JP2003063162A - 平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版用原版

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JP2003063162A
JP2003063162A JP2001254727A JP2001254727A JP2003063162A JP 2003063162 A JP2003063162 A JP 2003063162A JP 2001254727 A JP2001254727 A JP 2001254727A JP 2001254727 A JP2001254727 A JP 2001254727A JP 2003063162 A JP2003063162 A JP 2003063162A
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Japan
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compound
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Application number
JP2001254727A
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English (en)
Inventor
Takao Nakayama
隆雄 中山
Ikuo Kawachi
幾生 河内
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜表面やアルミニウム支持体裏面に製造中
や運搬中あるいは取扱中にキズが生じることがなく、か
つ製造中に塵や埃などが付着して性能の劣化を起こさな
い平版印刷版用原版を提供する。 【解決手段】 アルミニウム支持体上に、レーザー感光
性である感光層を有する平版印刷版用原版であって、該
感光層と反対面の該支持体上にマットを有することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用原版に
関するものであり、特にアルミニウム支持体の光重合性
感光層塗布面とは反対面にマットを有する平版印刷版用
原版に関するものである。 【0002】 【従来の技術】平版印刷版用原版の製造方法は、砂目立
て等の必要な表面処理を施したアルミニウム板のウェッ
ブロールを送り出し、有機溶媒系塗布液からなる感光層
を塗布・乾燥し、中間ウェッブロールとして巻取り、再
び中間ウェッブロールからウェッブを繰り出してオーバ
ーコート層を塗布・乾燥する方法が取られている。これ
は有機溶媒系の感光層と水溶性ポリマーであるポリビニ
ルアルコールおよび(または)その共重合体を主成分と
する水系溶媒のオーバーコート層は同時重層塗布が困難
なためである。これらの必要な層を塗設されたウェッブ
はロール裁断機で一定のサイズに連続的に裁断され集積
される。 【0003】このようにして製造した該感光性平版印刷
版用原版を画像露光後、現像処理して作製した平版印刷
版を用いて印刷したところ、非画像部に汚れが発生する
という問題点が生じた。これらの汚れは、感光層塗布後
ウェッブロールを巻取る際に、微少なキズを有する感光
層裏面との接触により感光層上にキズが発生することに
起因すると考えられる。 【0004】このような問題を解決する方法として、特
開平9−265176号公報には、アルミニウム支持体
の感光層塗布面とは反対側にポリエステルなどからなる
樹脂(バックコート層)を塗布することによって上記接
着を防いでキズ発生を防止することが提案されている。
しかし、このようなバックコート層を設けることによ
り、ウェブロールが塗布、乾燥、巻き取り、ロール裁断
などの工程を搬送される際に接触する金属ロールや樹脂
ロールとの接触/剥離によってバックコート層が静電的
に帯電し、周囲の微細な塵や埃を吸引することが観察さ
れた。このため、平版印刷版用原版の性能を詳細に調べ
た結果、バックコート層を有するポジ型平版印刷版で刷
られた印刷物上の非画像部に微細な汚れが発生してい
た。また、バックコート層を有するネガ型平版印刷版で
もテストしたところ、ベタ部に微細な欠落が見いだされ
た。 【0005】これらの原因は、製造工程中に付着した微
細な塵や埃が露光時にマスクとして働き、露光不充分の
状態になったものと推定される。このことから、塵や埃
を吸引する原因となる剥離帯電等で電荷保持をしない
で、しかも表面にキズ発生を抑制できる平版印刷版用原
版の製造が望まれた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、塗膜表面やアルミニウム支持体裏面に製造中や運搬
中あるいは取扱中にキズが生じることがなく、かつ製造
中に塵や埃などが付着して性能の劣化を起こさない平版
印刷版用原版を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、平版印刷版用原版
のアルミニウム支持体の感光層塗布面とは反対側の裏面
にマットを設けることによって、この塵、埃の問題を回
避し、しかも感光層表面を平版印刷版用原版裏面の硬い
アルミニウムからうけるキズの発生を抑制した平版印刷
版用原版を製造することができることを見いだし本発明
を成すに至った。 【0008】即ち、本発明は、アルミニウム支持体上
に、レーザー感光性である感光層を有する平版印刷版用
原版であって、該感光層と反対面の該支持体上にマット
を有することを特徴とする平版印刷版用原版。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明の平版印刷版用原版
について詳しく説明する。 【0010】本発明における平版印刷版用原版は、上述
のように、感光層の反対面である支持体基板のバック面
(裏面)に形成した、バックコート層とは異なったマット
を有することが特徴である。 〔バック面のマット〕 (A)マット作成方法 マット(マット化ともいう)とは、面上に塗布部分と非
塗布部分からなる微小パターンを形成し設けるものであ
る。マットの形成法としては、 (1)樹脂の水溶液または水分散液の微細な液滴をマッ
ト塗布し、乾燥する方法 1)スプレー塗布法:エアスプレー、エアレススプレ
ー、静電エアスプレー、静電霧化静電塗装法、 2)グラビアコート塗布法、凹凸を有する塗布ローラー
での塗布法等がある。 【0011】(2)固体粉末を付けた後、加熱(融着)
する方法 1)散布 加圧空気供給法、粉体供給法、エジェクター法、ディス
トリビューター法、サイクロン法、 2)静電粉体塗布法等がある。 (B)マット材料 (1)現像液に溶解するものでも、不溶のものでも適用
できる方法 感光性平版印刷版の現像液に溶解または剥離除去され得
る樹脂を別に設け、この層を凹凸を有する塗布ローラー
で塗布する方法である。現像液に溶解または剥離除去さ
れ得る樹脂は現像液との組み合わせによって適当なもの
が選択される。具体的には、アラビアゴム、膠、ゼラチ
ン、カゼイン、セルロース類(例えば、ビスコース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース等)、澱粉類(例えば、可溶
性澱粉、変性澱粉等)、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルメチルエーテル、エボキシ樹脂、フェノ
ール樹脂(特にノボラック型フェノール樹脂が好まし
い)、ポリアミド(例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、,ア
シルアルコール、ヘキサノールなどの炭素数1〜6のア
ルコールに可溶性のポリアミドが含まれる)、ポリビニ
ルブチラール等がある。これらは二種以上併用すること
もできる。 【0012】また、本発明の平版印刷版用原版の支持体
基板のバック面(裏面)をマット化する方法において、上
述した樹脂を溶解、または分散させた水性液の微細な液
滴を静電的に付着乾燥させることもできる。かかる水性
液としては、支持体基板のバック面に好ましくは静電気
的に均一に分散された状態で付着するものであるとよ
い。そのため、写真感光材料、レーザー記録材料などの
場合、水性液の樹脂としては、たとえば特願昭55−1
09984号明細書に記載されているような、アクリル
酸エステルとアクリル酸またはメタクリル酸の共重合
体;スチレン、アクリル酸エステル、アクリル酸又はメ
タクリル酸の共重合体;アクリル酸エステル、スチレ
ン、アクリロニトリルなどとアクリル酸又はメタリル
酸、マレイン酸、イタコン酸などの共重合体;ポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン
などのビニル系ポリマーなどがあり、これらの樹脂を適
宜選択し、従来周知の方法により水へ溶解せしめ、ある
いは分散させて水性液とする。液媒としては主成分の水
のほか、感光層成分を溶解しない低沸点の有機溶媒を含
んでいてもよい。又、感光層や付着した液滴に影響を及
ほさない、他の水溶性物質や微細な粒子の無機物質の粉
末、重合体の粉末などの充填剤を含んでいてもよい。水
性液の調製法の例として、たとえば前記の共重合体は通
常のラテックスの合成法と同様にして、原料のモノマー
を界面活性剤で水中に乳化しておき、過硫酸カリウムな
どの重合開始剤を用いて乳化重合された水性分散物とし
てもよく、またアクリル酸、メククリル酸、マレイン
酸、イタコン酸などの一部をナトリウム塩、カリウム
塩、又はアンモニウム塩として共重合体の水溶液とする
ことでもよい。 【0013】また、磁気記録テープの裏面に設けられる
マットの場合は、水性液の樹脂としては、塩化ビニリデ
ンとアクリル酸エステルあるいは、アクリル酸などとの
共重合物のラテックス、塩化ビニルと酢酸ビニル、スチ
レン等の共重合物のラテックス、スチレン−プタジエン
共重合物のラテックス、無水マレイン酸とアクリル酸エ
ステルの水溶性ポリマー、などがあり、そのほかカーボ
ンブラックやコロイダルシリカなどの無機粉末の充填
剤、さらに脂肪酸や脂肪酸エステル、油脂類などによる
潤滑剤を流加して水性液を調製する。 (2)疎水性マット 本発明の平版印刷版用原版の支持体基板のバック面(裏
面)に形成するマット層には、場合により他の疎水性高
分子化合物が加えられる。かかる疎水性高分子化合物と
しては例えばポリブテン、ポリブタジエン、ポリアミ
ド、不飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポ
リウレア、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリカーボネ
ート、エポキシ樹脂、塩素化ポリエチレン、アルキルフ
ェノールのアルデヒド縮合樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル系樹脂および
これらの共重合樹脂、ヒドロキシセルロース、ポリビニ
ルアルコール、セルロースアセテート、カルボキシメチ
ルセルロース等が適している。 【0014】好適な疎水性高分子化合物として以下1)
〜12)に示すモノマーをその構成単位とする通常1万
〜20万の分子量(重量平均)を持つ共重合体を挙げる
ことができる。 1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリ
ルアミド酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エス
テル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−
ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−
ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−,m−お
よびp−ヒドロキシスチレン、o−,m−およびp−ヒ
ドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート、 2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類および
メタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、 3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アク
リル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒ
ドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレート等の(置換)アクリル酸エ
ステル、 4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ア
ミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、
メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチ
ル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメ
タクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト等の(置換)メタクリル酸エステル、 5)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、
N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミ
ド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタク
リルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−
シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチ
ルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルア
ミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタ
クリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベン
ジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルア
ミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチ
ル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N
−フェニルメタクリルアミド等のアクリルアミドもしく
はメタクリルアミド、 6)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエ
ーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニル
エーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル
類、 7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニ
ルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、 8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン
等のスチレン類、 9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピ
ルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケト
ン類、 10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類、 11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等、 12)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリル
アミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリ
ルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アク
リルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフ
チル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエ
チル)アクリルアミド等のアクリルアミド類、N−(o
−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−
(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、
N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メ
タクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)
メタクリルアミド等のメタクリルアミド類、また、o−
アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノス
ルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニル
フェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフ
ェニルナフチル)アクリレート等のアクリル酸エステル
類等の不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフ
ェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニル
メタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタク
リレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチ
ル)メタクリレート等のメタクリル酸エステル類等の不
飽和スルホンアミド。 【0015】更に、上記モノマーと共重合し得るモノマ
ーを共重合させてもよい。また、上記モノマーの共重合
によって得られる共重合体を例えば、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートなどによって修飾し
たものも含まれるがこれらに限られるものではない。こ
れらの疎水性高分子化合物は、バックコート層に50重
量%以下の範囲で添加できるが、飽和共重合ポリエステ
ル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂お
よび塩化ビニリデン共重合樹脂の特性を活かすためには
30重量%以下であることが好ましい。 【0016】マット層にはこれらの疎水性高分子化合物
の他に、可とう性を持たせたり、すべり性を調整する目
的で可塑剤や界面活性剤、その他の添加物を必要により
添加できる。好ましい可塑剤としては、例えば、ジメチ
ルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、
オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレ
ート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレ
ート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等
のフタル酸エステル類、ジメチルグリコールフタレー
ト、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタ
リールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグ
リコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エス
テル等のグリコールエステル類、トリクレジールホスフ
エート、トリフェニルホスフエート等のリン酸エステル
類、ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、
ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチル
アゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エ
ステル類、ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸ト
リエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン
酸ブチル等が有効である。 【0017】可塑剤は、マット全体のガラス転移点が2
0℃以下にならない範囲で加えられ、それは概ねマット
化に用いる樹脂に対して約30重量%以下である。本発
明のマット層には更に界面活性剤が、滑り性、塗布面
状、支持体との密着等を向上させる目的で加えられるこ
とが望ましい。好ましい界面活性剤としては、アニオン
系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙
げられる。 【0018】その他、改質剤として、密着性、強度、帯
電性、などをコントロールする目的で有機/無機体の添
加、ポリマーの混合、可塑性、その他の材料を添加する
ことも可能である。 (C)マットの形態 上記の如き、本発明の平版印刷版用原版の支持体基板の
バック面(裏面)に形成されたマットは、分布量として
は、1〜1000個/mm2、好ましくは5〜500個
/mm2であり、個々のマット高さは0.5〜20μm
が好ましく、大きさ(径)としては、1〜200μmが
好ましい。 (D)マットの作成工程 マットは感光液を塗布する前に、上述のマット作成方法
に従って裏面に設けてもよいし、感光体を作成した後で
行ってもよいが、キズ発生を抑制するために、できる限
り早い時期にマットを設けておくことが望ましい。 【0019】〔感光層〕本発明の平版印刷版用原版にお
ける感光層としては、特に限定されないが、その代表的
な物として、ポジ型感光層、ネガ型感光層、光重合(フ
ォトポリマー)型感光層、サーマルポジ型感光層、サー
マルネガ型感光層等が挙げられる。ポジ型感光層として
は、露光前後で現像液に対する溶解性、又は膨潤性が変
化するものであればいずれでも使用できる。以下、代表
的なポジ型感光層の組成物について説明するが、これに
より本発明は限定されない。 【0020】ポジ型感光層組成物の感光性化合物として
は、o−キノンジアジド化合物が挙げられ、その代表例
としてo−ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。
o−ナフトキノンジアジド化合物としては、特公昭43
−28403号公報に記載されている1,2−ジアゾナ
フトキノンスルホン酸クロリドとピロガロール−アセト
ン樹脂とのエステルであるものが好ましい。その他の好
適なo−キノンジアジド化合物としては米国特許第3,
046,120号及び同第3,188,210号明細書
中に記載されている1,2−ジアゾナフトキノンスルホ
ン酸クロリドとフェノールホルムアルデヒド樹脂とのエ
ステルがある。 【0021】その他の有用なo−ナフトキノンジアジド
化合物としては、数多くの特許に報告され、知られてい
るものが挙げられる。例えば、特開昭47−5303
号、同48−63802号、同48−63803号、同
48−96575号、同49−38701号、同48−
13354号、特公昭37−18015号、同41−1
1222号、同45−9610号、同49−17481
号、特開平5−11444号、特開平5−19477
号、特開平5−19478号、特開平5−107755
号、米国特許第2,797,213号、同第3,45
4,400号、同第3,544,323号、同第3,5
73,917号、同第3,674,495号、同第3,
785,825号、英国特許第1,227,602号、
同第1,251,345号、同第1,267,005
号、同第1,329,888号、同第1,330,93
2号、ドイツ特許第854,890号等の各明細書中に
記載されているものを挙げることができる。 【0022】更にその他のo−キノンジアジド化合物と
しては、分子量1,000以下のポリヒドロキシ化合物
と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドとの
反応により得られるo−ナフトキノンジアジド化合物も
使用することができる。例えば特開昭51−13940
2号、同58−150948号、同58−203434
号、同59−165053号、同60−121445
号、同60−134235号、同60−163043
号、同61−118744号、同62−10645号、
同62−10646号、同62−153950号、同6
2−178562号、同64−76047号、米国特許
第3,102,809号、同第3,126,281号、
同第3,130,047号、同第3,148,983
号、同第3,184,310号、同第3,188,21
0号、同第4,639,406号等の各公報又は明細書
に記載されているものを挙げることができる。 【0023】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際には、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシ
ル基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸ク
ロリドを0.2〜1.2当量反応させることが好まし
く、0.3〜1.0当量反応させることがさらに好まし
い。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドと
しては、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸
クロリドが好ましいが、1,2−ジアゾナフトキノン−
4−スルホン酸クロリドも用いることができる。また得
られるo−ナフトキノンジアジド化合物は、1,2−ジ
アゾナフトキノンスルホン酸エステル基の位置及び導入
量の種々異なるものの混合物となるが、ヒドロキシル基
がすべて1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステ
ルに転換された化合物がこの混合物中に占める割合(完
全にエステル化された化合物の含有率)は5モル%以上
であることが好ましく、さらに好ましくは20〜99モ
ル%である。 【0024】また、o−ナフトキノンジアジド化合物を
用いずにポジ型に作用する感光性化合物として、例えば
特公昭52−2696号に記載されているo−ニトリル
カルビノールエステル基を含有するポリマー化合物やピ
リジニウム基含有化合物(特開平4−365049号な
ど)、ジアゾニウム基含有化合物(特開平5−2496
64号、特開平6−83047号、特開平6−3244
95号、特開平7−72621号など)も本発明に使用
することが出来る。更に光分解により酸を発生する化合
物と(特開平4−121748号、特開平4−3650
43号など)、酸により解離するC−O−C基又はC−
O−Si基を有する化合物との組み合せ系も本発明に使
用することができる。例えば光分解により酸を発生する
化合物とアセタール又はO、N−アセタール化合物との
組み合せ(特開昭48−89003号など)、オルトエ
ステル又はアミドアセタール化合物との組み合せ(特開
昭51−120714号など)、主鎖にアセタール又は
ケタール基を有するポリマーとの組み合せ(特開昭53
−133429号など)、エノールエーテル化合物との
組み合せ(特開昭55−12995号、特開平4−19
748号、特開平6−230574号など)、N−アシ
ルイミノ炭素化合物との組み合せ(特開昭55−126
236号など)、主鎖にオルトエステル基を有するポリ
マーとの組み合せ(特開昭56−17345号など)、
シリルエステル基を有するポリマーとの組み合せ(特開
昭60−10247号など)、及びシリルエーテル化合
物との組み合せ(特開昭60−37549号、特開昭6
0−121446号、特開昭63−236028号、特
開昭63−236029号、特開昭63−276046
号など)等が挙げられる。本発明の感光性組成物中に占
めるこれらのポジ型に作用する感光性化合物(上記のよ
うな組み合せを含む)の量は1〜50重量%が適当であ
り、より好ましくは10〜40重量%である。 【0025】上記に挙げられたポジ型に作用する感光性
化合物のうち、特にo−キノンジアジド化合物は単独で
も感光層を構成し得るが、いずれの感光性化合物を用い
た場合でも、結合剤(バインダー)としてのアルカリ水
に可溶な樹脂と共に使用することが好ましい。このよう
なアルカリ水に可溶性の樹脂としては、この性質を有す
るノボラック樹脂があり、たとえばフェノールホルムア
ルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、
p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合
クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾ
ール(m−、p−、o−又はm−/p−/o−混合のい
ずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂などのクレゾ
ールホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。これらの
アルカリ可溶性高分子化合物は、重量平均分子量が50
0〜100,000のものが好ましい。その他、レゾー
ル型のフェノール樹脂類も好適に用いられ、フェノール
/クレゾール(m−、p−、o−又はm−/p−/o−
混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂が好
ましく、特に特開昭61−217034号公報に記載さ
れているフェノール樹脂類が好ましい。 【0026】また、フェノール変性キシレン樹脂、ポリ
ヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレ
ン、特開昭51−34711号公報に開示されているよ
うなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特
開平2−866号公報に記載のスルホンアミド基を有す
るビニル樹脂やウレタン樹脂、特開平7−28244
号、特開平7−36184号、特開平7−36185
号、特開平7−248628号、特開平7−26139
4号、特開平7−333839号公報などに記載の構造
単位を有するビニル樹脂など種々のアルカリ可溶性の高
分子化合物を含有させることができる。特にビニル樹脂
においては、以下に示す(1)〜(4)のアルカリ可溶
性基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種を重合成
分として有する皮膜形成性樹脂が好ましい。 【0027】(1)N−(4−ヒドロキシフェニル)ア
クリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メ
タクリルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチ
レン、o−またはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレ
ン、o−またはm−クロル−p−ヒドロキシスチレン、
o−、m−またはp−ヒドロキシフェニルアクリレート
またはメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリ
ルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類およびビドロキシスチレン
類、(2)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸およびそのハーフエステル、イタコン酸、
無水イタコン酸およびそのハーフエステルなどの不飽和
カルボン酸、 【0028】(3)N−(o−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェ
ニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスル
ホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノ
スルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミ
ド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリ
ルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタ
クリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニ
ル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノス
ルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルア
ミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレ
ート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p
−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−
アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなど
のアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−ア
ミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノス
ルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノス
ルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタ
クリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
(4)トシルアクリルアミドのように置換基があっても
よいフェニルスルホニルアクリルアミド、およびトシル
メタクリルアミドのような置換基があってもよいフェニ
ルスルホニルメタクリルアミド。 【0029】更に、これらのアルカリ可溶性基含有モノ
マーの他に以下に記す(5)〜(14)のモノマーを共
重合した皮膜形成性樹脂が好適に用いられる。(5)脂
肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタク
リル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアク
リレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒ
ドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸
エステル、 【0030】(7)メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−
2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチ
ル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステ
ル、 【0031】(8)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアク
リルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベン
ジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、
N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニ
ルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリ
ルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルア
ミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、 【0032】(9)エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなど
のビニルエーテル類、(10)ビニルアセテート、ビニ
ルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、(11)スチレン、α−メ
チルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン
などのスチレン類、(12)メチルビニルケトン、エチ
ルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニ
ルケトンなどのビニルケトン類、(13)エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなど
のオレフィン類、(14)N−ビニルピロリドン、N−
ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなど。 【0033】これらのアルカリ可溶性高分子化合物は、
重量平均分子量が500〜500,000のものが好ま
しい。このようなアルカリ可溶性高分子化合物は1種類
あるいは2種類以上を組み合せて使用してもよく、全組
成物の99重量%以下、好ましくは98重量%以下の添
加量で用いられる。この範囲であると現像性及び耐刷性
の点で好ましい。 【0034】更に、米国特許第4,123,279号明
細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホ
ルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基
として有するフェノールホルムアルデヒドとの縮合物の
o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル(例えば
特開昭61−243446号に記載のもの)を併用する
ことは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。 【0035】(現像促進剤)該ポジ型感光性組成物中に
は、感度アップおよび現像性の向上のために環状酸無水
物類、フェノール類および有機酸類を添加することが好
ましい。環状酸無水物としては米国特許4,115,1
28号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6
−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、テ
トラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水
マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク
酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。フェノール
類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノー
ル、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒド
ロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベ
ンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,
4′,4″−トリヒドロキシ−トリフェニルメタン、
4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,
3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙
げられる。 【0036】更に、有機酸類としては、特開昭60−8
8942号、特開平2−96755号公報などに記載さ
れている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫
酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン
酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフ
ィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息
香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、
3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル
酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボン酸、
エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビ
ン酸などが挙げられる。上記の環状酸無水物類、フェノ
ール類および有機酸類の感光性組成物中に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは
0.1〜5重量%である。 【0037】(現像安定剤)また、該ポジ型感光性組成
物中には、現像条件に対する処理の安定性(いわゆる現
像許容性)を広げるため、特開昭62−251740号
公報や特開平4−68355号公報に記載されているよ
うな非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号
公報、特開平4−13149号公報に記載されているよ
うな両性界面活性剤を添加することができる。 【0038】非イオン界面活性剤の具体例としては、ソ
ルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセ
リド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げら
れる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ
(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチル
グリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN
−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名
アモーゲンK、第一工業製薬(株)製)およびアルキル
イミダゾリン系(例えば、商品名レボン15、三洋化成
(株)製)などが挙げられる。上記非イオン界面活性剤
および両性界面活性剤の感光性組成物中に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは
0.1〜5重量%である。 【0039】(焼き出し剤、染料、その他)該ポジ型感
光層組成物中には、露光後直ちに可視像を得るための焼
出し剤、画像着色剤としての染料やその他のフィラーな
どを加えることができる。本発明に用いることのできる
染料としては、特開平5−313359号公報に記載の
塩基性染料骨格を有するカチオンと、スルホン酸基を唯
一の交換基として有し、1〜3個の水酸基を有する炭素
数10以上の有機アニオンとの塩からなる塩基性染料を
挙げることができる。添加量は、全感光層組成物の0.
