JP2003064449A - 耐熱用低合金鋼管およびその製造方法 - Google Patents

耐熱用低合金鋼管およびその製造方法

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JP2003064449A JP2002166144A JP2002166144A JP2003064449A JP 2003064449 A JP2003064449 A JP 2003064449A JP 2002166144 A JP2002166144 A JP 2002166144A JP 2002166144 A JP2002166144 A JP 2002166144A JP 2003064449 A JP2003064449 A JP 2003064449A
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正晃 五十嵐
Atsushi Hirata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】疵発生が少なく、かつ高温強度の高い耐熱用低
合金鋼管とその製造方法の提供。 【解決手段】所定量のC、Si、Mn、P、S、Cr、Ti、
V、Nb、B、Al、Ca、N、ならびにMoおよびWのうちの
いずれか一方または両方、さらに必要に応じてCuおよび
Niのうちのいずれか一方または両方を含み、残部がFeお
よび不純物で、下記(a)式および(c)式、更には(d)式を
満足し、金属組織がベイナイト主体の耐熱用低合金鋼
管。前記化学組成の溶鋼を連続鋳造して得られた鋳片を
素材として製管した後、その組織を連続式の熱処理炉内
でベイナイトに変態させる耐熱用低合金鋼管の製造方
法。 DF=T−T≦250 ・・・・(a)、 E>0 ・・・・・・・・・(c) 1≦(Ni/Cu)<5 ・・・・(d) ただし、T、TおよびEは鋼の組成元素から決定
される定数。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱用低合金鋼管
とその製造方法に係り、より詳しくは、特別な製造設備
を使用せずに製造でき、疵の発生がなく高温強度が高い
ベイナイト組織を有する耐熱用低合金鋼管とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】400 ℃以上の高温環境下で使用される耐
熱鋼は、大別して、Cr含有量が数%以下の低Crフェラ
イト鋼、Cr含有量が 9〜12%の高Crフェライト鋼、お
よびオーステナイト鋼の3種類の鋼に分けられる。こ
れらの鋼は温度、圧力などの使用環境や経済性を考慮に
入れた上、適宜選定される。
【0003】これらの中でも、低Crフェライト鋼は一般
に低合金鋼と呼ばれ、高Crフェライト鋼やオーステナイ
ト鋼に比べて、低コストで製造が可能であり、しかも熱
膨張率が小さく、かつ熱伝導性が優れていることから、
発電用ボイラや化学プラントなど多岐の分野で耐熱鋼と
して用いられる。例えば、このような低合金鋼の代表例
としては、JIS G 3462に規定されるSTBA22(1Cr-0.5M
o)、STBA23(1.25Cr-0.5Mo)、STBA24(2.25Cr-1Mo)および
火力技術基準に規定される火STBA21(1Cr-0.3Mo)などが
挙げられる。
【0004】これらの低合金鋼において、材料設計上、
高温強度は極めて重要な特性の一つである。ボイラや化
学プラントなどに用いられる低合金鋼で作製された鋼管
(以下、低合金鋼管という)は、特に厳しい使用環境下
で用いられることからその素材の高温強度は高いことが
好ましい。これらの環境下で使用される低合金鋼管の肉
厚は、その使用環境、素材の高温強度に応じて決定され
るが、高温強度には限界があるため、一定の制限下のも
とに肉厚設計をせざるを得ない。
【0005】そこで、従来は、低合金鋼の高温強度を高
めるため、固溶強化や析出強化による素材の改善が図ら
れてきた。固溶強化を利用した高温強度の改善は、鋼に
適正量のCrやMoを含有させることによって行われる。ま
た、析出強化を利用した高温強度の改善は、低合金鋼に
V、Nb、Tiなどを添加し、微細な炭化物や窒化物を析出
させることによって行われる。例えば、特開平8-158022
号公報には、析出物を凹凸面を有する形状にし、その量
を特定することによってクリープ強度を向上させた低合
金鋼とその製造方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような低合金鋼
は、例えば、ボイラ、化学工業などの分野で使用する鋼
管用の材料に用いられる。鋼管の製造に当たっては、高
温における強度特性などを考慮に入れた材料設計やコス
トパフォーマンスの観点から製造条件が検討される。
【0007】通常、低合金鋼の鋼管の製造は、鋼片をマ
ンネスマン穿孔するか、または熱間押出することによっ
て行われる。鋼片を鋳造により作製した場合、鋼片の外
殻から凝固が進み、鋼片の中心部が最後に凝固するた
め、得られた鋼片の中心部には、ポロシティ、偏析など
の欠陥が生成しやすい。また、鋳造の際には、凝固収縮
により鋼片の中心部には外殻から引張応力が作用する。
引張応力が鋼片の強度に比べて大きい場合、中心部に割
れ、いわゆる軸心割れが生じる。
【0008】このような欠陥や軸心割れは穿孔および延
伸圧延や押出加工の工程で解消される場合もあるが、鋼
片に欠陥や軸心割れが多く発生した場合、製管後の鋼管
内面にこの欠陥が引き継がれることがあり、また、新た
に表面疵などの欠陥が発生する場合がある。
【0009】このような鋼管内面の欠陥を防止するため
には、熱間にて鋼片を鍛造あるいは圧延し、鋼片内部の
欠陥や軸心割れをあらかじめ圧着消滅させておく方法が
あるが、コスト、製造時間を考慮すると、鍛造、圧延工
程を経ずに穿孔および延伸圧延を行うこと、言いかえれ
ば、鋳造、具体的には連続鋳造したままの鋼片がその中
心部に欠陥、軸心割れを有していないことが好ましい。
【0010】鋳片の中心部に発生するセンターポロシテ
ィなどを低減させるようにした連続鋳造方法としては、
例えば、特開平8-332556号公報、特開2001-62550号公報
および特許第2856068号公報に示される方法があるが、
これらの公報に示される方法いずれも鋼の変態温度につ
いては全く考慮していない。
【0011】また、中心部に欠陥や軸心割れのない鋼片
でも、穿孔および延伸圧延や押出加工により鋼管内面に
欠陥が発生する場合がある。この欠陥は鋼片の組成に依
存するため、鋳造を行う前の溶鋼組成の成分調整が必要
となる。
【0012】本願発明の課題は、高温強度の高い耐熱用
低合金鋼管とそのような鋼管を疵の発生なく製造する方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、鋳
造により作製された鋼片の中心部に欠陥や軸心割れが生
じない条件、または最終製品に影響を及ぼさない程度の
軽微な欠陥や軸心割れしか生じない条件について検討し
た。
【0014】鋳造により発生する欠陥は、溶鋼が凝固し
た後の冷却過程に起こる収縮により発生する。鋳造工程
では、冷却過程において、δフェライトが最初に析出
し、それがオーステナイトγ(以下、単にγと記す)に
変態する。δフェライトがγに変態(A変態)する際
には、収縮が起こり体積が減少するため、δフェライト
が、先に変態が完了して生成したγの拘束を受け、引張
応力が発生する。
【0015】その結果、δフェライト粒の粒界や、δフ
