JP2003065108A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2003065108A
JP2003065108A JP2001255118A JP2001255118A JP2003065108A JP 2003065108 A JP2003065108 A JP 2003065108A JP 2001255118 A JP2001255118 A JP 2001255118A JP 2001255118 A JP2001255118 A JP 2001255118A JP 2003065108 A JP2003065108 A JP 2003065108A
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nox
catalyst
exhaust
internal combustion
combustion engine
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JP2001255118A
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Shigeki Miyashita
茂樹 宮下
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Toyota Motor Corp
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 三元触媒機能を併有するNOx触媒を排気浄
化に活用する内燃機関について、リッチスパイク制御の
実行時における当該機関の排気特性を最適化することの
できる排気浄化装置を提供する。 【解決手段】 内燃機関1は、複数の気筒21を備える
とともに、各気筒21内に直接燃料を噴射する燃料噴射
弁32を具備した4サイクルの筒内噴射式ガソリンエン
ジンであり、その排気管47の途中には、排気浄化触媒
としてのNOx吸蔵還元型三元触媒(NOx触媒)48
を備える。内燃機関1の各種運転制御を司る電子制御ユ
ニット20(CPU201)は、リッチスパイク制御の
実行にあたり、吸蔵NOxを部分的に放出及び還元する
ことで当該制御の終了時にも貯蔵酸素をある程度残存さ
せ、NOx触媒に、三元触媒としての機能を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、とくに希薄燃焼可
能な内燃機関に搭載され、その排気系に設けられた排気
浄化触媒に流入する排気成分を調整することにより、同
触媒による排気の浄化様式や効率を制御する内燃機関の
排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車に搭載される内燃機関で
は、理論空燃比より高い空燃比の混合気(酸素過剰状態
の混合気)を燃焼可能な希薄燃焼式内燃機関の開発が進
められている。希薄燃焼式内燃機関には、燃料消費量の
低減が比較的容易に図られる等の利点がある一方、排気
中のNOx(窒素酸化物)を増大させやすいといった問
題もある。
【0003】このような問題を解決するために、例えば
特開平8−232646号公報に記載された内燃機関の
排気浄化装置は、排気中のNOxを還元・浄化するNO
x触媒の排気浄化機能を活用し、排気中に含まれるNO
x量の低減を効率的に図っている。
【0004】NOx触媒は、排気中の酸素濃度が高い条
件下、すなわち燃焼に供される混合気の空燃比(以下、
単に空燃比と称する)が高い条件(リーン空燃比条件)
の下では排気中のNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が
低い条件(空燃比が低い条件;リッチ空燃比条件)の下
ではNOxを放出する特性を有する。ちなみに排気中に
放出されたNOxは、排気中に炭化水素(HC)や一酸
化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、それら
還元成分と速やかに反応して窒素(N2)に還元され
る。ところで、NOx触媒が保持(吸蔵)できるNOx
の量には限界量(飽和量)が存在し、当該触媒がある程
度の量を上回るNOxを吸蔵している場合には、空燃比
が高い条件下にあってもそれ以上NOxを吸収しなくな
る。そこで上記公報記載の装置の含め、このようなNO
x触媒を排気系に備えた内燃機関では、当該NOx触媒
のNOx吸蔵量が所定量に達する前に、空燃比をリッチ
化してNOx触媒に吸蔵されたNOxを放出および還元
浄化し、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させるとい
った制御(以下、リッチスパイク制御と称する)を行
う。
【0005】ところで、NOx触媒のなかには、空燃比
が特定範囲(一般には理論空燃比近傍)である条件下に
おいて、当該機関の排気中に含まれる三種の有害成分
(HC,CO,NOx)を高効率で浄化する三元触媒機
能を併せ備えたものも知られている。このような三元触
媒機能を併有するNOx触媒は、排気中の酸素を貯蔵
し、これをHCやCOとの反応に供することにより、排
気中のHCやCOに対しても高い浄化能力(酸化能力)
を発揮する。
【0006】三元触媒機能を併有するNOx触媒は、理
論空燃比の混合気を機関燃焼に供しての運転モード(理
論空燃比条件下での運転モード)と、リーン空燃比の混
合気を機関燃焼に供しての運転モードとを適宜使い分け
る内燃機関等に採用され、当該機関が何れの運転モード
を使用していても、その排気特性を最適化するように機
能する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、三元触媒機
能を併有するNOx触媒を備えた内燃機関では、リッチ
スパイク制御の実施に伴い同触媒に貯蔵された酸素もほ
とんど放出されてしまう。このため、リッチスパイク制
御で必要以上の還元剤量を与えてしまった場合や、リッ
チスパイク終了後に理論空燃比で運転した場合等、当該
NOx触媒上に酸素が貯蔵されていないことから、同触
媒が三元触媒としての機能(HCやCOの浄化能力)を
