JP2003056986A - 溶解炉の燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン類を低減する方法 - Google Patents
溶解炉の燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン類を低減する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩素系樹脂被覆材を含む電線屑などを原料に
用いた金属溶解炉から排出される排ガス中のダイオキシ
ン類を金属溶解炉内で低減する。 【解決手段】 溶解炉の炉内温度を８５０℃以上とし、
前記溶解炉の排ガスの排ガス出口１２に蓄熱体９を配
し、前記溶解炉の排ガスを、蓄熱体９により２００℃以
下の温度に急速冷却して排出する。 【効果】 排ガス中のダイオキシン類が炉内で低減され
るためダイオキシン類を低減するための処理設備が不要
でありスペース的にもコスト的にも有利である。前記炉
内の高温保持と排ガスの急速冷却は、原料の加熱溶融を
複数の蓄熱式バーナーを数組に分けて交番燃焼させるこ
とにより容易に行える。また金属原料装入扉１を断熱扉
とすることで扉部分からの放熱が抑制され炉内温度が上
昇してダイオキシン類はさらに低減する。
用いた金属溶解炉から排出される排ガス中のダイオキシ
ン類を金属溶解炉内で低減する。 【解決手段】 溶解炉の炉内温度を８５０℃以上とし、
前記溶解炉の排ガスの排ガス出口１２に蓄熱体９を配
し、前記溶解炉の排ガスを、蓄熱体９により２００℃以
下の温度に急速冷却して排出する。 【効果】 排ガス中のダイオキシン類が炉内で低減され
るためダイオキシン類を低減するための処理設備が不要
でありスペース的にもコスト的にも有利である。前記炉
内の高温保持と排ガスの急速冷却は、原料の加熱溶融を
複数の蓄熱式バーナーを数組に分けて交番燃焼させるこ
とにより容易に行える。また金属原料装入扉１を断熱扉
とすることで扉部分からの放熱が抑制され炉内温度が上
昇してダイオキシン類はさらに低減する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素系樹脂被覆材
を含む電線屑などを含む金属を加熱溶解する金属溶解炉
から排出される燃焼排ガス（以下適宜、排ガスと略記す
る）中のダイオキシン類を金属溶解炉内で低減し大気中
に排出する溶解炉の燃焼排ガス中に含まれるダイオキシ
ン類を低減する方法に関する。
を含む電線屑などを含む金属を加熱溶解する金属溶解炉
から排出される燃焼排ガス（以下適宜、排ガスと略記す
る）中のダイオキシン類を金属溶解炉内で低減し大気中
に排出する溶解炉の燃焼排ガス中に含まれるダイオキシ
ン類を低減する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】ダイオキシン類（ポリ塩化ジベンゾパラ
ジオキシン（ＰＣＤＤｓ）とポリ塩化ジベンゾフラン
（ＰＣＤＦｓ）の総称）は、その毒性および排出量の実
態が明らかになるにつれ、大きな社会問題になってきて
おり、特に都市ゴミ焼却炉におけるダイオキシン類の低
減対策が緊急課題になっている。
ジオキシン（ＰＣＤＤｓ）とポリ塩化ジベンゾフラン
（ＰＣＤＦｓ）の総称）は、その毒性および排出量の実
態が明らかになるにつれ、大きな社会問題になってきて
おり、特に都市ゴミ焼却炉におけるダイオキシン類の低
減対策が緊急課題になっている。
【０００３】前記ダイオキシン類は、無機炭素、有機炭
素、無機塩素などが銅やコバルトの存在下で３００℃以
上に加熱されると前記銅やコバルトが触媒となって容易
に反応生成（デノボ合成）するため、銅などの金属溶解
炉でも、金属原料に塩素系樹脂被覆材（例えば、塩素化
ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂）などが付着した電
線屑を用いる場合は、ダイオキシン類が生成し、排ガス
と一緒に大気中に排出される。
素、無機塩素などが銅やコバルトの存在下で３００℃以
上に加熱されると前記銅やコバルトが触媒となって容易
に反応生成（デノボ合成）するため、銅などの金属溶解
