判定を、上記等方的モデルの関数Vで代用する
こともできる。この理由は、本発明においてはドットの
動力学自体を扱うものではなく、Vは、ドットの接近の
様子を示す単なる目安に過ぎないためである。さらに、
本発明の別の実施の形態においては、ドット間の距離に
対して急速に大きさが減少する関数のうち、比較的ポテ
ンシャル・エネルギーEに類似した評価関数を使用する
こともできる。なお、上述した収束判定条件は、斥力緩
和法の計算時間、使用する評価関数などにより適宜必要
に応じて設定することができる。
【0186】(B−5)斥力緩和法の実際の処理プロセ
ス 図20には、本発明において使用する斥力緩和法のフロ
ーチャートを示す。図20に示されたプロセスは、ステ
ップS11から開始し、ステップS12において、上述
したLDS法によりドットの初期位置を算出する。その
後、ステップS13においては、各ドットにつき、周囲
からの斥力を算出する。この場合には、上述したいかな
る斥力モデルでも、必要に応じて選択することができ
る。ステップS14においては、各ドットにつき、算出
された斥力の合力に基づき、ドットの位置座標を初期位
置から変位させ、ステップS15においてステップS1
4において生成された位置座標を新たなドットの分布と
して記憶させる。
【0187】ステップS16においては、新たなドット
の配置に基づいて、ポテンシャル・エネルギーを計算さ
せ、ステップS17において上述した収束判定条件を使
用してポテンシャル・エネルギーが収束したか否かを判
断する。ポテンシャル・エネルギーEが充分に小さくな
い場合には、再度ドットについて斥力を計算させ、変位
を行わせ、新しい分布を生成し、エネルギーを算出さ
せ、収束するまでポテンシャル・エネルギーEを低下さ
せる。ステップS17の判断において、収束判定条件よ
りもエネルギーの変化が小さくなった場合(yes)に
は、ポテンシャル・エネルギーEは収束したものとし
て、最終的なドットの位置を離散パターンとして登録
し、ステップS18で終了する。
【0188】表3には、上述したLDS法を使用した場
合と、従来の擬似乱数を使用した場合に得られる初期位
置について、斥力緩和法を使用して離散パターンを生成
した結果をまとめる。
【0189】
【表3】
【0190】表3においては、2次元直交直線座標
(x、y)上の点(0、0)から点(x、L)へ引いた
線分を対角線とする矩形領域に、全部でN個のドットが
あるパターンについてD(Lx、Ly;N)を計算した
結果に対して、10を乗じた値で示している。表3の
計算に際しては、周期的境界条件を適用し、小区画を
0.1mm角の正方形ドットとし、充填率を50%とし
て計算し、緩和時間はLDSと擬似乱数で共通とした。
なお、擬似乱数発生法により算出されたディスクレパン
シイについては、緩和時間の影響を判断するために緩和
時間を5倍にまで延ばして挙動を判断した。その結果
を、擬似乱数発生法の1225ドットのデータにおける
かっこ内の値で示す。表3からわかるように、LDSと
擬似乱数の差はNと共に拡大して行くので、擬似乱数に
とってこれは最も条件のよいところでLDSとの比較を
行ったことになる。表2に示されるように擬似乱数を使
用した場合には、緩和前および緩和後の双方において、
LDS法を使用した場合に比べてディスクレパンシイが
大きいことがわかる。
【0191】また、LDS法を使用し、斥力緩和法で形
成された離散パターンは、僅かにディスクレパンシイが
増加する傾向にあるものの、充分にディスクレパンシイ
が低い状態を保持していることが理解される。一方で、
従来の擬似乱数発生法を使用する場合には、斥力緩和法
によりディスクレパンシイは、大きく、または小さくな
っているが、これは、擬似乱数発生法を使用した場合に
は、一様性に劣るため、斥力緩和によりドットの移動す
る距離が大きいものもあるためと推定される。これに対
応して緩和時間に対する依存性も大きく、斥力緩和法は
従来の擬似乱数発生法においても効果的ではあるもの
の、計算機資源、計算労力の面でLDS法と併用するこ
とが好ましいといえる。
【0192】図21は、本発明により生成された離散パ
ターンと、擬似乱数を用いた方法を使用して生成された
離散パターンとを比較して示した図である。図21
(a)が、本発明によりLDS法および斥力緩和法を使
用して生成した離散パターンであり、図21(b)が、
擬似乱数発生法および斥力緩和法を使用して生成した離
散パターンである。適用する斥力モデルについては同一
のモデルを使用した。図21(a)に示されるように、
本発明にしたがって生成された離散パターンは、そのラ
ンダム性が一様で、ほとんどドットの濃淡は観測されな
い。
【0193】しかしながら、図21(b)に示す擬似乱
数発生法を使用して生成された離散パターンは、ドット
の濃淡が目視で観測され、一様性が劣ることが示されて
いる。図21に示した結果は、本発明において使用する
LDS法が良好な初期位置を与えることに加え、本発明
において採用する斥力緩和法が、ディスクレパンシイを
小さく抑えつつ、隣接したドット間の重なり合いを排除
することが可能であることを示すものである。
【0194】図22には、図20のプロセスを使用し
て、初期位置をLDS法により与え、かつ等方的な指数
関数型斥力モデルを使用して得られた本発明の離散パタ
ーンを示す。斥力モデルにおいて使用したパラメター
は、n=1、D=0.8mm、L1=0.4Dであり、
ドット形状は、0.1mm角の正方形とした。図22
は、区画内に生成された離散パターンのうち、4mm×
5mmを拡大して示したものである。さらに、図22で
は、充填率を70%と設定している。図22に示される
ように、本発明によれば高い充填率においても良好な一
様性を持つランダムな離散パターンを形成することがで
きることが示される。
【0195】なお、図22の計算においては、緩和時間
を非常に長くとっても正方格子の規則的な配列に帰着さ
れることはない。逆に言えばこのことは、正方格子か
ら、擬似乱数に基づく摂動で図22に示した適切な不規
則パターンが生成され得ないことを意味しており、本発
明が採用するLDS法および斥力緩和法の相乗的な効果
により、良好な離散パターンが生成されているものと結
論することができる。
【0196】図23には、同じ充填率(70%)におい
て、矩形的指数関数型モデルを採用した場合に得られた
本発明の離散パターンを示す。使用した斥力モデルにお
けるパラメータは、n=1、D=0.1mm、L=0.
15Dであり、ドットの形状は、0.1mmの正方形と
した。図23に示した領域は、図22において説明した
と同一の領域である。図23に示されるように、斥力模
型のパラメ−タを調整することのみにより、用途に応じ
て離散パターンの様相をかなり自由に変化させることが
見出された。
【0197】図22および図23の結果から、ドットの
形状に応じて、最適な斥力モデルが存在することが示さ
れる。例えば、長方形のドットに関しては、楕円型の斥
力到達範囲をもつ斥力模型が適合するといえる。上述し
た本発明の高い柔軟性は、従来の方法においてはまった
く得られないものであり、例えば特開平10−1537
79号公報において開示されている方法に比較して、は
るかに高い柔軟性を与えることができると共に、高い充
填率においても良好な一様性の離散パターンを提供する
ことを可能とするものである。
【0198】一方で、上述した斥力緩和法を適用する場
合、境界条件の扱いが重要となる。何の条件も課さない
とドットが区画の全体が広がってしまうためである。場
合によっては、ドットの配置される領域を複数の区画に
分割して条件を変えて不規則パターンを計算させたい状
況も考えられる。このためつなぎ目などを排するという
観点からは境界条件の選択は、特に重要となる。
【0199】一様分布か、それに近いような充填率分布
の場合には、いわゆる周期的境界条件により斥力を計算
して充分良い結果が得られる。しかし端部において充填
率が最大になる場合などには、上述した力学的な斥力モ
デルによるドットの再配列を行う結果、充填率分布に誤
差が生じる場合もある。この理由は、周期的境界条件を
使用するために、境界において仮想的に充填率の不連続
が生じるためである。そのような場合、LDS法で生成
した初期位置を境界において反転させ、それを外場とし
て記憶し、それ以後の境界条件とすることもできる。本
明細書においては、上述した境界条件の設定を、自己相
似境界条件と定義する。その説明を模式的に図24に示
す。この境界条件を用いると充填率の不連続もなくな
り、良好な結果が得られることが見出された。なお、初
期位置を境界条件として使えることは、LDS法により
与えられる初期位置自体が高い一様性を有し、かつラン
ダムなためである。
【0200】また、いったん個々の区画について独立に
離散パターンを計算させ、これらの離散パターンを接合
しようとする場合には、まず自己相似境界条件を用いて
部分的な離散パターンを計算させ、その後谷間の部分に
ついて斥力緩和法を使用して計算を実行させることがで
きる。その際、境界条件は、周囲のパターンから得られ
る図24に示すような外場を採用することができる。図
24においては、所定の区画内のドットを10aで示
し、境界Bndに対して反転されたドットを10bで示
している。後述するように所定の充填率分布を守った上
で周囲と継ぎ目のないパターンが得られるのは、ドット
間に斥力緩和法による相互作用を導入しているためと考
えられる。
【0201】<セクションC> 充填率の連続的な変化:確率抽出法 離散パターンを現実的な用途に適用する場合には、一様
なランダム性を保持させつつ充填率を変化させることが
必要となる場合も発生する。本発明においては、ドット
の充填率を連続して変化させ、かつ目視される欠陥を離
散パターンに与えないようにするために確率抽出法を使
用する。本発明を透過型液晶表示装置のバックライト・
ユニットの導光板などに適用する場合に必要とされる充
填率分布を、図25に示す。図25の左下隅の充填率
は、約60%、その対角側が約30%程度の充填率とさ
れていて、それらの間を充填率の等高線で示す。
【0202】このような充填率分布を与えるのは、四隅
において散乱性を増加させることで、透過型液晶表示装
置の画面の四隅で現われがちな低輝度領域を解消するた
めである。図22に示すような連続的な充填率分布は、
格子点からのランダム摂動を考える従来の方法では、モ
アレ模様や、目視される境界を生成させることなく実現
することは、実質的に困難である。本発明においては、
確率抽出法を採用し、離散パターンを生成する全領域を
所定の大きさ、例えば、数mm程度の区画に分け、そこ
にまずおのおの充填率を定義する。このとき、区画iの
充填率をdiとして定義する。充填率から、下記式
【0203】
【数76】 で与えられる変量を定義する。ここで和は、すべての区
画にわたって行う。この量を各区画に定義された確率と
みなし、その確率に応じて所定の充填率とすべき区画を
選択する。すなわち、Uを区間(0、1)で定義された
ディスクレパンシイとし、方程式
【0204】
【数77】 から区画kを選択する。離散的関数Fは、累積確率分
布に相当する量である。そうして区画k内で再度2組の
ディスクレパンシイの値を用いて位置を選択する。この
ようにして選択することにより、初期位置において任意
の充填率分布を実現することができる。以下の再構成処
理によりドットのずれが生じるものの、この充填率が連
続関数で与えられている限り、また、斥力模型の到達範
囲と減衰距離が正しく充填率に応じてスケーリングされ
ている限り、充填率分布のずれはほとんど無視し得る。
本発明においては、上述した手法を確率抽出法と定義す
る。
【0205】確率抽出法と緩和法を組み合わせて使う場
合、斥力のパラメターを充填率によってスケールするの
は重要である。充填率が70%程度から10%程度まで
変化する導光板等の用途に関しては、
【0206】
【数78】 の範囲に取るのが望ましい。ここでΔrはドットの平均
間隔であり、ドットを所与の充填率を満たすように正方
格子上に並べたときの格子間隔と定義する。充填率αと
【0207】
【数79】 のような関係で結ばれる。ここでsはドットの最大径で
ある。例えば、ドットが0.1mm、充填率50%であ
れば、約0.14mmとなる。上記範囲の中で斥力模型
に応じて適切にパラメターを選べば、ドット間の平均的
な距離がほぼΔrを中心にして分布する。Δrの数倍に
もなるDを取った場合、ドットの重なり等がうまく排除
されないことが判明している。このスケーリングを行う
ことで、充填率が変化する場合はもちろん、ドットの径
が連続的に変化する場合にも、共通のDおよびLを用い
て、ドットの重なりなどのない均一な不規則パターンを
得ることができる。
【0208】図26は、本発明において、確率抽出法を
使用して生成された連続的に充填率の変化する離散パタ
ーン、およびその部分的拡大図を示した図である。図2
6に示した離散パターンは、矩形ドットに対し、図25
に比例する充填率分布を持つ充填率とされている。図2
6の算出においては、斥力モデルを、n=1、k=0.
5、D=Δr[mm]、L=0.4Dの楕円指数型とし
た。ドット径は0.1mmとして充填率を計算した。図
26に示されるように、本発明により生成された連続的
に充填率が変化する離散パターンは、充填率の変化する
境界領域において目視される一様性の低下はなく、また
モアレ模様といった問題も発生することなく、良好な離
散パターンを与えることがわかる。
【0209】<セクションD> 離散パターンのLDS法におけるディスクレパンシイの
範囲 (D−1)ディスクレパンシイの範囲
【0210】ディスクレパンシイについての計算を、様
々のパターンについて実行させた結果を図27に示す。
ここでは横軸にN、すなわち計算領域におけるドット数
を取っている。図27に示されるように、それぞれのデ
ィスクレパンシイは所定の区画内に配置されるドットの
数に応じて変化している。図27において+は充填率5
0%の一様パターンについて、擬似乱数によってドット
を分布させたときのDの値を示す。図27の一点鎖線で
示すように、この値は、図27に示したNの範囲内で
は、D=0.15/Nの直線の周りに分布する。ここで
Dは、ランダムなパターンに対してある正方形領域を取
り、各ドットの中心座標に対して計算される。Nは、そ
の正方形領域内に入るドットの個数である。図27中、
◇は一様充填率(50%)の時に擬似乱数によって決め
た初期配置を、斥力緩和法によって重なり排除を行った
ものである。この場合は、斥力緩和法によってムラが減
少させられるために、Dの値は、分布の揺らぎの範囲内
で擬似乱数そのものよりも小さくなる傾向にある。しか
し図21において説明したように、LDSで初期位置を
決めた場合(○および黒三角)に比べて、分布には多少
なりとも偏りが存在しており、分布の揺らぎの範囲内で
Dの値はそれらよりは大きくなるといえる。図27を含
む様々な計算結果により、図21のようなムラが現れな
いためには、Dの値は、所定の条件を満たすことが必要
であることがわかった。ここでDは、ランダムなパター
ンに対してある正方形領域を取り、各ドットの中心座標
に対して計算される。Nは、その正方形領域内に入るド
ットの個数である。ここでDは、ランダムなパターンに
対してある正方形領域を取り、各ドットの中心座標に対
して計算される。Nは、その正方形領域内に入るドット
の個数である。ただし、充填率分布が存在するランダム
なドット・パターンの場合は、計算領域内で[(最大充
填率)―(最小充填率)]/(最大充填率)の値が0.
