JP2003064601A - 路下施工法及びそれに使用する剛性床版 - Google Patents

路下施工法及びそれに使用する剛性床版

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JP2003064601A JP2001258898A JP2001258898A JP2003064601A JP 2003064601 A JP2003064601 A JP 2003064601A JP 2001258898 A JP2001258898 A JP 2001258898A JP 2001258898 A JP2001258898 A JP 2001258898A JP 2003064601 A JP2003064601 A JP 2003064601A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面電車やLRTなどの軌道が敷設されてい
る道路下に、軌道直下に位置させて地下構造物を構築し
ようとする場合、軌道の受け替え工事を簡略化できて地
下構造物構築の施工手間を低減し、車両の走行に及ぼす
影響が少なく、車両の軌道を敷設する際に、その軌道直
下に地下構造物の構築が予め計画されている場合に特に
有効な車両走行路の構造や路下施工法が求められてい
る。 【解決手段】 路面を剛性床版12で構成し、路面下方を
掘削する際には、前記剛性床版12に仮受杭6を連結し、
剛性床版12と仮受杭6で荷重を支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面電車や鉄道線
路等の車両走行路や道路の下方に地下構造物を構築する
ことを想定した路下施工法及びそれに使用する剛性床版
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日本の交通における主役は、現在、自動
車、バス、鉄道であるが、近年、海外を中心にして環境
問題への対応や建設コスト低減などを理由に路面電車が
新たにLRT(Light Rail Transi
t:軽快電車)という形で注目されている。LRTは従
来の路面電車の発展形であり、街路上を走行する点では
路面電車と同じだが、車道と分離した専用軌道走行を基
本としており、走行速度・加減速度等の性能が路面電車
に比較して大きく向上している。
【0003】一方、都市の道路下には、上下水道、ガ
ス、電力、通信、地下鉄、地下道、共同溝、地下通路、
地下駐車場、地下駐輪場などの多くの構造物が存在、ま
たは計画されているが、この輻輳する地中部に対して、
さらに、近年、都市景観の向上を目的とした送電線・電
話線の地中埋設化や諸設備の共同溝への収納化の促進が
行われている。また、一度設置・構築した地下構築物で
あっても、長期的には劣化に伴う補修や目的に応じた補
強が必要になる。
【0004】そこで、路面電車やLRTなどの軌道が敷
設されている道路下に、また一般道路下に地下構造物
(上下水道、ガス、電力、通信、地下鉄、地下道、共同
溝、地下通路、地下駐車場、地下駐輪場など)を新設あ
るいは補修する場合、路面電車やLRTや自動車などの
交通を妨げずに、地下構造物の構築工事を行うことが社
会的に求められている。
【0005】図21〜図25は、この地下構造物の構築工事
の施工法の従来例を示す一例で、図21において1は路面
電車やLRTなどの車両、2はアスファルトなどによる
道路の舗装部で、車両1の軌道としては、舗装部2の下
面に枕木3を設置し、この枕木3の上にレール4を敷設
している。
【0006】このように舗装部2に車両1の軌道が敷設
された道路に対して、軌道の下方の地中に地下構造物5
(上下水道、ガス、電力、通信、地下鉄、地下道、共同
溝、地下通路、地下駐車場、地下駐輪場など)を構築す
る場合、第1工程として、図22に示すようにレール4に
そってその両外側の舗装部2を部分的に掘削して撤去
し、この撤去部を介して下方に仮受杭6を設置する。こ
の仮受杭6は土留壁と兼用する場合もある。
【0007】次に、第2工程として図23に示すように、
軌道縦断方向に、順次、レール4間の舗装部2をさらに
撤去し、そして、枕木3、砕石道床等を撤去してから、
その下部の土砂掘削を行い、次いで、対向する仮受杭6
の対向面側に桁受鋼材7を取り付け、桁受鋼材7に通し
桁8の端部を差し込んで、桁受鋼材7間に通し桁8を架