炉でも、金属原料に塩素系樹脂被覆材（例えば、塩素化
ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂）などが付着した電
線屑を用いる場合は、ダイオキシン類が生成し、排ガス
と一緒に大気中に排出される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】このため、金属溶解炉
の排ガス中のダイオキシン類を低減するための施策が種
々講じられており、例えば、炉から排出される排ガスに
粉末活性炭を吹き込みダイオキシン類を吸着させバグフ
ィルターで濾過する方法、排ガスをＳＯX で洗浄後ダイ
オキシン類を触媒により酸化分解する方法などがある。
しかし、このような従来法では、ダイオキシン類を低減
するための処理設備が必要なため、スペース的にもコス
ト的にも不利であった。
の排ガス中のダイオキシン類を低減するための施策が種
々講じられており、例えば、炉から排出される排ガスに
粉末活性炭を吹き込みダイオキシン類を吸着させバグフ
ィルターで濾過する方法、排ガスをＳＯX で洗浄後ダイ
オキシン類を触媒により酸化分解する方法などがある。
しかし、このような従来法では、ダイオキシン類を低減
するための処理設備が必要なため、スペース的にもコス
ト的にも不利であった。
【０００５】このようなことから、本発明者等は、前記
電線屑などを含む金属原料を溶解する縦型連続溶解炉
（シャフト炉）を用い、その排ガス中に含まれるダイオ
キシン類の低減について種々検討した。検討対象とした
前記シャフト炉は、図３、４に示すように、上部に金属
原料装入扉２１が設けられ、中間部に金属原料２を加熱
溶融するためのバーナー群２３が設けられ、下部に加熱
溶融体４の出湯口５が設けられた縦型の連続溶解炉であ
る。前記バーナー群２３は、図４に示すように、複数の
バーナー２６が、その火炎が中心に向かうように炉壁内
周に等間隔に配置されたもので、このようなバーナー群
２３はシャフト炉の上下方向の所定箇所に複数設けられ
ている。
電線屑などを含む金属原料を溶解する縦型連続溶解炉
（シャフト炉）を用い、その排ガス中に含まれるダイオ
キシン類の低減について種々検討した。検討対象とした
前記シャフト炉は、図３、４に示すように、上部に金属
原料装入扉２１が設けられ、中間部に金属原料２を加熱
溶融するためのバーナー群２３が設けられ、下部に加熱
溶融体４の出湯口５が設けられた縦型の連続溶解炉であ
る。前記バーナー群２３は、図４に示すように、複数の
バーナー２６が、その火炎が中心に向かうように炉壁内
周に等間隔に配置されたもので、このようなバーナー群
２３はシャフト炉の上下方向の所定箇所に複数設けられ
ている。
【０００６】前記シャフト炉により排ガス中に含まれる
ダイオキシン類を、金属溶解炉から排出される前に低減
する方法を検討した結果、炉内温度を高め、かつ排ガス
温度を低くすることにより、排ガス中のダイオキシン類
を低減し得ることを知見し、さらに検討を重ねて、本発
明を完成させるに至った。
ダイオキシン類を、金属溶解炉から排出される前に低減
する方法を検討した結果、炉内温度を高め、かつ排ガス
温度を低くすることにより、排ガス中のダイオキシン類
を低減し得ることを知見し、さらに検討を重ねて、本発
明を完成させるに至った。
【０００７】本発明の目的は、塩素系樹脂被覆材が付着
した電線屑などを含む金属原料に用いた金属溶解炉から
排出される排ガス中のダイオキシン類を前記金属溶解炉
内で低減することにある。
した電線屑などを含む金属原料に用いた金属溶解炉から
排出される排ガス中のダイオキシン類を前記金属溶解炉
内で低減することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
溶解炉の炉内温度を８５０℃以上とし、前記溶解炉の排
ガス出口に蓄熱体を配し、前記溶解炉の燃焼排ガスを、
前記蓄熱体により２００℃以下の温度に急速冷却して排
出することを特徴とする溶解炉の燃焼排ガス中に含まれ
るダイオキシン類を低減する方法である。
溶解炉の炉内温度を８５０℃以上とし、前記溶解炉の排
