JP2005032295A - 情報の記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最短マークが短い変調符号の採用により、より短いマークを記録するときの熱干渉を低減する必要がある。また、高線速対応の媒体を低速で記録できるようなストラテジが必要とされている。さらに、高速から低速まで基本形が同じで対応できるストラテジが必要とされている。
【解決手段】記録波形をマルチパルス化し、前パルスは変調NRZIパルスの前エッジから検出窓幅1つ分遅れ、かつ後パルスの開始位置は前記変調NRZIパルスの後エッジから検出窓幅1つ分進んだタイミングより後ろにある。かつ、前パルス、後パルスを前後のギャップ間隔とマーク長によって変化させ、さらに、中間パルスのボトムとトップレベルを線速度に応じて連動して制御する。
【効果】熱干渉を低減し、かつ高線速対応の媒体を低速でも記録できる。
【選択図】 図2
【解決手段】記録波形をマルチパルス化し、前パルスは変調NRZIパルスの前エッジから検出窓幅1つ分遅れ、かつ後パルスの開始位置は前記変調NRZIパルスの後エッジから検出窓幅1つ分進んだタイミングより後ろにある。かつ、前パルス、後パルスを前後のギャップ間隔とマーク長によって変化させ、さらに、中間パルスのボトムとトップレベルを線速度に応じて連動して制御する。
【効果】熱干渉を低減し、かつ高線速対応の媒体を低速でも記録できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギービームの照射により情報の記録が可能な情報記録媒体を用いる情報記録方法および記録装置に係り、特に、追記形光ディスクに対し優れた効果を発揮する情報記録方法、および上記情報記録方法を用いる情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近相変化材料を用いて120mm径の円板で片面の記憶容量が4.7GBを実現するDVD―RAMが実用化されている。ここで採用された記録制御方法は図1に示すようになっている。相変化記録膜にマークエッジ記録を行なう光ディスク装置では、マーク形状歪みや消え残りを防ぐために、記録膜に記録マークを形成するために記録膜を融解させた領域の外縁部のどこにおいても、記録時の到達温度および冷却速度がほぼ同一であるようにする必要がある。そのため、以下の特許文献1には、記録マークを形成する最後のパルスの後のパワーを下げた部分(クーリングパルス)の幅またはレベルを変化させてその部分の照射エネルギーを変化させることにより記録マーク後部の冷却速度を制御できるため、記録マーク形状を最適化することが記載されている。
【特許文献1】特開2000−149265号
【発明が解決しようとする課題】
現在、相変化記録膜を用いた書き換え可能型デジタルビデオディスク(DVD−RAM)のさらに高密度化の研究が進んでいる。ここでは光源として短波長の青紫色の半導体レーザが用いられ、レンズの分解能も開口数が0.6ないしは0.65から0.85と向上している。さらに変調符号もDVD−RAMで使用されたEFM−プラスから1−7PPに変更されている。ランレングス・リミティッド・コードで表現するとDVDがRLL(2、10)に対して、RLL(1,7)と表現される。この変調符号の変更により、記録するマーク長さはデータの検出する窓幅をTwとすると、DVDでは3Twから11Twに対して、今回の符号では2Twから8Twと変化する。ユーザのビットあたりの転送時間Tを24nSとしたときの、各符号における諸特性を表1に示す。
検出窓幅は広くなるが最短マーク長、最短ギャップ間隔が狭くなる。従って、最適マークを記録するための複数パワーレベルと各レベルに対応した記録波形がDVD―RAMとは異なる。
また、記録媒体としてはRAMで用いられた相変化媒体だけでなく、追記形の記録媒体が用いられる。記録波形としては媒体毎に異なる記録波形を使用するのではなく、基本波形は変えず、パラメータの数値を変更するだけで、各記録媒体にたいおうすることが望ましい。
さらに、将来高速記録できる媒体が出できたときに、その媒体を下位互換のために低速の記録装置で記録することができることが望まれている。従って、将来出てくる高速用の媒体でも、基本形は変えず、パラメータの数値変更だけで、対応できることが必要である。
【0003】
したがって、本発明の目的は、最短マーク長、ギャップ間隔が狭い変調符号の情報マークを種類のことなる記録媒体と、将来現れる高速媒体にも、基本構成を変えず、パラメータ数値の変更で正確な記録が可能となる情報の記録方法、情報記録装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するためには、以下の情報記録方法、および情報記録装置を用いれば良い。すなわち、
(1)エネルギービームを照射し、情報を光学的に異なる形態に変化させ、情報を記録できる記録媒体を用い、上記エネルギービームと上記記録媒体を相対的に移動させて、上記エネルギービームに発光パワーレベルを複数持たせ、各パワーレベル毎の発光時間を変えて照射することにより、上記光学的に異なる記録状態にある記録マークの長さ及び間隔として情報を上記記録媒体に記録する情報の記録方法であって、情報の記録、あるいは記録の書換えを行なう前、あるいは後の少なくとも一方には第3および第2のパワーレベルより低い第1のパワーレベルで照射し、記録マークを形成するときには少なくとも1つが上記第3のパワーレベルに到達するか第3のパワーレベルを越える1つ以上のパルスで照射し、これらのパルス間では上記第3のパワーレベルよりパワーを下げ、記録マーク間のスペース部分では少なくとも一度は第2のパワーレベルに到達させる情報の記録方法において、所定の長さの記録マークを形成する場合のみ、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうちの最初のパルスの立ち下がりを固定し、立ち上がりの位置を移動させる方法、および、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうち最後のパルスの後に、上記第2のパワーレベルより低いパワーに下げる期間を有し、最後のパルスの立ち上がりを固定し、立ち下がりの位置を移動させる方法のうち、少なくとも1つの方法を含む。
【0005】