2〜5重量%である。 【0040】また、上記特開平5−313359号公報
に記載の染料と相互作用して色調を変えさせる光分解物
を発生させる化合物、例えば特開昭50−36209号
(米国特許3,969,118号)に記載のo−ナフト
キノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニド、特開昭5
3−36223号(米国特許4,160,671号)に
記載のトリハロメチル−2−ピロンやトリハロメチルト
リシジン、特開昭55−62444号(米国特許2,0
38,801号)に記載の種々のo−ナフトキノンジア
ジド化合物、特開昭55−77742号(米国特許4,
279,982号)に記載の2−トリハロメチル−5−
アリール−1,3,4−オキサジアゾール化合物などを
添加することができる。これらの化合物は単独又は混合
し使用することができる。これらの化合物のうち400
nmに吸収を有する化合物を後述の黄色染料として用い
てもよい。 【0041】画像の着色剤として前記特開平5−313
359号公報に記載の染料以外に他の染料を用いること
ができる。塩形成性有機染料を含めて好適な染料として
油溶性染料および塩基染料を挙げることができる。具体
的には、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オ
イルブルー#603、(以上、オリエント化学工業株式
会社製)、ビクトリアピュアブルーBOH、ビクトリア
ピュアブルーNAPS、エチルバイオレット6HNAP
S〔以上、保土谷化学工業(株)製〕、ローダミンB
〔C145170B〕、マラカイトグリーン(C142
000)、メチレンブルー(C152015)等を挙げ
ることができる。 【0042】また該ポジ型感光性組成物中には、以下の
黄色系染料を添加することができる。一般式〔I〕、
〔II〕あるいは〔III〕で表わされ、417nmの吸光
度が436nmの吸光度の70%以上である黄色系染料 【0043】 【化1】 【0044】式〔I〕中、R1 及びR2 はそれぞれ独立
に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
又はアルケニル基を示す。またR1とR2は環を形成して
もよい。R3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭
素数1〜10のアルキル基を示す。G1、G2はそれぞれ
独立にアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、アシル基、アリールカルボニル基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基又はフルオロアルキルスルホニル基を示
す。またG1とG2は環を形成してもよい。さらにR1
2、R3、R4、R5、G1、G2のうち1つ以上に1つ以
上のスルホン酸基、カルボキシル基、スルホンアミド
基、イミド基、N−スルホニルアミド基、フェノール性
水酸基、スルホンイミド基、又はその金属塩、無機又は
有機アンモニウム塩を有する。YはO、S、NR(Rは
水素原子もしくはアルキル基又はアリール基)、Se、
−C(CH32−、−CH=CH−より選ばれる2価原
子団を示し、n1は0又は1を示す。 【0045】 【化2】 【0046】式〔II〕中、R6及びR7はそれぞれ独立に
水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、
置換アリール基、ヘテロ環基、置換ヘテロ環基、アリル
基又は置換アリル基を表わし、また、R6とR7とは共に
それが結合している炭素原子と共に環を形成しても良
い。n2は0、1又は2を表わす。G3及びG4はそれぞ
れ独立に、水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル
基、置換アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、アシル
基、置換アシル基、アリールカルボニル基、置換アリー
ルカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、フルオロ
アルキルスルホニル基を表わす。ただし、G3とG4が同
時に水素原子となることはない。また、G3とG4とはそ
れが結合している炭素原子と共に非金属原子から成る環
を形成しても良い。 【0047】さらにR6、R7、G3、G4のうち1つ以上
に1つ以上のスルホン酸基、カルボキシル基、スルホン
アミド基、イミド基、N−スルホニルアミド基、フェノ
ール性水酸基、スルホンイミド基、又はその金属塩、無
機又は有機アンモニウム塩を有する。 【0048】 【化3】 【0049】式〔III〕中、R8、R9、R10、R11、R
12、R13はそれぞれ同じでも異なっていてもよく水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、
シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニ
ル基、ニトロ基、カルボキシル基、クロル基、ブロモ基
を表わす。 【0050】該ポジ型感光層は、前記の各感光性組成物
の成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布するこ
とによって得られる。前述したように、上記溶媒は、本
発明の中間層に含有される水不溶、且つアルカリ可溶性
の高分子化合物を溶解しないものが選択される。具体的
には、例えばγ−ブチロラクトン、エチレンジクロライ
ド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1
−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プ
ロピルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、水、N−メチルピロ
リドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、アセト
ン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ジエチレングリコールジメチルエー
テル及びこれらの溶媒の混合物から適切に選択して使用
することができる。上記成分の濃度(固形分)は、2〜
50重量%が適当である。塗布量としては0.5g/m
2〜4.0g/m2が好ましい。0.5g/m2よりも少
ないと耐刷性が劣化する。4.0g/m2よりも多いと
耐刷性は向上するが、感度が低下してしまう。 【0051】該ポジ型感光性組成物中には、塗布法を良
化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170
950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性
剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光
性組成物の0.01〜3重量%であり、更に好ましくは
0.05〜2重量%である。以上のようにして得られた
平版印刷版では原画フィルムに対して忠実な印刷物を得
ることができるが焼ボケ及び印刷物のがさつき感が悪
い。焼ボケを改良する方法としてこのようにして設けら
れた感光量の表面を凹凸にする方法がある。例えば特開
昭61−258255号公報に記載されているように感
光液中に数μmの粒子を添加し、それを塗布する方法が
あるがこの方法では焼ボケの改良効果も小さくかつがさ
つき感は全く改良されない。 【0052】ところが、例えば特開昭50−12580
5号、特公昭57−6582号、同61−28986
号、同62−62337号公報に記載されているような
感光量の表面に凹凸となる成分をつける方法を用いると
焼ボケは改良され、更に印刷物のがさつき感は良化す
る。更に、特公昭55−30619号公報に記載されて
いるように感光物の感光波長領域に吸収を持つ光吸収剤
をマット層中に含有させると焼ボケ・がさつき感がさら
に良化する。また1インチ175線の線数からなる原画
フィルムよりも焼ボケしやすく、印刷物のがさつき感が
出やすい1インチ300線以上の線数からなる原画フィ
ルムおよびFMスクリーニングにより得られた原画フィ
ルムを用いても良好な印刷物を得ることができる。以上
のように平版印刷版用原版の感光層表面に設けられた微
少パターンは次のようなものが望ましい。すなわち塗布
部分の高さは1〜40μm、特に2〜20μmの範囲が
好ましく、大きさ(直径)は10〜10000μm、特
に20〜200μmの範囲が好ましく、更に均一な大き
さなほど好ましい。また密度は1〜1000個/mm2
の範囲である。 【0053】〔現像処理〕次に、該ポジ型感光層を有す
る平版印刷版用原版の現像処理について説明する。 (露光)該平版印刷版用原版は像露光された後に現像処
理される。像露光に用いられる活性光線の光源としては
カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キ
セノンランプ、タングステンランプ、ケミカルランプな
どがある。放射線としては、電子線、X線、イオンビー
ム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep
−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)
も使用される。レーザービームとしてはヘリウム・ネオ
ンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、
ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマーレー
ザー、半導体レーザー、YAGレーザーなどが挙げられ
る。 【0054】(現像液)該平版印刷版用原版の現像液と
して好ましいものは、実質的に有機溶剤を含まないアル
カリ性の水溶液である。具体的には珪酸ナトリウム、珪
酸カリウム、NaOH、KOH、LiOH、第3リン酸
ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、第3リン酸アンモ
ニウム、第2リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、アンモニア水などのような水溶液が適当である。更
に好ましくは(a)非還元糖から選ばれる少なくとも一
種の糖類および(b)少なくとも一種の塩基を含有し、
pHが9.0〜13.5の範囲にある現像液である。以
下この現像液について詳しく説明する。なお、本明細書
中において、特にことわりのない限り、現像液とは現像
開始液(狭義の現像液)と現像補充液とを意味する。 【0055】(非還元糖及び塩基)この現像液は、その
主成分が、非還元糖から選ばれる少なくとも一つの化合
物と、少なくとも一種の塩基からなり、液のpHが9.
0〜13.5の範囲であることを特徴とする。かかる非
還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、
還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したト
レハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した
配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコール
に分類され、何れも好適に用いられる。トレハロース型
少糖類には、サッカロースやトレハロースがあり、配糖
体としては、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラ
シ油配糖体などが挙げられる。また糖アルコールとして
はD,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L
−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジッ
ト、D,L−タリット、ズリシットおよびアロズルシッ
トなどが挙げられる。更に二糖類の水素添加で得られる
マルチトールおよびオリゴ糖の水素添加で得られる還元
体(還元水あめ)が好適に用いられる。これらの中で特
に好ましい非還元糖は糖アルコールとサッカロースであ
り、特にD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが
適度なpH領域に緩衝作用があることと、低価格である
ことで好ましい。 【0056】これらの非還元糖は、単独もしくは二種以
上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める
割合は0.1〜30重量%が好ましく、更に好ましく
は、1〜20重量%である。この範囲以下では十分な緩
衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃
縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。尚、還
元糖を塩基と組み合わせて使用した場合、経時的に褐色
に変色し、pHも徐々に下がり、よって現像性が低下す
るという問題点がある。非還元糖に組み合わせる塩基と
しては従来より知られているアルカリ剤が使用できる。
例えば、水酸化ナトリウム、同カリウム、同リチウム、
リン酸三ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、リ
ン酸二ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸
ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、ホウ酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウムなどの無機アルカリ
剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−
ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エ
チレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用い
られる。 【0057】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいの
は水酸化ナトリウム、同カリウムである。その理由は、
非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広い
pH領域でpH調整が可能となるためである。また、リ
ン酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カ
リウムなどもそれ自体に緩衝作用があるので好ましい。
これらのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.5
の範囲になるように添加され、その添加量は所望のp
H、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、よ
り好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。 【0058】現像液には更に、糖類以外の弱酸と強塩基
からなるアルカリ性緩衝液が併用できる。かかる緩衝液
として用いられる弱酸としては、pKaが10.0〜1
3.2のものが好ましい。このような弱酸としては、Pe
rgamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANI
C ACIDS IN AQUEOUS SOLUTION などに記載されているも
のから選ばれ、例えば2,2,3,3−テトラフルオロ
プロパノール−1(pKa12.74)、トリフルオロ
エタノール(同12.37)、トリクロロエタノール
(同12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−
アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒ
ド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸
(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同
12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸
(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、
3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,
4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,
4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイド
ロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.3
4)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルシノー
ル(同11.27)、p−クレゾール(同10.2
7)、m−クレゾール(同10.09)などのフェノー
ル性水酸基を有する化合物、 【0059】2−ブタノンオキシム(同12.45)、
アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタ
ンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベ
ンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグ
リオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム
(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.
35)などのオキシム類、アデノシン(同12.5
6)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.
3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同1
2.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物
質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.
32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香
酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸
(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸
(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1
−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール
(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、
ピコリンチオアミド(同12.8)、バルビツル酸(同
12.5)などの弱酸が挙げられる。 【0060】これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホ
サリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合
わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わ
せて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組
み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用さ
れる。 【0061】(界面活性剤)現像液には、現像性の促進
や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高
める目的で必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添
加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、
カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げら
れる。 【0062】界面活性剤の好ましい例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部
分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシ
エチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、
N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非
イオン性界面活性剤、 【0063】脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキ
シアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、
ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキ
ルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩
類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテ
ル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム
塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム
塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキ
ルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エス
テル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類な
どのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラ
ブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチ
レンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カ
ルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタ
イン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの
両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の
中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチ
レン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなど
のポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それ
らの界面活性剤もまた包含される。 【0064】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。かかる
組成の現像液で現像処理されたPS版は水洗水、界面活
性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体
等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理
を施される。本発明のPS版の後処理にはこれらの処理
を種々組み合わせて用いることができる。 【0065】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用
いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処
理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽お
よびスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に
搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレー
ノズルから吹き付けて現像および後処理するものであ
る。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中
ガイドロールなどによってPS版を浸漬搬送させて現像
処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に
供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水として
再利用する方法も知られている。このような自動処理に
おいては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれ
ぞれの補充液を補充しながら処理することができる。ま
た、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨
て処理方式も適用できる。このような処理によって得ら
れた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚
の印刷に用いられる。 【0066】次にネガ型感光層について説明する。ネガ
型感光層は、ジアゾ樹脂を含有する感光層、光架橋性感
光層がある。ジアゾ樹脂を含有する感光層に使用される
ジアゾ樹脂は、芳香族ジアゾニウム塩と活性カルボニル
基含有化合物、例えばホルムアルデヒドとの縮合物で代
表されるジアゾ樹脂である。上記ジアゾ樹脂としては、
例えば、p−ジアゾフェニルアミン類とホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒドなどのアルデヒドとの縮合物とヘ
キサフルオロ燐酸塩またはテトラフルオロ硼酸塩との反
応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩や、特
公昭47−1167号公報に記載されているような前記
縮合物とのスルホン酸塩類、例えばp−トルエンスルホ
ン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレ
ンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸との反応生成物である
有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂有機塩が挙げられる。 【0067】特に、特開昭59−78340号公報記載
の6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジア
ゾ化合物が好ましい。また特開昭58−27141号公
報に示されているような3−メトキシ−4−ジアゾ−ジ
フェニルアミンを4,4′−ビス−メトキシ−メチル−
ジフェニルエーテルで縮合させメシチレンスルホン酸塩
としたものなども適当である。さらに特公昭49−48
001号公報に記載された芳香族化合物との共縮合ジア
ゾ樹脂や、特開平2−29650号公報に記載された酸
基を有する芳香族化合物との共縮合ジアゾ樹脂も好まし
く用いられる。また、特開平4−18559号公報に記
載された酸基を有するアルデヒドまたはアセタール化合
物で縮合されたジアゾ樹脂も同様に好ましく用いること
ができる。 【0068】さらに、カルボキシル基、スルホン酸基、
スルフィン酸基、リンの酸素酸基およびヒドロキシル基
のうち少なくとも一つの有機基を有する芳香族化合物
と、ジアゾニウム化合物、好ましくは芳香族ジアゾニウ
ム化合物を構造単位として含む共縮合体も望ましい。な
お、上記ジアゾ樹脂を単独で用いてもよいし2種類以上
の混合物でもよい。ジアゾ樹脂は全体で感光層中に1〜
70重量%、特に3〜60重量%含有されるのが望まし
い。 【0069】ジアゾ樹脂を含有するネガ型感光層には、
ジアゾ樹脂とともに、アルカリ可溶性もしくは膨潤性の
高分子化合物が含有される。このアルカリ可溶性もしく
は膨潤性の高分子化合物としては、酸含量0.1〜5.
