JP6144726B2 - 高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法および修復工法用の吊り桟橋 - Google Patents

高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法および修復工法用の吊り桟橋 Download PDF

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Description

この出願は、高速道路などの自動車専用道路のトンネル内における長年の使用の経年劣化による走行路などの修復に関し、特に高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネル内における経年劣化の結果、例えば走行路面に下部から土圧がかかって生じた盤ぶくれなどの舗装面の膨れに対する修復に関する。
高速道路などの自動車専用道路は1965年に名神高速道路が完成され、1969年には東名高速道路が全線開通した。このように高速道路は、既に半世紀にわたり使用されてきている。そこで、自動車の走行に支障をきたす走行路面に対する補修は、必要に応じてその都度実施されてきている。ところで、開通当初の山岳トンネル内の地盤は健全であったが、経年変化によってトンネル内の地盤に変動が生じ、特に、凝灰岩などからなるグリーンタフの地域の山岳トンネルなどでは、地盤に盤ぶくれが生じて、トンネルの内空が小さくなっている箇所がある。これらの山岳トンネルの盤ぶくれは、顕在化しているものだけで、全国の高速道路における総延長で9km(本線約7.1km、避難坑約1.8km)にも及んでいる。
以上のような状況の下で、これらの高速道路の山岳トンネルにおける自動車の走行路面の盤ぶくれに対する修復工事が必要となっている状況にあるなかにおいて、自動車が走行している状態の箇所の路面のままでは、その箇所を掘削するなどの工事を行うことはできない。高速道路は追い越しのため同一走行方向に少なくとも2車線を必要とする。したがって、基本車線は往路と復路を合わせて4車線である。そこで、山岳トンネルでは、通常は往路の2車線のトンネルと復路の2車線のトンネルが別々に設けられている。しかしながら、往復路合わせてトンネルが1本しか無いところもあり、このようなところでは、追い越し車線の無い片側1車線となっている。そこで図8および図9に示す工法が提案されている。すなわち、修復対象のトンネル1aにおいて、走行路線2の2車線のうちの1車線の区間を工事用の作業エリア30とし、他の1車線の区間を走行路線2とする。この場合、トンネル1aが1本しかなく、その1本トンネルの中に往路の1車線と復路の1車線の2車線となっている区域では、その中の確保した先ず図8に示すように、右側の1車線を走行路線2の片側交互通行の1車線とする。このようにすることで、残りの1車線を工事用の作業エリア30として、トンネル1a内の盤ぶくれ2bなどに対する修復工事を行うものとする。
この図8に示す工法では、トンネル1aの左右の側壁部と天井部で形成している覆工コンクリート4において、その1方の側壁側の修復すべき箇所を幅3.0mの作業エリア30とし、その下の下部地盤2eを掘削して掘削箇所29とする。作業エリア30の隣接する他の1車線の左右に、走行方向の仮設側壁27を立設して幅4.75mの通行帯を取って走行路線2とする。この場合、例えば、覆工コンクリート4の側壁4dぎわの監査路12に沿って一方の仮設側壁27を立て、さらにトンネル1aの中央部に、側壁支承装置28で支承して他方の仮設側壁27を立てる。この様にして、上記した掘削箇所29を確保し、その修復すべき区間の前後を剛体で支承する。この工法は上方からの耐荷圧力を増すために、下方に凹状に膨れているインバートを設置するも工法である。この図8および図9に示す工法では、先ず、図8に示すように、トンネル1aの下部地盤2e内にインバートの構造の一部として、凹状に湾曲した鋼管31を打設機32で打設するものとする。そこで、この作業エリア30の左側の下部地盤2eを掘削し、この掘削した箇所から右方の走行路線2の1車線の下部地盤2eに対し、走行路線2と直角方向に、凹状に湾曲した鋼管31の複数本を上下に千鳥に配置して、打設機32で鋼管31の後端31bを打込んで先端31aを右側の下部地盤2eに位置させる。
次いで、図9に示すように、上記で打込んだ鋼管31の後端31bと、この作業エリア30の右側の覆工コンクリート4の側壁下端4eとの間に、コンクリート製のインバートの一部16aを建造し、このコンクリート製のインバートの一部16aの両端に、覆工コンクリートの4の側壁下端4eおよび打ち込んだ鋼管31の後端31bをそれぞれ接続して、これらの打ち込んだ複数の鋼管31をインバート16の一部とし、この部分を埋め戻し、上面に鋪装をして修復した走行路線2とする。さらに、修復した左側の箇所に、左側の仮設側壁27および中央の仮設側壁27をそれぞれ立設し、その左側の箇所を4.75mの走行路線2とし、その反対側の未修復の箇所、すなわち図9の右側の箇所を、上記と同様に作業エリア30とし、下部地盤2eを掘削する。既に打ち込まれている鋼管31の先端31aと、以下の工程は図示しないが、右側の覆工コンクリート4の側壁4dの側壁下端4eとの間に、右側のコンクリート製のインバートの一部16aを建造し、覆工コンクリートの4の右側の側壁下端4eと、先に打ち込まれている鋼管31の先端31aとの間に、上記で建設した右側のコンクリート製のインバートの一部16aをそれぞれ接続する。これらの左右のコンクリート製のインバートの一部16aと、それらの中央の複数の鋼管31から、コンクリートと鋼管の複合体からなるインバート16とし、この部分を埋め戻し、さらに鋪装を行って修復した走行路線2とし、後片付けをして工事を終了する。この工法は、一応、幅広い走行路線の通行帯を確保して施工が可能なインバート設置工法とされている。しかし、このインバートの設置工法は、鋼管31とコンクリート製のインバートの一部16aとの複合体からなるので、鋼管31の部分が撓み易く、この部分が、将来に盤ぶくれ2bを生じる恐れがあり、コンクリート一体構造からなるインバート16のものよりも強度が劣る。
