JP2003064285A - 色材含有微粒子及びポリマーエマルジョン型水系インク - Google Patents

色材含有微粒子及びポリマーエマルジョン型水系インク

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JP2003064285A
JP2003064285A JP2001254075A JP2001254075A JP2003064285A JP 2003064285 A JP2003064285 A JP 2003064285A JP 2001254075 A JP2001254075 A JP 2001254075A JP 2001254075 A JP2001254075 A JP 2001254075A JP 2003064285 A JP2003064285 A JP 2003064285A
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polymer
ink
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JP2001254075A
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Hiroaki Ando
浩明 安藤
Hidetaka Ninomiya
英隆 二宮
Shinzo Omi
信三 尾見
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、コア/シェルタイプの色材
含有微粒子を用いた色再現性に優れた水系インクを提供
することにある。 【解決手段】 色材を含有するポリマーコア及びポリマ
ーシェルからなる色材含有微粒子において、該色材含有
微粒子の分散液を用いてこれをインクとしたときに、最
大吸収波長が500〜600nmであり、該インクを最
大吸収波長における吸光度が1となるように希釈した時
に、800nmにおける吸光度が0.1以下であること
を特徴とする色材含有微粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア/シェルタイ
プの色材含有微粒子に関するものであり、又、これを用
いた色再現性に優れたポリマーエマルジョン型水系イン
クに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタ、印刷機、マーカー、筆
記具等に用いられる記録材料、インキング材料も脱溶剤
化、水性化が求められてきている。特にインクジェット
に用いられる水性の記録材料としては水溶性染料の水溶
液を主体としたもの、顔料の微分散体を主体としたもの
が広く用いられている。
【0003】(水溶性染料を用いた記録材料)水溶性染
料を用いた記録材料としては主として酸性染料、直接染
料、一部の食品用染料等に分類される水溶性染料の水溶
液に、保湿剤としてグリコール類、アルカノールアミン
類、表面張力等の調整のための界面活性剤、アルコール
類、バインダー成分としての樹脂成分等を添加したもの
が用いられている。これら水溶性染料を用いた記録材料
は筆先、あるいは記録系での目詰まりに対する高い信頼
性から、最も一般的に用いられている。しかしながらか
かる水溶性染料を用いた記録材料は、染料の水溶液であ
るが故に記録紙上でにじみやすい。また、見掛けの乾燥
速度を早める必要から記録紙に素早く浸透するように調
整されるが故にインクのニジミによる記録品位の低下を
余儀なくされている。また水溶性の染料であるがゆえに
耐水性に劣ることは自明である。さらに記録紙に単に浸
透し、乾燥固着しているだけの水溶性染料は「染着」し
ているとはいい難く、耐光堅牢度は非常に低い。
【0004】そのため、近年では特開2000−281
947のようにカチオン性ポリマーとの2液系で、染料
とポリマーの相互作用を利用し、染着性を高め、にじみ
を防止し、堅牢性を高める手法など、幾つかの手法が試
みられているが、水溶性染料の色再現性を保持したまま
で耐光堅牢性を改善できているとはいいがたい。
【0005】以上述べたような水溶性染料を用いた記録
材料の問題点を解決する方策として、エマルジョン、ラ
テックス等の樹脂微粒子を添加することが古くから検討
されている。特開昭55−18418号には、「ゴム、
樹脂等の成分を乳化剤により微細粒子(粒径約0.01
〜数μm)の形で水中に分散せしめた一種のコロイド溶
液」であるラテックスを添加したインクジェット記録用
の記録剤に関する提案がある。好ましく用いられるラテ
ックスとしてはスチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテック
ス、ポリクロロプレンラテックス、ビニルピリジン−ス
チレン−ブタジエンラテックス、ブチルゴムラテック
ス、ポリブタジエンラテックス、ポリイソプレンラテッ
クス、多硫化ゴムラテックス等の合成ゴム系ラテック
ス、あるいは、アクリルエステル系ラテックス、スチレ
ン−ブタジエンレジンラテックス、酢酸ビニル系ラテッ
クス、塩化ビニル系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテ
ックス等の合成樹脂系ラテックスが例示されている。
【0006】上記特許提案に例示された合成ゴム系ラテ
ックスの比重は概ね0.9〜1.0の範囲にあり、かか
る条件をある程度満たすものの、合成ゴムの多くは分子
内に不飽和二重結合を有し、耐光性、耐候性の面で問題
がある。また加硫を行い不飽和結合を減じた場合には粒
子の記録紙上への定着が阻害され、記録品位に問題が生
じる。さらに過度に加硫を行なうと比重が1.1以上と
なるため沈降の問題が生じる。さらにかかる合成ゴム系
のラテックスはガラス転移温度が低いために室温で造膜
しやすく、インクジェットノズル先端部にて乾燥された
場合、ノズルが目詰まりを起こしやすく、しかも乾燥物
が柔軟でやや粘着性を持つためその除去が非常に困難で
ある。該特許に例示された合成樹脂ラテックスに関して
は比重が1.1以上、特にハロゲン元素を含む合成樹脂
の場合には比重1.3〜1.5近くに達するため、ニジ
ミ防止効果が発現する粒径範囲においてはすべて沈降が
生じてしまう。
【0007】更にこれらのラテックス全般にいえること
であるが、ラテックスを製造する際に用いられる乳化剤
の多くはインクの泡立ちを促進しやすく、表面張力を必
要以上に低下せしめるために問題が多い。特開昭54−
146109号には溶剤にて膨潤され、かつ油性染料に
て着色されたビニル重合体微粒子を添加した水溶性染料
を用いた記録材料に関する提案がなされている。好適に
用いられる重合体としては主に(メタ)アクリル酸エス
テル系共重合体微粒子が例示され、さらにガラス転移温
度が30℃以下であることが好適な条件であると記され
ている。かかる低ガラス転移温度でさらに溶剤にて膨潤
した微粒子が室温乾燥した場合に造膜性を有することは
自明であり、かかるインクを使用した場合にはノズル目
詰まりが頻繁に生じるであろうことが容易に類推され
る。特開平3−56573号には染料、ないし顔料と、
平均粒径0.5μm以下の内部3次元架橋した有機超微
粒子を5〜40質量%含有する画像記録用インクに関す
る提案があるが、かかるインクに添加される架橋微粒子
は記録紙上にて定着することができないため、記録画像
の耐久性が劣る結果となる。
【0008】(顔料分散体を用いた記録材料)水溶性染
料を用いた記録材料の欠点を改良するために、記録材料
としてカーボンブラック、あるいは有機顔料を用いる提
案がなされている。このような顔料分散体を用いた記録
材料においてはインクの耐水性は大幅に改良される。し
かしながらこれら顔料は比重が1.5〜2.0と高く、
分散粒子の沈降に対する注意が必要である。かかる高比
重の顔料を安定的に分散させるためには平均粒子径を
0.1μm以下程度にまで微分散することが必要であ
り、分散コストが高く非常に高価なインクとなる。
【0009】(着色樹脂粒子を用いた記録材料)油溶性
染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する提