05を越えないようにする。この理由は、充填率の分布
がムラとしてDに反映されないようにするためである。
また、計算領域の充填率は、計算領域を10個以上10
0個以下のドットが入るような大きさの区画に分割した
場合に、その区画に入るドットの個数から求めるものと
する。
【0211】上述した検討の結果、本発明において提供
されるべき一様性を与えるためには、所定の区画内に配
置されるドットの数が4000以下の場合に、ディスク
レパンシイの2乗であるDが、下記式
【0212】
【数80】 を満足することが必要であることが見出された。ここで
Nの範囲を4000以下に決めたのは、これ以上になる
と、ディスクレパンシイを計算する領域が大きくなり、
充填率分布が存在するような場合にはそれがDの誤差を
生じさせることがあるためである。本発明においてはさ
らに、斥力緩和法により生成された離散パターンについ
ては、Nが50から4000の範囲で、D≦0.13/
1.15を満たす時に、明らかに目視し得るムラのな
い、一様な離散パターンとなることが判明した。
【0213】さらに、本発明においては、上式に加え
て、Nが50から4000の範囲で、D≦0.30/N
1.15を満たすときに、目視し得るムラの存在しない
非常に一様なランダム・パターンが得られることが判明
した。図に示したように、一様な充填率分布(50%)
に対してLDSを初期値に使い、斥力緩和法で重なり排
除を行った場合の離散パターン(○)はこの条件を満た
している。この場合のディスクレパンシイは、LDSに
よるものよりも僅かに増加する傾向にあるが、擬似乱数
の場合の減少の度合いと比べれば、その変化ははるかに
小さい。確率抽出法により充填率分布をつけ、LDSで
初期位置を与えた場合(黒三角)は、Dの値にばらつき
が大きくなる傾向にあるが、そのばらつきの範囲内で上
記条件を満たす。
【0214】ここで留意するべきことは、ディスクレパ
ンシイが低いことが直接ランダムな離散パターンを与え
ないことにある。ディスクレパンシイが低いことは、一
様性といった点では良好ではあるものの、規則的な格子
でもディスクレパンシイが同程度に低い離散パターンが
あり得る。このような場合には、いくらディスクレパン
シイを低く抑えたところで、モアレ模様が発生して特に
光学的な用途には適用するには不適切である。すなわ
ち、ディスクレパンシイが低いことは、本発明において
一様性を与えるための必要条件であるが、一様で、かつ
ランダムな離散パターンを与えるための十分条件ではな
い。
【0215】そこで、本発明者らは、目視観察において
一様であり、かつ実用上問題のないランダム性を与える
離散パターンを複数種、本発明の方法により生成して鋭
意検討を加えた。
【0216】図28は、擬似乱数発生法を使用して発生
された離散パターンを示した図であり、図29は、LD
Sおよび斥力緩和法を用いて生成された離散パターンを
示した図である。図28および図29に示されるよう
に、両者には一様性といった点で、大きな違いがあるこ
とがわかる。本発明者らは、図28および図29に示さ
れる離散パターンから実測されるDの計算を行った。計
算にあたっては、図28および図29に示したように、
点Pを固定し、矩形領域の一辺の長さx1およびy1を
変化させてDを計算した。
【0217】その手順の概略を示すために、領域を正方
形(x1=y1)とし、その1辺とDとの関係を、図3
0に示す。図30(a)が図29に示した離散パターン
について得られたディスクレパンシイであり、図30
(b)が、図29において実測されたディスクレパンシ
イを示す。図28のパターンに比べ、図29のパターン
のDが小さいことが明らかに見て取れる。これは図28
におけるムラの存在を反映した結果である。すなわちD
は実際に不規則パターンの一様さの指標となっているこ
とを実証するものである。
【0218】(D−2)ランダム性の指標 本発明者らは、ランダム性の指標として総変動量S
下記式により定義した。
【0219】
【数81】 上記式中、gは、所定のドットを中心とした動径分布関
数であり、
【0220】
【数82】 で定義される。ここでδは、ディラックのデルタ関数、
Rは所定のドットを原点とした場合の他のドットまでの
距離を表し、その和は、対象とする領域における(原点
ドット以外の)すべててのドットの中心位置にわたって
算出する。また、上記式中Nは、その領域に入るドット
の総数である。和をとる領域は、原点ドットを中心にし
た正方形領域とし、その正方形の中に例えば50個以上
のドットが入るようにすることを目安とすることができ
る。
【0221】上記の関数は、半径rの円周上における単
位長さあたりのドットの存在確率密度と解釈できる。こ
れは規格化条件
【0222】
【数83】 が成り立つことから理解できる。例えば、図31に示す
5×5の正方格子の各格子点にドットが配置されている
場合について説明する。この場合には、中心位置周りの
動径分布関数は、下記式
【0223】
【数84】 で与えられる。上式中、aは格子定数である。これが上
記規格化条件を満たすことも容易に確かめられる。実際
にはデルタ関数は、下記式
【0224】
【数85】 のようなガウス関数で置き換えて計算する。これはひと
つには有限の測定誤差を考慮したものである。ここでs
は、下記式
【0225】
【数86】 となるように選択する。Nに関係しているのは、gを計
算する際周囲のドット個数が有限であることを考慮に入
れたものである。Δrは所与の充填率を満たす正方格子
を考えたときの格子定数である。
【0226】上述した正方格子のgを図32(a)に示
す。図32(a)は、s=a/24とした場合のgを示
している。図32(a)に示されるように、ピークがト
ゲ状シャープに変化していることは、ドットが規則的に
配置されていることに対応する。これは中心ドットに対
して周囲のドットの位置が規則的に離散しているためで
ある。逆にいえば、もしもドットの配置が不規則であれ
ば、充分大きなNに対しては、原点ドットに対して平均
されたgにおいて図32(a)のようなシャープなピー
クは現れず、滑らかな関数になることが期待される。そ
こで、rからrの範囲で、下記式、
【0227】
【数87】 で定義される関数に対して、
【0228】
【数88】 と定義し、これを規則性の指標、すなわち総変動量とす
る。ただし、ここでのgもしくはgは、原点のドット
位置を様々に変えたときの平均的な分布関数と見なされ
る。
【0229】ここで、gavを下記式
【0230】
【数89】 とした。この値を図32(a)では点線で示した。S
は、図32(a)における面積A、B、C、D...の
和に対応している。
【0231】上述した正方格子に対してsを変化させて
シミュレーションを行った結果を図32(b)に示す。
規則格子では、原点ドットに対して平均した分布関数
は、任意のドットの周りの分布関数に厳密に等しい。こ
こではsの値を上から順にa/24、a/10、a/2
とし、r=1、r=3とおいた。図32(b)に示
した計算例は規則格子を使った例ではあるが、ガウス関
数をドット中心位置の揺らぎを表す関数と解釈すること
ができるので、sを大きくすることが擬似的に不規則性
を再現することになる。図32(b)において横に引か
れた破線は、g 、すなわちgの平均値である。こ
こでは5×5の格子を例として考えているので、gav
は、図32(b)において1から3の範囲において計算
するものとした。図32(b)に示すように、関数がな
だらかであるほどSの値が小さくなっていることがわ
かる。すなわち、規則性が低いほどSの値は小さいと
結論される。
【0232】ここで本発明の離散パターンを光学的用途
に提供する場合に、モアレ模様などの不都合を生じさせ
ないためには、ドットの規則性が充分に低くなければな
らない。本発明者らは実際に生成されたランダムなドッ
ト・パターンに対し鋭意検討を加えた結果、Dについて
上述した条件を満たすと共に、r=1.0Δr、r
=4.0Δrとしたとき、Sが0.7以下である場合
に実用上問題のないランダム性を有していることが見出
され、さらにはSが、下記式、
【0233】
【数90】 を満たすことが実質上モアレ模様を確実に発生させない
点で好ましいことが見出された。また、本発明者らは、
鋭意検討を加え、この条件を満たさないパターンは、多
かれ少なかれドットが規則性を残しているため、モアレ
模様が目視で確認できるほどに生成するという不都合を
与えることを確認した。
【0234】(D−3)離散パターンからのディスクレ
パンシイおよび総変動量の算出 上述したディスクレパンシイおよび総変動量を現実の離
散パターンから算出するためには、種々の方法を採用す
ることができる。例えば、離散パターンをディジタルカ
メラ、スキャナなどによりディジタル・データとする。
その後、得られた離散パターンを含むディジタル・デー
タから、図28、図29において説明した手法を使用し
てディスクレパンシイを算出する。さらに、離散パター
ンのディジタル・データから上述した(D−2)におい
て説明した各パラメータを算出し、総変動量Sを求め
ることにより、離散パターンを含む物体から、本発明に
おいて規定される離散パターンの一様なランダム性を判
断することができる。
【0235】離散パターンは、2次元的形状として与え
ることも可能である。また、フォトリソグラフィーとい
った手段により物体に対して離散パターンを付する場合
には、離散パターンは、3次元形状として形成すること
ができる。離散パターンが、3次元形状として形成され
ている場合には、離散パターンを形成する構造のいかな
る部分を基準として用いて、本発明の一様性、ランダム
性の判断を行うことができる。さらに、適切なディスク
リミネーション、トリミングといった画像処理を行い、
必要な特性を与える領ドット形状を特定し、そのドット
につき、本発明の一様性、ランダム性を有することを判
断することもできる。
【0236】加えて、本発明においては、モアレ模様が
発生しないことが特に光学的用途に使用する場合には必
要とされる。この場合には、上述したように測定された
離散パターンのディジタル・データから得られた離散パ
ターンの動径分布関数を検討することもできる。本発明
において、特にモアレ模様を発生させないためには、上
述した離散パターンの平均的動径分布関数が、鋭いピー
クを有しないことが好ましい。しかしながら、モアレ模
様が問題とならない、例えばスリップ防止用のパター
ン、ディザリング処理のためのパターンなどにおいて
は、特に動径分布関数の制限に配慮する必要はない。
【0237】パートII:ドット自動生成法による離散
パターンの生成 本発明における第一の構成では、上述したように領域全
体を小区画に分割し、各小区画内では充填率が一様であ
るとみなして各小区画に対して確定的な点列発生方法を
使ってドットを生成した後、小区画内部及び小区画どう
しの間に発生した充填率の不具合を、緩和法を使って緩
和させることにより、ドットパターンを生成することも
できる。しかしながら、生成するドットの個数は小区画
単位でドットを生成させる段階で既に決定しており、緩
和法の過程でドット数が増減することはない。したがっ
て充填率分布関数の勾配が急激に変化する部分におい
て、予め定められた充填率ではなく、充填率を必要に応
じて変化させるべく、ドットを生成することが望ましい
場合もある。
【0238】図33には、予め充填率を定めておき、ド
ットをランダム化させるように斥力緩和法により緩和さ
せた場合の実施の形態を示す。図33に示されたドット
パターンでは、充填率の勾配が大きいため、充填率の谷
の部分で、緩和に伴うドットの移動の自由度が制限さ
れ、その結果、緩和過程においても望ましい時間的変化
を示さないことが原因である。このような欠陥は、上記
のように小区画ごとにドットの初期個数を固定する方法
では多かれ少なかれ見られるという不都合があった。こ
の場合は、ドットを小区画ごとに生成または削除するこ
とにより、図33に示したような不都合を防止すること
ができる。
【0239】以下、本発明におけるドット自動生成によ
る離散パターンの生成について詳細に説明する。本発明
においては、パートIにおいて説明したと同様に、ドッ
トを所定の領域へと配置する。しかしながら、本発明の
ドット自動生成法では、入力データとして、1)ドット
を生成する矩形領域、2)1つのドットの面積、3)矩
形領域上に定義された充填率分布関数を与える。本発明
のドット自動生成・削除法において使用する矩形領域お
よび充填率分布関数を図34に示す。図34(a)が矩
形領域を示したものであり、図34(b)が図34
(a)に示した矩形領域上に定義された充填率分布関数
を示した図である。
【0240】図35において本発明において用いるドッ
トに関連する概念であるバブルを説明する。ここで、図
35においてはドットをPi(i=1、 …、 n)とする。本発
明の特定の実施の形態においては、すべてのドットは同
じ面積Aを持つものとする。ドットPiの中心(xi、 yi)
を指定すると、充填率分布関数を使ってその位置での充
填率Gi(xi、 yi)%が計算できる。充填率とは、単位面積
当たりのドットの面積総和の百分率である。1つのドッ
ト位置を考えたとき、その位置で指定した充填率が満た
されるために他のドットが内在してはいけない円形領域
を決めることができる。この円形領域のことをバブルB
として定義する。図35に示した実施の形態において
は、中心(xi,yi)にドットが配置されており、直径diの
バブルBが面積Sとされているのが示されている。
【0241】このバブルBは、中心が[xi、 yi]で、直
径がdi(xi、yi)とされており、本発明においては、たと
えば具体的には、下記式により与えることができる。
【0242】
【数91】 上記式中、Gi(xi,yi)は、百分率で表示した充填率であ
り(例えば80%)、Aは、ドットの面積である。上述
したように、本発明においては、ドットの面積は予め与
えられているので、矩形領域内の一点[xi、yi]を指定す
ると、充填率分布関数を使ってその位置でのバブルの直
径dを求めることができる。
【0243】本発明は、上述したバブルを使用して、以
下、 1) 初期ドットの生成ステップ(省略可能) 2) 引力斥力モデルを用いたドット座標値の更新ステッ
プ 3) 適応的なドットの追加削除ステップ のステップを用いることにより、ドットの自動生成・自
動削除を行い、生成されたドットを含めて力学的な緩和
