JP2003056663A - 支持構造およびトロイダル型無段変速機 - Google Patents

支持構造およびトロイダル型無段変速機

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JP2003056663A
JP2003056663A JP2001249192A JP2001249192A JP2003056663A JP 2003056663 A JP2003056663 A JP 2003056663A JP 2001249192 A JP2001249192 A JP 2001249192A JP 2001249192 A JP2001249192 A JP 2001249192A JP 2003056663 A JP2003056663 A JP 2003056663A
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axis
force
continuously variable
variable transmission
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JP2001249192A
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English (en)
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Motoki Tabuchi
元樹 田淵
Toshishige Sano
敏成 佐野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加圧部材と受圧部材とを連結する連結機構
が、構造物の配置空間かの外側に向けて大型化すること
を抑制することのできる支持構造を提供。 【解決手段】 構造物2の配置空間J1に臨んで設けら
れ、かつ、構造物1の配置空間J1から離れる向きに力
F3,F4が加えられる被加圧部材5A,5B,10,
11と、被加圧部材5A,5B,10,11に連結機構
R1を介して連結され、かつ、被加圧部材5A,5B,
10,11に加えられた力F3,F4を受ける受圧部材
14とを有する支持構造8において、連結機構R1が、
被加圧部材11の張り出し部18に設けられる孔18B
と、受圧部材14に設けられ、かつ、孔18Bに配置さ
れるように、力F3,F4の作用方向に対してほぼ直交
して突出される凸部27,28とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被加圧部材に加
えられた力を受圧部材により受け止める構成の支持構造
およびトロイダル型無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される変速機には、有段変速
機および無段変速機がある。このうち、無段変速機は、
入力回転部材の回転速度と、出力回転部材の回転速度と
の比、即ち、変速比を、無段階に、言い換えれば連続的
に変更することのできる変速機である。
【0003】無段変速機としては、ベルト式無段変速機
およびトロイダル型無段変速機が知られている。このト
ロイダル型無段変速機は、ベルト式無段変速機よりも伝
達するべきトルクが大きい場合に好適である。トロイダ
ル型無段変速機は、第1の軸線を中心として回転する入
力回転部材および出力回転部材と、入力回転部材と出力
回転部材との間に形成されている環状のキャビティに配
置される2つの転動体とを有する。この2つの転動体
が、第1の軸線と交差する第2の軸線を中心として、そ
れぞれ回転可能に構成され、2つの転動体が、第2の軸
線と直交する第3の軸線に沿って移動可能に構成されて
いる。
【0004】そして、入力回転部材と出力回転部材との
間で動力の伝達をおこなう場合は、入力回転部材と出力
回転部材とを近づけるように、軸線方向の付勢力(言い
換えれば、ローディング力)が与えられるとともに、各
回転部材と転動体との接触部分に潤滑油が供給され、い
わゆるトラクション伝動により、入力回転部材のトルク
が転動体を介して出力回転部材に伝達される。
【0005】前記転動体を第3の軸線方向に移動させる
と、転動体と各回転部材との接触点に発生する分力によ
り、転動体が第3の軸線を中心として所定角度範囲内で
傾転し、各回転部材と転動体との接触半径が変化する。
このようにして、入力回転部材と出力回転部材との間の