一時的に低下させてしまうことがあった。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、三元触媒機能
を併有するNOx触媒を排気浄化に活用する内燃機関に
ついて、リッチスパイク制御の実行時における当該機関
の排気特性を最適化することのできる排気浄化装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために以下のような手段を採用した。
【0010】すなわち、本発明に係る内燃機関の排気浄
化装置は、酸素過剰状態の混合気を燃焼可能とする内燃
機関の排気通路に設けられ、排気中の還元成分量が低い
ときには当該排気中のNOxを吸蔵し、前記排気中の還
元成分量が高くなると吸蔵しているNOxを放出及び還
元するNOx触媒としての機能に、当該機関の燃焼に供
される混合気の空燃比が理論空燃比近傍であるときに排
気中の有害成分を浄化する三元触媒としての機能を併有
する排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒に吸蔵されてい
るNOxを浄化する必要があるときに、前記排気浄化触
媒に流入する排気中の還元成分を所定時間増量する還元
成分増量制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置
であって、前記還元成分増量制御手段は、前記排気浄化
触媒の残存酸素量が所定の基準値を下回った時点で前記
還元成分の増量を終了することを特徴とする。
【0011】なお、上記排気中の有害成分とは、主にH
C(炭化水素)、CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素
酸化物)を意味する。
【0012】ここで、当該排気浄化触媒によるNOxの
吸蔵、放出及び還元機能と、有害成分の浄化機能とは、
当該排気浄化触媒に流入する排気中の還元成分量に依存
するところが大きい。また、排気中の還元成分の増量
は、当該機関の燃焼に供される混合気の空燃比の制御に
よる他、例えば当該機関の燃焼条件の制御、前記排気通
路の当該排気浄化触媒上流への還元剤の添加制御、前記
排気通路への空気導入制御等、種々の外因によって変更
せしめることができる。従って、「当該機関の燃焼に供
される混合気の空燃比が理論空燃比近傍であるとき」と
は、「外因を無視して考えた場合、当該排気浄化触媒に
流入する排気の特性が、当該機関の燃焼に供される混合
気の空燃比が理論空燃比近傍である場合の排気の特性に
合致するとき」と解するものとする。
【0013】上記構成によれば、前記排気浄化触媒に流
入する排気中の還元成分を必要量与えつつ、当該排気浄
化触媒に所定量の酸素が残存することになるため、当該
排気浄化触媒が三元触媒としての機能を最大限に発揮す
るようになる。
【0014】また、上記構成において、前記排気浄化触
媒のNOx吸蔵量と、該排気浄化触媒の劣化度とに基づ
いて前記基準値を設定するのが好ましい。
【0015】同構成によれば、前記排気浄化触媒に流入
する排気中の還元成分の増量を行うにあたり、当該NO
xに残存している酸素量を正確に把握し、その把握され
た酸素量に基づいて、前記基準値を設定することとな
る。このため、当該還元成分の増量を行った後、当該排
気浄化触媒に三元触媒としての機能を発揮させるための
最適量の酸素を残存させることができるようになる。
【0016】また、前記還元成分増量制御手段が前記還
元成分の増量を所定回数行う毎に、前記基準値を低く設
定するのが好ましい。
【0017】前記還元剤の添加を繰り返し実施したとし
ても、排気浄化触媒に吸蔵されているNOxは、徐々に
増量していく懸念がある。同構成によれば、前記排気浄
化触媒内において徐々に増量していくNOxの略全量
を、当該排気浄化触媒から周期的に放出させることにな
る。このため、例えば当該排気浄化触媒から微量のNO
xが漏れ出すようなこともなく、高いNOx浄化効率が
安定して得られるようになる。
【0018】また、本発明における還元成分増量制御の
実行方法としては、例えば、筒内直接噴射型の内燃機関
であれば膨張行程又は排気行程の気筒の燃料噴射弁から
燃焼に寄与しない燃料を噴射させる方法、排気ポートや
排気通路に燃料添加ノズルを取り付けて排気中に燃料を
添加する方法等を例示することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を具体化した第1の実施の形態について、図面を参照
して説明する。
【0020】図1は、本発明の第1の実施の形態にかか
る内燃機関を示す概略構成図である。
【0021】同図1に示す内燃機関1は、複数の気筒2
1を備えるとともに、各気筒21内に直接燃料を噴射す
る燃料噴射弁32を具備した4サイクルの筒内噴射式ガ
ソリンエンジンである。
【0022】内燃機関1は、複数の気筒21及び冷却水
路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリ
ンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1
aとを備えている。
【0023】シリンダブロック1bには、機関出力軸で
あるクランクシャフト23が回転自在に支持され、この
クランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に装
填されたピストン22とコネクティングロッドを介して
連結されている。
【0024】ピストン22の上方には、ピストン22の
頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室2
4が形成されている。シリンダヘッド1aには、燃焼室
24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、この点火栓
25には、該点火栓25に駆動電流を印加するためのイ
グナイタ25aが接続されている。
【0025】シリンダヘッド1aには、2つの吸気ポー
ト26の開口端と2つの排気ポート27の開口端とが燃
焼室24に臨むよう形成されるとともに、その噴孔が燃
焼室24に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられてい
る。
【0026】シリンダヘッド1aには、その噴孔が排気
ポート27に臨むよう二次空気噴射ノズル53が取り付
けられている。この二次空気噴射ノズル53は、エアポ
ンプ(図示略)と接続され、同エアポンプから供給され
る二次空気を排気ポート27内へ供給するものである。
【0027】吸気ポート26の各開口端は、シリンダヘ
ッド1aに進退自在に支持された吸気弁28によって開
閉されるようになっており、これら吸気弁28は、シリ
ンダヘッド1aに回転自在に支持されたインテーク側カ
ムシャフト30によって進退駆動されるようになってい
る。
【0028】排気ポート27の各開口端は、シリンダヘ
ッド1aに進退自在に支持された排気弁29により開閉
されるようになっており、これら排気弁29は、シリン
ダヘッド1aに回転自在に支持されたエキゾースト側カ
ムシャフト31により進退駆動されるようになってい
る。
【0029】インテーク側カムシャフト30及びエキゾ
ースト側カムシャフト31は、タイミングベルト(図示
略)を介してクランクシャフト23と連結されている。
【0030】各気筒21に連通する2つの吸気ポート2
6のうちの一方の吸気ポート26は、シリンダヘッド1
a外壁に形成された開口端から燃焼室24に臨む開口端
へ向かって直線状に形成された流路を有するストレート
ポートで構成され、他方の吸気ポート26は、シリンダ
ヘッド1a外壁の開口端から燃焼室24の開口端へ向か
って、気筒21の軸方向と垂直な面において旋回するよ
う形成された流路を有するヘリカルポートで構成されて
いる。
【0031】各吸気ポート26は、シリンダヘッド1a
に取り付けられた吸気枝管33の各枝管と連通してい
る。
【0032】吸気枝管33において、各気筒21に対応
した2つの吸気ポート26のうちのストレートポートと
連通する枝管には、その枝管内の流量を調節するスワー
ルコントロールバルブ37が設けられている。
【0033】スワールコントロールバルブ37には、ス
テッパモータ等からなり、印加電流の大きさに応じてス
ワールコントロールバルブ37を開閉駆動するSCV用
アクチュエータ37aと、スワールコントロールバルブ
37の開度に対応した電気信号を出力するSCVポジシ
ョンセンサ37bとが取り付けられている。
【0034】吸気枝管33は、サージタンク34に接続
されており、そのサージタンク34には、吸気管35が
接続されている。吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取
り除くためのエアクリーナ36と接続されている。
【0035】吸気管35には、該吸気管35内を流れる
新気の流量を調節するスロットル弁39が設けられてい
る。スロットル弁39には、ステッパモータ等からな
り、印加電流の大きさに応じて同スロットル弁39を開
閉駆動するスロットル用アクチュエータ40と、同スロ
ットル弁39の開度に対応した電気信号を出力するスロ
ットルポジションセンサ41とが取り付けられている。
【0036】スロットル弁39には、アクセルペダル4
2に連動して回転するアクセルレバー(図示略)が併設
され、このアクセルレバーには、アクセルレバーの回転
位置(アクセルペダル42の踏み込み量)に対応した電
気信号を出力するアクセルポジションセンサ43が取り
付けられている。
【0037】スロットル弁39より上流の吸気管35に
は、吸気管35内を流れる新気の質量(吸入空気質量)
に対応した電気信号を出力するエアフローメータ44が
取り付けられている。
【0038】一方、内燃機関1の各排気ポート27は、
シリンダヘッド1aに取り付けられた排気枝管45の各
枝管と連通している。排気枝管45は、周知の三元触媒
(以下、前置触媒と称する)46に接続されている。
【0039】前置触媒46は、例えば、排気の流れ方向
に沿う貫通孔を複数有するよう格子状に形成されたコー
ジェライトを担体とし、同担体の表面に触媒層をコーテ
ィングして構成されている。触媒層は、例えば、多数の
細孔を有する多孔質のアルミナ(Al2O3)の表面に
白金−ロジウム(Pt−Rh)系の貴金属触媒物質を担
持させて形成されている。前置触媒46は、後述するN
Ox吸蔵還元型三元触媒48に比してその容積が小さい
こと、また排気ポート27の近傍に配置されていること
から、その床温が容易に高まる。このため、機関始動時
等、NOx吸蔵還元型三元触媒48が十分に活性されて
いない条件下において補助的に機能する。
【0040】前置触媒46の下流側に接続された排気管
47の途中には、排気浄化触媒としてのNOx吸蔵還元
型三元触媒(以下、単にNOx触媒と称する)48が設
けられている。
【0041】NOx触媒48は、例えばアルミナ(Al
2O3)を担体とし、この担体上に例えばカリウム
(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシ
ウムCsのようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カ
ルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、或いはランタ
ン(La)、イットリウム(Y)のような希土類の他、
セリウム(Ce)等の金属成分と、白金(Pt)のよう
な貴金属成分とが担持されることによって構成される。
【0042】このNOx触媒48は、排気中に多量の酸
素が存在している状態(空燃比が高い状態)においては
NOxを吸収し、排気中の酸素濃度が低く(空燃比が低
く)且つ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が
多量に存在している状態においてはNOxをNO2若し
くはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出
されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応す
ることによってさらに還元されN2となる。ちなみにH
CやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸
化されH2OやCO2となる。
【0043】また、セリウム等の金属成分は、排気の酸