0meq/g、好ましくは0.2〜3.0meq/gであり、
実質的に水不溶性(すなわち、中性または酸性水溶液に
不溶性)で、皮膜形成性を有する有機高分子化合物であ
るが、アルカリ水溶液系現像液に溶解または膨潤するこ
とができかつ前記の感光性ジアゾ樹脂の共存下で光硬化
して現像液に不溶化または非膨潤化するものが好まし
い。尚、酸含量0.1meq/g未満では現像が困難であ
り、5.0meq/gを超えると現像時の画像強度が著し
く弱くなる。 【0070】特に好適な結合剤としてはアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分と
して含む共重合体、例えば特開昭50−118802号
公報に記載されているような2−ヒドロキシエチルアク
リレートまたは2−ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリル、アク
リル酸またはメタクリル酸および必要に応じて他の共重
合可能なモノマーとの多元共重合体、特開昭53−12
0903号公報に記載されているような末端がヒドロキ
シ基であり、かつジカルボン酸エステル残基を含む基で
エステル化されたアクリル酸またはメタクリル酸、アク
リル酸、またはメタクリル酸および必要に応じて他の共
重合可能なモノマーとの多元共重合体、特開昭54−9
8614号公報に記載されているような芳香族性水酸基
を末端に有する単量体(例えばN−(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタクリルアミドなど)、アクリル酸またはメ
タクリル酸および必要に応じてヒドロキシスチレン類や
アミノスルホニルフェニル基を有する(メタ)アクリル
アミド類または(メタ)アクリル酸エステル類等の他の
共重合可能なモノマーとの多元共重合体、特開昭56−
4144号公報に記載されているようなアルキルアクリ
レート、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルお
よび不飽和カルボン酸よりなる多元共重合体を挙げるこ
とが出来る。またこの他、酸性ポリビニルアルコール誘
導体や酸性セルロース誘導体も有用である。またポリビ
ニルアセタールやポリウレタンをアルカリ可溶化した特
公昭54−19773号、特開昭57−94747号、
同60−182437号、同62−58242号、同6
2−123453号の各公報記載の結合剤も有用であ
る。 【0071】上記結合剤の好ましい分子量は0.5〜2
0万であり、さらに好ましくは2〜15万である。上記
結合剤は単独で用いても良いし2種類以上混合してもよ
い。該ネガ型感光層におけるこれらのジアゾ樹脂と結合
剤の含有量は、これら両者の総量を基準にしてジアゾ樹
脂3〜60重量%、結合剤は97〜40重量%が適当で
ある。ジアゾ樹脂の含有量は少ない方が感度は高いが、
3重量%より低下すると結合剤を光硬化させるためには
不十分となり現像時に光硬化膜が現像液によって膨潤し
膜が弱くなる。逆にジアゾ樹脂の含有量が60重量%よ
り多くなると感度が低くなり実用上難点が出てくる。従
って、より好ましい範囲はジアゾ樹脂5〜40重量%で
結合剤95〜60重量%である。 【0072】次に光架橋性のネガ型感光層について説明
する。光架橋性のネガ型感光層は光架橋性組成物からな
る。該光架橋性組成物は、光二量化可能な不飽和結合を
有する光架橋性重合体、増感剤を必須成分として有す
る。該光架橋性組成物に使用される、光二量化可能な不
飽和結合を有する光架橋性重合体としては、マレイミド
基、シンナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン
基、シンナミリデンアセチル基、カルコン基等の官能基
を側鎖又は主鎖に有する感光性重合体が挙げられる。特
に、マレイミド基を側鎖に有する重合体及び分子鎖中に
ケイ皮酸骨格を有するポリエステル樹脂は比較的高い感
度を有している。 【0073】このようなマレイミド基を側鎖に有する光
二量化可能な重合体としては、特開昭52−988号
(対応米国特許第4,079,041号)明細書や、独
国特許2,626,769号明細書、ヨーロッパ特許2
1,019号明細書、ヨーロッパ特許3,552号明細
書やディー・アンゲバンドゥテ・マクロモレクラーレ・
ケミー(Die Angewandte Makromolekulare Chemie) 11
5(1983)の163〜181ページに記載されてい
る下記一般式(III): 【0074】 【化4】 【0075】(式中、R3及びR4はそれぞれ独立して、
最高4個の炭素水素を有するアルキル基を表わすか、又
はR3とR4とが一緒になって5員又は6員の炭素環を形
成してもよい。) 【0076】で表わされるマレイミド基を側鎖に有する
重合体や、特開昭49−128991号、同49−12
8992号、同49−128993号、同50−537
6号、同50−5377号、同50−5379号、同5
0−5378号、同50−5380号、同53−529
8号、同53−5299号、同53−5300号、同5
0−50107号、同51−47940号、同52−1
3907号、同50−45076号、同52−1217
00号、同50−10884号、同50−45087
号、独国特許第2,349,948号、同第2,61
6,276号各明細書に記載されている下記一般式(I
V): 【0077】 【化5】 【0078】(式中、R5は芳香族基を表わし、R6は水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はシアノ基を表わ
す。) 【0079】で表わされるマレイミド基を側鎖に有する
重合体等を挙げることが出来る。これらの重合体の平均
分子量は1000以上、好ましくは1〜10万である。
これらの重合体は1分子当り平均2個以上のマレイミド
基を側鎖に有する。これらのマレイミド基を側鎖に有す
る重合体の中でも、特に酸基を有する重合体が、現像時
アルカリ水を用いることが出来、公害防止の観点から有
利である。酸基を有するマレイミド基含有重合体の酸価
は20〜300の範囲が好ましく、更に好ましくは50
〜200の範囲である。特にこれらの酸価を有する重合
体の中でもディー・アンゲバンドゥテ・マクロモレクラ
ーレ・ケミー(Die Angewandte Makromolekulare Chemi
e) 128(1984)の71〜91ページに記載され
ているようなN−〔2−(メタクリロイルオキシ)エチ
ル〕−2,3−ジメチルマレイミドと、メタクリル酸あ
るいはアクリル酸との共重合体が有用である。この共重
合体の合成に際して第3成分のビニルモノマーを共重合
することによって目的に応じた多元共重合体を容易に合
成することができる。例えば第3成分のビニルモノマー
として、そのホモポリマーのガラス転移点が室温以下の
アルキルメタクリレートやアルキルアクリレートを用い
ることによって共重合体に柔軟性を与えることが出来
る。 【0080】この他、本発明に用いる光二量化可能な不
飽和結合を有する光架橋性重合体としては、下記一般式
(V)または(VI)で表わされる基を少なくとも2個有
する重合体が挙げられる。 【0081】 A−(CH=CH)7−CH=C(X)−CO− (V) B−CO−C(Y)=CH−(CH=CH)n−C64− (VI) (ただし、 A;アリール基、置換アリール基、フリル基又はチエニ
ル基、 B;アルコキシ基、アリール基、置換アリール基又はア
ルキル基、 X;H、CN、ハロゲン原子、フェニル基又はアルキル
基、 Y;H、CN、ハロゲン原子、フェニル基又はアルキル
基、 n;0又は1の整数を表わす)。 【0082】一般式(V)又は(VI)で表わされる基を
側鎖として少なくとも2個有する重合体の具体例は、上
記一般式(V)又は(VI)で表わされる基を含有するア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はビニルエ
ーテル化合物の単独重合体、これらの2種以上の共重合
体、及び必要に応じて他の付加重合体ビニルモノマーと
共重合させた共重合体がある。一般式(V)又は(VI)
で表わされる基を含有するアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル又はビニルエーテル化合物としては英国
特許第949,919号、特公昭45−36755号、
特公昭46−4603号、特開昭47−34794号、
特公昭49−14352号、特公昭49−28122
号、特開昭49−36794号、特開昭49−1039
75号、特公昭50−11283号、特公昭50−24
621号、特公昭51−481号、特公昭55−449
30号、特公昭56−37244号、特公昭56−52
923号、特公昭57−28488号等の明細書中に記
載されているものを挙げることができる。これらのうち
好ましいものは側鎖にケイ皮酸エステル基を含有するポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、又
はポリビニルエーテル化合物などである。これらの感光
性高分子化合物の好適な分子量範囲は2,000〜1,
000,000である。更に好ましくは10,000〜
200,000である。 【0083】この他、主鎖に光二量化可能な不飽和二重
結合を有する架橋性重合体としては、フェニレンジアク
リル酸もしくは、そのアルキルエステルとグリコールの
縮合によって製造された感光性ポリエステルが挙げら
れ、これは高い感光性を有する。 【0084】これらのポリマーを、アルカリ性水溶液に
可溶化する試みも多く、例えば、特開昭60−1912
44号には、側鎖にカルボキシル基を導入した感光性高
分子化合物等からなるアルカリ水現像可能な感光性組成
物が記載されている。この他、米国特許第2,861,
058号明細書には、ポリビニルアルコールの水酸基に
ケイ皮酸クロライドと酸無水物とを反応させて、感光性
と同時にアルカリ水可溶性を付与したものを得る方法、
米国特許第2,835,656号明細書には無水マレイ
ン酸とスチレンとの共重合体に、β−ヒドロキシエチル
ケイ皮酸エステルを反応させる方法、米国特許第3,3
57,831号明細書にはケイ皮酸アクリルエステル系
共重合体にメタアクリル酸を導入する方法、米国特許第
3,702,765号明細書にはフェノキシ樹脂に、p
−フェニレンジアクリル酸モノエチルエステルをエステ
ル化し、後に加水分解する方法、特開昭63−2189
45号明細書には、不飽和二重結合の一部に活性メルカ
プトカルボン酸を付加する方法など種々の方法が記載さ
れている。これらの感光性重合体の含有量は、感光層の
全重量に対して約20〜99重量%、好ましくは50〜
99重量%が適当である。 【0085】光架橋性組成物に用いられる増感剤とし
ては、300nm以上の範囲で実際に充分な光吸収を可能
にするような極大吸収を有する三重項増感剤が好まし
い。このような増感剤としては、ベンゾフェノン誘導
体、ベンズアンスロン誘導体、キノン類、アントラキノ
ン類、芳香族ニトロ化合物、ナフトチアゾリン誘導体、
ベンゾチアゾリン誘導体、キサントン類、ナフトチアゾ
ール誘導体、ケトクマリン化合物、ベンゾチアゾール誘
導体、ナフトフラノン化合物、ベンゾイン化合物、アセ
トフェノン化合物、フルオレノン化合物、ピリリウム
塩、チアピリリウム塩等を挙げることが出来る。具体的
にはミヒラーケトン、N,N′−ジエチルアミノベンゾ
フェノン、ベンズアンスロン、(3−メチル−1,3−
ジアザ−1,9−ベンズ)アンスロンピクラミド、5−
ニトロアセナフテン、2−ニトロフルオレン、2−ジベ
ンゾイルメチレン−3−メチルナフトチアゾリン、3,
3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、2,4,6−トリフェニルチアピリリウムパーク
ロレート、2−(p−クロルベンゾイル)ナフトチアゾ
ール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、9−フルオレノン、2−クロロ−9
−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9,
10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アント
ラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノ
ン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キ
サントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサン
トン、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フ
ェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニ
ル−p−メチルスチリルケトン等が挙げられる。 【0086】更に、チオキサントン誘導体、例えば2−
クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ジメチルチオキサントン等や、ドイツ特許第301
8891号及び同3117568号、並びにヨーロッパ
特許第33720号、英国特許第2075506号公報
に記載されているような置換されたチオキサントン類を
用いるのがよい。 【0087】更に、メロシアニン色素類、例えば、2−
(ヘテロサイクリルカルボニルメチレン)ベンゾ(又は
ナフト)−チアゾリン、2−(ジヘテロサイクリルカル
ボニルメチレン)ベンゾ(又はナフト)チアゾリン、2
−ジベンゾイルメチレンベンゾ(又はナフト)チアゾリ
ン類で、具体的には、特公昭52−129791号に開
示されている2−〔ビス(2−フロイル)メチレン〕−
3−メチルベンゾチアゾリン、2−〔ビス(2−テノイ
ル)メチレン〕−3−メチルベンゾチアゾリン、2−
〔ビス(2−フロイル)メチレン〕−3−メチルナフト
チアゾリン、2−(2−フロイル)メチレン−3−メチ
ルベンゾチアゾリン、2−ベンゾイルメチレン−3−メ
チルベンゾチアゾリン、2−ビス(ベンゾイルメチレ
ン)ベンゾチアゾリン、2−ビス(ベンゾイルメチレ
ン)ナフトチアゾリンや、特公昭45−8832号公報
に開示されている。チオバルビツール酸環を有するチア
ゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾ
セレナゾール系の増感色素、特開平3−54566号、
特開平6−107718号の各明細書に記載されている
増感剤も有用である。該光架橋性組成物は、組成物中に
ジアゾ樹脂を含むことが好ましい。ジアゾ樹脂としては
下記一般式(VII)で示される芳香族ジアゾニウム化合
物が挙げられる。 【0088】 【化6】 【0089】式中、R1は水素原子、アルキル基、アル
コキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシエステル基又は
カルボキシル基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1
〜5個のアルキル基又はヒドロキシル基を示す。R2
水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示し、好まし
くは水素原子を示す。R3は水素原子、アルキル基又は
アルコキシ基を示し、好ましくは水素原子を示す。 【0090】X-はアニオンを示し、好ましくはpKa
が4以下の無機酸又は有機酸のアニオンを示す。具体的
には、ハロゲン化水素酸、例えば弗化水素酸、塩化水素
酸、塩化水素酸−塩化亜鉛コンプレックス、臭化水素
酸、硫酸、硝酸、リン酸(5価のリン)、特にオルトリ
ン酸、無機イソ−及びヘテロ多酸、例えばリンタングス
テン酸、リンモリブデン酸、脂肪族又は芳香族ホスホン
酸あるいはその半エステル、アルソン酸、ホスフィン
酸、トリフルオロ酢酸などのフルオロカルボン酸、アミ
ドスルホン酸、セレン酸、弗硼化水素酸、ヘキサフルオ
ロリン酸、過塩素酸、更に脂肪族及び芳香族スルホン
酸、例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸などのフルオロアルカンスルホン酸、ラウリルス
ルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸、ジシクロヘキシ
ルスルホコハク酸、カンファースルホン酸、トリルオキ
シ−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−3−
プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−4−ブタンス
ルホン酸、ジブチルフェノキシ−3−プロパンスルホン
酸、ジアミルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジ
ノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジブチル
フェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジノニルフェノキ
シ−4−ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−クロロベ
ンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン
酸、スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスル
ホン酸、p−アセチルベンゼンスルホン酸、5−ニトロ
−o−トルエンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホ
ン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベン
ゼンスルホン酸、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスル
ホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブトキシベ
ンゼンスルホン酸、ドデシルオキシベンゼンスルホン
酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベ
ンゼンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン
酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレン
スルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ブトキシ
ナフタレンスルホン酸、ドデシルオキシナフタレンスル
ホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナ
フタレンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレンスル
ホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、1−ナフト
ール−5−スルホン酸、ナフタリン−1−スルホン酸、
ナフタリン−2−スルホン酸、1,8−ジニトロ−ナフ
タリン−3,6−ジスルホン酸、4,4′−ジアジド−
スチルベン−3,3′−ジスルホン酸、1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸及び1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸のアニオ
ン又はこれらのアニオンの混合物が含まれる。Yは−N
H−、−O−、又は−S−を示し、好ましくは−NH−
を示す。 【0091】上記一般式(VII)で示される芳香族ジア
ゾニウム化合物の具体例としては、例えば4−ジアゾジ
フェニルアミン、4′−ヒドロキシ−4−ジアゾジフェ
ニルアミン、4′−メチル−4−ジアゾジフェニルアミ
ン、4′−エチル−4−ジアゾジフェニルアミン、4′
−n−プロピル−4−ジアゾジフェニルアミン、4′−
i−プロピル−4−ジアゾジフェニルアミン、4′−n
−ブチル−4−ジアゾジフェニルアミン、4′−ヒドロ
キシメチル−4−ジアゾジフェニルアミン、4′−β−
ヒドロキシエチル−4−ジアゾジフェニルアミン、4′
−γ−ヒドロキシプロピル−4−ジアゾジフェニルアミ
ン、4′−メトキシメチル−4−ジアゾジフェニルアミ
ン、4′−エトキシメチル−4−ジアゾジフェニルアミ
ン、4′−β−メトキシエチル−4−ジアゾジフェニル
アミン、4′−β−エトキシエチル−4−ジアゾジフェ
ニルアミン、4′−カルボキシ−4−ジアゾジフェニル
アミン、3−メチル−4−ジアゾジフェニルアミン、3
−エチル−4−ジアゾジフェニルアミン、3′−メチル
−4−ジアゾジフェニルアミン、3,3′−ジメチル−
4−ジアゾジフェニルアミン、2′−カルボキシ−4−
ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾジフェニルエーテ
ル、4′−メチル−4−ジアゾジフェニルエーテル、
3,4′−ジメチル−4−ジアゾジフェニルエーテル、
4′−カルボキシ−4−ジアゾジフェニルエーテル、
3,3′−ジメチル−4−ジアゾジフェニルエーテル、
4−ジアゾジフェニルスルフィド、4′−メチル−4−
ジアゾジフェニルスルフィドなどの塩が挙げられる。こ
のうち、特に好ましい芳香族ジアゾニウム化合物は、4
−ジアゾジフェニルアミン塩である。 【0092】この他に、必要により結合剤、可塑剤など
を含有させることができる。結合剤の具体例としては、
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリアク
リル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステ
ル、アクリロニトリル、塩化ビニル、スチレン、ブタジ
エンなどのモノマーの少くとも一種との共重合体、ポリ
アミド、メチルセルロース、ポリビニルホルマール、ポ
リビニルブチラール、メタクリル酸共重合体、アクリル
酸共重合体、イタコン酸共重合体などがある。可塑剤と
しては、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレートな
どフタル酸ジアルキルエステル、オリゴエチレングリコ
ールアルキルエステル、リン酸エステル系の可塑剤など
を使用することができる。 【0093】場合によっては感光層の着色を目的とし
て、染料もしくは顔料や焼出し剤としてpH指示薬、塗
布性を改良するためのフッ素系界面活性剤やセルロース
アルキルエーテル等を添加することもできる。更に、感
光層中には、熱重合防止剤、酸化防止剤を配合してもよ
く、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、
ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−
ブチルカテコール、ベンゾキノン、4、4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4−メチル−t−ブチルフェノー
ル)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用なも
のとして挙げられる。 【0094】該ネガ型感光性層は、前記の各感光性組成
物の成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する
ことによって得られる。前述したように、上記溶媒は、
本発明の中間層に含有される水不溶、且つアルカリ可溶
性の高分子化合物を溶解しないものが選択される。具体
的には、例えばγ−ブチロラクトン、エチレンジクロラ
イド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、
1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−
プロピルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド、水、N−メチルピロ
リドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、アセト
ン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ジエチレングリコールジメチルエー
テル及びこれらの溶媒の混合物から適切に選択して使用
することができる。上記成分の濃度(固形分)は、2〜
50重量%が適当である。塗布量としては0.5g/m2
〜4.0g/m2が好ましい。0.5g/m2よりも少ない
と耐刷性が劣化する。4.0g/m2よりも多いと耐刷性
は向上するが、感度が低下してしまう。 【0095】該ネガ型感光性組成物中には、塗布法を良
化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170
950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性
剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光
性組成物の0.01〜1重量%であり、更に好ましくは
0.05〜0.5重量%である。以上のようにして得ら
れた平版印刷版では原画フィルムに対して忠実な印刷物
を得ることができるが焼ボケ及び印刷物のがさつき感が
悪い。焼ボケを改良する方法としてこのようにして設け
られた感光量の表面を凹凸にする方法がある。例えば特
開昭61−258255号公報に記載されているように
感光液中に数μmの粒子を添加し、それを塗布する方法
があるがこの方法では焼ボケの改良効果も小さくかつが
さつき感は全く改良されない。 【0096】ところが、例えば特開昭50−12580
5号、特公昭57−6582号、同61−28986
号、同62−62337号公報に記載されているような
感光量の表面に凹凸となる成分をつける方法を用いると
焼ボケは改良され、更に印刷物のがさつき感は良化す
る。更に、特公昭55−30619号公報に記載されて
いるように感光物の感光波長領域に吸収を持つ光吸収剤
をマット層中に含有させると焼ボケ・がさつき感がさら
に良化する。また1インチ175線の線数からなる原画
フィルムよりも焼ボケしやすく、印刷物のがさつき感が
出やすい1インチ300線以上の線数からなる原画フィ
ルムおよびFMスクリーニングにより得られた原画フィ
ルムを用いても良好な印刷物を得ることができる。以上
のように平版印刷版用原版の感光層表面に設けられた微
少パターンは次のようなものが望ましい。すなわち塗布
部分の高さは1〜40μm、特に2〜20μmの範囲が
好ましく、大きさ(幅)は10〜10000μm、特に
20〜200μmの範囲が好ましい。また量は1〜10
00個/mm2、好ましくは5〜500個/mm2の範囲であ
る。 【0097】〔現像処理〕次に、本発明の感光性平版印
刷版の現像処理について説明する。 (露光)本発明の感光性平版印刷版は像露光された後に
現像処理される。像露光に用いられる活性光線の光源と
してはカーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ、タングステンランプ、ケミカルラ
ンプなどがある。放射線としては、電子線、X線、イオ
ンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、D
eep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービ
ーム)も使用される。レーザービームとしてはヘリウム
・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレー
ザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエキシマ
ーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザーなどが挙
げられる。 【0098】(現像液)本発明の感光性平版印刷版の現
像液として好ましいものは、実質的に有機溶剤を含まな
いアルカリ性の水溶液である。具体的には珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム、NaOH、KOH、LiOH、第3
リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、第3リン酸
アンモニウム、第2リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、アンモニア水などのような水溶液が適当である。
更に好ましくは(a)非還元糖から選ばれる少なくとも
一種の糖類および(b)少なくとも一種の塩基を含有
し、pHが10.0〜13.5の範囲にある現像液であ
る。 【0099】以下この現像液について詳しく説明する。
なお、本明細書中において、特にことわりのない限り、
現像液とは現像開始液(狭義の現像液)と現像補充液と
を意味する。 (非還元糖及び塩基)この現像液は、その主成分が、非
還元糖から選ばれる少なくとも一つの化合物と、少なく
とも一種の塩基からなり、液のpHが10.0〜13.
5の範囲であることを特徴とする。 【0100】かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基
やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還
元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元
基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して
還元した糖アルコールに分類され、何れも好適に用いら
れる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレ
ハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フ
ェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。ま
た糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リビッ
ト、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニ
ット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシッ
トおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二糖類
の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖の水
素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いら
れる。これらの中で特に好ましい非還元糖は糖アルコー
ルとサッカロースであり、特にD−ソルビット、サッカ
ロース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用がある
ことと、低価格であることで好ましい。 【0101】これらの非還元糖は、単独もしくは二種以
上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める
割合は0.1〜30重量%が好ましく、更に好ましく
は、1〜20重量%である。この範囲以下では十分な緩
衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃
縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。尚、還
元糖を塩基と組み合わせて使用した場合、経時的に褐色
に変色し、pHも徐々に下がり、よって現像性が低下す
るという問題点がある。 【0102】非還元糖に組み合わせる塩基としては従来
より知られているアルカリ剤が使用できる。例えば、水
酸化ナトリウム、同カリウム、同リチウム、リン酸三ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、リン酸二ナト
リウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙
げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。 【0103】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいの
は水酸化ナトリウム、同カリウムである。その理由は、
非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広い
pH領域でpH調整が可能となるためである。また、リ
ン酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カ
リウムなどもそれ自体に緩衝作用があるので好ましい。
これらのアルカリ剤は現像液のpHを10.0〜13.
5の範囲になるように添加され、その添加量は所望のp
H、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、よ
り好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。 【0104】現像液には更に、糖類以外の弱酸と強塩基
からなるアルカリ性緩衝液が併用できる。かかる緩衝液
として用いられる弱酸としては、pKaが10.0〜1
3.2のものが好ましい。このような弱酸としては、Pe
rgamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANI
C ACIDS IN AQUEOUS SOLUTION などに記載されているも
のから選ばれ、例えば2,2,3,3−テトラフルオロ
プロパノール−1(pKa12.74)、トリフルオロ
エタノール(同12.37)、トリクロロエタノール
(同12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−
アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒ
ド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸
(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同
12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸
(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、
3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,
4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,
4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイド
ロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.3
4)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルシノー
ル(同11.27)、p−クレゾール(同10.2
7)、m−クレゾール(同10.09)などのフェノー
ル性水酸基を有する化合物、 【0105】2−ブタノンオキシム(同12.45)、
アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタ
ンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベ
ンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグ
リオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム
(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.
