JP2003272147A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

記録装置及び記録方法

Info

Publication number
JP2003272147A
JP2003272147A JP2002072003A JP2002072003A JP2003272147A JP 2003272147 A JP2003272147 A JP 2003272147A JP 2002072003 A JP2002072003 A JP 2002072003A JP 2002072003 A JP2002072003 A JP 2002072003A JP 2003272147 A JP2003272147 A JP 2003272147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
pulse
power level
width
time width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002072003A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikari Shimofuku
光 下福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002072003A priority Critical patent/JP2003272147A/ja
Publication of JP2003272147A publication Critical patent/JP2003272147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化型光記録媒体に対するCAV方式によ
る情報の記録又は書換えに際して、記録品質の向上を図
ることができるようにする。 【解決手段】 相変化型光記録媒体2に対する光学的な
情報の記録又は書換えを、パルス幅変調(PWM:Pul
se Width Modulation)させた記録波によってマルチ
スピード方式で行う記録装置1で、変調後の信号幅がn
Tである1信号の記録又は書換えをパルス部fp、マル
チパルス部mp、パルス部epを有する記録波パルス列
記録波によって行い、パルス部fpの時間幅をx、パル
ス部epの時間幅をzとした場合に、時間幅xと時間幅
zとの関係が3z≦x≦4.5zを満たすようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化型光記録媒
体に対して情報の記録又は書換えを行うための記録装置
及び記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報量の増大化に伴って、例え
ば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memo
ry)やCD−R(Compact Disc Recordable)等の大
容量の情報記録メディアが広く普及している。これらの
CD−ROMやCD−Rとの互換が取りやすいことか
ら、CD−RW(Compact Disc Rewritable)等の相
変化型光記録媒体が開発され、汎用されてきている。相
変化型光記録媒体は、1996年10月に発行されたオ
レンジブックパートIII(ver1.0)に準じて線速度2倍
での記録(2.4〜2.8m/s)に対する規格が決めら
れている。
【0003】このような相変化型光記録媒体に対して、
情報の記録、再生或いは書換えを高密度で行うことがで
きる光ディスク装置も、普及してきている。
【0004】例えば、特開平9−138946号公報や
特開平9−138947号公報や特開平9−21902
1号公報には、相変化型光記録媒体に対して光学的に情
報の記録又は書換えを行う際に、発光素子の出力パワー
をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulatio
n)させて、変調後の信号幅がnT(Tはクロック時
間)である0信号の記録又は書換えをパワーレベルeの
連続光である記録波によって行い、変調後の信号幅がn
Tである1信号の記録又は書換えを相変化型光記録媒体
の記録層を融点以上に昇温させて記録マークの先頭部を
形成させるパルス部fp、記録層を昇温させて記録マー
クの中間部を形成させるマルチパルス部mp、記録層を
冷却させて記録マークの後端を形成させるパルス部ep
を有するパルス列である記録波によって行い、x,y,
zを0.5T≦x≦2.0T、0.4≦y≦0.6、0.5
T≦z≦1.0Tとし、n’をn’≦nの正の整数とし
(a及びc)≧e≧(b及びd)とするようにした記録
装置及び記録方法についての技術が開示されている。こ
こで、パルス部fpの時間幅がx、パルス部fpのパワ
ーレベルがa、マルチパルス部mpの低レベルパルスの
パワーレベルがb、マルチパルス部mpの高レベルパル
スのパワーレベルがc、マルチパルス部mpにおけるパ
ワーレベルbとパワーレベルcとのデューティー比が
y、マルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワ
ーレベルcとの合計である繰返し単位の時間幅がT、マ
ルチパルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベ
ルcとの繰返し回数がn−n’、パルス部epの時間幅
がz、パルス部epのパワーレベルがdとされている。
【0005】同公報に開示された技術によれば、オーバ
ーライトをすることによる繰返し記録に際して記録信号
の品質の安定化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような低
線速度の記録では記録時間が長くかかってしまうため、
より高速記録の書換え可能なコンパクトディスク及び記
録方法が望まれている。また、これまでの技術では、例
えばCD線速度4x(=4倍速)で記録できるfp、m
p、opをもつ記録ストラテジで、8x速度記録及び1
0x速度記録した場合に十分な信号品質が得られず、C
D線速度4x記録した部分への10x速度記録のオーバ
ーライト或いはCD線速度10x記録した部分への4x
速度記録のオーバーライトといった異なる記録線速度に
よるオーバーライト、CLV記録した部分へのCAV記
録でのオーバーライト或いはCAV記録した部分へのC
LV記録でのオーバーライトといった異なる記録方式に
よるオーバーライトでは、信号品質の劣化が問題となっ
た。つまり、上述した特開平9−138946号公報、
特開平9−138947号公報、特開平9−21902
1号公報に記載の技術では対応できず、書換え型情報記
録媒体、特に相変化型光記録媒体においては、高速記録
に有利なCAV方式による記録が要求されるようになっ
てきている。
【0007】そこで、これらの技術的要求に対し、相変
化型光記録媒体を形成する各層の膜厚及び記録層の組成
を特定化し、かつ、光記録媒体への記録或いは書換えを
行う時の記録波パルス列のfp部とop部の時間幅を各
々0.5T≦x≦2.0T、0.125T≦z≦1.0
T、mp部のデューディ比を0.125≦y≦0.87
5と特定化することで、より高速記録の書換え可能な光
記録媒体を獲得することが見出された。また、光記録媒
体への情報記録をPWM記録にて行う際に、信号の記録
或いは書換えを行う時の記録波パルス列のmp部のデュ
