JP2003064140A - ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体の製造方法

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JP2003064140A
JP2003064140A JP2001261166A JP2001261166A JP2003064140A JP 2003064140 A JP2003064140 A JP 2003064140A JP 2001261166 A JP2001261166 A JP 2001261166A JP 2001261166 A JP2001261166 A JP 2001261166A JP 2003064140 A JP2003064140 A JP 2003064140A
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Japan
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macromonomer
vinyl monomer
block copolymer
producing
composition
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JP2001261166A
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English (en)
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Michihiro Kawai
道弘 河合
Rie Ichiki
里江 一木
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロック共重合体を収率良く得ることができ
るブロック共重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ブロック共重合体の製造方法は、下記に
示すマクロモノマー組成物とブロック共重合用ビニル単
量体とを反応させるものである。マクロモノマー組成
物:マクロモノマー組成物製造に供される全単量体の合
計量を基準として、α位にアルキル基を有するビニル単
量体を40〜80モル%含有するマクロモノマー製造用
ビニル単量体混合物を、160〜350℃の温度で重合
させて得られるマクロモノマー組成物。ブロック共重合
用ビニル単量体:上記マクロモノマー組成物とのブロッ
ク共重合に供されるビニル単量体の合計量を基準として
α位にアルキル基を有するビニル単量体を65〜100
質量%含有するビニル単量体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のマクロモノ
マーを含有するマクロモノマー組成物とビニル単量体を
共重合させるブロック共重合体の製造方法に関するもの
である。さらに詳しくは、マクロモノマー組成物に含ま
れるマクロモノマーとα位にアルキル基を有するビニル
単量体を共重合させることによりブロック共重合体を収
率良く得ることができるブロック共重合体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ビニル単量体と共重合させて
ブロック共重合体を製造できるマクロモノマーはいくつ
か知られている(国際公開特許WO98/47927
号、国際公開特許WO99/07755号、特開200
0−169531号などの公報)。
【0003】WO98/47927号公報に記載のマク
ロモノマーは、コバルト錯体を用いた触媒的連鎖移動重
合法(Catalytic Chain Transfer Polymerization, CCT
P)により製造されるものである。
【0004】国際公開特許WO99/07755号公報
に記載のマクロモノマーは、ビニル単量体を150〜3
50℃の温度で重合させることにより得られるものであ
る。特開2000−169531号公報に記載のマクロ
モノマーは、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペ
ンテン(以下、MSDという。)とラジカル重合開始剤
の存在下にメタクリロイル基含有ビニル単量体を主体と
するビニル単量体をラジカル重合させて得られるもので
ある。そして、該マクロモノマー組成物とメタクリロイ
ル基含有ビニル単量体を主体とするビニル単量体を共重
合させてブロック共重合体が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、WO98/
47927号公報に記載のマクロモノマー組成物は、α
位にメチル基を有する単量体の割合が大きい場合にはマ
クロモノマー濃度(重合体全体のうちで末端に二重結合
を有する重合体の割合)が低いものである。このため、
該マクロモノマー組成物をビニル単量体と共重合させた
際にブロック共重合体が収率良く得られないという問題
がある。
【0006】また、WO99/07755号公報に記載
されているマクロモノマーは、含まれる単量体単位のう
ちでメタクリロイル基を有する単量体(α位にアルキル
基を有するビニル単量体)単位の割合が比較的小さい
(30%以下)。しかも、マクロモノマーと共重合させ
るビニル単量体のうちでメタクリロイル基を有する単量
体単位の割合が小さい。加えて、該マクロモノマーはビ
ニル単量体と共重合させる際に重合反応液が増粘して円
滑に重合できない場合がある。このため、マクロモノマ
ー組成物をビニル単量体と共重合させた際にブロック共
重合体が収率良く得られないという問題がある。
【0007】さらに、特開2000−169531号公
報に記載されているブロック共重合体製造に供されるマ
クロモノマー組成物は、該マクロモノマー組成物製造時
のMSD濃度に起因してマクロモノマー濃度が小さくな
る場合がある。しかも、マクロモノマー組成物中のMS
D濃度により、得られる共重合体の分子量が制御できな