ェライトとγの粒界部でポロシティなどの欠陥が生じ
る。ポロシティなどが発生しないようにするには、本出
願人が先に特許出願(特願 2001-128947号)した明細書
に詳述したように、溶鋼が粒界部へスムーズに供給され
るようにγの変態が速やかに行われればよい。
【0016】δフェライトからγへの変態の進行を速や
かに行うには、液相から変態したδフェライトが短時間
のうちにγに変態すればよい。言い換えれば、液相から
δフェライトへの変態点とδフェライトからγへの変態
点の温度差が小さければ小さいほどよい。そこで、この
温度差を簡易に求めるために、凝固形態を単相凝固と仮
定した場合の変態温度差DFを利用した。
【0017】図1は、液相からδフェライトへの変態点
とδフェライトからγへの変態点の温度差(DF)を概念
的に表した図である。図1においてDFは液相Lからδフ
ェライトへの変態点Tとδフェライトからγへの変態
点Tの差で与えられる。すなわち、DF=T−T
ある。
【0018】単相凝固とした場合のTとTは、鋼に
含まれる元素の量と平衡分配係数などにより算出できる
ことが認識されており、これらの知見と発明者らによる
実験結果によりTおよびTを下記のとおり定義し
た。なお、下記式の右辺に含まれる元素記号は各元素の
含有量(質量%)である。
【0019】T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.1
6Mn+1.01P+1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.01W+0.18Cu+0.13
Ni)。 T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
0.25S+1.01Cr+0.55Mo+1.29W-1.49Cu-1.34Ni)。
【0020】そして、DFが一定の条件を満たすとき、連
続鋳造して得られる鋼片に発生するポロシティなどの欠
陥を抑制できることを知得した。
【0021】また、連続鋳造の際、鋳片中心部の固相率
が或る範囲内にあるときに鋳片を一定の水量密度で強制
冷却すると、上記のDFが大きい場合でも、鋼片に発生す
るポロシティなどの欠陥を抑制できることも知得した。
【0022】一方、上記の条件を具備する鋼片を用いて
も、熱間にて製管した後の鋼管に表面疵が発生すること
があった。そこで、その原因について調べたところ、こ
の表面疵はCu添加鋼の場合に限って発生しており、粒界
に偏析したCuが製管時に融解するために表面疵(いわゆ
る、「Cuチェッキング」)になることを知得した。さら
に、鋼片に含有されるNiとのバランスを調整し、Cuを母
相へ固溶させることで、Cuチェッキングの発生を抑制す
ることができることもわかった。
【0023】また更に、このような鋼管に対し、高温強
度を高めるため、炉内に冷却帯が設けられた高能率の連
続式の熱処理炉を用い、鋼管の金属組織をベイナイトが
主体の組織となるような熱処理を施すことを考え、その
熱処理の条件について検討した。その結果、ベイナイト
主体の組織を得るには、B含有量、特に窒素と結合して
いないフリーのB含有量を規制するとともに、特定の冷
却速度で冷却する必要があることも知得した。鋼管の金
属組織をベイナイト主体の組織とすれば、炭化物が高密
度かつ均一に分散することにより高温強度を確保でき
る。
【0024】本発明は、上述の知見をもとに完成に至っ
たものであり、その要旨は下記(1)〜(4)の耐熱用
低合金鋼管、および下記(5)〜(7)の耐熱用低合金
鋼管の製造方法にある。
【0025】(1)質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:
0.01〜0.7%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.020%以下、
S:0.008%以下、Cr:0.5〜2.7%、Ti:0.005〜0.02
%、V:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0020〜
0.0100%、Al:0.02%以下、Ca:0.005%以下および
N:0.0100%以下、ならびにMo:0.01〜1%およびW:
0.01〜2%のうちの1種以上を含有し、残部がFeおよび
不純物からなり、下記(a)式および(c)式を満足し、金属
組織がベイナイト主体の組織である耐熱用低合金鋼管。
【0026】DF=T−T≦250 ・・・・・・・(a) E>0 ・・・・・・・・・・・・(c) ただし、 T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.01W) T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
0.25S+1.01Cr+0.55Mo+1.29W) E=B-{(11/14)×N-(11/48)×Ti} ここで、上記の各式中の元素記号は鋼中に含まれる各元
素の含有量(質量%)を意味する。
【0027】(2)質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:
0.01〜0.7%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.020%以下、
S:0.008%以下、Cr:0.5〜2.7%、Ti:0.005〜0.02
%、V:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0020〜
0.0100%、Al:0.02%以下、Ca:0.005%以下および
N:0.0100%以下、ならびにMo:0.01〜1%およびW:
0.01〜2%のうちの1種以上、さらにCu:0.01〜0.5%お
よびNi:0.01〜0.5%のうちの1種以上を含有し、残部
がFeおよび不純物からなり、下記(a)式および(c)式を満
足し、金属組織がベイナイト主体の組織である耐熱用低
合金鋼管。
【0028】DF=T−T≦250 ・・・・・・・(a) E>0 ・・・・・・・・・・・・(c) ただし、 T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.01W+0.18Cu+0.13Ni) T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
0.25S+1.01Cr+0.55Mo+1.29W-1.49Cu-1.34Ni) E=B-{(11/14)×N-(11/48)×Ti} ここで、上記の各式中の元素記号は鋼中に含まれる各元
素の含有量(質量%)を意味する。
【0029】(3)質量%で、Mo:0.01〜1%および
W:0.01〜2%をともに含む場合、下式(d)を満足する上
記(2)に記載の耐熱用低合金鋼管。
【0030】1≦(Ni/Cu)<5 ・・・・・・(d) (4)質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.01〜0.7
%、Mn:0.3〜1.5%、P:0.015%以下、S:0.005%以
下、Cr:0.5〜2%、Mo:0.01〜1%、Ti:0.005〜0.02
%、V:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0020〜
0.0100%、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Al:0.