素濃度が高いとき(空燃比がリーン空燃比であるとき)
には排気中の酸素(O2)と結合して酸化セリウム(セ
リア)を形成することでNOx触媒48内に酸素
(O2)酸素を貯蔵する能力(酸素貯蔵能力;OSC)
を有する。酸化セリアは、排気の酸素濃度が低くなると
(空燃比が理論空燃比又はリッチ空燃比になると)、酸
素(O2)とセリウム(Ce)とに分解されることで、
酸素(O2)を放出し、HCやCOと反応してH2OやC
2を生成する。
【0044】さらに、白金等の貴金属成分はNOx,C
O,HC相互間での酸化還元反応を促す機能を有するこ
とから、NOx触媒48は、同触媒48に導入される排
気中の酸素濃度やHC成分量に応じて排気中のNOxを
適宜吸蔵及び還元・浄化する他、とくに空燃比が理論空
燃比やリッチ空燃比である条件下においては排気中のH
CやCOを浄化する三元触媒としての機能を併有するこ
とになる。
【0045】一方、排気枝管45には、前置触媒46に
流入する排気の酸素濃度(当該排気の起源となる混合気
の空燃比と略一義的な関係にある)に対応した電気信号
を出力する第1空燃比センサ49aが取り付けられ、N
Ox触媒48より上流の排気管47には、NOx触媒4
8に流入する排気の酸素濃度に対応した電気信号を出力
する第2空燃比センサ49bが取り付けられている。
【0046】また、内燃機関1は、クランクシャフト2
3の端部に取り付けられたタイミングロータ51aとタ
イミングロータ51a近傍のシリンダブロック1bに取
り付けられた電磁ピックアップ51bとからなるクラン
クポジションセンサ51と、内燃機関1の内部に形成さ
れた冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検出すべくシ
リンダブロック1bに取り付けられた水温センサ52と
を備えている。
【0047】このように構成された内燃機関1には、該
内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニッ
ト(ECU)20が併設されている。
【0048】ECU20には、SCVポジションセンサ
37b、スロットルポジションセンサ41、アクセルポ
ジションセンサ43、エアフローメータ44、第1空燃
比センサ49a、第2空燃比センサ49b、クランクポ
ジションセンサ51、及び水温センサ52等の各種セン
サが電気配線を介して接続され、各センサの出力信号が
ECU20に入力されるようになっている。
【0049】ECU20には、イグナイタ25a、燃料
噴射弁32、SCV用アクチュエータ37a、スロット
ル用アクチュエータ40、二次空気噴射ノズル53等が
電気配線を介して接続され、ECU20が各種センサの
出力信号値をパラメータとしてイグナイタ25a、燃料
噴射弁32、SCV用アクチュエータ37a、スロット
ル用アクチュエータ40、二次空気噴射ノズル53を制
御することが可能になっている。
【0050】ここで、ECU20は、図2に示すよう
に、中央処理装置(CPU)201、読み出し専用メモ
リ(ROM)202、ランダムアクセスメモリ(RA
M)203、バックアップRAM204およびタイマー
カウンタ(図示略)等といった各要素と、入力ポート2
05と、出力ポート206とが双方向性バス200によ
り接続されて構成される論理演算回路を備える。
【0051】入力ポート205は、SCVポジションセ
ンサ37b、スロットルポジションセンサ41、アクセ
ルポジションセンサ43、エアフローメータ44、第1
空燃比センサ49a、第2空燃比センサ49b、水温セ
ンサ52のようにアナログ信号形式の信号を出力するセ
ンサの出力信号をA/D207を介して入力し、それら
の出力信号をCPU201やRAM203へ送信する。
【0052】出力ポート206は、CPU201から出
力される制御信号をイグナイタ25a、燃料噴射弁3
2、SCV用アクチュエータ37a、スロットル用アク
チュエータ40、あるいは二次空気噴射ノズル53へ送
信する。
【0053】ROM202は、燃料噴射量を決定するた
めの燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定する
ための燃料噴射時期制御ルーチン、点火時期を決定する
ための点火時期制御ルーチン、スワールコントロールバ
ルブ(SCV)37の開度を制御するためのSCV制御
ルーチン、スロットル弁39の開度を制御するためのス
ロットル制御ルーチン等の既知のアプリケーションプロ
グラムに加え、NOx触媒48に吸収された窒素酸化物
(NOx)を浄化するためのリッチスパイク制御ルーチ
ンを記憶している。ここで、リッチスパイク制御とは、
排気中に含まれる還元成分の量を一時的に高める制御
(還元成分の増量制御)をいう。
【0054】ROM202は、上記アプリケーションプ
ログラムに加え、各種の制御マップを記憶している。上
記制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状態と燃料
噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マップ、内燃機関
1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時
期制御マップ、内燃機関1の運転状態と点火時期との関
係を示す点火時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と
スワールコントロールバルブ(SCV)37の開度との
関係を示すSCV開度制御マップ、内燃機関1の運転状
態とスロットル弁39との関係を示すスロットル開度制
御マップ等である。
【0055】RAM203は、各センサの出力信号やC
PU201の演算結果等を記憶する。前記演算結果は、
例えば、クランクポジションセンサ51の出力信号に基
づいて算出される機関回転数等である。RAM203に
記憶される各種のデータは、クランクポジションセンサ
51が信号を出力する度に最新のデータに書き換えられ
る。
【0056】バックアップRAM45は、内燃機関1の
運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリであ
る。
【0057】CPU201は、ROM202に記憶され
たアプリケーションプログラムに従って動作し、燃料噴
射制御、点火制御、SCV制御、スロットル制御、ある
いはリッチスパイク制御等の各種制御を実行する。
【0058】例えば、CPU201は、クランクポジシ
ョンセンサ51、アクセルポジションセンサ43、ある
いはエアフローメータ44等の出力信号値をパラメータ
として内燃機関1の負荷を判別する。
【0059】CPU201は、内燃機関1の負荷に応じ
て、SCV用アクチュエータ37a、スロットル用アク
チュエータ40、燃料噴射弁32、及び点火栓25を制
御することにより、リーン度合いの高い混合気による成
層燃焼運転と、リーン度合いの低い混合気による均質リ
ーン燃焼運転と、理論空燃比近傍の混合気による均質燃
焼運転との間で運転モードを切り換える。
【0060】内燃機関1が理論空燃比近傍の混合気によ
る均質燃焼運転を行っているときには、NOx触媒が三
元触媒として機能し、排気中の三成分(NOx,CO,
HC)を効率的に浄化する。
【0061】内燃機関1が成層燃焼運転状態、均質リー
ン燃焼運転状態、もしくは弱成層燃焼運転状態にあると
き、言い換えれば内燃機関1が希薄燃焼運転を行ってい
るときには、空燃比がリーン空燃比となり、排気中のN
Ox量が増大するが、NOx触媒48内のNOx吸収剤
が効率的にこれを吸収(吸蔵)する。
【0062】一方、NOx触媒48のNOx吸蔵能力に
は限りがあるため、内燃機関1の希薄燃焼運転が長期間
継続されると、NOx触媒48のNOx吸蔵能力が飽和
する。そこでCPU201は、適宜のタイミングでリッ
チスパイク制御を実行することにより、NOx触媒48
に流入する排気中の還元成分量を周期的に高める。
【0063】リッチスパイク制御の実行により排気中の
酸素濃度が低くなり(空燃比が低くなり)、且つ還元成
分が多量に存在するようになると、同触媒48内に吸蔵
されたNOxはNO2若しくはNOに還元されて放出さ
れる。NO2やNOとして放出されたNOxが排気中の
HCやCOと速やかに反応することによってさらに還元
されN2となり、このときHCやCOが酸化されてH2
やCO2となることは上述した通りである。また、NO
x触媒48に吸蔵されたNOxが放出されることによ
り、NOx触媒48のNOx吸蔵能力が回復する。リッ
チスパイク制御の具体的な実行方法としては、膨張行程
若しくは排気行程にある気筒21の燃料噴射弁32から
燃焼(機関出力)に寄与しない燃料(副燃料)を噴射さ
せる方法を例示することができる。
【0064】ところで、従来のリッチスパイク制御で
は、NOx触媒48内に吸蔵されたNOxの全量が放出
されるために十分量の還元成分を、十分な時間排気中に
供給するといった制御態様を適用するのが一般的であっ
た。ところが、このような制御態様を適用すると、過剰
な還元成分がNOx触媒をすり抜けて下流に流出してし
まう懸念がある。また、過剰なNOxが供給されると、
NOx触媒内に貯蔵されているO2が還元成分と反応
し、消費されてしまう。NOx触媒内に貯蔵されている
2は、NOx触媒が三元触媒として機能する場合に、
排気中のHCやCOに酸化反応を生じせしめる上で不可
欠な機能を担う。すなわち、従来の態様でリッチスパイ
ク制御を行うと、例えば当該制御の終了時等、機関燃焼
に供される混合気の空燃比が理論空燃比となったとき
に、排気中のHCやCOが浄化されずNOx触媒をすり
抜けてしまう。
【0065】そこで、本実施の形態にかかるリッチスパ
イク制御では、NOx触媒のOSCを喪失させることな
く、当該触媒に吸蔵されたNOxのみを効率的に放出及
び還元・浄化させるように、排気中への還元成分の供給
時間を調整する。
【0066】なお、上記リッチスパイク制御を行うべく
内燃機関1に搭載される各種機能部材は、排気管47に
設けられたNOx触媒48やECU20と共に、本実施
の形態における排気浄化装置を構成する。
【0067】次に、CPU201によるリッチスパイク
制御の具体的な処理手順について、フローチャートを参
照して説明する。
【0068】図5は、本実施の形態にかかる「リッチス
パイク制御ルーチン」を示すフローチャートである。
【0069】本ルーチンは、内燃機関1の運転期間中、
CPU201によって所定時間毎に繰り返し実行され
る。
【0070】同ルーチンに処理が移行すると、CPU2
01は先ずステップS101において、現時点が、NO
x触媒48に吸蔵されたNOxを還元及び放出すべきタ
イミング(再生処理を行うべきタイミング)に相当する
か否か、言い換えれば、リッチスパイク制御の要求があ
るか否かを判断する。この判断は、例えば以下の条件
(1)〜(3)が満たされているか否かに基づいて行
う。
【0071】(1)NOx触媒48のNOx吸蔵量が所
定量を上回っていること。NOx触媒によるNOx吸蔵
量がその限界値にある程度まで近づいたことを意味す
る。この吸蔵量は、前回の燃料添加終了からの経過時間
や内燃機関1の搭載された車両の走行距離等に基づいて
推定する。
【0072】(2)機関回転数及びアクセルペダル42
の踏み込み量の関係等から内燃機関1の運転状態がリッ
チスパイク制御の実行に適していると判断される。これ
は、内燃機関1の運転状態が、リッチスパイク制御を実
行してもトルク変動等の不具合が生じない領域にある条
件にあたる。
【0073】(3)NOx触媒48の床温が所定の温度
範囲(例えば250〜400℃)にあること。これは、
触媒が十分に活性化し、且つ好適に機能する条件にあた
る。NOx触媒48の床温は、同触媒48上流の排気温
度に基づいて推定する。同触媒48上流の排気温度は、
機関回転数やアクセルペダル42の踏み込み量等に基づ
いて推定する。
【0074】すなわち、上記条件(1)〜(3)が全て
成立していれば、CPU201は「リッチスパイク制御
の要求あり。」と判断し、その処理をステップS102
に移行する。一方、上記条件(1)〜(3)のうち何れ
か1つでも成立していなければ、CPU201は「リッ
チスパイク制御の要求なし」と判断し、本ルーチンを一
旦抜ける。
【0075】ステップS102においてCPU201
は、リッチスパイク制御の終了後、NOx触媒48内に
