JP4407573B2 - 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置 - Google Patents

光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4407573B2
JP4407573B2 JP2005176873A JP2005176873A JP4407573B2 JP 4407573 B2 JP4407573 B2 JP 4407573B2 JP 2005176873 A JP2005176873 A JP 2005176873A JP 2005176873 A JP2005176873 A JP 2005176873A JP 4407573 B2 JP4407573 B2 JP 4407573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
pulse
layer
film
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005176873A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006048898A5 (ja
JP2006048898A (ja
Inventor
哲郎 水島
達也 加藤
浩 新開
栄明 三浦
次郎 吉成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2005176873A priority Critical patent/JP4407573B2/ja
Publication of JP2006048898A publication Critical patent/JP2006048898A/ja
Publication of JP2006048898A5 publication Critical patent/JP2006048898A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4407573B2 publication Critical patent/JP4407573B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Description

この発明は、半透過構造の記録層を有する光記録媒体、この光記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置に関する。
例えば、相変化記録膜からなる2つの記録層、L0層(rear−side layer)及びL1層(front−side layer)を備えた、いわゆる相変化2層光記録媒体がある。
DVD(Digital versatile disc)等の光記録媒体においては、記録すべきデータを記録層のトラックに沿った記録マークの長さに変調し、且つ、記録マークの長さは、1クロック周期をTとしたときに、Tの整数倍nTに対応させて記録するようにしている。例えば、CD−RW(compact disc rewritable)においては、EFM変調方式が用いられ、記録すべきデータを、3T〜11Tのいずれかの長さの記録マークに変調して記録するようにしている。
上記CD−RW等の、書換型光記録媒体においては、一般的に記録層として相変化膜が用いられ、レーザビームを、記録すべき情報に応じてパルス変調して記録層に照射して、nTに対応する長さの記録マークを形成している。ここで、記録マークの部分は相変化膜がアモルファス状態とされ、各記録マーク間には、結晶状態のスペース部が作成される。
前記アモルファス状態の記録マーク部は、レーザビームで結晶部分を溶融した後、急冷することで作成され、結晶状態の部分は、相変化膜の結晶化温度以上で一定時間以上保持するようにレーザビームを照射することによって作成している。
前記レーザビームのパルス列は、アモルファス状態とする場合には記録パワーのライトパルスとバイアスレベル(ほぼ基底パワー)のパルスから構成され、又、結晶状態とする場合のパルス列は、消去パワーレベルのパルスから構成されている。
更に、パルス数については、前記CD−RWにおいては、nT記録マークを作成するのには、(n−1)個のライトパルスを照射し、例えば、5T記録マークを作成する場合は、5−1=4個のライトパルスからなるパルス列を照射する。
特に、5Tから6Tのように、1T分だけマーク長が長くなる場合は、ライトパルスとバイアスレベルのパルスからなる1T区間のパルス列を追加させ、マーク長さを制御するようにしている。このとき挿入されるライトパルス幅をTwとすると、Twはパルスの立ち上り、立ち下りを考慮して0.2T以上となる。これにより、ライトパルス同士の間隔は、(1−Tw)Tとなり、0.8T未満となる。なお、パルスの立ち上り、立ち下りが急峻に行なえるようになれば、Twは0.2Tよりも小さくなり、(1−Tw)Tは限りなく1Tに近づき、1T未満となる。
