JP2003064223A - ゴムシール部品 - Google Patents

ゴムシール部品

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JP2003064223A JP2001259476A JP2001259476A JP2003064223A JP 2003064223 A JP2003064223 A JP 2003064223A JP 2001259476 A JP2001259476 A JP 2001259476A JP 2001259476 A JP2001259476 A JP 2001259476A JP 2003064223 A JP2003064223 A JP 2003064223A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムシール部品間の粘着防止と併せ、ゴムシ
ール部品が装着される相手シール面に対する非粘着性お
よび相手シール面との低摩擦性に優れたゴムシール部品
を提供する。 【解決手段】 (a)アクリニトリル−ブタジエンゴム1
00重量部、(b)平均径が1〜50μmでアスペクト比が3以上
の充填剤10〜100重量部、(c)脂肪族または芳香族のカル
ボン酸アミド0.5〜10重量部および(d)粘度(40℃)が30〜
400cStのパラフィンオイル0.5〜50重量部を含む組成物
を加硫成形する。特に、上記加硫成形品の表面に1〜30
μmの深さで凹凸面を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムシール部品に
関する。更に詳しくは、非粘着性と低摩擦性とにすぐれ
たゴムシール部品に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムシール部品、例えばO−リング、パ
ッキン、Vパッキン、オイルシール、ガスケット、角リ
ング、Dリング、ダイアフラム、各種バルブ等は、流体
もしくは気体の漏洩防止等に広く用いられている。
【0003】一般にゴムシール部品は仮置きや運搬また
は包装のために重ね合わせたりすると互いに粘着しやす
いため、組み付け時の作業性がよくないという性質があ
る。また、ゴムシール部品を装置に組み込む際には相手
装着面に粘着したり、あるいは、装置に装着する場合に
被装着面との摩擦抵抗が大きく装着しにくいという欠点
がある。特にその粘着性のために、オートメーション化
に伴う、パーツフィーダーなどによる自動搬送あるいは
自動装着が困難になったりするという問題がある。
【0004】さらに、ゴムシール部品を装着したときの
相手シール面への粘着が大きいと、シール部品と相手シ
ール面との摺動抵抗が大きくなり、これが原因で、装置
作動時にシール個所で振動やスリップ音が発生しやすく
なるという欠点がある。
【0005】また、ゴムシール部品を装着した後長時間
使用すると、ゴムシール部品が相手シール材である金
属、樹脂、ガラス等に粘着し、機器の作動不具合を起こ
す懸念もあり、また、シール部品の定期的な交換に際し
ては、相手シール面への粘着のために交換の作業に時間
がとられる場合もある。
【0006】このようなシール部品の組み付けあるいは
分解作業性の困難さ、組み付けた後のシール作動の不安
定さや作動抵抗が大きいこと、異音あるいは振動の発生
などを解消するために、ゴムシール部品の表面に油やグ
リース等の潤滑剤を塗布する方法が取られている。
【0007】特開昭58−198549号公報や特開平6−10073
1号公報には、ゴム成形品同士の粘着防止や相手接触材
との低摺動抵抗化、低摩擦化、さらにはゴム成形品を組
み込んだ装置の作動時の振動あるいは異音の発生の防止
のために、脂肪族のカルボン酸アミドをゴムに配合する
ことが記載されている。
【0008】しかし、ゴムシール部品においては、ゴム
を圧縮して変形することにより液体や気体をシールする
機構上、相手シール面の材質である金属や樹脂などへの
粘着や摺動抵抗が大きく、シール性を維持しながら粘着
性を軽減するには、上記公報に記載の粘着防止の方法す
なわち脂肪族のカルボン酸アミドをゴムに配合するのみ
では、ゴムシール部品の粘着防止、低摺動化、低摩擦化