一方、高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネル内の工事において、インバートを施工する作業を進める際に使用するトンネル内の工事用桟橋を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この工事用桟橋を設ける方法は、新規に道路を敷設する場合における方法であって、長年使用してきた山岳トンネルのトンネル内の盤ぶくれによる修復を走行路線の機能を保ちながら行う方法とは相違するものである。したがって、長期にわたり使用されてきた山岳トンネルなどにおける盤ぶくれに対する修復方法に対して、特許文献1の方法を適用することは難しい。
さらに、道路トンネル内の路盤から桁組上の路面板までの全高を極力低くして構造を簡素化することで、仮設路面構造体の設置および撤去を容易に行うことができ、保守も容易に行うことができる仮設路面構造体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この仮設路面構造体を用いる施工方法は、限られた時間帯だけ車両の通行ができるが、それ以外の時間帯では工事期間中となるので車両は通行できない。したがって、車両の通行数の多い高速道路などでは、この提案の方法は採用することができない。
ところで、上記したように、全国で約9kmのトンネル(本線約7.1km、避難坑約1.8km)で盤ぶくれによる土圧が掛かってトンネル内の空間が狭小化され、これを解消するトンネル内の修復および補強用の工法が求められている。これらのトンネル、特に山岳トンネルにおいて行う修復および補強用の工法として、上記した図8のように、広い通行帯を確保して施工することが可能とした、インバート設置の新工法が提案されているが、上記したように、この方法はインバートがコンクリートからなる一体構造ではないのでないので、強度面で問題がある。
特開平8−008006号公報 特開平9−221707号公報
本発明が解決しようとする課題は、高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネルにおける、グリーンタフの地層の箇所などで、長期にわたって使用されてきたトンネル内の地盤などが変質して地盤に盤ぶくれが生じ、この盤ぶくれの隆起によってトンネル内の空間が縮小し、このために自動車が走行しにくくなっている箇所において、山岳トンネル内の地盤の盤ぶくれによるトンネルの空間の縮小した箇所の空間を拡張すると同時に、再び盤ぶくれを生じなくするために、トンネル内の走行路線の下部に、走行路線の路盤との間に空隙を設けて全てがコンクリート製からなるインバートを構築して敷設する方法およびこの方法の工事に使用する吊り桟橋を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の第1の手段は、高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネルなどのトンネルにおいて、長期間にわたる使用中の地盤の徐々の隆起で生じた走行路線の路盤の盤ぶくれによるトンネル内空部の縮小した箇所の走行路線の路盤を拡張修復するため、予め修復の必要な箇所の走行路線の舗装を細断した後、修復の必要な箇所の覆工コンクリートの左右の側壁から中央へ均等に寄った位置の中央部の覆工コンクリートの内壁面から覆工コンクリートの外壁面上の地山へ1車線の走行路線の路幅を確保して左右に離間した2本1組の垂直方向のグランドアンカーを付設し、覆工コンクリートの内壁面に設けたグランドアンカーの下端に左右で2本1組の吊り材を垂直方向に係止し、この係止した2本1組の吊り材を走行方向に等間隔に離間して3組を配設して該3組を1ブロックとし、この1ブロックないし適宜数の複数ブロックからなる左右の垂直方向吊り材の下端にトンネル外部で予め組立てたトンネル長さ方向の吊り桟橋を吊り材係止部で係止して直上の覆工コンクリートの内壁面に吊り下げ、吊り桟橋を修復すべき盤ぶくれした走行路線の1900mmの上方に位置するものとし、一方、斜め上方部の覆工コンクリートの内壁面から覆工コンクリートの外壁面上の地山へ斜め上方へ伸びる左右で2本1組の斜め方向のグランドアンカーを付設し、覆工コンクリート内壁面に該2本1組からなる斜め方向のグランドアンカーの各下端を設け、該斜め方向のグランドアンカーの下端に左右で2本1組からなる斜め方向の吊り材の各1本を斜め方向に垂らして係止し、この1ブロックないし適宜数の複数ブロックからなる左右の斜め方向吊り材の下端にトンネル外部で予め組立てたトンネル長さ方向の吊り桟橋を該吊り桟橋の吊り材係止部で係止して覆工コンクリートの斜め上方の側壁に支持し、該支持により吊り桟橋の横揺れを防止して、1車線の路幅の走行路線を有する1ブロックからなる吊り桟橋とし、該吊り桟橋の前端および後端に1車線の路幅を有する移動式の斜路を接続し、これらの接続した移動式の斜路の斜め下方へ向けた先端をトンネル内の非修復箇所である在来の走行路線へ接続し、該吊り桟橋の下部の予め裁断した走行路線の鋪装を除去した後、盤ぶくれの路盤を掘削し、該掘削により盤ぶくれを修復して当初の走行路線に復元し、かつ、復元した走行路線の路盤の下部を空胴とし、該空胴の下面を凹状のインバートに形成することを特徴とする高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法である。
