JP2003059046A - 記録方法および記録装置 - Google Patents

記録方法および記録装置

Info

Publication number
JP2003059046A
JP2003059046A JP2001249076A JP2001249076A JP2003059046A JP 2003059046 A JP2003059046 A JP 2003059046A JP 2001249076 A JP2001249076 A JP 2001249076A JP 2001249076 A JP2001249076 A JP 2001249076A JP 2003059046 A JP2003059046 A JP 2003059046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
pulse
power level
width
time width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001249076A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikari Shimofuku
光 下福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001249076A priority Critical patent/JP2003059046A/ja
Publication of JP2003059046A publication Critical patent/JP2003059046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化型光記録媒体に対する情報の記録また
は書き換えに際して、記録品質の向上を図ることができ
るようにする。 【解決手段】 相変化型光記録媒体2に対する光学的な
情報の記録または書き換えを、パルス幅変調(PWM:p
ulse width modulation)させた記録波によってマルチス
ピード方式で行う記録装置1で、変調後の信号幅がnT
である1信号の記録または書き換えをパルス部fp、マ
ルチパルス部mp、パルス部epを有する記録波パルス
列記録波によって行い、パルス部fpの時間幅をx、パ
ルス部epの時間幅をzとした場合に、時間幅xと時間
幅zとの関係がx≧2zを満たすようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化型記録媒体
に対して情報の記録または書き換えを行うための記録方
法および記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報量の増大化に伴って、例え
ば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)や
CD−R(Compact Disc Recordable)等の大容量の情報
記録メディアが広く普及している。これらのCD−RO
MやCD−Rとの互換が取りやすいことから、CD−R
W(Compact Disc ReWritable)等の相変化型光記録媒体
が開発され、汎用されてきている。相変化型光記録媒体
は、1996年10月に発行されたオレンジブックパー
トIII(ver1.0)に準じて線速度2倍での記録(2.4
〜2.8m/s)に対する規格が決められている。
【0003】このような相変化型光記録媒体に対して、
情報の記録、再生あるいは書き換えを高密度で行うこと
ができる光ディスク装置も、普及してきている。
【0004】例えば、特開平9−138947号公報や
特開平9−219021号公報には、相変化型光記録媒
体に対して光学的に情報の記録または書き換えを行う際
に、発光素子の出力パワーをパルス幅変調(PWM:pul
se width modulation)させて、変調後の信号幅がnT
(Tはクロック時間)である0信号の記録または書き換え
をパワーレベルeの連続光である記録波によって行い、
変調後の信号幅がnTである1信号の記録または書き換
えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させ
て記録マークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録
層を昇温させて記録マークの中間部を形成させるマルチ
パルス部mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を
形成させるパルス部epを有するパルス列である記録波
によって行い、x,y,zを0.5T≦x≦2.0T、
0.4≦y≦0.6、0.5T≦z≦1.0Tとし、n’を
n’≦nの正の整数とし(a及びc)≧e≧(b及び
d)とするようにした記録方法および記録装置について
の技術が開示されている。ここで、パルス部fpの時間
幅がx、パルス部fpのパワーレベルがa、マルチパル
ス部mpの低レベルパルスのパワーレベルがb、マルチ
パルス部mpの高レベルパルスのパワーレベルがc、マ
ルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベ
ルcとのデューティー比がy、マルチパルス部mpにお
けるパワーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰
返し単位の時間幅がT、マルチパルス部mpにおけるパ
ワーレベルbとパワーレベルcとの繰返し回数がn−
n’、パルス部epの時間幅がz、パルス部epのパワ
ーレベルがdとされている。
【0005】同公報に開示された技術によれば、オーバ
ーライトをすることによる繰り返し記録に際して記録信
号の品質の安定化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、同公報に開
示された技術を線速度が可変とされているマルチスピー
ド方式の記録装置へ適用する場合、例えば、パルス部f
p、マルチパルス部mp、パルス部epが4倍線速度で
記録できるように設定されている状況下で、8倍線速度
あるいは10倍線速度の記録を行うと、信号品質の低下
が生じる。
【0007】このような不都合は、記録に限るものでは
なく、例えば、4倍線速度で情報が記録されている部分
を10倍線速度で書き換えた(オーバーライトした)場
合、あるいは、10倍線速度で情報が記録されている部
分を4倍線速度でオーバーライトした場合等のように、
異なる記録線速度によるオーバーライトでも同様に生じ
る。
【0008】また、このような不都合は、CLV(Const
ant Liner Velocity)方式で情報が記録されている部分
をCAV(Constant Angular Velocity)方式でオーバー
ライトした場合、あるいは、CAV方式で情報が記録さ
れている部分をCLV方式でオーバーライトした場合等
のように、異なる記録方式によるオーバーライトでも生
じる。
【0009】加えて、同公報に開示された技術では、時
間幅x,y,zを、それぞれ、0.5T≦x≦2.0T、
0.4≦y≦0.6、0.5T≦z≦1.0Tの範囲内に設
定するため、線速度が低くなり、記録動作の高速化が困
難である。
【0010】本発明は、線速度の変動に左右されること
なく、相変化型光記録媒体に対する情報の記録または書
き換えの信号品質の向上を図ることができる記録方法お
よび記録装置を得ることを目的とする。
【0011】本発明は、記録方式の相違に依存すること
なく、相変化型光記録媒体に対する情報の記録または書
き換えの信号品質の向上を図ることができる記録方法お
よび記録装置を得ることを目的とする。
【0012】本発明は、相変化型光記録媒体に対する情
報の記録または書き換えの信号品質の向上および高速化
を図ることができる記録方法および記録装置を得ること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の記
録方法は、相変化型光記録媒体に対する光学的な情報の
記録または書き換えをマルチスピード方式で行う記録装
置の発光素子の出力パワーをパルス幅変調(PWM:pul
se width modulation)させて、変調後の信号幅がnT
(Tはクロック時間)である0信号の記録または書き換え
をパワーレベルeの連続光である記録波によって行い、
変調後の信号幅がnTである1信号の記録または書き換
えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させ
て記録マークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録
層を昇温させて記録マークの中間部を形成させるマルチ
パルス部mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を
形成させるパルス部epを有するパルス列である記録波
によって行い、前記パルス部fpの時間幅をx、前記パ
ルス部fpのパワーレベルをa、前記マルチパルス部m
pの低レベルパルスのパワーレベルをb、前記マルチパ
ルス部mpの高レベルパルスのパワーレベルをc、前記
マルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレ
ベルcとのデューティー比をy、前記マルチパルス部m
pにおけるパワーレベルbとパワーレベルcとの合計で
ある繰返し単位の時間幅をT、前記マルチパルス部mp
におけるパワーレベルbとパワーレベルcとの繰返し回
数をn−n’、前記パルス部epの時間幅をz、前記パ
ルス部epのパワーレベルをdとした場合に、前記時間
幅x,y,z、前記パワーレベルa,b,c,d,e、
およびn、n’の関係が、0.5T≦x≦2.0T、0.