従来の一般的な記録ストラテジでは、ラストパルス前に、記録層に熱が溜まってしまい、記録マーク後端が不鮮明になり易い。特にこの傾向は、金属放熱膜が薄い、徐冷構造の記録層(後述参照)に顕著である。これに対して従来は、ラストパルス照射後の消去パワーに戻すまでの間のクーリングパルスにより記録マーク後端を調整していたが、徐冷構造の記録層では限界に達し、各種マージンが無くなってしまうという問題があった。
一方、光記録媒体の高密度化に伴い、複数の記録層を用いた多層型の光記録媒体が提案されているが、このような多層記録媒体の光入射側記録層では、奥側の記録層の記録再生を可能とするために、半透過構造とする必要がある。相変化記録膜を用いた光記録媒体において、光入射側記録層を半透過構造とするために、従来100nm程度であった前記金属放熱膜の厚みを例えば30nm未満とするという必要性が生じている。このようにすると、放熱効果が減少するため、光入射側記録層は徐冷構造となる。
この徐冷構造の記録層においては、従来急冷化によってアモルファス状態となっていた部分の一部が急冷化できないことから、前後の記録マークとの熱干渉や、クロスイレーズと呼ばれるトラック間の熱干渉が生じるという問題点がある。
上記のような記録マーク間の熱干渉やトラック間のクロスイレーズは、多層光記録媒体に限らず一層の光記録媒体においても問題となっていたため、例えば特許文献1あるいは特許文献2のような対策が提案されている。
特許文献1では、消去パワーのパワーレベルをスペース長によって変更させ、又特許文献2においては、ライトパルスのパワーを2レベルとすることが提案されている。
しかしながら、これらは、レーザパルスのパワーレベルの段数を増加することになり、レーザの変調を困難にするという新たな問題点を生じる。
又、ラストパルス前のクーリングパルスを長くする方法として、2Tクロックに同期させる記録ストラテジ(2Tストラテジ)があるが、この場合、2mTマーク、(2m+1)Tマークをm個のライトパルスを用いて記録することになり、同パルス数で違う長さのマークを記録するため、マーク長と幅の制御が困難となり、又、ライトパルスの本数が少ないため(7Tの場合3本)マーク長を得るためにパルス幅を太くする必要がある。パルス幅が太くなる結果、記録時の溶融範囲が広くなってクロスイレーズが大きくなり、特に徐冷構造の記録層では、クロスイレーズが顕著になってしまうという問題点がある。
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、前後の記録マークの熱干渉及びトラック間のクロスイレーズを防止することが可能であり、特に金属放熱層が薄い半透過型記録層に用いて好適な光記録媒体への情報記録方法、情報記録装置及びこれらにより情報が記録された記録媒体を提供することを目的とする。
特開2003−203337 特開2003−208713
本発明者は、鋭意研究の結果、ライトパルスにより記録マークを形成する際に、これが4T以上の場合、最後尾のライトパルスの前に、パルス幅が1T以上、2T以下のクーリングパルスを挿入して情報を記録することによって、前後の記録マークの熱干渉及びトラック間のクロスイレーズの抑制が可能であることが分かった。
即ち、以下の本発明により上記目的を達成することができる。
(1)レーザビームを、記録パワーのライトパルス及びほぼ基底パワーのクーリングパルスを含むパルス列となるようにパルス変調して、光記録媒体の記録層に照射することにより、記録すべきデータを、前記記録層のトラックに沿った記録マークの長さに変調し、且つ、記録マークの長さを、1クロック周期をTとしたときに、Tの整数倍nTに対応させて記録する光記録媒体への情報記録方法であって、前記nTに対応するnT記録マーク
を、(n−1)本のライトパルスにより記録すると共に、4T以上の記録マークを記録する際に、最後尾のライトパルスの前に、パルス幅が0.8T以上、2T以下のクーリングパルスTcaを挿入し、且つ、先頭のライトパルス直後のクーリングパルスTfoffを0.4T以上、1.0T未満、このクーリングパルスTfoffと前記クーリングパルスTcaとの間のクーリングパルスToffを0.4T以上、0.8T未満とすることを特徴とする光記録媒体への情報記録方法。
(2)前記記録層の、記録波長における光透過率を30%以上80%以下とし、前記レーザビームを、前記記録層を覆う光透過層を介して、前記記録層に照射することを特徴とする(1)に記載の光記録媒体への情報記録方法。
(3)前記光記録媒体は、前記記録層を第2の記録層としたとき、基板上に第1の記録層、透明中間層、前記記録層及び光透過層を、この順で積層してなることを特徴とする(1)に記載の光記録媒体への情報記録方法。
(4)前記記録層を相変化記録膜及び金属放熱膜を含んで構成し、前記金属放熱膜の膜厚tを、0<t<30nmとすると共に、前記レーザビームを、前記金属放熱膜の反対側から前記相変化記録膜に照射することを特徴とする(1)、(2)又は(3)に記載の光記録媒体への情報記録方法。
