JP6999242B2 - 橋脚掛け違い部補強構造及び方法 - Google Patents

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Description

本開示は、橋脚掛け違い部補強構造及び方法に関するものである。
従来、鉄道や道路の高架橋等の構造物において、橋脚上で隣接する桁同士が、例えば、一方がコンクリート桁であって、他方が鋼桁であるように、桁高が異なり、掛け違い部となっている場合、桁高が低い側の橋脚の天端に上方に突出する台部が形成され、段状に高くなる構造が採用されている(例えば、非特許文献1参照。)。
図1は従来の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図である。
図において、11は、鉄道用の橋の橋脚であって、鉄筋コンクリート製である。また、31は、鉄道に使用される橋における第1の桁としての橋桁であって、鋼鉄製であり、その上面に図示されない鉄道の線路、すなわち、軌道が敷設されている。さらに、41は、鉄道に使用される橋における第2の桁として橋桁であって、鉄筋コンクリート製であり、橋桁31と同様に、その上面に軌道が敷設されている。そして、橋桁31の長手方向の端部である桁端と、橋桁41の長手方向の端部である桁端とは、橋脚11によって下方から支持されている。
図に示されるように、橋桁31は上下方向の寸法である桁高が高く、橋桁41は桁高が橋桁31よりも低く設定されている。したがって、橋桁31の桁端は、橋脚11の天端としての上面11cの上に載置されているのに対し、橋桁41の桁端は、橋脚11の上面11cの上に形成された台部15の天端としての上面15cの上に載置されている。前記台部15は、桁高が低い橋桁41側の橋脚11の上面11cに上方に突出するように形成された部材であって、その高さは、橋桁31の桁高と橋桁41の桁高との差分とほぼ等しいように設定されている。また、前記台部15における橋桁31の桁端と反対側の面である前面15aは、橋脚11における橋桁31の桁端と反対側の面である前面11aとほぼ面一となるように形成され、前記台部15における橋桁31の桁端の側の面である後面15bは、橋脚11の後面11bから離れ、前面11a寄りに位置し、橋桁31の桁端に形成された端横桁32の前面32aに近接して対向している。前記端横桁32は、橋桁31の幅方向(図1の画面に垂直な方向)に延在する部材である。
平成23年度土木学会第66回年次学術講演会、VI-130、鋼橋ーコンクリート橋 掛け違い部の景観設計 -阪神高速道路 三宝ジャンクション-
しかしながら、前記従来の技術では、地震時のように大きな衝撃を受けた場合、損傷が生じる恐れがある。もちろん、前記橋脚11における掛け違い部は、地震時の振動によっても損傷が生じないように設計製作されているが、過去の地震によって損傷が生じているケースもある。
図2は従来の橋脚における掛け違い部の写真である。なお、図2において、(a)は斜め前方から観た写真、(b)は側方から観た写真である。
図2からは、過去の地震によってコンクリートの剥落や鉄筋の曲がりが生じていることが見て取れる。このように、掛け違い部に損傷が生じた場合、前記端横桁32の存在が妨げとなって作業空間を確保することができず、復旧作業が困難である。同様の理由により、既存の掛け違い部を事前に補強することも困難である。
もっとも、桁高が低い橋桁41側から台部15をすべて撤去し、鉄筋やコンクリートを復旧した部材交換の事例がある(例えば、非特許文献2参照。)。
東日本大震災により損傷した鋼橋(石巻大橋)の応急復旧、JCMマンスリーレポート、2014.1、Vol.23、No.1、第14~17頁
しかし、部材交換には多額の費用が必要であり、また、復旧期間が長期化してしまうので、鉄道事業者等の負担が大きい。
そこで、地震時にも掛け違い部に損傷が生じないように、事前に補強を行う必要があるが、前述のように、前記端横桁32の存在が妨げとなって作業空間を確保することができず、また、補強材を設置するスペースを確保することも困難である。さらに、安全性を確保し、かつ、早期に復旧させるためには、復旧が容易な箇所に損傷を発生させること、及び、せん断破壊のような構造物が崩壊する破壊を発生させないことが重要となる。
ここでは、前記従来の技術の問題点を解決して、構成が簡素で取付け作業が容易な棒部材を取付けることによって、低コストで短期間に補強を行うことができ、かつ、地震時の損傷箇所と破壊形態とを制御することができる橋脚掛け違い部補強構造及び方法を提供することを目的とする。
そのために、橋脚掛け違い部補強構造においては、橋脚と、該橋脚の天端に載置される第1の桁の桁端と、前記橋脚の天端に形成された台部と、該台部の天端に載置される第2の桁の桁端とを含む橋脚掛け違い部を補強する補強構造であって、前記台部を前後方向に貫通する棒部材を備え、該棒部材は、一端が前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面に係合され、他端が前記第1の桁の桁端側に位置する反力受部材に係合される。
