JP7100006B2 - 橋梁の落橋防止構造 - Google Patents

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本発明は、橋脚や橋台や高架橋などの隣接する構造体の上部に端部が設置された橋桁などの桁部の脱落を防ぐための橋梁の落橋防止構造に関するものである。
特許文献1に開示されているように、地震の揺れによる橋桁の落橋を防止する構造が知られている。詳細には、偏向ブラケットによって折り曲げられたベルトによって構成される落橋防止装置で橋台の上部側面と橋桁の下面側とを連結させることで、橋桁が大きく横移動しても落橋を防止することができる構造となっている。
特開2016-23534号公報
しかしながら高架橋などの橋梁の桁下空間は、交差する道路が通っていたり、店舗が設けられて有効利用されていたりして、新たに落橋防止装置などを取り付けることができない場合がある。
そこで、本発明は、橋梁の本来の性能を低下させることがないうえに、桁部の上面側を利用することで桁部の脱落を防ぐことができる橋梁の落橋防止構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の橋梁の落橋防止構造は、隣接する構造体の上部に端部が設置された桁部の脱落を防ぐための橋梁の落橋防止構造であって、前記桁部の上面に設置されて前記桁部の橋軸方向の端縁から一部が張り出される梁部材と、前記梁部材の長手方向の伸縮を拘束することなく前記桁部に前記梁部材を取り付けるための連結材とを備え、前記梁部材は前記桁部の橋軸直交方向に間隔を置いて複数設けられるとともに、前記連結材は前記梁部材の長手方向に間隔を置いて複数設けられることを特徴とする。
ここで、前記桁部の端縁から張り出された前記梁部材の張出部は、水平面内の移動が制限されない状態で載置されていることが好ましい。また、前記連結材は、前記梁部材に跨って配置されるとともに、両側の端部が前記桁部の内部に挿入されている構成とすることができる。
さらに、前記梁部材は前記桁部より長く形成されていて、前記桁部の橋軸方向の両側の端縁から張り出されている構成とすることができる。一方、前記梁部材は、前記桁部の橋軸方向の両側の端縁からそれぞれ別体が張り出されている構成とすることもできる。
このように構成された本発明の橋梁の落橋防止構造では、桁部の上面に設置されて連結材によって桁部に取り付けられる梁部材の一部が、橋軸方向の端縁から張り出されている。また、この梁部材は、長手方向の伸縮が拘束されることなく桁部に取り付けられている。
このような梁部材の取り付け構造とすることで、梁部材に伸縮が生じたとしても桁部にその力が伝達されないので、橋梁の本来の性能が低下するのを防ぐことができる。また、桁部の上面側を利用するので、桁下空間を利用している場合であっても桁部の脱落を防ぐことができるようになる。
ここで、梁部材の張出部が水平面内の移動が制限されない状態で載置されていれば、地震時に橋軸に交差する方向の力が梁部材に作用しても、それによって隣接する構造体や桁部自体が損傷するのを防ぐことができる。
また、梁部材に跨って連結材を配置して、両側の端部が桁部の内部に挿入されるようにすることで、簡単に桁部に対して梁部材を固定することができるようになる。特に、あと施工アンカーで連結材の端部を定着させるのであれば、桁部の上面側からの作業だけで施工を行うことができる。
さらに、桁部より長く形成された梁部材を使用することで、簡単に桁部の両側の端縁から梁部材の一部を張り出させることができる。一方、桁部の両側の端縁からそれぞれ別体の梁部材を張り出させる構成であれば、桁部の中央などにおいて梁部材の設置の省略が可能になり、材料費を削減することができる。
本実施の形態の橋梁の落橋防止構造の構成を説明するための縦断面図である。 本実施の形態の橋梁の落橋防止構造の構成を説明するための横断面図である。 地震時に調整桁の端縁が桁受け部から外れる状況を示した説明図である。 調整桁の両側が梁部材のみによって支えられたときに発生する曲げモーメント分布を模式的に示した説明図である。 梁部材を取り付けたことによって調整桁に作用するせん断力の範囲を模式的に示した説明図である。 梁部材の具体的な構成を例示した説明図である。 梁部材とアンカー材の配置例を説明する平面図である。 実施例1の橋梁の落橋防止構造の構成を説明するための縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の橋梁の落橋防止構造の構成を説明するために、橋軸方向Yを紙面左右方向として示した縦断面図である。また、図2は、橋軸直交方向Xを紙面左右方向として示した横断面図である。
橋梁には、橋台や橋脚などの下部工と、橋桁などの上部工とによって構成されるものがある。また、橋梁として、ラーメン高架橋や壁式高架橋などの高架橋が知られている。本実施の形態の橋梁の落橋防止構造は、下部工や高架橋などの構造体の上部に端部が設置される桁部を有する橋梁に適用される。
図1に例示した橋梁1は、橋軸方向Yに間隔を置いて配置された高架橋3,3の間に、桁部となる調整桁2が架け渡された構成を示している。この高架橋3は、スラブ部31の端部と柱部32の上端とが剛接合されたラーメン構造体を主構造としている。
高架橋3の柱部32の橋軸方向Yに直交する側面の上部には、桁受け部33が設けられる。橋軸方向Yで対向する高架橋3,3の柱部32,32の側面には、同じ高さ位置にそれぞれ桁受け部33,33が設けられる。
そして、対向する一対の桁受け部33,33には、調整桁2の橋軸方向Yの端縁22,22がそれぞれ載せられる。調整桁2の少なくとも一方の端縁22は、桁受け部33の支承(図示省略)に対して橋軸方向Yの変位が拘束されない状態で載置される。
図1では、模式的に、調整桁2の上面21と高架橋3の上面311との間に隙間がある状態を示した。また、調整桁2の端縁22に隣接して、高架橋3の上面311が配置された状態になる。
調整桁2は、例えば図2に例示するように、橋軸直交方向Xに間隔を置いて設けられる主梁部25,25と、主梁部25,25間を繋ぐ中央床版部23と、主梁部25,25から橋軸直交方向Xにそれぞれ張り出される張出床版部24,24とを備えている。このような調整桁2は、鉄筋コンクリート(RC)、プレストレストコンクリート(PC)、PRC(Prestressed Reinforced Concrete)又は鋼材などによって製作される。
また、橋梁1が鉄道橋の場合、調整桁2の上面21には、橋軸方向Yに延伸される線路Rが敷設される。本実施の形態の橋梁の落橋防止構造は、調整桁2の上面21において、線路Rや走行する鉄道車両などの支障とならない位置に設けられる。
本実施の形態の橋梁の落橋防止構造は、橋軸方向Yに延伸されて調整桁2の上面21に設置される梁部材4と、調整桁2に梁部材4を取り付けるための連結材となるアンカー材5とを備えている。梁部材4は、調整桁2の上面21に載せられる桁側部41と、端縁22から高架橋3の上面311に向けて張り出される張出部42とが、長尺状に一体に形成される。
梁部材4は、例えばH形鋼やI形鋼等の形鋼、レールや鉄骨等の鋼材などによって形成することができる。調整桁2の上面21には、橋軸直交方向Xに間隔を置いて、複数の梁部材4が設置される。例えば図2に示すように、調整桁2の橋軸直交方向Xの中央を通る線(橋軸)に対して対称となる張出床版部24,24上の位置に、それぞれ梁部材4,4が配置される。
さらに、梁部材4は、伸縮や変位が許容された調整桁2に対して、余分な力が作用しない状態で取り付けられる。すなわち、調整桁2に対しては、梁部材4の長手方向の伸縮を拘束することがないように、梁部材4の桁側部41の長手方向に間隔を置いて複数設けられるアンカー材5によって取り付けが行われる。
アンカー材5は、梁部材4に跨って配置され、両側の端部51,51が調整桁2の内部に挿入される。例えば、異形鉄筋や鋼棒などによって正面視馬蹄形(逆U字形)に成形されたアンカー材5を梁部材4の上から被せ、端部51,51を張出床版部24の内部に埋め込んで、有機系接着剤やセメント系固化材などを注入するあと施工アンカーなどで定着させる。なお、端部51を定着させる方法はこれに限定されるものではなく、例えば張出床版部24の下面から端部51の先端が突出するまで挿入して、床版下面に当てた鋼板に先端を接合して定着させる構成であってもよい。
アンカー材5と梁部材4との間には、僅かに隙間を設けるか、又は両者が接触していたとしても、梁部材4の温度変化などによる長手方向の伸縮を妨げるような押付け状態の密着とならないような取り付け関係にする。
一方、高架橋3の上面311に対しては、梁部材4の張出部42を水平面内の移動が制限されない状態で載置する。例えば高架橋3のスラブ部31の上面311に張出部42を置いただけの状態にして、何の固定も行わないようにする。
図3は、地震時に調整桁2の端縁22が隣接する高架橋3の桁受け部33から外れる状況を説明するための模式図である。大きな地震が発生して橋梁1や高架橋3に大きな揺れが生じると、桁受け部33とそこに載置されただけの調整桁2の端縁22とが離隔する動きを示す場合がある。
すなわち調整桁2の端縁22は桁受け部33と連結されていないので、大規模地震によって高架橋3と調整桁2とがそれぞれ別の挙動を示すと、桁受け部33上の範囲を超えた位置まで端縁22が相対的に移動し、調整桁2が桁受け部33から外れることがある。
この際に、何ら落橋防止対策が取られていなければ、調整桁2は脱落して、橋梁1は落橋が生じた状態になる。これに対して、調整桁2の橋軸方向Yの端縁22から張出部42が張り出されて高架橋3の上面311に載置されていれば、調整桁2の端縁22が桁受け部33の範囲を外れても、落橋を防ぐことができるようになる。
本実施の形態の橋梁の落橋防止構造では、梁部材4の一部でも高架橋3の上面311に引っ掛かっていれば落橋を防ぐことができる。一方、図4に示したように、調整桁2の両側の梁部材4,4によって吊り下げ支持状態となったときに、梁部材4に最大の応力が発生すると考えられる。
すなわち図4は、調整桁2の両側が梁部材4,4のみによって支えられた状態を示しており、調整桁2に作用する荷重をすべて両側の梁部材4,4で受けることになる。図4の左側には、このときに梁部材4に発生する曲げモーメント分布Mを模式的に示した。
梁部材4は、複数のアンカー材5によって調整桁2に端部が固定される片持ち梁の状態になると想定できるので、高架橋3に最も近いアンカー材5の位置で曲げが最大になると考えられる。
そこで、本実施の形態の橋梁の落橋防止構造の具体的な構成について検証する。例えば橋軸方向Yの長さL1が20m(図7参照)、橋軸直交方向Xの幅L3が11mの重量が約5700kN(衝撃の影響を含めると8500kN)の調整桁2を、端縁22の橋軸直交方向Xの両側にそれぞれ配置した合計4本の梁部材4で支える場合について検証する。
まず、梁部材4の曲げとせん断力の照査を、最大の曲げモーメントが作用する位置(図4参照)で行う。ここで、片持ち梁状の梁部材4のアーム長(最外縁のアンカー材5と高架橋3の上面311との距離)を、1mと仮定する。
梁部材4は、図6に示したように、平行な上フランジ431と下フランジ433とがウェブ432によって繋げられたH形鋼を使用することとし、曲げに対しては全断面で抵抗し、せん断に対してはウェブ432で抵抗するものとする。照査の結果、梁部材4とするH形鋼は、梁高さB2が900mm以上、幅B1が300mm以上の断面形状を備えていればよいことが検証できた。
なお、H形鋼の梁高さB2を抑えるには、1体の調整桁2に配置する梁部材4の本数を増やせばよい。例えば、上記検証では片側の端縁22に配置される梁部材4の本数を2本としているが、3本以上にして分散させることで1本当たりの負担が減って、梁高さB2を抑えることができるようになる。
続いて、張出床版部24の曲げせん断力の照査を行う。図5に示したように、張出床版部24に梁部材4を取り付けたときに、梁部材4を介して作用する荷重に対して抵抗せん断面241のせん断耐力によって抵抗できなければならない。ここで、張出床版部24の基部の厚さD1を300mm、張出量D2を1050mm、張出床版部24の基部と梁部材4との距離D3を300mmとする(図6参照)。
抵抗せん断面241の面積を増やしてせん断耐力を増加させるには、梁部材4の桁側部41の長さL2(図7参照)を長くすればよい。曲げせん断力の照査によって算出された桁側部41の長さは、9m以上であった。なお、主梁部25上に梁部材4を設置することができる場合は、桁側部41の必要長さは大幅に短くすることができる。
続いて、9m以上の長さの桁側部41を有する梁部材4を調整桁2に取り付けるためのアンカー材5についての検証を行う。ここで、梁部材4の剛性が高ければ、複数のアンカー材5に均等に荷重が作用すると想定できる。
アンカー材5には、鉄筋径D13の異形鉄筋を使用することとし、有効埋込み長は170mmとする。近接配置の低減を考慮したアンカー材5の端部51あたり設計軸引張耐力を40kNとすると、9mの桁側部41に対して27列以上(ピッチは約330mm)のアンカー材5を配置する必要があるという結果となった。なお、アンカー材5は、密集して配置すると引張耐力の低下を招くので、その点に留意した設計を行う。
図7は、照査した結果を反映させた梁部材4とアンカー材5の配置例を説明する平面図である。長さL1が20m、幅L3が11mの調整桁2の4隅にそれぞれ配置する梁部材4は、桁側部41の長さL2が9mで、それを取り付けるためのアンカー材5のピッチが約330mmとなっていればよい。要するに、調整桁2の中央部では、梁部材の配置を省略することができる。
次に、本実施の形態の橋梁の落橋防止構造の構築方法について説明する。
この落橋防止構造は、新設の橋梁にも既設の橋梁1にも設けることができる。本実施の形態では、既設の橋梁1の調整桁2の脱落を防ぐために設ける落橋防止構造について説明する。
また、本実施の形態の橋梁の落橋防止構造が設けられる橋梁1は、調整桁2や高架橋3のスラブ部31の下方空間に、交差する道路が通っていたり、店舗などの建物が設けられたりするなどして有効利用されていても適用することができる。
まず、1体の調整桁2に対して設計で必要とされた数の梁部材4を、橋梁1の上面311,21を通って搬送する。梁部材4の設置箇所は、張出床版部24上に限定されるものではなく、中央床版部23上など橋梁1の供用の支障にならない場所であればよい。
また、梁部材4の材質、規格及び長さなどは、上述したように設計などによって予め求められる。桁側部41の長さについては、張出床版部24の曲げせん断力の照査結果などに基づいて決められるが、張出部42の長さについては、想定される調整桁2の端縁22と高架橋3の上面311との最大離隔に、引っ掛かりが確保できるだけの余長を加えた長さに設定することができる。
調整桁2の上まで搬送されてきた梁部材4は、橋軸方向Yと平行となる方向に向けて、張出床版部24の上面21など設計で決められた位置にそれぞれ配置される。この際、梁部材4の桁側部41に相当する長さ分は張出床版部24の上面21に設置し、張出部42は高架橋3の上面311に設置する。梁部材4の張出部42については、これで設置作業が完了する。
一方、梁部材4の桁側部41に対しては、あと施工アンカーとなるアンカー材5を、設計で決められたピッチに従って配置していく。曲げ加工によってU字形に成形されたアンカー材5は、端部51,51が下になる向きで上方から梁部材4に被せられる。そして、アンカー材5の端部51,51は、梁部材4の両側の上面21に穿孔された穴に挿入され、有機系接着剤が穴と端部51との隙間に注入される。
アンカー材5は、1箇所の桁側部41に対して設計で決められた本数が設置される。このような梁部材4の設置作業とアンカー材5による連結作業は、調整桁2の4隅においてそれぞれ実施される。
次に、本実施の形態の橋梁の落橋防止構造の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の橋梁の落橋防止構造では、調整桁2の上面21に設置されてアンカー材5によって調整桁2に取り付けられる梁部材4の一部が、橋軸方向Yの端縁22から張り出されている。また、この梁部材4は、長手方向の伸縮が拘束されることなく調整桁2に取り付けられている。
このような梁部材4の取り付け構造とすることで、温度変化などによって梁部材4に伸縮が生じたとしても調整桁2にその力が伝達されないので、設計時には予定していなかった力が調整桁2に作用するなどして橋梁1の本来の性能を低下させることを防ぐことができる。
また、調整桁2の上面21側を利用するので、桁下空間に店舗などを建てて利用しているような場合であっても、撤去や改修を行うことなく、調整桁2の脱落を防ぐことができるようになる。要するに、既設の橋梁1の下方空間を供用し続けた状態のままで、落橋防止構造を構築することができる。
さらに、梁部材4の張出部42が水平面内の移動が制限されない状態で隣接する高架橋3の上面311に載置されているので、地震時に橋軸に交差する方向の力が梁部材4や調整桁2に作用しても、その力が梁部材4を介して高架橋3に伝達されることがなく、高架橋3や調整桁2が梁部材4の設置に起因して損傷するのを防ぐことができる。
また、梁部材4に跨ってアンカー材5を配置して、両側の端部51,51が調整桁2の内部に挿入されるようにすることで、簡単に調整桁2に対して梁部材4を固定することができる。特に、あと施工アンカーでアンカー材5の端部51を定着させるのであれば、調整桁2の上面21側からの作業だけで、落橋防止構造の施工を行うことができる。
さらに、接着剤による定着力だけでは不足する場合は、アンカー材5の端部51を貫通させて、調整桁2の下面側に突出した端部51に鋼板やナットなどを固着することによって、より高い定着力を確保することができるようになる。
また、調整桁2の両側の端縁22,22からそれぞれ別体の梁部材4,4を張り出させる構成であれば、調整桁2の中央などにおいて設置の省略が可能になり、材料費を削減することができる。
そして、このように既設の橋梁1に対して後から落橋防止構造を設けることで、調整桁2の脱落を防いで、震災による橋梁1の機能低下を最小限に抑えることができる。すなわち橋梁1は、調整桁2が桁受け部33から脱落して高架橋3の上面311と調整桁2の上面21との間に段差が生じると、道路橋であれば自動車の通行の障害となったり、鉄道橋であればレールが変形したりして、結局は交通ネットワークを遮断してしまう事態になりかねない。これに対して本実施の形態の橋梁の落橋防止構造を設けることによって、想定外の大規模地震が起きても、ライフラインが維持されて早期復旧に貢献することができるようになる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の橋梁の落橋防止構造について、図8を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を用いて説明する。
本実施例1の橋梁の落橋防止構造は、比較的短い桁部を備えた橋梁1Aに適用される。図8に示した橋梁1Aは、例えば高架橋3,3間に架け渡される桁部となる調整桁2Aの橋軸方向Yの長さが、10m程度となる。
本実施例1の橋梁の落橋防止構造は、橋軸方向Yに延伸されて調整桁2Aの上面21に設置される梁部材4Aと、調整桁2Aに梁部材4Aを取り付けるための連結材となるアンカー材5とを備えている。
そして、梁部材4Aは、調整桁2Aの上面21に載せられる桁側部41Aと、両側の端縁22,22から隣接する高架橋3,3の上面311,311に向けてそれぞれ張り出される張出部42A,42Aとが、長尺状に一体に形成される。
要するに実施例1の梁部材4Aの桁側部41Aは、橋軸方向Yの長さが調整桁2Aの長さとほぼ同じ長さになり、桁側部41の橋軸方向Yの両端から張り出される張出部42A,42Aの引っ掛かりによって、調整桁2Aの脱落を防ぐことができる。
このように構成された実施例1の橋梁の落橋防止構造であれば、調整桁2Aより長く形成された梁部材4Aを使用することで、簡単に調整桁2Aの両側の端縁22,22から梁部材4Aの一部である張出部42A,42Aを張り出させることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例1で説明した隣接する構造体として高架橋3,3を備えた橋梁1,1Aは例示であり、これに限定されるものではなく、橋台、橋脚及び橋桁などの別の形態の下部工や上部工を備えた橋梁であっても本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態及び実施例1では、既設の橋梁1,1Aを補強する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、新設の橋梁の建設時に本発明の落橋防止構造を同時に設けることもできる。
さらに、前記実施の形態及び実施例1で説明した1体の調整桁2に配置される梁部材4,4Aの本数、断面形状、必要長さは例示であって、これに限定されるものではなく、桁部の上面の設置できるスペースに合わせて、配置する梁部材の本数等を任意に設定することができる。また、桁部の一方の端縁から梁部材の一部が張り出されるだけの構成であってもよい。
1 :橋梁
2 :調整桁(桁部)
21 :上面
22 :端縁
3 :高架橋(隣接する構造体)
33 :桁受け部(上部)
4 :梁部材
41 :桁側部
42 :張出部
5 :アンカー材(連結材)
51 :端部
1A :橋梁
2A :調整桁
4A :梁部材
41A :桁側部
42A :張出部
X :橋軸直交方向
Y :橋軸方向

Claims (5)

  1. 隣接する構造体の上部に端部が設置された桁部の脱落を防ぐための橋梁の落橋防止構造であって、
    前記桁部の上面に設置されて前記桁部の橋軸方向の端縁から一部が張り出される梁部材と、
    前記梁部材の長手方向の伸縮を拘束することなく前記桁部に前記梁部材を取り付けるための連結材とを備え、
    前記梁部材は前記桁部の橋軸直交方向に間隔を置いて複数設けられるとともに、前記連結材は前記梁部材の長手方向に間隔を置いて複数設けられることを特徴とする橋梁の落橋防止構造。
  2. 前記桁部の端縁から張り出された前記梁部材の張出部は、水平面内の移動が制限されない状態で載置されていることを特徴とする請求項1に記載の橋梁の落橋防止構造。
  3. 前記連結材は、前記梁部材に跨って配置されるとともに、両側の端部が前記桁部の内部に挿入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁の落橋防止構造。
  4. 前記梁部材は前記桁部より長く形成されていて、前記桁部の橋軸方向の両側の端縁から張り出されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の橋梁の落橋防止構造。
  5. 前記梁部材は、前記桁部の橋軸方向の両側の端縁からそれぞれ別体が張り出されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の橋梁の落橋防止構造。
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