(5)記録層及びこれを被う光透過層を有する光記録媒体の前記記録層に、前記光透過層を介して、パルス変調されたレーザビームを照射することにより、記録すべきデータを、前記記録層のトラックに沿った記録マークの長さに変調し、且つ、前記記録マークの長さを、1クロック周期をTとしたときに、Tの整数倍nTに対応して記録する情報記録装置であって、前記光記録媒体にレーザビームを照射する光学装置と、前記レーザビームを、記録パワーのライトパルス及びほぼ基底パワーのクーリングパルスを含むパルス列に変調制御するためのレーザ駆動信号を供給するレーザ駆動装置と、を少なくとも有し、前記レーザ駆動装置は、前記nTに対応するnT記録マークを、(n−1)本のライトパルスにより記録すると共に、4T以上の記録マークを記録する際に、最後尾のライトパルスの前に、パルス幅が0.8T以上、2T以下のクーリングパルスTcaを挿入し、且つ、先頭のライトパルス直後のクーリングパルスTfoffを0.4T以上、1.0T未満、このクーリングパルスTfoffと前記クーリングパルスTcaとの間のクーリングパルスToffを0.4T以上、0.8T未満とするようにされたことを特徴とする情報記録装置。
(6)前記記録層の、記録波長における光透過率が30%以上80%以下とされたことを特徴とする(5)に記載の情報記録装置。
(7)前記記録層は相変化記録膜及び金属放熱膜を含んで構成され、前記金属放熱膜の膜厚tは、0<t<30nmとされると共に、前記レーザビームが、前記金属放熱膜の反対側から前記相変化記録膜に照射されるようにしたことを特徴とする(5)又は(6)に記載の情報記録装置。
本発明は、光記録媒体に記録マークを形成する際の、前後の記録マークとの熱干渉及びトラック間のクロスイレーズを防止することができる。特に、記録層における金属放熱層が薄い半透過型記録層において、記録マーク間の熱干渉やトラック間の熱干渉であるクロスイレーズを顕著に抑制することができるという効果を有する。
最良の形態の、光記録媒体への情報記録方法は、この光記録媒体を、相変化記録膜及び金属放熱膜を含む第2の記録層、及び、この第2の記録層に対して、前記透明中間層を間にして配置された第1の記録層を有するようにし、前記金属放熱膜の膜厚tを、0<t<30nmとすると共に、記録用のレーザビームを前記金属放熱膜の反対側から前記相変化記録膜に照射する。このとき、レーザビームを、記録パワーのライトパルス及び基底パワーのクーリングパルスを含むパルス列となるようにパルス変調して、光記録媒体に照射する。記録すべきデータは、前記第2の記録層のトラックに沿った記録マークの長さに変調し、且つ、記録マークの長さを1クロック周期をTとしたときに、Tの整数倍nTに対応させるものとし、このnTに対応するnT記録マークを、(n−1)本のライトパルスにより記録すると共に、4T以上の記録マークを記録する際に、最後尾のライトパルスの前に、パルス幅が0.8T以上、2T以下のクーリングパルスを挿入させる。
以下本発明の実施例1について図1及び図2を参照して詳細に説明する。
この実施例1に係る光記録媒体10は、基板12上に、第1の記録層(L0層)14、透明中間層16、第2の記録層(以下記録層)18(L1層)及び光透過層20をこの順で積層して構成されている。
前記記録層18は、図1において拡大して示されるように、前記透明中間層16側から、下地膜18A、金属放熱膜18B、第2保護膜18C、相変化記録膜18D及び第1保護膜18Eをこの順で積層して構成されている。
前記金属放熱膜18Bは、放熱と光干渉効果のために設けられ、材料として好ましくはAg合金が用いられ、その膜厚tは、半透過構造とするために0<t<30nmとされ、これにより、記録層18全体の、記録波長における光透過率が30%以上80%以下となるようにされている。又、膜厚tは、より好ましくは0<t<20nmとする。
ここで、前記記録層18の光透過率が30%未満であると第1の記録層14への記録が困難となり、80%を超えると記録層18への記録が困難となる。又、膜厚tは、30nmを超えると光透過率が小さくなり過ぎてしまう。
前記下地膜18A、第2保護膜18C及び第1保護膜18Eは、各々が各種誘電体の積層膜から構成されている。
前記相変化記録膜18Dは、アモルファスと結晶の相変化が可能な材料、例えばSbTe共晶合金等から構成され、その膜厚は半透過構造とするために10nm以下が好ましい。
上記のような構成の光記録媒体10に対して、図2に示されるような情報記録/再生装置30により、情報の記録及び再生を行なう。
前記情報記録/再生装置30は、前記光記録媒体10を回転させるためのスピンドルモータ32、レーザビームを前記光記録媒体10に照射するためのヘッド34、このヘッド34及び前記スピンドルモータ32を制御するためのコントローラ36、前記ヘッド34からのレーザビームを、パルス列に変調制御するためのレーザ駆動信号を供給するレーザ駆動回路38と、前記ヘッド34にレンズ駆動信号を供給するレンズ駆動回路40と、を備えて構成されている。
前記コントローラ36は、フォーカスサーボ追従回路36A、トラッキングサーボ追従回路36B及びレーザコントロール回路36Cが含まれている。