残存するO2の量が所定の目標量(基準値)になるよう
に、当該制御の実行時間を定める。
【0076】具体的には先ず、NOx触媒48内に吸蔵
されているNOx(吸蔵NOx)が飽和状態であると仮
定した場合、吸蔵NOxの全量を放出させるために必要
十分なリッチスパイク制御の実行時間(以下、基準継続
時間と称する)TMを、内燃機関1の運転状態に基づい
て算出する。次に、今回のリッチスパイク制御の実行時
間(以下、実継続時間と称する)TPを、NOx触媒4
8内のNOx吸蔵量と、NOx触媒48の劣化度との関
係に基づきマップを参照して決定する。同マップには、
基準継続時間TMに対する実継続時間TPの比率(以
下、OSC考慮比率と称する)を、NOx触媒48のN
Ox吸蔵量と、NOx触媒48の劣化度との関係から決
定づけられる数値R(R(%)=100×TP/TM)
として算出する。すなわち、基準継続時間TMにOSC
考慮比率Rを積算して得られる値を、今回のリッチスパ
イク制御の実行時間(実継続時間)TPとする。
【0077】図4は、マップ上におけるNOx触媒48
のNOx吸蔵量、NOx触媒48の劣化度、及びOSC
考慮比率R相互間の関係を示すグラフである。同図4中
において等量線として示すように、NOx吸蔵量が大き
くなるほど、また、触媒劣化度が大きくなるほどOSC
考慮比率Rは大きな値に設定する。
【0078】NOx触媒内におけるNOxの吸蔵量が小
さいほど、NOxの放出に必要な還元成分の量も小さく
なる。そこで、リッチスパイク制御の終了後に特定量
(基準値)のO2をNOx触媒に残存させるべく、当該
制御の実行前におけるNOx触媒のNOx吸蔵量が小さ
くなるほど、リッチスパイク制御の実行時間(実継続時
間)TPは短く設定する。
【0079】また、例えばNOx触媒の使用期間が未だ
短く、その劣化度が小さいほど吸蔵されたNOxが還元
成分の導入によって放出され易い傾向にあることが、発
明者によって確認されている。そこで、リッチスパイク
制御の終了後に特定量(基準値)のO2をNOx触媒に
残存させるべく、当該制御の実行前におけるNOx触媒
の劣化度が小さくなるほど、リッチスパイク制御の実行
時間(実継続時間)TPは短く設定する。
【0080】続くステップS102においてCPU20
1は、上記ステップS102で設定された実行時間(実
継続時間)TPを適用して今回のリッチスパイク制御を
実行する。
【0081】上記ステップS103での処理を経た後、
ECU80は本ルーチンを一旦抜ける。
【0082】図5には、上記ルーチンに従い本実施の形
態にかかるリッチスパイク制御を実行した場合、その実
行期間前後に亘って観測される排気中の酸素濃度(第2
空燃比センサ49bの出力に基づいて算出される酸素濃
度)の推移例を示す。なお、図中において、本実施の形
態にかかるリッチスパイク制御の実行期間中に観測され
る酸素濃度の推移を実線で示し、従来のリッチスパイク
制御の実行に伴い観測される酸素濃度の推移を二点鎖線
で示す。また、一点鎖線で示す基準線Lは、定常運転を
行っている内燃機関1に対し、理論空燃比の混合気を供
した際に排出される排気中の酸素濃度に相当する。
【0083】同図5において、時刻t1は本実施の形態
におけるリッチスパイク制御の実行開始タイミングに相
当し、時刻t2は当該制御の終了タイミングに相当す
る。また、時刻t1において従来のリッチスパイク制御
を開始したと仮定した場合、時刻3がその終了タイミン
グに相当する。
【0084】ここで、従来のリッチスパイク制御では、
基準継続時間TMに相当する期間、NOx触媒に流入す
る排気中の酸素濃度を低下させる(還元成分量を増大さ
せる)こととなっていたため、NOx触媒内に吸蔵され
ていたNOx(吸蔵NOx)とともに、同触媒に貯蔵さ
れていたO2(貯蔵酸素)も全て放出されてしまうこと
になる場合が多かった。そして、このような状態で、N
Ox触媒がO2を再貯蔵する機会を逸したまま内燃機関
の運転モードが理論空燃比近傍の混合気による均質燃焼
運転に移行すると、NOx触媒(NOx吸蔵還元型三元
触媒)が三元触媒として機能できず、同触媒の下流にH
CやCOが流出してしまうことになっていた。すなわ
ち、時刻t2〜t3の間でHC,COが排出され、エミ
ッションが悪化していた。
【0085】このような場合、良好な排気特性を安定し
て確保するために、例えばNOx触媒の下流に三元触媒
を設けると、排気系構造の複雑化や生産コスト高を招く
ことになる。
【0086】この点、本実施の形態にかかる排気浄化装
置によれば、リッチスパイク制御の実行にあたり、吸蔵
NOxを部分的に放出及び還元することで当該制御の終
了時にも貯蔵酸素を特定量残存させるようにする。この
ため、当該制御の終了直後であっても、NOx触媒に三
元触媒としての機能維持が保証されるようになる。
【0087】よって、リッチスパイク制御の終了直後
に、内燃機関1の運転モードが例えば理論空燃比近傍の
混合気による均質燃焼運転等に移行するようなことがあ
っても、NOx触媒48下流にHCやCOを流出させる
ことなく内燃機関1の排気特性を好適な状態に保持する
ことができるようになる。
【0088】また、例えばNOx触媒の下流に三元触媒
を設ける等、更なるハードウエアを追加する必要もな
く、簡易且つ低コストで上記効果を奏することができる
ようになる。 (第2の実施の形態)次に、本発明を具体化した第2の
実施の形態について、上記第1の実施の形態と異なる点
を中心に説明する。なお、当該第2の実施の形態におい
て、適用対象となる内燃機関のハードウエア構成や、E
CUの電気的構成に関する部分については、第1の実施
の形態(図1及び図2を参照)と同等である。このた
め、第1の実施の形態の構成部材と同等の機能を有する
ものについては同一の符号を用い、ここでの重複する説
明は省略する。
【0089】本実施の形態にかかる排気浄化装置も、各
回のリッチスパイク制御の実行に際しては、リッチスパ
イク制御の終了後、NOx触媒48内に残存するO2
量が所定の目標量(基準値)になるように当該制御の実
行時間を定め、吸蔵NOxの部分的な還元を行う点にお
いて、基本的には上記第1の実施の形態とほぼ同等の制
御構造を適用する。
【0090】ただし、本実施の形態では、吸蔵NOxを