いほど大きくなる場合があり、ブロック共重合が円滑に
行われないことがある。これらの理由から、ブロック共
重合体を収率良く得ることができないという問題があ
る。
【0008】本発明は以上のような従来技術に存在する
問題点に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、ブロック共重合体を収率良く得ることができ
るブロック共重合体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、請求項1に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法は、下記に示すマクロモノマー組成物及びブ
ロック共重合用ビニル単量体を反応させることを特徴と
するものである。
【0010】マクロモノマー組成物:マクロモノマー組
成物製造に供される全単量体の合計量を基準として、α
位にアルキル基を有するビニル単量体を40〜80モル
%含有するマクロモノマー製造用ビニル単量体混合物
を、160〜350℃の温度で重合させて得られるマク
ロモノマー組成物。
【0011】ブロック共重合用ビニル単量体:上記マク
ロモノマー組成物とのブロック共重合に供されるビニル
単量体の合計量を基準としてα位にアルキル基を有する
ビニル単量体を65〜100質量%含有するビニル単量
体。
【0012】請求項2に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法は、請求項1に記載の発明において、マクロ
モノマー組成物が、マクロモノマー組成物製造における
重合反応液の量を基準として単量体及び該単量体の重合
により生成する重合体の合計量が50〜100質量%と
なる濃度で重合させて得られるものである。
【0013】請求項3に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明にお
いて、マクロモノマー製造用ビニル単量体中のα位にア
ルキル基を有するビニル単量体がメタクリル酸又はメタ
クリル酸エステルであるものである。
【0014】請求項4に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に
記載の発明において、ブロック共重合用ビニル単量体中
のα位にアルキル基を有するビニル単量体がメタクリル
酸又はメタクリル酸エステルであるものである。
【0015】請求項5に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に
記載の発明において、マクロモノマー組成物が連続重合
法によって製造されるものである。
【0016】請求項6に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法は、請求項1から請求項5のいずれか一項に
記載の発明において、マクロモノマー組成物が、マクロ
モノマー含有率60質量%以上のものである。
【0017】請求項7に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法は、請求項1から請求項6のいずれか一項に
記載の発明において、マクロモノマー組成物が、0.1
〜1時間の重合時間で得られるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。ブロック共重合体の製造方法は、下記
に示すマクロモノマー組成物及びブロック共重合用ビニ
ル単量体を反応させるものである。
【0019】マクロモノマー組成物:マクロモノマー組
成物製造に供される全単量体の合計量を基準として、α
位にアルキル基を有するビニル単量体を40〜80モル
%含有するマクロモノマー製造用ビニル単量体混合物
を、160〜350℃の温度で重合させて得られるマク
ロモノマー組成物。
【0020】ブロック共重合用ビニル単量体:上記マク
ロモノマー組成物とのブロック共重合に供されるビニル
単量体の合計量を基準としてα位にアルキル基を有する
ビニル単量体を65〜100質量%含有するビニル単量
体。
【0021】まず、マクロモノマー組成物について説明
する。マクロモノマー製造用ビニル単量体混合物は、α
位にアルキル基を有するビニル単量体と、その他のマク
ロモノマー製造用ビニル単量体との混合物である。α位
にアルキル基を有するビニル単量体は、マクロモノマー
組成物の製造時においてマクロモノマーの含有率を高く
するために重要な成分であり、さらにマクロモノマーと
ビニル単量体の共重合によるブロック共重合体の分子量
分布を小さくするためにも重要な成分である。α位にア
ルキル基を有するビニル単量体としては、α−アルキル
アクリル酸、α−アルキルアクリルアミド、α−アルキ
ルアクリル酸エステル、α−アルキルスチレン、α−ア
ルキルアクリロニトリルなどが挙げられる。
【0022】アルキル基としては炭素数1から4のアル
キル基が挙げられ、具体例としてはメチル基、エチル
基、プロピル基及びブチル基が挙げられる。これらのう
ち、アルキル基がメチル基である単量体は、単量体の入
手が容易である点及びマクロモノマー含有率を高くする
ことができる点で好ましいものである。このようなビニ
ル単量体としては、メタクリル酸、メタクリル酸エステ
ル、α−メチルスチレン、メタクリロニトリル、メタク
リルアミドなどが挙げられる。
【0023】α位にアルキル基を有するビニル単量体の
うち、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルは、特に
得られるマクロモノマー組成物のマクロモノマー含有率
を高くすることができるために好ましい。メタクリル酸
エステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エ
チルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ベン
ジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シブチル、モノグリセロールメタクリル酸エステル、シ
