JP2003064472A - 薄膜形成用Irスパッタリングターゲット材およびIrスパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

薄膜形成用Irスパッタリングターゲット材およびIrスパッタリングターゲットの製造方法

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JP2003064472A
JP2003064472A JP2001252762A JP2001252762A JP2003064472A JP 2003064472 A JP2003064472 A JP 2003064472A JP 2001252762 A JP2001252762 A JP 2001252762A JP 2001252762 A JP2001252762 A JP 2001252762A JP 2003064472 A JP2003064472 A JP 2003064472A
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powder
sputtering target
thin film
target
sintering
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JP2001252762A
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English (en)
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Nobuhiko Chiwata
伸彦 千綿
Takeshi Kan
剛 韓
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結法によって得られるIrターゲットにつ
いて、その高純度かつ密度の高いIrターゲット材およ
びターゲットの製造方法を提供する。 【解決手段】 Ir原料粉末を熱プラズマ処理すること
でIr粉末とし、それを加圧焼結する薄膜形成用Irス
パッタリングターゲット材の製造方法である。そして、
Ir原料粉末を熱プラズマ処理することでIr粉末と
し、それを加圧焼結し、機械加工する薄膜形成用Irス
パッタリングターゲットの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体メモリー、
磁気ヘッド等の薄膜電子部品の電気配線、電極等に用い
られる金属薄膜配線の形成に用いられるスパッタリング
ターゲットとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリーの電極膜や磁気ヘッド等
にはPt,Ru,Irなどの貴金属元素が電極膜として
用いられている。そして、特に次世代の強誘電体メモリ
ー(FeRAM)の電極膜材料としてはIrの適応が検
討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Ir薄膜は、実質的に
薄膜組成と同様の組成を有するターゲットを用いたスパ
ッタリング法により成膜するので、ターゲットの特性は
重要である。高純度Irターゲットの作製方法として
は、例えば特開平9−41131には、Ir原料をEB
溶解などの溶解法にてインゴットとし、それを熱間圧延
する方法が開示されている。
【0004】しかし、一般に溶解法の場合、そのインゴ
ット中に気泡が生じ易いことが知られている。また、E
B溶解では溶解中のスプラッシュやインゴット中に巣が
生じる恐れがあり、歩留まりに影響する。そして、これ
らインゴットにおいては、その熱間圧延によっても気泡
を完全に消滅させるのは難しく、さらには加工中に割れ
が生じることで歩留まりが低下したり、スパッタリング
の際にパーティクルの原因となったりする。加えて、熱
間圧延による方法では圧延が可能な大きなインゴットを
用いる必要があり、小さなターゲット作製の場合には歩
留まりが低下する。
【0005】一方、溶解法以外に、粉末を加圧焼結する
ことでターゲットを作製する方法がある。この加圧焼結
法では、加圧焼結量を調整することで、製品の形状に近
い焼結体を得ることができる。しかし、Ir原料粉末を
加圧焼結すると、そのガス放出が多いことから、ポアが
発生しやすく、十分な焼結密度を得ることが難しかっ
た。