ガス出口に蓄熱体を配し、前記溶解炉の燃焼排ガスを、
前記蓄熱体により２００℃以下の温度に急速冷却して排
出することを特徴とする溶解炉の燃焼排ガス中に含まれ
るダイオキシン類を低減する方法である。
【０００９】請求項２記載の発明は、前記溶解炉は、燃
料ノズルを備えたバーナー部と蓄熱体を収納した蓄熱室
とからなる蓄熱式バーナーを少なくとも２個具備し、前
記蓄熱式バーナーは交番燃焼され、一方の蓄熱式バーナ
ーが燃焼側のときは、炉内の燃焼排ガスを他方の非燃焼
側の蓄熱式バーナーの蓄熱室内に通し、該蓄熱室内の蓄
熱体により急速冷却して排出するとともに前記蓄熱体を
昇温させ、次に前記他方の蓄熱式バーナーが燃焼側のと
きは、前記他方の蓄熱式バーナーの昇温している蓄熱室
内の蓄熱体により燃焼用補助ガスを加温することを特徴
とする請求項１記載の溶解炉の燃焼排ガス中に含まれる
ダイオキシン類を低減する方法である。
料ノズルを備えたバーナー部と蓄熱体を収納した蓄熱室
とからなる蓄熱式バーナーを少なくとも２個具備し、前
記蓄熱式バーナーは交番燃焼され、一方の蓄熱式バーナ
ーが燃焼側のときは、炉内の燃焼排ガスを他方の非燃焼
側の蓄熱式バーナーの蓄熱室内に通し、該蓄熱室内の蓄
熱体により急速冷却して排出するとともに前記蓄熱体を
昇温させ、次に前記他方の蓄熱式バーナーが燃焼側のと
きは、前記他方の蓄熱式バーナーの昇温している蓄熱室
内の蓄熱体により燃焼用補助ガスを加温することを特徴
とする請求項１記載の溶解炉の燃焼排ガス中に含まれる
ダイオキシン類を低減する方法である。
【００１０】請求項３記載の発明は、前記溶解炉が、上
部に金属原料装入扉が設けられ、中間部に前記金属原料
を加熱溶融するバーナー群が設けられ、下部に前記金属
原料の加熱溶融体の出湯口が設けられた縦型連続溶解炉
（シャフト炉）であることを特徴とする請求項１または
２記載の溶解炉の燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン
類を低減する方法である。
部に金属原料装入扉が設けられ、中間部に前記金属原料
を加熱溶融するバーナー群が設けられ、下部に前記金属
原料の加熱溶融体の出湯口が設けられた縦型連続溶解炉
（シャフト炉）であることを特徴とする請求項１または
２記載の溶解炉の燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン
類を低減する方法である。
【００１１】請求項４記載の発明は、前記シャフト炉の
金属原料装入扉を断熱扉で構成し、前記扉部分からの放
熱を抑制することを特徴とする請求項３記載の溶解炉の
燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン類を低減する方法
である。
金属原料装入扉を断熱扉で構成し、前記扉部分からの放
熱を抑制することを特徴とする請求項３記載の溶解炉の
燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン類を低減する方法
である。
【００１２】
【発明の実態の形態】本発明において、炉内温度を８５
０℃以上に保持し、排ガスを２００℃以下の温度に急速
冷却して排出する理由は、炉内温度が８５０℃未満で
も、排出ガスが２００℃を超えても、炉内でダイオキシ
ン類が多量に反応生成するためである。
０℃以上に保持し、排ガスを２００℃以下の温度に急速
冷却して排出する理由は、炉内温度が８５０℃未満で
も、排出ガスが２００℃を超えても、炉内でダイオキシ
ン類が多量に反応生成するためである。
【００１３】以下に、本発明を図を参照して具体的に説
明する。図１は、本発明の実施形態を示すシャフト炉内
の縦断面説明図である。このシャフト炉は、上部に金属
原料装入扉１が設けられ、中間部に金属原料２を加熱溶
融するための蓄熱式バーナー６が上下方向に複数設けら
れ、下部に加熱溶融体４の出湯口５が設けられた縦型連
続溶解炉であり、金属原料装入扉１は断熱扉で構成され
ており、バーナー群３は複数の蓄熱式バーナー６で構成
されている。
明する。図１は、本発明の実施形態を示すシャフト炉内
の縦断面説明図である。このシャフト炉は、上部に金属