クロヘキサンジメタノールモノメタクリル酸エステル、
メタクリル酸アルコキシエチル、メタクリル酸アルコキ
シプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ア
ルキルアミノアルキルエステル、メタクリル酸ジアルキ
ルアミノアルキルエステル、メタクリル酸トリメトキシ
シリルプロピル、メタクリル酸トリエトキシシリルプロ
ピルなどや、ジメタクリル酸ポリアルキレングリコール
エステル、ジメタクリル酸アルキルジオールエステルな
どの多官能単量体も挙げられる。
【0024】α位にアルキル基を有するビニル単量体の
含有量は、マクロモノマー組成物製造に供される全単量
体の合計量を基準として40〜80モル%であり、好ま
しくは40〜70モル%であり、より好ましくは40〜
60モル%である。この含有量が40モル%未満の場
合、マクロモノマー組成物とブロック共重合用ビニル単
量体の共重合反応において重合反応液の粘度が大きくな
り、重合を中止せざるを得ないことがある。このとき、
生成するブロック共重合体は分子量分布(重量平均分子
量/数平均分子量)が極めて大きいものとなる。一方、
80モル%を越える場合、マクロモノマー組成物の製造
において単量体の反応率が低く、マクロモノマーの生産
効率が悪いことがある。
【0025】その他のマクロモノマー製造用ビニル単量
体は、マクロモノマー組成物又はマクロモノマー組成物
を用いて得られるブロック共重合体の性質を調整するた
めに配合される。その他のマクロモノマー製造用ビニル
単量体は、前述したα位にアルキル基を有するビニル単
量体以外のビニル単量体である。その他のマクロモノマ
ー製造用ビニル単量体の具体例としては、非芳香族でα
位に水素を有するビニル単量体として、例えばアクリル
酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、無水マレイ
ン酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニルなど
が使用される。アクリル酸エステルの具体例としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アク
リル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸イソボルニル、アクリル酸ステアリル、アクリル
酸デシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、ア
クリル酸ヒドロキシブチル、シクロヘキサンジメタノー
ルモノアクリル酸エステル、アクリル酸アルコキシエチ
ル、アクリル酸アルコキシプロピル、ポリアルキレング
リコールモノアクリル酸エステル、アクリル酸アルキル
アミノアルキルエステル、アクリル酸ジアルキルアミノ
アルキルエステル、アクリル酸トリメトキシシリルプロ
ピル、アクリル酸トリエトキシシリルプロピル等やポリ
アルキレングリコールジアクリル酸エステル、アルキル
ジオールジアクリル酸エステルなどの多官能単量体も挙
げられる。その他、スチレン、スチレンスルホン酸、ビ
ニリデン単量体、α−ヒドロキシアクリル酸エステル単
量体、イタコン酸などが挙げられる。
【0026】その他のマクロモノマー製造用ビニル単量
体は、マクロモノマー組成物製造に供される全単量体の
合計量を基準として60〜20モル%の範囲で配合され
る。マクロモノマー組成物が、マクロモノマー組成物製
造における重合反応液の量を基準として単量体及び該単
量体の重合により生成する重合体の合計量が50〜10
0質量%となる濃度で重合させて得られるものであるこ
とが好ましい。上記の濃度を以下、単量体等の濃度とも
いう。この単量体等の濃度は60〜100質量%がより
好ましく、70〜100質量%が特に好ましい。この場
合には、マクロモノマーの生産効率が良く、ブロック共
重合用ビニル単量体との共重合反応において反応率の大
きいものとなりやすいため好ましい。単量体及び該単量
体が重合により生成する重合体以外の成分の主たるもの
は有機溶剤である。すなわち、有機溶剤を使用するとき
には、マクロモノマー組成物製造における重合反応液の
量を基準として有機溶剤の使用量が50質量%以下とな
る濃度であることが好ましい。
【0027】有機溶剤は、原料や生成物の溶解性及び原
料や生成物に対する反応性を考慮して適宜選択される。
有機溶剤としては、ケトン類、エステル類、エーテル
類、アルコール類、セロソルブ類、カルビトール類、脂
肪族炭化水素類、脂環族炭化水素類、芳香族炭化水素
類、水等が挙げられる。有機溶剤の具体例としてはアセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、エトキシエチルプロピオネート、テ
トラヒドロフラン、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、イソ
プロピルアルコール、ブチルセロソルブ、エチルカルビ
トールアセテート、シクロヘキサン、トルエン、キシレ
ン、水等が挙げられる。
【0028】本発明におけるマクロモノマー組成物は、
上記の条件の範囲で、公知の方法により重合させて製造
することができる。重合方法としては連続重合法、バッ
チ重合法、管状反応器による重合法等が挙げられる。連
続重合法なかでも連続撹拌槽型反応器を使用する連続重
合法は、マクロモノマー組成物が効率良く得られ、しか
もマクロモノマー組成物とビニル単量体を共重合させる
際に反応が円滑に進行し、反応率が大きくなりやすいた
めに好ましい方法である。連続重合法によるマクロモノ
マー組成物の製造は、例えば国際出願PCT/JP00
/04498号等に記載されている方法により行うこと
ができる。
【0029】マクロモノマー組成物の製造において、公
知のラジカル重合開始剤を使用することができる。必要
に応じて公知の連鎖移動剤を使用することもできる。本
発明において、マクロモノマー組成物が、マクロモノマ
