JP4076186B2 - 延長床版の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は延長床版の設計方法に関するものであり、特に、延長床版と橋梁側の端部との間にヒンジ構造を介して接合する延長床版の設計方法に関するものである。
従来、橋桁の温度変化による伸縮を吸収するために、橋桁と橋台との間に伸縮装置を設けている。伸縮装置が橋桁と橋台との隙間にあるため、車両が通過する際にショックが発生して乗員に不快感を与えるとともに、騒音及び振動の発生による環境悪化が問題となる。
この不具合を解消するために、本願出願人は、土工部側にプレキャストコンクリート製の底版を配置し、該底版の一端部を橋台に受けさせるとともに、該底版の上に橋梁側から土工部側へ延設されるプレキャストコンクリート製の延長床版を配置し、土工部側に伸縮装置を設けた工法を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−084280号公報
特許文献1記載の発明は、橋梁床版を延長して伸縮装置を土工部側へ移設したことにより、通過車両からの衝撃が緩和されて振動や騒音の発生を低減することができる。橋梁側の端部と延長床版との間には、路長方向と路幅方向とへ鉄筋を縦横に配筋し、場所打ちコンクリートを打設して双方を接合することにより、温度変化による橋梁側の伸縮を確実に延長床版へ伝達させている。
いままでは、橋梁側の端部と延長床版との接合部が縦横に鉄筋を配筋した剛結合であるため、桁の回転による跳ね上がりから片持ち梁として荷重に耐えられるように、鉄筋量を増やすか、床版を厚くするなど、コストアップの要因となっている。
そこで、延長床版の設計に際して、橋梁側の端部と延長床版との接合部における必要な強度を備えつつコストダウンを図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、土工部側に配置された底版の上に橋梁側の端部から土工部側へ延設されて土工部側に伸縮装置を設けた延長床版であって、該延長床版と前記橋梁側の端部との間はヒンジ構造を介して場所打ちコンクリートにて接合しその上に舗装と地覆が施される構成である延長床版の設計方法において、
両側車線にわたって輪荷重がヒンジ構造上に載荷された状態で、輪荷重によって発生する活荷重と、延長床版と舗装と地覆の各体積によって発生する死荷重とを合算してせん断力を算定し、
版と延長床版の摩擦係数を考慮して軸方向温度下降時の水平力を求めて軸力を算定し、
前記せん断力と軸力とから応力計算してヒンジ構造の鉄筋径及び鉄筋本数を算定して延長床版を有する土工部と橋梁の接続構造を設計することを特徴とする延長床版の設計方法を提供する。
また、上記ヒンジ構造にかかる上部工反力から橋軸直角方向の水平力を求め、レベル1地震動に対しては耐え、かつ、レベル2地震動に対しては降伏するようにヒンジ構造の鉄筋径及び鉄筋本数を算定して上記土工部と橋梁の接続構造を設計する請求項1記載の延長床版の設計方法を提供する。
上記構成によれば、橋梁部側と延長床版との間はヒンジ構造を配設して場所打ちコンクリートを打設するので、接合部がヒンジ構造の柔構造となり、且つ、該ヒンジ構造につき、輪荷重によって発生する活荷重と、延長床版と舗装と地覆の各体積によって発生する死荷重とを合算してせん断力を算定し、床版と延長床版の摩擦係数を考慮して軸方向温度下降時の水平力を求めて軸力を算定し、前記せん断力と軸力とから応力計算して鉄筋径及び鉄筋本数を算定して設計するところ、荷重による曲げモーメントが発生しないため、接合部の鉄筋量を減少することができ、床版の厚さを薄く設計できる。