125≦y≦0.875、0≦n’、n’≦n(n’,
n:整数)、0.125T≦z≦1.0T、a,c≧e≧
b,d、x≧2zを満たすようにした。
【0014】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上に設定されるため、情
報の書き換えに際して既に記録されている情報を消去す
る場合には、融点以上に昇温された相変化型光記録媒体
の記録層を徐冷することができる。ここで、パルス部f
pの時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定
されるため、例えば、高速記録等に際して、回転数が調
整されることによる線速度の変動に左右されることがな
い。情報の記録または書き換えに際しては、マルチパル
ス部mpにおけるデューティー比yを調整することで、
線速度に左右されることなく、記録部と未記録部との境
界を明確化することができる。これによって、オーバー
ライト特性の向上を図ることができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の記
録方法において、前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
が、2z≦x<3zを満たすようにした。
【0016】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上3倍未満に設定される
ため、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に長い時
間、融点以上に昇温されることを防止することができ
る。これにより、初期記録に際してランドジッタが増加
することを抑制することができる。これによって、オー
バーライトを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化す
ることを抑制してオーバーライト特性の向上をより効果
的に図ることができる。
【0017】請求項3記載の発明の記録方法は、一定の
回転数で回転駆動される相変化型光記録媒体に対して光
学的に情報の記録または書き換えを行う記録装置の発光
素子の出力パワーをパルス幅変調(PWM:pulse width
modulation)させて、変調後の信号幅がnT(Tはクロ
ック時間)である0信号の記録または書き換えをパワー
レベルeの連続光である記録波によって行い、変調後の
信号幅がnTである1信号の記録または書き換えを相変
化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させて記録マ
ークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録層を昇温
させて記録マークの中間部を形成させるマルチパルス部
mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を形成させ
るパルス部epを有するパルス列である記録波によって
行い、前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部f
pのパワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レ
ベルパルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部m
pの高レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパ
ルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcと
のデューティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけ
るパワーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返
し単位の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおける
パワーレベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−
n’、前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部e
pのパワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,
y,z、前記パワーレベルa,b,c,d,e、および
n、n’の関係が、0.5T≦x≦2.0T、0.125
≦y≦0.875、0≦n’、n’≦n(n’,n:整
数)、0.125T≦z≦1.0T、a,c≧e≧b,
d、x≧2zを満たすようにした。
【0018】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上に設定されるため、情
報の書き換えに際して既に記録されている情報を消去す
る場合には、融点以上に昇温された相変化型光記録媒体
の記録層を徐冷することができる。ここで、パルス部f
pの時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定
されるため、相変化型光記録媒体に対する発光素子の半
径方向の移動に伴う線速度の変動に左右されることがな
い。情報の記録または書き換えに際しては、マルチパル
ス部mpにおけるデューティー比yを調整することで、
線速度に左右されることなく、記録部と未記録部との境
界を明確化することができる。これによって、オーバー
ライト特性の向上を図ることができる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項3記載の記
録方法において、前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
が、2z≦x<3zを満たすようにした。
【0020】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上3倍未満に設定される
ため、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に長い時
間、融点以上に昇温されることを防止することができ
る。これにより、初期記録に際してランドジッタが増加
することを抑制することができる。これによって、オー
バーライトを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化す
ることを抑制してオーバーライト特性の向上をより効果
的に図ることができる。
【0021】請求項5記載の発明の記録装置は、記録可
能な相変化型記録媒体に照射する光を発する発光素子
と、相変化型光記録媒体を回転駆動させる回転駆動手段
と、前記発光素子と前記回転駆動手段とによる前記相変
化型光記録媒体に対する光学的な情報の記録または書き
換えをマルチスピード方式で行うマルチ記録制御手段
と、前記マルチ記録制御手段による情報の記録または書
き換えに際して前記発光素子から発する光をパルス幅変
調(PWM:pulse width modulation)する変調手段と、
を備え、前記変調手段による変調後の信号幅がnT(T
はクロック時間)である0信号の記録または書き換えを
パワーレベルeの連続光である記録波によって行い、前
記変調手段による変調後の信号幅がnTである1信号の
記録または書き換えを相変化型光記録媒体の記録層を融
点以上に昇温させて記録マークの先頭部を形成させるパ
ルス部fp、記録層を昇温させて記録マークの中間部を
形成させるマルチパルス部mp、記録層を冷却させて記
録マークの後端を形成させるパルス部epを有するパル
ス列である記録波によって行い、前記パルス部fpの時
間幅をx、前記パルス部fpのパワーレベルをa、前記
マルチパルス部mpの低レベルパルスのパワーレベルを
b、前記マルチパルス部mpの高レベルパルスのパワー
レベルをc、前記マルチパルス部mpにおけるパワーレ
ベルbとパワーレベルcとのデューティー比をy、前記
マルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレ
ベルcとの合計である繰返し単位の時間幅をT、前記マ
ルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベ
ルcとの繰返し回数をn−n’、前記パルス部epの時
間幅をz、前記パルス部epのパワーレベルをdとした
場合に、前記時間幅x,y,z、前記パワーレベルa,
b,c,d,e、およびn、n’の関係が、0.5T≦
x≦2.0T、0.125≦y≦0.875、0≦n’、
n’≦n(n’,n:整数)、0.125T≦z≦1.0
T、a,c≧e≧b,d、x≧2zを満たすようにし
た。
【0022】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上に設定されるため、情
報の書き換えに際して既に記録されている情報を消去す
る場合には、融点以上に昇温された相変化型光記録媒体
の記録層を徐冷することができる。ここで、パルス部f
pの時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定
されるため、例えば、高速記録等に際して、回転数が調
整されることによる線速度の変動に左右されることがな
い。情報の記録または書き換えに際しては、マルチパル
ス部mpにおけるデューティー比yを調整することで、
線速度に左右されることなく、記録部と未記録部との境
界を明確化することができる。これによって、オーバー
ライト特性の向上を図ることができる。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項5記載の記
録装置において、前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
が、2z≦x<3zを満たすようにした。
【0024】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上3倍未満に設定される
ため、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に長い時
間、融点以上に昇温されることを防止することができ
る。これにより、初期記録に際してランドジッタが増加
することを抑制することができる。これによって、オー
バーライトを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化す
ることを抑制してオーバーライト特性の向上をより効果
的に図ることができる。
【0025】請求項7記載の発明の記録装置は、記録可