前記レーザコントロール回路36Cは、レーザ駆動回路38により供給されるレーザ駆動信号を生成する回路であり、データの記録時においては、対象となる光記録媒体に記録されている記録条件設定情報に基づいて適切なレーザ駆動信号の生成を行ない、データの再生時においては、対象となる光記録媒体の種類に応じ、レーザビームのパワーが予め定められたパワーとなるように、レーザ駆動信号の生成を行なうようにされている。なお、データの再生時における予め決められたパワーは、再生条件設定情報によって定められる。
前記記録条件設定情報とは、光記録媒体10に対してデータを記録する場合に必要な各種条件を特定するために用いられる情報を言う。本実施例1においては、記録条件設定情報には、記録時におけるレーザビームのパワー及び以下に詳述する記録ストラテジを決定するために必要な情報が少なくとも含まれている。
前記記録条件設定情報としては、データの記録に必要な各条件を具体的に示すもののみならず、情報記録/再生装置内に予め格納されている各種条件のいずれかを指定することにより、記録条件の特定を行なうものも含まれる。
この実施例1において具体的には、記録条件設定情報としての、記録時におけるレーザパワーは、相変化記録膜をアモルファス状態とするために溶融するライトパワー(記録パワー)Pw(図3参照)、これを冷却する基底パワー(バイアスパワー)Pb、及び、相変化記録膜を結晶状態とする消去パワーPeからなり、これらは、Pw>Pe>Pbの関係となっている。
記録時のレーザビームは、前記各レーザパワーのライトパルス、クーリングパルス、消去パルスを含むパルス列となるようにパルス変調して記録層に照射され、このときの変調するパルス数、パルス幅、パルス間隔、パワー等の設定が記録ストラテジとなる。
又、前記ライトパルスは、一般的に図3に示されるように、先頭のパルスをトップパルスTfp、最後尾のパルスをラストパルスTlp、その間のパルスをマルチパルスTmpと称している。ここで、前記Tfp、Tlp及びTmp、後述のTfoff、Toff、Tc、Tcb及びTcaは、それぞれパルス幅(又は時間)を示すものであるが、説明の便宜上、パルスを示すものとしている。又、記録すべきデータは、記録層のトラックに沿った記録マークの長さに変調し、且つ、記録マークの長さを、1クロック周期をTとしたときに、Tの整数倍nTに対応させて記録するようにされている。
図3は(1.7)RLL変調における実施例1の記録ストラテジを示すものである。図3においては、2T記録マーク、4T記録マーク、5T記録マーク、8T記録マークをそれぞれ記録する場合の記録データを上段に、記録ストラテジを下段にそれぞれ示している。
この記録ストラテジにおいて、前記nTに対応するnT記録マークを、(n−1)本のライトパルス(トップパルスTfp、マルチパルスTmp及びラストパルスTlp)により記録すると共に、4T以上の記録マークを記録する際に、最後尾のライトパルス(ラストパルスTlp)の前に、パルス幅が0.8T以上、2T以下のクーリングパルスTcb(図3参照)を挿入するように設定されている。2T記録マークの場合は、トップパルスTfpにより記録し、その後に1本のクーリングパルスTcが設定されている。
前記4T以上の記録マークの場合のクーリングパルスTcbは、パルス幅が0.8T未満では溶融された相変化膜の冷却効果が少なく、2Tを超えると、記録マークが長くなりすぎてしまう。確実に冷却効果を得るためには、クーリングパルスTcbは、パルス幅が1T以上(2T以下)が好ましい。
前記クーリングパルスの幅Tcbは、他のライトパルス間の間隔ToffあるいはTfoffの2倍程度とされ、これによって相変化記録膜の急冷が可能となり、ラストパルスで記録する記録マーク後端を鮮明にすることができる。
従来の一般的な記録ストラテジでは、ラストパルス前に、記録層に熱が溜まってしまい、記録マーク後端が不鮮明になり易く、特に、前記のような徐冷構造の記録層では、各種マージンが無くなってしまうという問題点があり、又、前記のような2Tストラテジでの記録ではパルス幅が太くなる結果、記録時の溶融範囲が広くなって、クロスイレーズが大きくなるという問題点がある。
この実施例1の場合は、ラストパルス前に長いクーリングパルスを設定し、ラストパルスを時間的に遅らせることによって、相変化記録膜を冷却し、これによりラストパルスで記録する記録マーク後端を鮮明に形成することができる。
この場合、従来の、2Tストラテジにより太幅のライトパルスを用いた場合のように溶融範囲の幅が広くなり過ぎることはなく、従って、徐冷構造の記録層で発生し易いクロスイレーズを抑制することもできる。又、記録マークの後端が鮮明に記録されていることから、隣接記録マークとの熱干渉も抑制される。
[例1]
図1に示される光記録媒体10と同様の2層光記録媒体を作成し、記録層(L1層)の記録再生特性を評価した。
この2層光記録媒体の諸元は、次のとおりである。