本発明は、橋梁側の端部と延長床版との間にヒンジ構造を介装して場所打ちコンクリートにて接合するため、接合部が柔結合となり、従来の橋梁における床版の設計と比較して、鉄筋量を減少することができると共に、
両側車線にわたって輪荷重がヒンジ構造上に載荷された状態で、輪荷重によって発生する活荷重と、延長床版と舗装と地覆の各体積によって発生する死荷重とを合算してせん断力を算定し、床版と延長床版の摩擦係数を考慮して軸方向温度下降時の水平力を求めて軸力を算定し、前記せん断力と軸力とから応力計算してヒンジ構造の鉄筋径及び鉄筋本数を算定して延長床版を有する土工部と橋梁の接続構造を設計するので、床版の厚さも薄く設計することができ、延長床版の設計に際して、必要な強度を備えつつコストダウンを図ることが可能となる。

以下、本発明に係る延長床版の設計方法について、好適な実施例をあげて説明する。延長床版の設計に際して、橋梁側の端部と延長床版との接合部における必要な強度を備えつつコストダウンを図るという目的を、延長床版と前記橋梁側の端部との間はヒンジ構造を介して場所打ちコンクリートにて接合するように設計することで実現した。
図1は橋梁部付近に施工された延長床版の断面図であり、橋梁部10を形成している橋桁11は支承12を介して橋台13に載置され、橋桁11の上に橋梁床版14が配置されている。土工部15は締め固めた盛土16の上に底版17を配置し、該底版17の一端部を橋台13の上面まで延設して緩衝ゴム18を介してアンカーボルト19にて固定する。該底版17には所々にグラウト注入孔20が設けられ、ジャッキなどによって底版17の高さ調整を行った後に、このグラウト注入孔20からグラウト材を注入して盛土16との隙間へ充填する。
底版17の上には延長床版21が配置され、該延長床版21の橋梁部10側の一端部は緩衝ゴム22を介して前記橋梁床版14の上面に載置されている。そして、該延長床版21の一端部に埋設されているヒンジ構造(本実施例ではメナーゼヒンジ)23の突出部分に場所打ちコンクリート24を打設して、延長床版21と橋梁床版14とが一体的に接合される。該延長床版21の他端部はコッター式継手26を介して着脱式床版27の一端部に接合されている。該着脱式床版27には伸縮装置28が設けられ、該着脱式床版27の他端部側はアンカーボルト29で前記底版17に固定されている。そして、前記延長床版21の上面には橋梁部10から連続的に舗装面30が施工されている。
前記底板17及び延長床版21は、それぞれ複数のプレキャスト鉄筋コンクリート版を接続してなり、底板17と延長床版21との接触面は極めて平滑に形成されている。橋梁部10側の温度変化で橋桁11が伸び縮みしたときは、橋梁床版14に接合された延長床版21が橋梁床版14に押し引きされて底版17の上面を滑動し、橋桁11の伸び縮みが前記伸縮装置28にて吸収される。
次に、前記延長床版21の設計方法について説明する。図2は延長床版の設計方法のフローチャートであり、先ず準備作業として設計条件を整理し、キックアップ量による延長床版の長さを決定する。
底版の検討に関しては、先ず踏掛版として或いは滑面形成を目的とした版としての検討により、底版の厚さ、基本配筋を決定する。構造部材としての検討は、壁高欄車両衝突時の検討及びコッター配置間隔を検討する。プレキャスト製コンクリート版吊込時等施工時の検討としては、リフトアップ時の検討を行う。そして、底版固定用アンカーを検討する
延長床版、着脱式床版の検討に関しては、本発明では延長床版の設計を橋梁床版ではなくコンクリート舗装版として検討して基本配筋を決定する。構造部材としての検討としては、遊間部での応力検討及び壁高欄車両衝突時の検討、コッター配置間隔を検討する。そして、底版と同様にプレキャスト製コンクリート版吊込時等施工時の検討を行う。着脱式床版の固定側アンカーボルトの検討としては、アンカーボルト及びインサートの検討を行う。