能な相変化型記録媒体に照射する光を発する発光素子
と、相変化型光記録媒体を回転駆動する回転駆動手段
と、前記発光素子と前記回転駆動手段とによる前記相変
化型光記録媒体に対する光学的な情報の記録または書き
換えをCAV方式で行うCAV記録制御手段と、前記マ
ルチ記録制御手段による情報の記録または書き換えに際
して前記発光素子から発する光をパルス幅変調(PW
M:pulse width modulation)する変調手段と、を備
え、前記変調手段による変調後の信号幅がnT(Tはク
ロック時間)である0信号の記録または書き換えをパワ
ーレベルeの連続光である記録波によって行い、前記変
調手段による変調後の信号幅がnTである1信号の記録
または書き換えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以
上に昇温させて記録マークの先頭部を形成させるパルス
部fp、記録層を昇温させて記録マークの中間部を形成
させるマルチパルス部mp、記録層を冷却させて記録マ
ークの後端を形成させるパルス部epを有するパルス列
である記録波によって行い、前記パルス部fpの時間幅
をx、前記パルス部fpのパワーレベルをa、前記マル
チパルス部mpの低レベルパルスのパワーレベルをb、
前記マルチパルス部mpの高レベルパルスのパワーレベ
ルをc、前記マルチパルス部mpにおけるパワーレベル
bとパワーレベルcとのデューティー比をy、前記マル
チパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベル
cとの合計である繰返し単位の時間幅をT、前記マルチ
パルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルc
との繰返し回数をn−n’、前記パルス部epの時間幅
をz、前記パルス部epのパワーレベルをdとした場合
に、前記時間幅x,y,z、前記パワーレベルa,b,
c,d,e、およびn、n’の関係が、0.5T≦x≦
2.0T、0.125≦y≦0.875、0≦n’、n’
≦n(n’,n:整数)、0.125T≦z≦1.0T、
a,c≧e≧b,d、x≧2zを満たすようにした。
【0026】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上に設定されるため、情
報の書き換えに際して既に記録されている情報を消去す
る場合には、融点以上に昇温された相変化型光記録媒体
の記録層を徐冷することができる。ここで、パルス部f
pの時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定
されるため、相変化型光記録媒体に対する発光素子の半
径方向の移動に伴う線速度の変動に左右されることがな
い。情報の記録または書き換えに際しては、マルチパル
ス部mpにおけるデューティー比yを調整することで、
線速度に左右されることなく、記録部と未記録部との境
界を明確化することができる。これによって、オーバー
ライト特性の向上を図ることができる。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項7記載の記
録装置において、前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
が、2z≦x<3zを満たすようにした。
【0028】したがって、パルス部fpの時間幅xがパ
ルス部epの時間幅zの2倍以上3倍未満に設定される
ため、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に長い時
間、融点以上に昇温されることを防止することができ
る。これにより、初期記録に際してランドジッタが増加
することを抑制することができる。これによって、オー
バーライトを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化す
ることを抑制してオーバーライト特性の向上をより効果
的に図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
1ないし図5を参照して説明する。本実施の形態は、相
変化型光記録媒体への情報の記録または書き換えをマル
チスピード方式で行う記録装置として光ディスク装置へ
の適用例を示す。
【0030】図1は、本実施の形態の一実施の形態の光
ディスク装置の構成を概略的に示すブロック図である。
光ディスク装置1は、スピンドルモータを駆動すること
によりCD−R(Compact Disk Recordable)等の相変化
型光記録媒体2(図2参照)を回転駆動させる回転駆動手
段としての駆動部3と、駆動部3によって回転駆動され
る相変化型光記録媒体2に対して照射するレーザー光を
発する発光素子としての図示しない光源を備える記録再
生用ピックアップ4とを備えている。
【0031】公知の技術であるため説明を省略するが、
マルチスピード方式での情報の記録または書き換えに際
して、駆動部3、記録再生用ピックアップ4を駆動制御
するマルチ記録制御手段を備えている。
【0032】ここで、図2は、光ディスク装置1で使用
する相変化型光記録媒体2を概略的に示す縦断面図であ
る。相変化型光記録媒体2は、幅が0.30〜0.55μ
m、深さが300〜550Åに設定された図示しない案
内溝(グルーブ)が、一面側に形成された基板5を備えて
いる。本実施の形態の基板5は、厚さは1.2mmとさ
れたポリカーボネート樹脂により形成されている。ポリ
カーボネート樹脂により基板5を形成することで、成型
性、光学特性、コストの点で、優れた特性を付与するこ
とができる。
【0033】なお、本実施の形態では、案内溝(グルー
ブ)の幅を0.30〜0.55μm、深さを300〜55
0Åに設定したが、これに限るものではない。また、基
板5を形成する材料として、成型性、光学特性、コスト
の点で優れているポリカーボネート樹脂を用いたが、基
板5を形成する材料はポリカーボネート樹脂に限るもの
ではない。
【0034】基板5の案内溝(グルーブ)が形成されてい
る面側には、第1保護層6、記録層7、第2保護層8、
反射放熱層9が、順次積層されている。
【0035】第1保護層6および第2保護層8を形成す
る材料としては、SiO,SiO,ZnO,Sn
,Al,TiO,In,MgO,Z
rO等の金属酸化物、Si,AlN,TiN,
BN,ZrNなどの窒化物、ZnS,In,Ta
等の硫化物、SiC,TaC,BC,WC,Ti
C,ZrCなどの炭化物やダイヤモンド状カーボン、あ
るいは、それらの混合物があげられる。第1保護層6お
よび第2保護層8は、公知の技術であるスパッタリング
法を用いて形成されている。これによって、量産性、膜
質等に優れた相変化型光記録媒体2を得ることができ
る。
【0036】第1保護層6の膜厚は、65〜130nm
の範囲内に設定されている。これにより、反射率への影
響力を抑制して、780nmと650nmの再生波長で
CD−RWディスクの規格である反射率0.15〜0.2
5を満足することができる。
【0037】第2保護層8の膜厚は、20〜40nmの
範囲内に設定されている。これにより、情報の記録、再
生および書き換え(以降、オーバーライトという)に際し
ての耐熱性や感度、および、オーバーライト等による繰
り返して上書き記録する(以降、オーバーライトという)
場合の信号品質の向上を図ることができる。
【0038】記録層7の膜厚は、14〜25nmの範囲
内に設定されている。これにより、ジッタ等の初期特
性、オーバーライト特性、量産効率の向上を図ることが
できる。また、本実施の形態の記録層7は、スパッタリ
ング法を用いて形成されている。これによって、量産性
に適した記録層を得ることができる。また、均一な厚さ
の記録層を得ることができるので、膜質の向上を図るこ
とができる。
【0039】記録層7としては、Ag,In,Sb,T
eを含む4元系の相変化形記録材料を主成分として含有
する材料が適している。記録層7としてAg,In,S
b,Teを含む4元系の相変化形記録材料を主成分とし
て含有する材料を用いることにより、記録(アモルファ
ス化)感度・速度、消去(結晶化)感度・速度、および、
消去比を極めて良好に保つことができる。また、Ag,
In,Sb,Teを含む4元系元素の組成比を調整する
ことによって、最適な記録線速度を取得するとともに、
信号の再生安定性や信号の寿命を総合的に満足させるこ
とができる。
【0040】ここで、Agの組成比(原子%)をα、In
の組成比(原子%)をβ、Sbの組成比(原子%)をγ、T
eの組成比(原子%)をδとした場合、Ag,In,S
b,Teを含む4元系元素の組成比は、下記数式で示さ
れる条件を満たすように設定されている。
【0041】 0.1≦α≦7.0 ・・・(1) 1≦β≦9 ・・・(2) 61≦γ≦75 ・・・(3) 22≦δ≦30 ・・・(4)
【0042】これによって、信号の再生に際しての安定
性や信号の寿命の向上を図ることができる。
【0043】また、記録層7には、Ga,Zn,Sn,
Si,Pb,Co,Cr,Cu,Ge,Au,Pd,P
t,S,Se,Ta,Nb,V,Bi,Zr,Ti,A
l,Mn,Mo,Rh,C,N,Oから選ばれた少なく
とも一種類以上の元素が添加されている。これにより、
非晶質マークの結晶化を抑制することができる。非晶質
マークの結晶化を抑制することにより、信号の再生安定
性や信号の寿命を向上させることができる。
【0044】非晶質マークの結晶化の抑制のメカニズム
としては、これらの元素がAgInSbTeの空間的隙
間に入ったり化学結合を形成したりすることで、AgI
nSbTeと化合物または合金を形成するために、非晶
質マークの結晶化が抑制されると考えられている。
【0045】記録層7に添加されるGa,Zn,Sn,
Si,Pb,Co,Cr,Cu,Ge,Au,Pd,P
t,S,Se,Ta,Nb,V,Bi,Zr,Ti,A
l,Mn,Mo,Rh,C,N,Oは、添加剤と考える
ことが可能である。添加剤としては、上述した理由か
ら、C,N,O,Si,Sn,Geのように原子半径が
小さい元素、あるいは、AgInSbTeとの化学結合
力が大きいまたは化学結合手が多い元素が効果的であ
る。
【0046】さらに、初期化時に必要な反射率を取得す
るために、SbとTeの組成の関係は、下記の式を満た
す範囲内に設定されている。
【0047】γ+δ≧88 ・・・(5)
【0048】実験により、上式の条件を満たす場合に
は、初期化時に必要な反射率に到達することが見出され
ている。これにより、線速度が高速になた場合に重要と
なる反射率、特に初期化時の反射率を確保することがで
きる。
【0049】本実施の形態では、第1保護層6、記録層
7、第2保護層8をスパッタリング法を用いて形成した
が、これに限るものではなく、例えば、各種気相成長法