設する。ここで、レール4の受け替えを行って、レール
4を固定する。この一連の工程(第2工程)を縦断方向
に順次繰り返していく。
【0008】次に第3工程として図24に示すように、桁
受鋼材7および通し桁8に囲まれた内側の内部土砂を掘
削し、地下構造物5を構築、または、補修、設置を行
う。この場合、必要に応じてさらに土留めを行い、ま
た、仮覆工板9を設置する。
【0009】以上のようにして地下構造物5の構築が終
了すれば、第4工程として図25に示すように埋戻し10を
行い、さらに軌道縦断方向に順次、桁受鋼材7、通し桁
8を撤去した後、再び、枕木3を設置し、レール4を固
定する。そして、仮受杭6を引き抜き、最後に路面に舗
装11を施して復旧する。
【0010】かかる第1工程から第4工程の全工程にお
いて、第1、第3工程では多くの場合、路面電車などの
車両1の走行を停止しての作業となり、また、第2、第
4工程では車両1の走行を停止しての作業となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】路面電車やLRTなど
の軌道が敷設されている道路下に、軌道直下に位置させ
て地下構造物を構築しようとする場合、従来の施工法で
は、図24に示す下部の内部掘削に先行するレールの受け
替え工事に多くの施工手間(工費、工程)を要してしま
う。このため、路線営業を維持した状態でのレール受け
替え工事は、夜間のキ電停止を伴うごく限られた時間内
に仮復旧までを完了しなくてはならないものとなり、作
業時間的にも厳しい工事となり、これが工期増大やコス
ト増大に至っている。
【0012】また、本受け替え工事は、何らかの制約条
件(道路幅が狭いなど)により地下構造物構築時にレー
ル位置を横にずらすことが不可能または困難な場合には
避けることができない。
【0013】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、路面電車やLRTなどの軌道が敷設されている道路
下に、軌道直下に位置させて地下構造物を構築しようと
する場合、軌道の受け替え工事を簡略化できて地下構造
物構築の施工手間を低減し、車両の走行に及ぼす影響が
少なく、車両の軌道を敷設する際に、その軌道直下に地
下構造物の構築が予め計画されている場合に特に有効な
路下施工法及びそれに使用する剛性床版を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、路面を剛性床版で構成し、路面下方
を掘削する際には、前記剛性床版に仮受杭を連結し、剛
性床版と仮受杭で荷重を支持することを要旨とするもの
である。
【0015】第2に、剛性床版は、工場製作のプレキャ
スト製のものからなること、第3に剛性床版は、現場打
設コンクリートによること、第4に、路面上に設ける部
材であって、該部材は仮受杭との連結部を備える剛性の
床版で形成することを要旨とするものである。
【0016】請求項1記載の本発明によれば、路面を剛
性床版で構成してあるから、路面下方を掘削する際に
は、従来のように路面の舗装・枕木・砕石道床等の撤去
を行う必要がなく、仮受杭位置の舗装部だけを部分撤去
すればよく、レールの受け替え工事を簡略化できて、ほ
ぼそのままの状態で、仮受杭を設置できる。よって、夜
間のキ電停止を伴うごく限られた時間内に仮復旧までを
完了することが容易となるだけでなく、何らかの制約条
件(道路幅が狭いなど)により路面下方掘削時にレール
位置を横にずらすことが不可能または困難な場合にも施
工が可能となり、施工手間の低減、工期短縮、建設コス
トの低減を図ることができる。
【0017】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、剛性床版をプレキャスト製とすることで、製
作が容易であり、品質も確保でき、現場ではかかる剛性
床版を連結するだけでよく施工性もよい。
【0018】請求項3記載の本発明によれば、請求項1
記載の本発明の作用に加えて、剛性床版を現場打設コン
クリートとすることで、プレキャストコンクリートの場
合に比較して剛性床版同士の現場での連結作業が不要と
なる。
【0019】請求項4記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、仮受杭の設置は、剛性床版に予め設けてある