を行わせることで、特に充填率分布が急に変化する領域
において良好な離散パターンを生成する。
【0244】以下、初期ドット生成ステップについて説
明する。初期ドット生成ステップは、本発明において
は、使用することもできるし、また、省略することがで
きる。初期ドット生成ステップを省略する場合には、ド
ットが0個の初期状態からスタートすることになる。そ
の後順次ドットを増加させ、ドット自動生成・削除ステ
ップでドットを順次矩形領域内に追加してゆくことがで
きる。しかしながら本発明においては、所望するドット
パターンに近いドットパターンを最初に生成しておくこ
とにより、所望するドットパターンを生成するまでの計
算時間、記憶容量といったハードウエア資源を節約でき
る。本発明において、初期ドット生成ステップを省略す
る実施の形態においては、後述するドットの引力・斥力
緩和による位置座標更新ステップおよびドット追加削除
ステップを繰り返して適用することにより、ハードウエ
ア資源の容量に応じて実行することが可能なので、以
下、本発明の実施の形態においては、初期ドット生成ス
テップを含む手順について説明する。
【0245】上述したように、本発明において採用する
初期ドット生成ステップは、計算時間を短縮する目的の
ために、求めたいドットパターンに近いドットパターン
を生成するステップである。本発明においては、上述し
た初期ドット生成ステップにおいていくつかの方法を使
用することができる。図36には、本発明において使用
することができる4分木を使用する方法を示す。図36
に示された四分木を使用する方法は、まず矩形領域の中
心にバブルを配置する。このバブルの直径は上記式から
その点における充填率を使用して計算したものである。
このバブルが矩形領域の十分な面積を覆っているsで示
された区画では、そのバブルを残してこれ以上の分割を
しない。十分な領域を覆っていないisで示された区画で
は、4分木を使用して矩形領域を4つの小区分に分割
し、それぞれの小区分に対して同じ処理を行ない、それ
ぞれの小区分についてバブルを配置する。この処理を再
帰的に繰り返すことにより、図36(c)で示されるよ
うにバブルを与え、与えられたバブルの中心位置をドッ
トの位置として決定することで、初期ドットを生成す
る。本発明のさらに別の実施の形態においては、初期ド
ットを上述したパートIで説明したように、充填率分布
を使用したLDS法により生成することもできる。
【0246】本発明においては、ついで引力斥力モデル
を用いてドットの位置座標を調節して最適な引力・斥力
ポテンシャル内において初期ドットの配置を修正する。
ドット座標値更新ステップでは、2つのバブルが近接し
た位置にある場合にそれらに斥力を作用させ、また離れ
た位置にある場合には引力を働かせて、これらの力が釣
り合う位置にバブルを移動させ、移動後のポテンシャル
エネルギーが最低となる位置座標へとバブル中心位置を
設定する。
【0247】より具体的に説明するため、2つのバブル
B1、B2の間のポテンシャルを考察する。2つのバブルの
中心は、それぞれ[x1、 y1]、 [x2、 y2]、であり、直
径がそれぞれd1(x1、 y1)、 d2(x2、 y2)であるとす
る。2つのバブルの中心間の距離を変数rで表すと、rが
下式で計算される値r0であるとき、2つのバブルは接し
ている状態で、引力・斥力ともに均衡した状態である。
この状態を斥力関数と共に図37に示す。図37に示す
ように、互いに隣接するバブルは、バブルが重なり合う
場合には、斥力が作用し、バブル境界が接している場合
には、斥力および引力が共に作用せず、バブルが互いに
離れている場合には、引力が作用する構成とされてい
る。
【0248】
【数92】 この状態を安定状態と考え、力が作用しない状態とす
る。また、図37に示されるように、rがr0より大きい
ときに引力が、r0より小さいとき斥力が働くようにバブ
ル間力を決める。1つの例として、下式f(r)のようにバ
ブル間力f(r)を定めることができる。
【0249】
【数93】
【0250】図37に示した上記式が表す関数f(r)は、
斥力到達距離Dを有しており、斥力項と、引力項とを含
んでいる。本発明において、ドットを自動的に生成する
場合には、特に斥力ばかりではなく、図37に示した引
力を考慮することが好ましい。このため、パートIで示
された各種ポテンシャルのうち、引力項を含む関数をド
ット自動生成ステップにおいて使用することができる。
この理由としては、ドット自動生成法を用いた場合に
は、生成されるドットと他のドットとの間の斥力ばかり
ではなく、離れたドットへと近づけることを考慮するこ
とが必要とされるためである。
【0251】本発明において採用するドット自動生成ス
テップにおいては、新たに生成された1つのバブルBi[x
i、 yi]は、周囲に位置する複数のバブルから上記式に
より与えられる力を受けて新たな座標を取得することに
なる。この際、ポテンシャル・エネルギーによる運動方
程式としては、たとえば下記式を用いることができる。
【0252】
【数94】 ここでtは、時間であり、mは、ドット質量であり、c
は、ドットの移動の際の抵抗を表す係数である。この上
記式を、差分を使って書き換えた式を用いて、反復毎に
時間Δtを一定量増加させることにより、移動先の位置
を計算する。このようにして求まったバブルの中心位置
をドットの位置として決定する。
【0253】さらに、本発明のドット生成方法において
は、3番目のステップである、適応的なドットの追加削
除ステップを実行する。このドット自動生成ステップ
は、生成されたドットの移動とともに、反復処理の中で
繰り返し行われる処理である。ドット追加削除ステップ
では、矩形領域内に適正な数のバブルを生成するため
に、反復計算の過程で重なりの激しいバブルを削除し、
隙間部分には、新規のバブルを追加する処理を行う。本
発明においては、上述したドット追加削除ステップにお
いて使用することができる方法は種々考えられるもの
の、1つの方法として、ドローネ三角形分割を利用して
バブルの追加削除を行う方法を挙げることができる。
【0254】本発明において、ドローネ三角形分割を利
用する方法では、まず既存のバブル中心を結ぶドローネ
三角形メッシュを生成する。メッシュの辺長さとその両
端のバブルから計算されるr0値(バブル半径の和)とを
比較する。辺長がr0と比べてある割合以上に大きい場合
には、その辺の中点に新しいバブルを生成する。一方辺
長がr0と比べてある割合以下に小さい場合には、両端の
バブルのどちらか一方を削除する。このバブルの追加削
除は、必ずしも反復の度に行う必要はなく、反復数回に
一回行うだけでもよい。
【0255】本発明においては、上述したドローネ三角
形分割以外にもいかなる方法を使用しても、バブルの生
成・削除処理を行うことができる。たとえば、隣接する
バブルの距離に対して一定のしきい値を設けておき、こ
のしきい値以上に離れたバブルの間の重心に新たなバブ
ルを生成する方法、またバブル間の距離に最小しきい値
を設けておき、最小しきい値よりも小さな距離しか離れ
ていないバブルのうちの一方を消滅させる方法など、適
切にバブルを追加削除することができる限り本発明にお
いては、いかなる方法でも採用することができる。
【0256】以下、本発明のドット自動生成法の具体的
な実施の形態を詳細に説明する。本発明においては、ド
ット自動生成法は、ドットの自動生成および自動削除を
適応的に行い充填率分布を適正に保つことを目的として
行われる。このために本発明において使用することがで
きる処理プロセスは、図38に示す。図38(a)は、
所定の矩形領域にドットを生成させるための概略的な手
順を示し、図38(b)には、ドット追加・削除プロセ
スの概略的な手順を示す。本発明のドット自動生成処理
における入力データは、3種類あり、ドットを生成した
矩形領域と、ドット面積と、充填率分布関数である。こ
の矩形領域は、ドットを生成したい領域に、充填率分布
が正確に得られるように、本発明の特定の実施の形態で
は、端部付近のマージンをつけた領域として与える。ド
ット面積は、上記式を使って充填率からバブル直径を計
算するときに使われる。3つめの入力データである充填
率分布関数は、ドットを生成する矩形領域上に定義され
た充填率分布関数である。このドット生成において使用
することができる矩形領域を図39(a)に示し、充填
率分布関数を図39(b)に示す。矩形領域内の一点を
与えると、その点での充填率はこの充填率分布関数から
計算される。
【0257】図38のフローチャートを使用してドット
自動生成・自動削除処理について説明すると、ドット自
動生成・削除処理は、ステップS20から開始し、ステ
ップS21において、矩形領域と、ドット面積と、充填
率分布関数とを入力する。ついで、図38の手順では、
ステップS22において矩形領域境界にドットを生成す
る宣言を行う。この宣言の後、図38(b)に示したド
ット自動生成・削除の手順を、矩形領域の境界について
実行する。図38(b)の手順が収束した後、図38
(a)に示すステップS23へと結果を渡し、矩形領域
内部にドットを生成する宣言を行う。その後、再度図3
8(b)に示した手順を使用して、矩形領域の内部にド
ットを生成させ、その結果をステップS24へと渡して
結果を出力させ、ステップS26で本発明のドット自動
生成・自動削除処理を終了する。
【0258】上述したステップS22で生成した矩形境
界上のドット座標値を固定したうえで、ステップS23
を実行させるのは、矩形領域の境界領域にバブルを生成
しておくことで、ステップS23で生成するドットが反
復計算過程で矩形外部に移動しないようにするためであ
る。すなわち、ステップS22の手順を予め実行してお
くことで、境界付近に位置するドットは、境界上のドッ
トから斥力をうけるため、矩形外部にはみださないよう
にすることができる。
【0259】またこの際に用いる矩形領域は、図39
(a)に示すように、実際に利用される領域にマージン
をつけて矩形領域が与えられている。この理由は、ステ
ップS22の実行により、利用する領域境界線に沿って
ドットが整列することになり、もしマージンがない場合
には矩形領域が互いに隣接する境界部でモアレなどを生
じる原因となる。このため、利用したい領域境界にドッ
トが整列しないようにするために、マージンをつけて矩
形領域を生成する。図39(a)ではドットを生成する
領域を矩形領域として図示しているが、本発明において
は、目的に応じて任意の形状の領域を使用することがで
きる。また、図39(a)では、ドットを生成する領域
を平面領域として図示しているが、本発明においては、
目的に応じて曲面形状など立体的な領域を使用すること
もできる。
【0260】さらに、本発明においては、図38(a)
のステップS22で行う処理は線分(1次元図形)を対
象に、一方ステップS23で行う処理は矩形領域(2次
元図形)を対象に行うが、それぞれのステップにおいて
使用する処理は同様に、図38(b)で示した手順を用
いることができる。図38(b)の手順を説明すると、
ステップS28においてまず最初に初期ドットを生成す
る。この場合については、本発明においてはLDS法、
または乱数発生法のいずれでも使用することができる。
しかしながら、本発明の特定の実施の形態では、良好な
離散パターンを比較的短時間で得るためには、LDS法
を使用して初期ドットを生成することもできる。つい
で、ステップS29において反復計算の過程で、ドット
の座標値を更新する。この反復計算は、ステップS30
におけるドット座標値の更新量が所定のしきい値よりも
小さくなった場合に、ドットの移動がほぼ終了したもの
と判断し(yes)、その結果をステップS23へと渡
す。
【0261】それ以外の場合(no)には、ステップS
31でドットの自動生成・自動削除を行い、再度ステッ
プS29におけるドット座標値の更新を実行する。再度
ステップS30の判断を行い、ドットの座標値の更新量
が十分に微小である場合(yes)にその結果出力デー
タとしてステップS24へと渡し、矩形領域内部に充填
されたドットパターンの出力を行い、ステップS26で
処理を終了する。以下、それぞれのステップに関して、
以下に詳しく述べる。
【0262】以下、まず図38(b)のステップS28
の初期ドットを生成するステップについて詳細に説明す
る。このステップは先に述べたように、求めたいドット
パターンに近いドットパターンを最初に生成しておくこ
とにより、計算時間を短縮させるために行う処理であ
る。図36において示したように、上述したように4分
木を使う方法を使用して初期ドットを生成することがで
きる。なお、本発明において4分木を使用する場合に
は、ステップS22における処理では対象が線分なの
で、2分木を使い、ステップS23における処理ではで
は対象が矩形領域であるために4分木を使って初期ドッ
トを生成することができる。
【0263】また、本発明においては上述したように、
予めLDS法により初期ドットを与えておく方法を用い
ることができる。即ち矩形領域を複数の小区画に分割
し、各小区画に対しては、充填率を一定と考えて、LD
Sを使って初期ドットを生成することができる。また、
本発明においては、初期ドットを予め生成しておく場合
には、初期ドットに対して、各小区画ごとに充填率分布
に揺らぎを与えておき、より離散パターンの離散性を向
上させることもできる。
【0264】以下、図38において、ステップS29の
ドットの座標値を更新するステップについて述べる。こ
のステップでは、各ドットに対して1つのバブル(円形
領域)を対応させ、バブル間に引力・斥力を作用させる
ことにより、ドットの新しい位置を計算する。バブル間
に作用する力は上記式を使って計算する。また、ドット
の運動については、上記式の運動方程式を使用して解析
を行い、引力・斥力の総和が減少するようにドットの新
しい位置座標を計算する。
【0265】なお、ステップS22における処理ではバ
ブルを生成する対象が線分であるために、1つのバブル
はその両側に位置するバブルから力を受けて、線分上に
おいて新しい位置に移動する。一方、ステップS24に
おける処理では、対象が矩形領域であるために、1つの
バブルは周囲に位置するバブルから力を受けて、2次元
的に矩形領域内の新しい位置へと移動する。この際、バ
ブル間の斥力および引力は、上記式に示すように、一定
距離(本発明における特定の実施の形態においては、1.