変速比が制御される。
【0006】上記のトロイダル型無段変速機としては、
フルトロイダル型およびハーフトロイダル型が知られて
いる。フルトロイダル型とは、前記第3の軸線が、各回
転部材と転動体との接触点同士を結ぶ線分と交差する位
置に設定される構成の無段変速機である。これに対し
て、ハーフトロイダル型とは、前記第3の軸線が、各回
転部材と転動体との接触点同士を結ぶ線分と交差しない
位置に設定される構成の無段変速機である。
【0007】上記のハーフトロイダル型無段変速機にお
いては、前記第3の軸線が前記線分とが交差しない位置
に設定されるため、前記ローディング力に基づいて、転
動体と各回転部材との2つの接触点から、各転動体に対
して各々押圧力が作用する。そして、2つの押圧力が合
成されて、転動体をキャビティの外側に向けて押圧する
合成力が発生する。その結果、転動体と各回転部材同士
との接触状態が、所期の状態以外の状態になるという不
都合があった。そこで、従来、ハーフトロイダル型無段
変速機においては、上記の不都合を抑制するために、転
動体をキャビティの外側に向けて押圧する押圧力を受け
止める支持構造が設けられていた。
【0008】この支持構造の一例が、特開平9−291
998号公報に記載されている。この公報に記載されて
いる無段変速機においては、回転軸の外周側に入力コー
ンディスクおよび出力コーンディスクが設けられてお
り、この入力コーンディスクと出力コーンディスクの間
に、パワーローラが設けられている。このパワーローラ
は、トラニオンにより回転可能に保持されている。ま
た、トラニオンは、アッパーリンクおよびロアーリンク
に連結されている。具体的には、アッパーリンクおよび
ロアーリンクには、それぞれ嵌合孔が設けられている。
そして、各嵌合孔に取り付けられた球面継手を介して、
トラニオンとアッパーリンクおよびロアーリンクとが連
結されている。
【0009】上記の構成により、トラニオンおよび転動
体が、第3の軸線を中心として所定角度範囲内で回転可
能であり、かつ、第3の軸線方向に移動可能である。そ
して、各パワーローラをキャビティの外側に向けて押し
出す合成力が発生した場合、その合成力が、トラニオン
を経由してアッパーリンクおよびロアーリンクに伝達さ
れて、前記合成力が、アッパーリンクおよびロアーリン
クにより受け止められる。このようにして、パワーロー
ラがキャビティの外側に向けて移動することが規制され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トロイダル
型無段変速機においてはいわゆるトラクション伝動によ
り、動力の伝達がおこなわれるため、入力コーンディス
クと出力コーンディスクとの間で伝達するべきトルクが
増加すると、そのトルクの増加程度に応じて、前記ロー
ディング力が高められる。このように、ローディング力
が高められると、パワーローラに作用する合成力が強く
なる。そこで、パワーローラに作用する押合成力に合わ
せて、合成力を受け止める部材と、トラニオンとの連結
部分の強度を高める必要があるが、上記公報に記載され
ている無段変速機においては、アッパーリンクおよびロ
アーリンクに設けられている嵌合孔に対して、トラニオ
ンの一部を挿入するという連結機構が採用されている。
【0011】したがって、公報に記載されている無段変
速機において、アッパーリンクおよびロアーリンクとト
ラニオンとの連結部分の強度を高める場合は、アッパー
リンクおよびロアーリンクであって、嵌合孔に臨む部分
を、キャビティの外側に向けて突出させていた。その結
果、連結機構が、キャビティの外側に向けて大型化する
という問題があった。
【0012】この発明は、被加圧部材と保持部材とを連
結する連結機構が、キャビティの外側に向けて大型化す
ることを抑制することのできる支持構造およびトロイダ
ル型無段変速機を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために請求項1の発明は、機能空間に臨ん
で設けられ、かつ、機能空間の外側に向けて力が加えら
れる被加圧部材と、この被加圧部材に連結機構を介して
連結され、かつ、前記被加圧部材に加えられた力を受け
る受圧部材とを有する支持構造において、前記連結機構
が、前記被加圧部材側に設けられる凹部と、前記受圧部
材側に設けられ、かつ、前記凹部に配置されるように、
前記力の作用方向に対してほぼ直交して突出される凸部
とを有することを特徴とするものである。