連結部に連結するだけで所定位置に配設できるから、容
易に設置でき施工性がよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明の路下施工法の
実施の形態を示す説明図、図2〜図4は同上路下施工法
の第1工程から第3工程を示す工程図で、図中、図21〜
図25に示した従来例と同一の構成要素には同一の参照符
号を付してある。
【0021】本発明では、路面電車やLRTなどの車両
1が走行する走行路の道床を剛性床版12で構成する。こ
の剛性床版12は、アスファルトなどによる道路の舗装部
2と同一面に埋設されるもので、基本的なタイプの一例
として、図5に示すように工場製作のプレキャスト床版
とする。この場合の材質は、例えば、PC(プレストレ
ストコンクリート)、RC(鉄筋コンクリート)、ST
(鋼)、合成構造(鋼+コンクリート)、SRC(鉄骨
鉄筋コンクリート)などとすることができる。
【0022】図5に示すタイプの剛性床版12は、軌道が
単線タイプのものとして、レール4を敷設するための溝
条14を本体13の上面に2条形成し、長さ方向にそってそ
の側部に仮受杭6との連結部として、複数(図示の例で
は2個)の連結用のインサート式ナット15を適宜間隔で
埋設した。
【0023】また、本体13の端面には、長さ方向に順次
結合される他の本体13との結合の位置合わせのための突
出ピン16と、他の本体13に突設した該突出ピン16が挿入
される孔17とを本体13の長さ方向の左右両側よりに位置
させて設ける。この位置合わせのための手段(構造)は
例を示すものであり、他の方法でも構わない。
【0024】図6に示すタイプは軌道が複線タイプのも
のであり、基本構造は図5に示した単線タイプと同様で
あるが、本体13の上面に形成するレール4を敷設するた
めの溝条14が4条となる。また、側部に長さ方向に形成
する連結用のインサート式ナット15の配設間隔も単線タ
イプよりも小さくなり、同じ長さの本体13に対して3個
埋設した。なお、この個数は必要強度に応じて設定す
る。
【0025】前記した剛性床版12はプレキャスト床版で
あるが、これを現場打設コンクリートにより構築するこ
ともでき、この場合の材質は、例えば、PC(プレスト
レストコンクリート)、RC(鉄筋コンクリート)、合
成構造(例えば鋼を型枠としてそのまま利用)、SRC
(鉄骨鉄筋コンクリート)などとすることができる。ま
た、この現場打設コンクリート製の場合は、プレキャス
ト床版の場合に設けた位置合わせのための突出ピン16と
孔17は不要となる。
【0026】図7、図8は仮受杭6との連結部構造を示
し、図7に示すタイプはインサート式ナット15で前記図
5、図6に示したものと同一のフラット(平滑)タイプ
であり、このインサート式ナット15は頭部が本体13の側
部が突出することなく、同一面になるように埋設され
る。図8に示すタイプはコ字形の連結金具15aを突設し
た突出タイプである。
【0027】次に、前記した図5、図7に示すフラット
タイプの連結用のインサート式ナット15を備える剛性床
版12を走行路の道床として設置してある箇所の直下にお
いて、地下構造物(上下水道、ガス、電力、通信、地下
鉄、地下道、共同溝、地下通路、地下駐車場、地下駐輪
場など)を構築する場合を、図2〜図4について説明す
る。
【0028】第1工程として図2に示すように仮受杭6
の設置位置の舗装部2のみを部分撤去し、撤去部分を介
して地上から仮受杭6を地中に挿入して設置する。この
仮受杭6の固定は、剛性床版12の側部の連結部に仮受杭
6を連結することで行う。この第1工程の作業は、車両
1の走行の安全が確保できればキ電停止でなくとも作業
可能である。
【0029】剛性床版12と仮受杭6との連結は、図7に
示したインサート式ナット15による場合は、該インサー
ト式ナット15に仮受杭6の側部を当接し、仮受杭6に形
成したボルト孔をインサート式ナット15に合致させ、両
者をボルト・ナットによって結合する。
【0030】仮受杭6は例えばH形鋼によるものとし、
インサート式ナット15と仮受杭6との接合部の施工誤差
の対処方法として、例えば図9に示すように、剛性床版
12と仮受杭6との離隔に対しては、調整プレートや図示
のような断面ロ字形の調整ピース18を用いる。この調整
ピース18は剛性床版12との接合面と、その対向面とにボ
ルト孔を穿設したもので、ボルトでインサート式ナット