原料装入扉１が設けられ、中間部に金属原料２を加熱溶
融するための蓄熱式バーナー６が上下方向に複数設けら
れ、下部に加熱溶融体４の出湯口５が設けられた縦型連
続溶解炉であり、金属原料装入扉１は断熱扉で構成され
ており、バーナー群３は複数の蓄熱式バーナー６で構成
されている。
【００１４】前記断熱扉１は、例えば、〔鉄板／断熱材
／鉄板〕から構成される。断熱扉１の開閉は、密閉性を
考慮して、斜めにスライドする昇降式とするのが良い。
／鉄板〕から構成される。断熱扉１の開閉は、密閉性を
考慮して、斜めにスライドする昇降式とするのが良い。
【００１５】バーナー群３（図１参照）を構成する複数
の蓄熱式バーナー６は、例えば２組に分けられ、組毎に
交互に燃焼（交番燃焼）する。一方の蓄熱式バーナー６
が非燃焼側のときは、蓄熱室１０端部は排ガス出口とな
り、排ガスは蓄熱室１０内の低温の蓄熱体９により２０
０℃以下の温度に冷却され、同時に蓄熱体９は温度上昇
する。前記排ガスは、低温の蓄熱体９に接触して直接熱
交換するので急速に冷却される。
の蓄熱式バーナー６は、例えば２組に分けられ、組毎に
交互に燃焼（交番燃焼）する。一方の蓄熱式バーナー６
が非燃焼側のときは、蓄熱室１０端部は排ガス出口とな
り、排ガスは蓄熱室１０内の低温の蓄熱体９により２０
０℃以下の温度に冷却され、同時に蓄熱体９は温度上昇
する。前記排ガスは、低温の蓄熱体９に接触して直接熱
交換するので急速に冷却される。
【００１６】前記一方の蓄熱式バーナー６が燃焼側のと
きは、燃焼用補助ガスはその蓄熱室１０内の温度上昇し
た蓄熱体９により加温され、その結果、燃焼温度が上昇
して炉内は低温領域でも８５０℃以上の温度に保持され
る。この間に蓄熱体９は外部から供給される燃焼用補助
ガス（外気など）により冷却される。
きは、燃焼用補助ガスはその蓄熱室１０内の温度上昇し
た蓄熱体９により加温され、その結果、燃焼温度が上昇
して炉内は低温領域でも８５０℃以上の温度に保持され
る。この間に蓄熱体９は外部から供給される燃焼用補助
ガス（外気など）により冷却される。
【００１７】このようにして、シャフト炉内は８５０℃
以上の高温に保持され、排ガスは２００℃以下に急速冷
却される。その結果、排ガスは、ダイオキシン類が反応
生成する温度域Ｔ（８５０℃＞Ｔ＞２００℃）を短時間
で通過し、このためダイオキシン類の反応生成が防止さ
れ、シャフト炉から排出される排ガス中のダイオキシン
類は低減される。
以上の高温に保持され、排ガスは２００℃以下に急速冷
却される。その結果、排ガスは、ダイオキシン類が反応
生成する温度域Ｔ（８５０℃＞Ｔ＞２００℃）を短時間
で通過し、このためダイオキシン類の反応生成が防止さ
れ、シャフト炉から排出される排ガス中のダイオキシン
類は低減される。
【００１８】蓄熱式バーナー６は、図２に示すように、
燃料ノズル８を備えたバーナー部１８と、蓄熱体９を収
容した蓄熱室１０からなる。燃料ノズル８はその燃焼口
１３を炉の中央に向けて配され、蓄熱体９を収容した蓄
熱室１０はバルブ１４により燃焼補助ガス供給口１５と
排ガス出口１２とに連結され、この蓄熱式バーナー６が
燃焼側のときは、燃料補助ガス供給口１５からバルブ１
４を介して供給される燃焼用補助ガス（外気など）を燃
料ガスに混合し、この混合体を燃料ノズル８にて燃焼し
て金属原料を溶解する。一方この蓄熱式バーナー６が非
燃焼側のときは、炉の内壁に開口した燃焼口１７から排
ガスを吸い込んで前記排ガスを蓄熱室１０の蓄熱体９に
接触させて冷却し、バルブ１４を介して排ガス出口１２
から排出する。図２で１１は排出ガスの温度を測定する
ための熱電対である。
燃料ノズル８を備えたバーナー部１８と、蓄熱体９を収
容した蓄熱室１０からなる。燃料ノズル８はその燃焼口
１３を炉の中央に向けて配され、蓄熱体９を収容した蓄
熱室１０はバルブ１４により燃焼補助ガス供給口１５と
排ガス出口１２とに連結され、この蓄熱式バーナー６が
燃焼側のときは、燃料補助ガス供給口１５からバルブ１
４を介して供給される燃焼用補助ガス（外気など）を燃
料ガスに混合し、この混合体を燃料ノズル８にて燃焼し
て金属原料を溶解する。一方この蓄熱式バーナー６が非
