JP2020023089A - 多層構造体及びその製造方法 - Google Patents
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前記ゴム層が、ゴム(A)及び無機粒子(B)を含有するゴム組成物を加硫させてなるものであり、無機粒子(B)の平均粒径が1〜30μmであり、ゴム(A)100質量部に対する無機粒子(B)の含有量が20〜300質量部であり、かつ、前記ゴム層の表面粗さ(Ra:JIS B0601−2001)の平均値が、0.3〜0.6μmであることを特徴とする多層構造体を提供することによって解決される。
本発明におけるゴム層は、ゴム(A)及び無機粒子(B)を含有するゴム組成物を加硫させてなるものである。
(金属板)
金属板21は、縦480mm×横300mm×厚み0.2mmの長方形のSECC(電気亜鉛めっき鋼板)である。
トルエンを溶媒としてゴム液を作製した。原料の詳細は下記の通りであり、その配合量は表1に示す通りである。
ランクセス株式会社製のニトリルゴム「クライナック 3345 F」
(アクリロニトリル含有量33.0%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)45)
東海カーボン株式会社製の「シースト G116」(DBP吸着量133mg/g、平均粒径38nm)
・白色充填剤
バーゲス・ピグメント社製のクレー「オプチホワイト」(平均粒子径:6.11μm)
上記平均粒子径は、体積基準の粒度分布に基づいて決定される累積体積平均メジアン径(d50)である。
田岡化学工業株式会社製のイソノニルアジペート「DINA」
・加硫助剤A
堺化学工業株式会社製の亜鉛華「ジンカ 20」
・加硫助剤B
日油株式会社製の「ステアリン酸 さくら」
・老化防止剤
大内新興化学工業株式会社製の4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン「ノクラックCD」
・滑材
パラフィンワックス
・加硫剤
細井化学工業株式会社製の「微粉硫黄500mesh」
・加硫促進剤A
三新化学工業株式会社製の2,2’−ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)「サンセラーDM」
・加硫促進剤B
三新化学工業株式会社製のテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)「サンセラーTET−G」
ゴム液の塗布は、特開2016−166644号公報に記載の装置を用いた(図1参照)。図1に示す装置において、ゴム液槽11には上述したゴム液50Lが入れられている。2本のロッド14は直径50mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の丸棒である。送り出しローラー15に巻かれている保護フィルム17は、厚さ50μmのポリエチレンフィルムである。
(接着剤塗布工程)
ディッピングで金属板21の両面にエポキシ系接着剤を塗布した。そして、エポキシ系接着剤が塗布された金属板21を室温で1時間自然乾燥させることにより、金属板21の両表面にエポキシ系接着剤層を形成させた。接着剤層の厚みは、2μmであり、もう一方の面の接着剤層の厚みも2μmであった。
その後、金属板21をオーブン内に145℃×10分間載置して、焼付けを行った。
図1に示した装置を用いて上記接着剤層の表面に上記ゴム液を塗布した。以下、図1及び2を参照しつつゴム液塗布工程について説明する。
(2)ゴム液槽11の上方に設けられた2本のロッド14を近接させた(図2の(b))。このときのロッド14の間隔は0.6mmであった。
(3)ゴム液に金属板21を浸漬させてから1秒経過後、アーム13を動かして留め具12を50mm/秒の速度で上昇させた。こうすることで、金属板21を2本のロッド14の間を通して引き上げながら、該ロッド14を覆っているポリエチレンフィルムでゴム液層の表面を均した(図2の(c))。
(4)巻き取りローラー16を回転させてゴム液が付着したポリエチレンフィルムを巻き取った(図2の(d))。
その後、留め具12に掛けたまま金属板21を室温で自然乾燥させた後、留め具12から金属板21を取り外し、両表面にゴム層が形成された板を得た。そして、この板を170℃で10分間加熱して加硫することで多層構造体2を得た。得られた多層構造体の断面図を図3に示す。図3に示すように、金属板21の両表面には、図示しない接着剤層を介して、ゴム層22、23が形成されている。このときのゴム層の厚さは、ゴム層22、23ともに26μmであった。