【0014】請求項1の発明によれば、被加圧部材に対
して、機能空間の外側に向く力が作用すると、この力が
受圧部材により受け止められる。また、前記力とは逆向
きの反力が凸部に発生する。このため、反力に対する被
加圧部材の強度を増すためには、被加圧部材であって、
凸部よりも機能空間寄りの部分が、機能空間側に向けて
延ばされる。
【0015】請求項2の発明は、第1の軸線を中心とし
て回転可能な第1の回転部材および第2の回転部材と、
前記第1の回転部材および前記第2の回転部材に接触
し、かつ、前記第1の軸線と交わる第2の軸線を中心と
して回転することにより、前記第1の回転部材と第2の
回転部材との間で動力の伝達をおこなう転動体とを有
し、前記第1の回転部材および第2の回転部材と前記転
動体との接触半径を調整するために、前記転動体を所定
角度範囲内で回転させる基準となり、かつ、前記第2の
軸線と直交する第3の軸線が設定され、この第3の軸線
が、前記第1の回転部材および第2の回転部材と前記転
動体との接触点同士を結ぶ線分と交差しない位置に設定
されているとともに、前記転動体を支持する支持部材
と、前記転動体および前記支持部材に加えられ、かつ、
前記第1の軸線に直交する方向の力を受け止めるため
に、前記支持部材に連結機構を介して連結された受圧部
材とを有するトロイダル型無段変速機において、前記連
結機構が、前記支持部材側に設けられる凹部と、前記受
圧部材側に設けられ、かつ、前記凹部に配置されるよう
に、前記力の作用方向に対してほぼ直交して突出された
凸部とを有することを特徴とするものである。
【0016】請求項2の発明によれば、第1の回転部材
および第2の回転部材と転動体との2つの接触部分か
ら、転動体に向けて各々押圧力が加えられる。2つの押
圧力の合成力が、転動体を機能空間の外側に向けて押圧
する力として作用する。この合成力は支持部材を介して
受圧部材により受け止められるとともに、合成力とは逆
向きの反力が凸部に発生する。このため、支持部材であ
って、凸部よりも機能空間寄りの部分を、機能空間側に
向けて延ばすことにより、反力に対する支持部材の強度
を増すことができる。
【0017】請求項3の発明は、請求項2の構成に加え
て、前記転動体が、前記第1の軸線の両側に2つ設けら
れており、2つの転動体を別々に支持する支持部材が別
々に設けられており、各支持部材にそれぞれ前記凹部が
設けられており、前記受圧部材には、各凹部に配置され
る凸部が設けられているとともに、前記各凸部の先端同
士を、前記力の作用方向と同方向に接続する接続部材が
設けられていることを特徴とするものである。
【0018】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と同様の作用が生じる他に、2つの転動体に作用する2
つの合成力の向きは逆であり、各合成力が、異なる凸部
に対して別々に伝達されて、凸部同士の間隔を広げよう
とする引っ張り荷重となるが、この引っ張り荷重が、接
続部材により受け止められるため、2つの凸部同士の間
隔が広げられることが抑制される。
【0019】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を図面に示す実
施例に基づいて説明する。図1は、トロイダル型無段変
速機1の構成を示す正面断面図、図2は、トロイダル型
無段変速機1の平面図である。トロイダル型無段変速機
1は、回転軸2を有しており、この回転軸2は、第1の
軸線A1を中心として回転可能である。また、回転軸2
の外周側には、入力ディスク3および出力ディスク4が
設けられているとともに、入力ディスク3と出力ディス
ク4との間には、2個のパワーローラ(言い換えれば、
一対の伝動ローラ)5A,5Bが挟み込まれている。入
力ディスク3および出力ディスク4は、第1の軸線A1
を中心として相対回転可能に構成されているとともに、
入力ディスク3および出力ディスク4は環状に構成され
ている。
【0020】また、入力ディスク3には転動面6が形成
され、出力ディスク4には転動面7が形成されている。
転動面6,7は、第1の軸線A1を中心として環状に構
成されているとともに、転動面6,7は、第1の軸線A
1を含む平面内における断面形状が、一定半径の円弧面
となる形状(トロイダル面)に、それぞれ設定されてい
る。このように、転動面6,7同士の間に形成された環
状の窪みがキャビティM1であり、キャビティM1にパ
ワーローラ5A,5Bが配置されている。