案がインクジェット記録用インクとしてなされている。
これらは「着色されたポリマー微粒子を記録材として用
いたインク」に関する提案である。例えば特開昭54−
58504号においては、疎水性染料溶液とビニル重合
体微粒子の混合物を水中油型分散させたインクが提案さ
れている。ビニル重合体微粒子は疎水性染料溶液と混合
されることにより染料溶液の溶媒にて膨潤し、さらに染
料により着色されることが開示されている。疎水性染料
を記録材とするため、得られる画像は耐水性を有するも
のとなるとある。該提案では、連続相として水を用い、
分散相として溶剤にて膨潤した着色ビニル重合体粒子を
用いることにより、インク粘度の支配を水にもたせ、溶
剤としてある程度高粘度(低揮発性)のものを用いるこ
とを許容している。
【0010】特開昭55−139471号、特開平3−
250069号には染料によって染色された乳化重合ま
たは分散重合粒子を用いたインクが提案されている。提
案の主旨は特開昭54−58504号と同様、着色した
粒子を分散質、水(透明)を媒体とすることによるニジ
ミ防止であるが、この提案の場合には溶剤を含まないた
め、粒子が造膜することにより記録紙に定着されること
が必要となる。造膜の必要、分散安定性の確保の観点よ
り、望ましい粒子径はサブミクロン領域であることが示
唆されている。特開昭54−58504号では重合体微
粒子を溶剤にて膨潤させることにより染着性を向上させ
ることが容認されているが、この場合にはノズル先端部
での乾燥造膜によりノズル目詰まりの問題が生じる。
【0011】さて、このような着色微粒子を用いた記録
材料においては、そのインク中での安定性を高めるため
に、主にポリマーの組成を調整してきたが、着色微粒子
が色材を均一に含有することと安定性を同時に獲得する
ことは非常に困難であった。
【0012】以上述べてきたように、顔料、着色樹脂粒
子等を用いた微粒子分散型記録材料は、水溶性染料型の
記録材料の問題点を克服し、高い記録品位を実現する可
能性を秘めたものではあるが、各種の問題を残してお
り、特に色再現性の点で優れた染料を使用する場合には
堅牢性が十分でなく、逆に堅牢性に優れた顔料を用いる
場合は色再現性が劣るという相反する問題を解決するに
は至っていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従っ
て、コア/シェルタイプの色材含有微粒子を用いた色再
現性に優れた水系インクを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の様に、色材を含有するポリマーコアと、ポリマーシ
ェルからなり、特定の希釈率において特定波長での吸光
度が特定の値を有する微粒子のサスペンションを用いた
水系インクを用いることで達成される。
【0015】1.色材を含有するポリマーコア及びポリ
マーシェルからなる色材含有微粒子において、該色材含
有微粒子の分散液を用いてこれをインクとしたときに、
最大吸収波長が500〜600nmであり、該インクを
最大吸収波長における吸光度が1となるように希釈した
時に、800nmにおける吸光度が0.1以下であるこ
とを特徴とする色材含有微粒子。
【0016】2.色材を含有するポリマーコア及びポリ
マーシェルからなる色材含有微粒子において、該色材含
有微粒子の分散液を用いてこれをインクとしたときに、
最大吸収波長が350〜500nmであり、該インクを
最大吸収波長における吸光度が1となるように希釈した
時に、800nmにおける吸光度が0.1以下であるこ
とを特徴とする色材含有微粒子。
【0017】3.色材を含有するポリマーコア及びポリ
マーシェルからなる色材含有微粒子において、該色材含
有微粒子の分散液を用いてこれをインクとしたときに、
最大吸収波長が600〜750nmであり、該インクを
最大吸収波長における吸光度が1となるように希釈した
時に、900nmにおける吸光度が0.1以下であるこ
とを特徴とする色材含有微粒子。
【0018】4.前記1〜3のいずれか1項に記載の色
材含有微粒子を用いたことを特徴とするポリマーエマル
ジョン型水系インク。
【0019】5.前記1又は2に記載の色材含有微粒子
を用いて作製されたポリマーエマルジョン型水系インク
において、60℃で3日間停滞させた後の800nmに
おける吸光度の変動が100%以内である事を特徴とす
るポリマーエマルジョン型水系インク。
【0020】6.前記3に記載の色材含有微粒子を用い
て作製されたポリマーエマルジョン型水系インクにおい
て、60℃で3日間停滞させた後の900nmにおける
吸光度の変動が100%以内である事を特徴とするポリ
マーエマルジョン型水系インク。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、色材を含有するポリマーコア及びポリマーシ
ェルからなる色材含有微粒子を分散させた水系インクに
おいて、最大吸収波長における吸光度(Imax)が1と
なるようにインクを希釈した時に、最大吸収波長より1
50〜300nm長波長側における吸光度I800ないし
900が0.0001以上0.1以下である。即ち、最
大吸収波長は、Y、M、Cのインクにおいては350n
m以上750nm以下であり、それより150〜300
nm長波長側にはポリマー中に含有される色材による吸
収は存在しないと考えられる。
【0022】しかし、実際インクを希釈し分光吸収を測
定すると、吸光度は0でない。これは、主として微粒子
がインク中に存在する事による光散乱に伴うものであ
る。インク中の色材含有微粒子は、インク中で安定に分
散され、インクジェットインクとして吐出される場合も
あることから、粒径として5nm以上300nm以下が
好ましく、更に好ましくは、20nm以上150nm以
下である。この大きさは光の波長より十分小さいと考え
られ、分光光度計の透過スペクトル測定で求められる吸
光度は、レイリー散乱に由来すると考えられる。
【0023】レイリー散乱による光の吸収(吸光)係数
μは、理化学辞典「岩波書店 第3版増補版」による
と、 μ=(8πNv3/3λ4)((ε−ε0)/ε02 N:単位体積中の粒子数、v:散乱体の体積、λ:入射
光の波長、ε:散乱体の誘電率、ε0:媒質の誘電率 で表される。さらに、照射光量と吸収、散乱光の関連は I=I0exp(−μx) I:強度、I0:初期強度、x:光路長 で表され、吸光度Abs.は、 Abs.=log10(I0/I)=μx で表されるので、吸光度は、μが大きいほど大きくな
る。
【0024】本発明においては、このレイリー散乱に由
来する、最大吸収波長よりも長波の領域における吸光度
をみるものであるが、最大吸収波長が350〜500n
m、又、500〜600nmのそれぞれY、Mのインク
においては、最大吸収波長より150〜300nm長波
側といっても800nmにおいて(I800)、又、最大
吸収波長が600〜750nmのCインクにおいては、
900nmにおいて(I900)吸光度を測定すること
で、これをはかることができる。
【0025】一方、最大吸収波長における吸光度は、上
記のレイリー散乱による吸収と色材の光吸収の両方の寄
与で決定される。実際の測定ではImaxが1±0.01
になるようにインクを希釈し、前記のように、I800
いしI900をもとめ、それが0.00001以上0.1
以下となるよう、色材含有微粒子およびそれを含有する
インクを調製する。I800やI900は、散乱体や媒質の誘
電率に依存し、単に粒子径やその分布に依存するわけで
はない。色材を含有させるポリマーの誘電率やインクに
用いる溶剤の誘電率にも依存する事になる。
【0026】我々は鋭意研究の結果、I800ないしI900
が0.00001以上0.1以下であると、色再現性が
向上することを見出した。分散液でレイリー散乱の小さ
い色材微粒子が紙、OHPシートなどの上に付着しても
光散乱を起こしにくいため、色材本来の光吸収が阻害さ
れることなく色再現性が向上すると考えられる。I80 0
ないしI900の値は、好ましくは0.00001以上
0.01以下、更に好ましくは0.00001以上0.
005以下である。
【0027】通常の分光光度計でこれら測定を行うと、
吸光度が0.00001と小さい時には測定が困難であ
る。このような場合、Imaxの吸光度が1000になる
と想定される濃度までに希釈をとどめ、この時にI800
ないしI900の値が0.01以上になるようであれば良
い。測定は、光路長1cmのガラス、ないし石英セルを
用い、測定は室温、空気下で行うのが一般的である。
【0028】本明細書において60℃で3日間停滞させ
た後の吸光度の変動は、インクを静置した場合に、具体
的には、後記の実施例においても説明するとおり、以下
の方法で測定することができる。
【0029】インク110mlを内径30mmのサンプ
ル瓶に入れ、振動を与えないように留意して放置する。
放置した直後に、インク最上層10mlをサンプリング
し、初期吸光度を測定する。続いてインキュベータ中で
60℃で3日間放置した後、前記サンプル瓶のインク最
上層10mlをサンプリングし、放置後吸光度を測定す
る。変動幅(%)は、 (放置後の吸光度)/(初期吸光度)×100−100 で求められる。
【0030】60℃、3日間でのI800ないしI900の変
動は、インク液中での色材含有微粒子の変性に由来す
る。粒子の凝集、膨潤、沈降が起きるとこれらの変動が
起きるので、それが小さい方がインク中での色材含有微
粒子が安定であると考えられる。この安定性により、本
発明の色材微粒子およびそれを含有するインクは、高い
色再現性能力を長く保持することができる。
【0031】具体的には、60℃で3日間停滞させた後
の800nm又は900nmにおける吸光度の変動が1
00%以内であれば、(好ましくは50%以内)粒子の
凝集、膨潤、沈降が小さくインク中での色材含有微粒子
が安定であると考えられ、色再現能力を保持することが
できる。
【0032】色材を含有する微粒子は、色材を含有する
ポリマーコアとポリマーシェルを有する。ポリマーコア
は、主として色材を包含し、その堅牢性や色調を保持す
るのに寄与する。一方ポリマーシェルは色材を包含した
微粒子のインクサスペンションとしての安定性を増す事
に寄与し、さらにメディア上での色材の定着を促進、凝
集を防止し、画質の向上に寄与する。また、色材の堅牢
性、色調の保持にも貢献する。
【0033】本発明においては、色材含有微粒子は、染
料を含有するポリマーコアとポリマーシェルを有する。
シェルにおける色材含有率(濃度)は、コア/シェル化
を行っていないコアにおける色材含有率(濃度)の0.
8以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5以
下である。
【0034】色材含有率(濃度)は、TOF−SIMS
のような質量分析装置で測定する事ができる。TOF−
SIMSでは、個々の微粒子表面について、先ず質量数
1〜1000のイオンの総量を測定し、その中で染料に
起因するイオンの総量から、色材含有率を求めることが
できる。シェルとコア/シェル化を行っていないコア、
それぞれの色材含有率を比較する。TOF−SIMSで
は、表面から深さ方向に数nmの元素分析ができるため
本発明の様なコア/シェル微粒子の分析が可能である。
【0035】本発明において、ポリマーエマルジョン型
水系インクに用いられる色材含有微粒子は、体積平均粒
子径が5nm以下であると単位体積あたりの表面積が非
常に大きくなるため、色材をコアシェルポリマー中に封
入する効果が小さくなる。一方、500nmを越えるほ
ど大きな粒子では、ヘッドに詰まりやすく、またインク
中での沈降が起き易く、停滞安定性が劣化する。粒子径
は5nm以下400nm以下が好ましく、10nm以上
300nm以下がさらに好ましい。
【0036】体積平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(T
EM)写真の投影面積(少なくとも100粒子以上に対
して求める)の平均値から得られた円換算平均粒径を、
球形換算して求められる。体積平均粒子径とその標準偏
差を求め、標準偏差を体積平均粒子径で割ることで変動
係数を求められる。或いは、動的光散乱法を利用して変
動係数を求めることも出来る。例えば、大塚電子製レー
ザー粒径解析システムや、マルバーン社製ゼータサイザ
ーを用いて求める事が出来る。
【0037】粒子径の変動係数は、粒子径の標準偏差を
粒子径で割った値であるが、この値が大きいほど粒子径
の分布が広い事を意味する。体積平均粒子径の変動係数
が80%以上であると、粒径分布が非常に広くなり、コ
アシェルの厚みが不均一となり易く、粒子間の表面物性
にばらつきが生じ易くなる。表面物性のばらつきは粒子
の凝集を招きやすく、インクジェットヘッドの詰まりを
起こし易い。また、粒子の凝集はメディア上で、色材の
光散乱を招き易く、画質の低下も招き易くする。変動係
数は50%以下が好ましく、30%以下がさらに好まし
い。
【0038】本発明においては、シェルに用いられるポ
リマー量が総ポリマー量の5質量%以上95質量%以下
であることが好ましい。5質量%より少ないとシェルの
厚みが不十分で、色材を多く含有するコアの一部が粒子
表面に現れ易くなる。また、シェルのポリマーが多すぎ
ると、コアの色材保護能低下を起こし易い。さらに好ま
しくは10質量%以上90質量%以下である。
【0039】色材の総量は総ポリマー量に対して20質
量%以上1,000質量%以下であることが好ましい。
色材量がポリマーに比して少なすぎると、吐出後の画像
濃度が上がらず、また、色材質量が多すぎるとポリマー
の保護能が十分に得られない。
【0040】本発明におけるコア/シェルは、最初に色
材を含有するポリマーコアを作製した後、ポリマーシェ
ルを設ける方法と、コアシェルを同時に設ける手法が考
えられる。
【0041】(微粒子コア作製後にシェルを設ける場
合)コアとなる色材含有ポリマーは、各種の手法で調製
することができる。例えばモノマー中に油溶性染料を溶
解させ、水中で乳化後、重合によりポリマー中に染料を
封入する方法、ポリマーと色材を有機溶剤中に溶解し、
水中で乳化後有機溶剤を除去する方法、染料溶液に多孔
質のポリマー微粒子を添加し、染料を微粒子に吸着、含
浸させる手法などがある。それにポリマーシェルを設け
る手法としては、コアとなるポリマーの水系サスペンシ
ョンに水溶性のポリマー分散剤を添加し吸着させる手
法、モノマーを徐々に滴下し、重合と同時にコア表面に
沈着させる方法、あるいは、有機溶剤に溶解したポリマ
ーを徐々に滴下し、析出と同時にコア表面に吸着させる
方法などがある。
【0042】あるいは、顔料をポリマーと混練し、その
後水系で分散しポリマー被覆顔料コアを作製し、さらに
上記の方法によりシェル化を行うことも可能である。
【0043】(微粒子形成時にコアとシェルを同時に設
ける手法)コアとなるポリマーと色材を、重合後にシェ
ルとなるモノマーに溶解または分散し、水中で懸濁後重
合する手法や、その液を活性剤ミセルを含有する水中に
徐々に滴下しながら乳化重合していく手法などがある。
モノマーがコア、ポリマーがシェルとなってもよい。あ
るいは、重合後にコアとなりうるモノマーとシェルとな
りうるモノマー混合液に色材を溶解または分散し、懸濁
重合あるいは乳化重合する手法がある。
【0044】(コアシェル化の評価)実際にコアシェル
化されているかを評価することは重要である。本発明に
おいては、個々の粒子径が200nm以下と非常に微小
であるため、分析手法は分解能の観点から限られる。こ
のような目的に沿う分析手法としては、TEMやTOF
−SIMSなどが適用できる。TEMによりコアシェル
化した微粒子を観察する場合、カーボン支持膜上に分散
液を塗布、乾燥させ観察することができる。TEMの観
察像は、有機物であるポリマーの種類のみではコントラ
スト差が小さい場合があるため、コアシェル化されてい
るかどうかを評価するために、微粒子を、4酸化オスミ
ウム、4酸化ルテニウム、クロロスルホン酸/酢酸ウラ
ニル、硫化銀等を用いて染色することが好ましい。コア
だけの微粒子を染色しそのTEM観察を行い、シェルを
設けたものと比較する。さらに、シェルを設けた微粒子
と設けていない微粒子を混合後、染色し、染色度合いの
異なる微粒子の割合がシェルの有無に一致しているかの
確認を行う。
【0045】TOF−SIMSような質量分析装置で
は、粒子表面にシェルを設けることで表面近傍の色材量
がコアだけの時よりも減少していることを確認する。色
材にコアシェルのポリマーに含有されていない元素があ
る場合、その元素をプローブとして色材含有量の少ない
シェルが設けられたかを確認することができる。
【0046】即ち、色材含有率(濃度)は、TOF−S
IMSによって、個々の微粒子表面について、先ず質量
数1〜1,000のイオンの総量を測定し、その中で染
料に含有されるコアシェルのポリマーに含有されていな
い元素に由来するイオンの総量との比から求めることが
できる。この方法によりシェルとコア/シェル化を行っ
ていないコア、それぞれの色材含有率を比較することに
よりそれぞれの色素含有率(濃度)を測定できる。TO
F−SIMSでは、表面から深さ方向に数nmの元素分
析ができるため本発明の様なコア/シェル微粒子の分析
が可能である。
【0047】そのような元素がない場合、適当な染色剤
を用いてシェル中の色材含有量がシェルを設けていない
ものと比較することができる。
【0048】又、コアシェル粒子をエポキシ樹脂内に埋
胞し、ミクロトームで超薄い切片を作製、染色を行うこ
とでコアシェル化はより明瞭に観察できる。上記のよう
に、ポリマーや、色材にプローブとなりうる元素がある
場合、TOF−SIMSやTEMによってコアシェルの
組成、色材のコアとシェルへの分布量を見積もることも
できる。
【0049】必要な粒子径を得るには、処方の最適化
と、適当な乳化法の選定が重要である。処方は用いる色
材、ポリマーによって異なるが、水中のサスペンション
であるので、コアを構成するポリマーよりシェルを構成
するポリマーの方が一般的に親水性が高いことが必要で
ある。また、シェルを構成するポリマーに含有される色
材は、前記のようにコアを構成するポリマー中より少な
いことが好ましく、色材もシェルを構成するポリマーよ
りも親水性の低いことが必要である。親水性、疎水性
は、例えば溶解性パラメータ(SP)を用いて見積もる
ことができる。溶解性パラメータは、その値や、測定、
計算法がPOLYMER HANDBOOK第4版(J
OHN WILEY & SONS,INC.)675
ページからの記載が参考になる。
【0050】また、コア/シェルで用いられるポリマー
は、その数平均分子量が500〜100,000、特に
1,000〜30,000であることが、印刷後の製膜
性、その耐久性及びサスペンションの形成性の点から好
ましい。
【0051】該ポリマーのTgは、各種用いることが可
能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以
上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好まし
い。
【0052】本発明においては、一般に知られているす
べてのポリマーを使用可能であるが、特に好ましいポリ
マーは、主な官能基としてアセタール基を含有するポリ
マー、炭酸エステル基を含有するポリマー、水酸基を含
有するポリマーおよびエステル基を有するポリマーであ
る。上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、そ
の置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとってい
てもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各
種のものが市販されているが、常法によって合成するこ
ともできる。また、これらの共重合体は、例えば1つの
ポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他の
ポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフ
ト重合を行っても得られる。
【0053】次に、上記ポリマーによって封入される色
材について説明すると、該色材としては、上記ポリマー
によって封入され得る色材であれば特に制限無く用いる
ことができ、例えば、油性染料、分散染料、直接染料、
酸性染料及び塩基性染料等を挙げることができるが、良
好な封入性の観点から油性染料及び分散染料を用いるこ
とが好ましい。上記分散染料として、特に好ましい具体
例を以下に示すが、これのみに限定されるものではな
い。特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパー
ズイエロー5、42、54、64、79、82、83、
93、99、100、119、122、124、12
6、160、184:1、186、198、199、2
04、224及び237;C.I.ディスパーズオレン
ジ13、29、31:1、33、49、54、55、6
6、73、118、119及び163;C.I.ディス
パーズレッド54、60、72、73、86、88、9
1、92、93、111、126、127、134、1
35、143、145、152、153、154、15
9、164、167:1、177、181、204、2
06、207、221、239、240、258、27
7、278、283、311、323、343、34
8、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレ
ッド33;C.I.ディスパーズブルー56、60、7
3、87、113、128、143、148、154、
158、165、165:1、165:2、176、1
83、185、197、198、201、214、22
4、225、257、266、267、287、35
4、358、365及び368;並びにC.I.ディス
パーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。一方、上
記油性染料としては、以下に限定されるものではない
が、特に好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソ
ルベント・ブラック3、7、27、29及び34;C.
I.ソルベント・イエロー14、16、19、29、5
6及び82;C.I.ソルベント・レッド1、3、8、
18、24、27、43、51、72、73、132及
び218;C.I.ソルベント・バイオレット3;C.
I.ソルベント・ブルー2、11及び70;C.I.ソ
ルベント・グリーン3及び7;並びにC.I.ソルベン
ト・オレンジ2等が挙げられる。
【0054】色材として、又、以下に挙げられるような
水溶性染料も使用可能である。本発明で用いることので
きる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染
料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フ
タロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニ
ルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物
を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定さ
れるものではない。
【0055】〔C.I.アシッドイエロー〕1、3、1
1、17、18、19、23、25、36、38、4
0、42、44、49、59、61、65、67、7
2、73、79、99、104、110、114、11
6、118、121、127、129、135、13
7、141、143、151、155、158、15
9、169、176、184、193、200、20
4、207、215、219、220、230、23
2、235、241、242、246 〔C.I.アシッドオレンジ〕3、7、8、10、1
9、24、51、56、67、74、80、86、8
7、88、89、94、95、107、108、11
6、122、127、140、142、144、14
9、152、156、162、166、168 〔C.I.アシッドレッド〕1、6、8、9、13、1
8、27、35、37、52、54、57、73、8
2、88、97、106、111、114、118、1
19、127、131、138、143、145、15
1、183、195、198、211、215、21
7、225、226、249、251、254、25
6、257、260、261、265、266、27
4、276、277、289、296、299、31
5、318、336、337、357、359、36
1、362、364、366、399、407、415 〔C.I.アシッドバイオレット〕17、19、21、
42、43、47、48、49、54、66、78、9
0、97、102、109、126 〔C.I.アシッドブルー〕1、7、9、15、23、
25、40、62、72、74、80、83、90、9
2、103、104、112、113、114、12
0、127、128、129、138、140、14
2、156、158、171、182、185、19
3、199、201、203、204、205、20
7、209、220、221、224、225、22
9、230、239、249、258、260、26
4、278、279、280、284、290、29
6、298、300、317、324、333、33
5、338、342、350 〔C.I.アシッドグリーン〕9、12、16、19、
20、25、27、28、40、43、56、73、8
1、84、104、108、109 〔C.I.アシッドブラウン〕2、4、13、14、1
9、28、44、123、224、226、227、2
48、282、283、289、294、297、29
8、301、355、357、413 〔C.I.アシッドブラック〕1、2、3、24、2
6、31、50、52、58、60、63、107、1
09、112、119、132、140、155、17
2、187、188、194、207、222 〔C.I.ダイレクトイエロー〕8、9、10、11、
12、22、27、28、39、44、50、58、8
6、87、98、105、106、130、132、1
37、142、147、153 〔C.I.ダイレクトオレンジ〕6、26、27、3
4、39、40、46、102、105、107、11
8 〔C.I.ダイレクトレッド〕2、4、9、23、2
4、31、54、62、69、79、80、81、8
3、84、89、95、212、224、225、22
6、227、239、242、243、254 〔C.I.ダイレクトバイオレット〕9、35、51、
66、94、95 〔C.I.ダイレクトブルー〕1、15、71、76、
77、78、80、86、87、90、98、106、
108、160、168、189、192、193、1
99、200、201、202、203、218、22
5、229、237、244、248、251、27
0、273、274、290、291 〔C.I.ダイレクトグリーン〕26、28、59、8
0、85 〔C.I.ダイレクトブラウン〕44、106、11
5、195、209、210、222、223 〔C.I.ダイレクトブラック〕17、19、22、3
2、51、62、108、112、113、117、1
18、132、146、154、159、169 〔C.I.ベイシックイエロー〕1、2、11、13、
15、19、21、28、29、32、36、40、4
1、45、51、63、67、70、73、91 〔C.I.ベイシックオレンジ〕2、21、22 〔C.I.ベイシックレッド〕1、2、12、13、1
4、15、18、23、24、27、29、35、3
6、39、46、51、52、69、70、73、8
2、109 〔C.I.ベイシックバイオレット〕1、3、7、1
0、11、15、16、21、27、39 〔C.I.ベイシックブルー〕1、3、7、9、21、
22、26、41、45、47、52、54、65、6
9、75、77、92、100、105、117、12
4、129、147、151 〔C.I.ベイシックグリーン〕1、4 〔C.I.ベイシックブラウン〕1 〔C.I.リアクティブイエロー〕2、3、7、15、
17、18、22、23、24、25、27、37、3
9、42、57、69、76、81、84、85、8
6、87、92、95、102、105、111、12
5、135、136、137、142、143、14
5、151、160、161、165、167、16
8、175、176 〔C.I.リアクティブオレンジ〕1、4、5、7、1
1、12、13、15、16、20、30、35、5
6、64、67、69、70、72、74、82、8
4、86、87、91、92、93、95、107 〔C.I.リアクティブレッド〕2、3、5、8、1
1、21、22、23、24、28、29、31、3
3、35、43、45、49、55、56、58、6
5、66、78、83、84、106、111、11
2、113、114、116、120、123、12
4、128、130、136、141、147、15
8、159、171、174、180、183、18
4、187、190、193、194、195、19
8、218、220、222、223、228、235 〔C.I.リアクティブバイオレット〕1、2、4、
5、6、22、23、33、36、38 〔C.I.リアクティブブルー〕2、3、4、5、7、
13、14、15、19、21、25、27、28、2
9、38、39、41、49、50、52、63、6
9、71、72、77、79、89、104、109、
112、113、114、116、119、120、1
22、137、140、143、147、160、16
1、162、163、168、171、176、18
2、184、191、194、195、198、20
3、204、207、209、211、214、22
0、221、222、231、235、236 〔C.I.リアクティブグリーン〕8、12、15、1
9、21 〔C.I.リアクティブブラウン〕2、7、9、10、
11、17、18、19、21、23、31、37、4
3、46 〔C.I.リアクティブブラック〕5、8、13、1
4、31、34、39 等が挙げられ、これら上記に列挙した染料は、「染色ノ
ート第21版」(出版;色染社)等に記載されている。
【0056】これら水溶性染料のなかでもフタロシアニ
ン染料が好ましい。フタロシアニン染料としては、無置
換あるいは中心元素を有するものが挙げられ、中心元素
としては金属、非金属のものが挙げられ、好ましくは銅
であり、より好ましくはC.I.ダイレクトブルー19
9が挙げられる。
【0057】また、水や各種有機溶剤に不溶な顔料を用
いることも可能である。本発明に使用できる顔料として
は、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば
アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレート
アゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレ
ン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリド
ン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソ
インドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料
や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レ
ーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラッ
ク、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の
無機顔料が挙げられる。
【0058】具体的な有機顔料を以下に例示する。マゼ
ンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメン
トレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピ
グメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.
I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド1
5、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメン
トレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:
1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグ
メントレッド122、C.I.ピグメントレッド12
3、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメ
ントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、
C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメント
レッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.
I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0059】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.
ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0060】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0061】本発明のインクに使用する顔料分散体の平
均粒径は10〜200nmであることが好ましく、10
〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさら
に好ましい。顔料分散体の平均粒径が150nmを越え
ると光沢メディアに記録した画像では光沢感の劣化が起
こり、トランスペアレンシーメディアに記録した画像で
は著しい透明感の劣化が起こる。また、顔料分散体の平
均粒径が10nm未満になると顔料分散体の安定性が悪
くなり易く、インクの保存安定性が劣化し易くなる。
【0062】顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気
泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測
定機器により求めることができる。また、透過型電子顕
微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対
して行い、この像をImage−Pro(メディアサイ
バネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処
理を行うことによっても求めることが可能である。
【0063】色材として、あるいは、特開平9−277
693号、特開平10−20559号、特開平10−3
0061号に示されるような、金属錯体色素も使用可能
である。たとえば、特開平10−20559号に記載の
一般式(1)及び一般式(2)で表される色素が使用可
能である。
【0064】
【化1】
【0065】一般式(1)において、X1は、金属イオ
ンと少なくとも2座の配位結合を形成可能な構造を有す
る原子の集まりを表し、Y1は芳香族炭化水素環、5員
或いは6員の複素環又は−L4=Y2を表し、Y2は含窒
素の5員或いは6員の複素環を表す。L1、L4は置換又
は非置換のメチン基並びに窒素原子を表し、L2、L3
置換又は非置換のメチン基を表す。Mは金属イオンを表
し、X1で形成される原子の集まりと少なくとも2座の
配位結合を形成している。mは0、1、2又は3の整数
を表し、n1は1、2又は3の整数を表す。又、一般式
(2)において、X3、Y3、M及びn2はそれぞれ上記
1、Y1、M及びn1と同義である。
【0066】さらにこれらの具体例として以下の色素が
挙げられる。
【0067】
【化2】
【0068】
【化3】
【0069】
【化4】
【0070】
【化5】
【0071】
【化6】
【0072】
【化7】
【0073】
【化8】
【0074】
【化9】
【0075】
【化10】
【0076】
【化11】
【0077】
【化12】
【0078】
【化13】
【0079】
【化14】
【0080】
【化15】
【0081】本発明のコア/シェルの形態を有する色材
含有ポリマー微粒子は、ポリマー量として本発明のポリ
マーエマルジョン型水系インク中に0.5〜50質量%
配合されることが好ましく、0.5〜30質量%配合さ
れることが更に好ましい。上記ポリマーの配合量が0.
5質量%に満たないと、色材の保護能が十分でなく、5
0質量%を超えると、サスペンションのインクとしての
保存安定性が低下したり、ノズル先端部でのインク蒸発
に伴うインクの増粘やサスペンションの凝集が起こるこ
とによってプリンタヘッドの目詰りが起こる場合がある
ので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0082】一方、上記色材としては、該インク中に1
〜30質量%配合されることが好ましく、1.5〜25
質量%配合されることが更に好ましい。上記色材の配合
量が1質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、3
0質量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下
し、凝集等による粒径増大の傾向があるので、上記範囲
内とすることが好ましい。
【0083】本発明のインクは、水を媒体とし、上記色
材を封入したポリマーのサスペンションからなり、該サ
スペンションには従来公知の各種添加剤、例えば多価ア
ルコール類のような湿潤剤、分散剤、シリコーン系等の
消泡剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及び/又
はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収
剤等が含有されていてもよい。
【0084】ここで、上記湿潤剤としては、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビト
ール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及び
そのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノ
ールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の
含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は
二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配
合量に特に制限はないが、上記インク中に好ましくは
0.1〜50質量%配合することができ、更に好ましく
は0.1〜30質量%配合することができる。
【0085】また、上記分散剤としては、特に制限され
るものではないが、そのHLB値が8〜18であること
が、分散剤としての効果が発現し、サスペンションの粒
子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
【0086】分散剤として市販品も使用することができ
る。そのような市販品としては、例えば花王(株)製の
分散剤デモールSNB,MS,N,SSL,ST,P
(商品名)が挙げられる。
【0087】分散剤の配合量に特に制限はないが、本発
明のインク中に、0.01〜10質量%配合されること
が好ましい。該化合物の配合量が0.01質量%に満た
ないとサスペンションの小粒径化が困難であり、10質
量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したりサス
ペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがあるの
で、上記範囲内とすることが好ましい。
【0088】また、上記消泡剤としては、特に制限な
く、市販品を使用することができる。そのような市販品
としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、6
6、69、KS68、604、607A、602、60
3、KM73、73A、73E、72、72A、72
C、72F、82F、70、71、75、80、83
A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品
名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限
はないが、本発明のポリマーエマルジョン型水系インク
中に、0.001〜2質量%配合されることが好まし
い。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないと
インク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡
の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えら
れるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字
品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とする
ことが好ましい。
【0089】次に、本発明のインクの製造方法について
説明する。本発明のインクは、各種の乳化法で製造する
ことができる。乳化法としては、各種の方法を用いるこ
とができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・
乳化技術の進歩と応用展開シー エム シー」の86ペ
ージの記載にまとめられている。本発明においては、特
に、超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置
を使用することが好ましい。
【0090】超音波による乳化分散では、いわゆるバッ
チ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、
比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサン
プル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−60
0SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用い
ることが可能である。このような連続式の場合、超音波
の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めるこ
とができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞ
れの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射
時間は実際上は10000秒以下である。また、100
00秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上
は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必
要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さ
らに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
【0091】高速回転せん断による乳化分散装置として
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー
エム シー」の255〜256ページに記載されてい
るような、ディスパーミキサーや、251ページに記載
されているようなホモミキサー、256ページに記載さ
れているようなウルトラミキサーなどが使用できる。こ
れらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分ける
ことができる。これらの高速回転せん断による乳化分散
機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有
する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランス
は通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、
せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が5
m/S以上150m/S以内であれば本発明の乳化・分
散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばして
も小粒径化が達成できない場合が多く、150m/Sに
するにはモーターの性能を極端に上げる必要があるから
である。さらに好ましくは、20〜100m/sであ
る。
【0092】高圧による乳化分散では、LAB2000
(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・
分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は
10 4kPa〜5×105kPaの範囲が好ましい。ま
た、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を
得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散
を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、ま
た、圧力を5×105kPaにするためには、装置に大
きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは5
×104kPa〜2×105kPaの範囲である。
【0093】これらの乳化・分散装置は単独で用いても
よいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能
である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども
単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置
との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にす
るなど本発明の効果を高めることが可能である。
【0094】また、本発明のインクは、上記の装置を用
いるほか、いわゆる転相乳化によっても製造することが
できる。ここで、転相乳化は、上記ポリマーを、上記染
料と共にエステル、ケトンなどの有機溶剤に溶解させ、
必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボキシ
ル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有機溶
剤を留去して水系に転相することからなる。転相が完了
した後、系を減圧下に加熱することにより、上記エステ
ル、ケトン系溶剤を除去すると共に、所定量の水を除去
して、所望の濃度を有する本発明のインクジェット記録
用水系インクが得られる。
【0095】本発明のポリマーエマルジョン型水系イン
クは、インクジェット記録用のインクとして以外に、例
えば、一般の万年筆、ボールペン、サインペン等の筆記
具用のインクとしても使用可能である。本発明のサスペ
ンションを乾燥し、微粒の粉体を得ることもできる。得
られた粉体は、電子写真のトナーなどにも使用可能であ
る。
【0096】
【実施例】次に、実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明は、かかる実施例のみに
限定されるものではない。
【0097】(色材含有微粒子分散液の作製) 実施例1 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製BL−S、平均重合度350)10g、色材と
して、キレート染料(化合物例D−5)10g、及び酢
酸エチル150gをセパラブルフラスコに入れ、フラス
コ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマー及び染料を完
全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム(1質量%)水
溶液150gを加えて撹拌した後、超音波分散機(UH
−150型、株式会社エスエムテー製)を用いて50
℃、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチル
を除去し、その後過硫酸ナトリウム0.1gを添加後、
窒素気流下、80℃で、3gのスチレンと、3gの2−
ヒドロキシエチルメタクリレートの混合物を2時間かけ
て滴下、重合させ、マゼンタ染料を含有する色材含有微
粒子分散液を作製した。
【0098】実施例2 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製BL−S、平均重合度350)10g、色材と
して、下記の染料Aを10g、及び酢酸エチル150g
をセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN2置換
後、攪拌して上記ポリマー及び染料を完全溶解させた。
ドデシル硫酸ナトリウム(1質量%)水溶液150gを
加えて撹拌した後、超音波分散機(UH−150型、株
式会社エスエムテー製)を用いて50℃、300秒間乳
化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、その後
過硫酸ナトリウム0.1gを添加後、窒素気流下、80
℃で、3gのスチレンと、3gの2−ヒドロキシエチル
メタクリレートの混合物を2時間かけて滴下、重合さ
せ、マゼンタ染料を含有する色材含有微粒子分散液を作
製した。
【0099】
【化16】
【0100】比較例1 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製BL−S、平均重合度350)3g、色材とし
て、ValifastRed3320(オリエント化学
製)10g、及び酢酸エチル150gをセパラブルフラ
スコに入れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポ
リマー及び染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリ
ウム(1質量%)水溶液150gを加えて撹拌した後、
超音波分散機(UH−150型、株式会社エスエムテー
製)を用いて50℃、300秒間乳化した。その後、減
圧下で酢酸エチルを除去し、その後過硫酸ナトリウム
0.1gを添加後、窒素気流下、80℃で、3gのスチ
レンと、3gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの
混合物を2時間かけて滴下、重合させ、マゼンタ染料を
含有する色材含有微粒子分散液を作製した。
【0101】実施例3 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製BL−10、平均重合度250)10g、色材
として、FS−Yellow 1015(有本化学製)
10g、及び酢酸エチル150gをセパラブルフラスコ
に入れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマ
ー及び染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム
(1質量%)水溶液150gを加えて撹拌した後、クリ
アミックスWモーションCLM−0.8W(エムテクニ
ック社製)を用いて300秒間乳化した。その後、減圧
下で酢酸エチルを除去し、その後過硫酸ナトリウム0.
1gを添加後、窒素気流下、80℃で、3gのスチレン
と、3gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合
物を2時間かけて滴下、重合させ、イエロー染料を含有
する色材含有微粒子分散液を作製した。
【0102】比較例2 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製KS−10、平均重合度300)3g、色材と
して、FS−Yellow 1015(有本化学製)1
0g、及び酢酸エチル150gをセパラブルフラスコに
入れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマー
及び染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム
(1質量%)水溶液150gを加えて撹拌した後、クリ
アミックスWモーションCLM−0.8W(エムテクニ
ック社製)300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸
エチルを除去し、80℃で2時間放置した。その後過硫
酸ナトリウム0.1gを添加後、窒素気流下、80℃
で、3gのスチレンと、3gの2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートの混合物を2時間かけて滴下、重合させ、
イエロー色素を含有する色材含有微粒子分散液を作製し
た。
【0103】実施例4 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製BL−10、平均重合度250)10g、色材
として、FS Blue 1504(有本化学製)10
g、及び酢酸エチル150gをセパラブルフラスコに入
れ、フラスコ内をN 2置換後、攪拌して上記ポリマー及
び染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム(1
質量%)水溶液150gを加えて撹拌した後、T.K.
フィルミックス(特殊機化製)で、周速50m/se
c.で30秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチル
を除去し、その後過硫酸ナトリウム0.1gを添加後、
窒素気流下、80℃で、3gのスチレンと、3gの2−
ヒドロキシエチルメタクリレートの混合物を2時間かけ
て滴下、重合させシアン染料を含有する色材含有微粒子
分散液を作製した。
【0104】比較例3 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製BL−10、平均重合度250)3g、色材と
して、FS Blue 1504(有本化学製)10
g、及び酢酸エチル150gをセパラブルフラスコに入
れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマー及
び染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム
(0.1質量%)水溶液150gを加えて撹拌した後、
T.K.フィルミックス(特殊機化製)で、周速50m
/sec.で30秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸
エチルを除去し、その後過硫酸ナトリウム0.1gを添
加後、窒素気流下、80℃で、3gのスチレンと、3g
の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合物を2時
間かけて滴下、重合させ、シアン染料を含有する色材含
有微粒子分散液を作製した。
【0105】実施例5 ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学
(株)製BL−S、平均重合度350)10g、色材と
して、キレート染料(化合物例D−5)10g、及びメ
チルエチルケトン150gをセパラブルフラスコに入
れ、フラスコ内をN2置換後、攪拌して上記ポリマー及
び染料を完全溶解させた。ドデシル硫酸ナトリウム(1
質量%)水溶液150gを加えて撹拌した後、高圧乳化
機(LAB2000型;株式会社エスエムテー製)を用
いて50℃、105kPaで乳化した。その後、水希釈
後限外濾過でメチルエチルケトンの一部を除去し、更
に、減圧下でメチルエチルケトンを除去し、その後過硫
酸ナトリウム0.1gを添加後、窒素気流下、80℃
で、3gのスチレンと、3gの2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートの混合物を2時間かけて滴下、重合させ、
マゼンタ染料を含有する色材含有微粒子分散液を作製し
た。
【0106】(インク液の作製)下記により実施例1〜
5及び比較例1〜3で調製した各色材含有微粒子分散液
を用いてポリマーエマルジョン型水系インクを作製し
た。
【0107】 実施例1〜5、比較例1〜3で得られたエマルジョン 70g ジエチレングリコール 25g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 4.8g アセチレノールEL(川研ファインケミカル製) 0.20g 調製した各インクはそれぞれ水で希釈後、光路長10m
mのセルに入れ、島津UVPC−2400を用いて最大
吸収波長及び800nm又は900nmにおける吸光度
を測定した。又、各インクを60℃において3日間停滞
した後にそれぞれ水で同じ希釈率に希釈後800nm又
は900nmにて吸光度を測定した。各インクの60℃
で停滞前の最大吸収波長と800nm又は900nmに
おける吸光度及び停滞後の800nm又は900nmに
おける吸光度、更にこの吸光度変動について、表1に示
した。
【0108】
【表1】
【0109】又、以上の各インクを用いて、市販のエプ
ソン(株)製インクジェットプリンター PM−880
Cによりコニカフォトジェットペーパー Photol
ike QP 光沢紙(コニカ(株)製)に各色のウエ
ッジ像をプリントした。
【0110】色再現性をみるためプリントの色調につい
て以下の方法に従って評価した結果を表2に示す。
【0111】(色調)色調は、X−Rite(日本平板
機材製)にて評価。それぞれの濃度1.3のところで、
マゼンタがa*値で85以上なら◎、80以上なら○、
80未満は×とした。イエローはa*≦0、b*≧90以
上なら○、それ以外は×とした。又、シアンでa*、b*
値がそれぞれ−30以下であれば○、それ以外を×とし
た。
【0112】
【表2】
【0113】本発明の色材含有微粒子を用いたポリマー
エマルジョンからなるインクが色再現性に優れているこ
とがわかる。
【0114】
【発明の効果】以上、詳述した通り、色再現性と堅牢性
に優れた水系エマルジョンからなるインクを得ることが
できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 FC02 2H086 BA01 BA53 BA55 BA60 4J039 AD07 AD10 BC03 BC07 BC16 BC33 BC40 BC44 BC50 BC51 BC52 BC55 BC65 BD02 BE01 BE02 BE22 CA06 EA21 EA35 EA42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材を含有するポリマーコア及びポリマ
    ーシェルからなる色材含有微粒子において、該色材含有
    微粒子の分散液を用いてこれをインクとしたときに、最
    大吸収波長が500〜600nmであり、該インクを最
    大吸収波長における吸光度が1となるように希釈した時
    に、800nmにおける吸光度が0.1以下であること
    を特徴とする色材含有微粒子。
  2. 【請求項2】 色材を含有するポリマーコア及びポリマ
    ーシェルからなる色材含有微粒子において、該色材含有
    微粒子の分散液を用いてこれをインクとしたときに、最
    大吸収波長が350〜500nmであり、該インクを最
    大吸収波長における吸光度が1となるように希釈した時
    に、800nmにおける吸光度が0.1以下であること
    を特徴とする色材含有微粒子。
  3. 【請求項3】 色材を含有するポリマーコア及びポリマ
    ーシェルからなる色材含有微粒子において、該色材含有
    微粒子の分散液を用いてこれをインクとしたときに、最
    大吸収波長が600〜750nmであり、該インクを最
    大吸収波長における吸光度が1となるように希釈した時
    に、900nmにおける吸光度が0.1以下であること
    を特徴とする色材含有微粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の色
    材含有微粒子を用いたことを特徴とするポリマーエマル
    ジョン型水系インク。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の色材含有微粒子
    を用いて作製されたポリマーエマルジョン型水系インク
    において、60℃で3日間停滞させた後の800nmに
    おける吸光度の変動が100%以内である事を特徴とす
    るポリマーエマルジョン型水系インク。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の色材含有微粒子を用い
    て作製されたポリマーエマルジョン型水系インクにおい
    て、60℃で3日間停滞させた後の900nmにおける
    吸光度の変動が100%以内である事を特徴とするポリ
    マーエマルジョン型水系インク。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097347A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット用水性インクセットおよびインクジェット記録方法
JP2005097379A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Konica Minolta Holdings Inc 着色微粒子を分散した水系インク、それを用いたインクセット、インクジェット記録装置

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JP2005097347A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット用水性インクセットおよびインクジェット記録方法
JP2005097379A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Konica Minolta Holdings Inc 着色微粒子を分散した水系インク、それを用いたインクセット、インクジェット記録装置

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