によって第1保護層6、記録層7、第2保護層8を形成
するようにしてもよい。
【0050】第2保護層8の記録層7と反対側に形成さ
れた反射放熱層9は、膜厚が100〜160nmの範囲
内に設定されている。反射放熱層9としては、Al,A
u,Ag,Cu,Ta,Ti,Wなどの金属材料、また
はそれらの合金などを用いることができる。また、反射
放熱層9に添加する添加元素としては、Cr,Ti,S
i,Cu,Ag,Pd,Taなどが使用される。反射放
熱層9は、各種気相成長法によって形成することができ
る。
【0051】反射放熱層9の第2保護層8と反対側に
は、オーバーコート層10が積層されている。オーバー
コート層10を設けることにより、反射放熱層9の酸化
を防止することができる。本実施の形態のオーバーコー
ト層10は、スピンコート法により塗布した紫外線硬化
樹脂に紫外線を照射することで、厚さが3〜15μmの
範囲内となるように形成されている。これにより、情報
の記録再生に際して、エラーの増大防止や機械特性の向
上を図ることができる。
【0052】なお、本実施の形態の形態では、オーバー
コート層10として紫外線硬化樹脂を用いたが、これに
限るものではない。
【0053】オーバーコート層10の反射放熱層9と反
対側には、印刷層11が積層されている。印刷層11
は、例えば、スクリーン印刷等によって形成されてい
る。
【0054】加えて、基板5の第1保護層6と反対側に
は、ハードコート層12が積層されている。ハードコー
ト層12を設けることにより、耐擦傷性の向上を図るこ
とができる。本実施の形態のハードコート層12は、ス
ピンコート法により塗布した紫外線硬化樹脂に紫外線を
照射することで、厚さが2〜6μmの範囲内となるよう
に形成されているこれにより、耐擦傷性が向上し、機械
特性の向上を図ることができる。ハードコート層12に
は、必要に応じて導電性の材料を混入させることで、帯
電防止を図り、埃等の付着を防止することができる。
【0055】上述の相変化型光記録媒体2に照射するレ
ーザー光を発する記録再生用ピックアップ4の光源は、
記録パワー設定回路13により設定される最適記録パワ
ーのレーザー光を出力するように、レーザー駆動回路1
4によって駆動制御される。
【0056】加えて、光ディスク装置1は、変調信号波
の振幅に応じてPWM(pulse widthmodulation)方式で
記録信号を変調する変調手段としての図示しない変調部
を備えている。本実施の形態の変調部は、上述した相変
化型光記録媒体2への情報の記録に適したEFM(Eight
-to-Fourteen modulation)変調方式、あるいは、その改
良変調方式を用いて、記録すべき信号をクロックを用い
て変調する。
【0057】変調部によって変調された記録信号に基づ
いて、変調後の信号幅がnT(Tはクロック時間)である
0信号の記録またはオーバーライトを行う場合、記録再
生用ピックアップ4は、パワーレベルeの連続光である
記録波を照射する。
【0058】変調部によって変調された記録信号に基づ
いて、変調後の信号幅がnTである1信号の記録または
オーバーライトを行う場合、記録再生用ピックアップ4
は、パルス部fp、マルチパルス部mp、パルス部ep
を有するパルス列の記録波を照射する。
【0059】パルス部fpにおける記録波は、相変化型
光記録媒体2の記録層7を融点以上に昇温させて記録マ
ークの先頭部を形成させる。マルチパルス部mpにおけ
る記録波は、記録層7を昇温させて記録マークの中間部
を形成させる。パルス部epにおける記録波は、記録層
7を冷却させて記録マークの後端を形成させる。
【0060】情報の記録またはオーバーライトに際して
は、相変化型光記録媒体2に対してパルス部fpの記録
パワーが照射されると、相変化型光記録媒体2の記録層
7が融点以上に昇温される。融点以上に昇温された記録
層7にマルチパルス部mpの記録パワーが照射される
と、マルチパルス部mpにおける時間幅zに応じた長さ
を有する記録マークの中間部が形成される。パルス部e
pの記録パワーが照射されると、融点以上に昇温された
記録層7が冷却されて、記録マークの後端が形成され
る。
【0061】公知の技術であるが、融点以上に昇温され
てアモルファス状態にある記録層7は、急冷されること
によりアモルファス状態のまま固体化してアモルファス
部を形成する。このアモルファス部が、記録マークとさ
れる。
【0062】本実施の形態の光ディスク装置1は、情報
の記録またはオーバーライトをマルチスピード方式で行
うことから、線速度の変動に応じて、マルチパルス部m
pのデューティー比yを調整する。
【0063】ここで、図3は、記録再生用ピックアップ
4が光源から出射するレーザー光の記録波パルス列を示
す波形図である。図3(a)は変調後の信号幅が3T(n
=3)である記録信号を示している。図3(b)は、n=
3,n’=1の場合の記録波パルス列を示している。図
3(c)は、n=3,n’=2の場合の記録波パルス列を
示している。図3(d)は、n=3,n’=3の場合の記
録波パルス列を示している。パルス部fpの時間幅を
x、パルス部fpのパワーレベルをa、マルチパルス部
mpの低レベルパルスのパワーレベルをb、マルチパル
ス部mpの高レベルパルスのパワーレベルをc、マルチ
パルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルc
とのデューティー比をy、マルチパルス部mpにおける
パワーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し
単位の時間幅をT、マルチパルス部mpにおけるパワー
レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
パルス部epの時間幅をz、パルス部epのパワーレベ
ルをdとした場合、本実施の形態の記録再生用ピックア
ップ4は、時間幅x,y,z、パワーレベルa,b,
c,d,e、およびn、n’の関係が、以下の式によっ
て表わされる条件を満たすような範囲内に設定されてい
る。
【0064】 0.5T≦x≦2.0T ・・・(6) 0.125≦y≦0.875 ・・・(7) 0≦n’ ・・・(8) n’≦n(n’,n:整数) ・・・(9) 0.125T≦z≦1.0T ・・・(10) a,c≧e≧b,d ・・・(11) 2z≦x<3z ・・・(12)
【0065】(12)式からも判るように、パルス部fp
の時間幅xがパルス部epの時間幅zの2倍以上、か
つ、3倍未満に設定されている。
【0066】従来、例えば、回転数が調整されることに
よって線速度が変動して高速化されている場合、融点以
上に昇温された相変化型光記録媒体2の記録層7を徐冷
することができず、アモルファス状態のまま固体化して
しまうことがあった。このため、既に記録されている情
報が消去しきれずに残存してしまう不都合があった。
【0067】本実施の形態では、(12)式からも判るよ
うに、パルス部fpの時間幅xがパルス部epの時間幅
zの2倍以上に設定されているため、融点以上に昇温さ
れた相変化型光記録媒体2の記録層7を徐冷することが
できる。これによって、情報のオーバーライトに際し
て、既に記録されている情報が消去しきれずに残存する
ことを防止することができ、オーバーライト特性の向上
を図ることができる。ここで、オーバーライト特性と
は、相変化型光記録媒体2で既に情報が記録されている
部分を別の情報に書き換えた(オーバーライトした)場合
に、オーバーライトされた信号の品質の良/不良を意味
する。
【0068】同様に、公知の技術であるが、融点以上に
昇温されてアモルファス状態にある記録層7は、徐冷さ
れることにより結晶化する。この状態は、記録層7の初
期化状態と同じであるため、何の情報も記録されていな
いこととなる。
【0069】ところで、PWM記録方式では、相変化型
光記録媒体2の記録層7への情報の記録またはオーバー
ライトに際して、記録マークのエッジ部に情報を持たせ
る。
【0070】このときに、記録層7上の記録部(アモル
ファス部)と未記録部(結晶部)との境界が不明確であっ
たり、本来記録部となるべき箇所が結晶化されてしまう
ことによって情報が消去されたりすると、信号品質が低
下する。
【0071】また、パルス部fpの時間幅xが過剰に大
きい場合には、初期のアシンメトリが深くなるため、パ
ルス部fpの時間幅xが、パルス部epの時間幅zの2
倍以上という条件を満たしていても、オーバーライトを
多数繰り返すごとに信号品質が低下する。
【0072】本実施の形態では、パルス部fpの時間幅
xが、パルス部epの時間幅zの2倍以上3倍未満に設
定することで、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に
長い時間、融点以上に昇温されることを防止することが
できる。これによって、初期記録に際して、ランドジッ
タが増加することによる記録部と未記録部とのバランス
が崩れることを抑制することができ、オーバーライトを
繰返し行った場合にも、信号品質の低下を抑制してオー
バーライト特性の向上をより効果的に図ることができ
る。
【0073】また、パルス部fpの時間幅xは、パルス
部epの時間幅zに応じて設定されるため、例えば、高
速記録等に際して、回転数が調整されることによる線速
度の変動に左右されることがない。これによって、マル
チスピード記録を行うことが可能な記録装置に適用し
て、情報の記録またはオーバーライトの高速化を図るこ
とができる。
【0074】回転数が調整されることによって線速度が
変動した場合には、情報の記録またはオーバーライトに
際して、マルチパルス部mpにおけるデューティー比y
を記録線速度に応じて増減させて記録線速度と記録パワ
ーとのバランスを調整するので、線速度に左右されるこ
となく、記録部と未記録部との境界を明確化することが
できる。
【0075】これによって、ジッタの発生を抑制して、
記録品質の向上を図ることができるマルチスピード記録
方式の光ディスク装置を提供することができる。
【0076】従来のマルチスピード記録を行う光ディス
ク装置1では、パルス部fpとパルス部epとのバラン
スが一定とされていることから、線速度が低い場合には
記録層7に対して過剰な記録パワーが加わって記録層7
における記録すべき部分以外の部分に対して熱が伝導さ
れて信号品質に影響を与えたり、逆に、線速度が高い場
合には記録すべき部分に対して記録パワーが十分に加え
られずに記録パワーが不足してしまったりするという不
都合があった。
【0077】本実施の形態では、線速度に応じてマルチ
パルス部mpのデューティー比yを調整することで、記
録線速度と記録パワーとのバランスを取ることができ
る。また、上述したように、記録層7の主成分をAg,
In,Sb,Teとする相変化型光記録媒体2を用いる
ことで、記録層7の熱物性を記録波にマッチングさせる