ーティー比を記録線速度によって増減させることによっ
て、CAV方式による記録に対応できることが報告され
ている。
【0008】ところが、このように改良・特定化された
特徴を持つ光記録媒体の記録方法でも、特に10xを超
える記録速度で記録を行った場合に依然として十分な信
号品質を得られず、対応できない現状にある。
【0009】本発明は、相変化型光記録媒体に対するC
AV方式による記録において、記録及び書換え時の信号
品質の向上を図ることができる記録装置及び記録方法を
得ることを目的とする。
【0010】特に、相変化型光記録媒体に対して線速度
換算で10倍速を超える速度でCAV方式による記録又
は書換えを行う際の信号品質の向上を図ることができる
記録装置及び記録方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の記
録装置は、相変化型光記録媒体に照射する光を発する発
光素子と、前記相変化型光記録媒体を回転駆動させる回
転駆動手段と、前記発光素子と前記回転駆動手段とによ
る前記相変化型光記録媒体に対する光学的な情報の記録
又は書換えをCAV(Constant Angular Velocity)
方式で行うCAV記録制御手段と、前記マルチ記録制御
手段による情報の記録又は書換えに際して前記発光素子
から発する光をパルス幅変調(PWM:Pulse Width
Modulation)する変調手段と、を備え、前記変調手段
による変調後の信号幅がnT(Tはクロック時間)であ
る0信号の記録又は書換えをパワーレベルeの連続光で
ある記録波によって行い、前記変調手段による変調後の
信号幅がnTである1信号の記録又は書換えを前記相変
化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させて記録マ
ークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録層を昇温
させて記録マークの中間部を形成させるマルチパルス部
mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を形成させ
るパルス部epを有するパルス列である記録波によって
行い、前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部f
pのパワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レ
ベルパルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部m
pの高レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパ
ルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcと
のデューティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけ
るパワーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返
し単位の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおける
パワーレベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−
n’、前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部e
pのパワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,
y,z、前記パワーレベルa,b,c,d,e、及び
n、n’の関係が、0.5T≦x≦2.0T、0.125
≦y≦0.875、0≦n’、n’≦n(n’,n:整
数)、0.125T≦z≦1.0T、a,c≧e≧b,
d、x≧3zを満たすようにした。
【0012】従って、相変化型光記録媒体への情報記録
を、信号の記録或いは書換えを行う時の記録波パルス列
のfpとepの時間幅とmpのデューティー比が特定化
されたPWM記録で行う時、パルス部fpの時間幅xが
パルス部epの時間幅zの3倍以上に設定されるため、
情報の書換えに際して既に記録されている情報を消去す
る場合には、融点以上に昇温された相変化型光記録媒体
の記録層を徐冷することができる。ここで、パルス部f
pの時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定
されるため、例えば、線速度換算で10倍速を超える速
度でCAV方式による高速記録等に際しても、オーバー
ライト特性の向上を図ることができる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の記
録装置において、前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
が、3z≦x≦4.5zを満たすようにした。
【0014】従って、パルス部fpの時間幅xがパルス
部epの時間幅zの3倍以上4.5倍以下に設定される
ため、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に長い時
間、融点以上に昇温されることを防止することができ
る。これにより、初期記録に際してランドジッタが増加
することを抑制することができる。これによって、オー
バーライトを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化す
ることを抑制してオーバーライト特性の向上をより効果
的に図ることができる。
【0015】請求項3記載の発明の記録方法は、相変化
型光記録媒体に対する光学的な情報の記録又は書換えを
CAV(Constant Angular Velocity)方式で行う記
録装置の発光素子の出力パワーをパルス幅変調(PW
M:Pulse Width Modulation)させて、変調後の信
号幅がnT(Tはクロック時間)である0信号の記録又
は書換えをパワーレベルeの連続光である記録波によっ
て行い、変調後の信号幅がnTである1信号の記録又は
書換えを前記相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に
昇温させて記録マークの先頭部を形成させるパルス部f
p、記録層を昇温させて記録マークの中間部を形成させ
るマルチパルス部mp、記録層を冷却させて記録マーク
の後端を形成させるパルス部epを有するパルス列であ
る記録波によって行い、前記パルス部fpの時間幅を
x、前記パルス部fpのパワーレベルをa、前記マルチ
パルス部mpの低レベルパルスのパワーレベルをb、前
記マルチパルス部mpの高レベルパルスのパワーレベル
をc、前記マルチパルス部mpにおけるパワーレベルb
とパワーレベルcとのデューティー比をy、前記マルチ
パルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルc
との合計である繰返し単位の時間幅をT、前記マルチパ
ルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcと
の繰返し回数をn−n’、前記パルス部epの時間幅を
z、前記パルス部epのパワーレベルをdとした場合
に、前記時間幅x,y,z、前記パワーレベルa,b,
c,d,e、及びn、n’の関係が、0.5T≦x≦2.