5r0)以上離れたバブルからは力を受けないように定め
れば、一定距離以上近傍にあるバブルからの力のみを考
慮するだけですむことになるので、安定した収束を期待
でき、また計算時間を節約することができる。
【0266】さらに、本発明のドット自動生成・自動削
除処理における反復計算の実行を判断する処理である、
ステップS30を説明する。上述した処理によりすべて
のドットの移動距離を計算する。その距離の最大値が予
め定められたしきい値以下である場合には、ドットの移
動距離は微小であると判断して(yes)、反復計算を
終了する。それ以外の場合(no)には、ドットの自動
生成・自動削除ステップへと進む。また、本発明におい
ては、移動距離以外にも引力・斥力の総和の変化量が所
定のしきい値以下となった時点で反復計算を終了させる
こともできる。
【0267】ついで、ステップS31では、ドット自動
生成・自動削除を実行する。まず、ステップS31で
は、互いに隣接する2つのバブル中心間距離と、r0値
(2つのバブル半径の和)とを比較する。バブル中心間
距離rがr0値と比べて、たとえば所定のしきい値以上大
きい場合には、その2つのバブルの間に新しいバブルを
追加する。その際のしきい値としては、たとえばバブル
間の距離が1.8r0といった値を用いることができる。一
方、rがr0と比べてある割合または最小しきい値よりも
小さい場合には、どちらか一方のバブルを削除する。そ
の割合または最小しきい値としては、0.5r0といった値
を用いることができる。
【0268】なお、本発明においては隣接するバブルを
特定することが必要となる。この隣接するバブルを特定
する手法としては、ステップS22における処理では対
象が線分であるために、線分上のバブル列を順序づけて
保持しておくことができる。一方、ステップS23にお
ける処理の場合には対象が矩形領域であるために、線分
を対象とする場合ほど容易ではない。このため、まずド
ローネ3角形分割を使ってバブル中心をノードとする3
角形メッシュを生成する。その結果3角形の辺で結ばれ
た2つのバブルを隣接バブルと判断することができる。
【0269】また、前回の反復で新規に追加されたバブ
ルが安定した場所に移動しないうちに、上述した追加削
除判定を行うと、新たに追加したバブルが削除判定条件
に合致し、削除されてしまう可能性がある。よって、ス
テップS31のドット自動生成・自動削除手順は、反復
の度に行うのではなく、所定の反復回数(5-10回程度)
ごとに一度だけ実行させることが好ましい。
【0270】図40には、上述した本発明のドット自動
生成処理により生成される以前のドットパターンを示
し、図41には、本発明にしたがってドットが生成され
た直後のドットパターンを示す。図41に示したハッチ
ングで示した新たなドットは、その後周囲ドットからの
引力・斥力に応じて最も安定な状態となる位置座標を取
得し、たとえば急激に分布関数が変化する領域において
モワレなどの光学的な不都合を抑制することを可能とし
ている。
【0271】パートIII:力学的スケーリング則に基
づく濃淡画像の2値化本発明においては、上述したLD
Sおよび斥力緩和法を利用して、所定の青色ノイズを満
足する濃淡画像の2値化を行うことが可能である。本発
明における濃淡画像の2値化においては、初期パターン
をLDS法を用いて生成した後、この初期ドットパター
ンに対して斥力緩和法を適用して、力学的多体問題とし
て濃淡画像の二値化のためのディザリング・パターンを
提供する離散パターンを提供することが可能である。以
下、本発明による濃淡画像の二値化について詳細に説明
する。
【0272】本発明の濃淡画像の二値化への適用は、上
述したようにある任意のiドットと、iドットに隣接した
ドットとの間に斥力を与え、その力学的時間発展を追う
ことにより行われる。ここで、iドットに対して、本発
明においては、運動方程式としてm、cを定数として下記
式、
【0273】
【数95】 を使用する。最右辺の総和記号は、iドットに隣接する
すべてのドットにわたる斥力のベクトル和を意味する。
上記式は、速度に比例する減衰項を含んだものとされて
いる。ここで、t0を初期時刻とする。上記式の一般解
は、t>t0に対し、
【0274】
【数96】 として得ることができる。ここで、定数の比c/mの値
は、任意に設定できる。この比を大きくした場合、たと
えばmをcに対して小さくとった場合は、具体的には、軽
い粒子を粘性の強い流体中で運動させる場合に相当す
る。この場合には、c/mが大なので、指数関数の項は、
1よりも遙かに小さく、無視することができる。このた
め、粒子の位置は、良好に下記式、
【0275】
【数97】 で示される差分方程式で記述できる。上記式中、右辺の
相互作用力の項に含まれた未知量を、過去の時刻の値で
置き換えた。多体問題の言葉でいえば、多体相関を平均
場近似したことにあたる。
【0276】本発明においては、上述した条件の下で力
学的緩和法を、LDSと組み合わせて用いることで、良
好な効果を得ることができることが見出されたのであ
る。以後、本発明の濃淡画像の2値化方法を、DLDS(dy
namical LDS)法として参照する。Ulichney(R. A. Uli
chney、 Proceedings of the IEEE、 76 (1988) 56.)
によれば、Ulichneyの基準として上に挙げた青色ノイズ
特性とは、もともと、最近接ドット間隔が主波長(prin
cipal wavelength)近傍に集中すべきとの想定から考え
られたものである。0から1の間に規格化された階調α
に対して(すなわち、α=1が黒、α=0が白)、主波
長は下記式、
【0277】
【数98】 で定義される。ただし、aはドット1個あたりの面積で
ある。最近接ドット間隔が、主波長近傍に集中するよう
な等方的ドットパターンは、青色ノイズ特性をもつこと
が知られている。本発明では、上述した主波長に対して
ドット間斥力の到達長さDを、主波長程度に設定するも
のである。すなわち、Dを斥力到達範囲として、
【0278】
【数99】 として設定する。これはミクロ量についての直接的な規
定であり、フーリエ変換等の複雑な処理なしに、結果と
して現れるドットパターンが、低いディスクレパンシイ
を保ちながら青色ノイズ特性を持つことを保証するもの
である。なお、本発明においては、斥力は等方的な中心
力であるものとする。
【0279】斥力の到達範囲の階調依存性は多少最適化
の自由度を持っている。しかしながら、上述した主波長
を力学的なスケーリングのために使用して、DLDS法を用
いることにより、優れた特性の2値化パターンを得るこ
とができる。この手法を、以下、スケーリングDLDS法と
呼ぶ。
【0280】上述したスケーリングDLDS法を適用するこ
とができる2値化手法について、より詳細に説明する。
図42には、本発明を好適に適用することができる2値
化処理の概略図を示す。図42(a)は、濃淡画像であ
る原画像OPを示し、図40(b)は、区画ごとの濃度
勾配を示し、図42(c)は、濃度勾配に関連して生成
されたドットパターンを示す。図42(a)に示すよう
に、原画像OPの複数の画素を覆うような区画に対し
て、その区画における階調勾配に忠実に初期ドットを発
生させ、それをスケーリングDLDS法で最適化する。図に
示す原画像には、図42(b)の等高線で示されるよう
に濃度勾配が存在しているのが模式的に示されている。
図42(b)では、等高線が高い側が濃度が低く、低い
側が濃度が高くされている。その濃度勾配に対応して生
成されたドットパターンが図42(c)に示されてい
る。図42(b)と図42(c)とは、PrおよびPl
どうしが対応する関係となっている。
【0281】また、本発明のスケーリングDLDS法は、周
囲の区画におけるドットパターンを記憶させておき、そ
れらのドットの作る斥力場を固定された外場として考
え、各ドットの位置座標を斥力緩和法により取得させ
る。本発明のスケーリングDLDS法によれば、区画間の継
ぎ目を実質的には見えなくすることができるので、小区
画の間に現れがちな障害を実質的に除去できる。
【0282】本発明においては、原画像における連続的
階調変化を含むような領域を、基本区画として考える。
濃度は、0〜255の階調に均等に割り当てられてお
り、それぞれの階調に対して充填率が定められている。
当該区画は、複数の原画素を含む。その区画における初
期配置の生成にあたっては、上述した確率抽出法を利用
する。これにより、位置による階調変化と調和した初期
ドットパターンが得られる。
【0283】ついで、LDS法を使用して生成された初
期ドットパターンに対して斥力緩和法を適用してドット
パターンの周波数特性を改善してゆく。その際には、ド
ット間斥力の到達範囲Dは、主波長に対するスケーリン
グ則に関連して階調値の関数としてスケーリングするの
を基本とする。しかしながら、本発明においては階調の
勾配に応じて、
【0284】
【数100】 のように、主波長に関連した関数を使用して斥力の到達
範囲を変更することもできる。
【0285】本発明者らが鋭意検討した結果、ディザリ
ィング・ビットマップの1画素あたり、100分の0.
2以上の階調勾配がある場合には、
【0286】
【数101】 で与えられる関数を使用することが効果的に青色ノイズ
特性を得ることができることが確認された。図43に
は、上記式を使用した斥力緩和法を使用して得られたド
ットパターンを示す。図43に示されるように、本発明
のDLDS法によりドット間の間隔が、階調勾配に見合って
スケールリングされており、モワレ、ムラなどの欠陥の
ない、良好な2値化画像が得られているのが示されてい
る。
【0287】また、上述したスケーリングDLDS法では、
原画像全体をひとつの小区画と見て初期ドットを生成し
て2値化作業を行うこともできるが、計算の高速化など
には、原画像を小区画に分割することが望ましい。図4
4には、本発明における濃淡画像の二値化における小区
画への分割を用いる場合の実施の形態を示す。図44に
示された区画すべてをスキャンするにあたり、境界外に
生成ドットがない場合は、上述した自己相似境界条件を
使用して、ドットパターンを生成することができる。す
なわち、初期配置を境界に折り返し、境界において形成
される斥力場を外場として採用して、斥力緩和法を適用
することができる。すでにドットパターンを生成した区
画を境界として持つ区画(例えば図44の「P3」で指定
された区画の左側境界)については、外部区画のドット
パターンの一部(境界に接する領域)を記憶しておき、
それを外場の源として扱うことができる。このようにす
れば、区画の境界で継ぎ目などは生じない。誤差拡散法
では、画質向上のため、小区画のスキャンにも様々な方
式が存在するが、本発明の手法では、このような工夫の
必要がなくなり、簡素なソフトウエアおよびハードウェ
アを用いることができる。
【0288】図45には、図44に示した小区画に分割
した後に、自己相似境界条件を使用して得られた濃淡2
値化ドットパターンの拡大図を示す。図45には境界が
含まれているが、知覚するのは困難なのが示されてい
る。また図45では例えば、図45の下側部分ではかな
り急な階調勾配が与えられているが、階調によって、ド
ット間隔が主波長の程度で正しくスケールされており、
光学的に大きな不都合が生じていないことがわかる。図
45に示すように、本発明によれば、各区画において、
周囲のドットパターンと調和させてドットパターンを生
成することが可能となり、画像分割に伴う虚像、モワレ
模様などがまったく現れない良好な二値化画像が得られ
ることが示される。
【0289】本発明者らは、さらに上述したスケーリン
グDLDS法を用いて、1対多マスク法におけるドットパタ
ーンの生成について検討を加えた。図5に示した1対多
マスク法に対して、本発明を適用する場合について説明
する。すなわち、1対多マスク法において各階調のドッ
トパターンを作成するにあたり、スケーリングDLDS法を
適用した。この場合には、各階調のドットパターンは、
厳密にはMitsa-Parker条件を満足しないものの、本発明
者らが検討したところ、1対多青色マスク法として充分
に適用することができることが見出された。本発明にお
いて使用する決定的数列としてのLDSの特性から、異な
る階調間でのドットパターンは独立したものとはなら
ず、隣接する階調のパターンの間で相関が存在する。こ
の相関は、連続的に階調が変化する場合の原画像の好ま
しい二値化のためには必要な条件とされており、本発明
のスケーリングDLDS法が十分に1対多青色マスク法に対
して適用することができる。
【0290】図46は、異なる階調の間でのLDSの相関
を示した図である。図46では階調0.32と0.30が
比較されている。なお、図46では、階調0.32とし
たときに階調0.30のドットに対して追加されるドッ
トを■、階調0.30のドットを□で示している。図で
はドット■を、ドット□に対して上書きしているため、
黒く見える部分が、階調0.32において追加されたド
ットである。このような異なる階調間での相関は、階調
変化に伴う擬似画像を除去するために望ましい。
【0291】図46に示されたドットパターンに対して
斥力緩和法を適用して緩和させたドットパターンを図4
7に示す。斥力緩和法による再配置が行われることによ
り、青色ノイズ特性をもつドットパターンに特徴的な、
最近接ドット間隔がよく揃ったパターンが生成されてい
る。また、図47においては、異なる二階調での重なり
は初期配置ほど明確ではないが、0.02という比較的
大きな階調差(本発明において説明する特定の実施の形
態においては、階調を全体で256階調としているの
で、0.02の階調差は、約5階調分の差に対応する)
にもかかわらず、大部分のドットは□と■で重なりを持
っていることがわかる。したがって、スケーリングDLDS
法で生成したパターンは、1対多青色しきい値マスクと
してきわめてよい特性を有していることが示される。こ
れをしきい値マスクとして使用する際には、境界におい
てつなぎ目を生じさせないために、ドットの緩和過程に
おいて周期的境界条件を課するのが望ましい。
【0292】また、本発明は、従来の1対1青色マスク
生成手法において、出発点となる青色ノイズドットパタ
ーンの生成についても適用することができる。上述のMi
tsa-Parkerらの論文、または米国特許第5,543,941号明
細書で開示された1対1のしきい値マスク作成方法で
は、中間階調において、青色ノイズ特性を持つドットパ
ターンを出発点として用いる。本発明のスケーリングDL
DS法で生成したドットパターンは、きわめて優れた青色
ノイズ特性をもつため、その使用に使用することができ
ることが確認できた。
【0293】さらに、本発明者らは、本発明のスケーリ
ングDLDS法を、ボロノイ分割に基づき、青色ノイズ特性
を持つドットパターンの生成に適用した。本発明におけ
る確率抽出法とスケーリングDLDS法を適用してドットパ
ターンを作る際、運動方程式の差分表現における右辺の
相互作用力を求める必要がある。これは原則として、計
算領域のすべてのドット対について計算を行わなければ
ならない。このため、本発明においてはいわゆるバケッ
ト探索法を用いるなど、データ構造を工夫することで計
算速度を相当に高速化可能である。ここで、ドット対を
特定するにあたり、ボロノイ分割を利用するのは好まし
い方法のひとつである。すなわち、あるタイムステップ
において、図6(a)に示したようなボロノイ分割を行
い、あるドットに働く斥力は、そのドットの属するボロ
ノイ多角形に隣接するボロノイ多角形内部に存在するも
のについてだけ計算する。この近似は、連続階調画像の
再現において、充分に現実的な近似となることが確認で
きた。
【0294】本発明者らは、さらに、本発明のスケーリ
ングDLDS法をHillerの緩和法に基づいてムラのないドッ
トパターンをつくる方法について適用することを検討し
た。Hillerらの方法における初期位置生成を本発明のス
ケーリングDLDS法を用いて行うことで、これまで避けが
たいとされてきたムラを避けることができることが可能
であることが見出された。
【0295】パート IV:本発明による離散パターン
を使用する光学部材、サイドライト装置、透過型液晶表
示装置およびCCD用フォトマスクの製造 本発明者らは、LDS法および斥力緩和法を使用した離
散パターンを含む光学部材、導光板、サイドライト・ユ
ニット、CCD用フォトマスクなどの光学的部材、およ
び液晶表示装置および離散パターン生成システムについ
てさらに検討を加えた。本発明において上述した離散パ
ターンの生成方法を使用して生成された離散パターン
は、種々の方法により平面、または立体上にパターニン
グすることができ、本発明の離散パターンを含む物体と
することができることが見出された。図48には、本発
明の離散パターンを生成するために使用したコンピュー
タ・システムの実施の形態を示す。
【0296】図48に示すコンピュータ・システムは、
上述した離散パターンの生成方法を実行するための中央