ことができ、記録線速度と記録パワーとのバランスをよ
り最適値に設定することができる。
【0078】このように、記録線速度に応じて、マルチ
パルス部mpのデューティー比yを調整することで、情
報の記録あるいはオーバーライトをマルチスピード方式
で行う場合にも、記録信号の品質の向上を図ることがで
きる。
【0079】加えて、情報の記録に際して記録層7の溶
融、急冷を伴う相変化型光記録媒体2では、記録層7の
溶融、急冷のバランスの点から、記録パルスのmpのデ
ューティー比が0.5近傍であることが、種々の信号品
質、オーバーライトに有利であることが判っている。
【0080】このことから、情報の記録あるいはオーバ
ーライトをマルチスピード方式で行う光ディスク装置1
では、マルチパルス部mpのデューティー比が0.5と
なる記録パルス波形を、マルチスピード記録可能な光デ
ィスク装置の高速記録側、望ましくは最高記録線速度に
設定に設定することで、実用上より信頼性の高い記録を
行うことができる。
【0081】ここで、具体例として、1倍速が1.2m
/sに設定された光ディスク装置1で、相変化型光情報
記録媒体2としてCD−RWを用いて、4倍速、8倍
速、10倍速記録といったマルチスピードで記録を行っ
た場合の、記録パルス波形の変化について説明する。図
4は、記録パルス波形を例示する波形図である。ここで
は、図4(b)に示すように、8倍速として記録線速度
9.6m/sでCD−RWに対して情報の記録を行う場
合のマルチパルス部mpのデューティー比を0.5に設
定している。
【0082】図4(a)は、4倍速として記録線速度4.
8m/sで、CD−RWに対する情報の記録を行った場
合のパルス波形図を示している。4倍速として4.8m
/sという比較的低い線速度で記録を行う場合には、マ
ルチパルス部mpのデューティー比を0.625とし
て、mpの記録パルスを細くするとともに、マルチパル
ス部mpの冷却時間を長くするようにしている。これに
よって、余分な熱ダメージを軽減するとともに、エッジ
の位置ずれの少ないマークを記録することができる。
【0083】図4(c)は、10倍速として記録線速度1
2.0m/sで、CD−RWに対する情報の記録を行っ
た場合のパルス波形図を示している。10倍速として1
2.0m/sで記録を行う場合、マルチパルス部mpの
デューティー比yを0.375として、mp部の記録パ
ルスを太くするとともに、冷却時間を短くするようにし
ている。これによって、12.0m/sの高速で記録を
行う場合にも、記録膜に相変化できるだけのエネルギー
を与えることができるようになり、また、高速のためマ
ルチパルス部mpの冷却時間が短くても記録層を急冷す
ることができる。これによって、記録線速度が高速であ
っても、エッジの位置ずれの少ないマークを記録するこ
とができる。
【0084】なお、本実施の形態では、マルチスピード
記録を行う光ディスク装置1について説明したが、線速
度の変動に対応して記録あるいはオーバーライトに際し
ての信号品質を向上させるという点から、CAV方式で
の記録あるいはオーバーライトを行う光ディスク装置へ
適用することもできる。CAV方式を採用する光ディス
ク装置である場合にも、機械特性により線速度が高速と
なる相変化型光記録媒体2の外周側での、マルチパルス
部mpのデューティー比を0.5に設定することによ
り、良好な信号品質を維持することができる。
【0085】この光ディスク装置では、内周4.8m/
s、外周12.0m/sのCAV記録にも対応すること
ができる。
【0086】
【実施例】ここでは、上述の光ディスク装置1を用い
て、以下に示す相変化型光記録媒体2に情報の記録を行
った場合と、従来の光ディスク装置を用いて相変化型光
記録媒体に情報の記録を行った場合とにおけるオーバー
ライト特性の違いを比較する。
【0087】光ディスク装置1は、波長780nmに設
定された光源と、開口数NAが0.5に設定された記録
再生用ピックアップ4を用いた。記録信号は、EFM変
調された入力信号とする。
【0088】相変化型光記録媒体2は、基板5として幅
0.5μm、深さ35nmの案内溝(ウォブル)を有する
厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製の基板5を用
いた。
【0089】第1保護層6および第2保護層8には、Z
nSSiO2を用いている。第1保護層6の厚さ(膜厚)
は90nm、第2保護層8の厚さ(膜厚)は30nmとさ
れている。
【0090】記録層7の組成はAg1.0In7.5Sb
66.5Te25.0とされ、厚さ(膜厚)は18nmとさ
れている。記録層7は、大口径のLDを有する図示しな
い初期化装置によって、全面が結晶化処理されている。
【0091】反射放熱層9に、厚さ140nmのアルミ
ニウム合金によって形成されている。
【0092】この基板5上に積層される第1保護層6、
記録層7、第2保護層8および反射放熱層9は、それぞ
れスパッタリング法により形成されている。
【0093】オーバーコート層10、ハードコート層1
2は、ともに、紫外線硬化樹脂によって、スピンコート
法を用いて形成されている。オーバーコート層10上に
は、印刷層11が印刷によって形成されている。
【0094】このような相変化型光記録媒体2に対し
て、光ディスク装置1の記録線速度を12.0m/sと
し、マルチパルス部mpのデューティー比yを0.5に
設定した状態で、パルス部fp、パルス部epを表1に
記載の時間幅にそれぞれ調整した各記録パルス波によっ
て記録を行った。
【0095】
【表1】
【0096】図5は、それぞれのパルス部fpおよびパ
ルス部epを表1に示す各時間幅に設定して記録した信
号を1.2m/sで再生した結果を示している。
【0097】図5からも判るように、実施例1、2で
は、ランドジッタおよびマークジッタともに、オーバー
ライトを繰返し行った場合にも大きく変動することがな
く、比較例1と比較して明らかに品質の向上が見られ
る。これによって、オーバーライト特性の向上が図られ
ていることが判る。
【0098】より詳細には、比較例1に記載のfp部の
時間幅xを0.92Tから実施例1に記載の1.00Tへ
延伸することにより、オーバーライト時の3Tジッタが
良好になることが判る。
【0099】さらに、比較例1に記載のfp部の時間幅
xを0.92Tから実施例2の時間幅xを1.17Tへ延
伸し、op部の時間幅zを0.50Tから0.42Tへ短
縮したところ、オーバーライト時の3Tジッタが、より
改善されていることが判る。具体的に、比較例1におけ
るオーバーライト1回後および1000回後のジッタは
それぞれ40ns、51nsであるのに対し、実施例2
におけるオーバーライト1回後および1000回後のジ
ッタはそれぞれ27ns、33nsと良好であった。よ
ってx≧2zの時、オーバーライト特性に効果的である
ことが判る。
【0100】また、本実施の形態の光ディスク装置で
は、複数のオーバーライトを行った場合にも極端に信号
品質が低下することがない。
【0101】次に、光ディスク装置1の記録線速度を1
2.0m/sとし、マルチパルス部mpのデューティー
比yを0.5に設定した状態で、パルス部fp、パルス
部epを表2に記載の時間幅にそれぞれ調整した各記録
パルス波によって記録を行った。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】表3は、その結果を示している。表3から
も判るように、op部の時間幅zを0.42Tとし、実
施例2、3および比較例2、3に記載の通り、fp部の
時間幅xを1.17Tから1.25T、1.33T、1.4
2Tと徐々に延伸したときの初期3Tジッタとアシンメ
トリとの値を示している。
【0105】比較例2のように、時間幅xを1.33T
とした場合から、アシンメトリの値が−10以下と深く
なった。また比較例3のように時間幅xを1.42Tに
した場合、3Tランドジッタと3Tマークジッタとの差
が大きく広がった。これによって、時間幅xが時間幅z
の3倍未満である場合に、初期記録特性に効果があるこ
とが判る。
【0106】
【発明の効果】請求項1記載の発明の記録方法によれ
ば、相変化型光記録媒体に対する光学的な情報の記録ま
たは書き換えをマルチスピード方式で行う記録装置の発
光素子の出力パワーをパルス幅変調(PWM:pulse wid
th modulation)させて、変調後の信号幅がnT(Tはク
ロック時間)である0信号の記録または書き換えをパワ
ーレベルeの連続光である記録波によって行い、変調後
の信号幅がnTである1信号の記録または書き換えを相
変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させて記録
マークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録層を昇
温させて記録マークの中間部を形成させるマルチパルス
部mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を形成さ
せるパルス部epを有するパルス列である記録波によっ
て行い、前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部
fpのパワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低
レベルパルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部
mpの高レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチ
パルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルc
とのデューティー比をy、前記マルチパルス部mpにお
けるパワーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰
返し単位の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおけ
るパワーレベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn
−n’、前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部
epのパワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,
y,z、前記パワーレベルa,b,c,d,e、および
n、n’の関係が、0.5T≦x≦2.0T、0.125
≦y≦0.875、0≦n’、n’≦n(n’,n:整
数)、0.125T≦z≦1.0T、a,c≧e≧b,
d、x≧2zを満たすようにして、パルス部fpの時間