15に連結すれば、この状態で調整ピース18が剛性床版12
の側部から側方に突出する。
【0031】よって、突出した調整ピース18の外側面に
ボルト・ナット19によってH形鋼による仮受杭6を連結
する。他のインサート式ナット15にも同様にして調整ピ
ース18を結合し、該調整ピース18にH形鋼による仮受杭
6を連結する。
【0032】そして、H形鋼による隣接する仮受杭6間
に例えば木製の矢板20を差し入れ、該矢板20で土留めす
る。
【0033】また、インサート式ナット15と仮受杭6と
の孔ズレによる施工誤差に対しては、調整ピース18や仮
受杭6に形成するボルト孔をバカ孔に形成し、結合時に
は大ワッシャーを使用することでこれに対処する。この
場合、インサート式ナット15には連結のためのボルトは
面直にしか入らないため、孔ズレには調整ピース18が有
効な施工誤差吸収手段となる。
【0034】前記した図9の場合は、仮受杭6をH形鋼
で構成し、これに木製の矢板20を組み合わせて土留壁と
したが、図10に示すように、鋼矢板21を剛性床版12に埋
設のインサート式ナット15に結合し、この鋼矢板21に仮
受杭と土留壁との機能を付与させてもよい。この場合
も、剛性床版12と鋼矢板21との離隔や孔ズレなどを調整
するには調整ピースを使用する。
【0035】剛性床版12と仮受杭6との連結部構造とし
て、図8に示すコ字形の連結金具15aを突設した突出タ
イプでは、連結金具15aの外側面に仮受杭6を当接し、
連結金具15aの外側面に形成したボルト孔を介して仮受
杭6をボルトナットで連結する。
【0036】この突出タイプにおける施工誤差の対処方
法としては、前記したフラットタイプに比較してボルト
インサート方式ではなく、ボルトナット方式であること
から、テーパーワッシャーを使用すればボルトの若干の
斜め締結は可能となる。なお、離隔には調整プレートな
どで、また、孔ズレにはバカ孔と大ワッシャーで対処
し、フラットタイプに比較して調整ピースを必要としな
い場合が多い。他方、連結金具15aが剛性床版12に予め
突設してあるから、舗装部2の撤去ボリュームは大きく
なる。
【0037】前記した例は、剛性床版12の本体13の側部
をフラット面に形成し、このフラット面の外側に仮受杭
6を連結したが、図11〜図14に示すように剛性床版12を
仮受杭6の設置ガイド付きのものとすることもできる。
かかるタイプの剛性床版12の第1例としては、図11、図
12に示すように仮受杭6との連結部に、H型鋼などによ
る仮受杭6が収納される平面コ字形の切欠き凹部22を形
成した。
【0038】図中23は、前記切欠き凹部22内に仮受杭6
をセットした後に切欠き凹部22の開口を閉塞する仮受杭
連結用の細長形状のプレートで、該プレート23には仮受
杭6を固定するためのボルト孔23aが穿設してある。図
中24は開口の両側に位置させて本体13の側部に形成さ
れ、前記プレート23を固定するためのインサートであ
る。
【0039】かかる切欠き凹部22を設けた剛性床版12に
H形鋼などのよる仮受杭6を連結するには、切欠き凹部
22内に仮受杭6をセットした後、剛性床版12の側面にプ
レート23を当接して開口を閉塞し、該プレート23をボル
トでインサート24に固定するとともに、ボルト・ナット
19を用いてボルト孔23aを介してプレート23に仮受杭6
の側部を固定する。これにより、仮受杭6が剛性床版12
に連結される。
【0040】図13、図14は設置ガイド付きの剛性床版12
の第2例を示し、ボルト孔25aが穿設してあるプレート
25を剛性床版12の本体13の側部に、該剛性床版12の成型
時に予め一体に埋設しておくものである。この場合は、
切欠き凹部22内に上方からH形鋼などのよる仮受杭6を
差し込んだ後、前記第1例と同様にしてボルト・ナット
19を用いてボルト孔25aを介してプレート25に仮受杭6
の側部を固定する。これにより、仮受杭6が剛性床版12
に連結される。
【0041】この設置ガイド付きの剛性床版12を使用す
れば、仮受杭6の設置位置が切欠き凹部22で示されるか
ら、この切欠き凹部22内に仮受杭6を差し入れるだけ
で、所定の結合位置に仮受杭6が設置され、剛性床版12
の側部における仮受杭6の位置決めが容易になる。
【0042】次に第2工程として図3に示すように、仮
受杭6と剛性床版12に囲まれた内側の内部土砂を掘削
