JP2003064620A - 鉄筋コンクリート造高架橋の制振・防振構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート造高架橋の制振・防振構造

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JP2003064620A JP2001254523A JP2001254523A JP2003064620A JP 2003064620 A JP2003064620 A JP 2003064620A JP 2001254523 A JP2001254523 A JP 2001254523A JP 2001254523 A JP2001254523 A JP 2001254523A JP 2003064620 A JP2003064620 A JP 2003064620A
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光治郎 藤井
Yasushi Takei
泰 武居
Koji Oka
功治 岡
Shoji Uehara
昭治 上原
Hidekuni Yobikawa
秀邦 呼川
Kazumi Yamamoto
一美 山本
Osamu Takahashi
治 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道橋や道路橋として使用される鉄筋コンク
リート造高架橋の耐震安全性を確保すると共に、スラブ
上を走行する列車や車両が発生する交通振動の周辺地盤
への伝播を抑制する機能を持たせる。 【解決手段】 橋脚1の脚部と、橋脚1の頭部と、梁2
の中間部、または桁3の中間部等のいずれかの内、傾斜
した方向に対向する少なくとも二箇所にガセットプレー
ト6,7を突設し、対向するガセットプレート6,7間
に、ブレース本体にダンパーを組み込んだブレース型ダ
ンパー4を架設し、その両端部をガセットプレート6,
7に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は鉄道橋や道路橋と
して使用され、耐震安全性と共に、スラブ上を走行する
列車や車両が発生する交通振動の周辺地盤への伝播を抑
制する機能を持たせた鉄筋コンクリート造高架橋の制振
・防振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】鉄道橋
や道路橋として使用される鉄筋コンクリート造高架橋は
橋軸直角方向に並列する橋脚を梁でつなぎ、橋軸方向に
隣接するを橋脚を桁でつないだ形のラーメン構造で構築
されるが、橋軸直角方向には単スパンであることから、
橋軸方向に比べて剛性が小さいため、揺れを生じ易く、
地震時の耐震安全性に不安がある。
【0003】特に橋軸直角方向には梁のせん断スパン比
が小さくなる傾向があるため、橋軸直角方向に過大な地
震力を受けたときに、水平力による曲げモーメントによ
って梁がせん断破壊を起こす可能性がある。
【0004】また高架橋上を走行する列車や車両が発生
する交通振動が橋脚から基礎を通じて地盤まで伝播する
ため、周辺の民家に及び、居住性に影響を与える可能性
がある。
【0005】この発明は上記背景より、耐震安全性を確
保しながら、交通振動の伝播を抑制する高架橋を提案す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では橋脚の脚部
と、橋脚の頭部と、梁の中間部、または桁の中間部等の
いずれかの内、傾斜した方向に対向する少なくとも二箇
所にガセットプレートを突設し、対向するガセットプレ
ート間に、ブレース本体にダンパーを組み込んだブレー
ス型ダンパーを架設し、その両端部をガセットプレート
に連結することにより、高架橋自身の耐震安全性を確保
しながら、高架橋が発生する交通振動を抑制し、周辺地
盤への振動の伝播を低減する。
【0007】隣接する橋脚の基礎部分がフーチングで連