第2の手段は、第1の手段の1車線の路幅の走行路線を有する1ブロックからなる吊り桟橋とする方法に代えて、1車線の路幅の走行路線を有する1ブロックからなる吊り桟橋を複数回繰り返してトンネルの長さ方向に接続することにより、1車線の路幅の走行路線を有する複数ブロックからなる吊り桟橋とし、該複数ブロックからなる吊り桟橋の前端および後端に1車線の路幅を有する移動式の斜路を接続し、これらの接続した移動式の斜路の斜め下方へ向けた先端をトンネル内の非修復箇所である在来の走行路線へ接続し、該吊り桟橋の下部の予め裁断した走行路線の鋪装を除去した後、盤ぶくれの路盤を掘削し、該掘削により盤ぶくれを修復して当初の走行路線に復元し、かつ、復元した走行路線の路盤の下部を空胴とし、該空胴の下面を凹状のインバートに形成することを特徴とする高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法である。
第3の手段は、第1の手段または第2の手段の高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法において、吊り桟橋の下部の盤ぶくれした路盤を掘削し、該掘削により盤ぶくれを修復して当初の走行路線に復元し、かつ、復元した走行路線の路盤の下部を空胴とし、該空胴の下面を凹状のインバートに形成する方法は、予め細断した舗装を除去し、次いで覆工コンクリートの左右の側壁の下端の側部に配設の円形水路を撤去し、撤去した円形水路に代えて矩形水路を敷設し、さらに覆工コンクリートの左右の側壁の下端部をトンネル中心方向である斜め方向へ切断し、次いで、上記で予め細断して除去した舗装の下の地盤を、インバート形成用に掘下げ、掘下げた部分のトンネル内の左右の走行路線の中央部に断面凸状でトンネル方向に奥行きがあり内部に水路を有する支柱ブロック、該支柱ブロックの下端部の左右に隣接する左右の中間ブロック、該左右の中間ブロックのさらに左右に上面が補修後のプレストコンクリート版からなる走行路線の下面に位置する大きさの左右の端部ブロック、および該左右の端部ブロックと覆工コンクリートの左右の側壁の側壁下端の切断箇所との間を接続する左右の接続用コンクリートブロックから下面を凹状に形成したインバートを形成し、該左右の接続用コンクリートブロックの上端を覆工コンクリートの側壁ぎわの監視員通路あるいは監査路の端部に設けた矩形水路に接続し、これらにより覆工コンクリートの左右の側壁の下端部の間を凹状で下向きに湾曲するインバートとし、さらに、該インバートの中央部の支柱ブロックの上と左右の矩形水路の側壁との間に走行路線用のプレストレストコンクリート版を張設し、プレストレストコンクリート版の上面を修復した左右の走行路線とし、プレストレストコンクリート版の下部の部分でかつ該インバートの中央の支柱ブロックの左右の部分からなるインバートの上部を空洞部に形成していることを特徴とする第1の手段または第2の手段の高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法である。
第4の手段は、高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネルなどのトンネルの長期間にわたる使用中の地盤の徐々の隆起で生じた盤ぶくれの修復工法用の吊り桟橋は、下方の修復すべき盤ぶくれした走行路線の路盤の下部にコンクリートからなる凹状で下方に湾曲するインバートを設置するために、該トンネルの覆工コンクリートの天井部と吊り桟橋上の車道との間に車道の高さの建築限界である4.5mを確保して覆工コンクリートから吊り下げられて、下方が修復すべき走行路線の全幅の掘削作業空間となっている吊り桟橋であることを特徴とする高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法用の吊り桟橋である。
第5の手段では、下方が修復すべき走行路線の全幅の掘削作業空間となっている吊り桟橋は、1車線の路幅を確保して左右に離間して地山から覆工コンクリートの天井部の内壁面に設けられた左右で2本1組からなる垂直なグランドアンカーの下端に左右で2本1組の垂直な吊り材を係止し、覆工コンクリートの天井部から2本1組の垂直な吊り材を走行方向に等間隔に離間して3組を配設して該3組を1ブロックとし、この1ブロックの左右の垂直方向吊り材のそれぞれの下端にトンネル長さ方向の左右1本ずつからなる2本の主桁を係止し、一方、左右に離間した地山から覆工コンクリートの内壁面に配設した2本1組の左右の斜め方向のグランドアンカーの下端に、上記左右の垂直方向吊り材の主桁の係止箇所からそれぞれ左右の斜め上方へ配設した斜め方向吊り材を、係止し、これらの斜め方向吊り材を左右の主桁の横揺れ防止用とし、さらに、トンネル長さ方向の左右1本ずつからなる2本の主桁の上に左右方向の横桁の複数本を配設し、この複数本の横桁の上に1車線の路幅と走行路線の単位長さを有する覆工板からなる1ブロックの吊り桟橋を形成し、この吊り桟橋の走行方向の前後端に1車線の路幅を有する移動式の斜路を接続係止したことを特徴とする第4の手段の高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法用の吊り桟橋である。
第6の手段では、1車線の路幅と走行路線の単位長さを有する覆工板からなる1ブロックの吊り桟橋は、それらからなる複数ブロックの吊り桟橋を走行路線の方向に連設し、この複数ブロックから連設した吊り桟橋の前後端に1車線の路幅を有する移動式の斜路を接続係止したことを特徴とする第5の手段の高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法用の吊り桟橋である。