がまだ不十分である。
【0009】特開平8−48966号公報には、ワックスをゴ
ムに配合し加硫成形した後、さらに恒温槽で熱処理(二
次加硫)することにより配合されたワックスをゴム成形
品の表層に析出させ、ゴムパッキン同士の粘着を防止
し、かつパーツフィーダー等による自動搬送を容易にす
る効果があると記載されている。
【0010】この方法は、前述のカルボン酸アミドを配
合する方法に比べると、ゴムシール部品を装置に組み込
むまでの非粘着特性は維持できるが、装置に組み込む際
の組み込み抵抗の低減、組み込み後の非粘着特性の維
持、低摺動化や低摩擦化の点でまだ不十分であった。
【0011】また、特開平8−86359号公報には、脂肪族
のカルボン酸アミドをゴムに配合し、かつゴム表面粗度
を8μm以上にすることにより、ゴムシール部品の装置へ
の組み込み時のシール部品挿入抵抗を下げる効果がある
と記載されている。しかし、この場合においても、装置
組み込み後の相手被シール材との粘着が大きくは解消さ
れず、低摺動化、低摩擦力化が不十分であり、より優れ
た粘着防止特性がゴムシール部品に望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゴム
シール部品間の粘着防止と併せ、ゴムシール部品が装着
される相手シール面に対する非粘着性および相手シール
面との低摩擦性に優れたゴムシール部品を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
(a)アクリトニトリル−ブタジエンゴム100重量部、(b)
平均径が1〜50μmでアスペクト比が3以上の充填剤10〜1
00重量部、(c)脂肪族または芳香族のカルボン酸アミド
0.5〜10重量部および(d)粘度(40℃)が30〜400cStのパラ
フィンオイル0.5〜50重量部を含む組成物から加硫成形
されたゴムシール部品によって達成される。
【0014】特に、上記加硫成形品の表面に1〜30μmの
深さで凹凸面を形成させることによって、さらに優れた
部品相互の非粘着性および相手シール面との低摩擦化お
よび低粘着性化が達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるアクリロニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)としては、結合アクリロニ
トリル量が15〜50、好ましくは25〜45%で、ムーニー粘
度ML1+4(100℃)が25〜90、好ましくは35〜80のものが
用いられる。
【0016】NBRに配合される充填剤としては、平均
径1〜50μm、好ましくは5〜30μmでかつアスペクト比3
以上のものが用いられる。充填剤の形状としては、偏平
状充填剤、板状充填剤、針状(繊維状)充填剤がある。
ここで充填剤の平均径とは、レーザー光散乱法で測定さ
れる充填剤のFeret径(任意に決めた一定の方向に2本の
平行線で、粒子両端をはさんだ間隔)の粒度分布から求
めた加算平均値である。偏平状充填剤もしくは板状充填
剤のアスペクト比は、(粒子面積)1/2÷(厚さ)から求め
られる。また、針状(繊維状)充填剤のアスペクト比
は、長さ÷粒子径から求められる。
【0017】平均径が1μm未満では、加硫ゴムの硬度が
高くなり、また、成形された加硫ゴム表面の凹凸が小さ
く、非粘着性化の効果が大きく得られない。また、逆に
50μmを越えると、加硫ゴムの物性の低下や加硫ゴム表
面からの充填剤の脱落が見られる。一方アスペクト比が
3未満では、加硫ゴム表面の凹凸が小さいものしか得ら
れず、非粘着性が十分に得られない。
【0018】偏平状充填剤もしくは板状充填剤として
は、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシ
ウム、タルク、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、
各種金属箔、黒鉛、板状酸化鉄、板状炭酸カルシウム、
板状水酸化アルミニウムなどが用いられる。また、針状
(繊維状)充填剤としては、チタン酸カリウム、ウオラ
スナイト、ゾノトライト、ホスフェートファイバー、石