他の橋脚掛け違い部補強構造においては、さらに、前記棒部材は、両端近傍に雄ねじが形成された鋼棒であり、一端が前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面から突出して雄ねじに螺合される係合部材によって前記面に係合され、他端が前記反力受部材における台部と反対側の面から突出して雄ねじに螺合される係合部材によって前記面に係合される。
更に他の橋脚掛け違い部補強構造においては、さらに、前記反力受部材は、前記第1の桁の桁端に形成された端横桁である。
更に他の橋脚掛け違い部補強構造においては、さらに、前記反力受部材は、前記橋脚の天端において前記第1の桁の桁端の左右両外側に形成された反力ブロックである。
更に他の橋脚掛け違い部補強構造においては、さらに、前記反力ブロックにおける台部と反対側の面には、該面の少なくとも一部を覆うとともに、前記橋脚における台部と反対側の面の少なくとも一部を覆う鋼板が配設されている。
更に他の橋脚掛け違い部補強構造においては、さらに、前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面には、該面の少なくとも一部を覆うとともに、前記橋脚における第1の桁の桁端と反対側の面の少なくとも一部を覆う鋼板が配設されている。
更に他の橋脚掛け違い部補強構造においては、さらに、前記台部には、前記第1の桁の桁端と反対側の面の少なくとも一部を覆う鋼板を貫通するアンカー部材が埋め込まれる。
橋脚掛け違い部補強方法においては、橋脚と、該橋脚の天端に載置される第1の桁の桁端と、前記橋脚の天端に形成された台部と、該台部の天端に載置される第2の桁の桁端とを含む橋脚掛け違い部を補強する補強方法であって、棒部材を、前記台部に前後方向に貫通させることと、前記棒部材の一端を、前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面に係合させることと、前記棒部材の他端を、前記第1の桁の桁端側に位置する反力受部材に係合させることと、を含む。
本開示によれば、構成が簡素で取付け作業が容易な棒部材を取付ける。これにより、低コストで短期間に橋脚掛け違い部の補強を行うことができ、かつ、地震時の損傷箇所と破壊形態とを制御することができる。
従来の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図である。 従来の橋脚における掛け違い部の写真である。 第1の実施の形態の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図である。 第1の実施の形態の橋脚における掛け違い部の補強メカニズムを示す模式図である。 第2の実施の形態の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図である。 第3の実施の形態の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図である。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は第1の実施の形態の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図、図4は第1の実施の形態の橋脚における掛け違い部の補強メカニズムを示す模式図である。なお、図3において、(a)は側面図、(b)は(a)におけるA-A矢視断面図であり、図4において、(a)~(c)は曲げモーメントの分布の相違を示す図である。
図において、11は、本実施の形態における下部工としての橋りょうの橋脚であり、鉄筋コンクリート製である。また、31及び41は、本実施の形態における上部工としての橋りょうの橋桁であって、例えば、鋼鉄製、鉄筋コンクリート製等であるが、いかなる種類の材料から成り、いかなる構造を備えるものであってもよい。さらに、前記橋りょうは、鉄道用のものであってもよいし、道路用のものであってもよいし、いかなる用途のものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、鉄道用のものであって、橋桁31及び41の上面に軌道が敷設されるものとして説明する。また、ここでは、橋桁31は、鋼鉄製であって上下方向の寸法である桁高が高く、橋桁41は、鉄筋コンクリート製であって桁高が橋桁31よりも低く設定されているものとして説明する。そして、前記橋桁31は、前後方向(図3における左右方向)に延在する左右一対の主桁34と、橋桁31の端部において左右の主桁34を連結して横方向(図3(b)における上下方向)に延在する端横桁32と、前記主桁34及び端横桁32の上面を覆うスラブ33とを有するものとして説明する。
なお、本実施の形態においては、「背景技術」及び「発明が解決しようとする課題」の項における説明を援用し、橋脚11における掛け違い部の各部の構造、動作及び効果であって、「背景技術」及び「発明が解決しようとする課題」の項において説明したものと同じものについては、図1に示される符号と同じ符号を付与することによって、適宜、説明を省略する。
