JP3081833B1 - 立体ラーメン形式の高架橋構造 - Google Patents
立体ラーメン形式の高架橋構造Info
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Abstract
構造の定着方法に特定の方法を採用すること等により剪
断破壊の抑制、高い靱性能の確保及び地中梁の省略を図
ることができる立体ラーメン形式の高架橋構造を提供す
ること。 【解決手段】 柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱
3の下部を、場所打ち杭1の上部に一体に形成した合成
鋼管杭2に定着させるとともに、橋軸方向に隣接するコ
ンクリート充填鋼管柱3,3間に、縦桁部材としての中
空断面あるいは開断面の鉄筋コンクリート梁4を架設す
る。
Description
し、特に、上部構造の軽量化、剪断破壊の抑制、高い靱
性能の確保及び地中梁の省略を図ることができる立体ラ
ーメン形式の高架橋構造に関するものである。
は、鉄筋コンクリート場所打ち杭、鉄筋コンクリート場
所打ち地中梁、鉄筋コンクリート場所打ち柱、鉄筋コン
クリート場所打ち梁、鉄筋コンクリート場所打ちスラブ
等から構成されていた。
ラーメン形式の高架橋構造は、大規模地震に対する耐震
性能を確保するために、大断面の構造部材を用いなけれ
ばならず、梁及びスラブ等の上部構造の重量が大きくな
るため、橋軸方向のスパンを短くしなければならず、こ
のため、工期が長くなるとともに、建設コストが高くな
るという問題があった。また、地中梁が必須となるた
め、直上高架化工事が不可能となり、このため、高架化
に伴い、都市部での用地の確保が困難になるという問題
があった。
高架橋構造の有する問題点に鑑み、従来工法による各構
造部材の重量や、構造特性、接合、定着方法等について
総合的に検討した結果、上部構造の重量を軽量化すると
ともに、下部構造の定着方法に特定の方法を採用するこ
と等により剪断破壊の抑制、高い靱性能の確保及び地中
梁の省略を図ることができる立体ラーメン形式の高架橋
構造を提供することを目的とする。
め、本発明の立体ラーメン形式の高架橋構造は、柱部材
としてのコンクリート充填鋼管柱の下部を、場所打ち杭
の上部に一体に形成した合成鋼管杭に定着させるととも
に、橋軸方向に隣接するコンクリート充填鋼管柱間に、
縦桁部材としての中空断面あるいは開断面の桁を架設し
たことを特徴とする。ここで、「中空断面あるいは開断
面の桁」としては、例えば、中空断面あるいは開断面の
鉄筋コンクリート桁、鋼部材を用いることにより中空断
面あるいは開断面に形成した鋼コンクリート合成桁等を
適用することができる。
リート充填鋼管柱の下部を、場所打ち杭の上部に一体に
形成した合成鋼管杭に定着させるようにしているので、
下部構造の剪断破壊の抑制と高い靱性能を確保すること
ができ、また、橋軸方向に隣接するコンクリート充填鋼
管柱間に、縦桁部材としての中空断面あるいは開断面の
桁を架設するようにしているので、上部構造の軽量化を
図ることができ、橋軸方向のスパンを長くすることがで
き、下部構造の定着方法に上記の特定の方法を採用する
ことにより地中梁を省略できることと相俟って、工期を
短縮化して、建設コストを低廉化することができる。こ
れにより、大規模地震に対する耐震性能の確保、地中梁
不要構造による直上高架化工事の実現、柱断面の縮減に
よる高架下空間の有効利用が可能となる。
リート充填鋼管柱及び縦桁部材としての中空断面あるい
は開断面の桁を橋軸方向に平行に設けるとともに、橋軸
方向に対して直角方向に隣接するコンクリート充填鋼管
柱間に、横桁部材としての桁を設けて、前記縦桁部材と
しての中空断面あるいは開断面の桁と接続することがで
きる。
ら、上部構造の剛性を向上することができる。
の高架橋構造を図示の実施の形態に基づいて説明する。
の高架橋構造を、鉄道高架橋に適用した第1実施例を示
す。この鉄道高架橋は、柱部材としてのコンクリート充
填鋼管柱(CFT柱)3の下部を、場所打ち杭1の上部
に一体に形成した合成鋼管杭2に定着させるとともに、
橋軸方向に隣接するコンクリート充填鋼管柱3,3間
に、縦桁部材としての中空断面あるいは開断面の鉄筋コ
ンクリート桁(ホロー桁)4を架設するようにする。そ
して、柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱3及び縦
桁部材としての中空断面あるいは開断面の鉄筋コンクリ