結されている場合には請求項2に記載のように橋脚の脚
部と、橋脚の頭部と、フーチングと、梁の中間部、また
は桁の中間部のいずれかの内、傾斜した方向に対向する
少なくとも二箇所にガセットプレートが突設される。フ
ーチングは橋軸直角方向に並列する橋脚を連結する場合
の他、橋軸方向に隣接する橋脚を連結する場合もある。
【0008】またスラブの剛性を上げるために対向する
桁間、もしくは梁間に小梁が架設される場合には請求項
5に記載のように橋脚の脚部、もしくは橋脚の頭部と、
小梁にガセットプレートが突設され、対向するガセット
プレート間に、ブレース型ダンパーが架設される。橋軸
直角方向に並列する橋脚がフーチングで連結される場合
は、請求項6に記載のように橋脚の脚部、もしくは橋脚
の頭部、またはフーチングと、小梁にガセットプレート
が突設される。
【0009】並列する橋脚の内、一方の橋脚の脚部と他
方の橋脚の頭部間に単純にブレースを架設しようとする
場合、通常は橋脚の頭部と梁との接合部にガセットプレ
ートを突設する形になるが、接合部は橋脚の主筋と梁の
主筋が混在する部分であるため、ガセットプレートを突
設することが難しいか、ガセットプレートの突設が接合
部の配筋に影響を与え、接合部の耐力を低下させる可能
性がある。
【0010】これに対し、本発明ではブレース型ダンパ
ーが連結されるガセットプレートが橋脚の頭部及び脚
部、または梁や桁の中間部等に突設されることにより、
接合部における配筋への影響が回避される。特に請求項
7に記載のようにガセットプレートを橋脚を包囲するバ
ンドプレートに接合すれば、橋脚の脚部や頭部を補強す
る効果が得られる。
【0011】またブレースがブレース本体にダンパーを
組み込んだ形式であることから、ブレースが高架橋に入
力する地震力を負担しながら、振動エネルギを吸収し、
高架橋の揺れを抑制するため、高架橋の耐震安全性が確
保される。
【0012】加えてスラブ上を走行する列車や車両が発
生する振動数の高い振動をブレース型ダンパーのダンパ
ーが吸収し、特にダンパーとして粘性系ダンパーを使用
することにより微振動でも有効に振動エネルギを吸収で
きるため、ブレース型ダンパーのダンパーが常に機能す
る状態に置かれることで、交通振動が橋脚から基礎を通
じて周辺地盤へ伝播し、周辺の民家に及ぶことも回避さ
れる。列車や車両が発生する振動は橋脚を通じて基礎ま
で伝播するため、交通振動を低減する上では橋脚の頭部
にブレース型ダンパーの一端を連結することが効果的で
ある。
【0013】高架橋においては前記の通り、橋軸直角方
向に隣接する橋脚をつなぐ梁にせん断破壊が起こり易い
ことから、請求項3に記載のように橋軸直角方向に並列
する橋脚の内、一方の橋脚の頭部と梁の中間部のいずれ
かと、他方の橋脚の脚部にガセットプレートを突設し、
橋軸直角方向の構面内にブレース型ダンパーを架設すれ
ば、梁のせん断破壊を防止することが可能になる。
【0014】請求項4に記載のように橋軸直角方向の構
面に加え、橋軸方向に隣接する橋脚の内、一方の橋脚の
頭部と桁の中間部のいずれかと、他方の橋脚の脚部にガ
セットプレートを突設し、橋軸方向の構面内にもブレー
ス型ダンパーを架設すれば、高架橋の耐震安全性と、高
架橋が発生する振動の抑制効果が向上する。
【0015】請求項5,6では小梁に突設されるガセッ
トプレートと橋脚の脚部、もしくは橋脚の頭部やフーチ
ングに突設されるガセットプレート間にブレース型ダン
パーを架設することから、特に小梁のガセットプレート
を小梁の中央部に配置すれば、ブレース型ダンパーを橋
軸直角方向と橋軸方向の2方向の振動に対して効かせる
ことができるため、ブレース型ダンパーを2方向に架設
した場合と同等の効果を得ることができる。
【0016】橋脚の脚部、もしくは頭部に突設されるガ
セットプレートは例えば請求項7に記載のように橋脚を
包囲するバンドプレートに接合される。この場合、橋脚
内部の配筋状態やコンクリートの被り等に影響を与える
ことなく、ガセットプレートを橋脚に突設することがで