また、本実施の形態において、下部工と上部工との連結部の各部及びその他の部材の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、下部工と上部工との連結部の各部及びその他の部材が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
図3に示されるように、本実施の形態においては、台部15と橋桁31の端横桁32とを前後方向に貫通する棒部材21が配設され、該棒部材21の両端には、台部15の前面15a及び端横桁32の後面32bに係合する係合部材22が取り付けられている。前記棒部材21は、例えば、少なくとも両端近傍に雄ねじが形成されたPC鋼棒であり、前記台部15と端横桁32とを貫通する貫通孔が削孔された後に、該貫通孔に挿入される。また、前記係合部材22は、例えば、ナットであり、棒部材21における台部15の前面15aから前方へ突出する端部の雄ねじに螺合し、端横桁32における台部15と反対側の面である後面32bから後方へ突出する端部の雄ねじに螺合する。
このように、台部15と橋桁31の端横桁32とが、後施工によって配設された棒部材21によって締結され、端横桁32が棒部材21からの反力を受ける反力受部材として機能するので、台部15に生じる曲げモーメントを低減することができ、耐力が向上し、損傷箇所及び破壊形態の制御が可能となる。なお、前記棒部材21は、台部15及び橋桁31の幅方向に関して、一カ所のみに配設されてもよいが、複数箇所に配設されることが望ましく、ここでは、図3(b)に示されるように2箇所に配設されているものとして説明する。また、台部15及び橋桁31の高さ方向(図3(a)における上下方向)に関する棒部材21の位置は、台部15に生じる曲げモーメント、せん断力等を考慮して、設定されることが望ましい。さらに、棒部材21の諸元(径と長さとから決まる軸剛性)も、台部15に生じる曲げモーメント、せん断力等を考慮して、設定されることが望ましい。
また、図3に示されるように、台部15の前面15aには、該前面15aの少なくとも一部を覆うとともに、橋脚11の前面11aの少なくとも一部をも覆うような大きさの鋼板である前面鋼板24を配設し、前記係合部材22が、台部15の前面15aに直接係合するのではなく、前面鋼板24を介して台部15の前面15aに係合するようにすることが望ましい。これにより、係合部材22からの力が台部15の前面15aのより広い範囲によって受け止められるとともに、橋脚11の前面11aによっても受け止められることになる。
図4(a)に示されるように、台部15の上端に、矢印で示されるような前方を向いた力F1が作用した場合、台部15と橋桁31の端横桁32とを棒部材21によって締結する前、すなわち、補強前の状態では、台部15に生じる曲げモーメントは、破線51で示されるような分布となる。なお、図において、上下方向に延在する一点鎖線53は、台部15における前後方向に関する中心を示している。このことから、補強前の状態では、台部15の基部(下端)で曲げモーメントが最大となるので、損傷箇所は台部15の基部となるであろうことが分かる。
これに対し、台部15と橋桁31の端横桁32とを棒部材21によって締結した後、すなわち、補強後の状態では、台部15に生じる曲げモーメントは、実線52で示されるような分布となる。このことから、補強後の状態では、棒部材21の位置で曲げモーメントが最大となるので、損傷箇所は棒部材21の位置となるであろうことが分かる。また、力F1の大きさが同じであれば、力F1が作用する位置から台部15の基部までの距離よりも棒部材21の位置までの距離の方が短いので、曲げモーメントは、補強前よりも補強後の方が低減することが分かる。
このように、台部15と橋桁31の端横桁32とを棒部材21によって締結することにより、台部15に生じる損傷箇所や曲げモーメントを制御することができる。また、曲げモーメントが低減する一方で、せん断力が増加するので、曲げ破壊よりもせん断破壊が生じやすくなる。すなわち、台部15と橋桁31の端横桁32とを棒部材21によって締結することにより、破壊形態を制御することができる。
図4(b)に示されるように、台部15の上端に、矢印で示されるような後方を向いた力F2が作用した場合、補強後の状態では、台部15に生じる曲げモーメントは、実線52で示されるような分布となる。なお、前面鋼板24を配設した場合には、曲げ耐力が向上する。
また、図4(c)に示されるように、台部15及び橋桁31の高さ方向に関する棒部材21の位置を位置21-2に移動させた場合、台部15に生じる曲げモーメントは、破線54で示されるような分布から、実線55で示されるような分布となる。また、曲げモーメントは、移動前よりも移動後の方が低減することが分かる。このことから、棒部材21の位置を制御することによって、曲げモーメントが最大となる位置を制御し、台部15に生じる損傷箇所や曲げモーメントを制御することができることが分かる。