(2)前のスペースと当該マーク長さに応じて、最初のパルスの立ち上がりを制御するか後のスペースと当該マーク長さに応じて最後のパルスの立ち下がりを制御する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1を用いて、情報を変調符号としてRLL(1,7)に変換し、記録媒体に記録する際の、記録媒体に照射するエネルギービームのパワーレベルの経時的変化を示す。ここでは、情報を記録する際のパワーレベルの経時的変化のさせ方を、一般的にライトストラテジ、乃至は記録ストラテジと称することにする。図1は、本発明である情報の記録方法を含んだ記録ストラテジとなっている。ここでは具体例として、書き換え可能形の媒体である、相変化媒を例に取り説明することとする。この場合、記録及び再生における基準クロックの時間幅をTwとした場合、最短のマーク乃至最短のスペースの長さは2Tw(時間Twの2倍の長さの時間)であり、通常は最長のマーク乃至最長のスペースの長さは8Twである。
【0007】
記録媒体上に時系列的に記録すべき情報であるNRZI信号が与えられた場合、適当な信号処理回路によりNRZI信号はエネルギービームのパワーレベルの時系列的変化に変換される。このようなパワーレベルの時系列的変化が図1に光パルス波形として示されている。パワーレベルは Write Level 、Bias Level 1、Bias Level 2、Bias Level 3の4つのレベルに設定されており、Bias Level 1では記録媒体を第1の状態に、Write Level では記録媒体を第2の状態に、それぞれ移行させることが出来る。Bias Level3 は Bias Level 1 と等しいか或いはそれより低いレベルである。記録媒体に第2の状態の領域を形成する際に、第2の状態の領域の長さが3Tw以上の場合には(すなわち、NRZI信号の長さが3Tw以上の場合には)、 Write Level の照射期間中に Bias Level 3 のパワーレベルの期間を混在させて、エネルギービームをマルチパルス化する。マルチパルス化されたエネルギービームのうち、最初の光パルスを先頭パルス、最後の光パルスを最終パルスと称する。先頭パルスと最終パルスの間には、NRZI信号の長さに応じて、Write Level と Bias Level 3 とを反復する光パスルが繰り返されるが、その繰り返し数は、NRZI信号の長さをn回(n>2)とすると、(n−3)回となる。先頭パルスと最終パルスとに挟まれた繰り返しパルス全体を櫛型パルスと称する。即ち、4Tw以上の長さのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を形成する場合、記録パルスは先頭パルスと櫛型パルスと最終パルスとでなる。また、3Twの長さのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を形成する場合、記録パルスは先頭パルスと最終パルスとでなる。また、2Twの長さのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を形成する場合、記録パルスは単一のパルスとなる。
【0008】
Bias Level 1 と同じかそれより低く、かつ Bias Level 3 と同じかそれより高いパワーレベルを設定し、それを Bias Level 2 と称する。3Tw以上では最終パルスに引き続き、2Twでは書き込みの光パルスに引き続き、エネルギーレベルのパワーレベルを Bias Level 2 に所定の時間保持する。
【0009】
Bias Level 2 と、 Bias Level 1 或いは Bias Level 3 のどちからと同一のパワーレベルである可能性がある。また、Bias Level 1 と Bias Level 2 と Bias Level 3 のすべてが全く同一のパワーレベルである可能性がある。Write Level、Bias Level 1、Bias Level 2、Bias Level 3 の基準値は、媒体情報として、記録媒体の適当な場所に予め記録されている場合がある。このように、記録ストラテジに関する媒体情報を記録する記録媒体上の部分を、コントロールデーターゾーンの情報トラックと称する。パワーレベルの基準値を記録媒体のコントロールデーターゾーンの情報トラックから読み取り、これを参考に書き込み時の各パワーレベルを決定する。
【0010】
図1において、3Tw以上のNRZI信号に対応した第2の状態の領域を記録媒体に形成する場合のことを考え、記録波形の定義を考える。NRZI信号の立ち上がりよりTEFPだけ経過した時刻で書き込みパルス列の先頭パルスの立下りが定義される。また、先頭パルスの立下り時刻から時間TLFPだけ先行した時刻に先頭パルスの立ち上がりが存在している。また、書き込みパルス列の最終パルスの立ち上がりは、NRZI信号の立下り時刻から時刻1Twだけ先行した時刻を基準に、この基準時刻から時間TSLPだけ経過した時刻に最終パルスの立ち上がりがある。最終パルスの立ち上がり時刻から時間TLLPだけ経過した時刻に最終パルスの立ち下がりがある。
【0011】
先頭パルスと最終パルスとのあいだには櫛型パルスが存在する場合がある。櫛型パルス列の、各々のパルスの立ち上がりは基準クロック位置に一致しており、各々のパルス立ち上がり時刻から時間TTMPだけ経過した時刻に各々のパルス立下りがある。
【0012】
2TwのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を記録媒体に形成する場合を考える。NRZI信号の立ち上がりよりTELPだけ経過した時刻を基準とし、この基準時刻から時間TLFPだけ先行した時刻に光パルスの立ち上がりが存在している。また、書き込みパルス列の最終パルスの立ち上がりは、NRZI信号の立下り時刻から時刻2Twだけ先行した時刻を基準に、この基準時刻から時間TSLPだけ経過した時刻を第2の基準時刻とし、この第2の基準時刻から時間TLLPだけ経過した時刻に光パルスの立ち下がりがある。
【0013】
3Tw以降の最終パルスに引き続き、乃至は2Twの記録パルスに引き続き、パワーレベルが Bias Level 2 である部分が存在し、この長さはTLEとなっている。
【0014】
