JP2003064177A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JP2003064177A JP2001254416A JP2001254416A JP2003064177A JP 2003064177 A JP2003064177 A JP 2003064177A JP 2001254416 A JP2001254416 A JP 2001254416A JP 2001254416 A JP2001254416 A JP 2001254416A JP 2003064177 A JP2003064177 A JP 2003064177A
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Masato Akama
正人 赤真
Yoshikiyo Miura
義清 三浦
Takehisa Mizuno
武久 水野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリカーボネートの末端封止剤と
してPTBPを用いた際に、得られた芳香族ポリカーボ
ネートが着色せず、光学記録媒体や光学情報伝達媒体用
途に好適に用いることができる、芳香族ポリカーボネー
トの製造方法を提供すること。 【解決手段】 フェノール(a)とイソブチレン(b)
とを、触媒の存在下、200kPa以下の圧力下で反応
させて得られた4−ターシャリーブチルフェノールを末
端封止剤として用いることを特徴とする、芳香族ポリカ
ーボネートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色の少ない芳香
族ポリカーボネートの製造方法に関し、より詳しくは、
光学記録媒体、光学情報伝達記録媒体等の材料として有
用な芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、各種の成形
材料として幅広く用いられており、その優れた成形加工
性、寸法安定性、透明性等から、とりわけコンパクトデ
ィスク(CD)やデジタルオーディオディスク(DV
D)等の光学記録媒体、オプティカルファイバーや感光
性ドラム等の光学情報伝達記録媒体等の材料として極め
て有用である。
【0003】それら光学記録媒体、光学情報伝達記録媒
体等の材料として芳香族ポリカーボネートを製造する際
には、着色の原因となる不純物を低減した原料を使用す
る必要があり、芳香族ポリカーボネートの末端封止剤と
して多く用いられている4−ターシャリーブチルフェノ
ール(以下、必要に応じ「PTBP」と略す)について
も、着色の原因となる不純物を低減することが求められ
ている。
【0004】PTBPは、スルホン酸類に代表されるア
ルキル化触媒の存在下、フェノールとイソブチレンとを
アルキル化反応させた後、精製して得られるが、アルキ
ル化反応を工業的な反応速度で行わせるために反応温度
を50℃よりも高く設定すると、300kPaを大幅に
超過する加圧状態が生じ、得られたPTBPを末端封止
剤として用いた場合、PTBPに含有する不純物が原因
となって芳香族ポリカーボネートが黄色に着色するとい
う問題があった。
【0005】芳香族ポリカーボネート樹脂の着色の問題
を解決する方法として、PTBPの原料であるイソブチ
レンを蒸留精製する方法があるが、蒸留によりPTBP
の得量が減少する問題があるうえに、蒸留では除去でき
ない不純物がPTBP中に残存するため、芳香族ポリカ
ーボネートの着色を完全に抑えることはできない。
【0006】また、フェノールにイソブチレンを付加さ
せた反応液から不純物を蒸留によって分留除去する方法
があるが、分留除去は多量の有効成分を伴った形でしか
行えず、PTBPの得量が減少する。なお、ここでいう
有効成分とは、フェノール、2−ターシャリーブチルフ
ェノールおよび4−ターシャリーブチルフェノールを指
し、該分留除去液中に含まれるそれら有効成分の総和量
が同じ該分留除去液中に含まれる該不純物量の10倍以
上となることも珍しいことではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、芳香族ポリカーボネートの末端封止剤とし
てPTBPを用いた際に、得られた芳香族ポリカーボネ
ートが着色せず、光学記録媒体や光学情報伝達媒体用途
に好適に用いることができる、芳香族ポリカーボネート
の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、以上のよう
な課題について鋭意研究を重ねた結果、イソブチレンと
フェノールとを200kPa以下の圧力条件下で反応し
て得られたPTBPを、芳香族ポリカーボネートの末端
封止剤として用いることにより、得られた芳香族ポリカ
ーボネートが着色せずに光学記録媒体や光学情報伝達媒
体用途に好適に用いることができることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、フェノール(a)と
イソブチレン(b)とを、触媒の存在下、200kPa
以下の圧力下で反応させて得られた4−ターシャリーブ
チルフェノールを末端封止剤として用いることを特徴と
する、芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供するも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。本発明の製造方法では、芳香族ポリカーボネート