膏繊維、ドーソナイト、アルミニウムボレート、アスベ
スト、針状水酸化マグネシウム、針状炭酸カルシウム、
針状珪酸アルミニウム、針状珪酸マグネシウム、ガラス
繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、アルミ
ナ繊維、金属繊維などが用いられる。
【0019】これらの充填剤は、NBR100重量部当り10〜
100重量部、好ましくは20〜50重量部を含有させること
により、ゴム表面の微少な凹凸の形成や充填剤の加硫ゴ
ム表面への露出を行わせることができ、ゴムシール部品
に非粘着性や低摩擦特性を付与させることができる。使
用する充填剤が10重量部未満では、加硫ゴム表面の凸凹
が小さく、十分な非粘着特性が得られない。また、100
重量部を越えると、ゴム組成物の混練、成形が困難にな
ったり、加硫したゴムの硬度が著しく増大する。
【0020】本発明で用いられる脂肪族または芳香族の
カルボン酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、ラウ
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ステ
アリルステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸ア
ミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレン
ビスオレイン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸ア
ミド、N,N-ジステアリルイソフタル酸アミドなどがあげ
られる。
【0021】これらのカルボン酸アミドは、NBR100重量
部当り0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部含有させ
ることにより、ゴム成形後にこれらアミド類がゴム表面
に析出してゴム表面を覆うため、ゴム成形品に非粘着、
低摩擦特性を付与することができる。カルボン酸アミド
の配合量が0.5重量部未満では、ゴム表面への析出が少
なくなり、非粘着、低摩擦特性が得られない。カルボン
酸アミドの配合量が10重量部を越えると、ゴム組成物の
混練が困難になったり、加硫成形時の金型への汚染がひ
どくなったり、加硫ゴムの物性が低下し、またカルボン
酸アミドのゴム表面への析出量が増えてシール性が低下
し、シール部品として使用できなくなる。
【0022】本発明に用いられるパラフィンオイルに
は、ガードナー型泡粘度計で測定される粘度(40℃)が30
〜400cStのものが用いられ、一般に石油系パラフィンオ
イルが使用される。パラフィンオイルの粘度(40℃)が30
cSt未満では、ゴムとの相溶性がよいために、加硫ゴム
表面にオイルが析出する量が少なくなり、非粘着、低摩
擦特性が十分に得られない。一方パラフィンオイルの粘
度(40℃)が400cStを越えると、ゴム表面に析出したパラ
フィンオイルによるベタツキが高くなり、非粘着特性が
得られない。
【0023】パラフィンオイルは、NBR100重量部当り0.
5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部を含有させること
により、成形後のゴム表面がパラフィンオイルに覆われ
るため、ゴムシール部品に非粘着、低摩擦特性を付与さ
せることができる。
【0024】パラフィンオイル配合量が0.5重量部未満
では、ゴム表面に析出するオイル量が少なくなり、成形
ゴムの非粘着、低摩擦特性が得られない。パラフィンオ
イル配合量が50重量部を越えると、混練が困難になった
り、加硫成形時の金型への汚染が多くなったり、加硫ゴ
ムの物性が低下し、またゴム表面のオイル析出量が増え
て加硫ゴムのべたつきが多くなり、シール部品として、
使用できなくなる。
【0025】ゴム組成物の調製は、インターミックス、
ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機またはオー
プンロールなどを用いて混練することにより行われる。
また、加硫成形は射出成形機、圧縮成形機、加硫プレス