記録パルスを定義する時間である、TEFP、TLFP、TSLP、TLLP、TLE、TTMPは、その基情報記録方法、情報記録媒体、及び情報記録装置準値を記録媒体のコントロールデータゾーンの情報トラックから読み取り、それを参考に値を決定する。
【0015】
これまでの例は相変化媒体について説明してきた。すなわち、第1の記録状態、第2の記録状態はそれぞれ、結晶状態か非結晶質状態に対応し、Bias Power2によってマークが消去されるオーバライト特性を示す。追記形の媒体ではPeak powerにより、記録膜温度が上昇し、記録膜の光学的な特性が変化し、一度変化するとBias Powerを照射しても消去することはできない。しかし、追記形媒体でも、記録できない程度のレベルのBias Powerを使用することにより、記録特性を向上できる。すなわち、高速に記録しようとすると、Peak powerの照射だけでは記録膜上の温度を上昇させることができなくなることが起こる。特にレーザパワーの出力に限界があると、Peak powerに制限がかかってくる。このとき、記録時の温度上昇を助けるために、記録前からBias Powerにより、余熱を与えておくと、用意に記録できる。従って、追記形の媒体でもBias Powerを持った図1の波形を記録ストラテジとして採用できる。
【0016】
記録パルスを定義する時間である、TEFP、TLFP、TSLP、TLLP、TLE、TTMPは、必ずしも一定の値を取るとは限らず、NRZI信号の組み合わせに応じて変化させる必要がある。高密度記録を行った場合、隣接したマーク間の熱的な干渉が大きくなって、常に安定した記録をすることが困難になる。そこで、NRZI信号の組み合わせに応じて適応的な記録波形の変化をさせる事が考えられる。特に、追記形の媒体は熱干渉の影響を受けやすい特性があることから、有効である。
【0017】
前エッジのシフトを補正する為には、TEFP乃至はTLFPの何れかを変化させる。これらの
基準値からの変化量をそれぞれΔTEFPおよびΔTLFPと称することにする。後ろエッジのシフトを補正する為には、TSLP乃至はTLLPの何れかを変化させる。これらの基準値からの変化量をそれぞれΔTSLPおよびΔTLLPと称することにする。
【0018】
前エッジに関するTMFの第1のルックアップテーブルを定義する。これは、現在記録しようとしている当該マークの長さをM(n)とし、当該マークに先行するスペースの長さをS(n−1)とした場合、M(n)とS(n−1)の組み合わせで決まる値を並べた物であり、正の値も負の値も取り得る。ついで、後ろエッジに関するTMLの第2のルックアップテーブルを定義する。これは、現在記録しようとしている当該マーク長さをM(n)とし、当該マークに続くスペース長さをS(n+1)とした場合、M(n)とS(n+1)の組み合わせで決まる値を並べた物であり、正の値も負の値も取り得る。
CASE1においては、TMFの値をΔTLFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTLLPと一致させる。この場合、TLFPの値とTLLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置が変化し、立下り位置が固定である。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置が固定でパルス立下り位置が変化する。
【0019】
CASE2においては、TMFの値をΔTEFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTLLPと一致させる。この場合、TEFPの値とTLLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置と立下り位置が同時に変化する。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置が固定でパルス立下り位置が変化する。
【0020】
CASE3においては、TMFの値をΔTLFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTSLPと一致させる。この場合、TLFPの値とTSLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置が変化し、立下り位置が固定である。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置とパルス立下り位置が同時に変化する。
【0021】
CASE4においては、TMFの値をΔTEFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTSLPと一致させる。この場合、TEFPの値とTSLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置と立下り位置が同時に変化する。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置とパルス立下り位置が同時に変化する。
【0022】
CASE5においては、TMFの値をΔTLFPの値と一致させる。この場合、TLFPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置が変化し、立下り位置が固定である。
【0023】
CASE6においては、TMFの値をΔTEFPの値と一致させる。この場合、TEFPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置と立下り位置が同時に変化する。
【0024】
CASE7においては、TMLの値をΔTLLPの値と一致させる。この場合、TLLPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置が固定でパルス立下り位置が変化する。
【0025】
CASE8においては、TMLの値をΔTSLPの値と一致させる。この場合、TSLPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置とパルス立下り位置が同時に変化する。
【0026】
第1のルックアップテーブル及び第2のルックアップテーブルに含まれる値、及び、CASE1〜CASE8の何れを選択するかの情報は、記録媒体のコントロールデータゾーンの情報トラックにかかれた情報を読み取ることによって決定される。
