JP2003064314A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP2003064314A
JP2003064314A JP2001253566A JP2001253566A JP2003064314A JP 2003064314 A JP2003064314 A JP 2003064314A JP 2001253566 A JP2001253566 A JP 2001253566A JP 2001253566 A JP2001253566 A JP 2001253566A JP 2003064314 A JP2003064314 A JP 2003064314A
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coating composition
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conductive filler
coating film
weight
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JP2001253566A
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Hideki Komori
秀樹 古森
Kazunori Kanda
和典 神田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜の乾燥速度が周囲の環境条件に左右され
にくく、その乾燥速度が大きい新規硬化系の塗料組成物
を提供する。 【解決手段】 5以上のアスペクト比を有する導電性フ
ィラー(a)、バインダー(b)、溶媒(c)及び顔料
(d)からなる塗料組成物であって、上記導電性フィラ
ー(a)の含有量は、上記塗料組成物100重量部に対
して0.01〜20重量部であることを特徴とする塗料
組成物。上記導電性フィラー(a)は、5〜1000の
アスペクト比を有することが好ましく、また、導電性繊
維状材料であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料組成物、更に
詳細には、マイクロ波照射により硬化させることができ
る新規硬化系の塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水や有機溶剤等の溶媒を含む塗
料は、被塗物に塗布された後に、焼き付け等の乾燥工程
を施すことによって乾燥・硬化されることになる。ここ
で、乾燥工程における塗膜の乾燥速度を大きくするため
に、溶媒は気散しやすい有機溶剤を用いた配合設計にし
たり、溶媒含有量を出来る限り少なくし、塗料中の不揮
発成分比率が大きくなるような配合設計が行われてい
た。
【0003】しかしながら、自然環境への配慮から有機
溶剤の使用を制限する動きが出始め、現在では、水性溶
媒や水溶性樹脂を用いた水性塗料が主流に成りつつあ
る。乾燥速度を大きくするための溶媒含有量の削減は、
塗布工程の作業性低下につながるため、従来技術におけ
る乾燥速度の向上を目的とした配合設計は限界にきてい
た。また、塗布工程時の工夫として溶媒が気散しやすい
ように被塗物を予め熱しておく方法等も行われてきた。
【0004】塗膜の乾燥速度は、周囲の環境条件に大き
く左右されるものであり、例えば、温度が低い状態での
乾燥速度は小さく、湿度が高い環境においても乾燥速度
が小さくなる。このため、周囲の環境条件に左右されに
くいような常に乾燥速度が大きい塗料組成物の開発、硬
化方法の開発が望まれていた。特に水性塗料の場合、溶
剤型塗料に比較して溶媒の気散が遅く、また、屋外で使
用される塗料に関しては天候や気温に乾燥速度が大きく
左右されることが多かったことから、より強く開発が望
まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、塗膜の乾燥速度が周囲の環境条件に左右されにく
く、その乾燥速度が大きい新規硬化系の塗料組成物を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定値以
上のアスペクト比を有する導電性フィラー(a)、バイ
ンダー(b)、溶媒(c)及び顔料(d)からなる塗料
組成物から形成される塗膜は、マイクロ波を照射するこ
とによって大きな乾燥速度で乾燥させることができ、周
囲の環境条件が変化しても乾燥速度が大きく保たれるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0007】本発明は、5以上のアスペクト比を有する
導電性フィラー(a)、バインダー(b)、溶媒(c)
及び顔料(d)からなる塗料組成物であって、上記導電
性フィラー(a)の含有量は、上記塗料組成物100重
量部に対して0.01〜20重量部である。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0008】本発明の塗料組成物は、5以上のアスペク
ト比を有する導電性フィラー(a)〔以下、単に「導電
性フィラー(a)」ともいう〕、バインダー(b)、溶
媒(c)及び顔料(d)からなるものである。
【0009】本発明において、導電性フィラー(a)の
アスペクト比は、5以上である。5未満であると、例え
ば、本発明の塗料組成物により形成される塗膜を速く乾
燥させるためにマイクロ波を照射する場合に、導電損失
による温度上昇が小さくなり、塗膜の乾燥速度が遅くな
る。
【0010】上記導電性フィラー(a)は、5〜100
0のアスペクト比を有するものであることが好ましい。
上記アスペクト比が大きくなるほど、少量の添加量で効
率的にマイクロ波照射により発熱が生じるので、塗膜の
乾燥速度を大きくすることが可能となる。アスペクト比
が1000を超えると、塗装作業性が低下し、また、塗
料組成物の調製時に導電性フィラーが破断し易くなるの
で、得られる塗料組成物の性能が一定のものとならない
おそれがある。より好ましくは、20〜600である。
【0011】本発明における導電性フィラー(a)が導
電性繊維状材料の場合、繊維の直径(繊維径)は5〜1
00μmであることが好ましい。また、導電性繊維状材
料における繊維の長さ(繊維長)は、長すぎると繊維が
絡まりやすくなり、かつ、破断しやすくなるので、10
0μm〜10mmが好ましい。より好ましくは500μ
m〜5mmである。本発明における導電性フィラー
(a)の形状は繊維状に限定するものではなく、棒状、
扁平状、円盤状、鱗片状等のフィラーでもよい。
【0012】本発明における導電性フィラー(a)とし
ては、導電性を有するものであれば特に限定されない
が、金属系繊維状料及び炭素系繊維材料等の導電性繊維
状材料であることが好ましい。上記導電性フィラー
(a)が導電性繊維状材料である場合には、例えば、マ
イクロ波照射によって塗膜を乾燥させたときに、導電損
失による温度上昇がより大きくなるので、乾燥速度をよ
り大きくすることが可能となる。なお、本明細書におけ
る導電性は、テスターで導通が確認できる程度のものを
意味する。
【0013】上記金属系繊維材料としては特に限定され
ず、例えば、ステンレス鋼、黄銅、銅、アルミニウム、
ニッケル、鉛等の金属単体又はこれらの合金から製造さ
れた金属繊維;木綿や麻等の植物繊維、ポリエステルや
ポリアクリロニトリル等の合成繊維、ガラス繊維や石綿
等の無機繊維等の表面に金属を蒸着、メッキ、塗布、メ
カノケミカル被覆等の処理を施した導電材被覆繊維等を
挙げることができる。なかでも、ステンレス鋼、黄銅、
銅、アルミニウム、ニッケル、鉛等の金属単体又はこれ
らの合金から製造された金属繊維が好ましい。
【0014】上記炭素系繊維材料としては特に限定され
ず、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ
系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、カーボンウィスカー
等の炭素繊維が好ましい。市販品としては、ダイヤリー
ド(商品名、三菱化学社製カーボンファイバー)等が好
ましい。上記導電性フィラー(a)として炭素繊維を用
いる場合には、例えば、マイクロ波照射によって塗膜を
乾燥させる場合に、特に効率的に導電損失を生じさせ、
温度上昇を生じさせることができることから、塗膜の乾
燥速度を特に大きくすることが可能となる。これらの導
電性フィラー(a)は、単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0015】本発明においては、上記導電性フィラー
(a)の含有量は、上記塗料組成物100重量部に対し
て0.01〜20重量部である。0.01重量部未満で
あると、添加する効果があまり見られず、塗膜の乾燥速
度が小さくなるおそれがあり、20重量部を超えると、
それに見合う効果は見られないばかりか、得られる塗膜
の耐久性や密着性が劣るおそれがある。好ましくは、
0.1〜10重量部である。なお、上記導電性フィラー
(a)のアスペクト比が大きくなるほど、少量の添加量
で効率的にマイクロ波照射により発熱が生じることか
ら、上記導電性フィラー(a)の含有量は、そのアスペ
クト比に応じて適宜選択することが好ましい。
【0016】本発明におけるバインダー(b)として
は、導電性フィラー(a)及びその他のフィラー(d)
を塗膜中に固定できるものであれば特に限定されない
が、水溶性樹脂であることが好ましい。上記バインダー
(b)が水溶性樹脂である場合には、自然環境への配慮
の観点からよく使用される水性塗料に対して好適に用い
ることができる。本明細書中において、水溶性樹脂は、
水溶解性樹脂のみならずエマルション型の水分散性樹脂
をも含む概念である。
【0017】上記バインダー(b)としては、例えば、
カルボキシル基を有する樹脂をアンモニア、アミン等で
中和・溶解させたアニオン性水溶解型樹脂;第3級アミ
ノ基を有する樹脂を酸で中和・溶解させたカチオン性水
溶解型樹脂;非水溶解型樹脂を乳化重合又は機械的に分
散させた水分散型(エマルション型)樹脂等を挙げるこ
とができる。また、水溶性エポキシ樹脂エステル等も有
用である。上記水分散型(エマルション型)樹脂として
は、市販品として、ボンコート(商品名、大日本インキ
化学工業社製アクリルエマルション樹脂)が好ましい。
【0018】上記カルボキシル基を有する樹脂として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、ノルボルネンジカルボン酸、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、ノルボルネンジカルボ
ン酸無水物、等のカルボキシル基を有するモノマーを構
成要素として含有するものを挙げることができる。なか
でも、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体等が好ましい。
【0019】上記第3級アミノ基を有する樹脂として
は、例えば、ジアルキルアミノアルカノールのアクリル
酸及びメタクリル酸エステル類、ジアルキルアミノアル
キルアミンのアクリル酸及びメタクリル酸アミド類、ジ
アルキルアミノアルキルビニルエーテル類、ビニルピリ
ジン類、等の第3級アミノ基を有するモノマーを構成要
素として含有するものを挙げることができる。
【0020】上記非水溶解型樹脂を構成するモノマーと
しては、例えば、ビニルエステル類、アクリル酸及びメ
タクリル酸エステル類、オレフィン類、芳香族ビニル
類、ハロゲン化ビニル類、ジエン類、ビニルエーテル
類、不飽和二塩基酸エステル類等を挙げることができ
る。
【0021】上記バインダー(b)として例示した樹脂
は、従来公知の方法により、構成モノマーを単独重合又
は共重合させることにより合成することができる。例え
ば、カルボキシル基を有する樹脂又は第3級アミノ基を
有する樹脂は、上記カルボキシル基を有するモノマー又
は第3級アミノ基を有するモノマーをそれぞれ、単独重
合させるか、又は、上記非水溶解型樹脂を構成するモノ
マーとして例示したものと共重合させることにより合成
することができる。これらのモノマーは、単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】本発明においては、バインダー(b)とし
て、上述の水溶性樹脂とともに、メラミン樹脂及び/又
はポリイソシアネート硬化剤等の公知の硬化剤を組み合
わせて使用してもよい。これらのバインダー(b)は、
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】上記バインダー(b)の含有量としては、
上記塗料組成物100重量部に対して固形分で10〜5
0重量部であることが好ましい。10重量部未満である
と、形成される塗膜の密着性や耐久性が低くなるおそれ
があり、50重量部を超えると、他の成分の配合量が減
る結果、塗膜の視認性に劣る等、外観が低下するおそれ
がある。
【0024】上記溶媒(c)としては特に限定されない
が、水性溶媒であることが好ましい。上記水性溶媒のな
かでも、自然環境への配慮やマイクロ波の吸収のしやす
さの点から、水であることがより好ましい。上記水性溶
媒として水以外には、例えば、3−メトキシブタノー
ル、3−メトキシ−3−メチルブタノール;エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
(n−又はi−)プロピルエーテル、エチレングリコー
ルモノ(n−、i−又はtert−)ブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノ(n−又はi−)
プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ(n−、
i−又はtert−)ブチルエーテル;ジメチルホルム
アミド;N−メチルピロリドン;エチレングリコールメ
チルエーテルアセテート等を挙げることができる。これ
らの溶媒(c)は、単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。上記水以外の有機溶媒の含有量は、環境
への配慮の点から、本発明の塗料組成物100重量部中
20重量部以下であることが好ましく、より好ましく
は、10重量部以下である。
【0025】上記顔料(d)としては特に限定されず、
酸化チタン、亜鉛華、黄鉛、チタンイエロー、弁柄、鉄
黒、カーボンブラック等に例示される、着色性を有する
有機顔料、無機顔料が一般的に使用される。更に、体質
顔料として、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、
メタホウ酸バリウム、燐酸カルシウムが併用される。ま
た、珪砂、ポルトランドセメント(白色セメント又は普
通セメント)、石膏、アルミナ等の充填剤も併用可能で
ある。本明細書ではこれらの充填剤も体質顔料に含める
ものとする。上記着色性を有する有機顔料及び/又は無
機顔料を含むことにより、形成される塗膜に視認性を付
与することができ、一方、上記体質顔料を含むことによ
り塗膜硬度を向上させることができる。
【0026】上記顔料(d)の含有量としては、上記塗
料組成物100重量部に対して、30〜70重量部であ
ることが好ましい。30重量部未満であると、形成され
る塗膜の視認性に劣る等、外観が低下するおそれがあ
り、70重量部を超えると、得られる塗料組成物の粘度
が高くなることにより塗装作業性が低下するおそれがあ
る。
【0027】本発明の塗料組成物には上記導電性フィラ
ー(a)、バインダー(b)、溶媒(c)及び顔料
(d)以外に、反射材や骨材等の表面改質材(e)を含
むことができる。塗膜表面に上記反射材が存在すると、
光をよく反射することになるので、例えば、夜間に光が
照射された場合に、塗膜の視認性が高くなる。一方、骨
材は、表面に凹凸を付与できるので、摩擦係数を高めて
すべりを防止できる他に、自動車のタイヤ等が塗膜上を
通過した際の感触及び接触音の発生により、塗膜の存在
を認識させることができる。このように、これらの表面
改質材(e)は、塗膜表面に存在することにより機能を
付与するものである。上記反射材としては、マイカ、シ
リカ、ガラスビーズ、炭化珪素等を挙げることができ
る。ガラスビーズを使用する場合には、夜間に光を照射
するときの塗膜の視認性をより向上させることが可能と
なる。また、骨材としては、天然石を砕いたもの、セラ
ミックス、顔料をセラミックスにコーティングしたもの
等が挙げられる。
【0028】上記表面改質材(e)の含有量としては、
表面改質材(e)を除いた塗料組成物100重量部に対
して、15〜40重量部であることが好ましい。15重
量部未満であると、目的とする機能が発現されないおそ
れがあり、40重量部を超えると、得られる塗膜がもろ
くなるおそれがある。
【0029】本発明の塗料組成物には上記成分以外に添
加剤として、消泡剤、界面活性剤、レベリング剤、チク
ソ化剤、防錆剤、乾燥調整剤、分散剤、増粘剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、静電防止剤、帯
電調整剤、造膜助剤、可塑剤、架橋触媒、凍結安定剤、
撥水剤、色別れ防止剤、皮張り防止剤、水溶性有機溶剤
又は湿潤剤等を含んでもよい。また、沈降防止機能を有
するワックス、又は、植物油、植物油変性アルキッド樹
脂、フタル酸エステル等の可塑剤等を必要に応じて適宜
配合してもよい。
【0030】本発明の塗料組成物に上記添加剤を含有さ
せる場合には、添加剤の含有量としては、上記塗料組成
物100重量部に対して0.01〜10重量部であるこ
とが好ましい。0.01重量部未満であると、添加して
も効果があまり発揮されないおそれがあり、10重量部
を超えると、塗膜性能が低下するおそれがある。
【0031】本発明の塗料組成物中の固形分、即ち、導
電性フィラー(a)、バインダー(b)、顔料(d)及
びその他の成分の固形分合計は、上記塗料組成物100
重量部に対して40〜85重量部であることが好まし
く、45〜80重量部であることがより好ましく、50
〜75重量部であることが特に好ましい。85重量部を
超えると、粘度が高くなり塗装作業性が悪くなり、被塗
物との密着性が低下する傾向にある。40重量部未満で
あると、乾燥過程の塗膜が流れやすくなり、やはり塗装
作業性が悪くなる。また、乾燥性も低下する。
【0032】本発明の塗料組成物は、基材上に塗布した
後、マイクロ波照射により硬化させることができる。上
記基材としては特に限定されず、例えば、アスファルト
舗装材、アスファルト合材、コンクリート、鋼板等の金
属材、木材、各種プラスチック材等を挙げることができ
る。好ましくは、アスファルト舗装材、アスファルト合
材、コンクリート等における路面表示用に用いる場合で
ある。
【0033】本発明においては、上記構成成分全てを塗
料組成物中に配合したものを塗布することも可能である
が、表面改質材(e)を除いた塗料組成物を塗布し、そ
の上に表面改質材(e)を散布することができる。上記
散布する表面改質材(e)としては、表面に凹凸を付け
るためのフィラー、及び/又は、高反射用のガラスビー
ズ等の反射材が挙げられ、これらを散布することにより
塗膜の表層にそれらを配置させることができることか
ら、所望の効果がより発揮されることになる。散布する
表面改質材(e)は、平均粒子径0.1〜10mm、散
布量0.1〜5kg/mであることが好ましい。
【0034】なお、この場合、散布する表面改質材
(e)の一部が塗料組成物中に含まれていてもよい。す
なわち、上記の意味において、本発明の塗料組成物の形
態は、例えば、全構成成分が予め配合されている形態で
あってもよいし、上記表面改質材(e)以外の成分と上
記表面改質材(e)の一部とが配合されているものと、
上記表面改質材(e)の残りとの形態、等であってもよ
い。
【0035】上記基材に対する塗布方法としては、基材
の種類に応じた方法を採用することができるが、例え
ば、フローコート法、エアレススプレー法、スリットノ
ズル法等を挙げることができる。本発明の塗料組成物に
より形成される塗膜の乾燥膜厚としては特に限定されな
いが、100〜2000μmであることが好ましい。
【0036】上記のように、本発明の塗料組成物を基材
上に塗布した後、2.4GHz帯のマイクロ波照射によ
り硬化を促進させることが好ましい。一般的には、物質
にマイクロ波を照射すると、物質自体の性質に応じて透
磁率損失、誘電損失、導電損失が起こり、それにより物
質の温度が上昇する。塗料は、揮発性溶媒、添加剤が気
散することによって硬化するので、塗料の温度が上昇す
れば、気散速度が大きくなり、より速く塗膜は乾燥する
ことになる。
【0037】本発明においては、5以上のアスペクト比
を有する導電性フィラー(a)は、マイクロ波を照射す
ると、導電損失により非常に効率的に発熱し、塗膜の温
度を上昇させることができる。すなわち、5以上のアス
ペクト比を有する導電性フィラー(a)を特定量含有す
る本発明の塗料組成物は、マイクロ波照射により、マイ
クロ波のエネルギーで塗料温度を上昇させ、塗料中の溶
媒(c)や添加物の気散を促進させることによって、よ
り効率的に乾燥・硬化速度を向上させることができる。
【0038】本発明の塗料組成物から形成される塗膜を
マイクロ波照射により乾燥する場合のマイクロ波の周波
数としては、1〜10GHz程度であれば使用すること
ができるが、法律によって使用が制限されないISMバ
ンドである2.4GHz帯が好ましい。上記マイクロ波
照射時間としては、塗布する対象である基材の種類、マ
イクロ波照射装置の出力、塗膜の厚さ等に応じて適宜選
択することができるが、3秒〜10分程度が挙げられ、
路面表示用の塗料として使用する場合には実用上2分以
下であることが好ましい。また、基材と塗膜との密着性
を向上する観点から、基材の最高到達温度が60℃以上
に達するようにマイクロ波を照射することが好ましい。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。また実施例中、部、%は特に断りのない限
り、それぞれ重量部、重量%を意味する。 実施例1 アクリルエマルション樹脂(平均分子量約40000
0、樹脂固形分40%):36部、水:6部、ダイヤリ
ード〔商品名、三菱化学社製カーボンファイバー(アス
ペクト比:53、繊維径18μm、繊維長960μ
m)〕:5部、炭酸カルシウム:39部、タルク:4
部、酸化チタン:10部、その他添加剤としてSNデフ
ォーマー(商品名、サンノプコ社製消泡剤):1部、フ
ローレン(商品名、共栄社化学社製界面活性剤):1部
を配合して、塗料組成物(水性型塗料1)を作製した。
ポリプロピレン板上に上記の作製した水性型塗料1を、
乾燥塗膜厚さが約200μmになるようにスリットノズ
ル法を用いて塗布し、業務用電子レンジ(2.4GHz
帯、出力1500W)のマイクロ波を照射した。照射時
間を変化させて実験を繰り返し、塗膜乾燥に必要な照射
時間を測定した。結果を表1に示す。
【0040】比較例1 アクリルエマルション樹脂(平均分子量約40000