などを用いて、一般には150〜200℃で3〜50分間程度加
熱成形することによって行われ、さらに必要に応じて、
好ましくは80〜150℃程度で1〜24時間程度加熱する二次
加硫が行われる。
【0026】二次加硫をすることにより、短時間でカル
ボン酸アミド、パラフィンオイルを成形ゴム表面に析出
させることができる。また、二次加硫をしなくとも、室
温で長時間放置すれば、同様に成形ゴム表面に配合した
カルボン酸アミド類あるいはパラフィンオイル等が加硫
成形ゴムの表面に析出してくる。
【0027】特に、ゴム成形品の表面に1〜30μm、好ま
しくは3〜10μmの凹凸を形成させることにより、さらに
優れた非粘着、低摩擦特性を付与させることができる。
加硫成形品表面の凹凸の範囲が1μmより大きいと、非粘
着、低摩擦特性がより効果的になり、凹凸の範囲が30μ
mより大きいと、シール性能が低下し、条件によっては
シール部品として使用できなくなる場合がある。ここ
で、凹凸の深さとはJISB0601に準じた10点平均粗さRzで
定義されるものである。
【0028】加硫ゴム表面に凹凸をつける方法として
は、加硫成形後のゴム表面をサンドプラストで荒らす方
法、サンドペーパー等でこすって荒らす方法、あるい
は、加硫成形する際に、凹凸処理を施した圧縮成形型を
用いることによってゴム表面に成形型の凹凸を転写する
方法等がとられる。凹凸処理した圧縮成形型で圧縮成形
して加硫ゴム表面に凹凸を転写する方法は、凹凸処理の
コスト低減や生産性の向上の面で好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明に係るゴムシール部品は、特定の
形状を持つ充填剤が成形ゴム表面に凹凸を与える共に、
ゴム中に存在するカルボン酸アミド系ワックスとパラフ
ィンオイルがゴム表層に析出してゴム表面を覆うので、
ゴム成形品の粘着防止作用が有効に働き、ゴムシール部
品同士の粘着防止、シール部品の金属・樹脂・ガラス等
に対する粘着性の低減できるため、シール部品の装着お
よび分解作業性の向上、シール部品を装着した装置の作
動時の作動抵抗の低減、装置の作動時にシール部位から
発生するスリップ音やこすれ音の低減などを達成させ
る。
【0030】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0031】 実施例1 NBR(結合アクリロニトリル量42%、 ムーニー粘度ML1+4(100℃)78) 100 重量部 MTカーボンブラック 15 〃 HAFカーボンブラック 40 〃 珪酸カルシウム(平均径3μm、 平均長さ25μm;アスペクト比8.3) 20 〃 エステル系可塑剤(旭電化製品アデカサイザー RS107) 20 〃 酸化亜鉛 5 〃 ステアリン酸 1 〃 ジフェニルアミン系老化防止剤(大内新興化学製品 ノクラック6C) 3 〃 イオウ 0.5 〃 スルフェンアミド系加硫促進剤(大内新興化学製品 ノクセラーCZ) 1.5 〃 チウラム系加硫促進剤(大内新興化学製品 ノクセラーTT) 1.5 〃 エチレンビスラウリン酸アミド(融点160℃) 1 〃 パラフィンオイル(40℃の粘度100cSt) 2 〃
【0032】以上の各成分をニーダーおよびオープンロ
ールにて混練し、1μmの深さの凹凸処理を行った成形型
を用い、170℃、10分間のプレス加硫を行った後、120
℃、10時間のオーブン加硫(二次加硫)を行った。
【0033】実施例2 実施例1において、加硫成形時に5μmの深さの凹凸処理
を行った成形型が用いられた。
【0034】実施例3 実施例1において、加硫成形時に30μmの深さの凹凸処理
を行った成形型が用いられた。
【0035】実施例4 実施例1において、珪酸カルシウムの代わりにカーボン
繊維(平均径15μm、平均長130μm;アスペクト比8.7)20
重量部が用いられた。
【0036】実施例5 実施例1において、パラフィンオイルとして40℃の粘度
が30cStのものが50重量部用いられ、またHAFカーボンブ
ラック量が65重量部に変更された。
【0037】実施例6 実施例1において、パラフィンオイルとして40℃の粘度
が390cStのものが10重量部用いられ、またMTカーボンブ
ラック量が20重量部に変更された。