【0027】
以上のように、ルックアップテーブルを用いた適応的な波形変化を、CASE1〜CASE8に場合分けし、その何れかを選択することにより、様々な特性を有する記録媒体に対応し、互換性良く常に安定して情報を記録できる方法を提供することができる効果がある。
【0028】
本実施例では、第1のルックアップテーブルの定義で、M(n)を4通り、S(n−1)を4通りの4×4に場合分けした。また、第2のルックアップテーブルの定義で、M(n)を4通り、S(n+1)を4通りの4×4に場合分けした。ルックアップテーブルのサイズは4×4に限らず、1×1でなければ、本発明の効果が実現できる。
【0029】
このライトストラテジの特徴は将来追記形の高速媒体が開発され、この媒体を現在の線速度でもこのライトストラテジにより記録できることである。すなわち、追記形の高速対応の媒体というものは高速により記録パワーが増加することを抑えるために、熱を蓄える構造とならざるを得ない。従って、低速で記録しようとすると、熱がこもり、熱干渉量が大きくなる。従って、熱干渉を抑える本発明のストラテジを用いることにより、将来開発される高速対応の媒体も低速で記録できるようになり、下位互換性を保つことができる。
【0030】
さらに、将来開発される高速対応の媒体にも、現在の検討しているライトストラテジの基本形を変えず、パラメータの数値変更だけで、対応できれば、世代ごとにディスクのコントロール情報エリアに書かれたストラテジとパラメータを読み取り、NRZIからレーザ駆動回路に送る波形を発生する回路を複数個持つ必要がなくなる。特に、回転数を一定にして、情報を記録再生するCAV(constant angular velocity)方式では半径位置によって、線速度が異なるため、ディスク前面に渡って同一基本ストラテジを用いて、半径ごとにスムーズにパラメータ設定することが必要である。高速になると、レーザ駆動回路の立ち上がり、立下り特性に限界あるため、図1のストラテジではMulti−pulse ChainにおけるTMPの波形が矩形波から三角波状に変化し、この部分での照射エネルギーが不足する。これを補うためのひとつの方法はBias Power3を上げて行き、その不足分を補う方法である。半径ごとにBias Power3の設定テーブルを持ち、制御していく。ディスクのコントロール情報エリアには複数の線速度における値を記録しておき、それらの数値を用いて内挿することにより前記テーブルを作成しておけばよい。この方法では装置ごとにレーザ駆動回路の特性がことなるとBias Power3の最適値がずれてくる可能性がある。そこで、ディスク挿入時に試し書き領域でBias Powerの最適値を探すことが必要となる。
【0031】
レーザ駆動回路の立ち上がり、立下り特性による照射エネルギー不足を補う、もうひとつの方法は、Multi−Pulse Chain のPeak PowerレベルをFirst Pulse、Last Pulseのレベルとは異なるレベル、Peak Power2として前記ストラテジと同様に、線速度ごとにBias Power3と連動して動かす。この場合First Pulse、Last Pulse のパワーレベルをPeak Power1として区別する。Peak Power2とBias Power3の設定によりMulti−pulse Chain部の平均パワーレベルを制御できる。Peak Power2とBias Power3の差を小さく設定できるのでレーザ駆動回路の立ち上がり、立下り特性のばらつきの影響は少なくなる。線速度がさらに速くなったとき、特性ばらつきの影響をなくすためにPeak Power2とBias Power3を同じ値にして線速度ごとに変化させる。この方式によりライトストラテジの基本形を変えず、高速から低速までパラメータの設定だけで、情報を正確に記録できる。このときにも、前後のギャップ長、自分のマーク長によりFirst Pulse、Last Pulse位置を変える前記ストラテジは低速において特に効果を発揮する。
【0032】
【発明の効果】
本発明のライトストラテジにより、最短マーク長が短い変調符号により、変調されたマークを正確に記録し、高線速度対応の媒体を低速時にも記録できる。さらに、高速から低速まで基本ストラテジのパラメータ変更のみで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ストラテジーを説明する図。
【図2】本発明のもう一つの記録ストラテジーを説明する図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギービームの照射により情報の記録が可能な情報記録媒体を用いる情報記録方法および記録装置に係り、特に、追記形光ディスクに対し優れた効果を発揮する情報記録方法、および上記情報記録方法を用いる情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近相変化材料を用いて120mm径の円板で片面の記憶容量が4.7GBを実現するDVD―RAMが実用化されている。ここで採用された記録制御方法は図1に示すようになっている。相変化記録膜にマークエッジ記録を行なう光ディスク装置では、マーク形状歪みや消え残りを防ぐために、記録膜に記録マークを形成するために記録膜を融解させた領域の外縁部のどこにおいても、記録時の到達温度および冷却速度がほぼ同一であるようにする必要がある。そのため、以下の特許文献1には、記録マークを形成する最後のパルスの後のパワーを下げた部分(クーリングパルス)の幅またはレベルを変化させてその部分の照射エネルギーを変化させることにより記録マーク後部の冷却速度を制御できるため、記録マーク形状を最適化することが記載されている。
【特許文献1】特開2000−149265号
【発明が解決しようとする課題】
現在、相変化記録膜を用いた書き換え可能型デジタルビデオディスク(DVD−RAM)のさらに高密度化の研究が進んでいる。ここでは光源として短波長の青紫色の半導体レーザが用いられ、レンズの分解能も開口数が0.6ないしは0.65から0.85と向上している。さらに変調符号もDVD−RAMで使用されたEFM−プラスから1−7PPに変更されている。ランレングス・リミティッド・コードで表現するとDVDがRLL(2、10)に対して、RLL(1,7)と表現される。この変調符号の変更により、記録するマーク長さはデータの検出する窓幅をTwとすると、DVDでは3Twから11Twに対して、今回の符号では2Twから8Twと変化する。ユーザのビットあたりの転送時間Tを24nSとしたときの、各符号における諸特性を表1に示す。
