JP2003064738A - 水栓の配管カバー取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁裏に敷設する給水管に壁の表側から脚配管
を介在させて水栓を接続して、この脚配管と給水管との
接続部を覆う水栓の配管カバー取付構造において、水栓
と壁との間のデザイン性を向上させるとともに、施工誤
差も吸収できて、容易に壁面に密着して確実に取付ける
ことができるとともに、断熱のある安全なメンテナンス
性のよい配管カバー取付構造を提供する。 【解決手段】 壁裏に敷設する給水管に壁の表側から脚
配管を介在させて水栓を接続して、この脚配管と給水管
との接続部を覆う水栓の配管カバー取付構造において、
この、配管カバーが略円筒型もしくは略円錐型形状をし
ており、前面および後面に開口を形成し、かつ、側辺に
沿って分割されて、着脱自在に構成し、壁側と水栓側の
前後にスライド自在に形成するとともに、配管カバー下
部に水栓の脚配管内に設置された止水栓またはフィルタ
ーの操作用の穴を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水栓の配管カバー
に関する。詳しくは、壁付け水栓への給水管ならびに給
湯管を覆う配管カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、壁付け水栓は、図１１に示すよう
に、壁裏に敷設して壁面まで給水管（給湯管も含む）を
取出し、この給水管にそれぞれクランク型の脚配管を介
して水栓本体を接続している。この構成を以下に詳しく
説明する。まず、壁裏に敷設された給水管の端部は、壁
面とほぼ面一になるように埋設された脚配管接続受部
（たとえば、エルボ）を形成している。そして、この脚
配管接続受部に雌ねじが形成されている。次に、この雌
ねじにクランク型の脚配管の端部に形成された雄ねじ部
をねじ込んで、給水管に脚配管を接続する。なお、ねじ
込む際に、水密性を保つために、予め雄ねじ部にシール
テープを巻きつけておく。

【０００３】次に、この給水管と脚配管との接続部分の
みを配管カバーで覆い隠す。（クランク型の脚配管自体
は配管カバーで覆われず露出されている。）この配管カ
バーは、カップ形状で中央に開口部を形成している。そ
して、この配管カバーを、給水管に脚配管を接続する際
に予め脚配管の雄ねじ部に取付けておき、脚配管を脚配
管接続受部に取付けた後に配管カバーをスライドさせて
その接続部分のみを覆い隠すようにしている。つまり、
配管カバーを脚配管のネジ部に螺旋回転させることで接
続部分のみを覆い隠すようにしている。

【０００４】そして、クランク型の脚配管の他端部に水
栓取付部（袋ナット）が設けられており、給水側と給湯
側との脚配管が所定の間隔となるようにセットして、水
栓をこの脚配管の水栓取付部に接続して、水栓を取付け
ている。なお、袋ナットは、配管カバーに覆われること
なく露出されている。このようにクランク型の脚配管を
用いることで、現場での施工者による脚配管接続受部の
取付け誤差を吸収することができる。

【０００５】また、給湯配管内に高温の湯が流れるた
め、給湯配管自体が熱くなるため、給湯配管に断熱カバ
ーを取付ける構造としては、特許第３１０７３５５号
（図１２、図１３参照）に見られるように、クランク脚
にカバーを取り付けたものが知られている。この場合、
断熱カバーは、脚の胴体部に取り付けられている為、配
管カバーは、別に設けられている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のクランク型の脚配管を用いる場合は、クランク型の
脚配管が水栓裏側に露出しデザイン性が悪いという問題
が生じている。また、クランク脚などの給湯配管に断熱
カバーを取付けた場合、脚配管接続受部の壁からの前後
方向の施工誤差は吸収できないため、別に配管カバーが
必要となるとともに、全面にメンテナンス用の穴が必要
となるため、さらにデザイン性を低下することになって
しまう。また、クランク型の脚配管を用いる場合は、ク
ランク部の露出を考慮して外観性を保つためにクランク
部の表面処理を施すため部材費用が高くという問題もあ
る。

【０００７】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、壁裏に敷設する給水管に
壁の表側から脚配管を介在させて水栓を接続して、この
脚配管と給水管との接続部を覆う水栓の配管カバー取付
構造において、水栓と壁との間のデザイン性を向上させ
るとともに、施工誤差も吸収できて、容易に壁面に密着
して確実に取付けることができるとともに、断熱性のあ
る安全でメンテナンス性のよい配管カバー取付構造を提
供することにある。