本発明の方法によるトンネル内の盤ぶくれした走行路線の修復は、トンネル内の走行路線の1車線を確保することで交互通行が可能となることで、車両の通行数の多い高速道路などであっても通行止めを行うことなく適用可能な修復方法である。また、そのために用いる吊り桟橋は、可能な限り単純化されているので、吊り桟橋をトンネル外の近場の空き地で組立てトンネル内の盤ぶくれの修復箇所に搬入して容易に覆工コンクリートに吊るすことができるので、設置時間および組立コストも低減できる。なお、グランドアンカーは、グランドアンカーに掛かる吊り材、吊り桟橋および走行車両の総重量に耐えることができるように設計して安全を図っている。
山岳トンネルの盤ぶくれを修復するための準備工程における吊り桟橋の設置状況を示す模式図である。 トンネル内に吊り桟橋を設置後の準備工程順を示す図である。 準備工程に続く完成工程順を示す図である。 単体の吊り桟橋と移動式車路からなる形成方法と該吊り桟橋の下部の走行路面を修復状況を示す横から見た模式図である。 複数体からなる吊り桟橋と移動式車路からなる形成方法と該吊り桟橋の下部の走行路面を修復状況を示す横から見た模式図である。 複数体からなる吊り桟橋の走行路面の下部をインバート形成用に掘削する状況を示す横から見た模式図である。 図6におけるインバートおよびPC版を形成する状況を示す横から見た模式図である。 従来の提案のトンネルの走行路線の修復方法における前半の左側の修復を示す図である。 図8に続く右側の修復を示す図である。
本願の発明は、高速道路などの山岳トンネルにおける盤ぶくれを生じた走行路線の修復方法およびこの修復工法に使用する吊り桟橋に係るものである。以下に本願発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネル1では、トンネル1aの内部の従来からの走行路線2は、長年月にわたる使用期間に、山岳の地殻変動などにより走行路線2の路盤2aに、図1に示すような盤ぶくれ2bなどが生じて、路盤2aおよび鋪装2cが盛り上がっている。そこで、このようにトンネル内空部1bが盤ぶくれ2bによって縮小した箇所の、走行路線2の路盤2aおよび鋪装2cを、当初の平らな状態に戻すための修復工事を実施する必要がある。
そこで、第1の実施の形態では、この修復工事において、昼間は夜間に行う本格工事の準備工事を行うものとする。すなわち、この昼間の工事では、走行車両が夜間に比して多いので、トンネル1a内の片側1車線を走行路線2として確保し、この確保した片側の走行路線2を交互通行とする。一方、残りの1車線の走行路線2を工事区間とし、この工事区間の修復工事を行うための準備作業を行う時間帯とする。
この準備作業の1.は、工事範囲の路盤2aの盤ぶくれ2bした箇所の鋪装2cを除去し易くする工事として、予め鋪装2cをカッターブレード等で裁断する作業を行なう。一方、準備作業の2.は、工事箇所のトンネル1aの覆工コンクリート4およびその上の地山3に、夜間に行う本格工事の準備として、グランドアンカー5を打ち入れる作業を行うこととする。このように昼間は、片側1車線を走行路線2とし、残りの片側1車線の走行路線2を工事区間として行う、上記の準備作業の1.および準備作業の2.を、工事区間を移動しながら順次繰返し行うものとする。
上記の準備作業の2.のグランドアンカー5の覆工コンクリート4およびその上の地山3への打ち入れる作業について詳細に説明する。トンネル1aの内空部1bの中央の覆工コンクリート4の内壁面4cから覆工コンクリート4の外壁面4bを覆う地山3に、トンネル1aの内部からボーリングにより孔を穿った。さらに、この地山3の孔へ覆工コンクリート4の内壁面4cからグランドアンカー5の上端5aを挿通してグランドアンカー5の下端5bを覆工コンクリート4の内壁面4cの天井部4aにねじ止めにより固定した。この場合、グランドアンカー5は2種類があり、グランンドアンカー5の1.は、その下に吊るす後述する吊り桟橋7に掛かる走行車両の荷重を主として支持するグランドアンカー5であり、地山3から覆工コンクリート4の内壁面4cへ、垂直に設けられており、約1車線の走行路線2の幅を十分に確保できる6000mmの間隔を空けて左右対象に2本が設けている。グランンドアンカー5の2.は、吊り桟橋7の横揺れを主として防止するグランドアンカー5であり、地山3から覆工コンクリート4の内壁面4cへ斜め方向に設けられており、さらに内壁面4cの箇所から吊り桟橋7へ斜め方向に設けられている。
上記の昼間の準備作業の終了した箇所における、夜間の本格工事では、昼間の準備作業の1.および準備作業の2.の終了している工事区間において、修復の必要な箇所の覆工コンクリート4の左右の側壁4dの部分から、トンネル1a内の中央へほぼ均等に寄った位置に、1車線の走行路線2の路幅2dを確保して、図2に示すように、盤ぶくれ2bの生じている走行路線2の1300mm上方に幅6000mmの吊桟橋7を設ける。このため、修復する箇所のトンネル1aの外の近傍の空き地で、この修復工事に先立って予め1ブロック単位の吊り桟橋7を組立てておく。この組立てておいた1ブロックの吊り桟橋7を搬送用車両に載せて、トンネル1aの内部の修復すべき盤ぶくれ2bの鋪装2cを予めカッターブレードで切断した箇所へ運び込む。次いで、吊り桟橋7を搬送用車両から覆工コンクリート4の天井側へ重機などによって持ち上げ、図2に示すように、ねじ止め等の手段で覆工コンクリート4の天井部4aのグランドアンカー5の下端5bから垂らした垂直方向吊り材6aの下端に係止する。このようにすることで、グランドアンカー5の1.である垂直方向のグランドアンカー5の下端5bに1車線の走行路線2の路幅2dを確保して2本1組の垂直方向吊り材6aを左右に離間して形成する。さらに、上記のグランドアンカー5の2.である斜め方向に設けられたグランドアンカー5の下端5bに1車線の走行路線2の路幅2dを確保して2本1組の斜め方向吊り材6bを左右に離間して形成する。これらの2本1組の垂直方向吊り材6aと2本1組の斜め方向吊り材6bを、トンネル1a内の走行路線2の同一箇所に位置するものとし、これらの2本1組の垂直方向吊り材6aと2本1組の斜め方向吊り材6bを吊り桟橋7の吊り材係止部9gに係合することで、覆工コンクリート4の内壁面4cから吊り桟橋7を吊り下げている。この吊り桟橋7によって、1車線の走行路線2の路幅2dと走行車両の高さとを有する走行領域26を、トンネル1aの内空部1bに確保する。