0T、0.125≦y≦0.875、0≦n’、n’≦n
(n’,n:整数)、0.125T≦z≦1.0T、a,
c≧e≧b,d、x≧3zを満たすようにした。
【0016】従って、相変化型光記録媒体への情報記録
を、信号の記録或いは書換えを行う時の記録波パルス列
のfpとepの時間幅とmpのデューティー比が特定化
されたPWM記録で行う時、パルス部fpの時間幅xが
パルス部epの時間幅zの3倍以上に設定されるため、
情報の書換えに際して既に記録されている情報を消去す
る場合には、融点以上に昇温された相変化型光記録媒体
の記録層を徐冷することができる。ここで、パルス部f
pの時間幅xは、パルス部epの時間幅zに応じて設定
されるため、例えば、線速度換算で10倍速を超える速
度でCAV方式による高速記録等に際しても、オーバー
ライト特性の向上を図ることができる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項3記載の記
録方法において、前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
が、3z≦x≦4.5zを満たすようにした。
【0018】従って、パルス部fpの時間幅xがパルス
部epの時間幅zの3倍以上4.5倍以下に設定される
ため、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に長い時
間、融点以上に昇温されることを防止することができ
る。これにより、初期記録に際してランドジッタが増加
することを抑制することができる。これによって、オー
バーライトを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化す
ることを抑制してオーバーライト特性の向上をより効果
的に図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
面を参照して説明する。本実施の形態は、相変化型光記
録媒体への情報の記録又は書換えをCAV(Constant
Angular Velocity)方式で行う記録装置として光ディ
スク装置への適用例を示す。
【0020】図1は、本実施の形態の一実施の形態の光
ディスク装置の構成を概略的に示すブロック図である。
光ディスク装置1は、スピンドルモータを駆動すること
によりCD−RW(Compact Disc Rewritable)等の
相変化型光記録媒体2(図2参照)を回転駆動させる回
転駆動手段としての駆動部3と、駆動部3によって回転
駆動される相変化型光記録媒体2に対して照射するレー
ザー光を発する発光素子としての半導体レーザー(図示
せず)を備える記録再生用ピックアップ4とを備えてい
る。
【0021】公知の技術であるため説明を省略するが、
CAV方式での情報の記録又は書換えに際して、駆動部
3、記録再生用ピックアップ4を駆動制御するCAV記
録制御手段を備えている。
【0022】ここで、図2は、光ディスク装置1で使用
する相変化型光記録媒体2の積層構造を原理的に示す断
面図である。相変化型光記録媒体2は、幅が0.30〜
0.55μm、深さが300〜550Åに設定された図
示しない案内溝(グルーブ)が、一面側に形成された基
板5を備えている。本実施の形態の基板5は、厚さは
1.2mmとされたポリカーボネート樹脂により形成さ
れている。ポリカーボネート樹脂により基板5を形成す
ることで、成型性、光学特性、コストの点で、優れた特
性を付与することができる。
【0023】なお、本実施の形態では、案内溝(グルー
ブ)の幅を0.30〜0.55μm、深さを300〜55
0Åに設定したが、これに限るものではない。また、基
板5を形成する材料として、成型性、光学特性、コスト
の点で優れているポリカーボネート樹脂を用いたが、基
板5を形成する材料はポリカーボネート樹脂に限るもの
ではない。
【0024】基板5の案内溝(グルーブ)が形成されて
いる面側には、第1保護層6、記録層7、第2保護層
8、反射放熱層9が、順次積層されている。
【0025】第1保護層6及び第2保護層8を形成する
材料としては、SiO,SiO,ZnO,SnO
Al,TiO,In,MgO,ZrO
等の金属酸化物、Si,AlN,TiN,BN,
ZrNなどの窒化物、ZnS,In,TaS
の硫化物、SiC,TaC,BC,WC,TiC,Z
rCなどの炭化物やダイヤモンド状カーボン、或いは、
それらの混合物があげられる。第1保護層6及び第2保
護層8は、公知の技術であるスパッタリング法を用いて
形成されている。これによって、量産性、膜質等に優れ
た相変化型光記録媒体2を得ることができる。
【0026】第1保護層6の膜厚は、65〜130nm
の範囲内に設定されている。これにより、反射率への影
響力を抑制して、780nmと650nmの再生波長で
CD−RWディスクの規格である反射率0.15〜0.2
5を満足することができる。
【0027】第2保護層8の膜厚は、20〜40nmの
範囲内に設定されている。これにより、情報の記録、再
生及び書換え(以降、オーバーライトという)に際して
の耐熱性や感度、及び、オーバーライト等による繰返し
て上書き記録する(以降、オーバーライトという)場合
の信号品質の向上を図ることができる。
【0028】記録層7の膜厚は、14〜25nmの範囲
内に設定されている。これにより、ジッタ等の初期特
性、オーバーライト特性、量産効率の向上を図ることが
できる。また、本実施の形態の記録層7は、スパッタリ
ング法を用いて形成されている。これによって、量産性
に適した記録層を得ることができる。また、均一な厚さ
の記録層を得ることができるので、膜質の向上を図るこ
とができる。
【0029】記録層7としては、Ag,In,Sb,T
eを含む4元系の相変化形記録材料を主成分として含有
する材料が適している。記録層7としてAg,In,S
b,Teを含む4元系の相変化形記録材料を主成分とし
て含有する材料を用いることにより、記録(アモルファ
ス化)感度・速度、消去(結晶化)感度・速度、及び、消
去比を極めて良好に保つことができる。また、Ag,I
n,Sb,Teを含む4元系元素の組成比を調整するこ
とによって、最適な記録線速度を取得するとともに、信
号の再生安定性や信号の寿命を総合的に満足させること
ができる。
【0030】ここで、Agの組成比(原子%)をα、I
nの組成比(原子%)をβ、Sbの組成比(原子%)を
γ、Teの組成比(原子%)をδとした場合、Ag,I
n,Sb,Teを含む4元系元素の組成比は、下記数式
で示される条件を満たすように設定されている。
【0031】0.1≦α≦7.0 ………(1) 1≦β≦9 ………(2) 61≦γ≦75 ………(3) 22≦δ≦30 ………(4)
【0032】これによって、信号の再生に際しての安定
性や信号の寿命の向上を図ることができる。
【0033】また、記録層7には、Ga,Zn,Sn,
Si,Pb,Co,Cr,Cu,Ge,Au,Pd,P
t,S,Se,Ta,Nb,V,Bi,Zr,Ti,A
l,Mn,Mo,Rh,C,N,Oから選ばれた少なく
とも一種類以上の元素が添加されている。これにより、
非晶質マークの結晶化を抑制することができる。非晶質
マークの結晶化を抑制することにより、信号の再生安定
性や信号の寿命を向上させることができる。
【0034】非晶質マークの結晶化の抑制のメカニズム
としては、これらの元素がAgInSbTeの空間的隙
間に入ったり化学結合を形成したりすることで、AgI
nSbTeと化合物又は合金を形成するために、非晶質
マークの結晶化が抑制されると考えられている。
【0035】記録層7に添加されるGa,Zn,Sn,
Si,Pb,Co,Cr,Cu,Ge,Au,Pd,P
t,S,Se,Ta,Nb,V,Bi,Zr,Ti,A
l,Mn,Mo,Rh,C,N,Oは、添加剤と考える
ことが可能である。添加剤としては、上述した理由か
ら、C,N,O,Si,Sn,Geのように原子半径が
小さい元素、或いは、AgInSbTeとの化学結合力
が大きい又は化学結合手が多い元素が効果的である。
【0036】さらに、初期化時に必要な反射率を取得す
るために、SbとTeの組成の関係は、下記の式を満た
す範囲内に設定されている。
【0037】γ+δ≧88 ………(5)
【0038】実験により、上式の条件を満たす場合に
は、初期化時に必要な反射率に到達することが見出され
ている。これにより、線速度が高速になった場合に重要
となる反射率、特に初期化時の反射率を確保することが
できる。
【0039】本実施の形態では、第1保護層6、記録層
7、第2保護層8をスパッタリング法により形成した
が、これに限るものではなく、例えば、各種気相成長法
によって第1保護層6、記録層7、第2保護層8を形成
するようにしてもよい。
【0040】第2保護層8の記録層7と反対側に形成さ
れた反射放熱層9は、膜厚が100〜160nmの範囲
内に設定されている。反射放熱層9としては、Al,A
u,Ag,Cu,Ta,Ti,Wなどの金属材料、又は
それらの合金などを用いることができる。また、反射放
熱層9に添加する添加元素としては、Cr,Ti,S
i,Cu,Ag,Pd,Taなどが使用される。反射放
熱層9は、各種気相成長法によって形成することができ
る。
【0041】反射放熱層9の第2保護層8と反対側に
は、オーバーコート層10が積層されている。オーバー
コート層10を設けることにより、反射放熱層9の酸化
を防止することができる。本実施の形態のオーバーコー
ト層10は、スピンコート法により塗布した紫外線硬化
樹脂に紫外線を照射することで、厚さが3〜15μmの
範囲内となるように形成されている。これにより、情報
の記録再生に際して、エラーの増大防止や機械特性の向
上を図ることができる。
【0042】なお、本実施の形態の形態では、オーバー
コート層10として紫外線硬化樹脂を用いたが、これに
限るものではない。
【0043】オーバーコート層10の反射放熱層9と反
対側には、印刷層11が積層されている。印刷層11
は、例えば、スクリーン印刷等によって形成されてい
る。
【0044】加えて、基板5の第1保護層6と反対側に
は、ハードコート層12が積層されている。ハードコー
ト層12を設けることにより、耐擦傷性の向上を図るこ
とができる。本実施の形態のハードコート層12は、ス
ピンコート法により塗布した紫外線硬化樹脂に紫外線を
照射することで、厚さが2〜6μmの範囲内となるよう
に形成されている。これにより、耐擦傷性が向上し、機
械特性の向上を図ることができる。ハードコート層12
には、必要に応じて導電性の材料を混入させることで、
帯電防止を図り、埃等の付着を防止することができる。
【0045】上述の相変化型光記録媒体2に照射するレ
ーザー光を発する記録再生用ピックアップ4の半導体レ
ーザーは、記録パワー設定回路13により設定される最
適記録パワーのレーザー光を出力するように、レーザー
駆動回路14によって駆動制御される。
【0046】加えて、光ディスク装置1は、変調信号波
の振幅に応じてPWM(Pulse Width Modulation)
方式で記録信号を変調する変調手段としての図示しない
変調部を備えている。本実施の形態の変調部は、上述し
た相変化型光記録媒体2への情報の記録に適したEFM
(Eight-to-Fourteen Modulation)変調方式、或い
は、その改良変調方式(EFM+)を用いて、記録すべ
き信号をクロックTを用いて変調する。
【0047】変調部によって変調された記録信号に基づ
いて、変調後の信号幅がnT(Tはクロック時間)であ
る0信号の記録又はオーバーライトを行う場合、記録再
生用ピックアップ4は、パワーレベルeの連続光である
記録波を照射する。
【0048】変調部によって変調された記録信号に基づ
いて、変調後の信号幅がnTである1信号の記録又はオ
ーバーライトを行う場合、記録再生用ピックアップ4
は、パルス部fp、マルチパルス部mp、パルス部ep
を有するパルス列の記録波を照射する。
【0049】パルス部fpにおける記録波は、相変化型
光記録媒体2の記録層7を融点以上に昇温させて記録マ
ークの先頭部を形成させる。マルチパルス部mpにおけ
る記録波は、記録層7を昇温させて記録マークの中間部
を形成させる。パルス部epにおける記録波は、記録層
7を冷却させて記録マークの後端を形成させる。
【0050】情報の記録又はオーバーライトに際して
は、相変化型光記録媒体2に対してパルス部fpの記録
パワーが照射されると、相変化型光記録媒体2の記録層
7が融点以上に昇温される。融点以上に昇温された記録
層7にマルチパルス部mpの記録パワーが照射される
と、マルチパルス部mpにおける時間幅zに応じた長さ
を有する記録マークの中間部が形成される。パルス部e
pの記録パワーが照射されると、融点以上に昇温された
記録層7が冷却されて、記録マークの後端が形成され
る。
【0051】公知の技術であるが、融点以上に昇温され
てアモルファス状態にある記録層7は、急冷されること
によりアモルファス状態のまま固体化してアモルファス
部を形成する。このアモルファス部が、記録マークとさ
れる。
【0052】本実施の形態の光ディスク装置1は、情報
の記録又はオーバーライトをマルチスピード方式で行う
ことから、線速度の変動に応じて、マルチパルス部mp
のデューティー比yを調整する。
【0053】ここで、図3は、記録再生用ピックアップ
4が光源から出射するレーザー光の記録波パルス列を示
す波形図である。図3(a)は変調後の信号幅が3T(n
=3)である記録信号を示している。図3(b)は、n=
3,n’=1の場合の記録波パルス列を示している。図
3(c)は、n=3,n’=2の場合の記録波パルス列を
示している。図3(d)は、n=3,n’=3の場合の記
録波パルス列を示している。パルス部fpの時間幅を
x、パルス部fpのパワーレベルをa、マルチパルス部
mpの低レベルパルスのパワーレベルをb、マルチパル
ス部mpの高レベルパルスのパワーレベルをc、マルチ
パルス部mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルc
とのデューティー比をy、マルチパルス部mpにおける
パワーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し
単位の時間幅をT、マルチパルス部mpにおけるパワー
レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
パルス部epの時間幅をz、パルス部epのパワーレベ
ルをdとした場合、本実施の形態の記録再生用ピックア
ップ4は、時間幅x,y,z、パワーレベルa,b,
c,d,e、及びn、n’の関係が、以下の式によって
表わされる条件を満たすような範囲内に設定されてい
る。
【0054】 0.5T≦x≦2.0T ………(6) 0.125≦y≦0.875 ………(7) 0≦n’ ………(8) n’≦n(n’,n:整数) ………(9) 0.125T≦z≦1.0T ………(10) a,c≧e≧b,d ………(11) 3z≦x≦4.5z ………(12)
【0055】(12)式からも判るように、パルス部fp
の時間幅xがパルス部epの時間幅zの3倍以上、か
つ、4.5以下に設定されている。
【0056】従来、例えば、回転数が調整されることに
よって線速度が変動して高速化されている場合、融点以
上に昇温された相変化型光記録媒体2の記録層7を徐冷
することができず、アモルファス状態のまま固体化して
しまうことがあった。このため、既に記録されている情
報が消去しきれずに残存してしまう不都合があった。
【0057】本実施の形態では、(12)式からも判るよ
うに、パルス部fpの時間幅xがパルス部epの時間幅
zの3倍以上に設定されているため、融点以上に昇温さ
れた相変化型光記録媒体2の記録層7を徐冷することが
できる。これによって、情報のオーバーライトに際し
て、既に記録されている情報が消去しきれずに残存する
ことを防止することができ、オーバーライト特性の向上
を図ることができる。ここで、オーバーライト特性と
は、相変化型光記録媒体2で既に情報が記録されている
部分を別の情報に書換えた(オーバーライトした)場合
に、オーバーライトされた信号の品質の良/不良を意味
する。
【0058】同様に、公知の技術であるが、融点以上に
昇温されてアモルファス状態にある記録層7は、徐冷さ
れることにより結晶化する。この状態は、記録層7の初
期化状態と同じであるため、何の情報も記録されていな
いこととなる。
【0059】ところで、PWM記録方式では、相変化型
光記録媒体2の記録層7への情報の記録又はオーバーラ
イトに際して、記録マークのエッジ部に情報を持たせ
る。
【0060】このときに、記録層7上の記録部(アモル
ファス部)と未記録部(結晶部)との境界が不明確であ
ったり、本来記録部となるべき箇所が結晶化されてしま
うことによって情報が消去されたりすると、信号品質が
低下する。
【0061】また、パルス部fpの時間幅xが過剰に大
きい場合には、初期のアシンメトリが深くなるため、パ
ルス部fpの時間幅xが、パルス部epの時間幅zの2
倍以上という条件を満たしていても、オーバーライトを
多数繰返す毎に信号品質が低下する。
【0062】本実施の形態では、パルス部fpの時間幅
xが、パルス部epの時間幅zの3倍以上4.5倍以下
に設定することで、相変化型光記録媒体の記録層が、過
剰に長い時間、融点以上に昇温されることを防止するこ
とができる。これによって、初期記録に際して、ランド
ジッタが増加することによる記録部と未記録部とのバラ
ンスが崩れることを抑制することができ、オーバーライ
トを繰返し行った場合にも、信号品質の低下を抑制して
オーバーライト特性の向上をより効果的に図ることがで
きる。
【0063】また、パルス部fpの時間幅xは、パルス
部epの時間幅zに応じて設定されるため、例えば、高
速記録等に際して、回転数が調整されることによる線速
度の変動に左右されることがない。これによって、マル
チスピード記録を行うことが可能な記録装置に適用し
て、情報の記録又はオーバーライトの高速化を図ること
ができる。
【0064】回転数が調整されることによって線速度が
変動した場合には、情報の記録又はオーバーライトに際
して、マルチパルス部mpにおけるデューティー比yを
記録線速度に応じて増減させて記録線速度と記録パワー
とのバランスを調整するので、線速度に左右されること
なく、記録部と未記録部との境界を明確化することがで
きる。
【0065】これによって、ジッタの発生を抑制して、
記録品質の向上を図ることができるマルチスピード記録
方式の光ディスク装置を提供することができる。
【0066】従来のマルチスピード記録を行う光ディス
ク装置1では、パルス部fpとパルス部epとのバラン
スが一定とされていることから、線速度が低い場合には
記録層7に対して過剰な記録パワーが加わって記録層7
における記録すべき部分以外の部分に対して熱が伝導さ
れて信号品質に影響を与えたり、逆に、線速度が高い場
合には記録すべき部分に対して記録パワーが十分に加え
られずに記録パワーが不足してしまったりするという不
都合があった。
【0067】本実施の形態では、線速度に応じてマルチ
パルス部mpのデューティー比yを調整することで、記
録線速度と記録パワーとのバランスを取ることができ
る。また、上述したように、記録層7の主成分をAg,
In,Sb,Teとする相変化型光記録媒体2を用いる
ことで、記録層7の熱物性を記録波にマッチングさせる
ことができ、記録線速度と記録パワーとのバランスをよ
り最適値に設定することができる。
【0068】このように、記録線速度に応じて、マルチ
パルス部mpのデューティー比yを調整することで、情
報の記録或いはオーバーライトをマルチスピード方式で
行う場合にも、記録信号の品質の向上を図ることができ
る。
【0069】加えて、情報の記録に際して記録層7の溶
融、急冷を伴う相変化型光記録媒体2では、記録層7の
溶融、急冷のバランスの点から、記録パルスのmpのデ
ューティー比が0.5近傍であることが、種々の信号品
質、オーバーライトに有利であることが判っている。
【0070】このことから、情報の記録或いはオーバー
ライトをマルチスピード方式で行う光ディスク装置1で
は、マルチパルス部mpのデューティー比が0.5とな
る記録パルス波形を、マルチスピード記録可能な光ディ
スク装置の高速記録側、望ましくは最高記録線速度に設
定に設定することで、実用上より信頼性の高い記録を行
うことができる。
【0071】本実施の形態で相変化型光記録媒体2に対