検出窓幅は広くなるが最短マーク長、最短ギャップ間隔が狭くなる。従って、最適マークを記録するための複数パワーレベルと各レベルに対応した記録波形がDVD―RAMとは異なる。
また、記録媒体としてはRAMで用いられた相変化媒体だけでなく、追記形の記録媒体が用いられる。記録波形としては媒体毎に異なる記録波形を使用するのではなく、基本波形は変えず、パラメータの数値を変更するだけで、各記録媒体にたいおうすることが望ましい。
さらに、将来高速記録できる媒体が出できたときに、その媒体を下位互換のために低速の記録装置で記録することができることが望まれている。従って、将来出てくる高速用の媒体でも、基本形は変えず、パラメータの数値変更だけで、対応できることが必要である。
【0003】
したがって、本発明の目的は、最短マーク長、ギャップ間隔が狭い変調符号の情報マークを種類のことなる記録媒体と、将来現れる高速媒体にも、基本構成を変えず、パラメータ数値の変更で正確な記録が可能となる情報の記録方法、情報記録装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するためには、以下の情報記録方法、および情報記録装置を用いれば良い。すなわち、
(1)エネルギービームを照射し、情報を光学的に異なる形態に変化させ、情報を記録できる記録媒体を用い、上記エネルギービームと上記記録媒体を相対的に移動させて、上記エネルギービームに発光パワーレベルを複数持たせ、各パワーレベル毎の発光時間を変えて照射することにより、上記光学的に異なる記録状態にある記録マークの長さ及び間隔として情報を上記記録媒体に記録する情報の記録方法であって、情報の記録、あるいは記録の書換えを行なう前、あるいは後の少なくとも一方には第3および第2のパワーレベルより低い第1のパワーレベルで照射し、記録マークを形成するときには少なくとも1つが上記第3のパワーレベルに到達するか第3のパワーレベルを越える1つ以上のパルスで照射し、これらのパルス間では上記第3のパワーレベルよりパワーを下げ、記録マーク間のスペース部分では少なくとも一度は第2のパワーレベルに到達させる情報の記録方法において、所定の長さの記録マークを形成する場合のみ、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうちの最初のパルスの立ち下がりを固定し、立ち上がりの位置を移動させる方法、および、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうち最後のパルスの後に、上記第2のパワーレベルより低いパワーに下げる期間を有し、最後のパルスの立ち上がりを固定し、立ち下がりの位置を移動させる方法のうち、少なくとも1つの方法を含む。
【0005】
(2)前のスペースと当該マーク長さに応じて、最初のパルスの立ち上がりを制御するか後のスペースと当該マーク長さに応じて最後のパルスの立ち下がりを制御する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1を用いて、情報を変調符号としてRLL(1,7)に変換し、記録媒体に記録する際の、記録媒体に照射するエネルギービームのパワーレベルの経時的変化を示す。ここでは、情報を記録する際のパワーレベルの経時的変化のさせ方を、一般的にライトストラテジ、乃至は記録ストラテジと称することにする。図1は、本発明である情報の記録方法を含んだ記録ストラテジとなっている。ここでは具体例として、書き換え可能形の媒体である、相変化媒を例に取り説明することとする。この場合、記録及び再生における基準クロックの時間幅をTwとした場合、最短のマーク乃至最短のスペースの長さは2Tw(時間Twの2倍の長さの時間)であり、通常は最長のマーク乃至最長のスペースの長さは8Twである。
【0007】
記録媒体上に時系列的に記録すべき情報であるNRZI信号が与えられた場合、適当な信号処理回路によりNRZI信号はエネルギービームのパワーレベルの時系列的変化に変換される。このようなパワーレベルの時系列的変化が図1に光パルス波形として示されている。パワーレベルは Write Level 、Bias Level 1、Bias Level 2、Bias Level 3の4つのレベルに設定されており、Bias Level 1では記録媒体を第1の状態に、Write Level では記録媒体を第2の状態に、それぞれ移行させることが出来る。Bias Level3 は Bias Level 1 と等しいか或いはそれより低いレベルである。記録媒体に第2の状態の領域を形成する際に、第2の状態の領域の長さが3Tw以上の場合には(すなわち、NRZI信号の長さが3Tw以上の場合には)、 Write Level の照射期間中に Bias Level 3 のパワーレベルの期間を混在させて、エネルギービームをマルチパルス化する。マルチパルス化されたエネルギービームのうち、最初の光パルスを先頭パルス、最後の光パルスを最終パルスと称する。先頭パルスと最終パルスの間には、NRZI信号の長さに応じて、Write Level と Bias Level 3 とを反復する光パスルが繰り返されるが、その繰り返し数は、NRZI信号の長さをn回(n>2)とすると、(n−3)回となる。先頭パルスと最終パルスとに挟まれた繰り返しパルス全体を櫛型パルスと称する。即ち、4Tw以上の長さのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を形成する場合、記録パルスは先頭パルスと櫛型パルスと最終パルスとでなる。また、3Twの長さのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を形成する場合、記録パルスは先頭パルスと最終パルスとでなる。また、2Twの長さのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を形成する場合、記録パルスは単一のパルスとなる。
【0008】