きるため、ガセットプレートの突設に伴う橋脚の耐力低
下を回避できる利点がある。
【0017】またバンドプレートが橋脚に定着されるこ
とで、バンドプレートの軸方向の長さに相当する区間
に、ブレースからの力を分散させて橋脚に伝達すること
ができるため、橋脚の局部的な損傷が防止される他、橋
脚のコンクリートを拘束し、コンクリートの耐力を高め
る効果がある。
【0018】梁の中間部、もしくは桁の中間部と、フー
チングと、小梁のいずれかに突設されるガセットプレー
トは例えば請求項8に記載のように梁や桁のコンクリー
ト中に埋設される定着部材に接合される。
【0019】この場合、定着部材を通じて直接、ブレー
ス型ダンパーと梁や桁等との間で力の伝達が行われるた
め、ブレース型ダンパーのダンパーの機能を効果的に発
揮させることができ、地震時等の振動の減衰効果と交通
振動の低減効果が高まる。
【0020】また定着部材を梁や桁等の下端筋と上端筋
の中間の高さに配置すれば、梁や桁の主筋との干渉を回
避でき、ガセットプレートに孔を明けることで、スター
ラップの配筋を阻害することもないため、定着部材の埋
設が梁や桁の耐力の低下を招くことがない。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明の鉄筋コンクリート造高
架橋は図1,図4に示すように橋軸直角方向に並列し、
橋軸方向に間隔を隔てて配列する橋脚1,1と、橋軸直
角方向に並列する橋脚1,1を連結する梁2、及び橋軸
方向に隣接する橋脚1,1を連結する桁3から構成さ
れ、橋軸方向と橋軸直角方向の少なくともいずれかの方
向に隣接する橋脚1,1間に、またはそれらに交差する
方向にブレース型ダンパー4を架設したものである。
【0022】高架橋は図1,図4に示す1層の場合と図
2,図3に示す2層の場合があるが、最上部に位置する
梁2及び桁3上には鉄道軌道が敷設される、または道路
となるスラブ5が構築、もしくは敷設される。橋脚1と
梁2及び桁3、並びにスラブ5は現場打ちコンクリート
造で構築される他、いずれかの少なくとも一部がプレキ
ャストコンクリートで製作される場合もある。
【0023】ブレース型ダンパー4は軸方向に相対移動
自在なブレース本体41,41と、一方のブレース本体41に
内蔵されるダンパー42からなり、ブレース本体41,41が
その両端間に作用する引張力と圧縮力によって相対移動
するときにダンパー42が減衰力を発生することにより高
架橋の揺れを抑制しながら、高架橋へのブレース本体41
からの抵抗力を低減する。ダンパー42には粘性流体を用
いたオイルダンパー等、ダンパー本体41,41の軸方向の
相対移動によって減衰力を発生する形式のダンパーが使
用される。
【0024】図1は1層の高架橋の橋軸直角方向の構面
内にブレース型ダンパー4を架設した場合を示す。ここ
では両橋脚1,1の脚部と梁2の中間部との間に2本の
ブレース型ダンパー4,4を逆V字型に架設している
が、一方の橋脚1の脚部と他方の橋脚1の頭部との間に
1本のブレース型ダンパー4を架設する場合や、2本の
ブレース型ダンパー4,4をX字型に交差させて架設す
る場合もある。
【0025】図2は2層の高架橋の各層に2本のブレー
ス型ダンパー4,4を逆V字型に架設した場合、図3は
X字型に架設した場合を示す。高架橋が2層の場合、2
層の内の上層側、もしくは下層側にのみブレース型ダン
パー4,4を架設することもある。
【0026】1層と2層のいずれの場合も、橋軸直角方
向の構面内においてはブレース型ダンパー4の一端は橋
脚1の脚部、もしくは頭部に突設したガセットプレート
6に連結され、他端は橋脚1の頭部に突設したガセット
プレート6、または梁2の中間部、あるいはフーチング
11に突設したガセットプレート7に連結される。ガセッ
トプレート6,7は橋脚1,1と梁2からなるフレーム
の内周側を向き、それぞれの表面に突出する。
【0027】図3に示すようにブレース型ダンパー4を
隣接する橋脚1,1の内の一方の橋脚1の脚部と他方の