基板の厚み1.1mm、透明中間層の厚み25μm、光透過層の厚み75μm、L1層における相変化記録膜はSb共晶系合金、厚さ6nm、金属放熱膜はAg合金で厚さ10nm、第1保護膜、第2保護膜、及び下地膜は、AlN、ZnS−SiO、ZrOの各種誘電体を用いた積層膜とし、その膜厚は、第1保護膜が60nm、第2保護膜が5nm、下地膜が5nmである。
初期化機により、L1層(相変化記録膜)を結晶状態(初期化)とした後、下記のような条件で2T〜8Tの記録マークのランダム信号を記録し、記録再生特性を評価した。このとき、L1層の光透過率は46%であった。
クロック周波数:132MHz、クロック周期(1T):7.6nsec、記録線速度(CLV):10.5m/s、変調方式:(1.7)RLL、データ転送速度:72Mbps、チャンネルビット長:0.12μm/bit、開口数(NA):0.85、レーザ波長:405nm。
更に、所定のトラック上にランダム信号を10回オーバーライト記録した後、その両側のトラックにランダム信号をそれぞれ10回オーバーライト記録した。その後、最初に記録した中央のトラックに形成された記録マークの再生波形を、エコライジング後タイムインターバルアナライザにより再生信号のクロックジッタ量を測定した。又、所定トラック上にランダム信号を10回オーバーライト記録した後、1トラックのみのクロックジッタ量を測定した。
この例における記録ストラテジは、次のように設定した。(図4参照)Tfp=0.4T、Tmp=0.3T、Tlp=0.4T、Tfoff=0.5T、Toff=0.7T、Tcb=1.2T、Tca=0.7T。
[比較例1]
比較例1として、前記と同一の光記録媒体に、下記のように設定された従来の記録ストラテジにより記録を行なった。
Tfp=0.4T、Tmp=0.3T、Tlp=0.4T、Tfoff=0.7T、Toff=0.7T、Tcb=0.7T、Tca=0.7T。
[比較例2]
又、同様に、比較例2として、2Tクロックに同期させた記録ストラテジを用いて記録を行なった。
このとき、2mTマークに対しては、m本のライトパルスを用い、
Tfp=0.6T、Tmp=Tlp=0.4T、Tfoff=Toff=Tcb=1.6T、Tca=0.8T。
(2m+1)Tのマークに対しては、m本のライトパルスを用い、
Tfp=0.6T、Tmp=0.4T、Tlp=0.7T、Tfoff=Toff=Tcb=Tca=1.6Tとした。
上記のような、本発明の例と、比較例1、2のそれぞれの記録ストラテジの下で、消去パワーPe、ライトパワーPwを変化させて記録した2層光記録媒体の再生時におけるクロックジッタ量を測定し、その結果を図5に示す。
又、図6に、1トラックのみのライトパワーに対するクロックジッタ量を示す。図5からは、本例の記録ストラテジを用いることにより、従来の記録ストラテジの場合と比較して、消去パワーマージンが2倍程度広がり、光透過率が比較的高い半透過型記録層に対しても十分な消去マージンが得られることが分かる。
又、2Tストラテジを用いた場合、シングルトラックの測定データに対しては問題が無い(図6参照)が、半透過型記録層に対してクロスイレーズが大きく、図5の右半分で示されるクロスイレーズを含めたジッタは、ライトパワーマージンが小さく使用できないことが分かる。これに対して、本例の記録ストラテジでは、十分なライトパワーマージンが確保されていることが分かる。
[例2]
次に、Tcbを従来と同じ0.7Tから、0.8T、1.2T、1.6T、2.0T、2.4Tと順次変化させ、且つ、消去パワーPeを2.6mW−5.5mWを変化させ、他の条件は例1と同一として記録した2層光記録媒体のL1層の再生時におけるクロックジッタ量を測定し、その結果を図7及び表1に示す。
Figure 0004407573
この結果からは、クーリングパルスのパルス幅Tcbを0.8T以上2T以下とすることにより、Tcbを0.7Tとした場合及び2.4Tとした場合と比較してクロックジッタ量が小さく、即ち、記録マークが鮮明に形成されていることが分る。
なお、いずれの例の場合でも、L1層の光透過率を30%未満としたときは、L0層への記録が困難であり、80%を超えたときは、L1層への記録が困難であった。
本発明の実施例に係る光記録媒体を模式的に示す断面図 本発明の実施例に係る情報記録/再生装置を示すブロック図 同実施例における記録ストラテジを示す線図 本発明の例1に係る記録ストラテジを示す線図 同記録ストラテジと、比較例として従来のストラテジ及び2Tストラテジにより記録した光記録媒体のL1層の記録を再生した場合のジッタ値を、消去パワー及びライトパワーとの関係で示す線図 一層の半透過記録層に、例及び比較例1、2の記録ストラテジで記録した情報を再生したときのジッタ値とライトパワーとの関係を示す線図 クーリングパルスのパルス幅Tcb及び消去パワーPeを変化させて記録したL1層の再生時におけるジッタ値、Tcb、Peの関係を示す線図
符号の説明
10…光記録媒体
12…基板
14…第1の記録層(L0層)
16…透明中間層
18…第2の記録層(L1層)
18B…金属放熱膜
18D…相変化記録膜
20…光透過層
30…情報記録/再生装置
36…コントローラ
38…レーザ駆動回路