このように、本実施の形態における橋脚掛け違い部補強構造は、橋脚11と、橋脚11の上面11cに載置される橋桁31の桁端と、橋脚11の上面11cに形成された台部15と、台部15の上面15cに載置される橋桁41の桁端とを含む橋脚掛け違い部を補強する補強構造である。そして、台部15を前後方向に貫通する棒部材21を備え、棒部材21は、一端が台部15における橋桁31の桁端と反対側の面である前面15aに係合され、他端が橋桁31の桁端側に位置する反力受部材である端横桁32に係合される。また、橋脚掛け違い部を補強する補強方法は、棒部材21を、台部15に前後方向に貫通させることと、棒部材21の一端を、台部15の前面15aに係合させることと、棒部材21の他端を、橋桁31の桁端側に位置する端横桁32に係合させることと、を含んでいる。これにより、台部15に生じる損傷箇所や曲げモーメントを制御することができ、破壊形態を制御することができる。
また、棒部材21は、両端近傍に雄ねじが形成された鋼棒であり、一端が台部15の前面15aから突出して雄ねじに螺合される係合部材22によって前面15aに係合され、他端が反力受部材である端横桁32の後面32bから突出して雄ねじに螺合される係合部材22によって後面32bに係合される。さらに、台部15の前面15aには、前面15aの少なくとも一部を覆うとともに、橋脚11の前面11aの少なくとも一部を覆う前面鋼板24が配設されている。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図5は第2の実施の形態の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図である。なお、図において、(a)は側面図、(b)は(a)におけるB-B矢視断面図である。
図に示されるように、本実施の形態においては、前面鋼板24を貫通し、前面15aから台部15内に埋め込まれたアンカー部材としてのアンカー筋27が、後施工によって配設されている。前記アンカー筋27は、コンクリートに埋め込む鉄筋であり、前記前面鋼板24を貫通する貫通孔が形成された後、該貫通孔を通して、台部15内に埋め込まれる。これにより、台部15の前面15aと前面鋼板24との定着を図るとともに、台部15のせん断耐力を向上させることができる。これは、せん断によって台部15内に生じる亀裂面、すなわち、せん断面は台部15の上下方向及び前後方向に対して斜めに延在するところ、アンカー筋27がせん断面の前後両側に位置する部分を結合する機能を発揮するからである。
さらに、アンカー筋27は、台部15と同様に、橋脚11にも埋め込まれことが望ましい。これにより、橋脚11の前面11aと前面鋼板24との定着を図る。
このように、本実施の形態において、台部15には、前面15aの少なくとも一部を覆う鋼板24を貫通するアンカー筋27が埋め込まれる。したがって、台部15の前面15aと前面鋼板24との定着が図れるとともに、せん断耐力が向上する。
なお、その他の点の構成、作用及び効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図6は第3の実施の形態の橋脚における掛け違い部の構成を示す模式図である。なお、図において、(a)は側面図、(b)は(a)におけるC-C矢視断面図である。
本実施の形態においては、橋脚11の上面11cの上における橋桁31の幅方向左右両外側に対応する位置に、反力受部材として機能する反力ブロック17が、それぞれ、形成されている。そして、台部15と反力ブロック17とを貫通する貫通孔が削孔された後に、該貫通孔に棒部材21が挿入され、係合部材22が前記棒部材21における台部15の前面15aから前方へ突出する端部の雄ねじ、及び、前記反力ブロック17の後面17bから後方へ突出する端部の雄ねじに、それぞれ、螺合されて取り付けられる。このように、台部15と反力ブロック17とが、後施工によって配設された棒部材21によって締結されるので、台部15に生じる曲げモーメントを低減することができ、耐力が向上し、損傷箇所及び破壊形態の制御が可能となる。
前記第1の実施の形態と同様に、台部15の前面15aには、該前面15aの少なくとも一部を覆うとともに、橋脚11の前面11aの少なくとも一部をも覆うような大きさの鋼板である前面鋼板24を配設し、前記係合部材22が、台部15の前面15aに直接係合するのではなく、前面鋼板24を介して台部15の前面15aに係合するようにすることが望ましい。これにより、係合部材22からの力が台部15の前面15aのより広い範囲によって受け止められるとともに、橋脚11の前面11aによっても受け止められることになる。
また、反力ブロック17の後面17bにも、該後面17bの少なくとも一部を覆うとともに、橋脚11の後面11bの少なくとも一部をも覆うような大きさの鋼板である後面鋼板24-2を配設し、前記係合部材22が、反力ブロック17の後面17bに直接係合するのではなく、後面鋼板24-2を介して反力ブロック17の後面17bに係合するようにすることが望ましい。これにより、係合部材22からの力(反力)が反力ブロック17の後面17bのより広い範囲によって受け止められるとともに、橋脚11の後面11bによっても受け止められることになる。なお、前記前面鋼板24と後面鋼板24-2とを統合的に説明する場合には、鋼板24として説明する。