01%以下、Ca:0.005%以下およびN:0.0100%以下を
含有し、残部がFeおよび不純物からなり、下記(b)式、
(c)式および(d)式を満足し、金属組織がベイナイト主体
の組織である耐熱用低合金鋼管。
【0031】 DF=T−T≦180 ・・・・・・・・(b) E>0 ・・・・・・・・・・・・・(c) 1≦(Ni/Cu)<5 ・・・・・・・・(d) ただし、 T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.18Cu+0.13Ni) T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
0.25S+1.01Cr+0.55Mo-1.49Cu-1.34Ni) E=B-{(11/14)×N-(11/48)×Ti} ここで、上記の各式中の元素記号は鋼中に含まれる各元
素の含有量(質量%)を意味する。
【0032】(5)上記(1)から(3)までのいずれ
かに記載の耐熱用低合金鋼管の製造方法であって、連続
鋳造により断面積が1018cm以下の鋼片を作製し、この
鋼片を素材として熱間で穿孔および延伸圧延を施して継
目無鋼管とした後、この鋼管を連続式の熱処理炉に装入
して加熱するとともに炉内において冷却する際、冷却速
度を500℃/h以上とする耐熱用低合金鋼管の製造方法。
【0033】(6)上記(4)に記載の耐熱用低合金鋼
管の製造方法であって、連続鋳造により断面積が1018cm
以下の鋼片を作製し、この鋼片を素材として熱間で穿
孔および延伸圧延を施して継目無鋼管とした後、この鋼
管を連続式の熱処理炉に装入して加熱するとともに炉内
において冷却する際、冷却速度を500〜3000℃/hとする
耐熱用低合金鋼管の製造方法。
【0034】(7)連続鋳造により断面積が1018cm
下の鋼片を作製する際、溶鋼を断面積が1018cm以下の
モールドに鋳込み、鋳片中心部の固相率が0.1〜0.8にな
る位置から0.99以上になる位置までの間を水量密度25〜
300リットル/min・mで強制冷却する上記(5)または
(6)に記載の耐熱用低合金鋼管の製造方法。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明で対象とする低合金鋼管と
は、例えば、JIS G 3462に規定されるSTBA22、STBA23、
STBA24およびこれらの相当鋼、火力技術基準に規定され
る火STBA21およびその相当鋼などの低合金鋼を使用して
作製された鋼管のことをいう。以下では、本発明に係る
耐熱用低合金鋼管および耐熱用低合金鋼管の製造方法に
関し、鋼管の化学組成と鋼管の製造条件についてそれぞ
れ詳細に述べる。
【0036】1.鋼管の化学組成 以下では、鋼管の化学組成について詳述する。なお、以
下の%はすべて質量%を示す。
【0037】C:0.03〜0.10% CはNb、Ti、VなどとMX型炭化物を形成し、高温強度
を高める効果を有する。しかし、Cの含有量が低いと炭
化物が十分析出せず、焼入れ能が低下するため、C含有
量は0.03%以上とする。一方、Cの含有量が0.10%を超
えると、溶接施工性が低下し、さらに連続鋳造の際にモ
ールド内に添加されるパウダの選択が困難になる。した
がって、C含有量は0.03〜0.10%とする。
【0038】Si:0.01〜0.7% Siは溶鋼を脱酸し、さらに、鋼自体の耐水蒸気酸化性を
高める効果も有する。これらの効果は、Si含有量が0.01
%以上で得ることができる。しかし、Siを過剰に含有さ
せると靱性が劣化し、クリープ強度も低下するので、Si
含有量の上限は0.7 %とする。
【0039】Mn:0.01〜1.5% Mnは鋼の焼入れ性を向上させ、靱性を劣化させることな
く強度を向上させる効果を有する。これらの効果は0.01
%以上で得られ、0.3 %以上の場合に特に顕著になる。
一方、過剰に含有させると、クリープ強度の低下を招く
ことがあるので、Mn含有量の上限は1.5 %とする。好ま
しいのは0.3〜1.5%である。
【0040】P:0.020%以下 Pは溶接時に高温割れを引き起こす不純物元素で、その
含有量が0.020 %を超えると溶接特性が著しく悪くなる
ので、P含有量は0.020 %以下とする。好ましいのは0.
015 %以下、より好ましいのは0.010 %以下である。な
お、P含有量は低ければ低いほどよい。
【0041】S:0.008%以下 Sはクリープ延性を低下させる不純物元素で、その含有
量が0.008 %を超えるとクリープ延性が著しく低下する
ので、S含有量は0.008 %以下とする。好ましいのは0.
005 %以下、より好ましいのは0.003 %以下である。な
お、P含有量も低ければ低いほどよい。
【0042】Cr:0.5〜2.7% Crは耐酸化性および耐高温腐食性を向上させる効果を有
する。これらの効果は0.5 %以上の含有量で得られる。
しかし、2.7 %を超えると溶接施工性が低下するので、
Cr含有量の上限は2.7 %とする。好ましい上限は2%で
ある。
【0043】Ti:0.005〜0.02% TiもMoと同様にMX型窒炭化物を析出させるため析出強
化に寄与し、特にフリーの窒素を固定するのに効果的に
作用する。また、焼入れ性を向上させる効果も有する。
これらの効果は0.005 %以上の含有量で得られるが、0.
02%を超えると靱性が低下するので、Ti含有量は0.005
〜0.02%とする。
【0044】V:0.01〜0.5% VもMoおよびTiと同様にMX型の窒炭化物を析出させる
ため析出強化に寄与する。この効果は0.01%以上の含有
量で得られるが、0.5 %を超えると靱性が低下するの
で、V含有量は0.01〜0.5 %とする。
【0045】Nb:0.01〜0.5% NbもMo、TiおよびVと同様にMX型の窒炭化物を析出さ
せるため析出強化に寄与する。この効果は0.01%以上の
含有量で得られるが、0.5 %を超えると靱性が低下する
ので、Nb含有量は0.01〜0.5 %とする。
【0046】B:0.0020〜0.0100% Bは焼入れ性を向上させる効果を有するとともに、後述
する熱処理により鋼管の金属組織をベイナイトに変態さ
せるために不可欠な元素である。これらの効果が発揮さ
れるのは、B含有量が0.0020%以上のときである。しか
し、Bを過剰に含有させると、靱性が低下するので、B
含有量の上限は0.0100%とする。
【0047】Al:0.02%以下 Alは溶鋼の脱酸のために必要に応じて添加することがで
きる。脱酸効果を十分に発揮されるには、Al含有量を0.