Claims (7)

  1. レーザビームを、記録パワーのライトパルス及びほぼ基底パワーのクーリングパルスを含むパルス列となるようにパルス変調して、光記録媒体の記録層に照射することにより、記録すべきデータを、前記記録層のトラックに沿った記録マークの長さに変調し、且つ、記録マークの長さを、1クロック周期をTとしたときに、Tの整数倍nTに対応させて記録する光記録媒体への情報記録方法であって、
    前記nTに対応するnT記録マークを、(n−1)本のライトパルスにより記録すると共に、4T以上の記録マークを記録する際に、最後尾のライトパルスの前に、パルス幅が0.8T以上、2T以下のクーリングパルスTcaを挿入し、且つ、先頭のライトパルス直後のクーリングパルスTfoffを0.4T以上、1.0T未満、このクーリングパルスTfoffと前記クーリングパルスTcaとの間のクーリングパルスToffを0.4T以上、0.8T未満とすることを特徴とする光記録媒体への情報記録方法。
  2. 請求項1において、前記記録層の、記録波長における光透過率を30%以上80%以下とし、前記レーザビームを、前記記録層を覆う光透過層を介して、前記記録層に照射することを特徴とする光記録媒体への情報記録方法。
  3. 請求項1において、
    前記光記録媒体は、前記記録層を第2の記録層としたとき、基板上に第1の記録層、透明中間層、前記記録層及び光透過層を、この順で積層してなることを特徴とする光記録媒体への情報記録方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記記録層を相変化記録膜及び金属放熱膜を含んで構成し、前記金属放熱膜の膜厚tを、0<t<30nmとすると共に、前記レーザビームを、前記金属放熱膜の反対側から前記相変化記録膜に照射することを特徴とする光記録媒体への情報記録方法。
  5. 記録層及びこれを被う光透過層を有する光記録媒体の前記記録層に、前記光透過層を介して、パルス変調されたレーザビームを照射することにより、記録すべきデータを、前記記録層のトラックに沿った記録マークの長さに変調し、且つ、前記記録マークの長さを、1クロック周期をTとしたときに、Tの整数倍nTに対応して記録する情報記録装置であって、
    前記光記録媒体にレーザビームを照射する光学装置と、
    前記レーザビームを、記録パワーのライトパルス及びほぼ基底パワーのクーリングパルスを含むパルス列に変調制御するためのレーザ駆動信号を供給するレーザ駆動装置と、を少なくとも有し、
    前記レーザ駆動装置は、前記nTに対応するnT記録マークを、(n−1)本のライトパルスにより記録すると共に、4T以上の記録マークを記録する際に、最後尾のライトパルスの前に、パルス幅が0.8T以上、2T以下のクーリングパルスTcaを挿入し、且つ、先頭のライトパルス直後のクーリングパルスTfoffを0.4T以上、1.0T未満、このクーリングパルスTfoffと前記クーリングパルスTcaとの間のクーリングパルスToffを0.4T以上、0.8T未満とするようにされたことを特徴とする情報記録装置。
  6. 請求項5において、前記記録層の、記録波長における光透過率が30%以上80%以下とされたことを特徴とする情報記録装置。
  7. 請求項5又は6において、
    前記記録層は相変化記録膜及び金属放熱膜を含んで構成され、前記金属放熱膜の膜厚tは、0<t<30nmとされると共に、前記レーザビームが、前記金属放熱膜の反対側から前記相変化記録膜に照射されるようにしたことを特徴とする情報記録装置。
JP2005176873A 2004-06-28 2005-06-16 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置 Expired - Fee Related JP4407573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005176873A JP4407573B2 (ja) 2004-06-28 2005-06-16 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004189938 2004-06-28
JP2005176873A JP4407573B2 (ja) 2004-06-28 2005-06-16 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006048898A JP2006048898A (ja) 2006-02-16
JP2006048898A5 JP2006048898A5 (ja) 2008-04-10