幅xをパルス部epの時間幅zの2倍以上に設定するこ
とで、情報の書き換えに際して既に記録されている情報
を消去する場合に、融点以上に昇温された相変化型光記
録媒体の記録層を徐冷することができるので、情報が消
去しきれずに残存することを防止して、書き換えた信号
品質の向上を図ることができる。ここで、パルス部fp
の時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定さ
れるため、線速度の変動に左右されることがないので、
マルチスピード方式で情報の記録または書き換えを行う
記録装置での情報の記録または書き換えの高速化を図る
ことができる。加えて、情報の記録または書き換えに際
しては、マルチパルス部mpにおけるデューティー比y
を調整することで、線速度に左右されることなく、記録
部と未記録部との境界を明確化することができるので、
ジッタの発生を抑制して、記録品質の向上を図ることが
できる。
【0107】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の記録方法において、前記時間幅xと前記時間幅zと
の関係が、2z≦x<3zを満たすようにして、パルス
部fpの時間幅xをパルス部epの時間幅zの2倍以上
3倍未満に設定することで、相変化型光記録媒体の記録
層が、過剰に長い時間、融点以上に昇温されることを防
止することができるので、初期記録に際してランドジッ
タが増加することによる記録部と未記録部とのバランス
が崩れることを抑制することができる。これによって、
書き換えを繰返し行った場合にも、信号品質が低下する
ことを抑制して、書き換えた信号品質の向上をより効果
的に図ることができる。
【0108】請求項3記載の発明の記録方法によれば、
一定の回転数で回転駆動される相変化型光記録媒体に対
して光学的に情報の記録または書き換えを行う記録装置
の発光素子の出力パワーをパルス幅変調(PWM:pulse
width modulation)させて、変調後の信号幅がnT(T
はクロック時間)である0信号の記録または書き換えを
パワーレベルeの連続光である記録波によって行い、変
調後の信号幅がnTである1信号の記録または書き換え
を相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させて
記録マークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録層
を昇温させて記録マークの中間部を形成させるマルチパ
ルス部mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を形
成させるパルス部epを有するパルス列である記録波に
よって行い、前記パルス部fpの時間幅をx、前記パル
ス部fpのパワーレベルをa、前記マルチパルス部mp
の低レベルパルスのパワーレベルをb、前記マルチパル
ス部mpの高レベルパルスのパワーレベルをc、前記マ
ルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベ
ルcとのデューティー比をy、前記マルチパルス部mp
におけるパワーレベルbとパワーレベルcとの合計であ
る繰返し単位の時間幅をT、前記マルチパルス部mpに
おけるパワーレベルbとパワーレベルcとの繰返し回数
をn−n’、前記パルス部epの時間幅をz、前記パル
ス部epのパワーレベルをdとした場合に、前記時間幅
x,y,z、前記パワーレベルa,b,c,d,e、お
よびn、n’の関係が、0.5T≦x≦2.0T、0.1
25≦y≦0.875、0≦n’、n’≦n(n’,n:
整数)、0.125T≦z≦1.0T、a,c≧e≧b,
d、x≧2zを満たすようにして、パルス部fpの時間
幅xをパルス部epの時間幅zの2倍以上に設定するこ
とで、情報の書き換えに際して既に記録されている情報
を消去する場合には、融点以上に昇温された相変化型光
記録媒体の記録層を徐冷することができるので、情報が
消去しきれずに残存することを防止して、書き換えた信
号品質の向上を図ることができる。ここで、パルス部f
pの時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定
されるため、情報の記録方式は相変化型光記録媒体に対
する発光素子の半径方向の移動に伴って線速度が変動す
るCAV方式であっても線速度の変動を伴わないCLV
方式であってもよく、これによって記録方式の相違に依
存することがない。特に、線速度の変動に左右されない
ことから、回転速度の制御が容易なCAV記録を行う記
録装置での情報の記録または書き換えの高速化を図るこ
とができる。加えて、情報の記録または書き換えに際し
ては、マルチパルス部mpにおけるデューティー比yを
調整することで、線速度に左右されることなく、記録部
と未記録部との境界を明確化することができるので、ジ
ッタの発生を抑制して、記録品質の向上を図ることがで
きる。
【0109】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の記録方法において、前記時間幅xと前記時間幅zと
の関係が、2z≦x<3zを満たすようにして、パルス
部fpの時間幅xをパルス部epの時間幅zの2倍以上
3倍未満に設定することで、相変化型光記録媒体の記録
層が、過剰に長い時間、融点以上に昇温されることを防
止することができるので、初期記録に際してランドジッ
タが増加することによる記録部と未記録部とのバランス
が崩れることを抑制することができる。これによって、
書き換えを繰返し行った場合にも、信号品質が低下する
ことを抑制して、書き換えた信号品質の向上をより効果
的に図ることができる。
【0110】請求項5記載の発明の記録装置によれば、
記録可能な相変化型記録媒体に照射する光を発する発光
素子と、相変化型光記録媒体を回転駆動させる回転駆動
手段と、前記発光素子と前記回転駆動手段とによる前記
相変化型光記録媒体に対する光学的な情報の記録または
書き換えをマルチスピード方式で行うマルチ記録制御手
段と、前記マルチ記録制御手段による情報の記録または
書き換えに際して前記発光素子から発する光をパルス幅
変調(PWM:pulse width modulation)する変調手段
と、を備え、前記変調手段による変調後の信号幅がnT
(Tはクロック時間)である0信号の記録または書き換え
をパワーレベルeの連続光である記録波によって行い、
前記変調手段による変調後の信号幅がnTである1信号
の記録または書き換えを相変化型光記録媒体の記録層を
融点以上に昇温させて記録マークの先頭部を形成させる
パルス部fp、記録層を昇温させて記録マークの中間部
を形成させるマルチパルス部mp、記録層を冷却させて
記録マークの後端を形成させるパルス部epを有するパ
ルス列である記録波によって行い、前記パルス部fpの
時間幅をx、前記パルス部fpのパワーレベルをa、前
記マルチパルス部mpの低レベルパルスのパワーレベル
をb、前記マルチパルス部mpの高レベルパルスのパワ
ーレベルをc、前記マルチパルス部mpにおけるパワー
レベルbとパワーレベルcとのデューティー比をy、前
記マルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワー
レベルcとの合計である繰返し単位の時間幅をT、前記
マルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレ
ベルcとの繰返し回数をn−n’、前記パルス部epの
時間幅をz、前記パルス部epのパワーレベルをdとし
た場合に、前記時間幅x,y,z、前記パワーレベル
a,b,c,d,e、およびn、n’の関係が、0.5
T≦x≦2.0T、0.125≦y≦0.875、0≦
n’、n’≦n(n’,n:整数)、0.125T≦z≦
1.0T、a,c≧e≧b,d、x≧2zを満たすよう
にして、パルス部fpの時間幅xをパルス部epの時間
幅zの2倍以上に設定することで、情報の書き換えに際
して既に記録されている情報を消去する場合に、融点以
上に昇温された相変化型光記録媒体の記録層を徐冷する
ことができるので、情報が消去しきれずに残存すること
を防止して、書き換えた信号品質の向上を図ることがで
きる。ここで、パルス部fpの時間幅xは、パルス部e
pの時間幅zに応じて設定されるため、線速度の変動に
左右されることがないので、マルチスピード方式で情報
の記録または書き換えを行う記録装置での情報の記録ま
たは書き換えの高速化を図ることができる。加えて、情
報の記録または書き換えに際しては、マルチパルス部m
pにおけるデューティー比yを調整することで、線速度
に左右されることなく、記録部と未記録部との境界を明
確化することができるので、ジッタの発生を抑制して、
記録品質の向上を図ることができる。
【0111】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の記録装置において、前記時間幅xと前記時間幅zと
の関係が、2z≦x<3zを満たすようにして、パルス
部fpの時間幅xをパルス部epの時間幅zの2倍以上
3倍未満に設定することで、相変化型光記録媒体の記録
層が、過剰に長い時間、融点以上に昇温されることを防
止することができるので、初期記録に際してランドジッ
タが増加することによる記録部と未記録部とのバランス
が崩れることを抑制することができる。これによって、
書き換えを繰返し行った場合にも、信号品質が低下する
ことを抑制して、書き換えた信号品質の向上をより効果
的に図ることができる。
【0112】請求項7記載の発明の記録装置によれば、
記録可能な相変化型記録媒体に照射する光を発する発光
素子と、相変化型光記録媒体を回転駆動する回転駆動手
段と、前記発光素子と前記回転駆動手段とによる前記相
変化型光記録媒体に対する光学的な情報の記録または書
き換えをCAV方式で行うCAV記録制御手段と、前記
マルチ記録制御手段による情報の記録または書き換えに
際して前記発光素子から発する光をパルス幅変調(PW
M:pulse width modulation)する変調手段と、を備
え、前記変調手段による変調後の信号幅がnT(Tはク
ロック時間)である0信号の記録または書き換えをパワ
ーレベルeの連続光である記録波によって行い、前記変
調手段による変調後の信号幅がnTである1信号の記録
または書き換えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以
上に昇温させて記録マークの先頭部を形成させるパルス
部fp、記録層を昇温させて記録マークの中間部を形成
させるマルチパルス部mp、記録層を冷却させて記録マ
ークの後端を形成させるパルス部epを有するパルス列
である記録波によって行い、前記パルス部fpの時間幅
をx、前記パルス部fpのパワーレベルをa、前記マル