Bias Level 1 と同じかそれより低く、かつ Bias Level 3 と同じかそれより高いパワーレベルを設定し、それを Bias Level 2 と称する。3Tw以上では最終パルスに引き続き、2Twでは書き込みの光パルスに引き続き、エネルギーレベルのパワーレベルを Bias Level 2 に所定の時間保持する。
【0009】
Bias Level 2 と、 Bias Level 1 或いは Bias Level 3 のどちからと同一のパワーレベルである可能性がある。また、Bias Level 1 と Bias Level 2 と Bias Level 3 のすべてが全く同一のパワーレベルである可能性がある。Write Level、Bias Level 1、Bias Level 2、Bias Level 3 の基準値は、媒体情報として、記録媒体の適当な場所に予め記録されている場合がある。このように、記録ストラテジに関する媒体情報を記録する記録媒体上の部分を、コントロールデーターゾーンの情報トラックと称する。パワーレベルの基準値を記録媒体のコントロールデーターゾーンの情報トラックから読み取り、これを参考に書き込み時の各パワーレベルを決定する。
【0010】
図1において、3Tw以上のNRZI信号に対応した第2の状態の領域を記録媒体に形成する場合のことを考え、記録波形の定義を考える。NRZI信号の立ち上がりよりTEFPだけ経過した時刻で書き込みパルス列の先頭パルスの立下りが定義される。また、先頭パルスの立下り時刻から時間TLFPだけ先行した時刻に先頭パルスの立ち上がりが存在している。また、書き込みパルス列の最終パルスの立ち上がりは、NRZI信号の立下り時刻から時刻1Twだけ先行した時刻を基準に、この基準時刻から時間TSLPだけ経過した時刻に最終パルスの立ち上がりがある。最終パルスの立ち上がり時刻から時間TLLPだけ経過した時刻に最終パルスの立ち下がりがある。
【0011】
先頭パルスと最終パルスとのあいだには櫛型パルスが存在する場合がある。櫛型パルス列の、各々のパルスの立ち上がりは基準クロック位置に一致しており、各々のパルス立ち上がり時刻から時間TTMPだけ経過した時刻に各々のパルス立下りがある。
【0012】
2TwのNRZI信号に対応した第2の状態の領域を記録媒体に形成する場合を考える。NRZI信号の立ち上がりよりTELPだけ経過した時刻を基準とし、この基準時刻から時間TLFPだけ先行した時刻に光パルスの立ち上がりが存在している。また、書き込みパルス列の最終パルスの立ち上がりは、NRZI信号の立下り時刻から時刻2Twだけ先行した時刻を基準に、この基準時刻から時間TSLPだけ経過した時刻を第2の基準時刻とし、この第2の基準時刻から時間TLLPだけ経過した時刻に光パルスの立ち下がりがある。
【0013】
3Tw以降の最終パルスに引き続き、乃至は2Twの記録パルスに引き続き、パワーレベルが Bias Level 2 である部分が存在し、この長さはTLEとなっている。
【0014】
記録パルスを定義する時間である、TEFP、TLFP、TSLP、TLLP、TLE、TTMPは、その基情報記録方法、情報記録媒体、及び情報記録装置準値を記録媒体のコントロールデータゾーンの情報トラックから読み取り、それを参考に値を決定する。
【0015】
これまでの例は相変化媒体について説明してきた。すなわち、第1の記録状態、第2の記録状態はそれぞれ、結晶状態か非結晶質状態に対応し、Bias Power2によってマークが消去されるオーバライト特性を示す。追記形の媒体ではPeak powerにより、記録膜温度が上昇し、記録膜の光学的な特性が変化し、一度変化するとBias Powerを照射しても消去することはできない。しかし、追記形媒体でも、記録できない程度のレベルのBias Powerを使用することにより、記録特性を向上できる。すなわち、高速に記録しようとすると、Peak powerの照射だけでは記録膜上の温度を上昇させることができなくなることが起こる。特にレーザパワーの出力に限界があると、Peak powerに制限がかかってくる。このとき、記録時の温度上昇を助けるために、記録前からBias Powerにより、余熱を与えておくと、用意に記録できる。従って、追記形の媒体でもBias Powerを持った図1の波形を記録ストラテジとして採用できる。
【0016】
記録パルスを定義する時間である、TEFP、TLFP、TSLP、TLLP、TLE、TTMPは、必ずしも一定の値を取るとは限らず、NRZI信号の組み合わせに応じて変化させる必要がある。高密度記録を行った場合、隣接したマーク間の熱的な干渉が大きくなって、常に安定した記録をすることが困難になる。そこで、NRZI信号の組み合わせに応じて適応的な記録波形の変化をさせる事が考えられる。特に、追記形の媒体は熱干渉の影響を受けやすい特性があることから、有効である。
【0017】
前エッジのシフトを補正する為には、TEFP乃至はTLFPの何れかを変化させる。これらの
基準値からの変化量をそれぞれΔTEFPおよびΔTLFPと称することにする。後ろエッジのシフトを補正する為には、TSLP乃至はTLLPの何れかを変化させる。これらの基準値からの変化量をそれぞれΔTSLPおよびΔTLLPと称することにする。
【0018】
前エッジに関するTMFの第1のルックアップテーブルを定義する。これは、現在記録しようとしている当該マークの長さをM(n)とし、当該マークに先行するスペースの長さをS(n−1)とした場合、M(n)とS(n−1)の組み合わせで決まる値を並べた物であり、正の値も負の値も取り得る。ついで、後ろエッジに関するTMLの第2のルックアップテーブルを定義する。これは、現在記録しようとしている当該マーク長さをM(n)とし、当該マークに続くスペース長さをS(n+1)とした場合、M(n)とS(n+1)の組み合わせで決まる値を並べた物であり、正の値も負の値も取り得る。
CASE1においては、TMFの値をΔTLFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTLLPと一致させる。この場合、TLFPの値とTLLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置が変化し、立下り位置が固定である。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置が固定でパルス立下り位置が変化する。