橋梁接合部の検討に関しては、ヒンジ構造の一例としてメナーゼヒンジを使用するものとし、遊間の検討、メナーゼヒンジの検討、地震時の検討などが必要である。
§1設計条件
(1)設計方法
道路橋示方書に準拠し、RC解析の許容応力度設計法により設計を行う。
(2)使用材料
使用材料の一例を表1に示す。
Figure 0004076186
(3)諸物理定数
鉄筋コンクリートの諸物理定数の一例を表2に示す。
Figure 0004076186
鉄筋のヤング係数は、Es=2.0×105(N/mm2)
コッター式継手(H型金物)のヤング係数は、Eco=1.7×105 (N/mm2)
(4)荷重条件
4.1活荷重
活荷重は、B活荷重(T−25)とする。図3(a)は図中左右方向に橋軸方向を示し、図3(b)は図中左右方向に橋軸直角方向を示す。
4.2死荷重
死荷重は、鉄筋コンクリートγcとアスファルト舗装γaの荷重値の一例を表3に示す。
Figure 0004076186
(5)許容応力度
各使用材料の許容応力度の一例を表4に示す。
Figure 0004076186
許容応力度の割増し係数の一例を表5に示す。
Figure 0004076186
(6)前提条件
当該延長床版は、発注者の意向及び橋梁の諸条件により、以下のような前提で設計を行うものとする。
「延長床版長」
橋梁端部に設置される伸縮装置が、土工部側へ移動した距離をさす。
「キックアップ量」
橋梁端部において、活荷重等によるたわみによって発生する橋梁端部の回転による跳ね上がり量(浮き上がり量)をさす。本発明では、最大値で+0.002radをもって検討する。
「橋梁移動量」
橋梁移動量は、橋梁温度伸縮及び地震動レベル1時の移動量によって決定され、その値の中で一番大きな数値から伸縮装置を決定する。
橋梁の伸縮量の値の一例を表6に示す。
Figure 0004076186
上記値により、延長床版に設置する伸縮装置は、橋軸方向±100.6mmの伸縮量に対応する伸縮装置とする。
「地震力」
地震時、橋梁と延長床版では異なる動き方をすると考えられ。延長床版が橋梁に無理な負担を強いないために、橋梁と延長床版を接合しているメナーゼヒンジを地震動レベル2時には降伏するように設計する。橋梁の地震時に発生する力の一例を表7に示す。
Figure 0004076186
(7)構造細目
7.1形状及び部材寸法
プレキャスト製コンクリート版の版厚は下記の条件を満たすものとする。
(1)最小全厚 160mm以上
(2)コッター式継手仕様に伴う必要版厚 200mm以上
上記の条件から、プレキャスト製コンクリート版の版厚を200mm以上とする。延長床版の版厚はt=200mm、底版の版厚は踏掛版の設計により決定する。
7.2最小鉄筋量
部材には、その断面積の0.15%以上の付着力のある鋼材を配置する。
鉄筋コンクリート構造に配置する軸方向引張主鉄筋の断面積は次式により決定する。
st≧0.005bw・d
ただし、せん断力が作用する方向の厚さが薄く、斜引張鉄筋を配置することができない部材については次式により決定する。
st≧0.01bw・d
ここで、Ast:軸方向引張主鉄筋の断面積(mm2)
w :けたのウエブ厚(mm)
d :有効厚(mm)
7.3最小かぶり
プレキャスト部材と場所打ちコンクリートの最小かぶりの一例を表8に示す。
Figure 0004076186
7.4鉄筋のあき
鉄筋のあきは下記の条件をすべて満たすものとする。
(1)40mm以上(プレキャスト部材では20mm以上)
(2)粗骨材(20mm)の最大寸法の4/3倍以上
(3)鉄筋の直径の1.5倍以上
7.5鉄筋の継手