001 %以上とするのが望ましい。しかし、Al含有量が過
剰になると、鋼中に非金属介在物量が増加し、クリープ
強度が劣化するのでAl含有量の上限は0.02%とする。好
ましいのは0.01%以下である。なお、前述したSiやMnな
どによって脱酸が十分に行われ場合には、Alは必ずしも
積極的に添加しなくてもよい。
【0048】Ca:0.005%以下 Caは溶鋼内の介在物の形態を球状化させて精錬中もしく
は鋳造時に溶鋼内より浮上分離させる作用をもつ。ま
た、連続鋳造の際に注湯ノズルの詰まりを防止する。し
たがって、必要に応じて含有させることができる。これ
らの効果が十分に発揮されるのは、Ca含有量が0.0001%
以上のときである。しかし、Caを過剰に含有させると、
浮上分離されずに鋼中に残留する球状のCa系介在物量が
増加し、クリープ強度が劣化するので、Ca含有量の上限
は0.005 %とする。
【0049】N:0.0100%以下 Nは鋼の焼入れ性を左右する元素であり、Nが鋼中に大
量に含有していると、焼入れ性が低下してベイナイト組
織の確保が困難になるだけでなく、Nを固定するために
Tiなど他の元素を多量に含有させる必要があるため、N
含有量は0.0100%以下であることが好ましい。
【0050】Mo:0.01〜1% Moは固溶強化に寄与するとともに、MX型の窒炭化物を
析出させるため析出強化にも寄与し、クリープ強度を向
上させる効果を有する。これらの効果は0.01%以上の含
有量で得られる。一方、Moは高価な元素で、過剰な添加
は製造コストの上昇を招くためその含有量はできるだけ
低く抑えるのが好ましいので、Mo含有量の上限は1%と
する。
【0051】W:0.01〜2% Wは、上記のMoと同様に、固溶強化に寄与するととも
に、MX型の窒炭化物を析出させるため析出強化にも寄
与し、クリープ強度を向上させる効果を有する。これら
の効果は0.01%以上の含有量で得られる。一方、Wも高
価な元素で、過剰な添加は製造コストの上昇を招くため
その含有量はできるだけ低く抑えるのが好ましいので、
W含有量の上限は2%とする。
【0052】なお、MoとWは必ずしも複合で含有させる
必要はなく、いずれか一方を含有させれるだけでもよ
い。
【0053】本発明の鋼管の一つは上記の成分以外は実
質的にFeからなるものである。本発明の鋼管の他の一つ
は、上記の成分に加えて更に下記の成分のうちのいずれ
か一方または両方を含むものである。
【0054】Cu:0.01〜0.5% Cuはオーステナイト形成元素として作用するとともに、
DFを小さくする作用を有し、鋼片を連続鋳造する際に発
生する軸心割れを軽減させるだけでなく、鋼管の熱伝導
性をも向上させる。これらの効果は、0.01%以上の含有
量で得られる。しかし、0.5 %を超えると、連続鋳造時
に通常のポーラスなスケールとは異なり、緻密でしかも
鋳片との密着性が高くて熱伝導性が良好なスケールを形
成し、これが原因で過冷却を招いてγ→σ変態が起こ
り、鋳片の中心部に割れが発生しやすくなる。このた
め、添加する場合のCu含有量は0.01〜0.5 %とした。
【0055】Ni:0.01〜0.5% NiもCuと同様にオーステナイト形成元素として作用する
とともに、DFを小さくする作用を有し、鋼片を連続鋳造
する際に発生する軸心割れを軽減させるだけでなく、靱
性をも向上させる。これらの効果は、0.01%以上の含有
量で得られるが、Niは高価な元素であるから過剰な添加
は製造コストの上昇を招く。このため、添加する場合の
Ni含有量は0.01〜0.5 %とした。
【0056】以上では、鋼管に含有される成分について
述べた。本発明の鋼管では、さらに各成分が前述の(a)
式〜(d)式、特に(a)式、(b)式および(c) 式を満たさな
ければならない。(a)式〜(d)式については、鋼管の製造
条件と密接に関係するものであるので、以下の「鋼管の
製造条件」で説明する。
【0057】2.鋼管の製造条件 本発明の耐熱用低合金鋼管は、例えば、溶鋼を、内径が
製管用のビレット径に等しいように成形された砂型や鋼
製の鋳型に鋳込んで製造された鋳込みままの鋼片、また
は通常の造塊法により得られたインゴットに分塊圧延な
どを施して所定のビレット径に成形した鋼片を用いて製
造することもできるが、溶鋼を連続鋳造して鋼片を作製
することが好ましい。連続鋳造法では、製造コストを低
く抑えることができるからである。このとき、鋼片(以
下においては鋳片ということもある)は、鋳片中心部の
固相率が0.1〜0.8になる位置から0.99以上になるまでの
間を水量密度25〜300リットル/min・mで強制冷却する
のが好ましい。その理由は後述するとおりである。
【0058】以下では、本発明の耐熱用低合金鋼管を連
続鋳造したままの鋳片を用いて製造する方法について述
べる。この製造方法では、まず、溶鋼を連続鋳造により
鋳込み、断面積が1018cm以下の鋳片(鋳片が丸ビレッ
トの場合、直径360mm以下)を作製する。
【0059】本発明で、連続鋳造により得られる鋳片の
断面積は1018cm以下であることを必要とするのは、こ
の面積を超える断面積を有する鋳片を連続鋳造で鋳込む
と、鋳片の中心部の冷却が充分に行われず、半溶融部の
体積が大きくなって、凝固した鋳片の外殻が半溶融部を
支えることができなくなり、連続鋳造が行えなくなるか
らである。
【0060】鋳片の断面形状には特に制限はないが、連
続鋳造した後に熱間で行われる穿孔および延伸圧延を考
慮に入れると、丸形状であることが望ましい。すなわ
ち、連続鋳造では丸ビレットを作製することが好まし
い。
【0061】一方、連続鋳造により鋳片を作製しても、
その鋳片の中心部に欠陥が発生している場合には、穿孔
および延伸圧延して鋼管にしたとき、鋼管内面に欠陥が