ここで、トンネル1aの外部で予め組み立てる吊り桟橋7の構造を、図2により説明する。この吊り桟橋7はトンネル1aの長手方向に形成されるものであり、トンネル1aの長手方向の中心の左右に1600mm離間した2本のH形鋼からなる主桁9と、該2本の主桁9のトンネル1aの中心側の下部フランジ9cの上に支持されてトンネル1aの覆工コンクリート4の左右の内壁面4cの方向へ配置されているH形鋼からなる横桁10と、該横桁10の上に敷設されてトンネル1aの長手方向に延びる複数枚(図2では5枚)の覆工板24とから吊り桟橋7は形成されている。さらに詳細に説明し直すと、これらの左右の2本のH形鋼からなる主桁9は、そのH形鋼のフランジの部分を上下に配置してなる上部フランジ9aと下部フランジ9cを有している。さらに上部フランジ9aと下部フランジ9cとの間には垂直材であるウエブ9dを有している。これらの左右のH形鋼の主桁9の下部フランジ9cの上で、かつ、左右の主桁9の向かい合う垂直なウエブ9dどうしの間には、左右に延びるH形鋼からなる横桁10が載置されている。これらの横桁10は垂直なウエブの上下に上部フランジ10aと下部フランジ10bを有しており、この横桁10の上部フランジ10aの上に、5枚の覆工板24を左右へ隙間なく並べて載置し、これらの覆工板24の上面を走行路線2としている。図4に示す、これらの最小単位である1ブロックの長さの吊り桟橋7には、その覆工板24からなる走行路線2の左右には、適宜に仮設側壁27を設けている。
なお、覆工コンクリート4の天井部4aに吊り桟橋7を吊り下げて設置した後に、実施する盤ぶくれ2bの修復工事の際には、この覆工板24からなる走行路線2を有する吊り桟橋7の前後に、それぞれ吊り桟橋7と修復箇所の前後のトンネル1a内の盤ぶくれ2bの発生していない箇所の走行行路線2との間に、図4に示すように、斜路8を接続する。この斜路8の接続により、トンネル1a内の盤ぶくれ2bの無い走行路線2すなわち在来の走行路線25から、斜路7を登って吊り桟橋7を経て、再び斜路7を下って盤ぶくれ2bの無い走行路線2を走行車両は走行することが可能となる。
上記したように、これらの左右の2本のグランドアンカー5の下端5bに、すなわち、覆工コンクリート4の内壁面4cの箇所に、それぞれ左右の垂直方向吊り材6aの上端を係止している。さらにトンネル1aの長手方向に配置し、かつ、上部フランジ9aおよび下部フランジ9cを上下に位置せしめたH形鋼からなる主桁9において、上部フランジ9aに設けた吊り材係止部9bに、垂直方向吊り材6aの下端を係止している。この場合、H形鋼からなる主桁9の1ブロックの走行路線2の方向の長さは略3mとし、この3mの長さの主桁9の端から50cmの位置と、この位置から1m離れた位置と、さらにこの位置から1m離れて該桁9の他の端から50cmの位置の3箇所に、それぞれの吊り材係止部9bを設けて、長さ3mの1ブロックの主桁9の上部フランジ9aに3箇所の吊り材係止部9bを設けている。さらに、この吊り材係止部9bから左右の斜め上方の覆工コンクリート4の内壁面4cに、横揺れ防止用の斜め方向吊り材6bを延ばし、この斜め方向吊り材6bの上端を覆工コンクリート4の内壁面4cにねじ止めされたグランドアンカー5の下端5bに係止している。これらのグランドアンカー5の上端5aはトンネル外部の地山3に斜め方向に穿った孔に設けられている。このようにして、地山3からのグランドアンカー5の下端5bに係止された左右1組の垂直方向吊り材6aおよび斜め方向吊り材6bを、トンネル1aの長手方向に適宜間隔をあけて配置して、これらの例えば3組を1ブロックの吊り材6としている。さらに、これらの1ブロックの吊り材6を、覆工コンクリート4の天井部4aの内壁面4cにねじ止めされたグランドアンカー5の下端5bから、トンネル1aの内部に吊り下げている。以上の1ブロックの3組の斜め方向吊り材6bによる覆工コンクリート4の天井部4aへの係止によって、H形鋼からなる主桁9の上に構築された吊り桟橋7横は揺れが防止されている。
この場合、上記の覆工板24の上面からなる走行路線2の高さ位置は、上記のグランドアンカー5の下端5bに係止した吊り材6によって、下部の路盤2aの盤ぶくれ2bにより修復する必要のある走行路線2の補修後の正規位置よりも略1.9mの上部位置になるようにして、吊り下げられている。そして、この上部位置に吊り下げられた覆工板24の上面を1ブロック単位の長さからなる走行路線2とし、かつ1車線の走行路線2の路幅2dを確保した1ブロックの吊り桟橋7に形成されている。次いで、この1ブロックの吊り桟橋7の走行方向の前端および後端に、上記した1車線の走行路線2の路幅2dを有する移動式の斜路8からなる昇り斜路および降り斜路を接続し、これらの接続した移動式の斜路8の斜め下方へ向いた先端をトンネル1aの内部の盤ぶくれ2bの生じていない走行路線2に接続している。