ー含有率60質量%以上のものである場合、すなわち末
端に二重結合を有していない重合体の含有率が40質量
%未満であることが好ましい。マクロモノマー組成物と
ブロック共重合用ビニル単量体の反応においてマクロモ
ノマー及びビニル単量体の共重合によるブロック共重合
体の収率が大きくなるためである。マクロモノマー組成
物が、マクロモノマー含有率70質量%以上のものであ
る場合にはより好ましい。
【0030】前記のα位にアルキル基を有するビニル単
量体とその他のマクロモノマー製造用ビニル単量体とを
混合してなるマクロモノマー製造用ビニル単量体混合物
は、160〜350℃の高温で重合され、マクロモノマ
ー組成物が得られる。重合温度は、180〜320℃が
より好ましく、200〜300℃がさらに好ましく、2
20〜300℃が最も好ましい。重合温度が160℃未
満又は350℃を越える場合には、マクロモノマーを高
収率で得ることができない。すなわち、末端に二重結合
を有していない重合体の生成割合が増えるために、マク
ロモノマー組成物がマクロモノマー濃度の小さいものに
なりやすい。
【0031】本発明におけるマクロモノマーは下記の式
(1)に示す構造を有するものである。
【0032】
【化1】 式(1)において、Mは単量体単位を意味し、nは整数
を意味し、好ましいXは−COOR、−CONR2、−
OR、−OCOR、−OCOOR、−NCOOR、ハロ
ゲン原子、−CN又は置換基を有していてもよいフェニ
ル基若しくはアリール基である。Rはアルキル基、ヒド
ロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、その他の置
換基を有していてもよいアルキル基、フェニル基、ベン
ジル基、ポリアルキレングリコール基、ジアルキルアミ
ノアルキル基、トリアルコキシシリルアルキル基又は水
素原子である。より好ましいXは−COOR、フェニル
基である。
【0033】また、重合時間は0.1〜1時間であるこ
とが好ましい。重合時間が0.1時間未満の場合、マク
ロモノマー組成物中のマクロモノマーの収率が低いとき
がある。一方、重合時間が1時間を越える場合、マクロ
モノマー組成物の着色が激しくなるときがある。
【0034】単量体混合物を上記のような高温で重合さ
せる場合、下記に示す反応機構により、生成した重合鎖
のα水素が活性ラジカルにより引き抜かれ、さらにβ位
の炭素−炭素結合で開裂反応が起き、末端に二重結合を
有するマクロモノマーが生成する。
【0035】
【化2】 マクロモノマー組成物がマクロモノマーを含有する割合
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより求めた
分子量及び核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRとい
う。)により求めた二重結合濃度から算出できる。
【0036】続いて、ブロック共重合用ビニル単量体に
ついて説明する。ブロック共重合用ビニル単量体は、α
位にアルキル基を有するビニル単量体、又はそれに必要
に応じてその他のビニル単量体を混合した混合物であ
る。α位にアルキル基を有するビニル単量体は、ブロッ
ク共重合用ビニル単量体の反応率を高め、重合反応液の
粘度を適正に維持して重合反応を円滑に進行させるとと
もに、擬似リビングラジカル重合を促進するために、生
成するブロック共重合体の分子量分布を狭くすることが
できる。α位にアルキル基を有するビニル単量体として
は、マクロモノマー製造用ビニル単量体として前述した
α位にアルキル基を有するビニル単量体が使用される。
また、その他のビニル単量体としては、マクロモノマー
製造用ビニル単量体として前述したその他のマクロモノ
マー製造用ビニル単量体が使用される。これらのマクロ
モノマー製造用ビニル単量体は、それぞれ一種又は二種
以上が混合して使用される。
【0037】α位にアルキル基を有するビニル単量体の
含有量は、前記マクロモノマー組成物とのブロック共重
合に供されるビニル単量体の合計量を基準として65〜
100質量%であり、好ましくは70〜100質量%で
あり、より好ましくは80〜100質量%であり、さら
に好ましくは90〜100質量%である。従って、その
他のビニル単量体の含有量は35質量%未満である。α
位にアルキル基を有するビニル単量体の含有量が65質
量%未満の場合、擬似リビングラジカル重合反応が効率
良く起きず、ブロック共重合体が収率良く得られないの
みでなく、マクロモノマー組成物とブロック共重合用ビ
ニル単量体の共重合反応において重合反応液の粘度が大
きくなり重合を中止せざるを得ないことがある。このと
き、生成するブロック共重合体は分子量分布(重量平均
分子量/数平均分子量)が極めて大きいものとなる。
【0038】次に、前記マクロモノマー組成物とブロッ
ク共重合用単量体との反応によるブロック共重合体の製
造方法について説明する。マクロモノマー組成物とブロ
ック共重合用ビニル単量体を反応させる方法、すなわち
マクロモノマー組成物中に含まれるマクロモノマーとビ
ニル単量体を共重合させる方法としては、有機溶媒又は
水性溶媒を用いた溶液重合法、乳化重合法又は分散重合
法などが挙げられる。有機溶媒を用いた溶液重合法は、
生成するブロック共重合体を成膜して得られる被膜が耐
水性、光沢などの優れたものとなりやすいために好まし
い重合方法である。有機溶媒としては、マクロモノマー
組成物を製造する際に用いられる有機溶剤が挙げられ
る。
【0039】重合温度に制限はないが、0〜350℃が
好ましく、10〜200℃がより好ましく、20〜15
0℃がさらに好ましく、30〜130℃が最も好まし
い。重合温度が低過ぎると反応時間が長くなり過ぎる場
合があり、温度が高過ぎると生成物が着色の激しいもの
となる場合があるためである。
【0040】重合時間は通常0.1〜30時間であり、
0.3〜20時間が好ましく、0.5〜15時間がより
好ましく、1〜10時間が最も好ましい。重合開始剤と
しては、公知のラジカル重合開始剤を使用することがで
きる。そのようなラジカル重合開始剤としては、ジター