生じる場合がある。鋳片の断面積が1018cm以下である
ことを前提として、鋼管内面の欠陥の発生を抑制するた
めには、鋼の化学組成に応じて下記(a)式を満たすこと
が必要である。
【0062】DF=T−T≦250 ・・・・(a) ただし、 T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.01W)、または T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.01W+0.18Cu+0.13Ni) T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
0.25S+1.01Cr+0.55Mo+1.29W)、または T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
0.25S+1.01Cr+0.55Mo+1.29W-1.49Cu-1.34Ni) ここで、上記各式の右辺中の元素記号は鋼中に含まれる
各元素の含有量(質量%)を意味する。
【0063】DFが250 を超えると、前述したように、溶
鋼が凝固する際、鋼片の中心部には欠陥が発生し、この
欠陥が最終製品である鋼管に引き継がれる。
【0064】連続鋳造により鋼片を作製した後は、この
鋼片をそのまま熱間で穿孔および延伸圧延して鋼管とす
る。その際、上記のようにDFを250 以下とすることによ
り、鋼管にはポロシティなどの欠陥や軸心割れに起因す
る欠陥は発生しないか、発生したとしても軽微なものと
なる。
【0065】鋳片は、前述したように、その中心部の固
相率が0.1〜0.8になる位置から0.99以上になるまでの間
を鋳片表面における水量密度が25〜300 リットル/min・
mになる条件で強制冷却するのが好ましい。このよう
に強制冷却すると、DFを250以下としたこととの相乗作
用により、鋳片の中心部にポロシティなどの欠陥や軸心
割れがより一層発生しにくくなる。
【0066】強制冷却を行う場合の条件を上記のように
定めたのは次の理由による。鋳片中心部の固相率が0.1
未満の位置で強制冷却を開始したのでは、冷却開始が早
すぎて鋳片中心部の収縮代が大きくなるときに表面の収
縮代を大きく保てなくなって中心部の内質改善がなされ
ない。また、固相率が0.8 を超える位置で強制冷却を開
始したのでは、最終の凝固位置に近すぎて中心部の内質
改善に必要な時間が確保できない。さらに、固相率が0.
99未満の位置で強制冷却を終了すると、中心部が完全に
凝固していないのに加え、鋳片表面の復熱によって中心
部に引張応力が作用するために逆に中心部の内質が悪化
する。一方、水量密度が25リットル/min・m未満で
は、強制冷却したことにならず、300リットル/min・m
を超えると鋳片表面が過冷却となり、鋳片の曲がりが発
生するなどの問題が生じる。
【0067】鋳片中心部の固相率が上記の値となる位置
は、鋳片が丸ビレットの場合、例えば、次のようにして
求めることができる。すなわち、下記(e) 式で表される
円柱座標熱伝導微分方程式を解き、時間t経過後の半径
rの位置における鋳片の温度θを求め、求めた温度θと
状態図とから鋳片中心部の固相率を求める。そして、固
相率が0.1〜0.8および0.99となるときの経過時間tと鋳
造速度に基づいてメニスカスからの距離を求めることに
より、固相率が0.1〜0.8および0.99となる位置を知る。
【0068】 ∂H/∂t=λ/ρ{(∂φ/∂r)+(1/r)(∂φ/∂r)}+(Qi/ρ) ・・・・(e) ここで、 H:鋳片の含熱量(J/kg)、 t:凝固開始からの経過時間(sec)、 λ:鋳片の熱伝導率(J/m・s・K)、 ρ:鋼の密度(kg/m)、 φ:鋼片温度の変換温度(K)、「φ=∫θ θd(λ/
λ)dθ」、 r:半径(m)、 θ:鋳片の温度(K)、 Qi:鋳片の内部発生熱(J/m・sec)。
【0069】図2は、上記強制冷却の実施態様を示す図
で、強制冷却は図中の最終冷却手段7を用いて行えばよ
い。なお、図中、1は一次冷却手段を兼ねる水冷鋳型、
2は浸漬ノズル、3は溶鋼、4は凝固殻、5は鋳型直下
に設けられた二次冷却手段、6は凝固が完了した鋳片
(丸ビレット)、8はピンチロール、9は切断トーチで
ある。
【0070】なお、上記の強制冷却を行わない場合は、
DFは180 以下とするのが望ましい。
【0071】鋳片が低融点金属であるCuを多く含む場合
には、前述したように、Cuチェッキングが生じて鋼管表
面に疵が発生する。なお、Cuチェッキングとは、Cuが粒
界に偏析し、そのCuが製管時に溶解し、表面疵となる現
象である。
【0072】Cuチェッキングは、Cuの含有量が0.5 %以
下であれば顕著には生じないが、Cuとともに下記(d) 式
を満たすNiを添加することでその発生を確実に防ぐこと
ができる。したがって、Cuを添加する場合はNiと複合で
添加するのがよい。
【0073】1≦(Ni/Cu)<5 ・・・・・・(d) Cu含有量がNi含有量より多いと、鋼管表層にCuチェッキ
ングが生じて表面疵が発生する。このため、1≦(Ni/C
u)を満たす必要がある。一方、(Ni/Cu)の値を大きくす
ることはCuチェッキングの発生防止には効果があるが、
Ni含有量がCu含有量の5倍以上、すなわち(Ni/Cu)≧
5ではその効果は飽和する。高価なNiの含有量を抑制す
るためには、(Ni/Cu)<5とするのが好ましい。
【0074】製管後の鋼管は、連続型焼鈍炉などの熱処
理炉を用いて熱処理を行う。熱処理により鋼管組織をベ
イナイト主体の組織に変態させることで高温強度の高い
耐熱用低合金鋼管を得る。ベイナイトは所定の温度で一
定時間以上保持した後、急冷することによって得ること
ができる。冷却履歴によって羽根状ベイナイト(上部ベ
