JP5666329B2 - 鉄道高架橋の架替方法 - Google Patents
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既設脚柱と、既設脚柱間上部の既設梁と前記既設梁上の既設スラブとからなる既設上部構造とから構成されるラーメン構造物上に鉄道線路が設けられた鉄道高架橋の架替方法において、
橋軸方向に沿って前記既設上部構造上に工事桁を配置し、この工事桁によって前記鉄道線路を支持するとともに、前記支持された鉄道線路の下方で橋軸方向に配置された3本の既設脚柱の上端部に前記橋軸方向に長尺な仮設鋼材を接合する第1工程と、
前記工事桁によって前記鉄道線路を支持した状態で、前記仮設鋼材上に位置する既設上部構造を解体撤去する第2工程と、
前記解体撤去された既設上部構造の下方の地盤に前記3本の既設脚柱の各々の間に1本の新設脚柱をそれぞれ施工する第3工程と、
前記新設脚柱間の既設脚柱を解体撤去する第4工程と、
前記新設脚柱間上に新設梁と新設スラブからなる新設上部構造を築造する第5工程と、を含むことを特徴とする。
上記鉄道高架橋の架替方法において、
前記新設脚柱に隣り合う既設脚柱間上部の既設上部構造上に前記工事桁を移動して橋軸方向に沿って配置し、この工事桁によって鉄道線路を支持するとともに、前記仮設鋼材を切り離して橋軸方向に移動し、前記支持された鉄道線路の下方で橋軸方向に配置された2本の既設脚柱の上端部およびこれら2本の既設脚柱のうちの1つに隣り合う前記新設脚柱の上端部に前記仮設鋼材を接合する第6工程と、
前記工事桁によって前記鉄道線路を支持した状態で、前記仮設鋼材上に位置する既設上部構造を解体撤去する第7工程と、
前記解体撤去された上部構造の下方の地盤に新設脚柱を施工する第8工程と、
前記新設脚柱間の既設脚柱を解体撤去する第9工程と、
前記新設脚柱間上に新設梁と新設スラブとからなる新設上部構造を築造する第10工程とを前記第5工程後に順次所定回数行うことを特徴とする。
上記鉄道高架橋の架替方法において、
前記橋軸方向に長尺な仮設鋼材は、橋軸直角方向に配置された仮設鋼材を介して前記3本または2本の既設脚柱に接合され、前記3本または2本の既設脚柱から離れた状態で接合されることを特徴とする鉄道高架橋の架替方法。
上記鉄道高架橋の架替方法において、
前記既設脚柱間下部を繋ぐ既設地中梁が設けられており、
前記新設脚柱は、この既設地中梁の各側面を新設基礎杭で挟むようにして、または前記既設地中梁の下端まで新設基礎で包み込むようにして新設基礎杭を施工し、前記既設地中梁と前記新設基礎杭とを一体化した基礎を施工することにより設けられていることを特徴とする。
1.鉄道高架橋の架替方法の概略
図1および図2を参照して、本実施の形態に係る鉄道高架橋の架替方法の概略について説明する。
はじめに、図2における既設鉄道高架橋について説明する。符号100は鉄道線路であり、符号101aから101hは既設脚柱であり、符号103aは既設梁であり、符号103bは既設スラブであり、符号103は既設梁103aと既設スラブ103bとからなる既設上部構造である。ここで、鉄道線路100は、少なくとも枕木及びレールから構成され、既設脚柱と既設梁とからなるラーメン構造が維持された状態で列車の通行に必要な構成要素をいい、既設上部構造103により支持されている。そのため、既設上部構造103を切断してラーメン構造が成立しなくなると、鉄道高架橋の強度が低下する。上部構造を切断したままの状態で列車を通行させるためには安全を確保するための処置が必要となる
次に、図3〜図42を参照して、5径間に相当する既設脚柱101a〜101fとその既設上部構造103の架替方向について、説明する。
図3に示すように、橋軸方向に沿って、既設脚柱101a〜101c間上の既設上部構造103に工事桁20を配置し、この工事桁20によって前記鉄道線路100を支持する。工事桁20の長さは、既設上部構造103を解体撤去した際に、列車の通行についての安全を確保するために、既設脚柱101aと既設脚柱101c間の距離よりも十分に長いことが望ましい。
図5に示すように、前記仮設鋼材30,31上に位置する既設上部構造103を解体撤去する。この場合に、工事桁20は、解体撤去された既設スラブ103bの代わりに鉄道線路100を支持している。更に、仮設鋼材30,31は既設梁103aの代わりに既設脚柱101a〜101cと接合され水平力を伝達できる。これによって鉄道高架橋の強度低下を抑制することができる。