処理装置(CPU)と、各種パラメータおよびドットの
位置座標といった離散パターンの生成に必要となるデー
タを記憶するための記憶手段とを少なくとも含むコンピ
ュータ22と、必要な表示を行うためのディスプレイ手
段24と、各種パラメータを入力するための入力手段2
6と、本発明の離散パターンの生成方法を実行させるた
めのプログラムが記録された記憶媒体から、プログラム
を読み取るとともに、生成された離散パターンに対応す
るディジタル・データを所定のフォーマットで書き込む
ための読出・書込手段28とを含んで構成されている。
【0297】本発明の離散パターン生成方法により生成
された離散パターンから、当該離散パターンを含む物体
を製造するためには、まず、コンピュータ22により得
られた離散パターンを、プリンタ手段29によりハード
・コピーとして出力させるか、またはディジタル・デー
タとして読出:書込手段28へと出力させる。離散パタ
ーンがハード・コピーとして出力される場合には、本発
明の離散パターンが記録された記録紙自体が、そのまま
離散パターンを含む物体とされる。例えば、インクジェ
ット・プリンタや、電子写真方式を使用するカラー・プ
リンタなどのプリンタ手段29により、コンピュータ2
2により得られた離散パターンを、ディザリング・パタ
ーンとして用い、そのまま紙、プラスチックシートとい
ったパターン受容要素に印刷することもできる。また、
プリンタ手段としては、可視光領域のレーザを使用する
プリンタ手段を挙げることもできる。
【0298】このような可視光レーザを使用するプリン
タ手段としては、ディジタル・データを直接使用して、
レーザといった方法により直接、離散パターン受容要素
として使用される感光性フィルムに対して出力を行い、
現像・定着後に各種フォトマスクといった光学部材とし
て使用可能な物体とすることができるものを挙げること
ができる。このようなフォトマスクは、フォトレジスト
を使用するマイクロフォトリソグラフィーに提供するこ
とができ、感光性材料に対して本発明の離散パターンを
付与することを可能とする。さらに、本発明において
は、パターン受容要素としては、感光性樹脂を挙げるこ
とができ、本発明の離散パターン生成システムにより、
可視光レーザにより感光性樹脂を層状に硬化させ、直接
本発明の離散パターンを含む3次元物体を製造させるこ
とも可能である。
【0299】図49には、本発明の離散パターンを含む
光学部材の実施の形態であるフォトマスクの平面図を示
す。フォトマスクは、ゼラチン・シート、ポリエチレン
テレフタレートまたは光学的な適切な特性を含むように
構成された複合シートといった光学シートに、ハロゲン
化銀といった感光性材料を添加するなどして光強度を変
調することができる光学的部材である。このフォトマス
クは、例えばポジ型フォトレジスト、ネガ型フォトレジ
ストといった感光性材料に対して適切なマイクロリソグ
ラフィー法を使用して3次元的な構造を与えることがで
きる。
【0300】図50には、本発明の離散パターンを使用
してマイクロフォトリソグラフィーにより離散パターン
が形成された導光板30を示す。図50に示した導光板
には、図示しない蛍光管CFLから照射される光線を矢
線Cの方向へと散乱する。図50に示す導光板30に
は、このために光線を散乱させる離散パターン31が、
導光板30の矢線Cで示される光線が放出される側とは
反対側の面に形成されている。離散パターン31は、本
発明の離散パターンの生成方法により生成されたもので
あり、フォトマスクを使用したマイクロリソグラフィー
により形成されている。
【0301】図50に示した実施の形態においては、離
散パターン31は、四角錐台の形状とされ、導光板30
における凹部として形成されたドット32から形成され
ている。本発明において使用することができるドットの
形状、大きさについては特に制限はなく、特定の用途に
対応して選択することができ例えば、多角形、円形、正
方形、矩形、長円形、円錐台、多角形台を含む群から選
択される少なくとも1つの2次元または3次元形状から
適宜選択して使用することができる。さらに、本発明に
おいては、これらの形状を複数混合して用いることも可
能であるし、蛍光管CFLに対する配置を変化させて散
乱性を調節することも可能である。
【0302】図51は、図50に示したドット32を詳
細に示した拡大上面図である。図51に示されたドット
32は、長辺32aが蛍光管CFLに向いており、短辺
32bが、蛍光管CFLに対して垂直に配置されてい
る。これらのドット32は、光線を散乱させることがで
きるように導光板30の全面にわたり形成されている。
しかしながら、導光板30の特に四隅における散乱性を
向上させるために、図51に示した導光板のドット32
には、導光板30の全体にわたり、本発明において使用
する確率抽出法を使用して、ドット32に対して充填率
分布が与えられている。例えば、充填率分布は、中央部
では、充填率が低く、四隅に向かって充填率が50%以
上、図51に示した実施の形態においては67%程度と
なるように高められている。
【0303】図52は、図51に示したドット32のさ
らに詳細な上面図(a)と、ラインD−Dに沿った断面
図(b)とを示す。図51に示される実施の形態におい
ては、ドット32は、四角錐台の形状を有している。ド
ット32は、導光板30に対して凹部を形成することに
より構成された3次元形状とされていて、その凹部深さ
dが8μmとされているのが示されている。また、ドッ
ト32の長辺lgは、図示した実施の形態においては1
00μmとされ、短辺shtが、30μmとされてい
る。また、四角錐台として形成されるドット32の勾配
βは、必要な散乱性を与えることができるように、深さ
dとの関係において適宜設定することができる。
【0304】図53は、上述したドット32の導光板3
0の全体における充填率分布を、等高線で示した図であ
る。図53に示された導光板30の実施の形態において
は導光板30の中央部では充填率は約10%程度とさ
れ、導光板30の四隅に向かって散乱効果を高めるため
に充填率が高められており、特に破線で示した蛍光管C
FLから離れた角部34においては、充填率が70%を
越えるまで高められているのが示される。本発明の離散
パターン生成方法では、LDS法、斥力緩和法を使用
し、確率抽出法により充填率分布を生成するため、上述
したような充填率分布を生成しても、目視される境界が
確認できない良好な導光板を提供することができる。
【0305】図54は、本発明の光学部材として使用さ
れる導光板30の別の実施の形態を示した図である。図
54に示した導光板30には、本発明の離散パターン3
1が、光線を放出する側とは反対側の面に複数のドット
36により形成されている。図54に示した実施の形態
においては、ドット36は、円錐台の形状とされてお
り、図54に示した特定の実施の形態においては、円錐
台は、直径が100μmであり、高さが15μmとされ
ている。また、円錐台なので、蛍光管CFLに対してド
ット36自体は、特に方向性を有してはいない。
【0306】図55は、さらに本発明の導光板30のさ
らに別の実施の形態を示した図である。図55に示され
る導光板30には、蛍光管CFLに対する配置が互いに
異なるドット38、ドット40を含む本発明の離散パタ
ーンが付されていて、これらが領域(a)、領域
(b)、領域(c)として区分されているのが示されて
いる。ドット38は、導光板に対して凹部として形成さ
れた四角錐台であり、長辺が100μm、蛍光管CFL
に対して垂直な短辺が70μmとされ、ドット40は、
ドット38と同一の形状ではあるが、蛍光管CFLに対
しての配置が、ドット中心まわりに回転されて形成され
ている。図55に示した導光板30の実施の形態では、
上述した複数のドットの中心座標を本発明の離散パター
ンの生成方法を使用して与え、その後にドットを回転さ
せることにより生成することができる。図55に示した
実施の形態においては、さらに領域(b)としてドット
38と、ドット40とを混在させた領域を形成すること
により隅部における散乱性を調節する構成が採用されて
いる。図55に示した実施の形態においては、ドットの
蛍光管CFLに対する相対配置のみを調整することによ
り、部分的に導光板30から放出される光線の分布を変
化させることを可能とする。
【0307】図56には、本発明の導光板30を含むサ
イドライト装置の部分断面図を示す。本発明のサイドラ
イト装置は、例えば透過型液晶表示装置のバックライト
・ユニットとして使用することができ、図56に示した
バックライト・ユニットには、さらに拡散シート、プリ
ズム・シートといった光学部材が含まれているが、説明
の便宜上、拡散シート、プリズム・シートといった本発
明においては本質的ではない構成要素については省略し
ている。図56に示すように、本発明のサイドライト装
置は、光源42と、この光源を保持するためのランプソ
ケット44と、本発明の離散パターンが形成された導光
板46と、光源42を覆って、光源42からの光線を効
率的に導光板46へと入射させるためのリフレクタ48
とを含んで構成されている。上述した光源としては、蛍
光管CFLを使用することができる。
【0308】リフレクタ48に隣接して、導光板46の
下側には、銀といった高反射率の材料から形成された反
射シート50が配置されていて、光源42からの光線を
より効率的に矢線Eで示される方向へと放出する構成と
されている。図55に示したサイドライト装置に使用さ
れる反射シート50には、導光板46に反射シート50
が密着することによりニュートンリングが形成され、バ
ックライト・ユニットとして構成した場合にモアレ模様
以外にも、ニュートンリング状の模様による品位低下を
防止することは必要とされる場合が生じる。
【0309】特に近年では、透過型液晶表示装置におけ
るバックライト・ユニットの反射効率を上げるため、銀
などの金属を、ポリエチレンテレフタレートといったシ
ートにスパッタリングで付着させたものが使われるよう
になっている。このような高反射率の反射シート50を
導光板46に密着させると、反射シート50のたわみに
よって上述したようにニュートンリング状の縞模様が観
察され、透過型液晶表示装置の表示品質を著しく低下さ
せてしまうことになる。この干渉縞を抑制するために、
反射シート50と導光板との間に、20μm程度の隙間
を形成することが有効である。
【0310】図57は、図56において説明した反射シ
ート50の上面図を示す。図57に示すように、反射シ
ート50には、本発明によりドット52を含んで生成さ
れた離散パターンを含む凹凸が形成されているのが示さ
れている。反射シート50に形成された離散パターンを
形成するドット52は、UV硬化性インクなどを使用す
るスクリーン印刷といった方法により形成され、光学的
特性を必要以上に低下させないように、光学的濃度が低
くされている。図57に示した実施の形態においては、
離散パターンは、ドット52として、100μm径の高
さ15μm程度とされている。
【0311】図58には、本発明により生成された離散
パターンを含む反射シート50の概略的な断面図を示
す。図58に示されるように、本発明の離散パターンを
含んで形成された反射シート50は、ポリエチレンテレ
フタレートといった基材54上にスパッタリングといっ
た方法により堆積された銀といった反射層56と、この
反射層56上に形成されたドット52からなる本発明の
離散パターンとを含んで構成されている。図示しない導
光板は、反射シート50に対してドット52を介して接
触することで、反射シート50と、導光板との間の不適
切な接触または近接を防止して、ニュートンリング状の
模様の発生を低減させている。
【0312】上述した離散パターンを形成するドット5
2の充填率をあまり上げると反射効率が低下するので、
充填率は、約10%以下とすることが望ましい。図57
および図58に示した実施の形態においては、充填率
は、反射シート全面にわたり均一で、2.5%とされて
いる。
【0313】本発明により生成された離散パターンは、
一様性とランダム性とを共に充分に満足させているの
で、重なったドットが目視されたり、ムラとして目視さ
れたりすることはない。また、アクリル樹脂などで製造
された導光板とは、スクリーン印刷により形成された樹
脂からなるドットであるため、導光板下部を損傷するこ
とによる不都合を低減することを可能とする。
【0314】図59には、本発明の離散パターンを含む
導光板を使用した透過型液晶表示装置の分解斜視図を示
す。図59に示す本発明の実施の形態の透過型液晶表示
装置58は、透過型液晶表示装置58の有効画面を画成
するための表示用ウインドウ60を画成する上部フレー
ム62と、本発明のサイドライト装置を使用したバック
ライト・ユニット64と、上部フレーム62とバックラ
イト・ユニット64との間に配置された液晶表示パネル
66と、スペーサ68と、拡散シート70と、プリズム
・シート72とを含んで構成されている。
【0315】バックライト・ユニット64は、下側ケー
ス74上に載置されていて、上部フレーム62と、一体
として保持されることで透過型液晶表示装置58を構成
している。図59に示した透過型液晶表示装置における
バックライト・ユニットは、本発明の導光板76を含ん
で構成されており、蛍光管CFLから照射された光線を
効率よく、また四隅における輝度変化、またモアレ模様
といった不都合を生じさせずに液晶表示パネル66へと
放出させ、良好な表示を行うことを可能としている。
【0316】図60は、本発明のさらに他の実施の形態
である、遮光シートを示す。このような遮光シートは、
液晶表示装置に使用され、液晶表示装置の輝度一様性を
改善する等の目的で散乱板の透過率を場所により変化さ
せたい場合に使用される。たとえば、いわゆるエッジラ
イト型の構成では、ランプ際に輝線と呼ばれる明暗模様
が生じることがしばしばある。これは輝線の部分で透過
率を局所的に下げることでおおむね消すことができる。
液晶表示装置を構成する散乱板、もしくは透明フィルム
に、白インクをUV硬化性樹脂で溶解したものを印刷し、
ドットパターンを形成することで、遮光シートに対して
このような効果を付与することができる。特にこの種の
ドットパターンの特徴は、充填率勾配が大きいことであ
る。上述した詳述したような導光板のスタンパーパター
ンでは、望ましい実施例における充填率勾配は、高々ド
ット径あたり0.4パーセント程度であるが、遮光印刷で
は、数ミリの幅にドットでグラデーションをつける必要
があり、その数倍から10倍の充填率勾配を要求される。
このため、本発明のドット自動生成・自動削除法が特に
有効に適用できる。
【0317】図60に示された本発明により形成された
遮光シート80は、手前側に面と平行に配されたランプ
近傍の輝線を消すために、透過率の低い領域80aが端
部に沿って設けられている。また、ランプと逆の辺で
は、導光板端からの光漏れとその反射光により、しばし
ば輝度がその領域で高くなることがあるが、これを補正
するために、その近傍で透過率の低い領域80bが端部
に沿って設けられている。これらの間の領域80cと、
領域80a、80bとの間には充填率分布の傾斜が大き
いので、ドットが局在化しがちとなる。ここで、本発明
におけるドット自動生成・自動削除法を使用すること
で、ドットの局在を解消し、良好な離散パターンを与え
ることが可能となる。
【0318】図61には、本発明が適用できるさらに別
の実施の形態であるCCDレンズのフォトマスク82の
実施の形態を示す。CCDレンズのフォトマスク82
も、微小ドットパターンを光学的変調要素として使用し
て、透過率を制御し、フォトマスクとして供されてい
る。本発明の離散パターンをフォトマスクとして適用す
る場合には、ドットをランダムに、かつ中心対称な密度
分布を持たせるように配置することで、微小CCDレン
ズ用のフォトマスクを作成する方法が説明されている。
ランダムにしてドットの規則配列を避けるのは、フォト
マスクが回折格子として働き、透過光に色づきなどの問
題が生ずるのを避けるためである。
【0319】図61に示したフォトマスク82は、光透
過性支持体84に本発明のドット86を含んで形成され
た本発明の離散パターン88が形成されている。図61
に示した離散パターンは、ドットの密度勾配をレンズの
凹凸として転写するため、その充填率勾配は比較的大き
く、ドット径あたりの充填率勾配は、遮光印刷パターン
と同じ程度とされている。本発明の離散パターンをフォ
トマスクとして用いることにより、従来技術では不可避
であった透過光におけるムラの問題は生じず、精度よく
CCDレンズを製作できる。
【0320】また、本発明の離散パターンを使用して、
フォトリソグラフィの用の光を均一化するためのフィル
タを作成した。本発明のスケーリングDLDS法により与え
られた離散パターンは、階調勾配を持ちつつ、任意の階
調において主波長に関する制約を満たしたドットパター
ンを提供でき、良好な特性のフィルタを提供することが
でき、透過光におけるムラ(区画分割に伴う虚像を含