このように、本実施の形態においては、棒部材21によって、台部15が、橋桁31の端横桁32とではなく、橋脚11の上面11cの上における橋桁31の幅方向左右両外側に形成された反力ブロック17と締結されている。棒部材21によって台部15が橋桁31の端横桁32と締結されている場合、前記棒部材21が係合部材22によって係合されている端横桁32が、L2地震動等の大きな作用に対して十分な耐力を有していないときや、可動支承で温度変化によって動きがあるときには、棒部材21が端横桁32に付随して移動するので、棒部材21による補強効果を十分には期待することができない。しかし、本実施の形態においては、台部15が、橋脚11の上面11cの上に形成された反力ブロック17と締結されているので、端横桁32が、L2地震動等の大きな作用に対して十分な耐力を有していないときや、可動支承で温度変化によって動きがあるときであっても、棒部材21による補強効果を確実に期待することができる。また、橋桁31の幅方向左右両外側に形成されている反力ブロック17は、橋桁31の幅方向の移動を制限することができる。
このように、本実施の形態において、反力受部材は、橋脚11の上面11cにおいて橋桁31の桁端の左右両外側に形成された反力ブロック17である。したがって、棒部材21による補強効果を確実に期待することができる。また、橋桁31の幅方向の移動が制限される。
さらに、反力ブロック17の後面17bには、後面17bの少なくとも一部を覆うとともに、橋脚の後面11bの少なくとも一部を覆う後面鋼板24-2が配設されている。
なお、その他の点の構成、作用及び効果については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
また、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
本開示は、橋脚掛け違い部補強構造及び方法に適用することができる。
11 橋脚
11a、15a 前面
11b、17b、32b 後面
11c、15c 上面
15 台部
17 反力ブロック
21 棒部材
22 係合部材
24 前面鋼板
24-2 後面鋼板
27 アンカー筋
31、41 橋桁
32 端横桁

Claims (8)

  1. 橋脚と、該橋脚の天端に載置される第1の桁の桁端と、前記橋脚の天端に形成された台部と、該台部の天端に載置される第2の桁の桁端とを含む橋脚掛け違い部を補強する補強構造であって、
    前記台部を前後方向に貫通する棒部材を備え、
    該棒部材は、一端が前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面に係合され、他端が前記第1の桁の桁端側に位置する反力受部材に係合されることを特徴とする橋脚掛け違い部補強構造。
  2. 前記棒部材は、両端近傍に雄ねじが形成された鋼棒であり、一端が前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面から突出して雄ねじに螺合される係合部材によって前記面に係合され、他端が前記反力受部材における台部と反対側の面から突出して雄ねじに螺合される係合部材によって前記面に係合される請求項1に記載の橋脚掛け違い部補強構造。
  3. 前記反力受部材は、前記第1の桁の桁端に形成された端横桁である請求項1又は2に記載の橋脚掛け違い部補強構造。
  4. 前記反力受部材は、前記橋脚の天端において前記第1の桁の桁端の左右両外側に形成された反力ブロックである請求項1又は2に記載の橋脚掛け違い部補強構造。
  5. 前記反力ブロックにおける台部と反対側の面には、該面の少なくとも一部を覆うとともに、前記橋脚における台部と反対側の面の少なくとも一部を覆う鋼板が配設されている請求項4に記載の橋脚掛け違い部補強構造。
  6. 前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面には、該面の少なくとも一部を覆うとともに、前記橋脚における第1の桁の桁端と反対側の面の少なくとも一部を覆う鋼板が配設されている請求項1~5のいずれか1項に記載の橋脚掛け違い部補強構造。
  7. 前記台部には、前記第1の桁の桁端と反対側の面の少なくとも一部を覆う鋼板を貫通するアンカー部材が埋め込まれる請求項6に記載の橋脚掛け違い部補強構造。
  8. 橋脚と、該橋脚の天端に載置される第1の桁の桁端と、前記橋脚の天端に形成された台部と、該台部の天端に載置される第2の桁の桁端とを含む橋脚掛け違い部を補強する補強方法であって、
    棒部材を、前記台部に前後方向に貫通させることと、
    前記棒部材の一端を、前記台部における第1の桁の桁端と反対側の面に係合させることと、
    前記棒部材の他端を、前記第1の桁の桁端側に位置する反力受部材に係合させることと、を含むことを特徴とする橋脚掛け違い部補強方法。
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