以上のようにして、吊り桟橋7を形成したことで、上部の地山3から延びて覆工コンクリート4の内壁面4cに下端を有する左右1組のグランドアンカー5および吊り材6に作用して下向きに掛かる力、すなわち覆工コンクリート4から下方への引抜き力を計算すると、以下のようになる。この場合、1組の吊り桟橋7の長さは3m、H形鋼からなる主桁9の上部フランジ9aおよび下部フランジ9cの幅は30cm、および上下のフランジ間であるウエブ9dの長さは60cmである。そして、1体のH形鋼からなる主桁9の1m当たりの重量は、0.147トンのものを使用するものとする。一方、主桁9の下部フランジ9cの上に載置する、H形鋼からなる横桁10は、上部フランジ10aと下部フランジ10bの幅は20cm、上下のフランジ間である横桁10のウエブの長さは30cmで、横桁10のさは6mで、この横桁10の1m当たりの重さは0.0558トンからなるものを使用するので、6mの長さの1体の横桁10の重量は0.33トンである。さらに横桁10の上に載置する覆工板24の1枚の重量は0.430トンものを用い、幅6mの1車線の横幅に5枚の覆工板24を有するので、その全重量は2.15トンである。これらに走行車両の片側の車輪にかかる最大荷重を想定して、荷重は10トン、これに衝撃係数0.4を見積もったものが、走行車両の両側の車輪殻係るので、合計で28トンの力が走行車両の左右の車輪から下向きに作用し、左右1組のグランドアンカー5および吊り材6に掛かることとなる。そこで、横桁10に掛かる最大荷重は、横桁10自体の重さの0.33トンと覆工板24自体の重さの2.15トンと、走行車両の28トンの合計量の30.48トンが、左右で2体からなる主桁9に掛かることとなる。従って、主桁9の1体に掛かる重量は、30.48トン÷2=15.24トンである。そこで、左右の2本の垂直方向の吊り材6の各1本に掛かる荷重は、すなわち、垂直方向のグランドアンカー5に作用する引抜き力は、吊り材6の重量を無視するとしても、主桁9の左右の2体の重量の0.147トン×2と横桁10から掛かる15.24トンの合計の15.53トンである。すなわちグランドアンカー5の1本に掛かる下方への引抜き力15.53トンである。この引抜き力に耐えうるようにグランドアンカー5および鋼索からなる吊り材6は設計されている。
ここで、吊り桟橋を7を吊って夜間に行う工事についてさらに説明する。予めカッターブレードなどで細断していた走行路線2の舗装2cの箇所において、図2に示すように、吊り桟橋7の下部の路盤2aの盤ぶくれ2bの箇所の下部地盤2eすなわち鋪装下の地盤14を掘下げる。この場合、覆工コンクリート4の左右の側壁4dの側壁下端4eの側部に配設の水路13である円形水路13aを撤去する。さらに、図3に示すように、覆工コンクリート4の左右の側壁4dの下端を、トンネルの中心に向いた斜め方向に切断箇所4fを向けて切断する。次いで、上記で掘下げた下部地盤2eをさらに凹状に下部に掘り下げて、土砂を取り去って凹状に凹んだインバート16を形成する準備を行う。
さらに、下部地盤2eを除去して掘下げた部分、すなわちトンネル1aの左右の走行路線2の鋪装2cの下の地盤14である下部地盤2eを掘り下げ土砂を除去した部分の中央部に、図3に示すように、支柱ブロック17を敷設する。この支柱ブロック17は、断面が凸状であり、トンネル1aの走行方向に奥行きを有し、かつ中央に内部水路17bを有している。さらに、この敷設した支柱ブロック17の下端部の左右に、継続して左右の中間ブロック18をそれぞれ敷設する。この左右の中間ブロック18のさらに左右に継続して端部ブロック19をそれぞれ敷設する。この端部ブロック19は、その上面が修復したプレストレスコンクリート版(以下、「PC版」という。)23からなる走行路線2である、PC版23の下面に当接しており、端部ブロック19の下面は昼間ブロック18の下面に継続するインバート16の下面の曲面となっている。これらの左右の端部ブロック19の側端部と、覆工コンクリート4の左右の側壁4dの下端の斜め方向の切断箇所4fとの間の部分は、現場打ちコンクリート20から形成したブロックで接続されており、その上部には、それぞれ監視員通路11あるいは監査路12となっている。この監視員通路11あるいは監査路12の側部でかつ端部ブロック19の上に、内部水路の断面積のより大きな矩形水路13bを形成している。これらの支柱ブロック17、中間ブロック18、端部ブロック19、および現場打ちコンクリート20から、凹状となったインバート16を形成している。さらに、覆工コンクリート4の左右の側壁4dの下端に有する監視員通路11あるいは監査路12の間の中央部に敷設した支柱ブロック17の上端面17aと左右の矩形水路13bの側壁との間に、走行路線2を形成したPC版23上面を修復した左右の走行路線2としている。このPC版23からなる走行路線2では、そのPC版23の下面と上記のインバート16の上面との間で、しかも中央の支柱ブロック17の左右の部分を空洞部21に形成している。このようにして、走行路線2の下部に、上部が凹状となったインバート16を一体的に形成することで、この補修時以降の将来に予想されるトンネル1aのインバート16の下部地盤2eの盤ぶくれ2bを防止している。
ところで、本願の発明では、吊り桟橋7を覆工コンクリート4の天井部4aに吊って、盤ぶくれ2bを生じた走行路線2の鋪装2cの下である路面下の補修を行うので、路面下を全幅で掘削できる。したがって、この掘削した全幅に形成するインバート16は、一体構造として作成することも可能であるので、上記のようにプレキャストのブロックからなるインバート部品と一部現場打ちのインバートの部分の組合せから作成することも出来るが、これとは別に、一体のインバート16を現場打ちコンクリートで作成することも可能である。
以上に説明したように、トンネル1aの盤ぶくれを2bを生じた走行車線2の修復する工期期間において、昼間は走行車両の量が多いので、一日の夜間に実施可能な量に見合う工事範囲である、鋪装2cのカッターブレード等による予め前もって行う細断および覆工コンクリート4の内壁面4cからその上部の地山3へのグランドアンカー5の打ち込みを、昼間に片側の1車線を確保して行ない、かつ、トンネル1a外の空き地で1ブロックの吊り桟橋7の組立を行うこととする。これに対して、夜間には、その時間に見合うだけの工事範囲で、トンネル外で組み立てられた1ブロックの吊り桟橋7からなる複数単位の吊り桟橋7を、トンネル1a内へ順次に搬送し、それらを覆工コンクリート4の内壁面4cの天井部4aへ吊り下げることにより、1車線の走行路線2を確保して盤ぶくれ2bの箇所の補修工事を行う。これらの工事期間中は、以上のように昼間の工事および夜間の工事を繰り返して行うことで、走行車両に可能な限り支障をきたさないものとして工事を行うものとする。