【課題を解決するための手段および作用・効果】

【０００８】上記目的を達成するためになされた請求項
１の配管カバー取付構造は、壁裏に敷設する給水管に壁
の表側から脚配管を介在させて水栓を接続して、この脚
配管と給水管との接続部を覆う水栓の配管カバー取付構
造において、この配管カバーが、壁側と水栓側の前後に
スライド自在に形成したことを特徴とする。

【０００９】上記配管カバー取付構造によれば、配管カ
バーが、壁側と水栓側の前後にスライドすることによ
り、脚配管接続受部の壁からの前後方向の施工誤差を吸
収できるため、断熱カバーと脚配管接続受部の配管カバ
ーを兼用することができ、別に配管カバーを設ける必要
性がない。

【００１０】上記目的を達成するためになされた請求項
２の配管カバー取付構造は、前記脚配管に形成された溝
と前記配管カバーに形成された爪部とを備え、該爪部が
前記溝と係合しスライドすることを特徴とする。

【００１１】上記配管カバー取付構造によれば、配管カ
バーに爪部を形成するとともに脚配管に爪部が係合しス
ライドするための溝を形成したことにより、配管カバー
のスライドがより容易になるとともに、がたつきを抑え
ることもできる。

【００１２】上記目的を達成するためになされた請求項
３の配管カバー取付構造は、前記配管カバーが略円筒型
もしくは略円錐型形状をしており、前面および後面に開
口を形成し、かつ、側辺に沿って分割されて、着脱自在
に構成されていることを特徴とする。

【００１３】上記配管カバー取付構造によれば、配管カ
バーが、略円筒型もしくは略円錐型形状をしており、前
面および後面に開口を形成し、かつ、側辺に沿って分割
されて、着脱自在に構成していることにより、水栓と壁
との間の脚配管をほぼ完全に覆うことができ、デザイン
性を向上させることができ、さらに、水栓を取付けた後
にでも、配管カバーを取付けることができる。また、こ
の配管カバーにより、水栓と壁との間の脚配管をほぼ完
全に覆うことができるため、脚配管部の露出を考慮して
外観性を保つために脚配管部の表面処理を施す必要性も
なく、ローコストに部材費用を抑えることが出来る。

【００１４】上記目的を達成するためになされた請求項
４の配管カバー取付構造は、前記配管カバー下部に水栓
の脚配管内に設置された止水栓またはフィルターの操作
用の穴を形成したことを特徴とする。

【００１５】上記配管カバー取付構造によれば、脚配管
部にメンテナンス用の止水栓やフィルターが設置されて
いる構造においても、カバーを取り外すことなく、止水
栓を使って給水給湯を止水させたり、流量調節したりで
き、また配管上のゴミが詰まったフィルターの掃除をす
ることができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。

【００１７】図１、２は、本発明の第一の実施例である
水栓の配管カバー取付構造を用いた湯水混合水栓の斜視
図で、図２は、配管カバー１を取り外した状態を示す脚
配管部の側面図である。図３は上部カバー１Ａ、図４は
下部カバー１Ｂ、図５は、脚部の側面図である。

【００１８】水栓４の接続は、壁裏に敷設する給水管２
（給湯管含む）と壁６の表側から脚配管３を介在させて
螺着し、水栓４とは、脚配管３に具備された袋ナット５
により接続されている。そして、この脚配管部に、脚配
管３と給水管２との接続部を覆う水栓４の配管カバー１
が取付られている。この配管カバー１は上部カバー１Ａ
と下部カバー１Ｂとによって分割して構成しているの
で、図１、図２に示すとおり、水栓４を脚配管３に取付
けた後でも、脚配管３を覆い隠すように配管カバー１を
容易に取付けることができ、水栓４の裏側をすっきりと
外観性を保持することができるとともに、給湯管の場合
は、断熱効果となり、火傷を防止できる。

【００１９】図３、４は、上部カバーの平面図，側面図
を示す。上部カバー１Ａは、下部カバー１Ｂと接続のた
めの穴７と爪８Ａ、８Ｂが設けられている。図５，６
は、下部カバーの平面図、側面図を示す。下部カバー１
Ｂは、脚配管部止水栓１３、フィルター１４のメンテナ
ンス用の穴９と、上部カバーと接続するための挿入部１
０と爪１１Ａ、１１Ｂ、そして、脚配管３上をスライド
するための爪１２が具備されている。