35)などのオキシム類、アデノシン(同12.5
6)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.
3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同1
2.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物
質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.
32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香
酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸
(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸
(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1
−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール
(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、
ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸
(同12.5)などの弱酸が挙げられる。 【0106】これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホ
サリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合
わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わ
せて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組
み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用さ
れる。 【0107】(界面活性剤)現像液には、現像性の促進
や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高
める目的で必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添
加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、
カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げら
れる。 【0108】界面活性剤の好ましい例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部
分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシ
エチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、
N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非
イオン性界面活性剤、 【0109】脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキ
シアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、
ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキ
ルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩
類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテ
ル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム
塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム
塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキ
ルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エス
テル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類な
どのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラ
ブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチ
レンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カ
ルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタ
イン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの
両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の
中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチ
レン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなど
のポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それ
らの界面活性剤もまた包含される。 【0110】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができ、現像液中に0.001〜10重量
%、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加さ
れる。 【0111】(現像安定化剤)現像液には、種々の現像
安定化剤が用いられる。それらの好ましい例として、特
開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリ
エチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウム塩、テ
トラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム
塩およびジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨー
ドニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特
開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤
または両性界面活性剤、また特開昭55−95946号
公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−
142528号公報に記載されている水溶性の両性高分
子電解質がある。 【0112】更に、特開昭59−84241号公報のア
ルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特
開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面
活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレン
ジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載
の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコー
ル、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を
有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公
報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシ
ドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合
物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。 【0113】(有機溶剤)本発明の現像液は実質的に有
機溶剤を含まないものであるが、必要により有機溶剤が
加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解
度が約10重量%以下のものが適しており、好ましくは
5重量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェニ
ルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル
−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、
4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブ
タノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオ
キシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m
−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジル
アルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノー
ル、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロ
ヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノール、N
−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニルジエタ
ノールアミンなどを挙げることができる。本発明の現像
液において実質的に有機溶剤を含まないとは、有機溶剤
の含有量が使用液の総重量に対して5重量%以下である
ことをいう。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な
関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の
量は増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量
が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全
に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できな
くなるからである。 【0114】(還元剤)現像液には更に還元剤を加える
ことができる。これは印刷版の汚れを防止するものであ
り、特に感光性ジアゾニウム塩化合物を含むネガ型感光
性平版印刷版を現像する際に有効である。好ましい有機
還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メ
トール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾ
ルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、
フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。
更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水
素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、
チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることがで
きる。これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れて
いるのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現
像液に対して好ましくは、0.05〜5重量%の範囲で
含有される。 【0115】(有機カルボン酸)現像液には更に有機カ
ルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン
酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香
族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例と
しては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン
酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアル
カン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和
脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。 【0116】芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置
換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、
p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安
息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒ
ドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、
2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ
安息香酸、沈食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ
−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸な
どがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。 【0117】上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶
性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアン
モニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる
現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はない
が、0.1重量%より低いと効果が十分でなく、また1
0重量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばか
りか、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがあ
る。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して
0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜4
重量%である。 【0118】(その他)現像液には、更に必要に応じ
て、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤
などを含有させることもできる。硬水軟化剤としては例
えば、ポリ燐酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩お
よびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジ
エチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミ
ンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ
酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキ
サンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノ
ールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれ
らのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、
アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミン
テトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン
ペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミ
ンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエ
チレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−
ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナ
トリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げる
ことができる。 【0119】このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜
0.5重量%の範囲である。この範囲より少ない添加量
では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲
より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでて
くる。現像液の残余の成分は水である。現像液は、使用
時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使
用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利で
ある。この場合の濃縮度は、各成分が分離や析出を起こ
さない程度が適当である。 【0120】本発明の感光性平版印刷版の現像液として
はまた、特開平6−282079号公報記載の現像液も
使用できる。これは、SiO2/M2O(Mはアルカリ金
属を示す)のモノ比が0.5〜2.0の珪酸アルカリ金
属塩と、水酸基を4以上有する糖アルコールに5モル以
上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレ
ンオキシド付加化合物を含有する現像液である。糖アル
コールは糖のアルデヒド基およびケトン基を還元してそ
れぞれ第一、第二アルコール基としたものに相当する多
価アルコールである。糖アルコールの具体的な例として
は、D,L−トレイット、エリトリット、D,L−アラ
ビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、
D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリ
ット、ズルシット、アロズルシットなどであり、更に糖
アルコールを縮合したジ、トリ、テトラ、ペンタおよび
ヘキサグリセリンなども挙げられる。上記水溶性エチレ
ンオキシド付加化合物は上記糖アルコール1モルに対し
5モル以上のエチレンオキシドを付加することにより得
られる。さらにエチレンオキシド付加化合物には必要に
応じてプロピレンオキシドを溶解性が許容できる範囲で
ブロック共重合させてもよい。これらのエチレンオキシ
ド付加化合物は単独もしくは二種以上を組み合わせて用
いてもよい。これらの水溶性エチレンオキシド付加化合
物の添加量は現像液(使用液)に対して0.001〜5
重量%が適しており、より好ましくは0.001〜2重
量%である。 【0121】この現像液にはさらに、現像性の促進や現
像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める
目的で必要に応じて、前述の種々の界面活性剤や有機溶
剤を添加できる。 (現像および後処理)かかる組成の現像液で現像処理さ
れたPS版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス
液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニ
ッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明のP
S版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用い
ることができる。 【0122】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用
いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処
理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽お
よびスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に
搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレー
ノズルから吹き付けて現像および後処理するものであ
る。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中
ガイドロールなどによってPS版を浸漬搬送させて現像
処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に
供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水として
再利用する方法も知られている。このような自動処理に
おいては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれ
ぞれの補充液を補充しながら処理することができる。ま
た、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨
て処理方式も適用できる。このような処理によって得ら
れた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚
の印刷に用いられる。 【0123】次にフォトポリマー(光重合型)感光層に
ついて説明する。光重合型感光層は光重合型感光性組成
物からなるものである。該感光層を構成する光重合型感
光性組成物は、付加重合可能なエチレン性不飽和化合
物、光重合開始剤、高分子結合剤を必須成分とし、必要
に応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合
物を併用することができる。エチレン性不飽和化合物と
は、光重合型感光性組成物が活性光線の照射を受けた
時、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋、硬化
するようなエチレン性不飽和結合を有する化合物であ
る。付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合物
は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ま
しくは2個以上有する化合物の中から任意に選択するこ
とができる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち
2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合
物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつも
のである。 【0124】モノマーおよびその共重合体の例として
は、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステ
ル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのア
ミド等が挙げられる。脂肪族多価アルコール化合物と不
飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例として
は、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピ
ル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロ
ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトール
テトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレー
ト、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロ
イルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルア
クリレートオリゴマー等がある。 【0125】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレ
ート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。 【0126】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリ
エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトール
ジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さ
らに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることが
できる。 【0127】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、
下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニル
モノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。 【0128】 CH2=C(R5)COOCH2CH(R6)OH (A) (ただし、R5およびR6はHあるいはCH3を示す。) 【0129】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号に記載されているようなウレタンアク
リレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−
43191号、特公昭52−30490号各公報に記載
されているようなポリエステルアクリレート類、エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアク
リレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート
を挙げることができる。さらに日本接着協会誌Vol.2
0、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光
硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されている
ものも使用することができる。なお、これらエチレン性
不飽和化合物の使用量は、感光層全成分の5〜80重量
%、好ましくは30〜70重量%の範囲で使用される。 【0130】また該光重合型感光層に含有させる光重合
開始剤としては、使用する光源の波長により、特許、文
献等で公知である種々の光重合開始剤、あるいは2種以
上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択
して用いることができる。以下に具体例を列挙するがこ
れらに制限されるものではない。 【0131】400nm以上の可視光線、Arレーザ
ー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレー
ザーを光源とする場合にも、種々の光重合開始系が提案
されており、例えば、米国特許第2,850,445号
に記載のある種の光還元性染料、例えばローズベンガ
ル、エオシン、エリスロシンなど、あるいは、染料と開
始剤との組み合わせによる系、例えば、染料とアミンの
複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリ
ールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系
(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミ
ダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの
系(特公昭47−2528号、特開昭54−15529
2号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系
(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロ
シアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3
−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−11268
1号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、
スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−1402
03号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−15
04号、特開昭59−140203号、特開昭59−1
89340号、特開昭62−174203号、特公昭6
2−1641号、米国特許第4766055号)、染料
と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−258903
号、特開平2−63054号など)染料とボレート化合
物の系(特開昭62−143044号、特開昭62−1
50242号、特開昭64−13140号、特開昭64
−13141号、特開昭64−13142号、特開昭6
4−13143号、特開昭64−13144号、特開昭
64−17048号、特開平1−229003号、特開
平1−298348号、特開平1−138204号な
ど)ローダニン環を有する色素とラジカル発生剤の系
(特開平2−179643号、特開平2−244050
号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭
63−221110号)、チタノセンとキサンテン色素
さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能
なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4
−221958号、特開平4−219756号)、チタ
ノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−29
5061号)、チタノセンとベンゾピラン環を有する色
素の系(特開平8−334897号)等を挙げることが
できる。 【0132】また、最近400〜410nmの波長のレ
ーザー(バイオレットレーザー)が開発され、それに感
応する450nm以下の波長に高感度を示す光重合開始
系が開発されており、これらの光重合開始系も使用され
る。例えば、カチオン色素/ボレート系(特開平11−
84647)、メロシアニン色素/チタノセン系(特開
2000−147763)、カルバゾール型色素/チタ
ノセン系(特願平11−221480)等を挙げること
ができる。 【0133】本発明においては特にチタノセン化合物を
用いた系が、感度の点で優れており好ましい。チタノセ
ン化合物としては、種々のものを用いることができる
が、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61
−151197号各公報に記載されている各種チタノセ
ン化合物から適宜選んで用いることができる。さらに具
体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロ
ライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェ
ニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,
3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ
−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6
−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタ
ジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス
−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフ
ェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−T
i−ビス−2,3,4,5,6−テトラフルオロフェニ
−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−
ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シク
ロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−
3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等を挙げる
ことができる。 【0134】更に上記光重合開始剤に必要に応じ、2−
メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイ
ミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のチ
オール化合物、N−フェニルグリシン、N,N−ジアル
キルアミノ芳香族アルキルエステル等のアミン化合物等
の水素供与性化合物を加えることにより更に光開始能力
が高められることが知られている。これらの光重合開始
剤(系)の使用量はエチレン性不飽和化合物100重量
部に対し、0.05〜100重量部、好ましくは0.1
〜70重量部、更に好ましくは0.2〜50重量部の範
囲で用いられる。 【0135】該光重合型感光層に用いられる高分子結合
剤としては、該組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、
アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水
に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が使用さ
れる。該有機高分子重合体は、例えば、水可溶性有機高
分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様な有
機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する
付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭
54−34327号、特公昭58−12577号、特公
昭54−25957号、特開昭54−92723号、特
開昭59−53836号、特開昭59−71048号に
記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合
体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロト
ン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マ
レイン酸共重合体等がある。 【0136】また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸
性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付
加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用で
ある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレー
ト/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重
合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)ア
クリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の
付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。こ
の他に水溶性有機高分子として、ポリビニルピロリドン
やポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮
膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン
とエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
また特公平7−120040号、特公平7−12004
1号、特公平7−120042号、特公平8−1242
4号、特開昭63−287944号、特開昭63−28
7947号、特開平1−271741号、特開平11−
352691号に記載のポリウレタン樹脂も本発明の用
途には有用である。 【0137】これら高分子重合体は側鎖にラジカル反応
性基を導入することにより硬化皮膜の強度を向上させる
ことができる。付加重合反応し得る官能基としてエチレ
ン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照
射によりラジカルになり得る官能基としてはメルカプト
基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オニ
ウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イミ
ド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基と
しては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリ
ル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、又
アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カル
バモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイレ
ン基、スルフォン酸基、アンモニオ基から選ばれる官能
基も有用である。 【0138】組成物の現像性を維持するためには、本発
明の高分子結合剤は適当な分子量、酸価を有することが
好ましく、重量平均分子量で5000〜30万、酸価2
0〜200の高分子重合体が有効に使用される。これら
の有機高分子重合体は全組成中に任意な量を混和させる
ことができる。しかし90重量%を超える場合には形成
される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ま
しくは10〜90%、より好ましくは30〜80%であ
る。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と有機高
分子重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするの
が好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であ
り、更に好ましくは3/7〜7/3である。 【0139】また、該光重合型感光層においては、以上
の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中
において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱
重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加するこ
とが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキ
ノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−
クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベ
ンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフ
ェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げ
られる。熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重量に対
して約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じ
て、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベ
ヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、
塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよ
い。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5
%〜約10%が好ましい。 【0140】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue 1
5:3、15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カー
ボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレ
ット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキ
ノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の
添加量は全組成物の約0.5%〜約20%が好ましい。
加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤
やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリク
レジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよ
い。これらの添加量は全組成物の10%以下が好まし
い。 【0141】該光重合型感光層組成物を後述の支持体上
に塗布する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供さ
れる。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレン
ジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセト
ン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレン
グリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノー
ル、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート−3−メトキシ
プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチ
ル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独ある
いは混合して使用することができる。そして、塗布溶液
中の固形分の濃度は1〜50重量%が適当である。 【0142】該光重合型感光層における光重合性組成物
には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加する
ことができる。その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g
/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好まし
くは0.3〜5g/m2である。更に好ましくは0.5
〜3g/m2である。 【0143】また、通常、前記感光層の上には、酸素の
重合禁止作用を防止するために酸素遮断性の保護層が設
けられる。酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重
合体としては、ポリビニルアルコール、およびその部分
エステル、エーテル、およびアセタール、またはそれら
に必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビ
ニルアルコール単位を含有するその共重合体が挙げられ
る。ポリビニルアルコールとしては、71〜100%加
水分解され、重合度が300〜2400の範囲のものが
挙げられる。具体的には株式会社クラレ製PVA−10
5、PVA−110、PVA−117、PVA−117
H、PVA−120、PVA−124、PVA−124
H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、P
VA−203、PVA−204、PVA−205、PV
A−210、PVA−217、PVA−220、PVA
−224、PVA−217EE、PVA−220、PV
A−224、PVA−217EE、PVA−217E、
PVA−220E、PVA−224E、PVA−40
5、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げ
られる。上記の共重合体としては、88〜100%加水
分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまた
はプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビ
ニルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。
その他有用な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼ
ラチンおよびアラビアゴムがあげられ、これらは単独ま
たは、併用して用いても良い。 【0144】該酸素遮断性保護層を塗布する際用いる溶
媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノー
ルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン
などのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布溶
液中の固形分の濃度は1〜20重量%が適当である。上
記酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるため
の界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の可
塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑剤
としてはたとえばプロピオンアミド、シクロヘキサンジ
オール、グリセリン、ソルビトール等がある。また、水
溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加しても良
い。その被服量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約
15g/m2の範囲が適当である。より好ましくは1.