チパルス部mpの低レベルパルスのパワーレベルをb、
前記マルチパルス部mpの高レベルパルスのパワーレベ
ルをc、前記マルチパルス部mpにおけるパワーレベル
bとパワーレベルcとのデューティー比をy、前記マル
チパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベル
cとの合計である繰返し単位の時間幅をT、前記マルチ
パルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルc
との繰返し回数をn−n’、前記パルス部epの時間幅
をz、前記パルス部epのパワーレベルをdとした場合
に、前記時間幅x,y,z、前記パワーレベルa,b,
c,d,e、およびn、n’の関係が、0.5T≦x≦
2.0T、0.125≦y≦0.875、0≦n’、n’
≦n(n’,n:整数)、0.125T≦z≦1.0T、
a,c≧e≧b,d、x≧2zを満たすようにして、パ
ルス部fpの時間幅xをパルス部epの時間幅zの2倍
以上に設定することで、情報の書き換えに際して既に記
録されている情報を消去する場合に、融点以上に昇温さ
れた相変化型光記録媒体の記録層を徐冷することができ
るので、情報が消去しきれずに残存することを防止し
て、書き換えた信号品質の向上を図ることができる。こ
こで、パルス部fpの時間幅xは、パルス部epの時間
幅zに応じて設定されるため、情報の記録方式は相変化
型光記録媒体に対する発光素子の半径方向の移動に伴っ
て線速度が変動するCAV方式であっても線速度の変動
を伴わないCLV方式であってもよく、これによって記
録方式の相違に依存することがない。特に、線速度の変
動に左右されないことから、回転速度の制御が容易なC
AV記録を行う記録装置での情報の記録または書き換え
の高速化を図ることができる。加えて、情報の記録また
は書き換えに際しては、マルチパルス部mpにおけるデ
ューティー比yを調整することで、線速度に左右される
ことなく、記録部と未記録部との境界を明確化すること
ができるので、ジッタの発生を抑制して、記録品質の向
上を図ることができる。
【0113】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の記録装置において、前記時間幅xと前記時間幅zと
の関係が、2z≦x<3zを満たすようにして、パルス
部fpの時間幅xをパルス部epの時間幅zの2倍以上
3倍未満に設定することで、相変化型光記録媒体の記録
層が、過剰に長い時間、融点以上に昇温されることを防
止することができるので、初期記録に際してランドジッ
タが増加することによる記録部と未記録部とのバランス
が崩れることを抑制することができる。これによって、
書き換えを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化する
ことを抑制して、書き換えた信号品質の向上をより効果
的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の一実施の形態の光ディスク装置
の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】光ディスク装置で使用する相変化型光記録媒体
を概略的に示す縦断面図である。
【図3】記録再生用ピックアップが光源から出射するレ
ーザー光の記録波パルス列を示す波形図である。
【図4】記録パルス波形を例示する波形図である。
【図5】オーバーライト回数とランドジッタまたはマー
クジッタとの関係を示す相関図である。
【符号の説明】
1 記録装置 2 相変化型光記録媒体 3 回転駆動手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相変化型光記録媒体に対する光学的な情
    報の記録または書き換えをマルチスピード方式で行う記
    録装置の発光素子の出力パワーをパルス幅変調(PW
    M:pulse width modulation)させて、 変調後の信号幅がnT(Tはクロック時間)である0信号
    の記録または書き換えをパワーレベルeの連続光である
    記録波によって行い、 変調後の信号幅がnTである1信号の記録または書き換
    えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させ
    て記録マークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録
    層を昇温させて記録マークの中間部を形成させるマルチ
    パルス部mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を
    形成させるパルス部epを有するパルス列である記録波
    によって行い、 前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部fpのパ
    ワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レベルパ
    ルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部mpの高
    レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパルス部
    mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcとのデュ
    ーティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけるパワ
    ーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し単位
    の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおけるパワー
    レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
    前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部epのパ
    ワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,y,z、
    前記パワーレベルa,b,c,d,e、およびn、n’
    の関係が、 0.5T≦x≦2.0T、 0.125≦y≦0.875、 0≦n’、 n’≦n(n’,n:整数)、 0.125T≦z≦1.0T、 a,c≧e≧b,d、 x≧2z を満たすようにした記録方法。
  2. 【請求項2】 前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
    が、 2z≦x<3z を満たすようにした請求項1記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 一定の回転数で回転駆動される相変化型
    光記録媒体に対して光学的に情報の記録または書き換え
    を行う記録装置の発光素子の出力パワーをパルス幅変調
    (PWM:pulse width modulation)させて、 変調後の信号幅がnT(Tはクロック時間)である0信号
    の記録または書き換えをパワーレベルeの連続光である
    記録波によって行い、 変調後の信号幅がnTである1信号の記録または書き換
    えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させ
    て記録マークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録
    層を昇温させて記録マークの中間部を形成させるマルチ
    パルス部mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を
    形成させるパルス部epを有するパルス列である記録波
    によって行い、 前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部fpのパ
    ワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レベルパ
    ルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部mpの高
    レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパルス部
    mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcとのデュ
    ーティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけるパワ
    ーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し単位
    の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおけるパワー
    レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
    前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部epのパ
    ワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,y,z、
    前記パワーレベルa,b,c,d,e、およびn、n’
    の関係が、 0.5T≦x≦2.0T、 0.125≦y≦0.875、 0≦n’、 n’≦n(n’,n:整数)、 0.125T≦z≦1.0T、 a,c≧e≧b,d、 x≧2z を満たすようにした記録方法。
  4. 【請求項4】 前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
    が、 2z≦x<3z を満たすようにした請求項3記載の記録方法。
  5. 【請求項5】 記録可能な相変化型記録媒体に照射する
    光を発する発光素子と、 相変化型光記録媒体を回転駆動させる回転駆動手段と、 前記発光素子と前記回転駆動手段とによる前記相変化型
    光記録媒体に対する光学的な情報の記録または書き換え
    をマルチスピード方式で行うマルチ記録制御手段と、 前記マルチ記録制御手段による情報の記録または書き換
    えに際して前記発光素子から発する光をパルス幅変調
    (PWM:pulse width modulation)する変調手段と、を
    備え、 前記変調手段による変調後の信号幅がnT(Tはクロッ