ート桁4を橋軸方向に平行に設けるとともに、橋軸方向
に対して直角方向に隣接するコンクリート充填鋼管柱
3,3間に、横桁部材としての鉄筋コンクリート桁5を
設けて、縦桁部材としての中空断面あるいは開断面の鉄
筋コンクリート桁3と接続するようにする。
位置に沿って構築する場所打ち杭1は、縦桁部材として
中空断面あるいは開断面の鉄筋コンクリート桁4を架設
すること等により上部構造の軽量化を図るようにしてい
ることから、その橋軸方向のスパン間隔Lを、従来の地
中梁を有する鉄筋コンクリート製の立体ラーメン形式の
高架橋構造の場合の一般的なスパン間隔、例えば、約8
mよりも長い、12m(一般的なスパン間隔1.5倍)
程度に設定することが可能である。また、軸方向に対し
て直角方向のスパン間隔Wは、鉄道高架橋の幅に合わせ
て、特に限定されるものではないが、例えば、3.6m
程度に設定するようにする。なお、場所打ち杭1は、設
計強度、地盤支持力等を考慮して、その径、長さ等を設
定するようにする。なお、場所打ち杭1の構築には、ア
ースドリル工法のほか、従来公知の工法を適用すること
ができる。
の外径と略同径の合成鋼管杭2を一体に構築する。この
合成鋼管杭2には、高強度鋼管を採用するとともに、そ
の内部に普通コンクリートを充填して構築することによ
り、柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱3の下部を
定着するようにする。このため、合成鋼管杭2は、上端
が地盤10の表面から数m程度の深さになるように施工
し、かつ場所打ち杭1の鉄筋によって、連続性を保つよ
うにしながら、合成構造による大きな曲げ抵抗を備える
ようにする。合成鋼管杭2の長さは、柱部材としてのコ
ンクリート充填鋼管柱3の定着を十分に行えるように定
めるようにする。具体的には、本実施例においては、合
成鋼管杭2の長さを3mに、この合成鋼管杭2に対する
長柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱3の挿入深さ
Hを2mに、それぞれ設定するようにしている。
は、合成鋼管杭2と同様、高強度鋼管を採用するととも
に、その内部に自己充填性コンクリートを充填して構築
する。これにより、型枠が不要となるだけでなく、大き
な剪断抵抗と、合成構造による大きな曲げ抵抗を得るこ
とができ、さらには、コンクリートに対する鋼管による
拘束効果による高い靱性能を確保することができる。
は、具体的には、軽量化を図るため、横桁部材としての
鉄筋コンクリート桁5との接続部を除いて、内部に円形
型枠41を用いて橋軸方向に中空部を形成するようにす
るとともに、所要の引張降伏強度を備えた鉄筋(図示省
略)を配筋し、コンクリートを現場で打設して、横桁部
材としての鉄筋コンクリート桁5と共に、一体に構築す
る。この縦桁部材としての鉄筋コンクリート桁4は、そ
の直上に鉄道の軌道Rを敷設することにより、活荷重に
よる曲げモーメントに対して合理的な抵抗力を発揮でき
るようにしている。
は、所要の引張降伏強度を備えた鉄筋(図示省略)を配
筋し、コンクリートを現場で打設して、縦桁部材として
の鉄筋コンクリート桁4と共に、一体に構築する。な
お、横桁部材として、鉄筋コンクリート桁5に代えて、
鋼桁を用いることもできる。
鋼管柱3と、縦桁部材及び横桁部材としての鉄筋コンク
リート桁4,5との接合部は、コンクリート充填鋼管柱
3をそのまま延出するようにしたり、本実施例に示すよ
うに、コンクリート充填鋼管柱3よりも小径の継手金具
6を配設し、必要に応じて、その表面にシヤコネクタを
溶接し、空間にコンクリートを現場で打設して、密実断
面の一体構造となるように構築するようにする。
桁4,4の桁間及び桁の側方には、橋軸方向に歩道用グ
レーチング7を配設するようにしている。この歩道用グ
レーチング7は、横桁部材としての鉄筋コンクリート桁
5の外側突出部分に配設したブラケット8及び梁9によ
って支持するようにする。
構造を、鉄道高架橋に適用した実施例について説明した
が、本発明の立体ラーメン形式の高架橋構造の適用対象
は、これに限定されず、例えば、道路高架橋に適用する
こともできる。
量化を図るため、縦桁部材に中空断面あるいは開断面の
鉄筋コンクリート桁4を用いるようにしたが、縦桁部材
の構成は、これに限定されず、例えば、図4(A)及び
(B)に示す、本発明の立体ラーメン形式の高架橋構造
の第2実施例のように、縦桁部材として、横桁部材とし