0g/m2〜約5.0g/m2である。 【0145】該光重合型感光層を、例えば、カーボンア
ーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライド
ランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンラ
ンプ、ヘリウムカドミニウムレーザー、アルゴンイオン
レーザー、FD・YAGレーザー、ヘリウムネオンレー
ザー、半導体レーザー(350nm〜600nm)等の
従来公知の活性光線で画像露光した後、現像処理するこ
とにより、アルミニウム板支持体表面に画像を形成する
ことができる。画像露光後、現像までの間に、光重合型
感光層の硬化率を高める目的で50℃〜150℃の温度
で1秒、5分の時間の加熱プロセスを設けることを行っ
ても良い。また、該光重合型感光層の上には、前述した
ように、通常、酸素遮断性を有するオーバーコート層が
設けてあり、本発明の現像液を用いて、オーバーコート
層の除去と感光層未露光部の除去を同時に行う方法、ま
たは、水、温水でオーバーコート層を先に除外し、その
後未露光部の感光層を現像で除去する方法が知られてい
る。これらの水または温水には特開平10−10754
号に記載の防腐剤等、特開平8−278636号記載の
有機溶剤等を含有させることができる。 【0146】該光重合型感光層を有する平版印刷版用原
版の現像液による現像は、常法に従って、0〜60℃、
好ましくは15〜40℃程度の温度で、例えば、露光処
理した平版印刷版用原版を現像液に浸漬してブラシで擦
る等により行う。さらに自動現像機を用いて現像処理を
行う場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、
補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させ
ても良い。このようにして現像処理された平版印刷版用
原版は特開昭54−8002号、同55−115045
号、同59−58431号等の各公報に記載されている
ように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、ア
ラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理さ
れる。該光重合型感光層を有する平版印刷版用原版の後
処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることが
できる。上記の様な処理により得られた印刷版は特開2
000−89478号に記載の方法による後露光処理や
バーニングなどの加熱処理により、耐刷性を向上させる
ことができる。このような処理によって得られた平版印
刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用
いられる。 【0147】次に、サーマルポジ型感光層について説明
する。ポジ型感光層を用いる際には、支持体上に中間層
を設け、その上に当該ポジ型感光層を設ける。 〔中間層〕以下、ポジ型感光層と支持体の間に設ける中
間層について説明する。 【0148】当該中間層には、少なくとも酸基を有する
モノマー及び少なくともオニウム基を有するモノマーを
重合してなる重合体化合物が含まれる。ここで、酸基と
して好ましいものは酸解離指数(pKa)が7以下の酸
基が好ましく、より好ましくは−COOH、−SO
3H、−OSO3H、−PO32、−OPO32、−CO
NHSO2、−SO2NHSO2−であり、特に好ましく
は−COOHである。また、オニウム基として好ましい
ものは、周期律表第V族あるいは第IV族の原子からな
るオニウム基であり、より好ましくは窒素原子、リン原
子あるいはイオウ原子からなるオニウム基であり、特に
好ましくは窒素原子からなるオニウム基である。 【0149】該重合体の中で、好ましくは、この重合体
の主鎖構造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂やポリスチ
レンのようなビニル系ポリマーあるいはウレタン樹脂あ
るいはポリエステルあるいはポリアミドであることを特
徴とする重合体化合物である。より好ましくは、この重
合体の主鎖構造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂やポリ
スチレンのようなビニル系ポリマーであることを特徴と
する重合体化合物である。特に好ましくは、酸基を有す
るモノマーが下記の一般式(1)あるいは一般式(2)
で表される化合物であり、オニウム基を有するモノマー
が下記の一般式(3)、一般式(4)あるいは一般式
(5)で表されることを特徴とする重合体化合物であ
る。 【0150】 【化7】 【0151】式中、Aは2価の連結基を表す。Bは芳香
族基あるいは置換芳香族基を表す。D及びEはそれぞれ
独立して2価の連結基を表す。Gは3価の連結基を表
す。X及びX′はそれぞれ独立してpKaが7以下の酸
基あるいはそのアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩
を表す。R1は水素原子、アルキル基またはハロゲン原
子を表す。a,b,d,eはそれぞれ独立して0または
1を表す。tは1〜3の整数である。 【0152】酸基を有するモノマーの中でより好ましく
は、Aは−COO−または−CONH−を表し、Bはフ
ェニレン基あるいは置換フェニレン基を表し、その置換
基は水酸基、ハロゲン原子あるいはアルキル基である。
D及びEはそれぞれ独立してアルキレン基あるいは分子
式がCn2nO、Cn2nSあるいはCn2n+1Nで表さ
れる2価の連結基を表す。Gは分子式がCn2n-1、Cn
2n-1O、Cn2n-1SあるいはCn2nNで表される3
価の連結基を表す。但し、ここで、nは1〜12の整数
を表す。X及びX′はそれぞれ独立してカルボン酸、ス
ルホン酸、ホスホン酸、硫酸モノエステルあるいは燐酸
モノエステルを表す。R1は水素原子またはアルキル基
を表す。a,b,d,eはそれぞれ独立して0または1
を表すが、aとbは同時に0ではない。 【0153】酸基を有するモノマーの中で特に好ましく
は一般式(1)で示す化合物であり、Bはフェニレン基
あるいは置換フェニレン基を表し、その置換基は水酸基
であるいは炭素数1〜3のアルキル基である。D及びE
はそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキレン基あるい
は酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表
す。R1は水素原子またはアルキル基を表す。Xはカル
ボン酸基を表す。aは0であり、bは1である。 【0154】酸基を有する構成成分の具体例を以下に示
す。ただし、本発明はこの具体例に限定されるものでは
ない。 (酸基を有する構成成分の具体例)アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸 【0155】 【化8】【0156】 【化9】 【0157】 【化10】【0158】次に、オニウム基を有するモノマーであ
る、一般式(3)、(4)、(5)で表わされるポリマ
ーについて説明する。 【0159】 【化11】 【0160】式中、Jは2価の連結基を表す。Kは芳香
族基あるいは置換芳香族基を表す。Mはそれぞれ独立し
て2価の連結基を表す。Y1は周期率表第V族の原子を
表し、Y2は周期率表第VI族の原子を表す。Z-は対アニ
オンを表す。R2は水素原子、アルキル基またはハロゲ
ン原子を表す。R3,R4,R5,R7はそれぞれ独立して
水素原子あるいは場合によっては置換基が結合してもよ
いアルキル基、芳香族基、アラルキル基を表し、R6
アルキリジン基あるいは置換アルキリジンを表すが、R
3とR4あるいはR6とR7はそれぞれ結合して環を形成し
てもよい。j,k,mはそれぞれ独立して0または1を
表す。uは1〜3の整数を表す。 【0161】オニウム基を有するモノマーの中でより好
ましくは、Jは−COO−または−CONH−を表し、
Kはフェニレン基あるいは置換フェニレン基を表し、そ
の置換基は水酸基、ハロゲン原子あるいはアルキル基で
ある。Mはアルキレン基あるいは分子式がCn2nO、
n2nSあるいはCn2n+1Nで表される2価の連結基
を表す。但し、ここで、nは1〜12の整数を表す。Y
1は窒素原子またはリン原子を表し、Y2はイオウ原子を
表す。Z-はハロゲンイオン、PF6 -、BF4 -あるいは
8SO3 -を表す。R2は水素原子またはアルキル基を表
す。R3,R4,R5,R7はそれぞれ独立して水素原子あ
るいは場合によっては置換基が結合してもよい炭素数1
〜10のアルキル基、芳香族基、アラルキル基を表し、
6は炭素数1〜10のアルキリジン基あるいは置換ア
ルキリジンを表すが、R3とR4あるいはR6とR7はそれ
ぞれ結合して環を形成してもよい。j,k,mはそれぞ
れ独立して0または1を表すが、jとkは同時に0では
ない。R8は置換基が結合してもよい炭素数1〜10の
アルキル基、芳香族基、アラルキル基を表す。 【0162】オニウム基を有するモノマーの中で特に好
ましくは、Kはフェニレン基あるいは置換フェニレン基
を表し、その置換基は水素原子あるいは炭素数1〜3の
アルキル基である。Mは炭素数1〜2のアルキレン基あ
るいは酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基
を表す。Z-は塩素イオンあるいはR8SO3 -を表す。R
2は水素原子あるいはメチル基を表す。jは0であり、
kは1である。R8は炭素数1〜3のアルキル基を表
す。 【0163】オニウム基を有するモノマーの具体例を以
下に示す。ただし、本発明はこの具体例に限定されるも
のではない。 (オニウム基を有する構成成分の具体例) 【0164】 【化12】 【0165】 【化13】【0166】 【化14】 【0167】また、酸基を有するモノマーは1種類ある
いは2種類以上組み合わせて用いても良く、また、オニ
ウム基を有するモノマーも1種類あるいは2種類以上組
み合わせて用いても良い。更に、当該発明に係る重合体
は、モノマーあるいは組成比あるいは分子量の異なるも
のを2種類以上混合して用いてもよい。この際、酸基を
有するモノマーを重合成分として有する重合体は、酸基
を有するモノマーを1モル%以上、好ましくは5モル%
以上含み、オニウム基を有するモノマーを重合成分とし
て有する重合体は、オニウム基を有する単量体を1モル
%以上、好ましくは5モル%以上含むことが望ましい。 【0168】更に、これらの重合体は、以下の(1)〜
(14)に示す重合性モノマーから選ばれる少なくとも
1種を共重合成分として含んでいてもよい。 (1)N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド
またはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチレン、o−ま
たはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレン、o−または
m−クロル−p−ヒドロキシスチレン、o−、m−また
はp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリ
レート等の芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メ
タクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類およびビドロキシスチレン類、(2)アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸お
よびそのハーフエステル、イタコン酸、無水イタコン酸
およびそのハーフエステルなどの不飽和カルボン酸、 【0169】(3)N−(o−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェ
ニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスル
ホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノ
スルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミ
ド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリ
ルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタ
クリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニ
ル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノス
ルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルア
ミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレ
ート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p
−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−
アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなど
のアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−ア
ミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノス
ルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノス
ルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタ
クリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、 【0170】(4)トシルアクリルアミドのように置換
基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、
およびトシルメタクリルアミドのような置換基があって
もよいフェニルスルホニルメタクリルアミド。(5)脂
肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタク
リル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアク
リレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒ
ドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸
エステル、 【0171】(7)メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−
2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチ
ル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステ
ル、(8)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリ
ルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシル
メタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミ
ド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロ
キシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアク
リルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニ
ルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N
−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアク
リルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N
−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチ
ル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミ
ドもしくはメタクリルアミド、 【0172】(9)エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなど
のビニルエーテル類、(10)ビニルアセテート、ビニ
ルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、(11)スチレン、α−メ
チルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン
などのスチレン類、(12)メチルビニルケトン、エチ
ルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニ
ルケトンなどのビニルケトン類、(13)エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなど
のオレフィン類、(14)N−ビニルピロリドン、N−
ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなど。 【0173】なお、ここで使用する重合体には酸基を有
するモノマーを1%以上、好ましくは5%以上含み、オ
ニウム基を有するモノマーを1モル%以上、好ましくは
5モル%以上含むことが望ましい。さらに、酸基を有す
るモノマーが20%以上含まれると、アルカリ現像時の
溶解除去が一層促進され、オニウム基を有するモノマー
が1モル%以上含まれると酸基との相乗効果により密着
性が一層向上される。また、酸基を有するモノマーは1
種類あるいは2種類以上組み合わせても良く、また、オ
ニウム基を有するモノマーも1種類あるいは2種類以上
組み合わせても良い。更に、当該発明に係る重合体は、
モノマーあるいは組成比あるいは分子量の異なるものを
2種類以上混合して用いてもよい。 【0174】次に、当該発明に用いられる重合体の代表
的な例を以下に示す。なお、ポリマー構造の組成比はモ
ル百分率を表す。 【0175】 【化15】【0176】 【化16】【0177】 【化17】【0178】 【化18】【0179】 【化19】【0180】 【化20】【0181】 【化21】【0182】 【化22】【0183】本発明に係る重合体は、一般には、ラジカ
ル連鎖重合法を用いて製造することができる(“Textbo
ok of Polymer Science" 3rd ed,(1984)F.W.Billmeyer,
A Wiley-Interscience Publication参照)。本発明に係
る重合体の分子量は広範囲であってもよいが、光散乱法
を用いて測定したとき、重量平均分子量(Mw)が50
0〜2,000,000であることが好ましく、1,0
00〜600,000の範囲であることがさらに好まし
い。また、NMR測定における末端基と側鎖官能基の積
分強度比より算出される数平均分子量(Mn )が、30
0〜500,000であることが好ましく、500〜1
00,000の範囲にであることがさらに好ましい。 【0184】分子量が上記の範囲よりも小さいと、基板
との密着力が弱くなり、耐刷性の劣化が生じる。一方、
分子量が上記の範囲を超えて高くなると、基板への密着
力が強くなりすぎ、非画像部の感光層残渣を十分に除去
することができなくなる。また、この重合体中に含まれ
る未反応モノマー量は広範囲であってもよいが、20重
量%以下であることが好ましく、また10重量%以下で
あることが更に好ましい。 【0185】上記範囲の分子量を有する重合体は対応す
る単量体を共重合する際に、重合開始剤および連鎖移動
剤を併用し、添加量を調整することにより得ることがで
きる。なお、連鎖移動剤とは、重合反応において連鎖移
動反応により、反応の活性点を移動させる物質のことを
示し、その移動反応の起こり易さは、連鎖移動定数Cs
で表される。本発明で用いられる連鎖移動剤の連鎖移動
定数Cs×104(60℃)は、0.01以上であるこ
とが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、
1以上であることが特に好ましい。重合開始剤として
は、ラジカル重合の際に一般によく用いられる過酸化
物、アゾ化合物、レドックス開始剤をそのまま利用する
ことができる。これらの中でアゾ化合物が特に好まし
い。 【0186】 連鎖移動剤の具体例としては、四塩化炭
素、四臭化炭素等のハロゲン化合物、イソプロピルアル
コール、イソブチルアルコール等のアルコール類、2−
メチル−1−ブテン、2、4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン等のオレフィン類、エタンチオール、ブ
タンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノー
ル、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸
メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプ
ロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、
sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジ
スルフィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオク
レゾール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプ
タン等の含イオウ化合物等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。 【0187】より好ましくは、エタンチオール、ブタン
チオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、
メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチ
ル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピ
オン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、se
c−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスル
フィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオクレゾ
ール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプタン
であり、特に好ましくは、エタンチオール、ブタンチオ
ール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メル
カプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、
メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン
酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−
ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィ
ドである。また、この重合体に含まれる未反応モノマー
量は広範囲であってもよいが,20wt%以下であるこ
とが好ましく、また10wt%以下であることが更に好
ましい。 【0188】次に、本発明に係る重合体の合成例を示
す。 〔合成例1〕重合体(No.1)の合成 p−ビニル安息香酸[北興化学工業(株)製]50.4
g、トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムク
ロリド15.2g、メルカプトエタノール1.9gおよ
びメタノール153.1gを2リットルの3口フラスコ
に取り、窒素気流下攪拌しながら、加熱し60℃に保っ
た。この溶液に2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメチ
ル2.8gを加え、そのまま30分間攪拌を続けた。そ
の後、この反応液に、p−ビニル安息香酸201.5
g、トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムク
ロリド60.9g、メルカプトエタノール7.5gおよ
び2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル11.1g
をメタノール612.3gに溶解させた溶液を2時間か
けて滴下した。滴下終了後、温度を65℃に上げ、窒素
気流下10時間攪拌を続けた。反応終了後、室温まで放
冷すると、この反応液の収量は1132gであり、その
固形分濃度は30.5wt%であった。更に、得られた
生成物の数平均分子量(Mn)を13C−NMRスペクト
ルより求めた結果、その値は2100であった。 【0189】〔合成例2〕重合体(No.2)の合成 トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムクロリ
ドの代わりに、トリエチル(ビニルベンジル)アンモニ
ウムクロリドのm/p体(2/1)混合物を、更に、メ
ルカプトエタノールの代わりにメルカプトプロピオン酸
エチルを用いること以外は合成例1と同様の操作を行
い、数平均分子量(Mn)4,800の重合体を得た。 【0190】〔合成例3〕重合体(No.25)の合成 p−ビニル安息香酸[北興化学工業(株)製]146.
9g(0.99mol)、ビニルベンジルトリメチルア
ンモニウムクロリド44.2g(0.21mol)およ
び2−メトキシエタノール446gを1リットルの3口
フラスコに取り、窒素気流下攪拌しながら、加熱し75
℃に保った。次に2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメ
チル2.76g(12mmol)を加え、攪拌を続け
た。2時間後、2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメチ
ル2.76g(12mmol)を追加した。更に、2時
間後、2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.7
6g(12mmol)を追加した。2時間攪拌した後、
室温まで放冷した。この反応液を攪拌下12リットルの
酢酸エチル中に注いだ。析出する固体を濾取し、乾燥し
た。その収量は189.5gであった。得られた個体は
光散乱法で分子量測定を行った結果、重量平均分子量
(Mw)は3.2万であった。本発明に係る他の重合体
も同様の方法で合成される。 【0191】また、中間層には、前記重合体に加え下記
一般式(6)で示される化合物を添加することもでき
る。 【0192】 【化23】 【0193】(式中、R1 は炭素数6〜14のアリーレ
ン基を表し、m、nは独立して1から3の整数を表
す。) 上記一般式(6)で示される化合物について、以下に説
明する。R1で表わされるアリーレン基の炭素数は6〜
14が好ましく、6〜10がさらに好ましい。R1で表
わされるアリーレン基として具体的には、フェニレン
基、ナフチル基、アンスリル基、フェナスリル基等が挙
げられる。R1で表わされるアリーレン基は炭素数1〜
10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭
素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜10のアリー
ル基、カルボン酸エステル基、アルコキシ基、フェノキ
シ基、スルホン酸エステル基、ホスホン酸エステル基、
スルホニルアミド基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、エチレンオキサイド
基、プロピレンオキサイド基、トリエチルアンモニウム
クロライド基等で置換されていてもよい。 【0194】一般式(6)で示される化合物の具体的な
例としては、例えば、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒ
ドロキシ安息香酸、サリチル酸、1−ヒドロキシー2−
ナフトエ酸、2−ヒドロキシー1−ナフトエ酸、2−ヒ
ドロシキー3−ナフトエ酸、2,4−ジヒドロキシ安息
香酸、10−ヒドロキシ−9−アントラセンカルボン酸
などが挙げられる。但し、上記の具体例に限定されるも
のではなく、また、一般式(6)で示される化合物を1
種類または2種類以上混合して用いてもよい。本発明に
係る上記重合体と、必要に応じて添加される上記一般式
(6)で示される化合物を含む中間層は、後述する親水
化処理を施したアルミニウム支持体上に種々の方法によ
り塗布して設けられる。 【0195】この中間層は次の方法で設けることができ
る。メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなど
の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤あるいはこれらの
有機溶剤と水との混合溶剤に本発明に係る重合体および
必要に応じて添加される一般式(6)で示される化合物
を溶解させた溶液をアルミニウム支持体上に塗布、乾燥
して設ける塗布方法。あるいはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤あるいはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤
に、本発明に係る重合体および必要に応じて添加される
一般式(6)で示される化合物を溶解させた溶液に、ア
ルミニウム支持体を浸漬し、しかる後、水洗あるいは空
気などによって洗浄、乾燥して中間層を設ける塗布方法
を挙げることができる。 【0196】前者の方法では、上記化合物合計で0.0
05〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布でき
る。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗
布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。ま
た、後者の方法では、溶液の濃度は0.005〜20重
量%、好ましくは0.01%〜10重量%であり、浸漬
温度0℃〜70℃、好ましくは5〜60℃であり、浸漬
時間は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜120秒
である。 【0197】上記の溶液は、アンモニア、トリエチルア
ミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン
酸、硫酸、硝酸などの無機酸、ニトロベンゼンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェ
ニルホスホン酸などの有機ホスホン酸、安息香酸、クマ
ル酸、リンゴ酸などの有機カルボン酸など種々有機酸性
物質、ナフタレンスルホニルクロライド、ベンゼンスル
ホニルクロライドなどの有機クロライド等によりpHを
調整し、pH=0〜12、より好ましくはpH=0〜6
の範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷
版の調子再現性改良のために紫外光や可視光、赤外光な
どを吸収する物質を添加することもできる。本発明の中
間層を構成する化合物の乾燥後の被覆量は、合計で1〜
100mg/m 2が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2
ある。上記被覆量が1mg/m2よりも少ないと十分な効果
が得られない。また100mg/m2よりも多くても同様で
ある。 【0198】〔感光層〕次に上記中間層上に設けられる
サーマルポジ型感光層について説明する。サーマルポジ
型感光層は、赤外線レーザー用ポジ型感光層とも言わ
れ、少なくとも、(A)アルカリ可溶性高分子化合物、
(B)該アルカリ可溶性高分子化合物と相溶することに
より該高分子化合物のアルカリ水溶液への溶解性を低下
させるとともに、加熱により該溶解性低下作用が減少す
る化合物、及び(C)光を吸収して発熱する化合物を含
有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有してな
る。 【0199】−(A)アルカリ可溶性高分子化合物− 該サーマルポジ型感光層に使用されるアルカリ可溶性高
分子化合物は、従来公知のものであれば特に制限はない
が、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド
基、(3)活性イミド基のいずれかの官能基を分子内に
有する高分子化合物であることが好ましい。例えば以下
のものが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。 (1)フェノール性水酸基を有する高分子化合物として
は、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−ク
レゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルム
アルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアル
デヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又
はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデ
ヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹
脂が挙げられる。フェノール性水酸基を有する高分子化
合物としてはこの他に、側鎖にフェノール性水酸基を有
する高分子化合物を用いることが好ましい。側鎖にフェ
ノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノ
ール性水酸基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以
上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重
合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合さ
せて得られる高分子化合物が挙げられる。 【0200】フェノール性水酸基を有する重合性モノマ
ーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられ
る。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アク
リルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリル
アミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミ
ド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロ
キシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルア
クリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、
m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキ
シフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、
m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2
−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2
−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2
−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、
2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレー
ト、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレ
ート等を好適に使用することができる。かかるフェノー
ル性水酸基を有する樹脂は、2種類以上を組み合わせて
使用してもよい。更に、米国特許第4,123,279
号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムア
ルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置
換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮
重合体を併用してもよい。 【0201】(2)スルホンアミド基を有するアルカリ
可溶性高分子化合物としては、スルホンアミド基を有す
る重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の
重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が
挙げられる。スルホンアミド基を有する重合性モノマー
としては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの
水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2
と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低
分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その
中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基
と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換ス
ルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
このような化合物としては、例えば、下記一般式(I)
〜(V) で示される化合物が挙げられる。 【0202】 【化24】 【0203】式中、X1及びX2は、それぞれ−O−又は
−NR7−を示す。R1及びR4は、それぞれ水素原子又
は−CH3を表す。R2、R5、R9、R12及びR16は、そ
れぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又はアラ
ルキレン基を表す。R3、R7及びR13は、水素原子、そ
れぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル
基を表す。また、R6及びR17は、それぞれ置換基を有
していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。R8
10及びR14は、水素原子又は−CH3を表す。R11
びR15は、それぞれ単結合又は置換基を有していてもよ
い炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン
基、アリーレン基又はアラルキレン基を表す。Y1及び
2は、それぞれ単結合又は−CO−を表す。具体的に
は、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N
−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルア
ミド等を好適に使用することができる。 【0204】(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶
性高分子化合物は、下記式で表される活性イミド基を分
子内に有するものが好ましく、この高分子化合物として
は、1分子中に、下記式で表わされる活性イミド基と、
重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子
化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モ
ノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高
分子化合物が挙げられる。 【0205】 【化25】 【0206】このような化合物としては、具体的には、
N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N
−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適
に使用することができる。 【0207】更に、該サーマルポジ型感光層のアルカリ
可溶性高分子化合物としては、前記フェノール性水酸基
を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重
合性モノマー、及び活性イミド基を有する重合性モノマ
ーのうちの2種以上を重合させた高分子化合物、或いは
これら2種以上の重合性モノマーに他の重合性モノマー
を共重合させて得られる高分子化合物を使用することが
好ましい。フェノール性水酸基を有する重合性モノマー
に、スルホンアミド基を有する重合性モノマー及び/又
は活性イミド基を有する重合性モノマーを共重合させる
場合には、これら成分の配合重量比は50:50から
5:95の範囲にあることが好ましく、40:60から
10:90の範囲にあることが特に好ましい。 【0208】該サーマルポジ型感光層において、アルカ
リ可溶性高分子化合物が前記フェノール性水酸基を有す
る重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モ
ノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーと、
他の重合性モノマーとの共重合体である場合には、アル
カリ可溶性を付与するモノマーは10モル%以上含むこ
とが好ましく、20モル%以上含むものがより好まし
い。共重合成分が10モル%より少ないと、アルカリ可
溶性が不十分となりやすく、現像ラチチュードの向上効
果が十分達成されないことがある。 【0209】前記フェノール性水酸基を有する重合性モ
ノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又
は活性イミド基を有する重合性モノマーと共重合させる
モノマー成分としては、例えば、下記(1)〜(12)
に挙げるモノマーを用いることができるが、これらに限
定されるものではない。 (1)例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は
2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基
を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エス
テル類。 (2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルア
クリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等
のアルキルアクリレート。 (3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−ク
ロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト。 【0210】(4)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフ
ェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアク
リルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミ
ド。 (5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類。 (6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類。 (7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。 【0211】(8)メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン
等のビニルケトン類。 (9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類。 (10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等。 (11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミド等の不飽和イミド。 (12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和カルボン酸。 【0212】該サーマルポジ型感光層においてアルカリ
可溶性高分子化合物が、前記フェノール性水酸基を有す
る重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モ
ノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーの単
独重合体或いは共重合体の場合、重量平均分子量が2,
000以上、数平均分子量が500以上のものが好まし
い。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜3
00,000で、数平均分子量が800〜250,00
0であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が
1.1〜10のものである。また、本発明においてアル
カリ可溶性高分子化合物がフェノールホルムアルデヒド
樹脂、クレゾールアルデヒド樹脂等の樹脂である場合に
は、重量平均分子量が500〜20,000であり、数
平均分子量が200〜10,000のものが好ましい。 【0213】これらアルカリ可溶性高分子化合物は、そ
れぞれ1種類或いは2種類以上を組み合わせて使用して
もよく、前記感光層全固形分中、30〜99重量%、好
ましくは40〜95重量%、特に好ましくは50〜90
重量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性高分子化
合物の添加量が30重量%未満であると感光層の耐久性
が悪化し、また、99重量%を超えると感度、耐久性の
両面で好ましくない。 【0214】−(B)前記アルカリ可溶性高分子化合物
と相溶することにより該高分子化合物のアルカリ水溶液
への溶解性を低下させるとともに、加熱により該溶解性
低下作用が減少する化合物− 該(B)成分は、分子内に存在する水素結合性の官能基
の働きにより、(A)アルカリ可溶性高分子化合物との
相溶性が良好であり、均一な塗布液を形成し得るととも
に、(A)成分との相互作用により、該高分子化合物の
アルカリ可溶性を抑制する機能を有する化合物を指す。
また、この化合物は加熱によりこの溶解性低下作用が消
滅するが、(B)成分自体が加熱により分解する化合物
である場合、分解に充分なエネルギーがレーザの出力や
照射時間等の条件によって付与されないと、溶解性の抑
制作用の低下が不充分であり、感度が低下するおそれが
あるため、(B)成分の熱分解温度は150℃以上であ
ることが好ましい。 【0215】該サーマルポジ型感光層に用いられる好適
な(B)成分としては、スルホン化合物、アンモニウム
塩、ホスホニウム塩、アミド化合物等、前記(A)成分
と相互作用する化合物が挙げられる。(B)成分は、先
に述べた如く(A)成分との相互作用を考慮して適宜選
択されるべきであり、具体的には、例えば、(A)成分
としてノボラック樹脂を単独で用いる場合、後に例示す
るシアニン染料A等が好適に使用される。 【0216】(A)成分と(B)成分との配合比は、通
常、99/1〜75/25の範囲であることが好まし
い。99/1よりも(B)成分が少ない場合、(A)成
分との相互作用が不充分となり、アルカリ可溶性を阻害
できず、良好な画像形成ができ難い。また、75/25
よりも(B)成分が多い場合、相互作用が過大であるた
め著しく感度が低下し、いずれも好ましくない。 【0217】−(C)光を吸収して発熱する化合物− 本発明における光を吸収して発熱する化合物とは、70
0以上、好ましくは750〜1200nmの赤外域に光
吸収域があり、この範囲の波長の光において、光/熱変
換能を発現するものを指し、具体的には、この波長域の
光を吸収し熱を発生する種々の顔料もしくは染料を用い
ることができる。前記顔料としては、市販の顔料及びカ
ラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」
(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応
用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ
技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔
料が利用できる。 【0218】前記顔料の種類としては、黒色顔料、黄色
顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔
料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その
他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶
性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレート
アゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔
料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ
顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔
料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用で
きる。 【0219】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方
法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。 【0220】前記顔料の粒径は、0.01〜10μmの
範囲にあることが好ましく、0.05〜1μmの範囲に
あることが更に好ましく、0.1〜1μmの範囲にある
ことが特に好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満の
ときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点で好まし
くなく、また、10μmを越えると感光層の均一性の点
で好ましくない。前記顔料を分散する方法としては、イ
ンク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が
使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミ
ル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボール
ミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイド
ミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等
が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC
出版、1986年刊)に記載がある。 【0221】前記染料としては、市販の染料及び文献
(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45
年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体
的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ
染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カル
ボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニ
ン染料等の染料が挙げられる。本発明において、これら
の顔料、若しくは染料のうち赤外光、若しくは近赤外光
を吸収するものが、赤外光若しくは近赤外光を発光する
レーザでの利用に適する点で特に好ましい。 【0222】そのような赤外光、若しくは近赤外光を吸
収する顔料としてはカーボンブラックが好適に用いられ
る。また、赤外光、若しくは近赤外光を吸収する染料と
しては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭
59−84356号、特開昭59−202829号、特
開昭60−78787号等の公報に記載されているシア
ニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−
181690号、特開昭58−194595号等の公報
に記載されているメチン染料、特開昭58−11279
3号、特開昭58−224793号、特開昭59−48
187号、特開昭59−73996号、特開昭60−5
2940号、特開昭60−63744号等の公報に記載
されているナフトキノン染料、特開昭58−11279
2号等の公報に記載されているスクワリリウム色素、英
国特許434,875号公報に記載のシアニン染料、米
国特許5,380,635号公報に記載のジヒドロペリ
ミジンスクアリリウム染料等を挙げることができる。 【0223】また、前記染料として米国特許第5,15
6,938号公報に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用
いられ、また、米国特許第3,881,924号公報に
記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム
塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,32
7,169号)公報に記載のトリメチンチアピリリウム
塩、特開昭58−181051号、同58−22014
3号、同59−41363号、同59−84248号、
同59−84249号、同59−146063号、同5
9−146061号公報に記載されているピリリウム系
化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシア
ニン色素、米国特許第4,283,475号公報に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物、Epolight III−178、Epo
light III−130、Epolight III−12
5、Epolight IV −62A等は特に好ましく用
いられる。 【0224】また、前記染料として特に好ましい別の例
として米国特許第4,756,993号明細書中に式
(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を
挙げることができる。これらの顔料若しくは染料は、前
記感光層全固形分に対し0.01〜50重量%、好まし
くは0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは
0.5〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1
〜10重量%の割合で前記感光性組成物中に添加するこ
とができる。顔料若しくは染料の添加量が0.01重量
%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越え
ると感光層の均一性が失われ、感光層の耐久性が悪くな
る。これらの染料若しくは顔料は他の成分と同一の層に
添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよ
い。別の層とする場合、本発明の熱分解性でありかつ分
解しない状態ではアルカリ可溶性高分子化合物の溶解性
を実質的に低下させる物質を含む層に隣接する層へ添加
するのが望ましい。また、染料若しくは顔料とアルカリ
可溶性高分子化合物は同一の層が好ましいが、別の層で
も構わない。 【0225】−(B+C)成分− 該サーマルポジ型感光層においては、(B)アルカリ可
溶性高分子化合物と相溶することにより該高分子化合物
のアルカリ水溶液への溶解性を低下させるとともに、加
熱により該溶解性低下作用が減少する化合物と、(C)
光を吸収して発熱する化合物とに換えて、双方の特性を
有する一つの化合物(以下、「(B+C)成分」と称す
ることがある)を含有することもでき、その化合物とし
ては、例えば、下記一般式(Z)で表されるものが挙げ
られる。 【0226】 【化26】 【0227】前記一般式(Z)中、R1〜R4は、それぞ
れ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜1
2のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シクロ
アルキル基、アリール基を表し、R1とR2、R3とR4
それぞれ結合して環構造を形成していてもよい。ここ
で、R1〜R4としては、具体的には、水素原子、メチル
基、エチル基、フェニル基、ドデシル基、ナフチル基、
ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基等が挙げられ
る。また、これらの基が置換基を有する場合、その置換
基としては、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、
ニトリル基、スルホニル基、カルボキシル基、カルボン
酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。R5
〜R10は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数
1〜12のアルキル基を表し、ここで、R5〜R10とし
ては、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、
ドデシル基、ナフチル基、ビニル基、アリル基、シクロ
ヘキシル基等が挙げられる。また、これらの基が置換基
を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、カ
ルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カ
ルボキシル基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステ
ル等が挙げられる。 【0228】R11〜R13は、それぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜8のア
ルキル基を表し、ここで、R12は、R11又はR13と結合
して環構造を形成していてもよく、m>2の場合は、複
数のR12どうしが結合して環構造を形成していてもよ
い。R11〜R13としては、具体的には、塩素原子、シク
ロヘキシル基、R12どうしが結合してなるシクロペンチ
ル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。また、これら
の基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロ
ゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スル
ホニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル、スル
ホン酸エステル等が挙げられる。また、mは1〜8の整
数を表し、好ましくは1〜3である。R14〜R15は、そ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有して
もよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R14はR15
結合して環構造を形成していてもよく、m>2の場合
は、複数のR14どうしが結合して環構造を形成していて
もよい。R14〜R15としては、具体的には、塩素原子、
シクロヘキシル基、R14どうしが結合してなるシクロペ
ンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。また、こ
れらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、
ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、
スルホニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル、
スルホン酸エステル等が挙げられる。また、mは1〜8
の整数を表し、好ましくは1〜3である。 【0229】前記一般式(Z)において、X-は、アニ
オンを表す。アニオンの具体例としては、過塩素酸、四
フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフ
タレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン
酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼン
スルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン
酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼ
ンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フ
ルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−
メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼン
スルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げるこ
とができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリ
イソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチル
ベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸
が好ましく用いられる。 【0230】前記一般式(Z)で表される化合物は、一
般にシアニン染料と呼ばれる化合物であり、具体的に
は、以下に示す化合物が好適に用いられるが、本発明は
この具体例に制限されるものではない。 【0231】 【化27】【0232】前記(B+C)成分は、光を吸収して熱を
発生する性質(即ち、(C)成分の特性)を有し、しか
も700〜1200nmの赤外域に吸収域をもち、更に
アルカリ可溶性高分子化合物との相溶性も良好であり、
塩基性染料であり、分子内にアンモニウム基、イミニウ
ム基等のアルカリ可溶性高分子化合物と相互作用する基
を有する(即ち、(B)成分の特性を有する)ために該
高分子化合物と相互作用して、そのアルカリ可溶性を制
御することができ、本発明に好適に用いることができ
る。本発明において、(B)成分、(C)成分に換え
て、前記のシアニン染料の如く双方の特性を兼ね備える
化合物(B+C)成分を用いる場合、この化合物の添加
量は、(A)成分に対して、99/1〜70/30の範
囲が感度の観点から好ましく、99/1〜75/25の
範囲がより好ましい。 【0233】−その他の成分− 該サーマルポジ型感光層組成物には、更に必要に応じ
て、種々の添加剤を添加することができる。例えば、感
度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール
類、有機酸類、スルホニル化合物類を併用することもで
きる。前記環状酸無水物としては、米国特許第4,11
5,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
3,6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル
酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロ
ル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水
コハク酸、無水ピロメリット酸等が使用できる。前記フ
ェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフ
ェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−ト
リヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロ
キシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、
4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、
4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,
3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタン等が挙げ
られる。前記有機酸類としては、特開昭60−8894
2号、特開平2−96755号公報等に記載されてい
る、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、
ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類等が
あり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチ
ル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、
リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフ
タル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメト
キシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン
酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸、ビスヒドロキ
シフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジフェ
ニルジスルホン等が挙げられる。上記の環状酸無水物、
フェノール類、有機酸類、及びスルホニル化合物類の前
記感光性組成物固形分中に占める割合は、0.05〜2
0重量%が好ましく、0.1〜15重量%がより好まし
く、0.1〜10重量%が特に好ましい。 【0234】また、該サーマルポジ型感光層組成物中に
は、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開
昭62−251740号公報や特開平3−208514
号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特
開昭59−121044号公報、特開平4−13149
号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加す
ることができる。前記非イオン界面活性剤の具体例とし
ては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モ
ノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル等が挙げられる。前記両性界面活性剤の具体例とし
ては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキル
ポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−
カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニ
ウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型
(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)
製)等が挙げられる。上記非イオン界面活性剤及び両性
界面活性剤の前記感光性組成物固形分中に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、0.1〜5重量
%がより好ましい。 【0235】該サーマルポジ型感光層組成物中には、露
光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤
や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができ
る。前記焼き出し剤としては、露光による加熱によって
酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有
機染料の組合せが代表として挙げられる。具体的には、
特開昭50−36209号、同53−8128号の各公
報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−ス
ルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特
開昭53−36223号、同54−74728号、同6
0−3626号、同61−143748号、同61−1
51644号及び同63−58440号の各公報に記載
されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の
組合せが挙げられる。かかるトリハロメチル化合物とし
ては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とが
あり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像
を与える。 【0236】前記画像着色剤としては、前述の塩形成性
有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成
性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩
基性染料が挙げられる。具体的にはオイルイエロー#1
01、オイルイエロー#103、オイルピンク#31
2、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイル
ブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラック
BS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学
工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタル
バイオレット(C.I.42555)、メチルバイオレ
ット(C.I.42535)、エチルバイオレット、ロ
ーダミンB(C.I.145170B)、マラカイトグ
リーン(C.I.42000)、メチレンブルー(C.
I.52015)等を挙げることができる。また、特開
昭62−293247号公報、及び特開平5−3133
59号公報に記載されている染料は特に好ましい。これ
らの染料は、前記感光性組成物固形分に対し、0.01
〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%の割合で前
記感光性組成物中に添加することができる。 【0237】また、該サーマルポジ型感光層組成物中に
は必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤
が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレン
グリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオ
クチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン
酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、
アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー
等が用いられる。更に、本発明に係る前記感光性組成物
中には必要に応じ、キノンジアジド類、ジアゾ化合物等
の光により分解する化合物を添加してもよい。これらの
化合物の添加量は、前記感光性組成物固形分に対し、1
〜5重量%が好ましい。 【0238】−感光層の製法− 該サーマルポジ型感光層は、通常上記各成分を溶媒に溶
かして、後述の支持体上に塗布することにより製造する
ことができる。ここで使用する溶媒としては、エチレン
ジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メト
キシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳
酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレ
ア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を挙げるこ
とができるがこれに限定されるものではない。これらの
溶媒は単独或いは混合して使用される。溶媒中の上記成
分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜
50重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体
上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般
的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法
としては、種々の方法を用いることができるが、例え
ば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カー
テン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード
塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少
なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、感光膜
の皮膜特性は低下する。前記感光層中に、塗布性を良化
するための界面活性剤、例えば、特開昭62−1709
50号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤
を添加することができる。好ましい添加量は、前記感光
層全固形分に対して0.01〜1重量%、更に好ましく
は0.05〜0.5重量%である。 【0239】次にサーマルネガ型感光層について説明す
る。サーマルネガ型感光層は赤外線レーザによる書き込
みが可能、即ち、赤外線レーザ照射部が硬化して画像部
を形成するネガ型の感光層であれば特に制限はなく、い
ずれのものでもよい。このようなサーマルネガ型感光層
の1つとして、光重合層が挙げられる。光重合層には、
(A)赤外線吸収剤と(B)ラジカル発生剤(ラジカル
重合開始剤)と(C)発生したラジカルにより重合反応
を起こして硬化するラジカル重合性化合物とを含有し、
好ましくは(D)バインダーポリマーを含有する。赤外
線吸収剤が吸収した赤外線を熱に変換し、この際発生し
た熱により、オニウム塩等のラジカル重合開始剤が分解
し、ラジカルを発生する。ラジカル重合性化合物は、少
なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有し、末端
エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2
個以上有する化合物から選ばれ、発生したラジカルによ
り連鎖的に重合反応が生起し、硬化する。 【0240】また、感光層の他の態様としては、酸架橋
層が挙げられる。酸架橋層には、(E)光又は熱により
酸を発生する化合物(以下、酸発生剤と称する)と、
(F)発生した酸により架橋する化合物(以下、架橋剤
と称する)とを含有し、さらに、これらを含有する層を
形成するための、酸の存在下で架橋剤と反応しうる
(G)アルカリ可溶性ポリマーを含む。この酸架橋層に
おいては、光照射又は加熱により、酸発生剤が分解して
発生した酸が、架橋剤の働きを促進し、架橋剤同士ある
いは架橋剤とバインダーポリマーとの間で強固な架橋構
造が形成され、これにより、アルカリ可溶性が低下し
て、現像剤に不溶となる。このとき、赤外線レーザのエ
ネルギーを効率よく使用するため、感光層中には(A)
赤外線吸収剤が配合される。 【0241】サーマルネガ型感光層の1つである光重合
層に含まれる、(A)赤外線吸収剤と、(B)ラジカル
発生剤と、(C)ラジカル重合性化合物と、(D)バイ
ンダーポリマーの各構成成分につき、順次説明する。 [(A)赤外線吸収剤]サーマルネガ型の光重合層を有
する平版印刷版用原版は、赤外線を発するレーザで画像
記録が可能であり、このためには、赤外線吸収剤を用い
ることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線
を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱に
より、ラジカル発生剤であるオニウム塩等が分解し、ラ
ジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸
収剤は、書き込みレーザの波長に吸収を有し、光熱変換
能を発現するものであればいずれのものでもよいが、好
ましくは、波長760nmから1200nmに吸収極大
を有する染料又は顔料が挙げられる。 【0242】染料としては、市販の染料及び例えば「染
料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の
文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシ
アニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メ
チン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリ
ウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好
ましい染料としては、例えば、特開昭58−12524
6号、特開昭59−84356号、特開昭59−202
829号、特開昭60−78787号等に記載されてい
るシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭
58−181690号、特開昭58−194595号等
に記載されているメチン染料、特開昭58−11279
3号、特開昭58−224793号、特開昭59−48
187号、特開昭59−73996号、特開昭60−5
2940号、特開昭60−63744号等に記載されて
いるナフトキノン染料、特開昭58−112792号等
に記載されているスクワリリウム色素、英国特許43
4,875号記載のシアニン染料等を挙げることができ
る。 【0243】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号に開示されているピリリ
ウム化合物も好ましく用いられる。 【0244】また、染料として好ましい別の例として米
国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、
(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げるこ
とができる。これらの染料のうち特に好ましいものとし
ては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム
塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シ
アニン色素が好ましく、特に下記一般式(I)で示され
るシアニン色素が最も好ましい。 【0245】 【化28】 【0246】一般式(I)中、X1は、ハロゲン原子、
またはX2−L2又はNL23を示す。ここで、X2は酸
素原子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1
〜12の炭化水素基を示す。L2及びL3はそれぞれ独立
に炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1および
2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水
素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1およ
びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であること
が好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員
環または6員環を形成していることが特に好ましい。 【0247】Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっ
ていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水
素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベン
ゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好まし
い置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素
基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ
基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっ
ていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下の
ジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同
じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い
炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置
換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、
カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R
7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、
水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示
す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。ま
た、Z1-は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のい
ずれかにスルホ基が置換されている場合は、Z1-は必要
ない。好ましいZ1-は、感光層塗布液の保存安定性か
ら、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロ
ボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、
およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩
素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、お
よびアリールスルホン酸イオンである。 【0248】該サーマルネガ型の光重合層において、好
適に用いることのできる一般式(I)で示されるシアニ
ン色素の具体例としては、特願平11−310623号
明細書の段落番号[0017]〜[0019]に記載さ
れたものを挙げることができる。 【0249】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。 【0250】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤
を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップ
リング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を
顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面
処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。顔料の粒径は0.01μm〜10μm
の範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの
範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1
μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.0
1μm未満のときは分散物の画像感光層塗布液中での安
定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画
像感光層の均一性の点で好ましくない。 【0251】顔料を分散する方法としては、インク製造
やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用でき
る。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アト
ライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、イ
ンペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダ
イナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げら
れる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1
986年刊)に記載されている。 【0252】これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一
の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加して
もよいが、ネガ型平版印刷版原版を作成した際に、感光
層の波長760nm〜1200nmの範囲における吸収
極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが
好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くなる傾
向がある。光学濃度は前記赤外線吸収剤の添加量と記録
層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両
者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学
濃度は常法により測定することができる。測定方法とし
ては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後
の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決
定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で
測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記
録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられ
る。 【0253】[(B)ラジカル発生剤]該サーマルネガ
型の光重合層において好適に用いられるラジカル発生剤
(ラジカルを発生する化合物)としては、好ましくはオ
ニウム塩が挙げられ、具体的には、ヨードニウム塩、ジ
アゾニウム塩、スルホニウム塩である。これらのオニウ
ム塩は酸発生剤としての機能も有するが、後述するラジ
カル重合性化合物と併用する際には、ラジカル重合の開
始剤として機能する。本発明において好適に用いられる
オニウム塩は、下記一般式(III)〜(V)で表される
オニウム塩である。 【0254】 【化29】 【0255】式(III)中、Ar11とAr12は、それぞ