燃焼側のときは、炉の内壁に開口した燃焼口１７から排
ガスを吸い込んで前記排ガスを蓄熱室１０の蓄熱体９に
接触させて冷却し、バルブ１４を介して排ガス出口１２
から排出する。図２で１１は排出ガスの温度を測定する
ための熱電対である。
【００１９】本発明において、蓄熱体には、例えば、通
常の石材、アルミナ、鉄などの熱容量の大きいセラミッ
クスや金属の粒状物が使用できる。蓄熱式バーナーの各
組の燃焼周期は、排ガス温度が２００℃を超えない範囲
で適宜決定する。複数の蓄熱式バーナーを分ける組数は
任意であるが、２〜３組が適当である。
常の石材、アルミナ、鉄などの熱容量の大きいセラミッ
クスや金属の粒状物が使用できる。蓄熱式バーナーの各
組の燃焼周期は、排ガス温度が２００℃を超えない範囲
で適宜決定する。複数の蓄熱式バーナーを分ける組数は
任意であるが、２〜３組が適当である。
【００２０】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 （実施例１）図１に示したシャフト炉（扉が〔鉄板／断
熱材／鉄板〕からなる断熱扉）を用いて、電気銅（カソ
ード）に銅ナゲット（塩素系樹脂被覆材が付着した銅線
屑）を２０重量％配合した電気銅原料を毎時４０トンの
速度で溶解し、この間に排ガスをサンプリングし，排ガ
ス中に含まれるダイオキシン類の濃度を分析した。複数
の蓄熱式バーナーは２組に分け、燃焼周期は排ガスの最
高温度が１９０℃以下となる１分間とした。蓄熱体１０
には通常の粒状石材を用いた。
る。 （実施例１）図１に示したシャフト炉（扉が〔鉄板／断
熱材／鉄板〕からなる断熱扉）を用いて、電気銅（カソ
ード）に銅ナゲット（塩素系樹脂被覆材が付着した銅線
屑）を２０重量％配合した電気銅原料を毎時４０トンの
速度で溶解し、この間に排ガスをサンプリングし，排ガ
ス中に含まれるダイオキシン類の濃度を分析した。複数
の蓄熱式バーナーは２組に分け、燃焼周期は排ガスの最
高温度が１９０℃以下となる１分間とした。蓄熱体１０
には通常の粒状石材を用いた。
【００２１】（実施例２）金属原料装入扉が鉄板からな
る他は、図１に示したのと同じシャフト炉を用いて実施
例と同じ方法で溶解し、排ガス中のダイオキシン類の濃
度を調べた。
る他は、図１に示したのと同じシャフト炉を用いて実施
例と同じ方法で溶解し、排ガス中のダイオキシン類の濃
度を調べた。
【００２２】（比較例１）図３、４に示したシャフト炉
を用い全バーナーを連続して燃焼させて、電気銅に銅ナ
ゲットを２０重量％配合した原料を毎時４０トンの速度
で溶解し、この間に排ガスをサンプリングし、排ガス中
に含まれるダイオキシン類の濃度を分析した。結果を表
１に示す。表１には炉内の低温領域の温度および排ガス
温度を併記した。
を用い全バーナーを連続して燃焼させて、電気銅に銅ナ
ゲットを２０重量％配合した原料を毎時４０トンの速度
で溶解し、この間に排ガスをサンプリングし、排ガス中
に含まれるダイオキシン類の濃度を分析した。結果を表
１に示す。表１には炉内の低温領域の温度および排ガス
温度を併記した。
【００２３】
【表１】
【００２４】表１から明らかなように、本発明例のＮ
ｏ．１、２はいずれも、排ガス中のダイオキシン類の濃
度が比較例（従来法、Ｎｏ．３）に較べて大幅に低減し
た。これは、本発明例では、複数の蓄熱式バーナーを２
組に分けて交番燃焼させて炉内温度を高温に、排ガス温
度を低温に保持したためである。本発明例のＮｏ．１
は、Ｎｏ．２より炉内温度が高くダイオキシン類の濃度
がより低減したが、これは原料装入扉を断熱扉にして扉
部分からの放熱を抑制したためである。なお、本発明の
排ガスについてはＣＯ、ＳＯｘ、ＮＯｘなどの有害ガス
も分析したが、いずれも許容値以下であった。
ｏ．１、２はいずれも、排ガス中のダイオキシン類の濃
度が比較例（従来法、Ｎｏ．３）に較べて大幅に低減し
た。これは、本発明例では、複数の蓄熱式バーナーを２
組に分けて交番燃焼させて炉内温度を高温に、排ガス温
度を低温に保持したためである。本発明例のＮｏ．１
は、Ｎｏ．２より炉内温度が高くダイオキシン類の濃度
がより低減したが、これは原料装入扉を断熱扉にして扉
部分からの放熱を抑制したためである。なお、本発明の