JP4407573B2 true JP4407573B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=36027243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005176873A Expired - Fee Related JP4407573B2 (ja) 2004-06-28 2005-06-16 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4407573B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5336155B2 (ja) 2007-12-26 2013-11-06 太陽誘電株式会社 光情報記録装置および方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006048898A (ja) 2006-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100551917B1 (ko) 광기록 방법, 광기록장치 및 광기록매체
US8085638B2 (en) Test-write method, information recording method, and information recording apparatus
US7471606B2 (en) Method of recording information on optical recording medium, and information recording and reproducing apparatus
EP1612779B1 (en) Method of recording data on optical recording media and optical recording device
JP2003242644A (ja) 光記録媒体への情報記録方法、情報記録装置及び光記録媒体
JP4407573B2 (ja) 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置
JP2003242643A (ja) 光記録媒体への情報記録方法、情報記録装置及び光記録媒体
US7082090B2 (en) Method of recording information to an optical recording medium, information recording apparatus, and optical recording medium
JP3264805B2 (ja) 情報記録方式
EP1467353A1 (en) Method for recording information on optical recording medium, optical recording medium, and information recorder/reproducer
JP2003233929A (ja) 光記録媒体及び光記録媒体への情報記録方法
JPH11120563A (ja) 光ディスクの記録補償方法及び光ディスク記録装置
US7224663B2 (en) Optical recording medium, method of recording information to an optical recording medium, and information recording apparatus
US7738335B2 (en) Method and apparatus for recording information on an optical recording medium
US7173893B2 (en) Optical recording medium, method of recording information to an optical recording medium, and information recording apparatus
JP2007109283A (ja) 光記録媒体への情報記録方法及び光記録装置
US20070183288A1 (en) Method and device for recording marks in an information layer of an optical record carrier
JPWO2003079336A1 (ja) 記録装置及び記録方法
US7680010B2 (en) Method for recording information on optical recording medium
JP2002203317A (ja) 光記録方法、光記録装置および光記録媒体
JP2003099930A (ja) 光記録媒体への情報記録方法、情報記録装置及び光記録媒体
JP2003022531A (ja) 情報の記録方法、情報記録媒体及び情報記録装置
JP2005032295A (ja) 情報の記録方法
JP2003099936A (ja) 光記録媒体への情報記録方法、情報記録装置、光記録媒体及び光記録媒体の評価方法
JP2003059046A (ja) 記録方法および記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees