JP7121960B1 - アクリル系遮熱塗料及びその塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、透水性舗装体に塗装しても遮熱効果が落ちにくく、かつ仕上がり等についての問題が少なく塗装できる遮熱性塗料を提供する。【解決手段】本発明の遮熱性塗料は、(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、及び充填材を含む主剤、並びに過酸化物を含む硬化剤を具備する二液型アクリル系遮熱性塗料であって、20℃でB型粘度計を用いて6rpmで測定した前記主剤の粘度が、800mPa・s以上3000mPa・s以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系遮熱性塗料及びその塗装方法に関する。
近年、アスファルト舗装体、コンクリート舗装体等の舗装体面に、遮熱性塗料を塗装して遮熱性塗膜を路面に形成することが多くなっている。このような遮熱性塗料は、通常、赤外線を反射する顔料及び/又は中空粒子を含有しており、これらが太陽光を効果的に反射することによって、路面の温度上昇を抑制する。これにより、道路利用者の暑さによる不快感を軽減させるだけではなく、熱による道路の劣化も防ぐことができるため、遮熱性塗料は、道路を長持ちさせる機能も有している。
上記のような遮熱性舗装体には、エマルション系の1液型塗料、及びアクリル系樹脂(例えば、MMA(メチルメタクリレート)系樹脂)、ポリウレア系樹脂等を主剤とする二液型塗料が用いられる。エマルション系の1液型塗料は、歩道又は大型車両が頻繁には通行しない中交通道路のために用いることができ、二液型塗料は、非常に高い塗膜強度を有しているためにトラック等の大型車両が頻繁に通行する重交通車道のためにも用いることができる。このような二液型の遮熱性塗料は、例えば特許文献1~3に開示されている。
特許第4401171号公報 特開2018-53115号公報 特開2019-194323号公報
近年、透水性舗装が非常に多く施工されている。透水性舗装体は、その少なくとも表面で通常のアスファルト道路よりも空隙率が高く、骨材間に隙間があることで透水性を有することができる。透水性舗装体は、水たまりが発生しにくいために歩道等の中交通道路にも用いられ、またスリップ事故が防止できること及び騒音低減機能をも有することから重交通車道にも好適に用いられる。
本発明者らは、透水性舗装体において遮熱性塗料を施工した場合には、遮熱効果が想定よりも高くならないことがあることに気づいた。また、その原因が、舗装体表面に付着するべき塗料が骨材間の隙間に入り込んでしまい舗装体表面に付着しなくなることであることを見出した。そして、これにより、塗装された透水性舗装体の透水性についても低下していることが分かった。
そこで、本発明は、透水性舗装体に塗装しても遮熱効果が落ちにくく、かつ仕上がり等についての問題が少なく塗装できる遮熱性塗料及びその塗装方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の遮熱性塗料は、(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及びアミンを含む主剤、並びに(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及び過酸化物を含む硬化剤を具備する二液型アクリル系遮熱性塗料であって、20℃でB型粘度計を用いて6rpmで測定した前記主剤の粘度が、800mPa・s以上3000mPa・s以下である。
このような本発明の遮熱性塗料では、塗装直後の遮熱性塗料の液垂れが発生しにくく、かつ仕上がり等についての問題が少なく塗装することができる。
本発明の一態様では、遮熱性塗料は、前記主剤の20℃でのTI値が、3.5以上4.5以下である。
本発明の一態様では、遮熱性塗料の遮熱材は、中空セラミック粒子である。
また、本発明の遮熱性塗料の塗装方法は、二液型アクリル系遮熱性塗料を基体に塗装することを含む塗装方法であって、前記二液型アクリル系遮熱性塗料は、(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及びアミンを含む主剤、並びに(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及び過酸化物を含む硬化剤を具備しており、20℃でB型粘度計を用いて6rpmで測定した前記主剤の粘度が、800mPa・s以上3000mPa・s以下である。
本発明の一態様では、前記基体は、アスファルト舗装体である。
本発明の一態様では、前記アスファルト舗装体は、透水性舗装体である。
本発明の一態様では、前記塗装が、エアレス塗装機によって行われる。
本発明では、透水性舗装体に塗装しても遮熱効果が落ちにくく、かつ仕上がり等についての問題が少なく塗装できる遮熱性塗料及びその塗装方法を提供することができる。
図1は、実施例で行われた垂れ試験の結果を示している。
《遮熱性塗料》
本発明の遮熱性塗料は、(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及びアミンを含む主剤、並びに(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及び過酸化物を含む硬化剤を具備する二液型アクリル系遮熱性塗料であって、20℃でB型粘度計を用いて6rpmで測定した前記主剤の粘度が、800mPa・s以上3000mPa・s以下である。
この遮熱性塗料は、上記の限られた粘度範囲であれば、仕上がり等についての問題が少なく塗装できる。また、遮熱性塗料は、太陽光が照射される基体表面に付着していないと遮熱性の機能が発揮されないのに対して、この限られた粘度範囲の遮熱性塗料であれば、透水性舗装体のような多孔質の基体に対しても、基体の表面に集中的に付着させることができる。そのため、この遮熱性塗料をそのような基体に対して塗装したとしても、遮熱性を十分に発揮させることができる。特に、舗装体に対して二液型アクリル系遮熱性塗料を塗布する場合、この塗料は、塗装の作業性のために比較的高めの粘度で用いられてきたが、この塗料は、地面に対して塗装されるために、塗料の垂れ下がりについて課題があると考えられてこなかったのに対して、本発明者らは、塗料の垂れ下がりが発生することで、遮熱性に影響が発生しうることを見出した。
この遮熱性塗料は一回の塗装だけで遮熱構造体を形成することができる。また、塗料が二回以上塗装されて遮熱構造体が形成されてもよいが、二回以上塗装を行う場合には、本発明の遮熱性塗料は、そのいずれか一回で用いられればよく、二回以上の塗装で用いられてもよい。塗装される基体が舗装体である場合には、下塗りと上塗りとを含む少なくとも二回の塗装が行われ、そのどちらにもこの遮熱性塗料を用いることができる。
この遮熱性塗料によって塗装される基体は、遮熱性塗料を使用できる基体であれば特に限定されないが、多孔質の基体に対して特に有利に用いることができる。例えば、基体がアスファルト舗装体の場合は、その表層材用のアスファルト混合物の例としては、細粒度アスファルト混合物、密粒度ギャップアスファルト混合物、開粒度アスファルト混合物等を挙げることができ、機能的に表現したアスファルト舗装体の例としては、明色舗装、着色舗装体、凍結抑制舗装体、透水性舗装体、半たわみ性舗装体、砕石マスチック舗装体等を挙げることができる。この遮熱性塗料は、開粒度アスファルト混合物等による多孔性の高い基体に最も有利となるものの、細粒度アスファルト混合物等による多孔性の低い基体に対しても、透水性を低下させない等の観点から有利である。
この遮熱性塗料の主剤は、20℃で英弘精機株式会社から入手可能なブルックフィールドB型粘度計RV/DVEを用いて、スピンドルNo.5(RV-5)を6rpmの条件で測定した粘度が、800mPa・s以上、1000mPa・s以上、1200mPa・s以上、又は1500mPa・s以上であってもよく、3000mPa・s以下、2500mPa・s以下、2300mPa・s以下、2000mPa・s以下、又は1800mPa・s以下であってもよい。この粘度は、例えば、800mPa・s以上3000mPa・s以下、1000mPa・s以上2500mPa・s以下、又は1500mPa・s以上2200mPa・s以下であってもよい。なお、本明細書において、測定値にバラツキが出やすい場合には、10回以上の測定を行って、その平均値を測定値として採用することができる。
この遮熱性塗料の主剤は、60℃で英弘精機株式会社から入手可能なブルックフィールドB型粘度計RV/DVEを用いて、スピンドルNo.5(RV-5)を60rpmの条件で測定した粘度が、200mPa・s以上、220mPa・s以上、250mPa・s以上、300mPa・s以上、又は350mPa・s以上であってもよく、850mPa・s以下、800mPa・s以下、700mPa・s以下、650mPa・s以下、600mPa・s以下、550mPa・s以下、又は500mPa・s以下であってもよい。この粘度は、例えば、200mPa・s以上850mPa・s以下、300mPa・s以上600mPa・s以下、又は350mPa・s以上550mPa・s以下であってもよい。
この遮熱性塗料の主剤は、20℃でストーマー粘度計を用いてJIS K5600-2-2に準拠して測定した粘度が、55KU以上、57KU以上、又は60KU以上であってもよく、70KU以下、67KU以下、65KU以下、又は63KU以下であってもよい。この粘度は、例えば、55KU以上70KU以下、57KU~63KU以下、又は60KU~62KU以下、であってもよい。ストーマー粘度計として、具体的には、英弘精機株式会社から入手可能なブルックフィールドデジタルストーマー粘度計KU-3を用いて、クレブス標準回転翼KU-1030を使用し、回転翼が約30秒で100回転するようにして、粘度を測定することができる。
アクリル系塗料は、例えばスプレー塗装を行う場合には、主剤と硬化剤とを塗装直前に混合するか、又は別々に塗装を行う。したがって、この遮熱性塗料では、硬化剤の粘度及びチキソ性も重要であるが、この硬化剤の粘度及びチキソ性は、上記及び下記の主剤と同じ範囲とすることができる。
遮熱性塗料は、チキソ性を有することができ、それにより塗装の際に応力が掛かった状態では流動性が高くなって塗装が容易になる。すなわち、この遮熱性塗料は、従来の遮熱性塗料と比較して低い範囲の粘度を有しているので、高圧のエアレス塗装機等によって塗料自体に圧力をかけて塗装することで、従来と同様の塗装が可能となる一方で、塗装されて基体に付着した後は、高いチキソ性により流動性が低くなり、多孔質基体に塗装したとしても表面に集中して塗膜を形成することができる。
チキソ性は、上記の測定条件によって測定した粘度を使用し、6rpmで測定した粘度の、60rpmで測定した粘度に対する比(TI値)から評価することができる。
遮熱性塗料の主剤のTI値(6rpmで測定した粘度/60rpmで測定した粘度)は、3.0以上、3.5以上、又は3.8以上であってもよく、5.0以下、4.5以下、4.2以下、又は4.0以下であってもよい。このTI値は、例えば、3.0以上5.0以下、3.5以上4.5以下、又は3.8以上4.0以下であってもよい。
主剤と硬化剤の混合比率は、(メタ)アクリルモノマーが完全に反応できるように決定することができる。例えば、主剤に対する硬化剤の混合比率(主剤/硬化剤)は、その質量比で、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.5以上又は1.0以上であってもよく、10以下、5.0以下、3.0以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下であってもよい。例えば、この混合比率は、0.1以上10以下、又は0.5以上2.0以下であってもよい。
〈主剤-(メタ)アクリル系モノマー〉
本発明の遮熱性塗料の主剤は、(メタ)アクリル系モノマーを含む。(メタ)アクリル系モノマーは、アミン及び過酸化物と反応して硬化し、塗膜を形成する。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、通常のアクリル系塗料で用いられる(メタ)アクリル系モノマーを使用することができるが、その分子量等を調整して、上記の粘度範囲に主剤が含まれるように選択する必要がある。本明細書において、(メタ)アクリル系モノマーとは、ビニル基等の重合性基を有していればよく、いわゆるプレポリマー等であってもよい。具体的には、(メタ)アクリル系モノマーとしては、不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂等の不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂等の不飽和エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂等の不飽和ウレタン樹脂等があるが、本発明では特に不飽和ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。特に好ましく用いられる不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂は無水マレイン酸等のα,β-不飽和二塩基酸と多価アルコールとを必須とする縮合反応成分を縮合反応させた生成物である不飽和ポリエステルの末端にアクリル化合物又はメタクリル化合物を反応させて末端に(メタ)アクリレート基を付加させたものであり、数平均分子量としては500~10000程度のものが用いられる。
主剤に含まれる(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、例えば、40質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、又は65質量%以上であってもよく、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、又は65質量%以下であってもよい。例えば、主剤に含まれる50質量%以上の含有量は、40質量%以上80質量%以下、又は50質量%以上70質量%以下であってもよい。
〈主剤-遮熱材〉
本発明の遮熱性塗料は、遮熱材を含む。遮熱材は、遮熱性塗膜を形成した時に、遮熱舗装体が少なくとも近赤外線の吸収を防止することができれば、特に限定されない。
遮熱材としては、従来から遮熱性塗料で用いられてきた遮熱材を用いることができ、例えば中空粒子を用いることができる。
遮熱性塗料の遮熱材として用いることができる中空粒子としては、透明又は半透明のセラミック中空粒子を挙げることができる。このようなセラミック中空粒子としては、ジルコニア・チタニア複合物、ホウ化ケイ素系セラミック、シラスバルーン、ガラスバルーン等の中空粒子を挙げることができる。中空粒子の粒子径としては5μm以上150μm以下、又は30μm以上100μm以下の範囲とすることができ、中空内は空気、空気以外の気体、真空のいずれでもよいが、真空であるものが断熱性の点等からより効果的である。
主剤に含まれる遮熱材の含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、又は1.5質量%以上であってもよく、20質量%以下、10質量%以下、5.0質量%以下、又は3.0質量%以下であってもよい。例えば、主剤に含まれる遮熱材の含有量は、0.1質量%以上20質量%以下、又は0.5質量%以上5.0質量%以下であってもよい。
〈主剤-充填材〉
本発明の遮熱性塗料は、充填材を含む。充填材は、遮熱性塗料の粘度の範囲を上記の範囲に調整することができれば、特に限定されない。充填材は、塗料に用いられる通常の充填材を用いることができ、体質顔料、着色顔料、熱反射性顔料等であってもよい。
充填材としては、通常のアクリル系塗料で用いられる充填材を使用することができるが、その粒径、配合量等を調整して、上記の粘度範囲に主剤が含まれるように選択する必要がある。具体的には、充填材としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、カーボン、酸化クロム、酸化チタン等の無機粒子、アゾメチンアゾ系顔料、モノアゾ系の黄色系顔料、酸化鉄、キナクリドンレッド等の赤色系顔料、フタロシアニンブルー等の青色系顔料、フタロシアニングリーン等の緑色系顔料などの有機粒子等を挙げることができる。
主剤に含まれる充填材の含有量は、例えば、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、又は35質量%以上であってもよく、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、又は35質量%以下であってもよい。例えば、主剤に含まれる充填材の含有量は、20質量%以上55質量%以下、又は30質量%以上45質量%以下であってもよい。
主剤に含まれる遮熱材と充填材の合計の含有量は、例えば、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってもよく、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、又は45質量%以下であってもよい。例えば、主剤に含まれる充填材の含有量は、25質量%以上70質量%以下、30質量%以上60質量%以下、又は35質量%以上50質量%以下であってもよい。
〈主剤-アミン〉
主剤は、硬化触媒としてアミンを含む。アミンとしては、特に限定されないが、例えば芳香族アミンを挙げることができ、芳香族アミンとしては、アニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン(N,N,4-トリメチルアニリン)等のアニリン系芳香族アミンを挙げることができる。
主剤に含まれるアミンの含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、1.5質量%以上、又は2.0質量%以上であってもよく、20質量%以下、10質量%以下、5.0質量%以下、又は3.0質量%以下であってもよい。例えば、主剤に含まれるアミンの含有量は、0.1質量%以上20質量%以下、又は0.5質量%以上5.0質量%以下であってもよい。
〈主剤-その他〉
本発明の遮熱性塗料は、その有利な効果を失わない範囲内で、さらに溶剤、増粘剤、希釈剤、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の他の添加剤を含むことができる。硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛等の金属石鹸、及びバナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート等のキレート化合物を挙げることができる。
主剤に含まれる他の添加剤の含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、3.0質量%以上、又は5.0質量%以上であってもよく、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5.0質量%以下、又は3.0質量%以下であってもよい。
〈硬化剤〉
本発明の遮熱性塗料の硬化剤は、(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、及び充填材を含み、これらの適切な種類及び含有量については、主剤に用いられているのと同様である。
〈硬化剤-過酸化物〉
本発明の遮熱性塗料の硬化剤は、過酸化物を含む。過酸化物は、(メタ)アクリル系モノマーを重合して硬化させ、塗膜を形成する。過酸化物は、塗布直前に現場で硬化剤に添加して用いることができる。
過酸化物としては、通常のアクリル系塗料で用いられる過酸化物を使用することができるが、その分子量等を調整して、上記の粘度範囲に硬化剤の粘度が含まれるように選択することが好ましい。具体的には、過酸化物としては、ジアリールパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、シアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の適宜周知の有機過酸化物を用いることができる。