れ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個
以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有
する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニ
トロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子
数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個
以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲ
ンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイ
オン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、カルボン酸
イオンおよびスルホン酸イオンからなる群より選択され
る対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキ
サフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスル
ホン酸イオンである。 【0256】式(IV)中、Ar21は、置換基を有してい
ても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好
ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素
原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下
のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキ
シ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素
原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数1
2個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個
以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21 -はZ11-
と同義の対イオンを表す。 【0257】式(V)中、R31、R32及びR33は、それ
ぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していて
も良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ま
しい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原
子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下の
アルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリール
オキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオン
を表す。該サーマルネガ型の光重合層において、好適に
用いることのできるオニウム塩の具体例としては、本願
出願人が先に提案した特願平11−310623号明細
書の段落番号[0030]〜[0033]に記載された
もの及び特願2000−160323号明細書の段落番
号[0015]〜[0046]に記載されたものを挙げ
ることができる。 【0258】該サーマルネガ型の光重合層において用い
られるオニウム塩は、極大吸収波長が400nm以下で
あることが好ましく、さらに360nm以下であること
が好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にするこ
とにより、平版印刷版用原版の取り扱いを白灯下で実施
することができる。これらのオニウム塩は、感光層塗布
液の全固形分に対し0.1〜50重量%、好ましくは
0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%の
割合で感光層塗布液中に添加することができる。添加量
が0.1重量%未満であると感度が低くなり、また50
重量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生する。こ
れらのオニウム塩は、1種のみを用いても良いし、2種
以上を併用しても良い。また、これらのオニウム塩は他
の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそ
こへ添加してもよい。 【0259】[(C)ラジカル重合性化合物]該サーマ
ルネガ型の光重合層に使用されるラジカル重合性化合物
は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有す
るラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和
結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合
物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野にお
いて広く知られるものであり、本発明においてはこれら
を特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモ
ノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体および
オリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共
重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共
重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、ア
ミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂
肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボ
ン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられ
る。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基
等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、
アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エ
ポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカ
ルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。ま
た、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基
を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、
単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類および
チオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシ
ルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸
エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のア
ルコール類、アミン類およびチオール類との置換反応物
も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カル
ボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置
き換えた化合物群を使用する事も可能である。 【0260】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物である
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、イタコン
酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エス
テル、マレイン酸エステルの具体例は、特願平11−3
10623号明細書の段落番号[0037]〜[004
2]に記載されており、これらを本発明にも適用するこ
とができる。その他のエステルの例として、例えば、特
公昭46−27926、特公昭51−47334、特開
昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステ
ル類や、特開昭59−5240、特開昭59−524
1、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有す
るもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有
するもの等も好適に用いられる。 【0261】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例と
しては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレ
ン構造を有すものを挙げる事ができる。 【0262】また、イソシアネートと水酸基の付加反応
を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適
であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭4
8−41708号公報中に記載されている1分子に2個
以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化
合物に、下記式(VI)で示される水酸基を含有するビニ
ルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。 【0263】一般式(VI) CH2=C(R41)COOCH2CH(R42)OH (ただし、R41およびR42は、HまたはCH3を示
す。) 【0264】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号、特公平2−16765号に記載され
ているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−
49860号、特公昭56−17654号、特公昭62
−39417、特公昭62−39418号記載のエチレ
ンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適で
ある。さらに、特開昭63−277653,特開昭63
−260909号、特開平1−105238号に記載さ
れる、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラ
ジカル重合性化合物類を用いても良い。 【0265】その他の例としては、特開昭48−641
83号、特公昭49−43191号、特公昭52−30
490号、各公報に記載されているようなポリエステル
アクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を
反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリ
レートやメタクリレートを挙げることができる。また、
特公昭46−43946号、特公平1−40337号、
特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、
特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合
物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開
昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を
含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会
誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(198
4年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介
されているものも使用することができる。 【0266】これらのラジカル重合性化合物について、
どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用する
か、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終
的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定でき
る。例えば、次のような観点から選択される。感度の点
では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好まし
く、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、画像
部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以
上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性
基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合
物、メタクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物
等)を組み合わせて用いることで、感光性と強度の両方
を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物
や、疎水性の高い化合物は感度や膜強度に優れる反面、
現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく
無い場合がある。また、感光層中の他の成分(例えばバ
インダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分
散性に対しても、ラジカル重合化合物の選択・使用法は
重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2
種以上化合物の併用によって、相溶性を向上させうるこ
とがある。また、支持体、オーバーコート層等の密着性
を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり
得る。画像記録層中のラジカル重合性化合物の配合比に
関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場
合には、好ましく無い相分離が生じたり、画像記録層の
粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層成分の
転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出
が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、ラジ
カル重合性化合物の好ましい配合比は、多くの場合、組
成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは20〜
75重量%である。また、これらは単独で用いても2種
以上併用してもよい。そのほか、ラジカル重合性化合物
の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、か
ぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構
造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっ
ては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施し
うる。 【0267】[(D)バインダーポリマー]該サーマル
ネガ型の光重合層においては、さらにバインダーポリマ
ーを使用する。バインダーとしては線状有機ポリマーを
用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマ
ー」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは
水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、
水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状
有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、感光
層を形成するための皮膜形成剤としてだけでなく、水、
弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応
じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを
用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリ
マーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重
合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−
34327号、特公昭58−12577号、特公昭54
−25957号、特開昭54−92723号、特開昭5
9−53836号、特開昭59−71048号に記載さ
れているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アク
リル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重
合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸
共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有
する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有
する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用
である。 【0268】特にこれらの中で、ベンジル基またはアリ
ル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリ
ル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れてお
り、好適である。また、特公平7−12004号、特公
平7−120041号、特公平7−120042号、特
公平8−12424号、特開昭63−287944号、
特開昭63−287947号、特開平1−271741
号、特願平10−116232号等に記載される酸基を
含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強
度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利であ
る。さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポ
リビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用
である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール
可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル
等も有用である。 【0269】該サーマルネガ型の光重合層で使用される
ポリマーの重量平均分子量については好ましくは500
0以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲で
あり、数平均分子量については好ましくは1000以上
であり、さらに好ましくは2000〜25万の範囲であ
る。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以
上が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10の範囲で
ある。これらのポリマーは、ランダムポリマー、ブロッ
クポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、ラ
ンダムポリマーであることが好ましい。 【0270】本発明で使用されるポリマーは従来公知の
方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒と
しては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロ
リド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセト
ン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、
ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶
媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。本発明で
使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル
重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等
公知の化合物が使用できる。 【0271】本発明で使用されるバインダーポリマーは
単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマー
は、感光層塗布液の全固形分に対し20〜95重量%、
好ましくは30〜90重量%の割合で感光層中に添加さ
れる。添加量が20重量%未満の場合は、画像形成した
際、画像部の強度が不足する。また添加量が95重量%
を越える場合は、画像形成されない。またラジカル重合
可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状
有機ポリマーは、重量比で1/9〜7/3の範囲とする
のが好ましい。 【0272】次に、サーマルネガ型感光層の他の形態で
ある酸架橋層の構成成分について説明する。ここで用い
られる赤外線吸収剤は、前記光重合層において説明した
(A)赤外線吸収剤と同様のものを用いることができ
る。好ましい含有量は、感光層の全固形分重量に対し、
0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜10重量%
がより好ましく、さらに染料の場合には、0.5〜10
重量%が最も好ましく、顔料の場合には、1.0〜10
重量%が最も好ましい。前記含有量が、0.01重量%
未満であると、感度が低くなることがあり、50重量%
を超えると、平版印刷版用原版とした場合の非画像部に
汚れが発生することがある。 【0273】[(E)酸発生剤]該酸架橋層の形態にお
いて、熱により分解して酸を発生する酸発生剤は、20
0〜500nmの波長領域の光を照射する又は100℃
以上に加熱することにより、酸を発生する化合物をい
う。前記酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始
剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光
変色剤、或いは、マイクロレジスト等に使用されている
公知の酸発生剤等、熱分解して酸を発生しうる、公知の
化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。 【0274】例えば、S.I.Schlesinge
r,Photogr.Sci.Eng.,18,387
(1974)、T.S.Bal et al,Poly
mer,21,423(1980)に記載のジアゾニウ
ム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平
4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特
許第4,069,055号、同4,069,056号の
各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、
143号、米国特許第339,049号、同第410,
201号の各明細書、特開平2−150848号、特開
平2−296514号に記載のヨードニウム塩、欧州特
許第370,693号、同390,214号、同23
3,567号、同297,443号、同297,442
号、米国特許第4,933,377号、同161,81
1号、同410,201号、同339,049号、同
4,760,013号、同4,734,444号、同
2,833,827号、独国特許第2,904,626
号、同3,604,580号、同3,604,581号
の各明細書に記載のスルホニウム塩、 【0275】J.V.Crivello et al,
Macromolecules,10(6),1307
(1977)、J.V.Crivello et a
l,J.Polymer Sci.,Polymer
Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載
のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Te
h,Proc.Conf.Rad.Curing AS
IA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記
載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,9
05,815号明細書、特公昭46−4605号、特開
昭48−36281号、特開昭55−32070号、特
開昭60−239736号、特開昭61−169835
号、特開昭61−169837号、特開昭62−582
41号、特開昭62−212401号、特開昭63−7
0243号、特開昭63−298339号に記載の有機
ハロゲン化合物、特開平2−161445号公報に記載
の有機金属/有機ハロゲン化物、欧州特許第0290,
750号、同046,083号、同156,535号、
同271,851号、同0,388,343号、米国特
許第3,901,710号、同4,181,531号の
各明細書、特開昭60−198538号、特開昭53−
133022号に記載のo−ニトロベンジル型保護基を
有する光酸発生剤、欧州特許第0199,672号、同
84515号、同199,672号、同044,115
号、同0101,122号、米国特許第4,618,5
64号、同4,371,605号、同4,431,77
4号の各明細書、特開昭64−18143号、特開平2
−245756号、特開平4−365048号に記載の
イミノスルフォネート等に代表される、光分解してスル
ホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号
に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。 【0276】また、これら酸を発生する基又は化合物
を、ポリマーの主鎖若しくは側鎖に導入した化合物も好
適に挙げることができ、例えば、米国特許第3,84
9,137号、独国特許第3,914,407号の各明
細書、特開昭63−26653号、特開昭55−164
824号、特開昭62−69263号、特開昭63−1
46037号、特開昭63−163452号、特開昭6
2−153853号、特開昭63−146029号に記
載の化合物が挙げられる。 【0277】さらに、V.N.R.Pillai,Sy
nthesis,(1),1(1980)、A.Aba
d et al,Tetrahedron Let
t.,(47)4555(1971)、D.H.R.B
arton et al,J.Chem,Soc,.
(B),329(1970)、米国特許第3,779,
778号、欧州特許第126,712号の各明細書等に
記載の、光により酸を発生する化合物も使用可能であ
る。 【0278】上述の酸発生剤のうち、下記一般式(I)
〜(V)で表される化合物が好ましい。 【0279】 【化30】 【0280】前記一般式(I)〜(V)中、R1、R2
4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、置換基を
有していてもよい炭素数20以下の炭化水素基を表す。
3は、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素
数10以下の炭化水素基又は炭素数10以下のアルコキ
シ基を表す。Ar1、Ar2は、同一でも異なっていても
よく、置換基を有していてもよい炭素数20以下のアリ
ール基を表す。R6は、置換基を有していてもよい炭素
数20以下の2価の炭化水素基を表す。nは、0〜4の
整数を表す。前記式中、R1、R2、R4及びR5は、炭素
数1〜14の炭化水素基が好ましい。前記一般式(I)
〜(V)で表される酸発生剤の好ましい態様は、本発明
者らが先に提案した特願平11−320997号明細書
段落番号[0197]〜[0222]に詳細に記載されてい
る。これらの化合物は、例えば、特開平2−10005
4号、特開平2−100055号に記載の方法により合
成することができる。また、(E)酸発生剤として、ハ
ロゲン化物やスルホン酸等を対イオンとするオニウム塩
も挙げることができ、中でも、下記一般式(VI)〜
(VIII)で表されるヨードニウム塩、スルホニウム
塩、ジアゾニウム塩のいずれかの構造式を有するものを
好適に挙げることができる。 【0281】 【化31】 【0282】前記一般式(VI)〜(VIII)中、X
-は、ハロゲン化物イオン、ClO4 -、PF6 -、SbF6
-、BF4 -又はR7SO3 -を表し、ここで、R7は、置換
基を有していてもよい炭素数20以下の炭化水素基を表
す。Ar3、Ar4は、それぞれ独立に、置換基を有して
いてもよい炭素数20以下のアリール基を表す。R8
9、R10は、置換基を有していてもよい炭素数18以
下の炭化水素基を表す。このようなオニウム塩は、特開
平10−39509号公報段落番号[0010]〜[00
35]に一般式(I)〜(III)の化合物として記載され
ている。酸発生剤の添加量としては、記録層の全固形分
重量に対し0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜
25重量%がより好ましく、0. 5〜20重量%が最も
好ましい。前記添加量が、0.01重量%未満である
と、画像が得られないことがあり、50重量%を超える
と、平版印刷版用原版とした時の印刷時において非画像
部に汚れが発生することがある。上述の酸発生剤は単独
で使用してもよいし、2種以上を組合わせて使用しても
よい。 【0283】[(F)架橋剤]次に、架橋剤について説明
する。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。 (i)ヒドロキシメチル基若しくはアルコキシメチル基
で置換された芳香族化合物 (ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル
基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物 (iii)エポキシ化合物 【0284】以下、前記(i)〜(iii)の化合物につ
いて詳述する。前記(i)ヒドロキシメチル基若しくは
アルコキシメチル基で置換された芳香族化合物として
は、例えば、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基
若しくはアルコキシメチル基でポリ置換されている芳香
族化合物又は複素環化合物が挙げられる。但し、レゾー
ル樹脂として知られるフェノール類とアルデヒド類とを
塩基性条件下で縮重合させた樹脂状の化合物も含まれ
る。ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基でポリ
置換された芳香族化合物又は複素環化合物のうち、中で
も、ヒドロキシ基に隣接する位置にヒドロキシメチル基
又はアルコキシメチル基を有する化合物が好ましい。ま
た、アルコキシメチル基でポリ置換された芳香族化合物
又は複素環化合物では、中でも、アルコキシメチル基が
炭素数18以下の化合物が好ましく、下記一般式(1)
〜(4)で表される化合物がより好ましい。 【0285】 【化32】【0286】 【化33】 【0287】前記一般式(1)〜(4)中、L1〜L
8は、それぞれ独立に、メトキシメチル、エトキシメチ
ル等の、炭素数18以下のアルコキシ基で置換されたヒ
ドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を表す。これ
らの架橋剤は、架橋効率が高く、耐刷性を向上できる点
で好ましい。 【0288】(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アル
コキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有
する化合物としては、欧州特許公開(以下、「EP−
A」と示す。)第0,133,216号、西独特許第
3,634,671号、同第3,711,264号に記
載の、単量体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデ
ヒド縮合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP
−A第0,212,482号明細書に記載のアルコキシ
置換化合物等が挙げられる。なかでも、例えば、少なく
とも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキ
シメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する
メラミン−ホルムアルデヒド誘導体が好ましく、N−ア
ルコキシメチル誘導体が最も好ましい。(iii) エポキシ
化合物としては、1以上のエポキシ基を有する、モノマ
ー、ダイマー、オリゴマー、ポリマー状のエポキシ化合
物が挙げられ、例えば、ビスフェノールAとエピクロル
ヒドリンとの反応生成物、低分子量フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等
が挙げられる。その他、米国特許第4,026,705
号、英国特許第1,539,192号の各明細書に記載
され、使用されているエポキシ樹脂を挙げることができ
る。 【0289】架橋剤として、前記(i)〜(iii)の化
合物を用いる場合の添加量としては、感光層の全固形分
重量に対し5〜80重量%が好ましく、10〜75重量
%がより好ましく、20〜70重量%が最も好ましい。
前記添加量が、5重量%未満であると、得られる画像記
録材料の感光層の耐久性が低下することがあり、80重
量%を超えると、保存時の安定性が低下することがあ
る。 【0290】本発明においては、架橋剤として、(iv)
下記一般式(5)で表されるフェノール誘導体も好適に
使用することができる。 【0291】 【化34】 【0292】前記一般式(5)中、Ar1は、置換基を
有していてもよい芳香族炭化水素環を表す。原料の入手
性の点で、前記芳香族炭化水素環としては、ベンゼン
環、ナフタレン環又はアントラセン環が好ましい。ま
た、その置換基としては、ハロゲン原子、炭素数12以
下の炭化水素基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素
数12以下のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、ト
リフルオロメチル基等が好ましい。上記のうち、高感度
化が可能である点で、Ar1としては、置換基を有して
いないベンゼン環、ナフタレン環、或いは、ハロゲン原
子、炭素数6以下の炭化水素基、炭素数6以下のアルコ
キシ基、炭素数6以下のアルキルチオ基又はニトロ基等
を置換基として有するベンゼン環又はナフタレン環がよ
り好ましい。 【0293】[(G)アルカリ水可溶性高分子化合物]該架
橋層に使用可能なアルカリ水可溶性高分子化合物として
は、ノボラック樹脂や側鎖にヒドロキシアリール基を有
するポリマー等が挙げられる。前記ノボラック樹脂とし
ては、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合
させた樹脂が挙げられる。中でも、例えば、フェノール
とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−
クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック
樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られる
ノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドか
ら得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホル
ムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−
混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラ
ック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−
又はm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれ
でもよい)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノ
ボラック樹脂や、フェノールとパラホルムアルデヒドと
を原料とし、触媒を使用せず密閉状態で高圧下、反応さ
せて得られるオルソ結合率の高い高分子量ノボラック樹
脂等が好ましい。前記ノボラック樹脂は、重量平均分子
量が800〜300,000で、数平均分子量が400
〜60,000のものの中から、目的に応じて好適なも
のを選択して用いればよい。 【0294】また、前記側鎖にヒドロキシアリール基を
有するポリマーも好ましく、該ポリマー中のヒドロキシ
アリール基としては、OH基が1以上結合したアリール
基が挙げられる。前記アリール基としては、例えば、フ
ェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナント
レニル基等が挙げられ、中でも、入手の容易性及び物性
の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましい。該
架橋層の形態に使用可能な、側鎖にヒドロキシアリール
基を有するポリマーとしては、例えば、下記一般式(I
X)〜(XII)で表される構成単位のうちのいずれか1
種を含むポリマーを挙げることができる。但し、本発明
においては、これらに限定されるものではない。 【0295】 【化35】【0296】一般式(IX)〜(XII)中、R11は、水
素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、同じでも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
10以下の炭化水素基、炭素数10以下のアルコキシ基
又は炭素数10以下のアリールオキシ基を表す。また、
12とR13が結合、縮環してベンゼン環やシクロヘキサ
ン環を形成していてもよい。R14は、単結合又は炭素数
20以下の2価の炭化水素基を表す。R15は、単結合又
は炭素数20以下の2価の炭化水素基を表す。R16は、
単結合又は炭素数10以下の2価の炭化水素基を表す。
1は、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エ
ステル結合又はアミド結合を表す。pは、1〜4の整数
を表す。q及びrは、それぞれ独立に0〜3の整数を表
す。これらのアルカリ可溶性高分子としては、本発明者
らが先に提案した特願平11−320997号明細書段
落番号[0130]〜[0163]に詳細に記載されてい
る。 【0297】該架橋層本実施の形態に使用可能なアルカ
リ水可溶性高分子化合物は、1種類のみで使用してもよ
いし、2種類以上を組合わせて使用してもよい。アルカ
リ水可溶性高分子化合物の添加量としては、感光層の全
固形分に対し5〜95重量%が好ましく、10〜95重
量%がより好ましく、20〜90重量%が最も好まし
い。アルカリ水可溶性樹脂の添加量が、5重量%未満で
あると、記録層の耐久性が劣化することがあり、95重
量%を超えると、画像形成されないことがある。 【0298】[感光層のその他の成分]該架橋層では、
さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加し
てもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を
画像の着色剤として使用することができる。具体的に
は、オイルイエロー#101、オイルイエロー#10
3、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイ
ルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラッ
クBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−50
5(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピ
ュアブルー、クリスタルバイオレット(CI4255
5)、メチルバイオレット(CI42535)、エチル
バイオレット、ローダミンB(CI145170B)、
マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブル
ー(CI52015)等、及び特開昭62−29324
7号に記載されている染料を挙げることができる。ま
た、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラ
ック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができ
る。これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部
の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。な
お、添加量は、感光層塗布液全固形分に対し、0.01
〜10重量%の割合である。 【0299】また、該サーマルネガ型感光層において
は、感光層塗布液の調製中あるいは保存中においてラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合
物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤
を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤として
はハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカ
テコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N
−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニ
ウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組
成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好
ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止
するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪
酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の
表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量
は、全組成物の約0.1重量%〜約10重量%が好まし
い。 【0300】また、特開昭62−251740号や特開