シャリブチルパーオキサイド、ターシャリブチルハイド
ロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、過酸化
水素等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ系開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等
の過硫酸塩等が挙げられる。その他、過酸化物と還元剤
を組み合わせるレドックス開始剤も使用することができ
る。また、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用するこ
ともできる。
【0041】上記のように、マクロモノマー組成物中の
マクロモノマーとブロック共重合用ビニル単量体とが反
応してAB型ブロック共重合体、ABC型ブロック共重
合体などのブロック共重合体が生成する。このとき、生
成する重合体量の増加(単量体供給量の増加)に伴って
重合体の数平均分子量が比例して増加し、重合の進行過
程において存在する重合体モル数がほとんど変化しな
い。従って、前記反応は擬似リビング的に進行し、ブロ
ック共重合体が生成しているものと裏付けられる。その
反応機構を示すと次のようになる。
【0042】
【化3】 この反応機構で得られるブロック共重合体(マクロモノ
マーでもある)が、さらに反応1〜3により、ブロック
共重合用ビニル単量体単位の伸長したものとなる。
【0043】このようにしてマクロモノマーとブロック
共重合用ビニル単量体が共重合したブロック共重合体が
得られるが、このブロック共重合体中には、未反応のマ
クロモノマーやブロック共重合用ビニル単量体のみが重
合した重合体等も存在しうる。ブロック共重合体がどの
ような割合で得られるかは、マクロモノマー組成物の組
成やブロック共重合用ビニル単量体の種類及び重合条件
等によって異なる。
【0044】以上の実施形態により発揮される効果を以
下にまとめて記載する。・ マクロモノマー製造用ビニ
ル単量体混合物は、α位にアルキル基を有するビニル単
量体を40〜80モル%含有するため、マクロモノマー
組成物の製造時においてマクロモノマーの含有率を高く
することができる。また、ブロック共重合用ビニル単量
体としてα位にアルキル基を有するビニル単量体を65
〜100質量%含有するため、マクロモノマー組成物と
の共重合反応を円滑に進行させ、反応率を向上させるこ
とができる。従って、ブロック共重合体を収率良く得る
ことができる。
【0045】・ 従来技術として挙げたWO98/47
927号公報に記載されているマクロモノマー組成物
は、コバルト錯体を用いた触媒的連鎖移動重合法により
製造されるものである。このため、該マクロモノマーを
使用して得られる共重合体は着色しやすく、用途によっ
ては使用が制限される。
【0046】これに対し、実施形態で説明したマクロモ
ノマー組成物は、コバルト錯体を用いた触媒的連鎖移動
重合法によらず製造できることから、得られるブロック
共重合体は着色のないものとなる。従って、着色すると
困るような用途にも使用することができる。
【0047】・ 特開2000−169531号公報に
記載されているブロック共重合体製造に供されるマクロ
モノマー組成物は、マクロモノマーを構成する単量体単
位が実質的にメタクリロイル基含有ビニル単量体に限定
される。このため、マクロモノマー組成物の組成を設計
する自由度に制約があり、条件によってはブロック共重
合が円滑に行われない場合がある。
【0048】これに対し、実施形態で説明したマクロモ
ノマー組成物は、マクロモノマー製造用ビニル単量体混
合物として、α位にアルキル基を有するビニル単量体を
40〜80モル%含有し、その他のビニル単量体をも含
有するものである。従って、マクロモノマー組成物の組
成を設計する自由度が大きく、ブロック共重合を円滑に
行うことができる。
【0049】
【実施例】以下、製造例及び実施例を挙げ、前記実施形
態をさらに具体的に説明する。なお、各例における部は
質量部、%は質量%を表す。 (製造例1)マクロモノマー組成物A1の製造 ホットオイルによる加熱装置を備えた容量500mlの
加圧式攪拌槽型反応器を、3−エトキシプロピオン酸エ
チルで満たした。反応器内温度は250℃に設定した。
反応器圧力は圧力調節器を使用して予想される蒸気圧以
上に設定した。メチルメタクリレート(以下、MMAと
いう。)44部、n−ブチルアクリレート(以下、BA
という。)56部、メチルエチルケトン(以下、MEK
という。)1部及びジ−t−ブチルパーオキサイド(以
下、DTBPという。)0.1部を秤量して単量体混合
液を調製し、それを原料タンクに貯蔵した。反応器内の
圧力を一定に保ちながら、単量体混合液を原料タンクか
ら反応器に連続的に供給した。
【0050】このとき、単量体混合液の反応器内での平
均滞留時間(以下、単に滞留時間という)が12分とな
るように供給速度を設定した。単量体混合液の供給量に
相当する反応液を反応器の出口から連続的に抜き出し
た。単量体混合液の連続供給中、反応器内温度を249
〜250℃に維持した。反応器の出口から抜き出した反
応液を連続的に薄膜蒸発器に導入して、反応液中の未反
応単量体及び溶剤などの揮発性成分を除去し、マクロモ
ノマー組成物を得た。単量体混合液の供給開始から90
分後、薄膜蒸発器の出口からマクロモノマー組成物A1
の採取を開始し、90分間採取を行った。供給した単量
体のうち75質量%が重合体として回収された。つまり
単量体転化率は75%であった。
【0051】テトラヒドロフラン(以下、THFとい
う。)溶媒を用いたゲル浸透クロマトグラフ(以下、G
PCという。)によりマクロモノマー組成物A1の平均
分子量を測定した。ポリスチレン換算で、マクロモノマ
ー組成物A1の数平均分子量(以下、Mnという。)は
1470であり、重量平均分子量(以下、Mwとい
う。)は3080であった。また、1H−NMRによ
り、マクロモノマー組成物A1に含まれる末端エチレン
性不飽和結合の濃度を測定した。数平均分子量及び末端