【００２０】図７は、脚配管３、水栓４、配管カバー１
を取り付けた状態での断面図、図８は、脚配管３と配管
カバー１のスライド部の断面図、図９は、脚配管３の外
観図を示す。脚配管３には、配管カバー１スライド用の
溝１５、給水給湯を止水させたり、流量調節したりする
ために使用する止水栓１３、配管上のゴミが取るフィル
ター１４が脚配管３の下部１６に設けられている。

【００２１】配管カバー１の取付は、下部カバー１Ｂの
穴９に脚配管３の下部１６を挿入し、上部カバー１Ａを
上部より取り付ける。この際、下部カバー１Ｂの挿入部
１０が上部カバー１Ａの穴７に挿入され、下部カバー１
Ｂの爪１１Ａと上部カバー１Ａの爪８Ａ、下部カバー１
Ｂの爪１１Ｂと上部カバー１Ａの爪８Ｂとがそれぞれ圧
接され固定される。

【００２２】また、脚配管３の溝１５には、下部カバー
１Ｂの爪１２が圧接されており、爪１２は、図１０に示
すとおり、曲面上に形成されいることにより、脚配管３
上の溝１５をスライドすることができ、壁６に押しつ
け、給水管２との接続部を覆い隠して取付完了する。

【００２３】

【発明の効果】以上により、壁裏に敷設する給水管に壁
の表側から脚配管を介在させて水栓を接続して、この脚
配管と給水管との接続部を覆う水栓の配管カバー取付構
造において、水栓と壁との間のデザイン性を向上させる
とともに、施工誤差も吸収できて、容易に壁面に密着し
て確実に取付けることができるとともに、断熱性のある
安全な配管カバー取付構造を提供することができる。さ
らに、この配管カバー取付構造により、水栓を取付けた
後にでも、配管カバーを取付けることができ、配管カバ
ーを取り外すことなく、止水・流量調節・フィルターの
掃除などのメンテナンスを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例である水栓の配管カバー
取付構造を用いた湯水混合水栓の斜視図

【図２】図１における配管カバーを外した状態を示す斜
視図

【図３】上部カバーの平面図

【図４】上部カバーの側面図

【図５】下部カバーの平面図

【図６】下部カバーの側面図

【図７】脚配管、水栓、配管カバーを取り付けた状態の
断面図

【図８】脚配管と配管カバーのスライド部の断面図

【図９】脚配管の外観図

【図１０】下部カバー爪部詳細

【図１１】従来の水栓の配管カバーの取付構造

【図１２】従来の水栓の断熱カバーの取付構造

【図１３】図１２の水栓の正面図

【符号の説明】

１： 配管カバー １Ａ： 上部カバー １Ｂ： 下部カバー ２： 給水管（給湯管） ３： 脚配管 ４： 水栓 ５： 袋ナット ６： 壁 ７： 穴 ８Ａ： 爪 ８Ｂ： 爪 ９： 穴 １０： 挿入部 １１Ａ： 爪 １１Ｂ： 爪 １２： 爪 １３： 止水栓 １４： フィルター １５： 溝 １６： 下部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁裏に敷設する給水管に壁の表側から脚
   配管を介在させて水栓を接続して、この脚配管と給水管
   との接続部を覆う水栓の配管カバー取付構造において、 この配管カバーが、壁側と水栓側の前後にスライド自在
   に形成したことを特徴とする水栓の配管カバー取付構
   造。
2. 【請求項２】 前記脚配管に形成された溝と前記配管カ
   バーに形成された爪部とを備え、該爪部が前記溝と係合
   しスライドすることを特徴とする請求項１に記載の水栓
   の配管カバー取付構造。
3. 【請求項３】 前記配管カバーが略円筒型もしくは略円
   錐型形状をしており、前面および後面に開口を形成し、
   かつ、側辺に沿って分割されて、着脱自在に構成されて
   いることを特徴とする請求項１または２に記載の水栓の
   配管カバー取付構造。
4. 【請求項４】 前記配管カバー下部に水栓の脚配管内に
   設置された止水栓またはフィルターの操作用の穴を形成
   したことを特徴とする請求項１乃至３に記載の水栓の配
   管カバー取付構造。