【0021】さらに、回転軸2の近傍には押圧力付与装
置(図示せず)が設けられており、この押圧力付与装置
から、入力ディスク3および出力ディスク4に対して、
第1の軸線A1と平行な方向に、かつ、入力ディスク3
と出力ディスク4とが、相互に近づく向きに押圧力(言
い換えれば、ローディング力)が付与される。このよう
にして、パワーローラ5Aの外周面の一部と転動面6,
7とが、接触点(トルク伝達点)X1,X2においてト
ラクション油などの油膜を介して接触する。また、パワ
ーローラ5Bの外周面の一部と転動面6,7とが、接触
点(トルク伝達点)Y1,Y2においてトラクション油
などの油膜を介して接触する。この実施例においては、
接触点X1と第1の軸線A1との距離を接触半径r1と
呼び、接触点X2と第1の軸線A1との距離を接触半径
r2と呼び、接触点Y1と第1の軸線A1との距離を接
触半径r3と呼び、接触点Y2と第1の軸線A1との距
離を接触半径r4と呼ぶ。
【0022】つぎに、前記2個のパワーローラ5A,5
Bを支持する支持構造8について説明する。ハウジング
9が固定して設けられており、ハウジング9には2個の
ローラ支持部材(言い換えれば、トラニオン)10,1
1が設けられている。ハウジング9にはアクチュエータ
12,13が設けられており、アクチュエータ12によ
り、支持部材10が第3の軸線B1と平行な方向に移動
し、アクチュエータ13により、支持部材11が、第3
の軸線C1と平行な方向に移動する。第3の軸線B1と
第3の軸線C1とは相互に平行に設定されており、第3
の軸線B1,C1と線分D1とが相互に平行に設定され
ている。なお、線分D1は、第1の軸線A1と直交する
線分である。また、アッパーリンク14およびロアーリ
ンク15が固定して設けられている。このように、アッ
パーリンク14およびロアーリンク15が、キャビティ
M1に臨んで配置されている。
【0023】支持部材10,11は、線分D1を隔てて
対称に構成されており、支持部材10,11は、ロアー
リンク15に支持された軸部16と、軸部16に連続
し、かつ、軸部16よりも線分D1から離れた位置に配
置されるコ字形部(掴み部)17aと、コ字形部17a
であって、軸部16とは反対側の端部に形成された張り
出し部18とを有している。一方の軸部16は、前記第
3の軸線B1を中心として配置されており、他方の軸部
16は、第3の軸線C1を中心として配置されている。
また、ロアーリンク15には2つのベアリング17が設
けられており、各ベアリング17により、2つの棒状部
16が別々に支持されている。各ベアリング17として
は、ローラベアリングまたはニードルベアリングなどを
用いることができる。
【0024】さらに、2つの棒状部16には、支持軸1
8Aがそれぞれ取り付けられている。各支持軸18A
は、第1の軸部19と第2の軸部20とを有している。
第1の軸部19と第2の軸部20とは、相互に偏心して
配置されており、第2の軸部20の中心である第2の軸
線E1と、第1の軸線A1および線分D1とが直交して
いる。一方の第1の軸部19の軸線K1と、他方の第1
の軸部19の軸線K2とが、第2の軸線E1を隔てて反
対側に位置している。第1の軸部19は、棒状部16に
設けられたベアリング21により回転可能に支持されて
おり、第2の軸部20は、パワーローラ5A,5Bに設
けられたベアリング22により回転可能に支持されてい
る。つまり、パワーローラ5A,5Bは、第2の軸線E
1を中心として回転可能である。
【0025】さらに、アクチュエータ12の動作によ
り、パワーローラ5Aが第3の軸線B1と平行な方向に
移動可能であり、アクチュエータ13の動作により、パ
ワーローラ5Bが第3の軸線C1と平行な方向に移動可
能である。また、接触点X1と接触点X2とを結ぶ線分
G1と、接触点Y1と接触点Y2とを結ぶ線分H1とが
設定されている。そして、入力ディスク3の回転中に、
第3の軸線B1に沿ってパワーローラ5Aを移動させる
と、接触点X1,X2に作用する分力に基づいて、パワ
ーローラ5Aが第3の軸線B1を中心として所定角度範
囲内で回転するとともに、第3の軸線C1に沿ってパワ
ーローラ5Bを移動させると、接触点Y1,Y2に作用
する分力に基づいて、パワーローラ5Bが第3の軸線C
1を中心として所定角度範囲内で回転する。
【0026】このように、パワーローラ5Aが第3の軸
線B1を中心として回転するとともに、パワーローラ5
Bが第3の軸線C1を中心として回転すると、線分G1