硬化剤に含まれる過酸化物の含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、又は1.5質量%以上であってもよく、10質量%以下、5.0質量%以下、3.0質量%以下、又は2.5質量%以下であってもよい。例えば、硬化剤に含まれる過酸化物の含有量は、0.1質量%以上5.0質量%以下であってもよい。
〈硬化剤-その他〉
本発明の遮熱性塗料は、その有利な効果を失わない範囲内で、さらに溶剤、増粘剤、希釈剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の他の添加剤を含むことができる。
硬化剤に含まれる他の添加剤の含有量は、例えば、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、3.0質量%以上、又は5.0質量%以上であってもよく、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5.0質量%以下、又は3.0質量%以下であってもよい。
《遮熱性塗料の塗装方法》
本発明の遮熱性塗料の塗装方法は、二液型アクリル系遮熱性塗料を基体に塗装することを含む塗装方法であって、前記二液型アクリル系遮熱性塗料が上記のような二液型アクリル系遮熱性塗料である。
この方法において、塗布は、好ましくはスプレー装置によって行われ、特に好ましくは二液を直前で混合する、エアレス塗装機を用いることができる。このようなスプレー装置は、塗料自体に高いせん断を掛けることで、チキソ性を有する塗料の施工性を高めることができる。
ここで、エアレス塗装機は、塗料をポンプにより加圧し、耐圧ホースにてエアレスガンに接続し、液圧で塗料を噴霧微粒化して被塗面に塗装する装置である。補助エアを用いて、この噴霧微粒化した塗料の微粒化をコントロールすることもできる。ポンプとしてエア駆動式、油圧駆動式又は電動式などが例示される。前2者のエア駆動式又は液圧駆動式では、プランジャー形ポンプを用いて圧縮空気又は油圧で駆動させる。この駆動圧に対して数倍~数十倍に液圧を上げるポンプが使用できる。後者の電動式では、油圧を介したポンプを直接モータで動かすものが挙げられる。
このエアレス塗装機の塗装時における塗料の吐出圧力は、例えば0.1MPa以上、0.5MPa以上、1.0MPa以上、2.0MPa以上、5.0MPa以上、又は10MPa以上であってもよく、30MPa以下、25MPa以下、20MPa以下、15MPa以下であって5MPa以上、10MPa以下が望ましい。又は5MPa以下であってもよい。塗料の吐出圧力は、例えば0.1MPa以上30MPa以下であってもよく、1.0MPa以上20MPa以下であってもよい。
このエアレス塗装機の塗装時における塗料の吐出量は、例えば0.1L/分以上、0.5L/分以上、1.0L/分以上、2.0L/分以上、又は5.0L/分以上であってもよく、20L/分以下、15L/分以下、10L/分以下、又は5L/分以下であってもよい。塗料の吐出圧力は、例えば0.1L/分以上20L/分以下であってもよく、1.0L/分以上10L/分以下であってもよい。2.0L/分以上、5.0L/分以下が望ましい。
この方法では、二液型アクリル系遮熱性塗料を加熱せずに、外気温中で塗布することができる。二液型アクリル系遮熱性塗料は、外気温中で適切な粘度範囲となるように設計されることで、適切な施工性を確保することができ、また上記のような遮熱性塗膜の有利な効果を得やすくなる。
塗料が塗装される路面温度としては、0℃以上、5℃以上、10℃以上、又は15℃以上であってもよく、50℃以下。5℃以上、40℃以下が望ましい。35℃以下、30℃以下、25℃以下、又は20℃以下であってもよい。この加熱温度は、例えば0℃以上40℃以下、又は10℃以上30℃以下であってよい。
《遮熱性舗装構造体》
本発明の遮熱舗装構造体は、基体及びその表面上の遮熱性塗膜を含む。遮熱性塗膜としては、上記の遮熱性塗料による塗膜を挙げることができる。基体としては、遮熱性塗料によって塗装される上記のような基体を挙げることができる。
本発明を以下の実施例でさらに具体的に説明をするが、本発明はこれによって限定されるものではない。
充填材として着色顔料(タイペークCR97、石原産業株式会社製)が7質量%及び体質顔料(バリエースB-34、堺化学工業株式会社製)が32質量%、(メタ)アクリル系モノマーとしてMMA樹脂(アクリシラップXD-1009、三菱ケミカルインフラテック株式会社製)が60質量%、及び遮熱材として中空セラミック粒子(3MグラスバブルスS60HS、スリーエムジャパン株式会社製)が1質量%となるように混合した。この事前混合物100質量部に、硬化触媒としてのアミンとしてN,N-ジメチル-p-トルイジン(AC103、三菱化学インフラテック株式会社)を2.5質量部混合して、実施例1のアクリル系遮熱性塗料の主剤を調製した。
《製造例》
また、充填材として着色顔料(クロモファインブラックA―1103、大日精化工業株式会社製やJR1000、テイカ株式会社製)が19質量%及び体質顔料(バリエースB-34、堺化学工業株式会社製)が18質量%、(メタ)アクリル系モノマーとしてMMA樹脂(アクリシラップXD-1009、三菱ケミカルインフラテック株式会社製)が60質量%、及び遮熱材として中空セラミック粒子(3MグラスバブルスS60HS、スリーエムジャパン株式会社製)が3質量%となるように混合した。この事前混合物100質量部に、硬化触媒としてのアミン(AC103、三菱化学インフラテック株式会社)を2.5質量部混合して、実施例2のアクリル系遮熱性塗料の主剤を調製した。
実施例2の主剤を得る際に製造した事前混合物100質量部に対して、過酸化物としてのベンゾイルパーオキサイド(ナイパーNS、日本油脂株式会社製)を2.0質量部混合することによって、アクリル系遮熱性塗料の硬化剤を調製した。
なお、以下の試験では、様々な粘度となる遮熱塗料を調製するために、上記で得られた充填材の粒子径及びモノマー分子量及び含有量を調整することで粘度を変えた遮熱塗料を試験した。
《試験》
〈粘度試験〉
実施例2の遮熱性塗料の主剤及び硬化剤について、20℃の環境下で粘度の測定を行った。測定は、25℃でストーマー粘度計を用いてJIS K5600-2-2に準拠して、粘度を測定した。ストーマー粘度計として、英弘精機株式会社から入手可能なブルックフィールドデジタル粘度計KU-3を用いて粘度を測定した。また、英弘精機株式会社から入手可能なブルックフィールドB型粘度計RV/DVEを用いて、スピンドルNo.5(RV-5)を6rpm及び60rpmの各条件で行った。その結果を表1に示す。
Figure 0007121960000001
〈スプレー塗装試験〉
上記のように得られた実施例2の遮熱性塗料の主剤及び硬化剤を1:1の重量比で、エア駆動式2液混合型エアレス塗装機(旭サナック株式会社製、APW3000)を使用して常温で、スプレー塗装した。ここで、この塗装機の吐出圧力を5~10MPaとし、吐出量を3~4L/分とした。施工性及び仕上りの評価は、5人の職人がそれぞれ評価を行って、その総意に基づいて、従来品と同様であった場合には◎、従来品よりわずかに劣っていたが使用可能である範囲である場合を○、従来品より劣っており使用に適さない場合を×とした。評価結果を表2に示す。なお、施工性とは、スプレーによるミストの拡散度、ノズルから出た塗料が塗装面に拡がる面積等から評価しており、仕上がりについては、均質に塗装できたかを評価した。
〈垂れ試験〉
上記のように得られた遮熱性塗料の主剤及び硬化剤をサグテスターの試験板に塗装をした。そして、隙間250μmから475μmのサグテスターを使用して、試験板の角度を45°にして、各遮熱性塗料の垂れ具合を観察した。その結果の一部を、図1に示す。垂れ具合が大きい場合を×、垂れ具合が小さい場合を○、垂れ具合がない場合を◎として評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0007121960000002
上記の結果からも分かるように、スプレー塗装試験については粘度が低いほど施工性及び仕上がりについて良好な結果が得られる傾向にあったものの、粘度が低ければ垂れ試験において結果が悪化した。これは、従来技術のアクリル系塗料では、塗料の垂れ下がりが問題となっていたことを示唆している。垂れ試験については、粘度が高いと垂れないが、約800mPa・sより高いと垂れが発生しにくく、約1700mPa・sより高いと垂れがほぼ発生しないことが分かった。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及びアミンを含む主剤、並びに(メタ)アクリル系モノマー、遮熱材、充填材、及び過酸化物を含む硬化剤を具備する二液型アクリル系遮熱性塗料であって、20℃でB型粘度計を用いて6rpmで測定した前記主剤の粘度が、800mPa・s以上3000mPa・s以下であり、前記主剤に含まれる前記(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、40質量%以上であり、かつ前記主剤に含まれる前記遮熱材と前記充填材の合計の含有量は、25質量%以上であり、かつエマルション系ではない、二液型アクリル系遮熱性塗料。
  2. 前記主剤の20℃でのTI値が、3.5以上4.5以下である、請求項1に記載の遮熱性塗料。
  3. 前記遮熱材が、中空セラミック粒子である、請求項1又は2に記載の遮熱性塗料。
  4. 二液型アクリル系遮熱性塗料を基体に塗装することを含む塗装方法であって、前記二液型アクリル系遮熱性塗料は、請求項1~3のいずれか一項に記載の遮熱性塗料である、塗装方法。
  5. 前記基体は、アスファルト舗装体である、請求項4に記載の塗装方法。
  6. 前記舗装道路は、透水性舗装体である、請求項5に記載の塗装方法。
  7. 前記塗装が、エアレス塗装機によって行われる、請求項4~6のいずれか一項に記載の塗装方法。
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