【0006】このような課題に対し、Ir原料粉末から
ガス成分を除去し、高純度のIr材料を得る方法とし
て、特開平11−264028が提案されている。これ
は、Ir粉末といった原料から一旦、Ir合金を製造
し、それを酸浸出することでIr以外の成分が溶解除去
されたIr残渣を得、そのIr残渣を不活性ガスもしく
は還元雰囲気中で脱ガス処理する手法である。本手法の
場合、その脱ガス工程までの工数が掛かるに加え、その
上、高純度化のためにEB溶解を行なうことから、その
溶解中のスプラッシュやインゴット中の巣の発生が懸念
される。
【0007】そこで、本発明の目的は、焼結法によって
得られるIrターゲットに注目して、その高純度かつ密
度の高いIrターゲット材およびターゲットの製造方法
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】焼結法によるIrターゲ
ットについて、上記の課題を解決するために本発明者ら
が鋭意研究を行なった結果、そのIr原料粉末中のガス
成分および揮発成分が、その純度に加え、焼結状態にも
影響を与えていることを知見した。そこで、Ir原料粉
末の高純度化の手段を検討し、それに適切な加圧焼結条
件を組み合わせることによって、高純度のIrスパッタ
リングターゲットの製造が可能であることを見いだし、
本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、熱プラズマ処理をし
たIr粉末を加圧焼結することを特徴とする薄膜形成用
Irスパッタリングターゲット材の製造方法である。そ
して、熱プラズマ処理をしたIr粉末を加圧焼結し、機
械加工することを特徴とする薄膜形成用Irスパッタリ
ングターゲットの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、焼結法によって
得られるIrターゲットに限って、その高純度かつ密度
の高いIrターゲットを得るに好ましいIr粉末の形態
を見いだしたところにある。以下、本発明について詳し
く説明する。
【0011】本発明の薄膜形成用Irターゲット材が、
熱プラズマ処理をしたIr粉末を加圧焼結して達成され
ること、そして、それを機械加工することで高純度かつ
高密度の薄膜形成用Irターゲットとできることは上述
の通りである。具体的には、Ir原料粉末を熱プラズマ
処理することでIr粉末とし、それを加圧焼結する薄膜
形成用Irスパッタリングターゲット材の製造方法であ
って、Ir原料粉末を熱プラズマ処理することでIr粉
末とし、それを加圧焼結し、機械加工する薄膜形成用I
rスパッタリングターゲットの製造方法である。
【0012】まず、本発明のIrスパッタリングターゲ
ットの製造において重要となるのは、加圧焼結に供する
Ir粉末の形態である。このIr粉末には、市販される
ようなIr原料粉末を熱プラズマ中に投入・通過させる
“熱プラズマ処理”によって、ガス成分を十分に低減し
たIr粉末を適用することが可能である。さらには、こ
の処理よりIr粉末の球状化もが達成され、加圧焼結を
経る本発明のIrスパッタリングターゲットにおいて、
焼結中の収縮均一性が向上し、焼結中の反り、異常割れ
を減少させ、歩留を向上させる。また、収縮均一性によ
り、ニアネットシェイプ製造性が向上して、製品形状に
近い焼結体を得るに有効に作用する。
【0013】熱プラズマ処理粉末の粒径は、その処理に
供する原料の粒径に大きく左右される。そして、粉末を
用いて焼結したターゲット材の結晶粒径は、その焼結用
粉末の粒径に影響される。よって、ターゲット材の組織
微細化のためには、微細に処理された焼結用粉末、すな
わち、微細な熱プラズマ処理用原料粉末を使うのが望ま
しい。本発明に用いるIr原料粉末は、平均粒径100
μm以下の微細なものが望ましく、市販されるようなI
r粉末を例えばボールミルのような方法で粉砕し、所定
の粒径としてもよい。好ましくは平均粒径20μm以
下、さらに好ましくは10μm以下である。
【0014】これら調整されたIr原料粉末を、例えば
高周波によって発生させた熱プラズマ中に投入し、高純
度化・球状化処理を行なう。プラズマガスとしては、例
えばアルゴンもしくはアルゴンと水素の混合ガスなどを
用いる。特に水素を導入したプラズマガスとすること
で、還元雰囲気とし、別の工程で脱ガス処理を行なわな
くとも十分なガス成分の低減が可能となる。
【0015】これら熱プラズマ処理により、純度99.