引張鉄筋に重ね継手を用いる場合は、次式により算出する重ね継手長La以上かつ鉄筋の直径の20倍以上重ね合わせるものとする。また、重ね継手は継手に対して直角に配置した2本以上の鉄筋で補強するものとする。なお、引張鉄筋に機械式継手を用いる場合は、鉄筋の種類、直径、応力状態、継手位置等を考慮して、継手部の強度を定めるものとする。
a=(σsa・φ)/(4τ0a)
ここで、La :付着応力度より算出する重ね継手長(mm)
σsa:鉄筋の許容引張応力度(N/mm2)
φ :鉄筋の直径(mm)
τ0a:コンクリートの許容付着応力度(N/mm2)
なお、継手が同一断面に集中する場合は、「鉄筋継手指針(コンクリートライブラリー第49号)」(土木学会)I.9条(2)を参照するものとする。
7.6主鉄筋の配置
主鉄筋は、直径13mm以上の鉄筋とする。
主鉄筋は、2段以下に配置する。
7.7用心鉄筋の配置
コンクリートの乾燥収縮、温度勾配、応力集中等により生じる可能性のあるひび割れを有害でない程度に抑えるように鉄筋を配置するものとする。
用心鉄筋は、直径13mm以上とし、300mm以下の間隔で配置する。
打継目付近には、新旧コンクリート間の温度差、乾燥収縮等により生じる引張応力に対して用心鉄筋を配置する。
§2ヒンジ構造の検討
前述したように、従来は橋梁側の端部と延長床版との接合部が剛結合であるため、片持ち梁として荷重に耐えられるように、鉄筋量を増やすか、床版を厚くするなど、コストアップの要因となっているが、本発明では延長床版の設計に際して、橋梁側の端部と延長床版との間にヒンジ構造を介装して場所打ちコンクリートにて接合することにより、接合部を柔結合にして、必要な強度を備えつつコストダウンを図るようにする。
ヒンジ構造の一例として例えばメナーゼヒンジの鉄筋の設計では、道路橋支承便覧からメナーゼヒンジ支承の設計を参照して、次式で鉄筋の引張応力σscを検討する。なお、メ
ナーゼヒンジはその略半分の長さが予め工場にて延長床版に配設され、残り部分は上部筋及び下部筋とも延長床版の端部から外へ露出させておくものとする。
σsc=S/(n・As・sinθ)+N/(n・As・cosθ) …(1式)
ここで、S :せん断力
n :鉄筋の本数
As:鉄筋1本当たりの断面積
θ:鉄筋の交差角度
(1)鉛直荷重と温度変化に対する検討
1.1せん断力の算定
片側車線に車両が1台として、両側車線で車両2台がメナーゼヒンジ直上に載荷された状態を想定し、全幅が10.7mで検討する。図4は橋梁床版と延長床版の接合部付近の拡大図であり、設計の一例として、例えば遊間の橋台側端部から接合部のメナーゼヒンジ端部までの長さを1240mm、延長床版の厚さを200mm、底版の厚さを300mm、舗装の厚さを80mmとする。
(1)活荷重(輪荷重)
衝撃荷重i=20/(50+L)
=20/(50+1.24)=0.39
P=P×(1+i)=139.0(kN)
後輪荷重は1台分で2×Pであるので全幅2台分では
ΣP=4(輪)×P=556.0(kN) となる。
(2)死荷重
表3の荷重値を参照して死荷重を求める。
延長床版:10.7(m)×1.240(m)×0.200(m)×24.50(kN/m3)=65.0(kN)
舗装 :9.50(m)×1.240(m)×0.080(m)×22.50(kN/m3)=21.2(kN)
地覆 :0.120(m 2 )×1.24(m)×2(ケ)×24.50(kN/m 3 ) = 7.3(kN)
小計 93.5(kN)
死荷重はメナーゼヒンジに集中することはないが、安全を考慮して2台分の輪荷重と死荷重とを加算してせん断力を算定する。
せん断力 S=556.0(kN)+93.5(kN)=649.5(kN)
1.2軸力の算定
底版と延長床版との摩擦係数は安全を考慮して、μ=1.0とする。軸力は橋梁の温度変化による伸縮時にメナーゼヒンジに対して橋軸方向へ作用する水平力であるが、温度下降時に橋梁が収縮するときの引張力についてのみ検討する。そして、温度上昇時に橋梁が伸張するときは、軸力が圧縮方向へ作用して断面計算上有利となるため、圧縮時に関しては軸力を考慮しないものとする。設計の一例として、図1に示した延長床版21及び着脱式床版27の全長、すなわち、メナーゼヒンジ23の交差部分である場所打ちコンクリート24側の端部から伸縮装置28側の端部までの長さを5230mmとする。軸力は死荷重であるので、表3の荷重値を参照して下記のように求める。
延長床版:10.7(m)×5.230(m)×0.200(m)×24.50(kN/m3)=274.2(kN)
舗装 :9.50(m)×5.230(m)×0.080(m)×22.50(kN/m3)= 89.4(kN)
地覆 :0.120(m 2 )×1.24(m)×2(ケ)×24.50(kN/m 3 ) = 30.8(kN)
合計Rh 394.4(kN)
軸力 N=Rh=394.4(kN)
1.3応力計算
メナーゼヒンジを構成する鉄筋の許容引張応力σsaを180N/mmとすれば、前述の(1
式)から鉄筋の本数nは次式で表される。
n=S/(σsa・As・sinθ)+N/(σsa=n・As・cosθ)
ここで、設計の一例として、例えばメナーゼヒンジが鉄筋径D16(As=198.6mm)であるとすれば、
n=649.5/[180×198.6×(1/√2)]+394.4/[180×198.6×(1/√2)]
=25.695+15.603
=41.298
⇒42 (本)
鉄筋が2本1組かつ偶数組とすれば、全幅で22組のメナーゼヒンジを私用すればよいが、後述するレベル1地震動の照査により52本の鉄筋が必要となるので、全幅で26組のメナーゼヒンジにて接合部が構成されるように設計するものとする。
(2)地震時に対する検討
橋軸直角方向に対する地震時のメナーゼヒンジの耐震性能について検討する。
レベル1地震動及びレベル2地震動における耐震性能は、表9に示すように設計する。
Figure 0004076186
2.1レベル1地震動
A=kh×Rv
ここで、HA:メナーゼヒンジにかかる水平力
V:上部工反力
kh :橋によって異なる係数
上部工反力RVは橋の自重と考えて、
V=3854.182(kN)(主桁)+93.5(kN)(延長床版)=3947.682(kN)
上部工設計計算書に基づいて、レベル1地震動に対しては例えばkh=0.30とする。
したがって
A=0.30×3947.7(kN)=1184.3(kN)
そして、レベル1地震動におけるメナーゼヒンジの鉄筋の耐力Pは、
P=n・τas・α・As
ここで、 n :鉄筋の本数
τas:鉄筋の許容せん断耐力
α :割り増し係数(頻繁に起こらない場合は5割増し)
s :鉄筋の断面積
P=52(本)×80(N/mm)×1.5×198.6(mm2)
=1,239,264(N)
すなわち
P=1239.3(kN) > HA=1184.3(kN)
となり、レベル1地震動に対してはメナーゼヒンジが耐えうるように設計する。
2.2レベル2地震動
(a)タイプ1地震動
レベル2地震動のタイプ1(海洋型)においては、
上部工設計計算書に基づいて、レベル1地震動に対してはkhc=1.00とする。
上部工反力RVは前述と同じで、RV=3947.682(kN)
したがって
A=khc×Rv
A=1.00×3947.7(kN)=3947.7(kN)
そして、鉄筋の降伏については、von Misesの降伏条件を適用して
τsy=σsy/30.5
=345(N/mm2)/1.732
=199(N/mm2)
したがって、レベル2地震動のタイプ1におけるメナーゼヒンジの鉄筋の耐力Pは
P=n・τsy・α・As
=52(本)×199(N/mm2)×198.6(mm2)
=2,055,113(N)
すなわち、
P=2055.11(kN) < HA=3947.7(kN)
となり、レベル2地震動のタイプ1に対してはメナーゼヒンジが降伏するように設計する。
(b)タイプ2地震動
レベル2地震動のタイプ2(直下型)においては、
上部工設計計算書に基づいて、レベル2地震動に対してはkhc=1.50とする。
上部工反力RVは前述と同じで、RV=3947.682(kN)
したがって
A=khc×Rv
A=1.50×3947.7(kN)=5921.6(kN)
そして、鉄筋の降伏については、前述と同様に、von Misesの降伏条件を適用して
τsy=σsy/30.5
=345(N/mm2)/1.732
=199(N/mm2)
したがって、レベル2地震動のタイプ2におけるメナーゼヒンジの鉄筋の耐力Pは
P=n・τsy・α・As
=52(本)×199(N/mm2)×198.6(mm2)
=2,055,113(N)
すなわち、
P=2055.11(kN) < HA=5921.6(kN)
となり、レベル2地震動のタイプ2に対してはメナーゼヒンジが降伏するように設計する。
このように、前述した設計上件のもとでは、メナーゼヒンジの鉄筋本数を52本(26組)と設計することにより、レベル1地震動に対してはメナーゼヒンジが耐えて延長床版を保持する。そして、レベル2地震動に対してはメナーゼヒンジが降伏して橋梁から延長床版が切り離されるため、延長床版が大きく振られたとしても橋梁本体を破壊するなどの悪影響を及ぼすことを防止できる。
なお、本実施例で表した各数値は一例であり、本発明の精神を逸脱しない限り、該数値を改変して他の数値を使用することもでき、そして、本発明がこの改変されたものに及ぶことは当然である。
橋梁部付近に施工された延長床版の断面図。 延長床版の設計方法のフローチャート。 活荷重を説明する図で、(a)は図中左右方向に橋軸方向を示し(b)図中左右方向に橋軸直角方向を示す図。 橋梁床版と延長床版の接合部付近の拡大図。
符号の説明
10 橋梁部
11 橋桁
12 支承
13 橋台
14 橋梁床版
15 土工部
16 盛土
17 底版
18 緩衝ゴム
19 アンカーボルト
20 グラウト注入孔
21 延長床版
22 緩衝ゴム
23 メナーゼヒンジ(ヒンジ構造)
24 場所打ちコンクリート
26 コッター式継手
27 着脱式床版
28 伸縮装置
29 アンカーボルト
30 舗装面

Claims (2)

  1. 土工部側に配置された底版の上に橋梁側の端部から土工部側へ延設されて土工部側に伸縮装置を設けた延長床版であって、該延長床版と前記橋梁側の端部との間はヒンジ構造を介して場所打ちコンクリートにて接合しその上に舗装と地覆が施される構成である延長床版の設計方法において、
    両側車線にわたって輪荷重がヒンジ構造上に載荷された状態で、輪荷重によって発生する活荷重と、延長床版と舗装と地覆の各体積によって発生する死荷重とを合算してせん断力を算定し、
    版と延長床版の摩擦係数を考慮して軸方向温度下降時の水平力を求めて軸力を算定し、
    前記せん断力と軸力とから応力計算してヒンジ構造の鉄筋径及び鉄筋本数を算定して延長床版を有する土工部と橋梁の接続構造を設計することを特徴とする延長床版の設計方法。
  2. 上記ヒンジ構造にかかる上部工反力から橋軸直角方向の水平力を求め、レベル1地震動に対しては耐え、かつ、レベル2地震動に対しては降伏するようにヒンジ構造の鉄筋径及び鉄筋本数を算定して上記土工部と橋梁の接続構造を設計することを特徴とする請求項1記載の延長床版の設計方法。
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