【0019】
CASE2においては、TMFの値をΔTEFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTLLPと一致させる。この場合、TEFPの値とTLLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置と立下り位置が同時に変化する。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置が固定でパルス立下り位置が変化する。
【0020】
CASE3においては、TMFの値をΔTLFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTSLPと一致させる。この場合、TLFPの値とTSLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置が変化し、立下り位置が固定である。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置とパルス立下り位置が同時に変化する。
【0021】
CASE4においては、TMFの値をΔTEFPの値と一致させ、かつTMLの値をΔTSLPと一致させる。この場合、TEFPの値とTSLPの値とが、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置と立下り位置が同時に変化する。また、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置とパルス立下り位置が同時に変化する。
【0022】
CASE5においては、TMFの値をΔTLFPの値と一致させる。この場合、TLFPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置が変化し、立下り位置が固定である。
【0023】
CASE6においては、TMFの値をΔTEFPの値と一致させる。この場合、TEFPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、先頭パルスでは、パルス立ち上がり位置と立下り位置が同時に変化する。
【0024】
CASE7においては、TMLの値をΔTLLPの値と一致させる。この場合、TLLPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置が固定でパルス立下り位置が変化する。
【0025】
CASE8においては、TMLの値をΔTSLPの値と一致させる。この場合、TSLPの値が、NRZI信号の組み合わせに応じて変化することとなる。すなわち、最終パルスでは、パルス立ち上がり位置とパルス立下り位置が同時に変化する。
【0026】
第1のルックアップテーブル及び第2のルックアップテーブルに含まれる値、及び、CASE1〜CASE8の何れを選択するかの情報は、記録媒体のコントロールデータゾーンの情報トラックにかかれた情報を読み取ることによって決定される。
【0027】
以上のように、ルックアップテーブルを用いた適応的な波形変化を、CASE1〜CASE8に場合分けし、その何れかを選択することにより、様々な特性を有する記録媒体に対応し、互換性良く常に安定して情報を記録できる方法を提供することができる効果がある。
【0028】
本実施例では、第1のルックアップテーブルの定義で、M(n)を4通り、S(n−1)を4通りの4×4に場合分けした。また、第2のルックアップテーブルの定義で、M(n)を4通り、S(n+1)を4通りの4×4に場合分けした。ルックアップテーブルのサイズは4×4に限らず、1×1でなければ、本発明の効果が実現できる。
【0029】
このライトストラテジの特徴は将来追記形の高速媒体が開発され、この媒体を現在の線速度でもこのライトストラテジにより記録できることである。すなわち、追記形の高速対応の媒体というものは高速により記録パワーが増加することを抑えるために、熱を蓄える構造とならざるを得ない。従って、低速で記録しようとすると、熱がこもり、熱干渉量が大きくなる。従って、熱干渉を抑える本発明のストラテジを用いることにより、将来開発される高速対応の媒体も低速で記録できるようになり、下位互換性を保つことができる。
【0030】
さらに、将来開発される高速対応の媒体にも、現在の検討しているライトストラテジの基本形を変えず、パラメータの数値変更だけで、対応できれば、世代ごとにディスクのコントロール情報エリアに書かれたストラテジとパラメータを読み取り、NRZIからレーザ駆動回路に送る波形を発生する回路を複数個持つ必要がなくなる。特に、回転数を一定にして、情報を記録再生するCAV(constant angular velocity)方式では半径位置によって、線速度が異なるため、ディスク前面に渡って同一基本ストラテジを用いて、半径ごとにスムーズにパラメータ設定することが必要である。高速になると、レーザ駆動回路の立ち上がり、立下り特性に限界あるため、図1のストラテジではMulti−pulse ChainにおけるTMPの波形が矩形波から三角波状に変化し、この部分での照射エネルギーが不足する。これを補うためのひとつの方法はBias Power3を上げて行き、その不足分を補う方法である。半径ごとにBias Power3の設定テーブルを持ち、制御していく。ディスクのコントロール情報エリアには複数の線速度における値を記録しておき、それらの数値を用いて内挿することにより前記テーブルを作成しておけばよい。この方法では装置ごとにレーザ駆動回路の特性がことなるとBias Power3の最適値がずれてくる可能性がある。そこで、ディスク挿入時に試し書き領域でBias Powerの最適値を探すことが必要となる。
【0031】