イナイト)や針状ベイナイト(下部ベイナイト)といっ
た特性の異なるベイナイトが得られるが、本発明で変態
させて得るベイナイトはその種類を問わない。
【0075】熱処理炉内では、所定の温度に加熱保持し
た後、500 ℃/h以上の速度で冷却する。連続型焼鈍
炉、例えば、ハースローラ式光輝焼鈍炉では、冷却速度
は焼鈍炉内での送管速度に比例する。送管速度が遅い場
合、すなわち冷却速度が遅い場合、生産性は低下する。
そのため、加熱保持した後の冷却速度は500 ℃/h以上
とする。なお、冷却速度は速ければ速いほどよいので上
限は特定しない。しかし、処理能力や経済性など考慮し
て設計された既存のハースローラ式光輝焼鈍炉の冷却能
の上限がおよそ3000℃/h程度であることからその上限
は3000℃/hとするのが好ましい。
【0076】500 ℃/h以上の冷却速度で冷却する場
合、下記(c)式を満たすことが必要である。
【0077】E>0 ・・・・・・・・・・・・(c) ただし、 E=B-{(11/14)×N-(11/48)×Ti} ここで、上記の各式中の元素記号は鋼中に含まれる各元
素の含有量(質量%)を意味する。
【0078】B(ボロン)は熱処理の際の焼入れに重要
な役割を果たす。上記 (d)式のEは、焼入れ指数を表
し、焼入れに有効なB含有量を表す。Bは窒素と容易に
化合してBNを形成する。窒素と化合したBは焼入れに
は有効に働かない。そのため、焼入れに有効なBは、全
B量からBNとなるB量を差し引いたものとなる。一
方、チタンが存在すれば、優先的にTiNが形成されるた
め、NはTiNとして消費され、BNとなるN量は減少す
る。したがって、Eは窒素と化合してBNを形成しな
いフリーのB含有量を表す。
【0079】Eが正、すなわち焼入れに有効なBが鋼
管中に含有していれば、冷却による焼入れが適切に行わ
れ、ベイナイト組織を得ることができる。
【0080】十分な時間で所定の温度に加熱保持して上
記の条件で冷却すれば、ベイナイトの変態量を100%近
くにすることができる。熱処理を施すことにより鋼管の
内外面にフェライトの脱炭層が形成されることを考慮す
れば、ベイナイトの変態量は80%を超える量とするのが
望ましい。また、脱炭層を除く鋼管のベイナイトの変態
量は100%であることが好ましい。保持温度はあらかじ
め作製した冷却変態図(CCT 図)を参照して決定すれば
よい。
【0081】
【実施例】《実施例1》表1に示す化学組成を有する鋼
を溶製し、図2に示す湾曲型連続鋳造装置を用いて表2
に示す種々の条件で外径が191〜360mmの11種類の丸ビレ
ットを作製した。その際、強制冷却は図2に示す最終冷
却手段7で行った。
【0082】作製した丸ビレットは、その切断端面を対
象に浸透探傷試験を行ってセンターポロシティの発生面
積率を調べた後、マンネスマン・マンドレルミル方式の
継目無鋼管製造設備に供し、表2に示す種々の寸法の継
目無鋼管に仕上げた。なお、穿孔圧延は温度1200℃、穿
孔比(穿孔圧延後の管の長さ/ビレット長さ)2.5 で行
い、引き続いてマンドレルミルで延伸圧延した。
【0083】仕上げた継目無鋼管は、JIS G 0582に規定
される超音波探傷試験(人工疵の種類:N-12.5に供し、
管内面の疵発生率(本数比率)を調べ、その結果を表2
に併せて示した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】表2に示す結果からわかるように、本発明
で規定する範囲内の条件で作製された試験番号1〜8の
丸ビレットは、センターポロシティの発生面積率が0.06
%以下と小さく、管内面の疵発生率が0.6 %以下と低
い。
【0087】これに対し、強制冷却の開始位置が遅すぎ
る試験番号9の丸ビレットはセンターポロシティの発生
面積率は0.10%と低いものの、管内面の疵発生率が5%
と高い。また、強制冷却の終了位置が早すぎる試験番号
10の丸ビレットは、センターポロシティの発生面積率が
1.00%と高く、管内面の疵発生率も60%と著しく高い。
なお、強制冷却の水量密度が高すぎる試験番号12の丸ビ
レットは、センターポロシティの発生面積率が1.20%と
高いのに加えて、大きな曲がりが発生し、製管には供し
得なかった。
【0088】《実施例2》図2に示す湾曲型連続鋳造装
置を用い、表3に示す条件で、表4と表5に示す化学組
成を有する15種類の鋼からなる丸ビレットを作製した。
その際、強制冷却は実施例1の場合と同様に、図2に示
す最終冷却手段7で行った。
【0089】作製した丸ビレットは、実施例1の場合と
同様の方法により、センターポロシティの発生面積率を
調べた後、マンネスマン・マンドレルミル方式の継目無
鋼管製造設備に供し、外径50.8mm、肉厚8.0 mmの継目無
鋼管に仕上げ、実施例1の場合と同じ条件の超音波探傷
試験に供して管内面の疵発生率を調べた。なお、穿孔圧
延は1200℃、いずれのビレットも穿孔比2.5 で行い、引
き続いてマンドレルミルで延伸圧延した。
【0090】また、超音波探傷後の継目無鋼管は、ハー
スローラ式光輝焼鈍炉に装入して975 ℃に30分保持した
後に表6に示す冷却速度で炉冷する焼きならし処理と、
720℃に1時間保持する焼戻し処理を施した。熱処理後
の継目無鋼管は、その金属組織を調べる一方、各鋼管か
らクリープ試験片を採取してクリープ試験に供し、550
℃、1万時間のクリープ強度を調べた。以上の調査結果
を、表6に併せて示した。
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】表6に示す結果からわかるように、化学組
成および熱処理の冷却速度が本発明で規定する範囲内の
鋼No. 1〜10の継目無鋼管は、センターポロシティの発
生面積率が0.05%以下と小さく、管内面の疵発生率が0.