エチレン性不飽和結合の濃度から算出したマクロモノマ
ー組成物A1のマクロモノマー含有率は100質量%で
あった。 (製造例2)マクロモノマー組成物A2の製造 ホットオイルによる加熱装置を備えた容量1Lの加圧式
攪拌槽型反応器において、反応器内を窒素置換し、反応
器内温度を250℃に設定した。MMA50部、BA5
0部及びDTBP0.1部を秤量して単量体混合液を調
製し、それを原料タンクに貯蔵した。単量体混合液を原
料タンクから反応器に連続的に供給した。このとき、単
量体混合液の反応器内での滞留時間が12分となるよう
に供給速度を設定した。単量体混合液の供給量に相当す
る反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。単量
体混合液の連続供給中、反応器内温度を249〜250
℃に維持した。
【0052】また、反応器内圧力は1.0〜1.1MP
aであった。反応器の出口から抜き出した反応液を連続
的に薄膜蒸発器に導入して、反応液中の未反応単量体及
び溶剤などの揮発性成分を除去し、マクロモノマー組成
物を得た。単量体混合液の供給開始から90分後、薄膜
蒸発器の出口からマクロモノマー組成物A2の採取を開
始し、90分間採取を行った。供給した単量体のうち7
0質量%が重合体として回収された。つまり単量体転化
率は70%であった。
【0053】THF溶媒を用いたGPCによりマクロモ
ノマー組成物A2の平均分子量を測定した。ポリスチレ
ン換算で、マクロモノマー組成物A2のMnは1730
であり、Mwは3170であった。また、1H−NMR
により、マクロモノマー組成物A2に含まれる末端エチ
レン性不飽和結合の濃度を測定した。数平均分子量及び
末端エチレン性不飽和結合の濃度から算出したマクロモ
ノマー組成物A2のマクロモノマー含有率は95質量%
であった。
【0054】マクロモノマー組成物A1,A2の製造に
関して単量体、重合開始剤の種類及び量、反応温度並び
に重合結果を表1に示した。表1において、マクロモノ
マー含有率は、マクロモノマー組成物中のマクロモノマ
ーの割合を表す。 (製造例3)マクロモノマー組成物A3の製造 表1に示す単量体組成及び重合条件で製造例1と同様に
してマクロモノマー組成物A3を製造した。この製造例
3で用いられたマクロモノマー製造用ビニル単量体混合
物は、α位にアルキル基を有するビニル単量体を40〜
80モル%含有するものではなく、得られたマクロモノ
マー組成物A3を使用する共重合は本発明の技術的範囲
外のものである。
【0055】
【表1】 (実施例1、ブロック共重合体B1の製造)攪拌機、還
流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内に
マクロモノマー組成物A1を90g及び酢酸ブチル(以
下、BACという。)60gを仕込み、窒素雰囲気下で
115℃にした。別途調製したn−ブチルメタクリレー
ト(以下、BMAという。)270g、BAC180部
及び重合開始剤としてアゾビスイソバレロニトリル(和
光純薬(株)製の商品名V−59)5.40gからなる
単量体混合物を3時間かけて連続的に滴下させた。滴下
終了後、別途調製したBAC6.75g及びV−59
1.35gからなる混合物を一度に加え、さらに1時間
反応を継続させた。この間反応温度は115℃に保っ
た。
【0056】得られたブロック共重合体B1の分子量を
GPCにより測定したところ、Mnは6,590、Mw
は13,000であった。また、ガスクロマトグラフ
(以下、GCという。)により求めたBMAの反応率は
86%であった。
【0057】上記ブロック共重合体B1の進行は、以下
の方法によって確認した。1H−NMRにより、ブロッ
ク共重合体B1に含まれる末端エチレン性不飽和結合の
濃度を測定した。マクロモノマー組成物A1の末端エチ
レン性不飽和結合は、97%が生成したブロック共重合
体の末端に存在し、3%は消失していた。つまり、実施
例1においてマクロモノマー組成物A1の末端エチレン
性不飽和結合の転化率は3%であり、ほとんどが保持さ
れたことになる。
【0058】図1にGC測定及びGPC測定により求め
た単量体供給量に対するMn及び2重結合転化率をプロ
ットした結果を示した。この図1に示すように、生成樹
脂量の増加(単量体供給量の増加)に伴いブロック共重
合体B1のMnが増加する傾向、すなわち生成樹脂量と
Mnの間には比例関係が成立することが明らかとなっ
た。この比例関係は、単量体供給量をx、Mnをyとす
ると、y=15.404x+141.76で表される。
さらに、生成樹脂量とMnの関係から、重合の進行過程
において存在樹脂モル数には、ほとんど変化は見られな
かった。
【0059】以上のことから、反応は擬似リビング的に
進行し、ABブロック共重合体が生成しているものと考
えられる。 (実施例2、ブロック共重合体B2の製造)マクロモノ
マー組成物、溶剤、共重合させるビニル単量体の種類と
量、反応温度、反応時間などの条件を表2及び表3のと
おりに変更した以外は実施例1と同様の操作によりブロ
ック共重合体を製造し、分子量及び反応率の分析を行っ
た。その結果を表4に示す。表2及び表3において、M
IBKはメチルイソブチルケトン、AIBNはアゾビス
イソブチロニトリルを表す。
【0060】実施例2においても、反応は擬似リビング
的に進行し、ブロック共重合体が合成されたと考えられ
る結果を得た。実施例1及び実施例2において、単量体
供給量に対する生成樹脂量、Mn変化などを各々表5及
び表6に示した。 (実施例3、ブロック共重合体B3の製造)攪拌機、還
流冷却器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内に
マクロモノマー組成物A2を40g及びBAC200g
を仕込み、窒素雰囲気下で115℃に加熱した。そこへ
別途調製したBMA160g、BAC60g及びV−5
91.60gからなる単量体混合物を2時間かけて連続
的に滴下した。続いて、別途調製したメタクリル酸シク