図6および図7に示すように、前記解体撤去された既設上部構造103の下方の地盤に複数の新設脚柱1a,1bを施工する。図7(b)に示すように、新設脚柱1a,1bは、橋軸方向と交差する方向にそれぞれ2本施工され、それらの上部が橋軸直角方向の横梁により剛結され、ラーメン構造が構成される。そして、横梁の上部にスペーサー9が施工され、工事桁20を支持すると共に、新設スラブ3bを施工するスペースを確保している。ここで、前記既設脚柱101a〜101c間下部を繋ぐ既設地中梁105が設けられているため、新設脚柱1a,1bを支える基礎杭等を新規に新設脚柱1a,1bの真下の位置に施工する場合に既設地中梁105と干渉する。そこで、この既設地中梁105の各側面を2本の新設基礎杭7でそれぞれ挟むように新設基礎杭7を施工し、前記既設地中梁と前記新設基礎杭と一体化した基礎を施工し、その基礎の上に新設脚柱1a,1bを施工する。このように、新設脚柱1a,1bを前記既設地中梁105と前記新設基礎杭7と一体化することにより、既設地中梁105と干渉することなく、既設地中梁105を有効活用した上で、新設脚柱1a,1bを施工できる。
図8に示すように、前記新設脚柱1a,1b間の既設脚柱101bを解体撤去する。既設脚柱101bを解体撤去しても、前記新設脚柱1a,1bが2つのスペーサー9を介して工事桁20を支えているため、列車の通行について安全を確保することができる。
図9〜図11に示すように、前記新設脚柱1a,1b間上に新設梁3aと新設スラブ3bからなる新設上部構造3を築造する。はじめに、図9(c)に示すように、新設脚柱1a,1b間に橋軸方向に新設梁3aを施工する。その後、図10に示すように、橋軸方向に交差する方向の外側からスペーサー9間に差し込むように新設スラブ3bを設置する。その後、図11に示すように、新設スラブ3bと新設梁3aとを一体化するようにコンクリートを打設する。
次に、図12に示すように、前記新設脚柱1bに隣り合う既設脚柱101c,101d間上部の既設上部構造103上に前記工事桁20を橋軸方向左側に移動し、橋軸方向に沿って前記工事桁20を配置し、この工事桁20によって鉄道線路100を支持する。一方で、前記仮設鋼材30を切り離して橋軸方向左側に移動し、前記支持された鉄道線路100の下方で橋軸方向に配置された複数の既設脚柱101c,101dの上端部およびこれら複数の既設脚柱のうちの1つに隣り合う前記新設脚柱1bの上端部に前記仮設鋼材30,31を接合する。この際に、新設脚柱1aと既設脚柱101a間上部の既設上部構造103上に工事桁22を配置し、この工事桁22によって鉄道線路100を支持し、新設脚柱1aの上端部と既設脚柱101aの上端部に仮設鋼材32を接合しておく。
図13に示すように、前記仮設鋼材30,31上に位置する既設上部構造103を解体撤去する。この場合に、工事桁20は、解体撤去された既設スラブ103bの代わりに鉄道線路100を支持している。更に、仮設鋼材30,31は既設梁103aの代わりに既設脚柱101aと接合され水平力を伝達できる。これによって鉄道高架橋の強度低下を抑制することができる。
図14および図15に示すように、前記解体撤去された既設上部構造103の下方の地盤に新設脚柱1cを施工する。図15(b)に示すように、新設脚柱1cは、橋軸方向と交差する方向にそれぞれ2本施工され、それらの上部および下部が橋軸直角方向の横梁により剛結され、ラーメン構造が構成される。そして、横梁の上部にスペーサー9が施工され、工事桁20を支持すると共に、新設スラブ3bを施工するスペースを確保している。ここで、前記既設脚柱101c〜101d間下部を繋ぐ既設地中梁105が設けられているため、新設脚柱1cを支える基礎杭等を新規に新設脚柱1cの真下の位置に施工する場合に既設地中梁105と干渉する。そこで、この既設地中梁105の各側面を2本の新設基礎杭7でそれぞれ挟むように新設基礎杭7を施工し、前記既設地中梁と前記新設基礎杭と一体化した基礎を施工し、その基礎の上に新設脚柱1c施工する。このように、新設脚柱1cを前記既設地中梁105と前記新設基礎杭7と一体化することにより、既設地中梁105と干渉することなく、既設地中梁105を有効活用した上で、新設脚柱1cを施工できる。
図16に示すように、前記新設脚柱1b,1c間の既設脚柱101cを解体撤去する。既設脚柱101cを解体撤去しても、前記新設脚柱1b,1cが2つのスペーサー9等を介して工事桁20を支えているため、列車の通行について安全を確保することができる。
図17および図18に示すように、前記新設脚柱1b,1c間上に新設梁3aと新設スラブ3bとからなる新設上部構造3を築造する。はじめに、図17(a)に示すように、新設脚柱1b,1c間に橋軸方向に新設梁3aを施工する。その後、橋軸方向に交差する方向の外側からスペーサー9間に差し込むように新設スラブ3bを設置する。その後、新設スラブ3bと新設梁3aとを一体化するようにコンクリートを打設し、新設スラブ3bと新設梁3aとからなる新設上部構造3を築造する。なお、図18に示すように、工事桁20と仮設鋼材30を移動した後に、新設梁3a上のスペーサー9を撤去し、スペーサー9を撤去した後の空間に相当する新設スラブ3b間にコンクリートを打設するのが望ましい。
図30に示すように、前記新設脚柱1aに隣り合う既設脚柱101a,101f間上部の既設上部構造103上に前記工事桁20を橋軸方向右側に移動し、橋軸方向に沿って前記工事桁20を配置し、この工事桁20によって鉄道線路100を支持する。一方で、前記仮設鋼材30を切り離して橋軸方向右側に移動し、前記支持された鉄道線路100の下方で橋軸方向に配置された複数の既設脚柱101a,101fの上端部およびこれら複数の既設脚柱のうちの1つに隣り合う前記新設脚柱1aの上端部に前記仮設鋼材30,31を接合する。この際に、新設脚柱1eと既設脚柱101g間上部の既設上部構造103上に工事桁22を配置し、この工事桁22によって鉄道線路100を支持し、新設脚柱1eの上端部と既設脚柱101gの上端部に仮設鋼材32を接合しておく。なお、上述のように、工事桁20と仮設鋼材30を移動した後に、新設梁3a上のスペーサー9を撤去し、新設梁3a上の新設スラブ3b間にコンクリートを打設するのが望ましい。
上記実施例では、既設地中梁105の上に新設基礎が設けられ、既設地中梁と新設脚柱と新設基礎杭とが一体化されていた。これに限らず、図46に示すように、新設基礎形状を既設地中梁の下端まで包み込むように設けてもよい。
3 新設上部構造
3a 新設梁
3b 新設スラブ
7 新設基礎杭
8 柱基礎
9 スペーサー
20 工事桁
20a 主桁
20b 枕木受桁
20c 棚板
20d 補強材
30,31,32 仮設鋼材
100 鉄道線路
100a レール
100b 枕木
101a-101h 既設脚柱
103 既設上部構造
103a 既設梁
103b 既設スラブ
105 既設地中梁
Claims (4)
- 既設脚柱と、既設脚柱間上部の既設梁と前記既設梁上の既設スラブとからなる既設上部構造とから構成されるラーメン構造物上に鉄道線路が設けられた鉄道高架橋の架替方法において、
橋軸方向に沿って前記既設上部構造上に工事桁を配置し、この工事桁によって前記鉄道線路を支持するとともに、前記支持された鉄道線路の下方で橋軸方向に配置された3本の既設脚柱の上端部に前記橋軸方向に長尺な仮設鋼材を接合する第1工程と、
前記仮設鋼材上に位置する既設上部構造を解体撤去する第2工程と、
前記解体撤去された既設上部構造の下方の地盤に前記3本の既設脚柱の各々の間に1本の新設脚柱をそれぞれ施工する第3工程と、
前記新設脚柱間の既設脚柱を解体撤去する第4工程と、
前記新設脚柱間上に新設梁と新設スラブからなる新設上部構造を築造する第5工程と、を含むことを特徴とする鉄道高架橋の架替方法。 - 請求項1に記載の鉄道高架橋の架替方法において、
前記新設脚柱に隣り合う既設脚柱間上部の既設上部構造上に前記工事桁を移動して橋軸方向に沿って配置し、この工事桁によって鉄道線路を支持するとともに、前記仮設鋼材を切り離して橋軸方向に移動し、前記支持された鉄道線路の下方で橋軸方向に配置された2本の既設脚柱の上端部およびこれら2本の既設脚柱のうちの1つに隣り合う前記新設脚柱の上端部に前記仮設鋼材を接合する第6工程と、
前記仮設鋼材上に位置する既設上部構造を解体撤去する第7工程と、
前記解体撤去された上部構造の下方の地盤に新設脚柱を施工する第8工程と、
前記新設脚柱間の既設脚柱を解体撤去する第9工程と、
前記新設脚柱間上に新設梁と新設スラブとからなる新設上部構造を築造する第10工程とを前記第5工程後に順次所定回数行うことを特徴とする鉄道高架橋の架替方法。 - 請求項1または2に記載の鉄道高架橋の架替方法において、
前記橋軸方向に長尺な仮設鋼材は、橋軸直角方向に配置された仮設鋼材を介して前記3本または2本の既設脚柱に接合され、前記3本または2本の既設脚柱から離れた状態で接合されることを特徴とする鉄道高架橋の架替方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉄道高架橋の架替方法において、
前記既設脚柱間下部を繋ぐ既設地中梁が設けられており、
前記新設脚柱は、この既設地中梁の各側面を新設基礎杭で挟むようにして、または前記既設地中梁の下端まで新設基礎で包み込むようにして新設基礎杭を施工し、前記既設地中梁と前記新設基礎杭とを一体化した基礎を施工することにより設けられていることを特徴とする鉄道高架橋の架替方法。
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