橋脚1の頭部との間に架設する場合は、両橋脚1,1に
のみガセットプレート6,6が突設され、梁2にはガセ
ットプレート7は突設されない。
【0028】橋脚1に突設されるガセットプレート6は
梁2や桁3との接合部を外した位置である脚部と頭部に
配置されれば、橋脚1への突設方法は特に問われない
が、図面では橋脚1の脚部、もしくは頭部に突設される
ガセットプレート6を図5,図6に示すように橋脚1を
包囲するバンドプレート9に突設している。
【0029】バンドプレート9は橋脚1の断面形状に応
じ、複数枚のプレート91を例えば箱形に組み立てた形状
をし、隣接する橋脚1側を向くプレート91の表面にガセ
ットプレート6が溶接等により接合される。図3に示す
ようにブレース型ダンパー4,4が交差して架設される
場合、ガセットプレート6,6は橋脚1の中心からずれ
て接合される。
【0030】ガセットプレート6には図6に示すように
ブレース型ダンパー4の端部のブラケット43をピン8等
により連結するための挿通孔6aが明けられる。挿通孔6a
には必要によりガセットプレート6の面外方向のブラケ
ット43の回転も許容し、ブレース型ダンパー4に捩じり
を加えないための自在継手6bが取り付けられる。
【0031】バンドプレート9の対向するプレート91,
91間には橋脚2の主筋1aや定着筋、及びフープ1bの障害
にならない範囲で仕切り板92が並列して、または格子状
に配置され、プレート91の変形を防止しながら、ブレー
ス型ダンパー4からの引張力と圧縮力がコンクリートに
分散して伝達するようにされる。プレート91の内周面や
仕切り板92にはスタッドボルトやアンカー等の定着材93
が突設され、コンクリートとの一体性が確保される。
【0032】ブレース型ダンパー4の両端部にはブレー
ス本体41の端部に接続したブラケット43,43が一体化し
ており、ガセットプレート6側のブラケット43はブラケ
ット43とガセットプレート6を貫通するピン8等によっ
てガセットプレート6に回転自在に連結される。ブラケ
ット43は自在継手6bによってガセットプレート6の面外
方向に傾斜自在となる。
【0033】図1,図2に示すようにブレース型ダンパ
ー4が橋脚1の脚部と梁2の中間部との間に逆V字形に
架設される場合は、梁2の中間部にガセットプレート7
が突設される。梁2に対しても梁2の端部と端部寄りの
区間を外した位置であれば、ガセットプレート7の突設
方法は問われないが、図面では図7に示すように梁2の
中間部のコンクリート中に定着部材10を埋設し、定着部
材10にガセットプレート7を接合している。
【0034】定着部材10は梁2の内部において主筋の配
筋状態に影響を与えない形状をしていればよく、図7で
はH形鋼を必要長さで切断した鋼材を使用している。こ
こではまた、ブレース型ダンパー4からの軸力の水平成
分が梁2のコンクリートに対して支圧力として伝達され
るよう、鋼材の両端と中央部にプレート10a,10aを接
合すると共に、コンクリートとの一体性を確保するため
のスタッドボルト等の定着材10bを鋼材のウェブに突設
している。ガセットプレート7のコンクリート中に埋設
される部分には梁2のスターラップが挿通するための挿
通孔7aが形成される。
【0035】ブレース型ダンパー4のガセットプレート
7側のブラケット43もブラケット43とガセットプレート
7を貫通するピン8等によってガセットプレート7に回
転自在に連結される。図示しないが、ガセットプレート
7にもガセットプレート6と同様にピン8等が貫通する
挿通孔が明けられ、その挿通孔に必要によりブラケット
43をガセットプレート7の面外方向に回転自在に連結す
るための自在継手が取り付けられる。
【0036】図4は橋軸方向の構面を構成する橋脚1,
1と桁3からなるフレームにおいて、図1と同様に両橋
脚1,1の脚部と桁3の中間部との間に2本のブレース
型ダンパー4,4を逆V字型に架設した場合を示す。
【0037】橋脚1に突設されるガセットプレート6と