ロへキシル(以下、CHMAという。)160g、BA
C60g及びV−59 1.60gからなる単量体混合
物を2時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、別途
調製したBAC2.00g及びV−59 0.40gか
らなる混合物を一度に加え、さらに1時間反応を継続さ
せた。この間反応温度は115℃に保った。
【0061】得られたブロック共重合体B3の分子量を
GPCにより測定したところ、Mnは10300、Mw
は19100であった。また、GCにより求めたBMA
及びCHMAの反応率は各々98%、81%であった。
【0062】上記ブロック共重合体B3の進行は、以下
の方法によって確認した。1H−NMRにより、ブロッ
ク共重合体B3に含まれる末端エチレン性不飽和結合の
濃度を測定した。マクロモノマー組成物A2の末端エチ
レン性不飽和結合は、86%が生成したブロック共重合
体の末端に存在し、14%は消失していた。つまり、実
施例3においてマクロモノマー組成物A2の末端エチレ
ン性不飽和結合の転化率は14%であり、その多くが保
持されたことになる。
【0063】また、GC測定及びGPC測定により、生
成樹脂量の増加に伴い共重合体B3のMnが増加する傾
向、すなわち生成樹脂量とMnの間には比例関係成立す
ることが明らかとなった。さらに、生成樹脂量とMnの
関係から、重合の進行過程において存在樹脂数(モル
数)には、ほとんど変化は見られなかった。
【0064】以上のことから、反応は擬似リビング的に
進行し、ABCブロック共重合体が生成しているものと
考えられる。 (実施例4、ブロック共重合体B4の製造)共重合させ
るビニル単量体として、表3に示すビニル単量体を追加
した以外は実施例3と同様の操作によりブロック共重合
体を製造し、分子量及び反応率の分析を行った。その結
果を表4に示す。
【0065】実施例4においても、反応は擬似リビング
的に進行し、ブロック共重合体が合成されたと考えられ
る結果を得た。実施例3及び実施例4について、単量体
供給量に対する生成樹脂量、Mnの変化などを表7及び
表8に各々示した。
【0066】表2〜表4において、マクロモノマー組成
物、単量体、溶剤、重合開始剤などの量の単位はg(グ
ラム)であり、表5〜表8において仕込みモノマー量及
び生成樹脂量はマクロモノマーA1又はA2を基準(1
00)とした質量部である。また、表3及び表8に「M
AA」とあるのはメタクリル酸を意味する。 (比較例1及び2)表2及び表3に示すマクロモノマー
とビニル単量体の組成及び重合条件にて共重合を行な
い、表4に示す共重合体を得た。比較例1及び2で用い
られたマクロモノマーとの共重合用ビニル単量体は、該
ビニル単量体の合計量を基準としてα位にアルキル基を
有するビニル単量体を65〜100質量%含有するもの
ではなく、これらはいずれも本発明の技術的範囲外のも
のである。また、比較例1は、マクロモノマー組成物A
3を使用する点でも本発明の技術的範囲外のものであ
る。
【0067】比較例で得られた共重合体が擬似リビング
的に重合されたものではなく、効率的にブロック共重合
したものでないことは、以下の事項から確認される。例
えば、比較例1において、マクロモノマー組成物と共重
合用ビニル単量体の重合開始前の重合体(すなわちマク
ロモノマーA3)のモル数は0.084〔(125g)
/(1490g/モル)〕である。共重合終了後の重合
体のモル数は0.009〔(232.8g)/(267
80g/モル)〕である。つまり、重合体のモル数が約
1/10に減少しており、生成した共重合体は平均して
約10個のマクロモノマーがグラフト共重合したもので
あることが推定できる。このことは、表4に示すマクロ
モノマーの「末端二重結合反応率」が100%に近いこと
とも矛盾しない。なお、上記の1490及び26780
は、それぞれマクロモノマーA3及び比較例1で生成し
た重合体のMnである。
【0068】比較例2においては、共重合の前後で重合
体のモル数が1/2以下に減少しており、やはり擬似リ
ビング的に重合されたものではなく、効率的にブロック
共重合したものでもないことがわかる。
【0069】実施例においては、共重合の前後での重合
体モル数の変化は極めて小さく、共重合が擬似リビング
的に進行したものであり、効率的にブロック共重合した
ことを示している。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】 なお、本発明は前記実施形態を次のように変更して構成
してもよい。
【0077】・ マクロモノマー組成物とブロック共重
合用ビニル単量体との共重合を連続撹拌槽型反応器を使
用する連続重合法によって行ってもよい。 ・ マクロモノマー組成物の製造とその後のブロック共
重合体の製造を同一の反応器を使用して実施してもよ
い。そして、マクロモノマー組成物を製造した後に、同
一の反応器で引き続いてのブロック共重合体の製造を行
ってもよい。
【0078】・ ブロック共重合用ビニル単量体とし
て、α位にアルキル基を有するビニル単量体とα位にア
ルキル基を有しないアクリル系単量体などのビニル単量
体とを併用してもよい。
【0079】さらに、実施形態より把握される技術的思
想について以下に記載する。 ・ マクロモノマー組成物を得るためのα位にアルキル
基を有するビニル単量体のアルキル基はメチル基である
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のブロック
共重合体の製造方法。この方法によれば、ビニル単量体
を容易に入手できる上に、マクロモノマー組成物中のマ
クロモノマー含有率を高くすることができる。
【0080】・ 連続重合法は、連続撹拌槽型反応器を
使用する連続重合法である請求項5から請求項7のいず
れか一項に記載のブロック共重合体の製造方法。この方
法によれば、マクロモノマー組成物が収率良く得られる
とともに、マクロモノマー組成物とビニル単量体を共重
合させる際に反応が円滑に進行し、マクロモノマーやビ
ニル単量体の反応率を大きくすることができる。