上記のしたように、覆工板24の上面を1ブロックの走行路線2として1車線の路幅2dを確保して形成した、図4に示す、長さの最小単位である1ブロック単位からなる第1の実施の形態における吊り桟橋7は、1車線の路幅2dを確保して左右に離間した覆工コンクリート4の上方の地山3から覆工コンクリート4の内壁面4cに設けた2本1組からなる左右の垂直なグランドアンカー5の下端5bに垂直方向吊り材6aを係止して覆工コンクリート4の天井部4aから2本1組の垂直方向吊り材6aの3組からなる1ブロックとし、この1ブロック単位の左右の垂直方向吊り材6aのそれぞれの下端にトンネル長さ方向の左右1本ずつからなる2本の主桁9を係止して掛け渡す。これとは別に、左右に離間した地山3から覆工コンクリート4の内壁面4cに設けた2本1組からなる左右の斜め方向のグランドアンカー5の下端に、上記の左右の垂直方向吊り材6aのH形鋼からなる主桁9の吊り材係止部9bの箇所からそれぞれ左右の斜め上方へ斜め方向吊り材6bを、配設して係止する。これらの斜め方向吊り材6bを、左右のH形鋼からなる主桁9の横揺れ防止用とする。さらに、修復箇所のトンネル1aの長さ方向に掛け渡している左右2本のH形鋼からなる主桁9の下部フランジ10bの上に、トンネル1aの奥行き方向に複数本のH形鋼からなる横桁10の左右の端部を水平にして載置して、これらの複数本の横桁10を左右方向に掛け渡す。これらの掛け渡した複数本のH形鋼からなる横桁10の上に、さらに1車線の路幅2dと走行路線2の方向の単位長さの覆工板24の5枚を載置して、1ブロック単位の走行路線2を有する吊り桟橋7とする。さらに、この吊り桟橋7の走行方向の前端および後端に1車線の路幅2dを有する移動式の斜路8の昇り斜路および下り斜路をそれぞれ接続係止して、図4に示す、第1の実施の形態における吊り桟橋7としている。
上記のしたように、覆工板24の上面を1ブロックの走行路線2として1車線の路幅2dを確保して形成した、図4に示す、長さの最小単位である1ブロックからなる上記の第1の実施の形態における吊り桟橋7に代えて、第2の実施の形態の吊り桟橋7として、数ブロックからなる、例えば、図5に示すように、3ブロックからなる、走行路線2を形成する。その上で、さらに他の実施の形態では、この走行路線2を走行方向に接続して1車線の路幅2dを確保して、複数ブロックからなる吊り桟橋7とする。この複数ブロックからなる吊り桟橋7に用いる移動式の斜路8である昇り斜路および下り斜路を、吊り桟橋7の前端および後端に移動式の斜路8として接続する。これらの接続した移動式の斜路8の斜め下向き先端8cをトンネル1aの内部の被修復箇所である在来の走行路線25へ接続する。このようにして、上記の1ブロックよりもより一層長い走行路線2の区間の吊り桟橋7に斜路8を設けて、数ブロックからなる吊り桟橋7を形成し、この下部の走行路線2の路盤2aの盤ぶくれ2bとなっている箇所を、例えば、図6に示すように、盤ぶくれ2bを形成している路盤2aの下部地盤2eを掘削して掘削箇所29とし、その上で、図7に示すように、支柱ブロック17、中間ブロック18、端部ブロック19をそれぞれ設置し、さらに、その端部に現場打ちコンクリート20のブロックを形成して、下向に突出するインバート16を一体的に形成し、在来の走行路線25の盤ぶくれ2bを生じた路盤のあった位置にPC版23を敷設して修復を行っている。この修復により、図3に示すように、凹状のコンクリートからなるインバート16を形成し、かつこのインバート16と上部の補修により敷設したPC版23からなる走行路線2との間に空胴部21を形成したことで、これらにより、補修時以降の将来に予想されるトンネル1aのインバート16の下方の下部地盤2eの盤ぶくれ2bを吸収解消することで、防止するものとしている。
1 山岳トンネル
1a トンネル
1b 内空部
2 走行路線
2a 路盤
2b 盤ぶくれ
2c 舗装
2d 路幅
2e 下部地盤
3 地山
4 覆工コンクリート
4a 天井部
4b 外壁面
4c 内壁面
4d 側壁
4e 側壁下端
4f 切断箇所
5 グランドアンカー
5a 上端
5b 下端
6 吊り材
6a 垂直方向吊り材
6b 斜め方向吊り材(横揺れ防止用の)
7 吊り桟橋
8 斜路
9 主桁(H形鋼)
9a 上部フランジ
9b 吊り材係止部
9c 下部フランジ
9d ウエブ
10 横桁(H形鋼)
10a 上部フランジ
10b 下部フランジ
11 監視員通路
12 監査路路
13 水路
13a 円形水路
13b 矩形水路
13c 矩形水路の側壁
14 地盤(舗装下の)
15 覆工コンクリート下端の切断部
16 インバート
16a コンクリート製のインバートの一部
17 支柱ブロック
17a 上端面
17b 内部水路
18 中間ブロック
19 端部ブロック
20 現場打ちコンクリート
21 空洞部
22 トンネル中心
23 プレストレスコンクリート版(PC版)
24 覆工板
25 在来の走行路線
26 走行領域
27 仮設側壁
28 側壁支承装置
29 掘削箇所
30 作業エリア
31 鋼管
31a 先端
31b 後端
32 打設機

Claims (4)