の末端封止剤として用いるPTBPとして、フェノール
(a)とイソブチレン(b)とを、触媒の存在下、20
0kPa以下の圧力下で付加反応させて得られるPTB
Pを用いることが必須であり、200kPaを超える圧
力で反応させると、イソブチレン(b)中に含有する不
純物であるブテン−1、ブテン−2等のノルマルブテン
類がフェノールに付加反応するため好ましくない。
【0011】ノルマルブテン類がフェノールのパラ位に
付加反応した場合には、4−セカンダリーブチルフェノ
ール(以下、「PSBP」略記する。)が生成し、目的
とする生成物であるPTBPとPSBPとの蒸気圧が非
常に近いため、蒸留精製により分離することが非常に困
難となる上に、これを末端封止剤として用いた芳香族ポ
リカーボネート樹脂は耐熱性が低下するため、好ましく
ない。また、ノルマルブテン類がフェノールのオルソ位
に付加反応した場合には、2−セカンダーリーブチルフ
ェノール(以下、「OSBP」と略記する。)が生成
し、目的とする生成物であるPTBP中にOSBPが不
純物として混入すると、これを末端封止剤として用いた
芳香族ポリカーボネートの耐熱性が低下し、さらに着色
を引き起こすため、好ましくない。
【0012】本発明で用いるPTBPの製造方法では、
フェノール(a)とイソブチレン(b)とを、200k
Pa以下の圧力で付加反応させることによって、イソブ
チレン(b)中に不純物として含有するノルマルブテン
類は反応系外へ排出され、PSBP、OSBPが不純物
として生成することを避けることが可能となる。
【0013】フェノール(a)としては、一般的に工業
用として用いられるものであれば特に限定はされない。
また、イソブチレン(b)としては、ジアルキルエーテ
ルの含有量が100ppm未満のイソブチレン(b1)
であることが好ましく、気体状態であることが更に好ま
しい。
【0014】上記ジアルキルエーテルは、イソブチレン
の製造工程で副生成物として混入してくるものであり、
具体的には、ジメチルエーテル、メチルターシャリーブ
チルエーテル等が挙げられる。これらのジアルキルエー
テルがイソブチレン中に100ppm以上含有した場
合、この様なイソブチレン用いて製造したPTBPは酸
化着色しやすく、このPTBPを末端封止剤として使用
した芳香族ポリカーボネートも着色が生じ、光学記録媒
体、光学情報伝達媒体用途の材料としては適さなくなる
ため、ジアルキルエーテルの含有率が100ppm未満
のイソブチレン(b1)であることが好ましい。
【0015】上記のような、ジアルキルエーテルの含有
率が100ppm未満であるイソブチレン(b1)とし
ては、例えば、ジアルキルエーテルを多量に含有する粗
イソブチレンを精留し、ジアルキルエーテルを塔頂から
除去することにより得ることができる。その際、イソブ
チレンの揮発を抑制するために精留塔内を加圧にするこ
とが望ましい。また、その他の方法としては、モレキュ
ラーシーブを充填したカラム中に粗イソブチレンを導
入、通過させ、ジアルキルエーテルを吸着除去すること
も可能である。その際も、カラム内を加圧にすることが
望ましく、更に必要に応じて適切な加熱を行うことによ
って吸着効率を向上することもできる。
【0016】フェノール(a)とイソブチレン(b)の
付加反応を行う際、イソブチレン(b)を気体状態で用
いると、イソブチレン(b)中に不純物として含有する
ノルマルブテン類が反応系外へより効率的に排出され、
PSBP、OSBPが不純物として生成するのをより避
けやすくできるため、特に好ましい。
【0017】フェノール(a)とイソブチレン(b)と
の反応の際の圧力としては、200kPa以下であれば
特に制限はないが、なかでも大気圧〜150kPa、特
に大気圧であることが好ましい。
【0018】反応温度としては60〜170℃が好まし
く、なかでも80〜130℃が特に好ましい。また、触
媒としては、酸触媒であれば特に限定されないが、例え
ば、硫酸、パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホ
ン酸、スルホイソフタル酸、スルホン化スチレンジビニ
ルベンゼン共重合体等が挙げられ、なかでもフェノール
スルホン酸、スルホン化スチレンジビニルベンゼン共重
合体が好ましい。
【0019】反応終了後、必要により反応液をろ過した
後に、アルカリを用いて酸触媒の残渣を中和し、その
後、蒸留精製してPTBPを得ることができる。蒸留は
留出効率の良い減圧蒸留で行うことが望ましく、未反応
のフェノールを留出させる工程、目的物であるPTBP
を留出させる工程および必要に応じてPTBP留出後の
高沸点液からフェノール系成分を回収する工程から構成
されるのが好ましい。これらの工程は、回分式の蒸留法
で行うこともできるし、複数の蒸留塔を用いて連続式の
蒸留法で行っても良い。
【0020】以上のようにして得たPTBPを用いて芳
香族ポリカーボネートを得るには、公知の方法をもって
すればよい。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とPT
BPの炭酸ジエステルとをエステル交換させる方法や、
芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを重縮合反応さ