ての鉄筋コンクリート桁5との接続部を除いて、鋼管部
材41Aの上面にシヤコネクタ42Aを溶接し、床版コ
ンクリート43Aを現場で打設して中空断面あるいは開
断面に形成した鋼コンクリート合成桁4Aを用いること
ができる。また、図4(C)に示す、本発明の立体ラー
メン形式の高架橋構造の第2実施例の変形例のように、
縦桁部材として、横桁部材としての鉄筋コンクリート桁
5との接続部を除いて、U字形鋼部材41Bの上部にシ
ヤコネクタ42Bを溶接し、床版コンクリート43Bを
現場で打設して中空断面あるいは開断面に形成した鋼コ
ンクリート合成桁4Bを用いることもできる。この場
合、横桁部材としては、鋼桁、鉄筋コンクリート桁のほ
か、図4(A)及び(B)並びに(C)の縦桁部材と同
様、鋼管部材やU字形鋼部材を使用し、中空断面あるい
は開断面に形成した鋼コンクリート合成桁5Aを用いる
ことができる。
造のより具体的な各構造部材の実施例を以下に示す。 [場所打ち杭1] ・外径1.3m、長さ9.45m ・引張降伏強度3500kgf/cm2のD22×20
本の単鉄筋 ・設計基準強度300kgf/cm2の普通コンクリー
ト ・橋軸方向のスパン間隔L:12m ・軸方向に対して直角方向のスパン間隔W:3.6m [合成鋼管杭2] ・引張降伏強度3200kgf/cm2、外径1.3
m、管厚:16mm、長さ3mの鋼管 ・設計基準強度240kgf/cm2の普通コンクリー
ト [コンクリート充填鋼管柱3] ・引張降伏強度3200kgf/cm2、外径660m
m、管厚16mm、長さ5.2mの鋼管 ・設計基準強度450kgf/cm2の自己充填性コン
クリート [鉄筋コンクリート桁(縦桁部材)4] ・最大幅2.5m(最少幅1.6m)、高さ1.3m ・引張降伏強度3500kgf/cm2のD29×11
本の複鉄筋 ・設計基準強度300kgf/cm2の普通コンクリー
ト ・φ800mmの円筒型枠 [鉄筋コンクリート桁(横桁部材)5] ・幅1.0m、高さ1.2m ・引張降伏強度3500kgf/cm2のD22×9本
の複鉄筋 ・設計基準強度300kgf/cm2の普通コンクリー
ト
によれば、柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱の下
部を、場所打ち杭の上部に一体に形成した合成鋼管杭に
定着させるようにしているので、下部構造の剪断破壊の
抑制と高い靱性能を確保することができ、また、橋軸方
向に隣接するコンクリート充填鋼管柱間に、縦桁部材と
しての中空断面あるいは開断面の桁を架設するようにし
ているので、上部構造の軽量化を図ることができ、橋軸
方向のスパンを長くすることができ、下部構造の定着方
法に上記の特定の方法を採用することにより地中梁を省
略できることと相俟って、工期を短縮化して、建設コス
トを低廉化することができる。これにより、大規模地震
に対する耐震性能の確保、地中梁を省略することによる
直上高架化工事の実現、柱断面の縮減による高架下空間
の有効利用が可能となる等の利点がある。
リート充填鋼管柱及び縦桁部材としての中空断面あるい
は開断面の桁を橋軸方向に平行に設けるとともに、橋軸
方向に対して直角方向に隣接するコンクリート充填鋼管
柱間に、横桁部材としての桁を設けて、縦桁部材として
の中空断面あるいは開断面の鉄筋コンクリート桁と接続
することにより、上部構造の軽量化を図りながら、上部
構造の剛性を向上することができる。
実施例を示す正面図である。
は図2のB−B線による断面図
実施例を示し、(A)は斜視図、(B)は縦桁部材の断
面図、(C)は変形例の縦桁部材の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱
の下部を、場所打ち杭の上部に一体に形成した合成鋼管
杭に定着させるとともに、橋軸方向に隣接するコンクリ
ート充填鋼管柱間に、縦桁部材としての中空断面あるい
は開断面の桁を架設したことを特徴とする立体ラーメン
形式の高架橋構造。 - 【請求項2】 柱部材としてのコンクリート充填鋼管柱
及び縦桁部材としての中空断面あるいは開断面の桁を橋
軸方向に平行に設けるとともに、橋軸方向に対して直角
方向に隣接するコンクリート充填鋼管柱間に、横桁部材
としての桁を設けて、前記縦桁部材としての中空断面あ
るいは開断面の桁と接続したことを特徴とする請求項1
記載の立体ラーメン形式の高架橋構造。
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