平3−208514号に記載されているような非イオン
界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−
13149号に記載されているような両性界面活性剤を
添加することができる。非イオン界面活性剤の具体例と
しては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノ
パルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸
モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例として
は、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポ
リアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カ
ルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウ
ムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型
(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等
が挙げられる。 【0301】上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性
剤を用いる場合、感光層全不揮発分に対して、5重量%
以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下である。
また、これらはケイ素系界面活性剤に対して60重量%
以下であることが効果の観点から好ましい。さらに、本
発明に係る感光層塗布液中には、必要に応じ、塗膜の柔
軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、
ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル
酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、
フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
ブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロ
フルフリル等が用いられる。 【0302】本発明の平版印刷版原版を製造するには、
通常、感光層塗布液に必要な上記各成分を溶媒に溶かし
て、後述の支持体上に塗布すればよい。ここで使用する
溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチル
アセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、
ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、
トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定され
るものではない。これらの溶媒は単独又は混合して使用
される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の
濃度は、好ましくは1〜50重量%である。 【0303】また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感
光層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版
印刷版用原版についていえば一般的に0.5〜5.0g
/m 2が好ましい。塗布量が少なくなるにつれて、見か
けの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす感光層
の皮膜特性は低下する。感光層塗布液を塗布する方法と
しては、種々の方法を用いることができるが、例えば、
バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン
塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗
布、ロール塗布等を挙げることができる。 【0304】該サーマルネガ型感光層を有する平版印刷
版用原版には、感光層中における空気中の酸素に起因す
る重合阻害を防止し、感度の安定性を向上するためにオ
ーバーコート層を設けることが好ましい。オーバーコー
ト層には、酸素遮断性に優れた薄膜を形成し得る点及び
現像時に容易に除去されるよう水溶性高分子である点を
考慮して、ポリビニルアルコールが好適に用いられる。 【0305】ポリビニルアルコールは、必要な水溶性を
有する実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有し
てさえいれば、一部がエステル、エーテル、およびアセ
タールで置換されていても良い。また、同様に一部が他
の共重合成分を含有しても良い。ポリビニルアルコール
の具体例としては、71〜100%加水分解され、重合
度が300〜2400の範囲のものが挙げられる。具体
的には、市販品として、株式会社クラレ製PVA−10
5、PVA−110、PVA−117、PVA−117
H、PVA−120、PVA−124、PVA−124
H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、P
VA−203、PVA−204、PVA−205、PV
A−210、PVA−217、PVA−220、PVA
−224、PVA−217EE、PVA−220、PV
A−224、PVA−217EE、PVA−217E、
PVA−220E、PVA−224E、PVA−40
5、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げ
られる。上記の共重合体としては、88〜100%加水
分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまた
はプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビ
ニルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。 【0306】これらのポリビニルアルコールは、オーバ
ーコート層全固形分に対して、50〜99.7重量%で
あることが好ましく、70〜99.5重量%であること
がより好ましい。含有量が50重量%未満であると酸素
透過防止効果が不充分で、感度が低下する傾向があり、
99.7重量%を超えるとインク着肉性が低下するた
め、いずれも好ましくない。このオーバーコート層に
は、前記高分子のほか、本発明の効果を損なわない範囲
において、酸素透過性の低い、他の水溶性高分子を併用
することができる。併用し得る水溶性高分子としては、
例えば、セロハン、水溶性アクリル樹脂、ゼラチン、ア
ラビアゴムなどが挙げられる。これらは単独または、併
用して用いても良い。 【0307】また、オーバーコート層にはさらに塗布性
を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良する
ための水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えても良
い。水溶性の可塑剤としてはたとえばプロピオンアミ
ド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトー
ル等がある。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマ
ーなどを添加しても良い。さらにまた、これらのポリマ
ーに感光層との密着、経時安定性の向上等のために添加
剤を加えても良い。オーバーコート層は、通常上記各成
分を水に溶かして、感光層上に塗布することにより、形
成することができる。塗布溶剤としては、好ましくは、
蒸留水を用いる。オーバーコート層塗布液の塗布方法
は、前述した感光層の塗布と同様に、公知の塗布方法を
用いればよい。オーバーコート層の塗布、乾燥後に得ら
れる塗布量は、0.5 〜10g/m2であり、好ましく
は1〜5g/m2である。 【0308】該サーマルネガ型感光層を有する平版印刷
版原版は、赤外線レーザで記録できる。本発明において
は、波長760nmから1200nmの赤外線を放射す
る固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光されるこ
とが好ましい。レーザの出力は100mW以上が好まし
く、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバ
イスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露
光時間は20μ秒以内であることが好ましい。記録材料
に照射されるエネルギーは10〜300mJ/cm2
あることが好ましい。 【0309】赤外線レーザにより露光した後、本発明の
画像記録材料は、好ましくは、水又はアルカリ性水溶液
にて現像される。現像液として、アルカリ性水溶液を用
いる場合、本発明の画像記録材料の現像液及び補充液と
しては、従来公知のアルカリ水溶液が使用できる。例え
ば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニ
ウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が
挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられ
る。これらのアルカリ剤は単独又は2種以上を組み合わ
せて用いられる。 【0310】さらに、自動現像機を用いて現像する場合
には、現像液と同じものまたは、現像液よりもアルカリ
強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによ
って、長時間現像タンク中の現像液を交換することな
く、多量の平版印刷版用原版を処理できることが知られ
ている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用
される。現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現
像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目
的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤等を添加
できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カ
チオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられ
る。好ましい有機溶剤としてはベンジルアルコール等が
挙げられる。また、ポリエチレングリコール若しくはそ
の誘導体、又はポリプロピレングリコール若しくはその
誘導体等の添加も好ましい。また、アラビット、ソルビ
ット、マンニット等の非還元糖を添加することもでき
る。 【0311】さらに、現像液及び補充液には必要に応じ
て、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸または亜硫酸
水素酸のナトリウム塩およびカリウム塩等の無機塩系還
元剤、さらに有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加
えることもできる。このような界面活性剤、有機溶剤及
び還元剤等を含有する現像液としては、例えば、特開昭
51−77401号に記載されている、ベンジルアルコ
ール、アニオン性界面活性剤、アルカリ剤及び水からな
る現像液組成物、特開昭53−44202号に記載され
ている、ベンジルアルコール、アニオン性界面活性剤、
及び水溶性亜硫酸塩を含む水性溶液からなる現像液組成
物、特開昭55−155355号に記載されている、水
に対する溶解度が常温において10重量%以下である有
機溶剤、アルカリ剤、及び水を含有する現像液組成物等
が挙げられ、本発明においても好適に使用される。 【0312】以上記述した現像液及び補充液を用いて現
像処理された印刷版は、水洗水、界面活性剤等を含有す
るリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化
液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷用版材
として使用する場合の後処理としては、これらの処理を
種々組み合わせて用いることができる。近年、製版・印
刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷用
版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現
像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材
を搬送する装置と各処理液槽とスプレー装置とからな
り、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで
汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現
像処理するものである。また、最近は処理液が満たされ
た処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材
を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このよ
うな自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間
等に応じて補充液を補充しながら処理することができ
る。また、電気伝導度をセンサーにて感知し、自動的に
補充することもできる。また、実質的に未使用の処理液
で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。 【0313】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61
−2518号、同55−28062号、特開昭62−3
1859号、同61−159655号の各公報に記載さ
れているような整面液で処理することが好ましい。その
方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂
綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たした
バット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コー
ターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でス
キージ又はスキージローラーで、その塗布量を均一にす
ることは、より好ましい結果を与える。 【0314】整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8
g/m2(乾燥重量)が適当である。整面液が塗布され
た平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニング
プロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販
売されているバーニングプロセッサー:BP−130
0)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時
間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、18
0〜300℃の範囲で1〜20分間の範囲が好ましい。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適
宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている処理を施こ
すことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整
面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感
脂化処理を省略することができる。このような処理によ
って得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけら
れ、多数枚の印刷に用いられる。 【0315】(溶媒、塗布など)各種感光性組成物は、
前述のそれぞれに適した溶剤或いはそれらを混合したも
のに溶かして支持体のアルミニウム板上に塗布される。 【0316】塗布方法としては、種々の方法を用いるこ
とができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、
スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナ
イフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることが
できる。 〔支持体〕本発明に使用される平版印刷版用原版の支持
体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定
な板状物が挙げられ、例えば、紙、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)
がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラ
ミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチッ
クフィルム等が含まれる。 【0317】本発明の支持体としては、ポリエステルフ
ィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法
安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に
好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板
及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合
金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸
着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム
合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。 【0318】本発明において特に好適なアルミニウム
は、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウ
ムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を
含有するものでもよい。 【0319】このように本発明に適用されるアルミニウ
ム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より
公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用すること
ができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みは
およそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.1
5mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.
3mmである。 【0320】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処
理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、
種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化
する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び
化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラ
スト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いること
ができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又
は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。
また、特開昭54−63902号公報に開示されている
ように両者を組み合わせた方法も利用することができ
る。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応
じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所
望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸
化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用
いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種
々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、
蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。そ
れらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決めら
れる。 【0321】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であ
ったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、
印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚
れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アル
ミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発
明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,7
14,066号、同第3,181,461号、第3,2
80,734号及び第3,902,734号に開示され
ているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナ
トリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持
体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電
解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開
示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第
3,276,868号、同第4,153,461号、同
第4,689,272号に開示されているようなポリビ
ニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。 【0322】本発明に適用される平版印刷版用原版は、
支持体の一面上に感光層を設けたものであるが、必要に
応じて支持体と感光層との間に下塗層を設けることがで
きる。 【0323】下塗層成分としては種々の有機化合物が用
いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキス
トリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸な
どのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有しても
よいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキ
ルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホ
ン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、
置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン
酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン
酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフ
チルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロ
ホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−
アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミン
の塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等
から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。 【0324】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、
メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混
合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニ
ウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノ
ール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤
もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解さ
せた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸
着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗
層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化
合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方
法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は
0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%
であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜5
0℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは
2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、
トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質
や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の
範囲に調整することもできる。また、画像記録材料の調
子再現性改良のために黄色染料を添加することもでき
る。 【0325】有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/
2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2であ
る。上記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な
耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大
きくても同様である。 【0326】 【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲はこれらによって限定さ
れるものではない。 (支持体基板の作製)厚み0.3mmのアルミニウム板
(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄して脱脂
した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス−水
懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく洗浄し
た。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に
9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに20
%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て
表面のエッチング量は約3g/m 2 であった。次にこの
板を7%硫酸を電解液として電流密度15A/dm2
3g/m2 の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗し、乾
燥し、さらに、下記下塗り液を塗布し、塗膜を90℃で
1分乾燥した。乾燥後の塗膜の塗布量は10mg/m2
であった。 【0327】 <下塗り液組成> ・β−アラニン 0.5g ・メタノール 95g ・水 5g 【0328】〔実施例1〕得られた基板の裏面に、以下
の組成の共重合ポリマー水溶液を固形分濃度20%にし
静電エアータイプのスプレーで塗布し、60℃で5秒間
乾燥した。 【0329】 (支持体基板裏面塗布共重合ポリマー組成) ・メチルメタアクリレート 68重量% ・エチルアクリレート 20重量% ・アクリル酸ソーダ 12重量% 【0330】樹脂層の塗布量は、0.1g/m2、10
0個/mm2の液滴の数があり、乾燥後の樹脂層の高さ
は平均3μ、マットの幅は平均70μであった。 【0331】支持体基板の表面には、以下の感光液A1
を塗布し、100℃で2分間乾燥して、(A)層を形成
した。乾燥後の塗布量は1.4g/m2であった。その
後、以下の感光液B1を塗布し、100℃で2分間乾燥
して、(B)層を形成し、平版印刷版用原版を得た。乾
燥後の感光液の合計塗布量は2.0g/m2であった。 【0332】 (感光液A1) ・共重合体1 (下記共重合物) 0.75g ・シアニン染料A 0.04g ・p−トルエンスルホン酸 0.002g ・テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g ・ビクトリアピュアブルー(BOHの対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸 アニオンにした染料) 0.015g ・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、 大日本インキ化学工業(株 )製) 0.02g ・γ−ブチルラクトン 8g ・メチルエチルケトン 7g ・ 1−メトキシ−2−プロパノール 7g 【0333】 【化36】 【0334】 (感光液B1) ・m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、 重量平均分子量4000) 0.25g ・シアニン染料A 0.05g ・ステアリン酸n−ドデシル 0.02g ・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.05g ・メチルエチルケトン 7g ・1−メトキシ−2−プロパノール 7g 【0335】(共重合体1の合成)攪拌機、冷却管及び
滴下ロートを備えた500ml三ツ口フラスコにメタク
リル酸31.0g(0.36モル)、クロロギ酸エチル
39.1g(0.36モル)及びアセトニトリル200
mlを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。
この混合物にトリエチルアミン36.4g(0.36モ
ル)を約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下
終了後、氷水浴をとり去り、室温下で30分間混合物を
攪拌した。 【0336】この反応混合物に、p−アミノベンゼンス
ルホンアミド51.7g(0.30モル)を加え、油浴
にて70℃に温めながら混合物を1時間攪拌した。反応
終了後、この混合物を水1リットルにこの水を攪拌しな
がら投入し、30分間得られた混合物を攪拌した。この
混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500m
lでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られ
た固体を乾燥することによりN−(p−アミノスルホニ
ルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた
(収量46.9g)。 【0337】次に攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備え
た100ml三ツ口フラスコに、N−(p−アミノスル
ホニルフェニル)メタクリルアミド5.04g(0.0
210モル)、メタクリル酸エチル2.05g(0.0
180モル)、アクリロニトリル1.11g(0.02
1モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド20gを入
れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌し
た。この混合物に「V−65」(和光純薬(株)製)
0.15gを加え65℃に保ちながら窒素気流下2時間
混合物を攪拌した。この反応混合物にさらにN−(p−
アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド5.04
g、メタクリル酸エチル2.05g、アクリロニトリル
1.11g、N,N−ジメチルアセトアミド20g及び
「V−65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロ
ートにより滴下した。滴下終了後さらに65℃で2時間
得られた混合物を攪拌した。反応終了後メタノール40
gを混合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2リッ
トルにこの水を攪拌しながら投入し、30分混合物を攪
拌した後、析出物をろ過により取り出し、乾燥すること
により15gの白色固体を得た。ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーによりこの共重合体1の重量平均分
子量(ポリスチレン標準)を測定したところ53,00
0であった。 【0338】得られた平版印刷版用原版を後述する比較
用の2種類のサンプルとまったく同様に以下のテストを
実施した。すなわち、製造機の搬送工程をシミュレート
して、裏面にニトリルゴムからなる2本のガイドロール
と、ステンレス製のガイドロールを50m/分のスピー
ドで接触させながら搬送させた後、合い紙として普通紙
を丁寧に印刷版の表面に被せた。これを10枚連続に行
い丁寧に重ね合わせた。これを常温/暗所に10日間放
置後、出力500mW、波長830nm、ビーム径17
μm(1/e2)の半導体レーザーを用いて主走査速度
5m/秒にて露光した後、富士フイルム社(株)製現像
液DP−4、リンス液FR−3(1:7)を仕込んだ自
動現像機(富士フイルム(株):「PS−プロセッサー
900VR」)を用いて、現像した。 【0339】次いで、DP−4(1:8)を用いて現像
した平版印刷版を使って、ヘイデルベルク社製のハイデ
ルKOR−D機で上質紙に1000枚印刷した。100
0枚目の印刷物を25倍拡大ルーペを用いて注意深く非
画像部の細かな汚れと画像部分にキズおよびベタ部の欠
落が発生していないか評価した。こすれによる画像部の
キズはシャープで、またベタ部の欠落は塵や埃による点
状あるいは曲線状であることから判別は容易に行える。
評価結果を表−1に示す。 【0340】[品質評価基準]評価はルーペを使って行
い、以下の評価基準で行った。 【0341】 (非画像部汚れ) まったく汚れが見当たらない ○ ルーペでやっとキズが見える △ ルーペなしでも見える × (画像部キズ) まったくルーペでも見当たらない ○ ルーペでやっと見える △ ルーペなしでも見える × (ベタ部欠落) まったくルーペで見当たらない ○ ルーペでやっと見える △ ルーペなしでも見える × 【0342】〔比較例1〕実施例1の支持体基板裏面に
マットを設けなかった以外は実施例1と同様にして平版
印刷版用原版を得た。評価結果を表−1に示す。 【0343】〔比較例2〕実施例1の支持体基板裏面に
マットを作製したと同じ時期に、マットの代わりに、下
記の処方でバックコート層を設けた以外は実施例1と同
様にして平版印刷版用原版を得た。評価結果を表−1に
示す。 【0344】(バックコート層処方)飽和ポリエステル
(東レ製KS203)をメチルエチルケトンに15%溶
液となるように溶解し、これを裏面にバー塗布によっ
て、乾燥塗布量1g/m2になるように塗布し、80℃
で2分間乾燥した。 【0345】 【表1】 【0346】〔実施例2〕実施例1と同様の基板及び基
板裏面にマットを設けた支持体基板に,実施例1におい
て用いた感光液A1のみを塗布し、100℃で2分間乾
燥して、感光層を形成した。乾燥後の塗布量は2.0g
/m2であった。得られた平版印刷版用原版を後述する
比較用の2種類のサンプルとまったく同様に実施例1と
同様のテストを実施した。評価結果を表−2に示す。 【0347】〔比較例3〕実施例2の支持体基板裏面に
マットを設けなかった以外は実施例2と同様にして平版
印刷版用原版を得た。評価結果を表−2に示す。 【0348】〔比較例4〕実施例2の支持体基板裏面に
マットを作製したと同じ時期に、マットの代わりに、下
記の処方でバックコート層を設けた以外は実施例2と同
様にして平版印刷版用原版を得た。評価結果を表−2に
示す。 【0349】(バックコート層処方)飽和ポリエステル
(東レ製KS203)をメチルエチルケトンに15%溶
液となるように溶解し、これを裏面にバー塗布によっ
て、乾燥塗布量1g/m2になるように塗布し、80℃
で2分間乾燥した。 【0350】 【表2】 【0351】〔実施例3〕 (支持体基板の作製)厚さ0.30mmのアルミニウム
板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水
懸濁液とをその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄し
た。10%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬し
てエッチングした後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗
浄し、次いで水洗した。これをVA=12.7Vの条件
下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で
160クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処
理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.6μ
(Ra表示)であった。引き続いて30%の硝酸水溶液
中に浸漬し55℃で2分間デスマットした後、20%硫
酸水溶液中、電流密度2A/dm2において陽極酸化皮
膜の量が2.7g/m2になるように2分間陽極酸化処
理した。 【0352】このように処理されたアルミニウム板上
に、下記組成の光重合性組成物を乾燥塗布重量が1.4
g/m2となるように塗布し、80℃2分間乾燥させ感
光層を形成させた。 【0353】 (感光層塗布液組成) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.0g ・アリルメタアクリレート/メタクリル酸共重合体 2.0g (共重合モル比80/20) ・3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン 0.5g ・下記化合物 0.06g ・メチルエチルケトン 20g ・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20g 【0354】 【化37】 【0355】この感光層上にポリビニルアルコール(ケ
ン化度98モル%、重合度1000)の3重量%の水溶
液を乾燥塗布重量が2g/m2になるように塗布し、1
00℃/2分間乾燥させて感光材料を調製した。 【0356】得られた支持体基板の裏面に、下記の組成
のポリマーラテックス分散液を固形分濃度25%にして
市販のエアータイプのスプレーで塗布し、60℃で40
秒間乾燥した。 【0357】 (支持体基板裏面塗布液組成) ・スチレンブタジエン共重合体ラテックス(Tg=32℃) 10g (濃度40%水分散液) ・カゼイン 0.5g 【0358】樹脂の塗布量は、0.04g/m2、80
個/mm2の液滴の数があり、乾燥後の樹脂層の高さは
平均2μ、マットの幅は55μであった。 【0359】得られた平版印刷版用原版を後述する比較
用2種類のサンプルとまったく同様に以下のテストを実
施した。すなわち、製造機の搬送工程を実施例1とまっ
たく同様にシミュレートして、合い紙を挟んだ状態で1
0枚丁寧に重ね合わせた。これを実施例1と同様に常温
/暗所に10日間放置後、以下のように露光/現像/印
刷を行った。タングステンランプを光源とし、Arイオ
ンレーザー光(波長488nm)に相当する光をケンコ
ー光学フィルター(kenko optical filter)BP−49
を通して得た。この光を100%不透過で5cm四方
(25cm2)の穴を中心部に空けたプラスチックマス
クを感光層と非接触の状態で使用して露光を行った。露
光部分の照射エネルギーは0.4mJであった。現像
は、下記の現像液に25℃、1分間浸漬して行った。 【0360】 (現像液組成) ・1Kケイ酸カリウム 30g ・水酸化カリウム 15g ・C1225−C64−O−C64−SO3Na 3g ・水 1000g 【0361】次いで、実施例1とまったく同様にハイデ
ルベルク社製のハイデルKOR−D印刷機上で上質紙に
1000枚の印刷を行った。実施例1とまったく同様に
1000枚の印刷物の「非画像部汚れ」と[画像キズ」
の評価を行った。評価結果を表3に示す。 〔比較例5〕実施例2の支持体基板裏面にマットを設け
なかった以外は実施例2と同様にして平版印刷版用原版
を得た。評価結果を表3に示す。 〔比較例6〕実施例2の支持体基板裏面にマットを作製
したと同じ時期に、マットの代わりに、下記の処方でバ
ックコート層を設けた以外は実施例2と同様にして平版
印刷版用原版を得た。評価結果を表3に示す。 【0362】 (バックコート層処方) ・飽和ポリエステル樹脂(東レ社製KS203) 15g ・シリカゾル 2g ・メチルエチルケトン 100g 【0363】アルミニウム支持体の裏面上に、これをバ
ー塗布にて乾燥塗布量1g/m2になるように塗布し、
80℃で2分間乾燥した。 【0364】 【表3】 【0365】 【発明の効果】本発明の平版印刷版用原版は、アルミニ
ウム支持体の感光層塗布面とは反対側の裏面にマットを
設けることによって、塵や埃による問題を回避し、しか
も感光層表面を平版印刷版用原版裏面の硬いアルミニウ
ムから受けるキズの発生を抑制した平版印刷版用原版を
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AB03 AC01 AC08 AD01 AD03 BA03 BC32 BC42 BC51 BE00 BE01 CA01 CA39 CA41 CB29 CB45 CB52 CC20 DA18 DA40 FA10 FA17 2H096 AA07 BA03 BA05 BA16 BA20 CA20 EA02 EA04 GA08 2H114 AA04 AA14 AA23 AA29 BA02 BA10 DA04 DA41 EA02 EA06 GA01 GA34

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルミニウム支持体上に、レーザー感光
    性である感光層を有する平版印刷版用原版であって、該
    感光層と反対面の該支持体上にマットを有することを特
    徴とする平版印刷版用原版。
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