む)や色づきといった不都合の発生した良好な特性のフ
ィルタを提供することができた。
【0321】本発明の離散パターンは、上述したように
光線の散乱、光線の透過、光線の吸収のいずれかにより
種々の光学的特性を与えることができる部材に使用する
ことができ、このような光学的特性を与えることができ
る光学部材としては、具体的には例えば、導光板、散乱
板、ディザリング・パターン、リソグラフィー用フォト
マスク・パターンなどを挙げることができる。
【0322】また、本発明の離散パターンは、特に光学
的特性は必要とされない、例えばタイヤ、靴底などの滑
り止めパターンにも使用することができる。
【0323】さらに、本発明の離散パターン性性方法
は、種々のプログラミング言語、例えばC言語により記
述することができ、本発明のプログラムを記述したコー
ドは、フロッピー(登録商標)・ディスク、ハード・デ
ィスク、コンパクト・ディスク、光磁気ディスク、ディ
ジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、磁気テー
プといった記憶媒体に記憶することができる。
【0324】上述したように、本発明によれば、(1)
低充填率から50%以上の高充填率に至るまで任意の充
填率分布を、光学的な品質低下を生じさせることなく、
(2)ドット間の重なりや異常接近のない、(3)高い
一様性を保持しつつ、充分なランダム性を保持した離散
パターンの生成方法を提供することができる。本発明の
離散パターンを含む導光板、散乱板、サイドライト装置
などの光学的性質は、光線照射の一様性、輝度分布など
を顕著に改善することを可能とする、離散パターン、該
離散パターンを用いた光学部材、導光板、サイドライト
装置、透過型液晶表示装置、該離散パターンの生成方法
および該離散パターンを生成するためのプログラム、該
離散パターンを生成するためのコンピュータ可読なプロ
グラムが記録されたコンピュータ可読な記録媒体並びに
離散パターン生成システムを提供するものである。
【0325】また、本発明によれば、ドット径あたりの
充填率変化が1パーセントを越えるような急峻な充填率
勾配が必要とされる場合に、特に本手法を使うと、任意
の充填率分布に従った良好な特性の離散パターンを得る
ことが可能である。このように生成された離散パターン
は、液晶表示装置の遮光シートに好適に適用することが
でき、一様な輝度をもつ液晶表示装置の遮光シートを作
成することが可能となる。同様に、本発明を微小CCD
レンズ製作用のフォトマスクに適用することで、精度の
高いCCDレンズを作成することができる。
【0326】また、本発明においては、連続階調の白黒
又はカラー画像を、濃度に関して二値あるいは多値に変
換して出力するインクジェットプリンタ等をはじめレー
ザービームプリンタ、ファクシミリや印刷機などの機器
において中間調を好ましく表現できる。すなわち、ざら
つき感、むら、規則的な模様、などの障害がなく一様で
滑らかに中間調を表現できる。総じて言えば、本発明
は、良好に分散した一様に不均一な離散パターンを提供
することを可能とし、本発明の離散パターンは、良好な
特性を有する光学的変調要素およびこの光学的変調要素
を含む光学的部材並びに濃淡画像の2値化パターンを提
供することを可能とするものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の擬似乱数発生法により生成されたドッ
ト・パターンを示した図。
【図2】 従来の透過型液晶表示装置の構成を示した分
解斜視図。
【図3】 従来のランダムな離散パターンを適用した反
射型液晶表示装置を示した分解斜視図。
【図4】 従来の濃淡画像の二値化プロセスを示した
図。
【図5】 従来の1対多マスク法の二値化プロセスを示
した図。
【図6】 従来の規則的ディザ法を使用した濃淡画像の
二値化プロセスを示した図。
【図7】 本発明のおいて使用するLDS法のフローチ
ャート。
【図8】 本発明における点列の生成方法を示した図。
【図9】 本発明においてLDS法による初期位置の生
成を説明した図。
【図10】 本発明によりLDS法を使用してドット数
50の場合に生成された初期位置を示した図。
【図11】 LDS法により生成された初期位置と、擬
似乱数により生成された初期位置と、を示した図。
【図12】 本発明においてGLP法を使用して生成さ
れた低ディスクレパンシイを有する初期位置を示した
図。
【図13】 本発明において使用する斥力緩和法の概略
図。
【図14】 本発明における斥力緩和法に使用する座標
系を示した概略図。
【図15】 斥力モデルのrに対する依存性を示した
図。
【図16】 斥力モデルの各パラメータの関係を示した
図。
【図17】 楕円モデルを使用して得られた斥力場を示
した図。
【図18】 矩形モデルを使用して得られた斥力場を示
した図。
【図19】 rに対するVの収束性を示した図。
【図20】 本発明において使用する斥力緩和法のフロ
ーチャート。
【図21】 LDS法および斥力緩和法により生成され
た離散パターンと、擬似乱数により生成された離散パタ
ーンとを示した図。
【図22】 図20に示したプロセスにより得られた本
発明に離散パターンを示した図。
【図23】 図20に示したプロセスにより斥力として
矩形モデルを使用して生成された本発明の離散パターン
を示した図。
【図24】 本発明で使用する自己境界条件を示した
図。
【図25】 離散パターンにおける充填率分布を示した
図。
【図26】 確率抽出法を使用して得られた離散パター
ンを示した図。
【図27】 各方法により生成された離散パターンのデ
ィスクレパンシイを、ドットの数に対してプロットした
図。
【図28】 擬似乱数を用いた方法による離散パターン
の一様性を示した図。
【図29】 LDS法および斥力緩和法による離散パタ
ーンの一様性を示した図。
【図30】 離散パターンから実測されたディスクレパ
ンシイを示した図。
【図31】 正方格子の各格子点にドットを配置する際
の正方格子を、5×5の構成として示した図。
【図32】 正方格子について得られるgの値を示した
図。
【図33】 斥力緩和法により生成された充填率変化の
急な部分での離散パターンを示した図。
【図34】 本発明において使用する矩形領域と充填率
分布関数を示した図。
【図35】 本発明において使用するバブルを定義した
図。
【図36】 本発明におけるドット自動生成のための領
域分割方法を示した図
【図37】 本発明において使用するバブル間に作用さ
せる力を示した図。
【図38】 本発明のドット自動生成・自動削除手法の
フローチャート。
【図39】 本発明においてドット自動生成・自動削除
を行う場合に使用する矩形領域と、充填率分布関数の実
施の形態を示した図。
【図40】本発明のドット自動生成処理により生成され
る以前のドットパターンを示した図。
【図41】 本発明にしたがってドットが追加された直
後のドットパターンを示した図。
【図42】 本発明を好適に適用することができる2値
化処理の概略図。
【図43】 本発明により斥力緩和法を使用して得られ
たドットパターンを示した図。
【図44】 本発明における濃淡画像の二値化における
小区画への分割を用いる場合の実施の形態を示した図。
【図45】 本発明において得られた濃淡画像の二値化
パターンを示した図。
【図46】 階調0.32と0.30の異なる階調の間で
のLDSの相関を示した図。
【図47】 図46に示されたドットパターンに対して
斥力緩和法を適用して緩和させたドットパターンを示し
た図。
【図48】 本発明において使用するコンピュータ・シ
ステムを示した図。
【図49】 本発明の光学部材の実施の形態を示した
図。
【図50】 本発明の光学部材の実施の形態を示した
図。
【図51】 図32の離散パターンのドットの拡大詳細
図。
【図52】 図33に示したドットのさらに詳細な拡大
詳細図。
【図53】 本発明の実施の形態における充填率分布を
示した図。
【図54】 本発明の別の実施の形態におけるドット形
状を示した図。
【図55】 本発明のさらに別の実施の形態を示した
図。
【図56】 本発明のサイドライト装置の実施の形態を
示した断面図。
【図57】 本発明の離散パターンが形成された反射シ
ートを示した図。
【図58】 図57に示した反射シートの拡大断面図。
【図59】 本発明の透過型液晶表示装置の分解斜視
図。
【図60】 本発明により離散パターンが形成された遮
光シートの斜視図。
【図61】 本発明により離散パターンが形成されたC
CD用フォトマスクを示した図。
【符号の説明】
10…ドット 12…ドット 14…ドット 16…ドット 18…ドット 19…ドット 22…コンピュータ 24…ディスプレイ手段 26…入力手段 28…読出・書込手段 29…プリンタ手段 30…導光板 31…離散パターン 32…ドット 34…導光板の角部 36…ドット 38…ドット 40…ドット 42…光源 44…ランプソケット 46…導光板 48…リフレクタ 50…反射シート 52…ドット 54…基材 56…反射層 58…透過型液晶表示装置 60…表示用ウインドウ 62…上部フレーム 64…バックライト・ユニット 66…液晶表示パネル 68…スペーサ 70…拡散シート 72…プリズム・シート 74…下側ケース 76…導光板 80…遮光シート 82…フォトマスク 84…光透過性支持体 86…ドット 88…離散パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F21Y 103:00 F21Y 103:00 (72)発明者 井手 剛 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 (72)発明者 水田 秀行 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 (72)発明者 平 洋一 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 (72)発明者 西海 聡子 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 (72)発明者 山田 敦 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 Fターム(参考) 2H038 AA55 BA06 2H042 BA04 BA20 2H091 FA23Z FA32Z FA34Z FA42Z FC12 FD22 5B080 FA02 FA07 (54)【発明の名称】 離散パターン、該離散パターンを用いた光学部材、導光板、サイドライト装置、透過型液晶表示 装置、該離散パターンの生成方法および該離散パターンを生成するためのプログラム、該離散パ ターンを生成するためのコンピュータ可読なプログラムが記録されたコンピュータ可読な記録媒 体並びに離散パターン生成システム

Claims (92)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元的に配置される離散したドットか
    ら形成される離散パターンであって、該離散パターン
    は、横Lx、縦Lyの矩形型の区画に含まれる前記ドッ
    トが、下記式(1) 【数1】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数2】 かつ、下記式(3) 【数3】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)離散パターン。
  2. 【請求項2】 前記所定の区画に含まれる所定のドット
    の数が4000以下である場合に、上記式(1)を満た
    す、請求項1に記載の離散パターン。
  3. 【請求項3】 前記Dは、ディスクレパンシイの2乗で
    あり、前記所定の区画に含まれる前記ドットは、所定の
    充填率においてNのベキ乗数が−1.15より小さい請
    求項1または2に記載の離散パターン。
  4. 【請求項4】 前記Sは、0.4以下である、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の離散パターン。
  5. 【請求項5】 前記離散パターンは、前記所定の区画内
    における平均的動径分布関数が充分なだらかになるよう
    な配置とされる請求項1〜4のいずれか1項に記載の離
    散パターン。
  6. 【請求項6】 前記ドットは、多角形、円形、正方形、
    矩形、長円形、円錐台、多角形台を含む群から選択され
    る少なくとも1つの2次元または3次元形状である請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の離散パターン。
  7. 【請求項7】 前記離散パターンは、互いに隣接するド
    ットが実質的に互いに重なり合わないように配置される
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の離散パターン。
  8. 【請求項8】 前記離散パターンは、前記所定の区画の
    前記ドットの充填率に依存せずに配置される、請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の離散パターン。
  9. 【請求項9】 前記離散パターンは、光線を受動的に制
    御する請求項1〜8のいずれか1項に記載の離散パター
    ン。
  10. 【請求項10】 前記光線の制御は、光線の散乱、光線
    の透過、光線の吸収のいずれかにより行われ、導光板、
    散乱板、ディザリング・パターン、リソグラフィー用フ
    ォトマスク・パターンに使用される請求項9に記載の離
    散パターン。
  11. 【請求項11】 2次元的に配置される離散したドット
    から形成される離散パターンが形成された光学部材であ
    って、該離散パターンは、横Lx、縦Lyの矩形型の区
    画に含まれる前記ドットが、下記式(1) 【数4】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数5】 かつ、下記式(3) 【数6】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)光学部材。
  12. 【請求項12】 前記所定の区画に含まれる所定のドッ
    トの数が4000以下である場合に、式(1)を満た
    す、請求項11に記載の光学部材。
  13. 【請求項13】 前記Dは、ディスクレパンシイの2乗
    であり、前記所定の区画に含まれる前記ドットは、所定
    の充填率においてNのベキ乗数が−1.15より小さい
    請求項11または12に記載の光学部材。
  14. 【請求項14】 前記Sは、0.4以下である、請求
    項11〜13のいずれか1項に記載の光学部材。
  15. 【請求項15】 前記離散パターンは、前記所定の区画
    内における平均的動径分布関数が充分なだらかになるよ
    うな配置とされる請求項11〜14のいずれか1項に記
    載の光学部材。
  16. 【請求項16】 前記ドットは、多角形、円形、正方
    形、矩形、長円形、円錐台、多角形台を含む群から選択
    される少なくとも1つの2次元または3次元形状である
    請求項11〜15のいずれか1項に記載の光学部材。
  17. 【請求項17】 前記離散パターンは、互いに隣接する
    ドットが実質的に互いに重なり合わないように配置され
    る請求項11〜16のいずれか1項に記載の光学部材。
  18. 【請求項18】 前記離散パターンは、前記所定の区画
    の前記ドットの充填率に依存せずに配置される、請求項
    11〜18のいずれか1項に記載の光学部材。
  19. 【請求項19】 前記離散パターンは、光線を受動的に
    制御する請求項11〜18のいずれか1項に記載の光学
    部材。
  20. 【請求項20】 前記光線の制御は、光線の散乱、光線
    の透過、光線の吸収のいずれかにより行われ、導光板、
    散乱板、フォトマスクとして使用される請求項19に記
    載の光学部材。
  21. 【請求項21】 2次元的に配置される離散したドット
    から形成される離散パターンが形成された透過型液晶デ
    ィスプレイ用の導光板であって、該離散パターンは、横
    Lx、縦Lyの矩形型の区画に含まれる前記ドットが、
    下記式(1) 【数7】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数8】 かつ、下記式(3) 【数9】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)導光板。
  22. 【請求項22】 前記所定の区画に含まれる所定のドッ
    トの数が4000以下である場合に、式(1)を満た
    す、請求項21に記載の導光板。
  23. 【請求項23】 前記Dは、ディスクレパンシイの2乗
    であり、前記所定の区画に含まれる前記ドットは、所定
    の充填率においてNのベキ乗数が−1.15より小さい
    請求項21または22に記載の導光板。
  24. 【請求項24】 前記Sは、0.4以下である、請求
    項21〜23のいずれか1項に記載の導光板。
  25. 【請求項25】 前記離散パターンは、前記所定の区画
    内における平均的動径分布関数が充分なだらかになるよ
    うな配置とされる請求項21〜24のいずれか1項に記
    載の導光板。
  26. 【請求項26】 前記ドットは、多角形、円形、正方
    形、矩形、長円形、円錐台、多角形台を含む群から選択
    される少なくとも1つの3次元形状である請求項21〜
    25のいずれか1項に記載の導光板。
  27. 【請求項27】 前記離散パターンが互いに隣接するド
    ットが実質的に互いに重なり合わないように配置される
    請求項21〜26のいずれか1項に記載の導光板。
  28. 【請求項28】 前記離散パターンが、前記所定の区画
    の前記ドットの充填率に依存せずに配置され、前記導光
    板の隅領域において前記導光板の中心領域よりも高い充
    填率で配置される請求項21〜28のいずれか1項に記
    載の導光板。
  29. 【請求項29】 前記離散パターンが形成された表示領
    域と、該表示領域を取り囲む非表示領域とを含む、請求
    項21〜28のいずれか1項に記載の導光板。
  30. 【請求項30】 2次元的に配置される離散したドット
    から形成される離散パターンが形成され、該離散パター
    ンは、横Lx、縦Lyの矩形型の区画に含まれる前記ド
    ットが、下記式(1) 【数10】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数11】 かつ、下記式(3) 【数12】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)導光板と、 該導光板に対して光線を入射するための光源と、 該光源から放出される光線を反射させて、前記導光板に
    導入するためのリフレクタとを含むサイドライト装置。
  31. 【請求項31】 前記所定の区画に含まれる所定のドッ
    トの数が4000以下である場合に、式(1)を満た
    す、請求項30に記載のサイドライト装置。
  32. 【請求項32】 前記Dは、ディスクレパンシイの2乗
    であり、前記所定の区画に含まれる前記ドットは、所定
    の充填率においてNのベキ乗数が−1.15より小さい
    請求項30または31に記載のサイドライト装置。
  33. 【請求項33】 前記Sは、0.4以下である、請求
    項30〜32のいずれか1項に記載のサイドライト装
    置。
  34. 【請求項34】 前記離散パターンは、前記所定の区画
    内における平均的動径分布関数が充分なだらかになるよ
    うな配置とされる請求項30〜33のいずれか1項に記
    載のサイドライト装置。
  35. 【請求項35】 前記ドットは、多角形、円形、長円
    形、正方形、矩形、円錐台、多角形台を含む群から選択
    される少なくとも1つの3次元形状である請求項30〜
    34のいずれか1項に記載のサイドライト装置。
  36. 【請求項36】 前記離散パターンが互いに隣接するド
    ットが実質的に互いに重なり合わないように配置される
    請求項30〜35のいずれか1項に記載のサイドライト
    装置。
  37. 【請求項37】 前記離散パターンが、前記所定の区画
    の前記ドットの充填率に依存せずに配置され、前記導光
    板の隅領域において前記導光板の中心領域よりも高い充
    填率で配置される請求項30〜36のいずれか1項に記
    載のサイドライト装置。
  38. 【請求項38】 前記導光板は、前記離散パターンが形
    成された表示領域と、該表示領域を取り囲む非表示領域
    とを含む、請求項30〜31のいずれか1項に記載のサ
    イドライト装置。
  39. 【請求項39】 請求項30から請求項38のいずれか
    1項に記載のサイドライト装置をバックライト・ユニッ
    トとして含む透過型液晶表示装置。
  40. 【請求項40】 コンピュータ・システムを使用して2
    次元的に配置される離散したドットから形成される離散
    パターンを生成するための方法であって、該方法は、 所定の区画を与えるステップと、 前記所定の区画に配置するドットの数を決定するステッ
    プと、 前記ドットの位置座標を、横Lx、縦Lyの矩形型の区
    画に含まれる前記ドットが、下記式(1) 【数13】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数14】 かつ、下記式(3) 【数15】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)ように決定するステップと、 前記決定された位置座標を初期位置として設定するステ
    ップと、 前記位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わな
    いように前記ドットの位置座標を変化させるステップと
    を含む離散パターン生成方法。
  41. 【請求項41】 前記位置座標の決定は、座標軸ごとに
    第1の生成行列を生成し、記憶するステップと、 前記第1の生成行列を使用して第2の生成行列を生成
    し、記憶するステップと、 N個のドットとそれぞれ対応するN個の自然数集合の中の
    一つの自然数nの二進展開を第1のベクトルとして生成
    するステップと、 前記第1のベクトルと前記第2の生成行列との積から第
    2のベクトルを生成するステップと、 座標ごとに前記第2のベクトルの要素を2進小数の各桁
    の値として前記ドットの位置座標を生成するステップ
    と、 n を所定の増加分だけ増加して、繰り返し発生させた点
    座標の総数が前記区画内のドットの数Nとなるまで位置
    座標を生成するステップとを含む、請求項40に記載の
    離散パターン生成方法。
  42. 【請求項42】 さらに前記所定の区画を複数所定の境
    界条件を使用して隣接し、所定の大きさの離散パターン
    を生成するステップを含む請求項40または41に記載
    の離散パターン生成方法。
  43. 【請求項43】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、互いに隣接する前記ドットのサイズと距離とに関連
    する隣接する前記ドット間の斥力を算出するステップを
    含む、請求項40〜42のいずれか1項に記載の離散パ
    ターン生成方法。
  44. 【請求項44】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、 所定のドットについて該ドット付近存在する他のドット
    からの斥力を算出するステップと、 該斥力の大きさに応じて前記所定のドットを変位させる
    ステップと、 変位された前記所定のドットに関して斥力を算出するス
    テップと、 前記斥力を所定の範囲にあるドットについて合計するス
    テップとを含む請求項40〜43のいずれか1つに記載
    の離散パターン生成方法。
  45. 【請求項45】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、さらに、第1の斥力の合計と、該第1の斥力の合計
    の直前に算出された第2の斥力の合計との間の差が、所
    定の収束条件を満たすまで実行させるステップを含む、
    請求項44に記載の離散パターン生成方法。
  46. 【請求項46】 前記斥力は、前記ドットの間の距離に
    対して、所定値以下では一定であり、前記ドット間の距
    離が所定値を越える場合には、前記ドット間の距離の増
    大に応じて減少する請求項44または45に記載の離散
    パターン生成方法。
  47. 【請求項47】 ロー・ディスクレパンシイ・シーケン
    ス法を使用して前記ドットの初期位置を与える、請求項
    40〜46のいずれか1項に記載の離散パターン生成方
    法。
  48. 【請求項48】 2次元的に配置される離散したドット
    から形成される離散パターンを生成するための方法をコ
    ンピュータ・システムに実行するためのコンピュータ実
    行可能なプログラムであって、該プログラムは、 所定の区画を与えるステップと、 前記所定の区画に配置するドットの数を決定するステッ
    プと、 前記ドットの位置座標を、前記ドットが、横Lx、縦L
    yの矩形型の区画に含まれる前記ドットが、下記式
    (1) 【数16】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数17】 かつ、下記式(3) 【数18】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)ように決定するステップと、 前記決定された位置座標を初期位置として設定するステ
    ップと、 前記位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わな
    いように前記ドットの位置座標を変化させるステップと
    を含むステップを実行させる離散パターンを生成するた
    めのプログラム。
  49. 【請求項49】 前記位置座標を決定するステップは、
    座標軸ごとに第1の生成行列を生成し、記憶するステッ
    プと、 前記第1の生成行列を使用して第2の生成行列を生成
    し、記憶するステップと、 前記区画内のN個のドットとそれぞれ対応するN個の自然
    数集合の中のひとつの自然数nの二進展開を第1のベク
    トルとして生成するステップと、 前記第1のベクトルと前記第2の生成行列との積から第
    2のベクトルを生成するステップと、 座標ごとに前記第2のベクトルの要素を2進小数の各桁
    の値として前記ドットの位置座標を生成するステップ
    と、 n を所定の増加分だけ増加して、繰り返し発生させた点
    座標の総数が前記区画内のドットの数Nとなるまで位置
    座標を生成するステップとを含む、請求項48に記載の
    離散パターンを生成するためのプログラム。
  50. 【請求項50】 さらに前記所定の区画を複数所定の境
    界条件を使用して隣接し、所定の大きさの離散パターン
    を生成するステップを実行させる請求項48または49
    に記載の離散パターンを生成するためのプログラム。
  51. 【請求項51】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、互いに隣接する前記ドットのサイズと距離とに関連
    する隣接する前記ドット間の斥力を算出するステップを
    含む、請求項48〜50のいずれか1項に記載の離散パ
    ターンを生成するためのプログラム。
  52. 【請求項52】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、 所定のドットについて該ドット付近存在する他のドット
    からの斥力を算出するステップと、 該斥力の大きさに応じて前記所定のドットを変位させる
    ステップと、 変位された前記所定のドットに関して斥力を算出するス
    テップと、 前記斥力を所定の範囲にあるドットについて合計するス
    テップとを含む請求項48〜50のいずれか1つに記載
    の離散パターンを生成するためのプログラム。
  53. 【請求項53】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、さらに、第1の斥力の合計と、該第1の斥力の合計
    の直前に算出された第2の斥力の合計との間の差が、所
    定の収束条件を満たすまで実行させるステップを含む、
    請求項52に記載の離散パターンを生成するためのプロ
    グラム。
  54. 【請求項54】 前記斥力は、前記ドットの間の距離に
    対して、所定値以下では、一定であり、前記ドット間の
    距離が所定値を越える場合には、前記ドット間の距離の
    増大に応じて減少する請求項52または53に記載の離
    散パターンを生成するプログラム。
  55. 【請求項55】 ロー・ディスクレパンシイ・シーケン
    ス法使用して前記ドットの初期位置を与える、請求項4
    8〜54のいずれか1項に記載の離散パターンを生成す
    るプログラム。
  56. 【請求項56】 2次元的に配置される離散したドット
    から形成される離散パターンを生成するための方法を実
    行するためのプログラムを含むコンピュータ可読な記録
    媒体であって、該プログラムは、 所定の区画を与えるステップと、 前記所定の区画に配置するドットの数を決定するステッ
    プと、 前記ドットの位置座標を、横Lx、縦Lyの矩形型の区
    画に含まれる前記ドットが、下記式(1) 【数19】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数20】 かつ、下記式(3) 【数21】 与えられるSが0.7以下である(ただし(3)にお
    いて、gは、該領域における各ドットの平均的動径分
    布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値で
    割ったもので、gavは、gのr以上r以下の範
    囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填率
    を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、そ
    の格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値に
    とる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗にド
    ットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったもの
    である。)ように決定するステップと、 前記決定された位置座標を初期位置として設定するステ
    ップと、 前記位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わな
    いように前記ドットの位置座標を変化させるステップと
    を含むステップを実行させる離散パターンを生成するコ
    ンピュータ可読な記憶媒体。
  57. 【請求項57】 前記位置座標を決定するステップは、
    座標軸ごとに第1の生成行列を生成し、記憶するステッ
    プと、 前記第1の生成行列を使用して第2の生成行列を生成
    し、記憶するステップと、 前記区画内のN個のドットとそれぞれ対応するN個の自然
    数集合の中のひとつの自然数nの二進展開を第1のベク
    トルとして生成するステップと、 前記第1のベクトルと前記第2の生成行列との積から第
    2のベクトルを生成するステップと、 座標ごとに前記第2のベクトルの要素を2進小数の各桁
    の値として前記ドットの位置座標を生成するステップ
    と、 n を所定の増加分だけ増加して、繰り返し発生させた点
    座標の総数が前記区画内のドットの数Nとなるまで位置
    座標を生成するステップとを含む、請求項56に記載の
    記憶媒体。
  58. 【請求項58】 さらに前記所定の区画を複数所定の境
    界条件を使用して隣接し、所定の大きさの離散パターン
    を生成するステップを実行させる請求項56または57
    に記載の記録媒体。
  59. 【請求項59】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、互いに隣接する前記ドットのサイズと距離とに関連
    する隣接する前記ドット間の斥力を算出するステップを
    含む、請求項56〜58のいずれか1項に記載の記憶媒
    体。
  60. 【請求項60】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、 所定のドットについて該ドット付近存在する他のドット
    からの斥力を算出するステップと、 該斥力の大きさに応じて前記所定のドットを変位させる
    ステップと、 変位された前記所定のドットに関して斥力を算出するス