桁3に突設されるガセットプレート7の突設方法は橋軸
直角方向の場合と同じであるが、橋脚1にバンドプレー
ト9を使用すれば、その2方向のプレート91,91を利用
して2方向にガセットプレート6,6を突設することが
できるため、単一のバンドプレート9によって橋軸直角
方向と橋軸方向のブレース型ダンパー4,4の架設に対
応できる。
【0038】図8は橋軸直角方向に並列する橋脚1,1
の基礎部分がフーチング11で連結される場合に、フーチ
ング11の中間部にガセットプレート7を突設し、両側の
橋脚1,1の下層側の各頭部にガセットプレート6が突
設されたバンドプレート9を固定し、フーチング11の中
間部と橋脚1の頭部間にブレース型ダンパー4を架設し
た場合を示す。ガセットプレート7は梁2や桁3に突設
される場合と同様にフーチング11のコンクリート中に埋
設される定着部材10に接合される。
【0039】図9〜図11は対向する桁3,3間に、スラ
ブ5の剛性を高めるために小梁12を架設した場合に、橋
脚1の脚部、もしくは頭部と、小梁12にガセットプレー
ト6,7を突設し、対向するガセットプレート6,7間
に、ブレース型ダンパー4を架設した場合を示す。
【0040】小梁12は橋軸方向に対向する梁2,2間に
架設される場合もあり、橋脚1の脚部や頭部に代え、フ
ーチング11にガセットプレート7を突設する場合もあ
る。小梁12に突設されるガセットプレート7は図10に示
すように梁2や桁3に突設される場合と同様にコンクリ
ート中に定着される定着部材10に突設される。
【0041】図9〜図11では小梁12の中間部より桁3寄
りに定着部材10を配置し、その定着部材10のガセットプ
レート7と橋脚1の脚部や頭部に突設されたガセットプ
レート6との間に、橋軸方向の構面に近い角度でブレー
ス型ダンパー4を架設しているが、小梁12の中央部に定
着部材10を配置し、平面上、4本の橋脚1からなる4角
形の対角線方向にブレース型ダンパー4を架設し、ブレ
ース型ダンパー4を橋軸直角方向と橋軸方向の2方向の
振動に対して効かせることもある。
【0042】また図9〜図11ではブレース型ダンパー4
を橋脚1の脚部、もしくは頭部と、小梁12の桁3寄りと
の間に架設していることから、平面上、ブレース型ダン
パー4が桁3に対して傾斜して架設されているが、フー
チング11にガセットプレート7を突設し、ブレース型ダ
ンパー4を桁3に平行に架設することもある。
【0043】
【発明の効果】橋脚の脚部と、橋脚の頭部と、梁の中間
部、または桁の中間部等のいずれかの内、傾斜した方向
に対向する少なくとも二箇所にガセットプレートを突設
し、対向するガセットプレート間に、ブレース本体にダ
ンパーを組み込んだブレース型ダンパーを架設するた
め、高架橋の耐震安全性を確保することができる。
【0044】特にガセットプレートを接合部を外した位
置に突設することで、接合部における配筋への影響がな
い。
【0045】また列車や車両が発生する振動をブレース
に内蔵されたダンパーが吸収するため、交通振動が橋脚
から基礎を通じて周辺地盤へ伝播し、周辺の民家に及ぶ
ことも回避される。
【0046】請求項3では橋軸直角方向の構面内にブレ
ース型ダンパーを架設するため、橋軸直角方向の梁のせ
ん断破壊に対する安全性が向上する。
【0047】請求項4では橋軸方向の構面内にもブレー
ス型ダンパーを架設するため、高架橋の耐震安全性の向
上と、振動の抑制効果が向上する。
【0048】請求項5,6では対向する桁間、もしくは
梁間に小梁が架設される場合に、小梁に突設されるガセ
ットプレートと橋脚に突設されるガセットプレート間に
ブレース型ダンパーを架設するため、小梁のガセットプ
レートを小梁の中央部に配置することで、ブレース型ダ
ンパーを橋軸直角方向と橋軸方向の2方向の振動に対し
て効かせることができる。
【0049】請求項7では橋脚を包囲するバンドプレー
トにガセットプレートを接合するため、橋脚内部の配筋
状態やコンクリートの被り等に影響を与えずにガセット