せ、末端の酸クロライド基とPTBPとを反応させるこ
とによって反応を完結させる方法が挙げられる。
【0021】これらの製造方法について以下に詳述す
る。芳香族ジヒドロキシ化合物を炭酸ジエステルとエス
テル交換させる方法では、初めに4−ターシャリーブチ
ルフェニル基を有する炭酸ジエステルを得ることが必要
である。4−ターシャリーブチルフェニル基を有する炭
酸ジエステルを得る方法としては、PTBPとジアルキ
ルカーボネート又はジアリールカーボネート等の炭酸ジ
エステルとを混合し、4−ターシャリーブチルフェニル
基とアルキル基又はアリール基とをエステル交換させる
方法が挙げられる。その際、エステル交換反応を促進す
るために、エステル交換反応で生じるアルコール類又は
フェノール類を留出させつつ行うことが望ましい。
【0022】ここで、ジアルキルカーボネート又はジア
リールカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジク
レシルカーボネート等が挙げられるが、それらに限定す
る必要はないし、それらを単独で使用しても混合して使
用しても構わない。それらの中では、ジメチルカーボネ
ート、ジフェニルカーボネートが容易に入手できる点で
好ましい。
【0023】また、PTBPは単独で用いても、その他
のアルキル(無)置換フェノール、例えばフェノール、
クレゾール、4−クミルフェノール等と混合して用いて
も良いが、PTBPを単独で用いることが望ましい。
【0024】以上のようにして得たPTBPの炭酸ジエ
ステルを芳香族ジヒドロキシ化合物と混合し、窒素、ア
ルゴン等の不活性ガス雰囲気下において減圧下で反応さ
せて芳香族ポリカーボネートを得ることができる。反応
温度は150〜350℃の範囲、特に250〜350℃
の範囲が好ましく、また、反応後半に減圧度を1.33
kPa以下に強め、エステル交換により生成したPTB
Pを系外に留出させて反応を終了させることが好まし
い。
【0025】次に、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲ
ンとを重縮合反応させ、末端の酸クロライド基とPTB
Pとを反応させることによって反応を完結させる方法と
しては、芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ塩とホス
ゲンとを反応させ、PTBPもしくはPTBPのアルカ
リ塩を添加して反応を完結させる方法が挙げられる。そ
の際、PTBPは単独で用いても、他のアルキル(無)
置換フェノール類との混合で用いても良く、また、PT
BPもしくはPTBPのアルカリ塩を添加する時期は、
芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ塩とホスゲンとの
反応開始時でも反応開始後でも良く、必要に応じて分割
添加を行っても良い。
【0026】芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ塩と
ホスゲンとの工程、及び/又は、末端の酸クロライド基
とPTBPとを反応させることによって反応を完結させ
る工程において、反応系の粘度を調整する等の目的で有
機溶媒の存在下で行うことが望ましく、有機溶媒として
はトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶
媒、ジクロロメタン(以下、「塩化メチレン」と略
す)、四塩化炭素などの塩化炭化水素溶媒等が挙げられ
るが、それらの中で塩化メチレンを用いるのが一般的で
ある。
【0027】反応温度は特に限定されないが、使用する
有機溶媒の沸点以下であることが好ましく、塩化メチレ
ンを溶媒とする場合には、35〜40℃が特に好まし
い。
【0028】以上の様にして、目的とする本発明の芳香
族ポリカーボネートが得られる。該芳香族ポリカーボネ
ートをそのまま用いて光学記録媒体、光学情報伝達記録
媒体を得ることもできるが、必要に応じて公知の各種添
加剤類を配合しても良い。具体的には、各種の帯電防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、難燃剤等であり、
得られる光学記録媒体、光学情報伝達記録媒体の透明性
を損なわない範囲で配合することができる。また、同様
に、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリカーボ
ネートを適宜配合しても良い。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によりさ
らに具体的に説明する。以下において部および%は特に
断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。 製造例1 攪拌機、温度計、イソブチレン導入ノズルおよび大気開
放管を兼ねた冷却管を設けた容積2リットルのガラスフ
ラスコに、フェノール940部(10モル)およびカチ
オン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーリスト
15DRY)94部を仕込み、系内を攪拌、窒素置換し
ながら70℃に加温し、反応系内の圧力を98kPa
(大気圧)に一定させた。
【0030】ノルマルブテン類としてブテン−1を0.