レーザ駆動回路の立ち上がり、立下り特性による照射エネルギー不足を補う、もうひとつの方法は、Multi−Pulse Chain のPeak PowerレベルをFirst Pulse、Last Pulseのレベルとは異なるレベル、Peak Power2として前記ストラテジと同様に、線速度ごとにBias Power3と連動して動かす。この場合First Pulse、Last Pulse のパワーレベルをPeak Power1として区別する。Peak Power2とBias Power3の設定によりMulti−pulse Chain部の平均パワーレベルを制御できる。Peak Power2とBias Power3の差を小さく設定できるのでレーザ駆動回路の立ち上がり、立下り特性のばらつきの影響は少なくなる。線速度がさらに速くなったとき、特性ばらつきの影響をなくすためにPeak Power2とBias Power3を同じ値にして線速度ごとに変化させる。この方式によりライトストラテジの基本形を変えず、高速から低速までパラメータの設定だけで、情報を正確に記録できる。このときにも、前後のギャップ長、自分のマーク長によりFirst Pulse、Last Pulse位置を変える前記ストラテジは低速において特に効果を発揮する。
【0032】
【発明の効果】
本発明のライトストラテジにより、最短マーク長が短い変調符号により、変調されたマークを正確に記録し、高線速度対応の媒体を低速時にも記録できる。さらに、高速から低速まで基本ストラテジのパラメータ変更のみで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ストラテジーを説明する図。
【図2】本発明のもう一つの記録ストラテジーを説明する図。
Claims (6)
- エネルギービームを照射し、情報を光学的に異なる形態に変化させ、情報を記録できる記録媒体を用い、上記エネルギービームと上記記録媒体を相対的に移動させて、上記エネルギービームに発光パワーレベルを複数持たせ、各パワーレベル毎の発光時間を変えて照射することにより、上記光学的に異なる記録状態にある記録マークの長さ及び間隔として情報を上記記録媒体に記録する情報の記録方法であって、情報の記録、あるいは記録の書換えを行なう前、あるいは後の少なくとも一方には第3のパワーレベルより低い第1のパワーレベルで照射し、記録マークを形成するときには少なくとも1つが上記第3のパワーレベルに到達するか第3のパワーレベルを越える1つ以上のパルスで照射し、これらのパルス間では上記第3のパワーレベルよりパワーを下げ、記録マーク間のスペース部分では少なくとも一度は第1のパワーレベルより低い第2のパワーレベルに到達させる情報の記録方法において、所定の長さの記録マークを形成する場合には、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうちの最初のパルスの立ち下がりを固定し、立ち上がりの位置を移動させる方法、および、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうち最後のパルスの後に、上記第2のパワーレベルより低いパワーに下げる期間を有し、最後のパルスの立ち上がりを固定し、立ち下がりの位置を移動させる方法のうち、少なくとも1つの方法を含むことを特徴とする情報の記録方法。
- 請求項1に記載の情報の記録方法において、前のスペースと当該マーク長さに応じて、最初のパルスの立ち上がりを制御するか後のスペースと当該マーク長さに応じて最後のパルスの立ち下がりを制御することを特徴とする情報の記録方法。
- エネルギービームを照射し、情報を光学的に異なる形態に変化させ、情報を記録できる記録媒体を用い、上記エネルギービームと上記記録媒体を相対的に移動させて、上記エネルギービームに発光パワーレベルを複数持たせ、各パワーレベル毎の発光時間を変えて照射することにより、上記光学的に異なる記録状態にある記録マークの長さ及び間隔として情報を上記記録媒体に記録する情報の記録方法であって、情報の記録、あるいは記録の書換えを行なう前、あるいは後の少なくとも一方には第3のパワーレベルより低い第1のパワーレベルで照射し、記録マークを形成するときには少なくとも最初のパルスが上記第3のパワーレベルに保持され、後続するパルスは第3のパワーレベルより低い第4のパワーレベルを持つパルスで照射し、これらのパルス間では上記第4のパワーレベルより低い第5のパワーレベルに下げ、最後のパルスでは上記第3のパワーレベルに保持され、記録マーク間のスペース部分では少なくとも一度は第1のパワーレベルより低い第2のパワーレベルに到達させることを特徴とする情報の記録方法。
- 請求項3記載の記録方法において、所定の長さの記録マークを形成する場合のみ、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうちの最初のパルスの立ち下がりを固定し、立ち上がりの位置を移動させる方法、および、上記記録マークを形成する1つ以上のパルスのうち最後のパルスの後に、上記第2のパワーレベルより低いパワーに下げる期間を有し、最後のパルスの立ち上がりを固定し、立ち下がりの位置を移動させる方法のうち、少なくとも1つの方法を含むことを特徴とする情報の記録方法。
- 請求項4に記載の記録方法において、線速度に応じて第4と第5のパワーレベルを変化させることを特徴とする情報の記録方法。
- 請求項5記載の記録方式において、第4と第5のパワーレベルを特定の線速度以上で一致させることを特徴とする情報の記録方法。
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JP2003193256A JP2005032295A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | 情報の記録方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008032823A1 (fr) * | 2006-09-15 | 2008-03-20 | Nec Corporation | Procédé de réglage de la puissance d'irradiation lumineuse et dispositif d'enregistrement/reproduction d'information |
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2003
- 2003-07-08 JP JP2003193256A patent/JP2005032295A/ja active Pending
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