    テップと、 前記斥力を所定の範囲にあるドットについて合計するス
    テップとを含む請求項56〜59のいずれか1つに記載
    の記憶媒体。
  61. 【請求項61】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、さらに、第1の斥力の合計と、該第1の斥力の合計
    の直前に算出された第2の斥力の合計との間の差が、所
    定の収束条件を満たすまで実行させるステップを含む、
    請求項60に記載の記憶媒体。
  62. 【請求項62】 前記斥力は、前記ドットの間の距離に
    対して、所定値以下では、一定であり、前記ドット間の
    距離が所定値を越える場合には、前記ドット間の距離の
    増大に応じて減少する請求項59〜61のいずれか1項
    に記載の記憶媒体。
  63. 【請求項63】 ロー・ディスクレパンシー・シーケン
    ス法を使用して前記ドットの初期位置を与える、請求項
    56〜62のいずれか1項に記載の記憶媒体。
  64. 【請求項64】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の離散パターンを生成するための離散パターン生成シス
    テムであって、 請求項1〜10の離散パターンを与えるための手段と、 前記離散パターンを形成するドットの位置座標を記録す
    る記憶手段と、 該記録手段に含まれた位置座標を出力するためのプリン
    タ手段と、 該プリンタ手段により離散パターンが形成されるパター
    ン受容要素とを含む離散パターン生成システム。
  65. 【請求項65】 光学的部材の光強度変調要素または濃
    淡画像の2値化パターンを出力する請求項64に記載の
    離散パターン生成システム。
  66. 【請求項66】 コンピュータ・システムを使用して2
    次元的に配置される離散したドットから形成される離散
    パターンを生成するための方法であって、該方法は、 所定の区画を与えるステップと、 前記ドットの充填率分布関数を与えるステップと、 前記ドットの面積を与えるステップと、 前記所定の区画に対して、前記充填率分布関数にしたが
    って少なくとも2個のドットを生成するステップと、 前記生成されたドットを所定の関数を使用して移動さ
    せ、新たな座標値に更新するステップと、 前記新たな座標値を取得したドット間の距離を判断する
    ステップと、 前記距離に関連して新たなドットを生成または削除する
    ステップと、 前記生成されたドットを含めて前記所定の関数を使用し
    てドットの座標値を更新するステップとを含む離散パタ
    ーンの生成方法。
  67. 【請求項67】 前記充填率分布関数にしたがってドッ
    トを生成するステップは、前記区画の境界領域にドット
    を生成するステップと、 前記区画の境界領域の内側にドットを生成するステップ
    とを含む請求項66に記載の離散パターン生成方法。
  68. 【請求項68】 前記所定の関数を使用して移動させる
    ステップは、 前記境界領域に沿ってドットを移動させるステップと、 前記境界領域の内側において2次元的に前記ドットを移
    動させるステップとを含む請求項67に記載の離散パタ
    ーン生成方法。
  69. 【請求項69】 前記充填率分布関数にしたがってドッ
    トを生成するステップは、ロー・ディスクレパンシイ・
    シーケンス法を使用して生成するステップを含む請求項
    66〜68のいずれか1項に記載の離散パターン生成方
    法。
  70. 【請求項70】 前記離散パターンは、光学的部材の光
    強度変調要素または濃淡画像の2値化パターンである請
    求項66〜69のいずれか1項の記載の離散パターン生
    成方法。
  71. 【請求項71】 コンピュータ・システムを使用して2
    次元的に配置される離散したドットから形成される離散
    パターンを生成するための方法を実行するためコンピュ
    ータ実行可能なプログラムであって、 所定の区画を与えるステップと、 前記ドットの充填率分布関数を与えるステップと、 前記ドットの面積を与えるステップと、 前記所定の区画に対して、前記充填率分布関数にしたが
    って少なくとも2個のドットを生成するステップと、 前記生成されたドットを所定の関数を使用して移動さ
    せ、新たな座標値に更新するステップと、 前記新たな座標値を取得したドット間の距離を判断する
    ステップと、 前記距離に関連して新たなドットを生成または削除する
    ステップと、 前記生成されたドットを含めて前記所定の関数を使用し
    てドットの座標値を更新するステップとをコンピュータ
    ・システムに実行させるプログラム。
  72. 【請求項72】 前記充填率分布関数にしたがってドッ
    トを生成するステップは、前記区画の境界領域にドット
    を生成するステップと、 前記区画の境界領域の内側にドットを生成するステップ
    とを含む請求項71に記載のプログラム。
  73. 【請求項73】 前記所定の関数を使用して移動させる
    ステップは、 前記境界領域に沿ってドットを移動させるステップと、 前記境界領域の内側において2次元的に前記ドットを移
    動させるステップとを含む請求項72に記載のプログラ
    ム。
  74. 【請求項74】 前記充填率分布関数にしたがってドッ
    トを生成するステップは、ロー・ディスクレパンシイ・
    シーケンス法を使用して生成するステップを含む請求項
    71〜73のいずれか1項に記載のプログラム。
  75. 【請求項75】 前記離散パターンは、光学的部材の光
    強度変調要素または濃淡画像の2値化パターンである請
    求項71〜74のいずれか1項の記載のプログラム。
  76. 【請求項76】 コンピュータ・システムを使用して2
    次元的に配置される離散したドットから形成される離散
    パターンを生成するための方法を実行するためコンピュ
    ータ実行可能なプログラムが記憶されたコンピュータ可
    読な記録媒体であって、前記記録媒体は、 所定の区画を与えるステップと、 前記ドットの充填率分布関数を与えるステップと、 前記ドットの面積を与えるステップと、 前記所定の区画に対して、前記充填率分布関数にしたが
    って少なくとも2個のドットを生成するステップと、 前記生成されたドットを所定の関数を使用して移動さ
    せ、新たな座標値に更新するステップと、 前記新たな座標値を取得したドット間の距離を判断する
    ステップと、 前記距離に関連して新たなドットを生成または削除する
    ステップと、 前記生成されたドットを含めて前記所定の関数を使用し
    てドットの座標値を更新するステップとをコンピュータ
    ・システムに実行させるコンピュータ可読な記録媒体。
  77. 【請求項77】 前記充填率分布関数にしたがってドッ
    トを生成するステップは、前記区画の境界領域にドット
    を生成するステップと、 前記区画の境界領域の内側にドットを生成するステップ
    とを含む請求項76に記載の記録媒体。
  78. 【請求項78】 前記所定の関数を使用して移動させる
    ステップは、 前記境界領域に沿ってドットを移動させるステップと、 前記境界領域の内側において2次元的に前記ドットを移
    動させるステップとを含む請求項76に記載の記録媒
    体。
  79. 【請求項79】 前記充填率分布関数にしたがってドッ
    トを生成するステップは、ロー・ディスクレパンシイ・
    シーケンス法を使用して生成するステップを含む請求項
    76〜78のいずれか1項に記載の記録媒体。
  80. 【請求項80】 前記離散パターンは、光学的部材の光
    強度変調要素または濃淡画像の2値化パターンである請
    求項76〜79のいずれか1項の記載の記録媒体。
  81. 【請求項81】 離散パターンを生成するための離散パ
    ターン生成システムであって、 請求項66〜69のいずれか1項に記載の方法を実行す
    るための手段と、 前記生成された離散パターンを形成するドットの位置座
    標を記録する記憶手段と、 該記録手段に含まれた位置座標を出力するためのプリン
    タ手段と、 該プリンタ手段により離散パターンが形成されるパター
    ン受容要素とを含む離散パターン生成システム。
  82. 【請求項82】 光学的部材の光強度変調要素または濃
    淡画像の2値化パターンを生成する請求項81に記載の
    離散パターン生成システム。
  83. 【請求項83】 コンピュータ・システムを使用して2
    次元的に配置される離散したドットから形成される濃淡
    画像の二値化パターンを生成するための方法であって、
    該方法は、 所定の区画を与えるステップと、 前記所定の区画に配置するドットの数を決定するステッ
    プと、 前記ドットの位置座標を、横Lx、縦Lyの矩形型の区
    画に含まれる前記ドットが、下記式(1) 【数22】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数23】 かつ、下記式(3) 【数24】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)ように決定するステップと、 前記決定された位置座標を初期位置として設定するステ
    ップと、 前記位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わな
    いように、かつ所定の階調に関連する間隔を中心として
    前記ドットが分布するように前記ドットの位置座標を変
    化させるステップと、 前記所定の区画を複数所定の境界条件を使用して隣接
    し、所定の大きさの離散パターンを生成するステップと
    をコンピュータ・システムに実行させる、 二値化パターン生成方法。
  84. 【請求項84】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、 所定のドットについて該ドット付近存在する他のドット
    からの斥力を算出するステップと、 該斥力の大きさに応じて前記所定のドットを変位させる
    ステップと、 変位された前記所定のドットに関して斥力を算出するス
    テップと、 前記斥力を所定の範囲にあるドットについて合計するス
    テップとを含む請求項83に記載の二値化パターン生成
    方法。
  85. 【請求項85】 前記位置座標を変化するステップは、
    前記ドットの間の距離に対して、主波長以下では一定で
    あり、前記ドット間の距離が所定値を越える場合には、
    前記ドット間の距離の増大に応じて減少する斥力を使用
    する請求項83または84のいずれか1項の記載の二値
    化パターン生成方法。
  86. 【請求項86】 コンピュータ・システムを使用して2
    次元的に配置される離散したドットから形成される濃淡
    画像の二値化パターンを生成するための方法を実行する
    ためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、該
    プログラムは、 所定の区画を与えるステップと、 前記所定の区画に配置するドットの数を決定するステッ
    プと、 前記ドットの位置座標を、横Lx、縦Lyの矩形型の区
    画に含まれる前記ドットが、下記式(1) 【数25】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数26】 かつ、下記式(3) 【数27】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)ように決定するステップと、 前記決定された位置座標を初期位置として設定するステ
    ップと、 前記位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わな
    いように、かつ所定の階調に関連する間隔を中心として
    前記ドットが分布するように前記ドットの位置座標を変
    化させるステップと、前記所定の区画を複数所定の境界
    条件を使用して隣接し、所定の大きさの離散パターンを
    生成するステップとをコンピュータ・システムに実行さ
    せるプログラム。
  87. 【請求項87】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、 所定のドットについて該ドット付近存在する他のドット
    からの斥力を算出するステップと、 該斥力の大きさに応じて前記所定のドットを変位させる
    ステップと、 変位された前記所定のドットに関して斥力を算出するス
    テップと、 前記斥力を所定の範囲にあるドットについて合計するス
    テップとを含む請求項86に記載のプログラム。
  88. 【請求項88】 前記位置座標を変化するステップは、
    前記ドットの間の距離に対して、主波長以下では一定で
    あり、前記ドット間の距離が所定値を越える場合には、
    前記ドット間の距離の増大に応じて減少する斥力を使用
    する請求項86または87に記載のプログラム。
  89. 【請求項89】 コンピュータ・システムを使用して2
    次元的に配置される離散したドットから形成される濃淡
    画像の二値化パターンを生成するための方法を実行する
    ためのコンピュータ実行可能なプログラムが記録された
    コンピュータ可読な記憶媒体であって、該記憶媒体は、 所定の区画を与えるステップと、 前記所定の区画に配置するドットの数を決定するステッ
    プと、 前記ドットの位置座標を、横Lx、縦Lyの矩形型の区
    画に含まれる前記ドットが、下記式(1) 【数28】 を満たし(上記式(1)中、Nは、その区画に含まれる
    ドットの数であり、Dは、N個のドットのうち、基準座
    標(0、0)から任意の座標点(x、y)までの線分を
    対角線とする矩形領域に含まれるドットの数をA(x、
    y)として下記式(2)で与えられる。)、 【数29】 かつ、下記式(3) 【数30】 で与えられるSが0.7以下である(ただし(3)に
    おいて、gは、該領域における各ドットの平均的動径
    分布関数g(r)をr以上r以下の範囲での積分値
    で割ったもので、gavは、gのr以上r以下の
    範囲での平均値である。rおよびrは、所与の充填
    率を満たすようにドットを正方格子に配列したときに、
    その格子定数Δrに対して、それぞれ1倍および4倍の値
    にとる。ドットの充填率とは、ドットの最大径の2乗に
    ドットの個数を乗じたものを、該領域の面積で割ったも
    のである。)ように決定するステップと、 前記決定された位置座標を初期位置として設定するステ
    ップと、 前記位置座標が決定されたドットが互いに重なり合わな
    いように、かつ所定の階調に関連する間隔を中心として
    前記ドットが分布するように前記ドットの位置座標を変
    化させるステップと、前記所定の区画を複数所定の境界
    条件を使用して隣接し、所定の大きさの離散パターンを
    生成するステップとをコンピュータ・システムに実行さ
    せるプログラムが記録されたコンピュータ可読な記録媒
    体。
  90. 【請求項90】 前記位置座標を変化させるステップ
    は、 所定のドットについて該ドット付近存在する他のドット
    からの斥力を算出するステップと、 該斥力の大きさに応じて前記所定のドットを変位させる
    ステップと、 変位された前記所定のドットに関して斥力を算出するス
    テップと、 前記斥力を所定の範囲にあるドットについて合計するス
    テップとを含む請求項89に記載の記録媒体。
  91. 【請求項91】 前記位置座標を変化するステップは、
    前記ドットの間の距離に対して、主波長以下では一定で
    あり、前記ドット間の距離が所定値を越える場合には、
    前記ドット間の距離の増大に応じて減少する斥力を使用
    する請求項89または90に記載の記録媒体。
  92. 【請求項92】 離散パターンを含む二値化パターン生
    成システムであって、 請求項83〜85のいずれか1項に記載の方法を実行す
    るための手段と、 前記生成された二値化パターンを形成するドットの位置
    座標を記録する記憶手段と、 該記録手段に含まれた位置座標を出力するためのプリン
    タ手段と、 該プリンタ手段により離散パターンが形成されるパター
    ン受容要素とを含む二値化パターン生成システム。
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