【0038】実施例7 実施例1において、脂肪族のカルボン酸アミドの代わり
に芳香族のカルボン酸アミドであるN,N―ジステアリル
イソフタル酸アミド(融点129℃)が1重量部が用いられ
た。
【0039】比較例1 実施例1において、パラフィンオイルおよび珪酸カルシ
ウムを用いず、また、MTカ−ボンブラックが20重量部に
変更された。
【0040】比較例2 実施例1において、珪酸カルシウムの代わりに粒状(球
状)炭酸カルシウム(平均径0.1μm)20重量部が用いら
れ、またHAFカーボングラック量が35重量部に変更され
た。
【0041】比較例3 実施例1において、脂肪族のカルボン酸アミドの代わり
にパラフィンワックス(融点60℃)1重量部が用いられ
た。
【0042】比較例4 実施例1において、パラフィンオイルが用いられなかっ
た。
【0043】比較例5 実施例1において、パラフィンオイルとして、40℃の粘
度が20cStのものが2重量部用いられた。
【0044】比較例6 実施例1において、パラフィンオイルとして、40℃の粘
度が440cStのものが2重量部用いられた。
【0045】比較例7 実施例1において、加硫成形時に50μmの表面凹凸処理を
行った成形型が用いられた。
【0046】比較例8 実施例1において、エチレンビスラウリン酸アミドが15重
量部に変更された。
【0047】以上の各実施例および比較例で得られた硬
度60〜70度(JIS A)の加硫成形物について、次の4項目
の測定を行って、テスト結果を後記表に示した。表の数
値はそれぞれ3ヶの試験結果の平均値である。
【0048】(1)動摩擦係数の測定 成形ゴムシートをASTM D1894に準じ、(株)新東科学製
表面性試験機を用い、表面の動摩擦係数を25℃で測定
した。 試験条件: 相手材:直径10mmクロム鋼球の摩擦子、移動
速度:50mm/分、荷重:50g (2)金属との粘着試験 高さ6mm、直径28mmの円柱形状の成形ゴムと22.5mm、内
径22.2mm、高さ10mmの形状のアルミニウム(シール幅0.3
mm)を荷重200g、80℃、168時間の条件で、接触させその
後室温で粘着力を測定した。 (3)エアーリーク試験1 高さ6mm、直径28mmの円柱形状の成形ゴムと22.5mm、内
径22.2mm、高さ10mmの円筒形状のアルミニウム(シール
幅0.3mm)を室温で、荷重200gで均一に押し付け、1000mmH
2Oのエアーでアルミニウム円筒内部を加圧し、1分間の圧
力降下から単位時間当たりのエアー漏れ量を換算し、シ
ール性評価を行った。 (4)エアーリーク試験2 高さ6mm、直径28mmの円柱形状の成形ゴムを、80℃、168
時間の条件で、アルミニウムと接触させないで加熱処理
をして、室温で(3)と同様な試験を行った。80℃、16
8時間の加熱処理後、ゴム表面に脂肪酸アミド、ワック
ス等の析出が多いと、シール性は悪化する。
【0049】 表 金属との 漏れ量1 漏れ量2 動摩擦係数 粘着力(g) (cc/時間) (cc/時間) 実施例1 0.3 5 3 5 実施例2 0.2 1 5 9 実施例3 0.2 1 15 20 実施例4 0.2 3 10 15 実施例5 0.5 9 3 5 実施例6 0.2 6 3 5 実施例7 0.3 6 3 5 比較例1 1.5 40 2 5 比較例2 0.7 30 2 5 比較例3 0.5 25 3 30 比較例4 1.2 35 3 10 比較例5 0.8 32 3 10 比較例6 0.5 30 3 8 比較例7 0.2 1 70 80 比較例8 0.2 3 10 50
【0050】表からわかるように、実施例1〜7の各例は
(1)動摩擦係数、(2)金属(アルミニウム)と接触さ
せたまま、80℃、168時間加熱した後の粘着力(相手金
属材から剥がれる際の力)、(3)成形後のゴムを相手
材(アルミニウム)と接触させ、初期シール性の尺度を
示すリーク試験1のエアー漏れ量1、および、(4)成形
後のゴムを、80℃、168時間加熱した後、相手材(アル
ミニウム)と接触させない場合のシール性の尺度を示す
リーク試験2のエアー漏れ量2のそれぞれの値は、よい結
果を示している。
【0051】すなわち、実施例1〜7は、動摩擦係数が0.