0、樹脂固形分40%):36部、水:6部、炭酸カル
シウム:43部、タルク:4部、酸化チタン:11部、
その他添加剤としてSNデフォーマー(商品名、サンノ
プコ社製消泡剤):1部、フローレン(商品名、共栄社
化学社製界面活性剤):1部を配合して、塗料組成物
(水性型塗料2)を作製した。実施例1と同様に、ポリ
プロピレン板上に、乾燥塗膜厚さが約200μmになる
ように塗布し、業務用電子レンジ(2.4GHz帯、出
力1500W)のマイクロ波を照射した。照射時間を変
えて実験を繰り返し、塗膜乾燥に必要な照射時間を測定
した。結果を表1に示す。
【0041】実施例2 実施例1で使用した水性型塗料1をコンクリート板上に
塗布し、塗膜表面にガラスビーズ(平均径0.5mm)
を約0.4kg/mになるように散布した材料に、業
務用電子レンジ(2.4GHz帯、出力1500W)の
マイクロ波を照射した。照射時間を変えて実験を繰り返
し、塗膜乾燥に必要な照射時間を測定した。結果を表1
に示す。
【0042】比較例2 比較例1で使用した水性型塗料2をコンクリート板上に
塗布し、塗膜表面にガラスビーズ(平均径0.5mm)
を約0.4kg/mになるように散布した材料に、業
務用電子レンジ(2.4GHz帯、出力1500W)の
マイクロ波を照射した。照射時間を変えて実験を繰り返
し、塗膜乾燥に必要な照射時間を測定した。結果を表1
に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、導電性フィラー
(a)としてカーボンファイバーを用いた実施例の塗料
組成物は、比較例の塗料組成物に比べて、約半分の照射
時間で塗膜を乾燥することができるものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、5以上のアスペ
クト比を有する導電性フィラー(a)、バインダー
(b)、溶媒(c)及び顔料(d)からなるものである
ため、マイクロ波照射により乾燥・硬化させる場合に、
形成される塗膜の乾燥速度が周囲の環境条件に左右され
にくく、その乾燥速度が大きい。本発明の塗料組成物
は、アスファルト舗装材、アスファルト合材、コンクリ
ート、鋼板等の金属材、木材、各種プラスチック材等の
基材に対して使用することができ、なかでも、アスファ
ルト舗装材、アスファルト合材、コンクリート等におけ
る路面表示用として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA001 CB001 CC021 CC061 CD001 CE051 CF011 CG001 CG061 CG141 GA06 HA026 HA066 KA06 KA08 KA19 MA08 MA10 NA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5以上のアスペクト比を有する導電性フ
    ィラー(a)、バインダー(b)、溶媒(c)及び顔料
    (d)からなる塗料組成物であって、前記導電性フィラ
    ー(a)の含有量は、前記塗料組成物100重量部に対
    して0.01〜20重量部であることを特徴とする塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】 導電性フィラー(a)は、5〜1000
    のアスペクト比を有する請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 導電性フィラー(a)は、導電性繊維状
    材料である請求項1又は2記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 導電性フィラー(a)は、金属繊維又は
    炭素繊維である請求項1、2又は3記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 バインダー(b)は、水溶性樹脂を含む
    請求項1、2、3又は4記載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】 溶媒(c)は、水性溶媒である請求項
    1、2、3、4又は5記載の塗料組成物。
  7. 【請求項7】 顔料(d)の含有量は、塗料組成物10
    0重量部に対して30〜70重量部である請求項1、
    2、3、4、5又は6記載の塗料組成物。
  8. 【請求項8】 マイクロ波照射により硬化させる請求項
    1、2、3、4、5、6又は7記載の塗料組成物。
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