多層構造体2をプレス加工により打ち抜いて、丸型形状のシール材を得た。
(表面粗さの平均値の測定)
KEYENCE社製の形状測定レーザマイクロスコープ「VK−X200」を用いて、JIS B 0601−2001に準拠した方法により、多層構造体2の表面粗さの平均値を測定した。具体的には、多層構造体2の一方のゴム層の表面全体において、任意に30ヶ所の測定地点を定めて当該測定地点でRaを測定した(基準長さ285μm)。そして、得られたRaを算術平均することによりRaの平均値を求めた。その結果、Raの平均値は、0.336μmであった。結果を表1に示す。
多層構造体2を、縦10mm×横32mmにカットして、固着力測定用のサンプルを4枚作製した。プラテン(固定式圧盤、高炭素高クロム鋼製)の表面に等間隔でサンプル4枚を並べた後、もう1つのプラテンでサンプルを挟んだ。次いで、この2つのプラテンをボルトで締結した。このときの締結力は20.6MPaであった。次いで、ボルトで締結したままプラテンを100℃のオーブンに入れて22時間放置した。次いで、プラテンをオーブンから取り出した後、ボトルを外して、プラテンを上下から引っ張った。このとき、2つのプラテンを分離させるのに必要だった力(固着力と称す)を測定した。この固着力の値が耐ブロッキング性の指標となるものであり、値が小さいほど耐ブロッキング性に優れているといえる。結果を表1に示す。
表1に示すように、白色充填剤を含まないゴム液に変えた以外は、実施例1と同様にして多層構造体2を作製した後、Raの平均値及び固着力を測定した。結果を表1に示す。
2 多層構造体
11 ゴム液槽
12 留め具
13 アーム
14 ロッド
15 送り出しローラー
16 巻き取りローラー
17 保護フィルム
21 金属板
22、23 ゴム層
Claims (11)
- 金属板の少なくとも一方の表面にゴム層が形成された多層構造体であって;
前記ゴム層が、ゴム(A)及び無機粒子(B)を含有するゴム組成物を加硫させてなるものであり、
無機粒子(B)の平均粒径が1〜30μmであり、
ゴム(A)100質量部に対する無機粒子(B)の含有量が20〜300質量部であり、かつ、
前記ゴム層の表面粗さ(Ra:JIS B0601−2001)の平均値が、0.3〜0.6μmであることを特徴とする多層構造体。 - ゴム(A)が、アクリルゴム、ニトリルゴム及びフッ素ゴムからなる群から選択される1種である請求項1に記載の多層構造体。
- 無機粒子(B)が、クレー、タルク、マイカ、ガラスビーズ及びシラスバルーンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の多層構造体。
- 無機粒子(B)の平均粒子径が6μm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造体。
- 前記ゴム層の厚みが10〜50μmである請求項1〜4のいずれかに記載の多層構造体。
- 前記金属板と前記ゴム層との間に接着剤層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の多層構造体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造体からなるシール材。
- 請求項7に記載のシール材からなるガスケット。
- 請求項7に記載のシール材からなるワッシャー。
- 前記金属板の表面に前記ゴム組成物を塗布する塗布工程と、塗布された該ゴム組成物を加熱することによって加硫する加硫工程を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造体の製造方法。
- 前記塗布工程において、
前記金属板をゴム液に浸す工程1と、
前記ゴム液が入ったゴム液槽の上方に設けられた2本のロッドを近接させて、該ロッドの間隔を前記金属板の厚さよりも広い所定の間隔とする工程2と、
前記ゴム液に浸された前記金属板を、2本のロッドの間を通して引き上げながら該ロッドでゴム液層の表面を均して前記金属板の表裏面にゴム液層を形成する工程3とを有する請求項10に記載の製造方法。
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