2〜0.5と小さく、相手材と接触した状態で加熱した後の
粘着力は1〜9gと小さな値を示している。シール部品と
しての初期シール性能を示すエアー漏れ量1は3〜15cc/
時間と小さな値であり、また、80℃、168時間の加熱履
歴を経たシール部品のシール性能を示すエアー漏れ量2
は5〜20cc/時間と小さい。
【0052】これに対し、比較例1〜6については、動摩
擦係数および初期エアー漏れ量1はそれぞれ0.5〜1.5お
よび2〜3と低く、加熱後のエアー漏れ量2については比
較例3を除いては5〜10cc/時間と低い値であった。しか
し金属と接触した状態で加熱した後の金属への粘着力は
25〜40gと大きな値を示した。
【0053】また、比較例7〜8については、動摩擦係
数、金属との粘着力が小さく良好ではあるが、初期の相
手金属とのシール性能の尺度であるエアー漏れ量1は比
較例7で70cc/時間と大きく、さらに、80℃、168時間の
加熱履歴を経たシール部品のシール性能を示すエアー漏
れ量2は比較例7で80cc/時間、比較例8で50cc/時間と大
きい値であった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月4日(2002.9.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
(a)アクリニトリル−ブタジエンゴム100重量部、(b)
平均径が1〜50μmでアスペクト比が3以上の充填剤10〜1
00重量部、(c)脂肪族または芳香族のカルボン酸アミド
0.5〜10重量部および(d)粘度(40℃)が30〜400cStのパラ
フィンオイル0.5〜50重量部を含む組成物から加硫成形
されたゴムシール部品によって達成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】パラフィンオイル配合量が0.5重量部未満
では、ゴム表面に析出するオイル量が少なくなり、成形
ゴムの非粘着、低摩擦特性が得られない。パラフィンオ
イル配合量が50重量部を越えると、混練が困難になった
り、加硫成形時の金型への汚染が多くなったり、加硫ゴ
ムの物性が低下し、またゴム表面のオイル析出量が増え
て加硫ゴムのベタツキが多くなり、シール部品として、
使用できなくなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】(1)動摩擦係数の測定 成形ゴムシートをASTM D1894に準じ、(株)新東科学製
表面性試験機を用い、表面の動摩擦係数を25℃で測定
した。 試験条件: 相手材:直径10mmクロム鋼球の摩擦子、移動
速度:50mm/分、荷重:50g (2)金属との粘着試験 高さ6mm、直径28mmの円柱形状の成形ゴムと外径22.5m
m、内径22.2mm、高さ10mmの形状のアルミニウム(シール
幅0.3mm)を荷重200g、80℃、168時間の条件で、接触させ
その後室温で粘着力を測定した。 (3)エアーリーク試験1 高さ6mm、直径28mmの円柱形状の成形ゴムと外径22.5m
m、内径22.2mm、高さ10mmの円筒形状のアルミニウム(シ
ール幅0.3mm)を室温で、荷重200gで均一に押し付け、100
0mmH2Oのエアーでアルミニウム円筒内部を加圧し、1分間
の圧力降下から単位時間当たりのエアー漏れ量を換算
し、シール性評価を行った。 (4)エアーリーク試験2 高さ6mm、直径28mmの円柱形状の成形ゴムを、80℃、168
時間の条件で、アルミニウムと接触させないで加熱処理
をして、室温で(3)と同様な試験を行った。80℃、16
8時間の加熱処理後、ゴム表面に脂肪酸アミド、ワック
ス等の析出が多いと、シール性は悪化する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 91:00) Fターム(参考) 4F071 AA12 AA34 AC12 AD05 AD06 AE12 AF28 AF58 AH17 BB03 BC07 BC08 BC15 4J002 AC071 AE052 DA016 DA026 DE076 DE116 DE146 DE166 DE236 DG056 DJ006 DJ026 DJ046 DJ056 DK006 DL006 EP017 FA016 FA046 GJ02 GM00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アクリトニトリル−ブタジエンゴム1
    00重量部、(b)平均径が1〜50μmでアスペクト比が3以上
    の充填剤10〜100重量部、(c)脂肪族または芳香族のカル
    ボン酸アミド0.5〜10重量部および(d)粘度(40℃)が30〜
    400cStのパラフィンオイル0.5〜50重量部を含む組成物
    から加硫成形されたゴムシール部品。
  2. 【請求項2】 加硫ゴム表面に1〜30μmの深さで凹凸面
    が形成された請求項1記載のゴムシール部品。
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