    ク時間)である0信号の記録または書き換えをパワーレ
    ベルeの連続光である記録波によって行い、前記変調手
    段による変調後の信号幅がnTである1信号の記録また
    は書き換えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に
    昇温させて記録マークの先頭部を形成させるパルス部f
    p、記録層を昇温させて記録マークの中間部を形成させ
    るマルチパルス部mp、記録層を冷却させて記録マーク
    の後端を形成させるパルス部epを有するパルス列であ
    る記録波によって行い、 前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部fpのパ
    ワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レベルパ
    ルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部mpの高
    レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパルス部
    mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcとのデュ
    ーティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけるパワ
    ーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し単位
    の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおけるパワー
    レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
    前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部epのパ
    ワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,y,z、
    前記パワーレベルa,b,c,d,e、およびn、n’
    の関係が、 0.5T≦x≦2.0T、 0.125≦y≦0.875、 0≦n’、 n’≦n(n’,n:整数)、 0.125T≦z≦1.0T、 a,c≧e≧b,d、 x≧2z を満たすようにした記録装置。
  6. 【請求項6】 前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
    が、 2z≦x<3z を満たすようにした請求項5記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 記録可能な相変化型記録媒体に照射する
    光を発する発光素子と、 相変化型光記録媒体を回転駆動する回転駆動手段と、 前記発光素子と前記回転駆動手段とによる前記相変化型
    光記録媒体に対する光学的な情報の記録または書き換え
    をCAV方式で行うCAV記録制御手段と、 前記マルチ記録制御手段による情報の記録または書き換
    えに際して前記発光素子から発する光をパルス幅変調
    (PWM:pulse width modulation)する変調手段と、を
    備え、 前記変調手段による変調後の信号幅がnT(Tはクロッ
    ク時間)である0信号の記録または書き換えをパワーレ
    ベルeの連続光である記録波によって行い、前記変調手
    段による変調後の信号幅がnTである1信号の記録また
    は書き換えを相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に
    昇温させて記録マークの先頭部を形成させるパルス部f
    p、記録層を昇温させて記録マークの中間部を形成させ
    るマルチパルス部mp、記録層を冷却させて記録マーク
    の後端を形成させるパルス部epを有するパルス列であ
    る記録波によって行い、 前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部fpのパ
    ワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レベルパ
    ルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部mpの高
    レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパルス部
    mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcとのデュ
    ーティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけるパワ
    ーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し単位
    の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおけるパワー
    レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
    前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部epのパ
    ワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,y,z、
    前記パワーレベルa,b,c,d,e、およびn、n’
    の関係が、 0.5T≦x≦2.0T、 0.125≦y≦0.875、 0≦n’、 n’≦n(n’,n:整数)、 0.125T≦z≦1.0T、 a,c≧e≧b,d、 x≧2z を満たすようにした記録装置。
  8. 【請求項8】 前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
    が、 2z≦x<3z を満たすようにした請求項7記載の記録装置。
JP2001249076A 2001-08-20 2001-08-20 記録方法および記録装置 Pending JP2003059046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249076A JP2003059046A (ja) 2001-08-20 2001-08-20 記録方法および記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249076A JP2003059046A (ja) 2001-08-20 2001-08-20 記録方法および記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003059046A true JP2003059046A (ja) 2003-02-28

Family

ID=19078132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001249076A Pending JP2003059046A (ja) 2001-08-20 2001-08-20 記録方法および記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003059046A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6757232B2 (en) Method of recording and reproducing information and apparatus for recording and reproducing information using the method
US7382706B2 (en) Method for controlling a multi-pulse record waveform at high velocity in a phase change optical medium
US7417930B2 (en) Optical recording method
US7336580B2 (en) Optical recording method, optical recorder, and optical recording medium
JP4063978B2 (ja) 情報記録方法
US7260044B2 (en) Recording method for a phase-change optical recording medium
US20050105438A1 (en) Optical information recording method and optical information recording apparatus
EP1418574A2 (en) Information recording apparatus and information recording method
JP3740151B2 (ja) 光記録方法及び光記録装置
TWI246070B (en) Recording apparatus and recording method
JP3847151B2 (ja) 相変化型光情報記録媒体の記録方法及び記録装置
JP3866598B2 (ja) 光情報記録方法および媒体
JP2003059046A (ja) 記録方法および記録装置
JP2002264515A (ja) 光記録媒体および情報記録再生方法
JP2006092609A (ja) 光記録媒体への情報記録方法及び情報記録・再生装置
JP2003272147A (ja) 記録装置及び記録方法
JP4407573B2 (ja) 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置
JP3821695B2 (ja) 光情報記録媒体への記録方法および記録装置
JP2002225437A (ja) 光記録媒体
JP2002092889A (ja) 相変化記録光ディスクのダイレクトオーバーライト方法及び情報記録再生装置
JP2002203317A (ja) 光記録方法、光記録装置および光記録媒体
JP2001184651A (ja) 相変化型情報記録媒体およびその記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20041004

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20051021