部分的に放出及び還元するリッチスパイク制御を所定回
数実行した後、吸蔵NOxを完全に放出及び還元するリ
ッチスパイク制御を実行するといった処理を繰り返し行
う点で、上記第1の実施の形態とは異なる。
【0091】以下、本実施の形態にかかるリッチスパイ
ク制御の具体的な処理手順について説明する。
【0092】図6は、本実施の形態にかかる「リッチス
パイク制御ルーチン」を示すフローチャートである。
【0093】本ルーチンは、上記第1の実施の形態にお
ける「リッチスパイク制御ルーチン」(図3参照)と同
じく、内燃機関1の運転期間中、CPU201によって
所定時間毎に繰り返し実行される。
【0094】同ルーチンにおいて、ステップS201の
処理内容は、上記第1の実施の形態におけるルーチンの
ステップS101の処理内容と同様である。
【0095】すなわち、同ステップS201においてC
PU20は、現時点が、NOx触媒48に吸蔵されたN
Oxを還元及び放出すべきタイミング(再生処理を行う
べきタイミング)に相当するか否か、言い換えれば、リ
ッチスパイク制御の要求があるか否かを判断する。
【0096】上記ステップS201においてリッチスパ
イクの要求があると判断した場合、CPU201はリッ
チスパイクカウンタCRSをインクリメントした上で
(ステップS202)、同カウンタCRSが所定値KC
RSを上回ったか否かを判断する(ステップS20
3)。そして、リッチスパイクカウンタCRSが所定値
KCRSを上回っていない場合、CPU201は、上記
第1の実施の形態にかかる「リッチスパイク制御」のス
テップS102及びステップS103と同様の処理、す
なわち実継続時間TPを適用して(図3〜図5を併せ参
照)、吸蔵NOxを部分的に放出及び還元するリッチス
パイク制御を実行した上で(ステップS204)、本ル
ーチンを一旦抜ける。一方、リッチスパイクカウンタC
RSが所定値KCRSを上回っている場合、CPU20
1は、吸蔵NOxを完全に放出及び還元するに十分な時
間(例えば図5に示す基準継続時間TMに相当する時
間)、リッチスパイク制御を実行する。そして、リッチ
スパイクカウンタCRSを「0」もリセットした上で
(ステップS207)、本ルーチンを一旦抜ける。
【0097】ここで、リッチスパイクカウンタCRS
は、吸蔵NOxを部分的に放出及び還元するリッチスパ
イク制御の連続実行回数を計数するためのカウンタであ
り、吸蔵NOxを完全に放出及び還元するリッチスパイ
ク制御が実行される毎に(吸蔵NOxが完全に放出され
たものと推定される毎に)一旦リセットされる。また基
本的に、吸蔵NOxを部分的に放出及び還元するリッチ
スパイク制御が所定回数(KCRS)連続して実行され
ると、吸蔵NOxを完全に放出及び還元するリッチスパ
イク制御が一回実行されることになる。
【0098】リッチスパイク制御の実施にあたり、吸蔵
NOxを部分的に放出及び還元する制御態様を繰り返し
ていると、吸蔵NOxが徐々に増大し、これに伴ってN
Ox触媒がNOxの吸蔵能力が徐々に低下していく傾向
がある。ここで、本ルーチンによるように、吸蔵NOx
を完全に放出及び還元するリッチスパイク制御を周期的
に行えば、増大しつつあった吸蔵NOxが周期的に一掃
され、NOx触媒48がNOxの吸蔵能力を回復するこ
とになるため、総括的に(長期的な観点から)、同触媒
48による排気浄化の効率が一層高まるようになる。
【0099】一方、リッチスパイク制御が実行されてい
ない期間中(ステップS201における判断が否定であ
る場合)、CPU201は、内燃機関1の現在の運転モ
ードが、理論空燃比近傍の混合気による均質燃焼運転で
あるか否かを毎回のルーチンで判断する(ステップS2
06)。理論空燃比近傍の混合気による均質燃焼運転が
行われると、NOx触媒48が正常に機能していれば、
同触媒48が三元触媒として機能し、排気中の三成分
(NOx,HC,CO)が相互間で反応して効率的に浄
化され、同触媒48に吸蔵されているNOxは速やかに
放出され、上記三成分相互間の反応に加わる。このた
め、ステップS206における判断が肯定である場合に
も、CPU201は、吸蔵NOxが完全に放出されたも
のと推定してリッチスパイクカウンタCRSを一旦リセ
ットする。
【0100】このように、本実施の形態にかかる排気浄
化装置によれば、先の第1の実施の形態と同様、リッチ
スパイク制御の実行にあたり、吸蔵NOxを部分的に放
出及び還元することで、当該制御の終了直後であって
も、NOx触媒に三元触媒としての機能維持が保証され
る。さらに、吸蔵NOxの完全な放出及び還元が周期的
に行われることで、NOx触媒によるNOxの吸蔵及び
還元機能が完全に回復するようになる。よって、長期的
な観点から、同触媒48による排気浄化の効率が一層高
まるようになる。
【0101】なお、上記第1及び第2の実施の形態で
は、リッチスパイク制御の実行にあたり、当該制御の終
了後においてNOx触媒48内に所定量のO2が残存す
るように、当該制御の実行時間(継続時間)を短縮する
こととした。このような制御構造に加え、例えば、当該
制御の終了直前に、二次空気噴射ノズル53を通じて排
気中へ空気を導入し、積極的にNOx触媒内の貯蔵酸素
量を増大させるようにしてもよい。
【0102】また、上記各実施の形態では、リッチスパ
イク制御の具体的な実行方法として、膨張行程若しくは
排気行程にある気筒21の燃料噴射弁32から燃焼(機
関出力)に寄与しない燃料(副燃料)を噴射させる方法
を例示したが、このような方法に限らず、例えば排気管
47のNOx触媒48上流に還元成分を含んだ媒体(例
えばガソリン等)を添加する添加ノズルを付加し、同ノ
ズルを通じて排気管47に直接還元成分を添加する制御
構造をリッチスパイク制御(還元成分増量制御)として
適用してもよい。
【0103】また、上記各実施の形態において適用する
こととした筒内直接噴射型の内燃機関1に限らず、少な
くともリーン空燃比の混合気を機関燃焼に供しての運転
モードと、理論空燃比の混合気を機関燃焼に供しての運
転モードとを使い分けることのできる内燃機関であれ
ば、例えば、機関燃焼に供される燃料を吸気ポートや吸
気管から導入するタイプの内燃機関であっても本発明の