し、地下構造物5(上下水道、ガス、電力、通信、地下
鉄、地下道、共同溝、地下通路、地下駐車場、地下駐輪
場など)を構築、または、補修、設置を行う。この場
合、必要に応じてさらに土留めを行う。この工程は多く
の場合キ電停止作業となるが、レール4の受け替えを簡
略化でき、工期短縮を図れる。
【0043】また、下部掘削の際には、レール4の道床
である剛性床版12の耐荷力が、仮受杭6の間を結ぶ横方
向(および縦断方向)において列車荷重・自動車荷重・
床版荷重を支持する。
【0044】以上のようにして地下構造物5の構築が終
了すれば、第3工程として図4に示すように埋戻し10を
行い、さらに仮受杭6を剛性床版12との連結部から取り
外し、仮受杭6を引き抜き、最後に路面に舗装11を施し
て復旧する。この工程はキ電停止作業となる。前記した
実施形態は、剛性床版12をプレキャスト床版とした場合
であるが、これを現場打設コンクリートにより構築する
こともでき、その場合の工程もプレキャスト床版と同様
である。
【0045】図15〜図20は剛性床版12の上面に設けたレ
ール4を敷設するための溝条14の構造を示すもので、第
1例を図15、図16について説明する。レール4の締結方
式としては板バネ方式や線バネ方式などが考えられる
が、ここでは板バネ方式を採用した場合について説明す
る。この第1例は溝条14の幅をある程度大きく形成する
場合で、溝条14は底部両側を長さ方向にそって拡幅し、
拡幅部14aに形成しておく。
【0046】そして、レール4の両側に広がる脚部4a
のうちの一方の側(図示の例では左側)を拡幅部14aに
差し入れるかたちで、溝条14の一方の側に寄せ、かつ、
溝条14との間に緩衝材26を介在させてレール4を配設す
る。
【0047】溝条14の右側の残余の空間に板バネ式のレ
ール締結金具27を配設し、該レール締結金具27でレール
4の右側の脚部4aを押さえて固定する。図中29は、レ
ール締結金具27を溝条14に固定するためのインサート式
ナットを示し、該インサート式ナット29の周囲にはスパ
イラル筋28が配設される。図中30はレール締結金具27と
インサート式ナット29との間に介装する当て鋼板を示
す。
【0048】図17、図18は溝条14の構造の第2例を示
し、基本構造は第1例と同様であるが、溝条14の幅を、
レール4の頭部のみが露出する程度に幅狭に形成し、レ
ール締結金具27の配設箇所のみ溝条14の一方の側の本体
13を箱抜き31によって方形に拡幅し、ここにレール締結
金具27を設置した。レール締結金具27の構造および締結
方法は第1例と同様である。
【0049】図19、図20は溝条14の構造の第3例を示
し、基本構造は第2例と同様であるが、レール締結金具
27をレール4の左右両側に設置する場合で、これに対応
させてレール締結金具27の設置箇所の溝条14を箱抜き31
によって方形に拡幅した。
【0050】本発明はこのような構造の溝条14およびレ
ール締結手段を備えるもので、剛性床版12へのレール4
の敷設、受け替えも容易に短時間で行える。
【0051】そして、軌道が敷設される際に、軌道直下
に地下構造物の構築が将来計画されている場合は、レー
ル4の道床を剛性床版12で構築しておくことで、将来の
レール受け替え工事を簡略化できる。
【0052】また、路面電車やLRTの建設時以外の、
一般の自動車道などにも本発明は有効であり、例えば路
面の再舗装を行う時点で、老朽化や規模拡大を理由に既
存の地下構造物の補修、補強または再設置が計画されて
いる場合にも実施できる。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように本発明の路下施工法及
びそれに使用する剛性床版は、路面電車やLRTなどの
軌道が敷設されている道路下や自動車道の道路下など
に、軌道直下に位置させて地下構造物を構築、補修しよ
うとする場合、道床を剛性床版としてこの耐荷力が、仮
受杭6の間を結ぶ横方向(および縦断方向)において列
車荷重・自動車荷重・床版荷重を支持するから、軌道の
受け替え工事を簡略化できて路面電車などを営業したま
まの状態で施工でき、交通への影響を最小限に止めるこ
とができるから、地下構造物構築の施工手間を低減し、
車両の走行に及ぼす影響が少なく、また、必要建設資材
や廃材(舗装等の撤去材)の量も極端に低減でき、これ
に伴い環境保全へも貢献でき、軌道敷設から地下構造物