06%、ブテン−2を0.18%含有し、さらにジアル
キルエーテルとしてジメチルエーテルを632ppm、
メタターシャリーブチルエーテルを39ppm含有する
イソブチレン280部(5モル)を、1時間あたり70
部の速度で上記の系内へ気体状態で導入した。大気開放
管からは1時間あたり0.3部の未反応ガスが系外へ排
出され、これを液体窒素トラップで捕集して分析したと
ころ、70%がノルマルブテン類で、残りがイソブチレ
ンとフェノールおよびアルキルフェノールから成る混合
物であった。
【0031】イソブチレン供給停止後、温度を70℃に
保ったままで2時間反応を継続し、フェノールへのイソ
ブチレン付加反応を完結させた。その後、ろ過により反
応液からカチオン交換樹脂を分離し、分離した反応液に
水酸化ナトリウム0.5部を加えて反応液のpHを8に
調整した。この反応中和液を、理論段数20段の蒸留塔
底に移し、塔頂圧力8kPa、塔頂温度110〜160
℃の条件で減圧蒸留を行って未反応のフェノールを塔頂
から除去した後、更に減圧蒸留を続行して塔頂からPT
BP683部を得た。
【0032】得られたPTBPの純度分析および不純物
分析をガスクロマトグラフにて実施したところ、OSB
Pを17ppm、PSBPを45ppm、メチル(4−
ターシャリーブチルフェニル)エーテルを5ppm、メ
チル(2,4−ジターシャリーブチルフェニル)エーテ
ルを8ppm含有する、純度99.99%のPTBP
(以下、X1と称す。)であった。
【0033】製造例2 ジアルキルエーテルとしてジメチルエーテルを632p
pm、メチルターシャリーブチルエーテルを39ppm
を含有するイソブチレン280部の代りに、ジメチルエ
ーテルを5ppm、メチルターシャリーブチルエーテル
を11ppm含有するイソブチレン280部を用いた以
外は製造例1と同様にして、OSBPを19ppm、P
SBPを48ppm、メチル(4−ターシャリーブチル
フェニル)エーテルを0.05ppm、メチル(2,4
−ジ−ターシャリーブチルフェニル)エーテルを1pp
m含有する、純度99.99%のPTBP(以下、X2
と称す。)681部を得た。
【0034】比較製造例1 ガラスフラスコの代りに、攪拌翼、温度計およびイソブ
チレン導入ノズルを設けた容積2リットルのSUS31
6製耐圧反応器を用い、反応系内の圧力を98kPaか
ら900kPaに変更し、液体状態のイソブチレンを供
給した以外は製造例1と同様にして、OSBPを120
ppm、PSBPを775ppm、メチル(4−ターシ
ャリーブチルフェニル)エーテルを13ppm、メチル
(2,4−ジターシャリーブチルフェニル)エーテルを
66ppm含有する、純度99.90%のPTBP(以
下、RX1と称す。)622部を得た。
【0035】比較製造例2 ジアルキルエーテルとしてジメチルエーテルを632p
pm、メチルターシャリーブチルエーテルを39ppm
含有するイソブチレン280部の代りに、製造例1で用
いたイソブチレン蒸留精製して得られたイソブチレン2
80部を用い、反応系内の圧力を98kPaから900
kPaに変更し、液体状態のイソブチレンを供給した以
外は実施例1と同様にして、OSBPを145ppm、
PSBPを727ppm、メチル(4−ターシャリーブ
チルフェニル)エーテルを0.1ppm、メチル(2,
4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)エーテルを10
ppm含有する、純度99.91%のPTBP(以下、
RX2と称す。)680部を得た。
【0036】得られたPTBPの純度、収率、およびP
TBP中に含有する不純物量を第1表にまとめる。
【0037】
【表1】
【0038】<第1表の脚注> PTBP純度(%):ガスクロマトグラフで分析した固
形分100重量部に含有されるPTBPの重量%を示
す。 PTBP収率(%):回収使用が不可能な蒸留成分、す
なわちOSBPを分離除去する際に同時に留去される成
分中に含まれるPTBPを損失分として100%から差
し引いた収率。
【0039】実施例1、2および比較例1、2 製造例1、2および比較製造例1、2で得られたPTB
P(X1、X2およびRX1、RX2)を末端封止剤に
用いて、下記に示す方法で芳香族ポリカーボネート樹脂
を製造し、下記の評価試験を行った。評価結果を第2表
に示す。
【0040】攪拌機、温度計および還流器を備えた3リ
ットルのガラスフラスコに、2,2−(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン228部(1モル)、塩化メチレン
1リットルおよびイオン交換水1リットルを仕込み、窒
素置換を行って系内の酸素を除去しながら攪拌して懸濁
液を調製した。その中へ、ナトリウムハイドロサルファ
イト0.5部、水酸化ナトリウム110部〔2,2−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対して2.75
倍モル〕を溶解した水溶液0.4リットルを投入し、液
温を20℃以下に保ちながら塩化メチレン層に溶解して