排ガスについてはＣＯ、ＳＯｘ、ＮＯｘなどの有害ガス
も分析したが、いずれも許容値以下であった。
【００２５】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明は、溶解炉
内の温度を高温に保持し、かつ排ガスを低温に急速冷却
して、炉内でのダイオキシン類の反応生成を防止する。
従って、ダイオキシン類を低減させる処理設備が不要で
ありスペース的にもコスト的にも有利である。前記炉内
の高温保持と排ガスの急速冷却は、原料の加熱溶融を複
数の蓄熱式バーナーを数組に分けて交番燃焼させること
により容易に行える。前記原料装入扉を断熱扉とするこ
とで扉部分からの放熱が抑制され炉内温度が上昇しダイ
オキシン類はさらに低減する。依って、工業上顕著な効
果を奏する。
内の温度を高温に保持し、かつ排ガスを低温に急速冷却
して、炉内でのダイオキシン類の反応生成を防止する。
従って、ダイオキシン類を低減させる処理設備が不要で
ありスペース的にもコスト的にも有利である。前記炉内
の高温保持と排ガスの急速冷却は、原料の加熱溶融を複
数の蓄熱式バーナーを数組に分けて交番燃焼させること
により容易に行える。前記原料装入扉を断熱扉とするこ
とで扉部分からの放熱が抑制され炉内温度が上昇しダイ
オキシン類はさらに低減する。依って、工業上顕著な効
果を奏する。
【図１】本発明の実施形態を示すシャフト炉の縦断面説
明図である。
明図である。
【図２】本発明で用いる蓄熱式バーナーの縦断面説明図
である。
である。
【図３】従来のシャフト炉の縦断面説明図である。
【図４】図３に示したシャフト炉のａ−ａ断面図であ
る。
る。
１ 断熱扉からなる原料装入扉
２ 原料
３ 複数の蓄熱式バーナーからなるバーナー群
４ 加熱溶融体
５ 加熱溶融体の出湯口
６ 蓄熱式バーナー
８ 燃料ノズル
９ 蓄熱体
１０ 蓄熱室
１１ 排出ガス温度を測定するための熱電対
１２ 排ガス出口
１３ 燃料ノズルの燃焼口
１４ バルブ
１５ 燃焼補助ガス供給口
１８ 蓄熱式バーナーのバーナー部
２１ 鉄板からなる原料装入扉
２３ 複数の通常のバーナーからなるバーナー群
２６ 通常のバーナー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考）
Ｆ２７Ｄ 17/00 １０１ Ｆ２３Ｊ 15/00 Ｋ
Claims (4)
- 【請求項１】 溶解炉の炉内温度を８５０℃以上とし、
前記溶解炉の排ガス出口に蓄熱体を配し、前記溶解炉の
燃焼排ガスを、前記蓄熱体により２００℃以下の温度に
急速冷却して排出することを特徴とする溶解炉の燃焼排
ガス中に含まれるダイオキシン類を低減する方法。 - 【請求項２】 前記溶解炉は、燃料ノズルを備えたバー
ナー部と蓄熱体を収納した蓄熱室とからなる蓄熱式バー
ナーを少なくとも２個具備し、前記蓄熱式バーナーは交
番燃焼され、一方の蓄熱式バーナーが燃焼側のときは、
炉内の燃焼排ガスを他方の非燃焼側の蓄熱式バーナーの
蓄熱室内に通し、該蓄熱室内の蓄熱体により急速冷却し
て排出するとともに前記蓄熱体を昇温させ、次に前記他
方の蓄熱式バーナーが燃焼側のときは、前記他方の蓄熱
式バーナーの昇温している蓄熱室内の蓄熱体により燃焼
用補助ガスを加温することを特徴とする請求項１記載の
溶解炉の燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン類を低減
する方法。 - 【請求項３】 前記溶解炉が、上部に金属原料装入扉が
設けられ、中間部に前記金属原料を加熱溶融するバーナ
ー群が設けられ、下部に前記金属原料の加熱溶融体の出
湯口が設けられた縦型連続溶解炉（シャフト炉）である
ことを特徴とする請求項１または２記載の溶解炉の燃焼
排ガス中に含まれるダイオキシン類を低減する方法。 - 【請求項４】 前記シャフト炉の金属原料装入扉を断熱
扉で構成し、前記扉部分からの放熱を抑制することを特
徴とする請求項３記載の溶解炉の燃焼排ガス中に含まれ
るダイオキシン類を低減する方法。
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