構築までのトータルの建設コストも低減できるものであ
る。さらに補修までを含むLCC(ライフサイクルコス
ト)も低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路下施工法の実施形態を示す説明図で
ある。
【図2】本発明の路下施工法の実施形態を示す第1工程
の説明図である。
【図3】本発明の路下施工法の実施形態を示す第2工程
の説明図である。
【図4】本発明の路下施工法の実施形態を示す第3工程
の説明図である。
【図5】本発明の路下施工法で使用する単線タイプの剛
性床版の斜視図である。
【図6】本発明の路下施工法で使用する複線タイプの剛
性床版の斜視図である。
【図7】本発明の路下施工法で使用するフラットタイプ
の連結部を有する剛性床版の斜視図である。
【図8】本発明の路下施工法で使用する突出タイプの連
結部を有する剛性床版の斜視図である。
【図9】本発明の路下施工法の連結例の第1例を示す斜
視図である。
【図10】本発明の路下施工法の連結例の第2例を示す
斜視図である。
【図11】本発明の路下施工法で使用するガイド付きタ
イプの連結部を有する剛性床版の第1例の斜視図であ
る。
【図12】本発明の路下施工法で使用するガイド付きタ
イプの連結部を有する剛性床版の第1例の平面図であ
る。
【図13】本発明の路下施工法で使用するガイド付きタ
イプの連結部を有する剛性床版の第2例の斜視図であ
る。
【図14】本発明の路下施工法で使用するガイド付きタ
イプの連結部を有する剛性床版の第2例の平面図であ
る。
【図15】本発明の路下施工法で使用する剛性床版のレ
ール敷設用の溝条の第1例を示す斜視図である。
【図16】本発明の路下施工法で使用する剛性床版のレ
ール敷設用の溝条の第1例を示す縦断正面図である。
【図17】本発明の路下施工法で使用する剛性床版のレ
ール敷設用の溝条の第2例を示す斜視図である。
【図18】本発明の路下施工法で使用する剛性床版のレ
ール敷設用の溝条の第2例を示す縦断正面図である。
【図19】本発明の路下施工法で使用する剛性床版のレ
ール敷設用の溝条の第3例を示す斜視図である。
【図20】本発明の路下施工法で使用する剛性床版のレ
ール敷設用の溝条の第3例を示す縦断正面図である。
【図21】従来の路下施工法を示す説明図である。
【図22】従来の路下施工法の第1工程の説明図であ
る。
【図23】従来の路下施工法の第2工程の説明図であ
る。
【図24】従来の路下施工法の第3工程の説明図であ
る。
【図25】従来の路下施工法の第4工程の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…車両 2…舗装部 3…枕木 4…レール 4a…脚部 5…地下構造物 6…仮受杭 7…桁受鋼材 8…通し桁 9…仮覆工板 10…埋戻し 11…舗装 12…剛性床版 13…本体 14…溝条 14a…拡幅部 15…インサート式ナット 15a…連結金具 16…突出ピン 17…孔 18…調整ピース 19…ボルト・ナット 20…矢板 21…鋼矢板 22…切欠き凹部 23…プレート 23a…ボルト孔 24…インサート 25…プレート 25a…ボルト孔 26…緩衝材 27…レール締結金具 28…スパイラル筋 29…インサート式ナット 30…鋼板 31…箱抜き
フロントページの続き (72)発明者 酒匂 智彦 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 Fターム(参考) 2D056 AA06 AA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面を剛性床版で構成し、路面下方を掘
    削する際には、前記剛性床版に仮受杭を連結し、剛性床
    版と仮受杭で荷重を支持することを特徴とした路下施工
    法。
  2. 【請求項2】 剛性床版は、工場製作のプレキャスト製
    のものからなる請求項1記載の路下施工法。
  3. 【請求項3】 剛性床版は、現場打設コンクリートによ
    る請求項1記載の路下施工法。
  4. 【請求項4】 路面上に設ける部材であって、該部材は
    仮受杭との連結部を備える剛性の床版で形成することを
    特徴とした剛性床版。
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