プレートを橋脚に一体化させることができ、橋脚の耐力
低下を回避できる。
【0050】またバンドプレートが橋脚に定着されるこ
とで、ブレースからの力を分散させて橋脚に伝達するこ
とができるため、橋脚の局部的な損傷を防止できる他、
橋脚のコンクリートの耐力を高める効果がある。
【0051】請求項8では梁や桁のコンクリート中に埋
設される定着部材にガセットプレートを接合すること
で、定着部材を通じて直接、ブレース型ダンパーと梁や
桁等との間で力の伝達が行われるため、ブレース型ダン
パーのダンパーの機能を効果的に発揮させることがで
き、地震時等の振動の減衰効果と交通振動の低減効果が
高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】橋軸直角方向の構面内にブレース型ダンパーを
架設した様子を示した立面図である。
【図2】高架橋が2層の場合のブレース型ダンパーの架
設例を示した立面図である。
【図3】高架橋が2層の場合のブレース型ダンパーの架
設例を示した立面図である。
【図4】橋軸方向の構面内にブレース型ダンパーを架設
した様子を示した立面図である。
【図5】橋脚の脚部に定着されたバンドプレートにガセ
ットプレートを接合した様子を示した立面図である。
【図6】図5のバンドプレートの構成例を示した平面図
である。
【図7】梁の内部に定着された定着部材にガセットプレ
ートを接合した様子を示した斜視図である。
【図8】フーチングに定着された定着部材を利用して橋
軸直角方向の構面内にブレース型ダンパーを架設した様
子を示した立面図である。
【図9】小梁に定着された定着部材を利用して小梁と橋
脚間にブレース型ダンパーを架設した様子を示した伏せ
図である。
【図10】図9のx−x線断面図である。
【図11】図9の橋脚部分の拡大図である。
【符号の説明】
1……橋脚、1a……主筋、1b……フープ、2……梁、3
……桁、4……ブレース型ダンパー、41……ブレース本
体、42……ダンパー、43……ブラケット、5……スラ
ブ、6……ガセットプレート、6a……挿通孔、6b……自
在継手、7……ガセットプレート、7a……挿通孔、8…
…ピン、9……バンドプレート、91……プレート、92…
…仕切り板、93……定着材、10……定着部材、10a……
プレート、10b……定着材、11……フーチング、12……
小梁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蓮田 常雄 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 藤井 光治郎 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 武居 泰 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 岡 功治 岡山県岡山市内山下1丁目1番13号 株式 会社大本組内 (72)発明者 上原 昭治 岡山県岡山市内山下1丁目1番13号 株式 会社大本組内 (72)発明者 呼川 秀邦 岡山県岡山市内山下1丁目1番13号 株式 会社大本組内 (72)発明者 山本 一美 東京都中野区本町4丁目38番13号 株式会 社構造計画研究所内 (72)発明者 高橋 治 東京都中野区本町4丁目38番13号 株式会 社構造計画研究所内 Fターム(参考) 2D059 BB37 BB39 GG05 GG13 GG40 GG55

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋軸直角方向に並列し、橋軸方向に間隔
    を隔てて配列する橋脚と、橋軸直角方向に並列する橋脚
    を連結する梁、及び橋軸方向に隣接する橋脚を連結する
    桁から構成される鉄筋コンクリート造高架橋において、
    橋脚の脚部と、橋脚の頭部と、梁の中間部、または桁の
    中間部のいずれかの内、傾斜した方向に対向する少なく
    とも二箇所にガセットプレートを突設し、対向するガセ
    ットプレート間に、ブレース本体にダンパーを組み込ん
    だブレース型ダンパーを架設し、その両端部をガセット
    プレートに連結してある鉄筋コンクリート造高架橋の制
    振・防振構造。
  2. 【請求項2】 橋軸直角方向に並列し、橋軸方向に間隔
    を隔てて配列する橋脚と、橋軸直角方向に並列する橋脚
    を連結する梁と、橋軸方向に隣接する橋脚を連結する
    桁、及び隣接する橋脚の基礎部分を連結するフーチング
    から構成される鉄筋コンクリート造高架橋において、橋
    脚の脚部と、橋脚の頭部と、フーチングと、梁の中間
    部、または桁の中間部のいずれかの内、傾斜した方向に
    対向する少なくとも二箇所にガセットプレートを突設
    し、対向するガセットプレート間に、ブレース本体にダ
    ンパーを組み込んだブレース型ダンパーを架設し、その
    両端部をガセットプレートに連結してある鉄筋コンクリ
    ート造高架橋の制振・防振構造。
  3. 【請求項3】 ガセットプレートは橋軸直角方向に並列
    する橋脚の内、一方の橋脚の頭部と梁の中間部のいずれ
    かと、他方の橋脚の脚部に突設されている請求項1、も
    しくは請求項2記載の鉄筋コンクリート造高架橋の制振
    ・防振構造。
  4. 【請求項4】 ガセットプレートは橋軸方向に隣接する
    橋脚の内、一方の橋脚の頭部と桁の中間部のいずれか
    と、他方の橋脚の脚部に突設されている請求項1、もし
    くは請求項2記載の鉄筋コンクリート造高架橋の制振・
    防振構造。
  5. 【請求項5】 橋軸直角方向に並列し、橋軸方向に間隔
    を隔てて配列する橋脚と、橋軸直角方向に並列する橋脚
    を連結する梁、及び橋軸方向に隣接する橋脚を連結する
    桁から構成され、対向する桁間、もしくは梁間に小梁が
    架設された鉄筋コンクリート造高架橋において、橋脚の
    脚部、もしくは橋脚の頭部と、小梁にガセットプレート
    を突設し、対向するガセットプレート間に、ブレース本
    体にダンパーを組み込んだブレース型ダンパーを架設
    し、その両端部をガセットプレートに連結してある鉄筋
    コンクリート造高架橋の制振・防振構造。
  6. 【請求項6】 橋軸直角方向に並列し、橋軸方向に間隔
    を隔てて配列する橋脚と、橋軸直角方向に並列する橋脚
    を連結する梁と、橋軸方向に隣接する橋脚を連結する
    桁、及び隣接する橋脚の基礎部分を連結するフーチング
    から構成され、対向する桁間、もしくは梁間に小梁が架
    設された鉄筋コンクリート造高架橋において、橋脚の脚
    部、もしくは橋脚の頭部、またはフーチングと、小梁に
    ガセットプレートを突設し、対向するガセットプレート
    間に、ブレース本体にダンパーを組み込んだブレース型
    ダンパーを架設し、その両端部をガセットプレートに連
    結してある鉄筋コンクリート造高架橋の制振・防振構
    造。
  7. 【請求項7】 橋脚の脚部、もしくは頭部に突設される
    ガセットプレートは橋脚を包囲するバンドプレートに接
    合されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    鉄筋コンクリート造高架橋の制振・防振構造。
  8. 【請求項8】 梁の中間部、もしくは桁の中間部と、フ
    ーチングと、小梁のいずれかに突設されるガセットプレ
    ートはコンクリート中に埋設される定着部材に接合され
    ている請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の鉄筋コ
    ンクリート造高架橋の制振・防振構造。
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