8 %以下と低く、しかも金属組織がいずれもベイナイト
単相で、クリープ強度も175MPa以上と高い。
【0096】これに対し、化学組成が本発明で規定する
範囲を外れる鋼No. 11〜15の継目無鋼管は、センターポ
ロシティの発生面積率が0.04%以下と小さく、管内面の
疵発生率も0.3 %以下と低いものの、金属組織がいずれ
もフェライトとパーライトの混合組織で、クリープ強度
が102MPa以下と低い。なお、鋼No. 12の丸ビレットは中
心部に軸心割れが発生しており、製管には供し得ないも
のであった。
【0097】《実施例3》表7と表8に示す化学組成を
有する13種類の鋼を溶製し、その溶鋼を逆円錐台形状の
鋳型に鋳込んで上端の直径が250 mm、下端の直径が210
mm、高さが500 mmの重さ180 kgの小型インゴットをそれ
ぞれ2つ作製した。
【0098】2つの小型インゴットのうち、一方のイン
ゴットは、その中央部を横断面に沿って切断し、鋳造に
より生成した欠陥や軸心割れを確認するのに用いた。も
う一方のインゴットは、熱間鍛造を施して外径190 mmの
丸ビレットにした後、熱間押出法により、押出温度1150
℃で外径50.8mm、肉厚8.0 mmの継目無鋼管とした。
【0099】その後、金属組織をベイナイト主体の組織
にするために、各鋼管をハースローラ式光輝焼鈍炉に装
入して975 ℃に30分保持した後に1000℃/時間で炉冷す
る焼きならし処理と、720 ℃に1時間保持する焼戻し処
理を施した。
【0100】熱処理後の継目無鋼管は、その金属組織を
光学顕微鏡で確認した後、実施例1の場合と同様の超音
波深傷試験に供して管内面の疵発生率を調べる一方、各
鋼管からクリープ試験片を採取してクリープ試験を行
い、550℃、1万時間のクリープ強度を調べた。以上の
調査結果を、表9にまとめて示した。
【0101】
【表7】
【0102】
【表8】
【0103】
【表9】
【0104】表9に示す結果からわかるように、試験に
供した溶鋼は鋳造性が悪く、いずれのインゴットにも軸
心割れが生じた。しかし、化学組成が本発明で規定する
範囲内の鋼No. 16〜25のインゴットは、軸心割れが14mm
以下と小さくて管内面の疵発生率も3%以下と少なく、
金属組織もベイナイト単相で、クリープ強度が154MPa以
上と高い。
【0105】これに対し、化学組成が本発明で規定する
範囲を外れる鋼No. 26〜28のインゴットのうち、本発明
で規定する範囲内ではあるが、DFが凝固時に強制冷却を
行わない場合における好まし上限の180 を超える鋼No.
26および27のインゴットは、軸心割れが25mm以上と極め
て大きく、製管用の素材としては使用できなかった。
【0106】また、鋼No. 28のインゴットは、軸心割れ
は12mmで製管用の素材として使用できたが、Ni含有量が
少なすぎるためにCuチェキングが生じ、管内面の疵発生
率が5%と高く、しかもEが負のために金属組織がフ
ェライトとパーライトの混合組織となり、クリープ強度
が113MPa以下と低い。
【0107】《実施例4》表10と表11に示す化学組成を
有する4種類の鋼を210 トン転炉で溶製し、図2に示す
湾曲型連続鋳造装置を用いて外径191mm(断面積286c
m)の丸ビレットを作製した。その際、最終冷却手段
7による強制冷却は実施しなかった。
【0108】作製した丸ビレットは、その端面を対象
に、浸透深傷試験を行って中心部の欠陥の有無を確認し
た後、実施例1の場合と同様に、マンネスマン・マンド
レルミル方式の継目無鋼管製造設備に供し、外径50.8m
m、肉厚8.0 mmの継目無鋼管に仕上げた。なお、穿孔圧
延は温度1200℃、穿孔比2.5 で行い、引き続いてマンド
レルミルで延伸圧延した。また、中心部の欠陥の有無
は、欠陥がないか、あっても穿孔および延伸圧延を行っ
ても支障がないと判断されるものは「○」、内面疵にな
ると判断されるものは「×」として評価し、「×」のも
のは製管には供しなかった。
【0109】仕上げた鋼管は、これも実施例1の場合と
同じ条件の超音波探傷試験に供して管内面の疵発生率
(本数比率)を調べた。超音波探傷後の継目無鋼管は、
ハースローラ式光輝焼鈍炉に装入して975 ℃に10分保持
した後に1000℃/時間の冷却速度で炉冷する焼きならし
処理と、720 ℃に1時間保持する焼戻し処理を施した。
【0110】熱処理後の継目無鋼管は、その金属組織を
調べる一方、各鋼管からクリープ試験片を採取してクリ
ープ試験に供し、550 ℃、1万時間のクリープ強度を調
べた。以上の調査結果を、表12に併せて示した。
【0111】
【表10】
【0112】
【表11】
【0113】
【表12】
【0114】表12に示す結果からわかるように、化学組
成が本発明で規定する範囲内の鋼No. 29と30の継目無鋼
管は、疵の発生率が2〜3%と少なく、金属組織がいず
れもベイナイト単相で、クリープ強度も167MPa以上と高
い。
【0115】これに対し、Ti量とEが本発明で規定す
る範囲を外れる鋼No. 31と32のうち、DFが凝固時に強制
冷却を行わない場合における好まし上限の180 を超える
鋼No. 31の丸ビレットの中心部には、穿孔および延伸圧
延を行うと内面疵になる欠陥が発生していた。また、DF
が180 以下の鋼No. 32の丸ビレットは中央部の欠陥の程
度は問題にならず製管できたが、(Ni/Cu)値が0.4 でNi
含有量が少なすぎるためにCuチェキングが発生し、疵の
発生率が7%と高く、Eも負であるために金属組織が
フェライトとパーライトの混合組織となり、クリープ強
度が108MPa以下と低い。
【0116】
【発明の効果】本発明の耐熱用低合金鋼管は、高温強度
が高いベイナイトが主体の組織からなるために耐熱性に
優れるので、ボイラや化学プラントなど厳しい使用環境
下で用いることができる。また、製管時に発生する疵が
少ないので品質が優れている。
【0117】さらに、本発明の耐熱用低合金鋼管の製造
方法は、鋼管の化学組成の調整を行い、連続鋳造を行っ
た後、穿孔および延伸圧延を行うか、または熱間押出
し、ついで熱処理を施すことにより鋼管を製造するの
で、従来の製造設備を使用でき、製造コストを抑えた低
合金鋼管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液相からδフェライトへの変態点とδフェライ
トからオーステナイト(γ)への変態点との温度差(D
F)を概念的に表した図である。
【図2】湾曲型連続鋳造装置による丸ビレットの鋳造時
における強制冷却の実施態様を示す側断面図である。
【符号の説明】
1:一次冷却手段を兼ねる水冷鋳型、 2:浸漬ノズル、 3:溶鋼、 4:凝固殻、 5:二次冷却手段 6:凝固が完了した鋳片(丸ビレット)、 7:最終冷却手段 8:ピンチロール、 9:切断トーチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21D 9/08 C21D 9/08 E C22C 38/32 C22C 38/32 38/54 38/54 (72)発明者 河野 佳織 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 五十嵐 正晃 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 平田 敦嗣 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E004 AA05 KA14 NA01 NB04 NC01 4K032 AA01 AA02 AA04 AA09 AA11 AA12 AA14 AA16 AA19 AA22 AA23 AA31 AA36 AA37 BA03 CJ02 CJ03 CJ05 4K042 AA06 BA01 CA02 CA05 CA06 CA08 CA09 CA10 CA12 CA13 DA01 DD04 DE02 DE05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.01〜