適用対象とすることはできる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排気浄化触媒に流入する排気中の還元成分の増量が終了
した直後であれ、当該排気浄化触媒に所定量の酸素が残
存することになるため、リッチスパイク実行中や終了
時、或いは当該機関の燃焼に供される混合気の空燃比が
例えば理論空燃比近傍に移行した場合に、当該排気浄化
触媒が三元触媒としての機能を好適に発揮するようにな
る。
【0105】また、排気浄化触媒に流入する排気中の還
元成分の増量を行った後、当該排気浄化触媒に三元触媒
としての機能を発揮させるための最適量の酸素を残存さ
せることができるようになる。
【0106】また、排気浄化触媒から微量のNOxが漏
れ出すようなこともなく、長期に亘り、高いNOx浄化
効率が安定して得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかる内燃機関
を示す概略構成図。
【図2】 同実施の形態にかかるECUの電気的構成を
示すブロック図。
【図3】 同実施の形態にかかるリッチスパイク制御手
順を示すフローチャート。
【図4】 同実施の形態にかかるリッチスパイク制御に
おいて、NOx触媒に残存する酸素量を算出するための
マップ。
【図5】 同実施の形態にかかるリッチスパイク制御の
実行期間前後に亘って観測される排気中の酸素濃度の推
移例を示すタイムチャート。
【図6】 本発明の第2の実施の形態にかかるリッチス
パイク制御手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1・・・・内燃機関 20・・・ECU 21・・・気筒 24・・・燃焼室 27・・・排気ポート 29・・・排気弁 32・・・燃料噴射弁 45・・・排気枝管 46・・・三元触媒(前置触媒) 47・・・排気管 48・・・NOx触媒(排気浄化触媒としてのNOx吸
蔵還元型三元触媒) 49・・・排気絞り弁 50・・・アクチュエータ 53・・・二次空気噴射ノズル 201・・CPU 202・・ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/28 301C 3/28 301 F02D 41/02 325F F02D 41/02 325 45/00 314T 45/00 314 B01D 53/36 103B 101B Fターム(参考) 3G084 AA03 AA04 BA05 BA09 BA13 BA15 BA17 BA19 BA21 BA24 BA25 DA10 DA22 DA27 EA11 EB01 EB11 EB16 EB22 EC04 FA07 FA10 FA20 FA26 FA28 FA29 FA33 FA38 3G091 AA02 AA12 AA17 AA24 AA28 AB03 AB06 BA14 BA15 BA19 BA32 BA33 BA39 CA22 CB02 CB03 CB05 CB07 CB08 DA01 DA02 DA04 DA08 DA10 DB11 DB13 EA01 EA05 EA07 EA16 EA30 EA31 EA34 FA06 FB10 FB11 FB12 FC02 FC04 GA06 GB01X GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB10W GB16X GB17X HA03 HA08 HA36 HA37 HB07 3G301 HA01 HA04 HA06 HA16 JA15 JA25 JA26 JB09 LA03 LA05 LA08 LB04 MA01 MA11 MA18 MA23 MA26 NA06 NA07 NA08 NA09 ND01 NE01 NE02 NE06 NE07 NE13 NE14 NE15 NE18 NE23 PA01B PA01Z PA11B PA11Z PA14B PA14Z PD02B PD02Z PD04B PD04Z PD09B PD09Z PE01B PE01Z PE03B PE03Z PE04B PE04Z PE08B PE08Z PF03B PF03Z 4D048 AA06 AA13 AA18 AB02 AB05 AB07 BA02X BA03X BA10X BA14X BA15X BA17X BA18X BA30X BA33X BA41X BB02 CC24 CC32 CC46 DA01 DA02 DA03 DA08 DA10 EA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素過剰状態の混合気を燃焼可能とする
    内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の還元成分量が
    低いときには当該排気中のNOxを吸蔵し、前記排気中
    の還元成分量が高くなると吸蔵しているNOxを放出及
    び還元するNOx触媒としての機能に、当該機関の燃焼
    に供される混合気の空燃比が理論空燃比近傍であるとき
    に排気中の有害成分を浄化する三元触媒としての機能を
    併有する排気浄化触媒と、 前記排気浄化触媒に吸蔵されているNOxを浄化する必
    要があるときに、前記排気浄化触媒に流入する排気中の
    還元成分を所定時間増量する還元成分増量制御手段と、 を備える内燃機関の排気浄化装置であって、 前記還元成分増量制御手段は、前記排気浄化触媒の残存
    酸素量が所定の基準値を下回った時点で前記還元成分の
    増量を終了することを特徴とする内燃機関の排気浄化装
    置。
  2. 【請求項2】 前記排気浄化触媒のNOx吸蔵量と、該
    排気浄化触媒の劣化度とに基づいて前記基準値を設定す
    ることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化
    装置。
  3. 【請求項3】 前記還元成分増量制御手段が前記還元成
    分の増量を所定回数行う毎に、前記基準値を低く設定す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排
    気浄化装置。
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