いる2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをア
ルカリ塩として水層へ移行させた。
【0041】次いで、系内へホスゲン119部〔2,2
−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対して1.2
倍モル〕を1時間かけて供給し、40℃で塩化メチレン
の還流を伴いつつ重縮合反応を行った。その後、PTB
P5部〔2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
に対して3.33モル%〕、トリエチルアミン0.08
部を加え、40℃で2時間反応させて重縮合反応を完結
させた。反応液から静置分液によって水層を分離除去
し、得られた塩化メチレン層を塩酸でpH7に中和した
後、イオン交換水による水洗、静置分液を繰り返し、芳
香族ポリカーボネートの塩化メチレン溶液を得た。
【0042】さらに、シクロヘキサン0.5リットルと
水1リットルを加え、95℃まで加熱して塩化メチレン
とシクロヘキサンを留出させ、芳香族ポリカーボネート
の水懸濁液を得て、更にろ別、常圧乾燥を経て、120
℃、1kPaの条件で10時間減圧乾燥を行い、芳香族
ポリカーボネートの粉体を得た。
【0043】<評価方法> (1)黄色度値 得られた芳香族ポリカーボネート粉体を280℃で熱プ
レス成形し、厚さ1mmのテストピースを得た。得られ
たテストピースを用いて透過測定法黄色度色差計で色差
(△E)を測定した。 (2)ガラス転移温度 得られた芳香族ポリカーボネート粉体を用いて、走査型
示差熱分析(DSC)によりガラス転移温度を測定し
た。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネートの製造
方法によれば、着色していない色調の優れた芳香族ポリ
カーボネートを得ることが可能で、光学記録媒体、光学
伝達媒体等に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA09 AB04 AB05 AC01 AC02 AE01 AE04 BB04A BB12A BB12B BB12C FA07 HA01 HC01 HC04 HC05 HC09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール(a)とイソブチレン(b)
    とを、触媒の存在下、200kPa以下の圧力下で反応
    させて得られた4−ターシャリーブチルフェノールを末
    端封止剤として用いることを特徴とする、芳香族ポリカ
    ーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 4−ターシャリーブチルフェノールが、
    イソブチレン(b)としてジアルキルエーテルの含有率
    が100ppm未満のイソブチレン(b1)を用いて得
    られたものである、請求項1記載の芳香族ポリカーボネ
    ートの製造方法。
  3. 【請求項3】 4−ターシャリーブチルフェノールが、
    フェノール(a)とイソブチレン(b)とを、大気圧〜
    150kPaの圧力下で反応させ手得られたものであ
    る、請求項1または2記載の芳香族ポリカーボネートの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 4−ターシャリーブチルフェノールが、
    フェノール(a)とイソブチレン(b)とを、大気圧下
    で反応させて得られたものである、請求項1または2記
    載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 4−ターシャリーブチルフェノールが、
    イソブチレン(b)として気体状態のイソブチレンを用
    いて得られたものである、請求項1〜4のいずれか1項
    記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008545773A (ja) * 2005-06-06 2008-12-18 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する反応混合物から塩を除去する方法
WO2017047560A1 (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 三菱瓦斯化学株式会社 ポリカーボネート樹脂、及びその製造方法、及びそれを用いて形成された成形品、シート、フィルム、及びその製造方法

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JPWO2017047560A1 (ja) * 2015-09-18 2018-07-05 三菱瓦斯化学株式会社 ポリカーボネート樹脂、及びその製造方法、及びそれを用いて形成された成形品、シート、フィルム、及びその製造方法

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