999%以上(白金族,ガス成分を除く)のIr粉末と
でき、そのガス成分(酸素、水素、窒素、炭素)として
も合計で150ppm以下に低減できる。そして、プラ
ズマガス中に水素を混合させることで、そのガス成分
(酸素、水素、窒素、炭素)を合計で50ppm以下に
まで低減することも可能である。この場合、熱プラズマ
中の水素は活性となり、体積比にて10%以下の水素混
合でも十分な還元効果が得られる。
【0016】なお、加圧焼結に供される熱プラズマ処理
後のIr粉末は、その用いて焼結したターゲット材の組
織微細化の上で微細であることが好ましいが、粒径が小
さすぎると、表面に吸着する酸素の影響があるだけでは
なく、粉末の凝集傾向が高まり粉末の取り扱いが難し
く、続く加圧焼結に係る充填工程、例えばHIP(高温
静水圧プレス)缶等への充填工程の際の充填密度に低下
が起こりやすい。よって、平均粒径が1μm以上である
ことが望ましい。より好ましくは3μm以上である。
【0017】これら熱プラズマ処理にて得られたIr粉
末を加圧焼結することで高純度かつ高密度のスパッタリ
ングターゲット材が得られる。加圧焼結の手段として
は、例えばHIPやホットプレスなどが挙げられるが、
HIPは等方的な圧縮作用により均一な組織を得るに有
効である。また、電極の使用による通電加熱を必要とせ
ず、電極と材料が反応する懸念もないことから、特にH
IPは本発明の高純度・高密度化の効果を得るに最適で
ある。
【0018】加圧焼結の際には、その加圧焼結条件(圧
力、温度、時間など)を適切に調整することが有効であ
る。例えば、熱プラズマ処理後のIr粉末をHIP缶内
に充填し、脱気・封止を行なった後にHIP処理を行な
うが、HIP圧力や温度が低すぎたり、また時間が短け
れば、焼結密度が上がらない。逆にHIP圧力や温度が
高すぎたり、また時間が長すぎる場合は、ターゲット組
織における結晶粒径が粗大になったりする。したがっ
て、適切な温度・圧力・時間で加圧焼結を実施すること
が大切である。本発明に好ましくは、1300℃以上、
180MPa以上で1時間以上の加圧焼結条件であり、
この範囲にて適宜調整することにより、焼結密度が9
8.5%以上の焼結Irターゲット材の作製も可能であ
る。
【0019】このようにして得られた本発明のスパッタ
リングターゲット材であれば、その加圧焼結により、製
品の形状に近い焼結体を得ることができ、圧延といった
熱間加工工程の省略が可能である。すなわち、上記ター
ゲット材を機械加工することで、高純度かつ高密度のI
rスパッタリングターゲットを得ることができる。
【0020】
【実施例】以下に検討したIrスパッタリングターゲッ
トの作製工程について示すが、本発明はこれによって制
限されるものではない。
【0021】市販のIr原料粉末をボールミル粉砕にて
平均粒径10μmの粉末とした。本粉末を高周波によっ
て発生した熱プラズマ中に投入した。プラズマ動作ガス
はアルゴンと水素の混合ガスを用いた(アルゴン:水素
=100:2(体積比))。これにより得られた熱プラ
ズマ処理粉末の平均粒径は10μmであった。これらI
r原料粉末およびプラズマ処理を行なったIr粉末につ
いて、そのGD−MS(グロー放電質量分析)による組
成を表1に、ガス吸光分析によるガス分析結果を表2に
示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】続いて、熱プラズマ処理を行なった上記の
Ir粉末を内壁にMo箔を張ったHIP缶に充填した。
次いで、450℃で5時間、HIP缶内の脱気処理を行
い、その後、封止した。そして、1300℃,182M
Paで1時間(実施例1)と3時間(実施例2)のHI
P処理をそれぞれ行なった。また、熱プラズマ処理を行
なわない原料粉末での、1300℃,182MPaで3
時間(比較例)のHIP処理も行なった。これらのHI
P条件と加圧焼結後の充填密度との関連性を表3に纏め
た。
【0025】
【表3】
【0026】熱プラズマ処理を行なったIr粉末による
焼結体は、その高純度化に併せて、95%以上の焼結密
度が達成されている。そして、加圧焼結条件を適切に調
整した焼結体は98.5%以上の焼結密度を達成した。
また、それら焼結体に異常割れは確認されず、比較例に
比して反りも改善されていた。この焼結体を機械加工す
ることで、熱間加工を行なわずにスパッタリングターゲ
ットが作製でき、作製したスパッタリングターゲットは
パーティクルが少なく、良質なIr薄膜をスパッタ形成
することができた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、良質なIrスパッタリ
ングターゲットが作製できる。また、HIP処理といっ
た加圧焼結により、製品により近い形状で焼結ターゲッ
ト材を得ることが出来るため、ターゲットまでの製造工
数、そして、コストの低減が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱プラズマ処理をしたIr粉末を加圧焼
    結することを特徴とする薄膜形成用Irスパッタリング
    ターゲット材の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱プラズマ処理をしたIr粉末を加圧焼
    結し、機械加工することを特徴とする薄膜形成用Irス
    パッタリングターゲットの製造方法。
JP2001252762A 2001-08-23 2001-08-23 薄膜形成用Irスパッタリングターゲット材およびIrスパッタリングターゲットの製造方法 Pending JP2003064472A (ja)

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