    0.7%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.020%以下、S:0.008
    %以下、Cr:0.5〜2.7%、Ti:0.005〜0.02%、V:0.0
    1〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0020〜0.0100%、A
    l:0.02%以下、Ca:0.005%以下およびN:0.0100%以
    下、ならびにMo:0.01〜1%およびW:0.01〜2%のう
    ちの1種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からな
    り、下記(a)式および(c)式を満足し、金属組織がベイナ
    イト主体の組織であることを特徴とする耐熱用低合金鋼
    管。 DF=T−T≦250 ・・・・・・・(a) E>0 ・・・・・・・・・・・・(c) ただし、 T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
    1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.01W)。 T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
    0.25S+1.01Cr+0.55Mo+1.29W)。 E=B-{(11/14)×N-(11/48)×Ti}。 ここで、上記の各式中の元素記号は鋼中に含まれる各元
    素の含有量(質量%)を意味する。
  2. 【請求項2】質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.01〜
    0.7%、Mn:0.01〜1.5%、P:0.020%以下、S:0.008
    %以下、Cr:0.5〜2.7%、Ti:0.005〜0.02%、V:0.0
    1〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0020〜0.0100%、A
    l:0.02%以下、Ca:0.005%以下およびN:0.0100%以
    下、ならびにMo:0.01〜1%およびW:0.01〜2%のう
    ちの1種以上、さらにCu:0.01〜0.5%およびNi:0.01
    〜0.5%のうちの1種以上を含有し、残部がFeおよび不
    純物からなり、下記(a)式および(c)式を満足し、金属組
    織がベイナイト主体の組織であることを特徴とする耐熱
    用低合金鋼管。 DF=T−T≦250 ・・・・・・・(a) E>0 ・・・・・・・・・・・・(c) ただし、 T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
    1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.01W+0.18Cu+0.13Ni)。 T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
    0.25S+1.01Cr+0.55Mo+1.29W-1.49Cu-1.34Ni)。 E=B-{(11/14)×N-(11/48)×Ti}。 ここで、上記の各式中の元素記号は鋼中に含まれる各元
    素の含有量(質量%)を意味する。
  3. 【請求項3】質量%で、Cu:0.01〜0.5%およびNi:0.0
    1〜0.5%をともに含む場合、下記(d) 式を満足すること
    を特徴とする請求項2に記載の耐熱用低合金鋼管。 1≦(Ni/Cu)<5 ・・・・・・(d)
  4. 【請求項4】質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.01〜
    0.7%、Mn:0.3〜1.5%、P:0.015%以下、S:0.005
    %以下、Cr:0.5〜2%、Mo:0.01〜1%、Ti:0.005〜0.
    02%、V:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0020
    〜0.0100%、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Al:
    0.01%以下、Ca:0.005%以下およびN:0.0100%以下
    を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、下記(b)式
    および(c)式を満足し、金属組織がベイナイト主体の組
    織であることを特徴とする耐熱用低合金鋼管。 DF=T−T≦180 ・・・・・・・(b) E>0 ・・・・・・・・・・・・(c) 1≦(Ni/Cu)<5 ・・・・・・(d) ただし、 T=100000/(55.25+2.35C+0.37Si+0.16Mn+1.01P+
    1.15S+0.04Cr+0.12Mo+0.18Cu+0.13Ni)。 T=100000/(60.06-4.51C+3.84Si-0.19Mn+0.98P+
    0.25S+1.01Cr+0.55Mo-1.49Cu-1.34Ni)。 E=B-{(11/14)×N-(11/48)×Ti}。 ここで、上記の各式中の元素記号は鋼中に含まれる各元
    素の含有量(質量%)を意味する。
  5. 【請求項5】請求項1から2のいずれかに記載の耐熱用
    低合金鋼管の製造方法であって、連続鋳造により断面積
    が1018cm以下の鋼片を作製し、この鋼片を素材として
    熱間で穿孔および延伸圧延を施して継目無鋼管とした
    後、この鋼管を連続式の熱処理炉に装入して加熱すると
    ともに炉内において冷却する際、冷却速度を500℃/h以
    上とすることを特徴とする耐熱用低合金鋼管の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項3に記載の耐熱用低合金鋼管の製造
    方法であって、連続鋳造により断面積が1018cm以下の
    鋼片を作製し、この鋼片を素材として熱間で穿孔および
    延伸圧延を施して継目無鋼管とした後、この鋼管を連続
    式の熱処理炉に装入して加熱するとともに炉内において
    冷却する際、冷却速度を500〜3000℃/hとすることを特
    徴とする耐熱用低合金鋼管の製造方法。
  7. 【請求項7】連続鋳造により断面積が1018cm以下の鋼
    片を作製する際、溶鋼を断面積が1018cm以下のモール
    ドに鋳込み、鋳片中心部の固相率が0.1〜0.8になる位置
    から0.99以上になるまでの間を水量密度25〜300リット
    ル/min・mで強制冷却することを特徴とする請求項4
    または5に記載の耐熱用低合金鋼管の製造方法。
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