  1. 高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネルなどのトンネルにおいて、長期間にわたる使用中の地盤の徐々の隆起で生じた走行路線の路盤の盤ぶくれによるトンネル内空部の縮小した箇所の走行路線の路盤を拡張修復するため、予め修復の必要な箇所の走行路線の舗装を細断した後、修復の必要な箇所の覆工コンクリートの左右の側壁から中央へ均等に寄った位置の中央部の覆工コンクリートの内壁面から覆工コンクリートの外壁面上の地山へ1車線の走行路線の路幅を確保して左右に離間した2本1組の垂直方向のグランドアンカーを付設し、覆工コンクリートの内壁面に設けたグランドアンカーの下端に左右で2本1組の吊り材を垂直方向に係止し、この係止した2本1組の吊り材を走行方向に等間隔に離間して3組を配設して該3組を1ブロックとし、この1ブロックないし適宜数の複数ブロックからなる左右の垂直方向吊り材の下端にトンネル外部で予め組立てたトンネル長さ方向の吊り桟橋を吊り材係止部で係止して直上の覆工コンクリートの内壁面に吊り下げ、吊り桟橋を修復すべき盤ぶくれした走行路線の1900mmの上方に位置するものとし、一方、斜め上方部の覆工コンクリートの内壁面から覆工コンクリートの外壁面上の地山へ斜め上方へ伸びる左右で2本1組の斜め方向のグランドアンカーを付設し、覆工コンクリート内壁面に該2本1組からなる斜め方向のグランドアンカーの各下端を設け、該斜め方向のグランドアンカーの下端に左右で2本1組からなる斜め方向の吊り材の各1本を斜め方向に垂らして係止し、この1ブロックないし適宜数の複数ブロックからなる左右の斜め方向吊り材の下端にトンネル外部で予め組立てたトンネル長さ方向の吊り桟橋を該吊り桟橋の吊り材係止部で係止して覆工コンクリートの斜め上方の側壁に支持し、該支持により吊り桟橋の横揺れを防止し、1車線の路幅の走行路線を有する1ブロックの吊り桟橋とし、該吊り桟橋の前端および後端に1車線の路幅を有する移動式の斜路を接続し、これらの接続した移動式の斜路の斜め下方へ向けた先端をトンネル内の非修復箇所である在来の走行路線へ接続し、該吊り桟橋の下部の予め裁断した走行路線の鋪装を除去した後、盤ぶくれの路盤を掘削し、該掘削により盤ぶくれを修復して当初の走行路線に復元し、かつ、復元した走行路線の路盤の下部を空胴とし、該空胴の下面を凹状のインバートに形成することを特徴とする高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法。
  2. 請求項1の1車線の路幅の走行路線を有する1ブロックからなる吊り桟橋とする方法に代えて、1車線の路幅の走行路線を有する1ブロックからなる吊り桟橋を複数回繰り返してトンネルの長さ方向に接続することにより、1車線の路幅の走行路線を有する複数ブロックからなる吊り桟橋とし、該複数ブロックからなる吊り桟橋の前端および後端に1車線の路幅を有する移動式の斜路を接続し、これらの接続した移動式の斜路の斜め下方へ向けた先端をトンネル内の非修復箇所である在来の走行路線へ接続し、該吊り桟橋の下部の予め裁断した走行路線の鋪装を除去した後、盤ぶくれの路盤を掘削し、該掘削により盤ぶくれを修復して当初の走行路線に復元し、かつ、復元した走行路線の路盤の下部を空胴とし、該空胴の下面を凹状のインバートに形成することを特徴とする高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法において、吊り桟橋の下部の盤ぶくれした路盤を掘削し、該掘削により盤ぶくれを修復して当初の走行路線に復元し、かつ、復元した走行路線の路盤の下部を空胴とし、該空胴の下面を凹状のインバートに形成する方法は、予め細断した舗装を除去し、次いで覆工コンクリートの左右の側壁の下端の側部に配設の円形水路を撤去し、撤去した円形水路に代えて矩形水路を敷設し、さらに覆工コンクリートの左右の側壁の下端部をトンネル中心方向である斜め方向へ切断し、次いで、上記で予め細断して除去した舗装の下の地盤を、インバート形成用に掘下げ、掘下げた部分のトンネル内の左右の走行路線の中央部に断面凸状でトンネル方向に奥行きがあり内部に水路を有する支柱ブロック、該支柱ブロックの下端部の左右に隣接する左右の中間ブロック、該左右の中間ブロックのさらに左右に上面が補修後のプレストコンクリート版からなる走行路線の下面に位置する大きさの左右の端部ブロック、および該左右の端部ブロックと覆工コンクリートの左右の側壁の側壁下端の切断箇所との間を接続する左右の接続用コンクリートブロックから下面を凹状に形成したインバートを形成し、該左右の接続用コンクリートブロックの上端を覆工コンクリートの側壁ぎわの監視員通路あるいはに監査路の端部に設けた矩形水路に接続し、これらにより覆工コンクリートの左右の側壁の下端部の間を凹状で下向きに湾曲するインバートとし、さらに、該インバートの中央部の支柱ブロックの上と左右の矩形水路の側壁との間に走行路線用のプレストレストコンクリート版を張設し、プレストレストコンクリート版の上面を修復した左右の走行路線とし、プレストレストコンクリート版の下部の部分でかつ該インバートの中央の支柱ブロックの左右の部分からなるインバートの上部を空洞部に形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法。
  4. 高速道路などの自動車専用道路の山岳トンネルなどのトンネルの長期間にわたる使用中の地盤の徐々の隆起で生じた盤ぶくれの修復工法用の吊り桟橋は、下方の修復すべき盤ぶくれした走行路線の路盤の下部にコンクリートからなる凹状で下方に湾曲するインバートを設置するために、該トンネルの覆工コンクリートの天井部と吊り桟橋上の車道との間に車道の高さの建築限界である4.5mを確保して覆工コンクリートから吊り下げられて、下方が修復すべき走行路線の全幅の掘削作業空間となっている吊り桟橋であることを特徴とする高速道路の山岳トンネルの盤ぶくれした走行路線の修復工法用の吊り桟橋。
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