【0081】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているた
め、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
ブロック共重合体の製造方法によれば、ブロック共重合
体を収率良く得ることができる。
【0082】請求項2に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加
えて、マクロモノマーの生産効率が良く、ブロック共重
合用ビニル単量体との共重合反応において反応率を大き
くすることができる。
【0083】請求項3に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発
明の効果に加えて、マクロモノマー組成物のマクロモノ
マー含有率を高くすることができる。
【0084】請求項4に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法によれば、請求項1から請求項3のいずれか
一項に記載の発明の効果に加えて、ブロック共重合の反
応率を高め、重合反応液の粘度を適正に維持して重合反
応を円滑に進行させることができる。さらに、生成する
ブロック共重合体の分子量分布を狭くすることができ
る。
【0085】請求項5に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法によれば、請求項1から請求項4のいずれか
一項に記載の発明の効果に加えて、マクロモノマー組成
物が効率良く得られる。その上、マクロモノマー組成物
とブロック共重合用ビニル単量体との共重合反応が円滑
に進行し、マクロモノマーやビニル単量体の反応率を大
きくすることができる。
【0086】請求項6に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法によれば、請求項1から請求項5のいずれか
一項に記載の発明の効果に加えて、ブロック共重合体の
収率を向上させることができる。
【0087】請求項7に記載の発明のブロック共重合体
の製造方法によれば、請求項1から請求項6のいずれか
一項に記載の発明の効果に加えて、マクロモノマー組成
物の着色を抑制し、マクロモノマー組成物中のマクロモ
ノマーの収率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブロック共重合用単量体の供給量と、数平均
分子量(Mn)及び2重結合転化率(%)との関係を示
すグラフ。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J026 HA06 HA08 HA09 HA10 HA11 HA12 HA19 HA20 HA23 HA32 HA38 HB06 HB08 HB09 HB10 HB11 HB12 HB19 HB20 HB22 HB23 HB24 HB32 HB33 HB35 HB38 HB42 HB44 HB47 HE01 4J027 AA02 BA04 BA05 BA07 BA08 BA12 BA14 BA19 CB09 CC02 CD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示すマクロモノマー組成物及びブ
    ロック共重合用ビニル単量体を反応させることを特徴と
    するブロック共重合体の製造方法。 マクロモノマー組成物:マクロモノマー組成物製造に供
    される全単量体の合計量を基準として、α位にアルキル
    基を有するビニル単量体を40〜80モル%含有するマ
    クロモノマー製造用ビニル単量体混合物を、160〜3
    50℃の温度で重合させて得られるマクロモノマー組成
    物。 ブロック共重合用ビニル単量体:上記マクロモノマー組
    成物とのブロック共重合に供されるビニル単量体の合計
    量を基準としてα位にアルキル基を有するビニル単量体
    を65〜100質量%含有するビニル単量体。
  2. 【請求項2】 マクロモノマー組成物が、マクロモノマ
    ー組成物製造における重合反応液の量を基準として単量
    体及び該単量体の重合により生成する重合体の合計量が
    50〜100質量%となる濃度で重合させて得られるも
    のである請求項1に記載のブロック共重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 マクロモノマー製造用ビニル単量体中の
    α位にアルキル基を有するビニル単量体がメタクリル酸
    又はメタクリル酸エステルである請求項1又は請求項2
    に記載のブロック共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ブロック共重合用ビニル単量体中のα位
    にアルキル基を有するビニル単量体がメタクリル酸又は
    メタクリル酸エステルである請求項1から請求項3のい
    ずれか一項に記載のブロック共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 マクロモノマー組成物が連続重合法によ
    って製造されるものである請求項1から請求項4のいず
    れか一項に記載のブロック共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 マクロモノマー組成物が、マクロモノマ
    ー含有率60質量%以上のものである請求項1から請求
    項5のいずれか一項に記載のブロック共重合体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 マクロモノマー組成物が、0.1〜1時
    間の重合時間で得られるものである請求項1から請求項
    6のいずれか一項に記載のブロック共重合体の製造方
    法。
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