する記録方法では、単に高速で記録消去できるだけでは
なく、ジッタ等の初期特性、オーバーライト特性も同時
に要求されるものであり、CAV方式の記録、特に線速
度換算で10倍速である12.0m/sを超える高線速
度において、fp部の時間幅をx、op部の時間幅をz
とした時、上述したように、x≧3zとした場合にオー
バーライト特性に効果的であることを見出したものであ
る。ちなみに、x<3zの時、前に記録した信号に対し
て十分な消去を実施することができない。このため消し
残りの部分が発生し、記録(アモルファス化)及び消去
(結晶化)の感度に影響を与えてしまうことにより、オ
ーバーライトにとって不利になる。故に、x≧3zの場
合、CAV方式の記録時のオーバーライト特性に効果的
であった。
【0072】また、本実施の形態では、CAV方式の記
録、特に線速度換算で10倍速である12.0m/sを
超える高線速度において、同様にfp部の時間幅をx、
op部の時間幅をzとした時、上述したようにx≦4.
5zとした場合にジッタ等の初期特性に効果的であるこ
とも見出したものである。ちなみに、x>4.5zの
時、初期のアシンメトリが深くなってしまう。また、初
期の記録時にマークジッタが良好となる反面ランドジッ
タが増加することで、両者のバランスが取れなくなる。
このため、オーバーライトを多数回繰返す毎に信号品質
が劣化することになる。故に、x≦4.5zの場合、C
AV方式の記録時の初期特性に効果的であることが判明
したものである。
【0073】ここで、具体例として、光ディスク装置1
で、相変化型光記録媒体2としてCD−RWを用いて、
CAV方式で記録を行った場合の記録パルス波形の変化
について説明する。図4は、内周部4.8m/s、中周
部9.6m/s及び外周部12.0m/sでCAV記録
を行った場合のCD−RWの記録波形を示す(この例は
線速度換算で4x〜10xのマルチスピード記録にも対
応している)。ここでは、図4(b)に示すように、中周
部9.6m/sでCD−RWに対して情報の記録を行う
場合のマルチパルス部mpのデューティー比を0.5に
設定している。
【0074】図4(a)は、内周部4.8m/sで、CD
−RWに対する情報の記録を行った場合のパルス波形図
を示している。4.8m/sという比較的低い線速度で
記録を行う場合には、マルチパルス部mpのデューティ
ー比を0.625として、mpの記録パルスを細くする
とともに、マルチパルス部mpの冷却時間を長くするよ
うにしている。これによって、余分な熱ダメージを軽減
するとともに、エッジの位置ずれの少ないマークを記録
することができる。
【0075】図4(c)は、外周部12.0m/sで、C
D−RWに対する情報の記録を行った場合のパルス波形
図を示している。12.0m/sという比較的速い線速
度で記録を行う場合、マルチパルス部mpのデューティ
ー比yを0.375として、mp部の記録パルスを太く
するとともに、冷却時間を短くするようにしている。こ
れによって、12.0m/sの高速で記録を行う場合に
も、記録膜に相変化できるだけのエネルギーを与えるこ
とができるようになり、また、高速のためマルチパルス
部mpの冷却時間が短くても記録層を急冷することがで
きる。これによって、記録線速度が高速であっても、エ
ッジの位置ずれの少ないマークを記録することができ
る。
【0076】
【実施例】ここでは、上述の光ディスク装置1を用い
て、以下に示す相変化型光記録媒体2に情報の記録を行
った場合(実施例1〜3)と、従来の光ディスク装置を
用いて相変化型光記録媒体に情報の記録を行った場合
(比較例1〜3)とにおけるオーバーライト特性の違い
を比較する。
【0077】光ディスク装置1は、波長780nmの半
導体レーザーと、開口数NAが0.5に設定された対物
レンズとを備える記録再生用ピックアップ4を用いた。
記録信号は、EFM変調された入力信号とする。
【0078】相変化型光記録媒体2は、基板5として幅
0.5μm、深さ35nmの案内溝(ウォブル)を有す
る厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製の基板5を
用いた。
【0079】第1保護層6及び第2保護層8には、Zn
SSiO2を用いている。第1保護層6の厚さ(膜厚)
は90nm、第2保護層8の厚さ(膜厚)は30nmと
されている。
【0080】記録層7の組成はAg1.0In7.5Sb
66.5Te25.0とされ、厚さ(膜厚)は18nmとさ
れている。記録層7は、大口径のLDを有する図示しな
い初期化装置によって、全面が結晶化処理されている。
【0081】反射放熱層9に、厚さ140nmのアルミ
ニウム合金によって形成されている。
【0082】この基板5上に積層される第1保護層6、
記録層7、第2保護層8及び反射放熱層9は、各々スパ
ッタリング法により形成されている。
【0083】オーバーコート層10、ハードコート層1
2は、ともに、紫外線硬化樹脂によって、スピンコート
法を用いて形成されている。オーバーコート層10上に
は、印刷層11が印刷によって形成されている。
【0084】以上の方法で得た相変化型光記録媒体2へ
の記録には、記録領域を半径方向に複数領域(ゾーン)
に分割し、領域が変わる毎に内周側から記録速度を増加
させるゾーンCAV記録を使用した。本実施例では記録
領域を半径方向に5等分し、最内周側の領域の記録線速
度を4.8m/sとし、以後7.2m/s、9.6m/
s、12.0m/sと記録線速を増加させ、最外周側の
記録線速を14.4m/sとした。また、記録線速1
2.0m/sの最外周領域に対して、マルチパルス部m
pのデューティー比yを0.5に設定した状態で、パル
ス部fp、パルス部epを表1に記載の時間幅に各々調
整した各記録パルス波によって記録を行った(実施例1
〜3、比較例1〜3の仕様)。
【0085】
【表1】
【0086】表2には、表1中に示した実施例1〜3及
び比較例1の仕様によるfp部及びop部の時間幅x,
zを使用し、線速度14.4m/sの最内周側の領域に
てオーバーライト1回及び1000回行った後に信号を
1.2m/sで再生し、得られた3Tジッタの結果を示
している。
【0087】
【表2】
【0088】比較例1に記載のfp部の時間幅x=1.
00Tを実施例1に記載の1.125Tへ延伸したとこ
ろ、オーバーライト1回後の3Tジッタが良好になっ
た。また、実施例2に記載の通り、比較例1に記載のo
p部の時間幅z=0.375Tを実施例2に記載の0.
25Tへ短縮したところ、オーバーライト1回後の3T
ジッタは同様に改善され、さらに、実施例2よりxを
1.125Tまで延伸した実施例3でも同等の3Tジッ
タが得られた。実施例1〜3ではオーバーライト100
0回後の3Tランドジッタも各々35.9ns、33.
8ns、32.1nsと良好であった。よって、x≧3
zの時、オーバーライト特性に効果的であることが判明
したものである。
【0089】表3には、同様に表1中に示した実施例
2,3及び比較例2,3の仕様によるfp部及びop部
の時間幅x,zを使用し、1回記録した相変化型光記録
媒体2の線速度14.4m/sの最内周側の領域を1.
2m/sで再生し、得られた初期記録のアシンメトリ及
び3Tジッタの結果を示している。
【0090】
【表3】
【0091】実施例2に記載のop部の時間幅z=0.
25Tを比較例2に記載の0.125Tまで短縮したと
ころ、初期アシンメトリの値が−10以下と深くなっ
た。また、実施例3に記載のfp部の時間幅x=1.1
25Tを比較例3に記載の1.25Tに延伸したときも
同様であった。さらに、比較例2,3では3Tランドジ
ッタと3Tマークジッタとの差が大きく広がり、特に、
比較例3では10ns以上の差がついた。よって、x≦
4.5zの時、初期記録特性に効果的であることが判明
したものである。
【0092】
【発明の効果】請求項1,3記載の発明によれば、相変
化型光記録媒体への情報記録を、信号の記録或いは書換
えを行う時の記録波パルス列のfpとepの時間幅とm
pのデューティー比が特定化されたPWM記録で行う
時、パルス部fpの時間幅xをパルス部epの時間幅z
の3倍以上に設定したので、CAV方式による記録に関
してオーバーライト特性の向上を図ることができる。
【0093】請求項2,4記載の発明によれば、請求項
1,4記載の発明において、パルス部fpの時間幅xを
パルス部epの時間幅zの3倍以上4.5倍以下に設定
したので、相変化型光記録媒体の記録層が、過剰に長い
時間、融点以上に昇温されることを防止することがで
き、これにより、初期記録に際してランドジッタが増加
することを抑制することができ、よって、オーバーライ
トを繰返し行った場合にも、信号品質が劣化することを
抑制してオーバーライト特性の向上をより効果的に図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の一実施の形態の光ディスク装置
の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】光ディスク装置で使用する相変化型光記録媒体
の積層構造を原理的に示す断面図である。
【図3】記録再生用ピックアップの半導体レーザーが出
射するレーザー光の記録波パルス列を示す波形図であ
る。
【図4】記録パルス波形を例示する波形図である。
【符号の説明】
1 記録装置 2 相変化型光記録媒体 3 回転駆動手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相変化型光記録媒体に照射する光を発す
    る発光素子と、 前記相変化型光記録媒体を回転駆動させる回転駆動手段
    と、 前記発光素子と前記回転駆動手段とによる前記相変化型
    光記録媒体に対する光学的な情報の記録又は書換えをC
    AV(Constant Angular Velocity)方式で行うCA
    V記録制御手段と、 前記マルチ記録制御手段による情報の記録又は書換えに
    際して前記発光素子から発する光をパルス幅変調(PW
    M:Pulse Width Modulation)する変調手段と、を
    備え、 前記変調手段による変調後の信号幅がnT(Tはクロッ
    ク時間)である0信号の記録又は書換えをパワーレベル
    eの連続光である記録波によって行い、前記変調手段に
    よる変調後の信号幅がnTである1信号の記録又は書換
    えを前記相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温
    させて記録マークの先頭部を形成させるパルス部fp、
    記録層を昇温させて記録マークの中間部を形成させるマ
    ルチパルス部mp、記録層を冷却させて記録マークの後
    端を形成させるパルス部epを有するパルス列である記
    録波によって行い、 前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部fpのパ
    ワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レベルパ
    ルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部mpの高
    レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパルス部
    mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcとのデュ
    ーティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけるパワ
    ーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し単位
    の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおけるパワー
    レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
    前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部epのパ
    ワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,y,z、
    前記パワーレベルa,b,c,d,e、及びn、n’の
    関係が、 0.5T≦x≦2.0T、 0.125≦y≦0.875、 0≦n’、 n’≦n(n’,n:整数)、 0.125T≦z≦1.0T、 a,c≧e≧b,d、 x≧3z を満たすようにした記録装置。
  2. 【請求項2】 前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
    が、 3z≦x≦4.5z を満たすようにした請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 相変化型光記録媒体に対する光学的な情
    報の記録又は書換えをCAV(Constant Angular Ve
    locity)方式で行う記録装置の発光素子の出力パワーを
    パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)
    させて、 変調後の信号幅がnT(Tはクロック時間)である0信
    号の記録又は書換えをパワーレベルeの連続光である記
    録波によって行い、 変調後の信号幅がnTである1信号の記録又は書換えを
    前記相変化型光記録媒体の記録層を融点以上に昇温させ
    て記録マークの先頭部を形成させるパルス部fp、記録
    層を昇温させて記録マークの中間部を形成させるマルチ
    パルス部mp、記録層を冷却させて記録マークの後端を
    形成させるパルス部epを有するパルス列である記録波
    によって行い、 前記パルス部fpの時間幅をx、前記パルス部fpのパ
    ワーレベルをa、前記マルチパルス部mpの低レベルパ
    ルスのパワーレベルをb、前記マルチパルス部mpの高
    レベルパルスのパワーレベルをc、前記マルチパルス部
    mpにおけるパワーレベルbとパワーレベルcとのデュ
    ーティー比をy、前記マルチパルス部mpにおけるパワ
    ーレベルbとパワーレベルcとの合計である繰返し単位
    の時間幅をT、前記マルチパルス部mpにおけるパワー
    レベルbとパワーレベルcとの繰返し回数をn−n’、
    前記パルス部epの時間幅をz、前記パルス部epのパ
    ワーレベルをdとした場合に、前記時間幅x,y,z、
    前記パワーレベルa,b,c,d,e、及びn、n’の
    関係が、 0.5T≦x≦2.0T、 0.125≦y≦0.875、 0≦n’、 n’≦n(n’,n:整数)、 0.125T≦z≦1.0T、 a,c≧e≧b,d、 x≧3z を満たすようにした記録方法。
  4. 【請求項4】 前記時間幅xと前記時間幅zとの関係
    が、 3z≦x≦4.5z を満たすようにした請求項3記載の記録方法。
JP2002072003A 2002-03-15 2002-03-15 記録装置及び記録方法 Pending JP2003272147A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002072003A JP2003272147A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 記録装置及び記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002072003A JP2003272147A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 記録装置及び記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003272147A true JP2003272147A (ja) 2003-09-26

Family

ID=29202119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002072003A Pending JP2003272147A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 記録装置及び記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003272147A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3839213B2 (ja) 相変化型光記録媒体の記録方法および記録再生装置
US7417930B2 (en) Optical recording method
JP3839635B2 (ja) 光情報記録方法、光情報記録装置及び光情報記録媒体
JP2002245624A (ja) 光記録方法、光記録装置および光記録媒体
JP4063978B2 (ja) 情報記録方法
JP4223409B2 (ja) 光学的情報記録方法、光学的情報記録装置および光学的情報記録媒体
US7260044B2 (en) Recording method for a phase-change optical recording medium
US20050105438A1 (en) Optical information recording method and optical information recording apparatus
EP1418574A2 (en) Information recording apparatus and information recording method
JP3740151B2 (ja) 光記録方法及び光記録装置
JP3277733B2 (ja) 光ディスクへの光学的情報の記録方法および記録装置
JP3866598B2 (ja) 光情報記録方法および媒体
TWI246070B (en) Recording apparatus and recording method
JP3847151B2 (ja) 相変化型光情報記録媒体の記録方法及び記録装置
JP2002264515A (ja) 光記録媒体および情報記録再生方法
JP2003272147A (ja) 記録装置及び記録方法
JP4145018B2 (ja) 光情報記録媒体
JP4104063B2 (ja) 情報記録再生方法
JP2003059046A (ja) 記録方法および記録装置
JP3821695B2 (ja) 光情報記録媒体への記録方法および記録装置
JP2002225437A (ja) 光記録媒体
JP2002203317A (ja) 光記録方法、光記録装置および光記録媒体
JP2001184651A (ja) 相変化型情報記録媒体およびその記録方法
JP2003217123A (ja) 光記録装置及び光記録媒体
JP2002269838A (ja) 検査用光記録媒体、検査用光記録媒体の製造方法及びディスクドライブ検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20041005

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050301

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20050310

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20051017

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051025

A521 Written amendment

Effective date: 20051226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060131

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20060922

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20070116