および線分H1と第1の軸線A1との相対位置関係が変
化する。また、この実施例においては、線分G1と第1
の軸線A1とが平行である場合に、第3の軸線B1と第
1の軸線A1との距離の方が、線分G1と第1の軸線A
1との距離よりも長く設定されている。言い換えれば、
キャビティM1の半径方向において、線分G1よりも第
3の軸線B1の方が外側に位置している。
【0027】さらに、線分H1と第1の軸線A1とが平
行である場合に、第3の軸線C1と第1の軸線A1との
距離の方が、線分H1と第1の軸線A1との距離よりも
長く設定されている。つまり、キャビティM1の半径方
向において、線分H1よりも第3の軸線C1の方が外側
に位置している。なお、パワーローラ5A,5Bは第3
の軸線B1,C1方向に同期して移動される。このよう
にして、第1の軸線A1と第3の軸線B1との距離と、
第1の軸線A1と第3の軸線C1との距離が等しく設定
され、第1の軸線A1と線分G1との距離と、第1の軸
線A1と線分H1との距離が等しく設定される。
【0028】前記第2の軸部20には環状のプレート2
3が取り付けられており、プレート23とパワーローラ
5Aとの間、プレート23とパワーローラ5Bとの間に
は、それぞれ転動体(ボール)24が介在されている。
これらプレート23および転動体24により、スラスト
玉軸受25が構成されている。
【0029】一方、2つの張り出し部18は、第2の軸
線E1と平行に、かつ、相互に近づく向き(つまり、線
分D1に向けて)に延ばされている。この2つの張り出
し部18には、第3の軸線B1,C1を中心として貫通
する孔18Bがそれぞれ形成されており、2つの孔18
Bには、ベアリング26がそれぞれ取り付けられてい
る。なお、各ベアリング26としては、ローラベアリン
グまたはニードルベアリングなどを用いることができ
る。
【0030】さらに前記アッパーリンク14には、第3
の軸線B1を中心として、スラスト玉軸受25側に向け
て突出する凸部27と、第3の軸線C1を中心として、
スラスト玉軸受25側に向けて突出する凸部28とが形
成されている。凸部27,28は、いずれも円柱形状、
言い換えれば軸形状を備えている。凸部27,28は、
それぞれベアリング26により支持されている。つま
り、アッパーリンク14と、ローラ支持部材10,11
とが、ベアリング26により、相対回転可能に連結され
ている。このように、凸部27,28と孔18Bとが、
ベアリング26を介して嵌め合わされている。
【0031】さらに、パワーローラ5A,5Bと、入力
ディスク3および出力ディスク4との接触部分には、潤
滑油が供給される。さらにまた、入力ディスク3、出力
ディスク4、パワーローラ5A,5B、支持軸18A、
ローラ支持部材10,11、ベアリング17,21,2
6、スラスト玉軸受25、アッパーリンク14、ロアー
リンク15等の構成材料としては、機械的強度に優れた
金属材料が用いられる。
【0032】つぎに、図1および図2の実施例の動作を
説明する。まず、駆動力源(図示せず)の動力(言い換
えればトルク)が入力ディスクに伝達されるとともに、
押圧力付与装置から、入力ディスク3および出力ディス
ク4に、第1の軸線A1と平行な方向に押圧力(挟持
力)が付与される。すると、パワーローラ5A,5Bと
転動面6,7との接触点X1,X2,Y1,Y2が弾性
変形するとともに、その弾性変形部分に潤滑油が保持さ
れる。そして、パワーローラ5A,5Bと入力ディスク
3および出力ディスク4とに微小な相対滑りが与えられ
て、この相対滑りに対応する潤滑油のせん断応力によ
り、入力ディスク3および出力ディスク4との間で、動
力伝達がおこなわれる。このように、図1および図2に
示すトロイダル型無段変速機1においては、いわゆるト
ラクション伝動により、入力ディスク3の動力が出力デ
ィスク4に伝達される。
【0033】この時、入力ディスク3の回転速度と、出
力ディスク4の回転速度との比、すなわち変速比は、接
触半径r1,r3と、接触半径r2,r4との比を調整
することにより制御される。具体的には、アクチュエー
タ12,13を動作させると、第3の軸線B1,C1に
沿ってローラ支持部材10,11が移動して、接触点X
1,X2,Y1,Y2に発生する分力により、パワーロ
ーラ5A,5Bが第3の軸線B1,C1を中心として所
定角度範囲内で回転されて、接触半径r1,r3と、接
触半径r2,r4との比が制御される。なお、第3の軸
線B1,C1と平行な方向において、2つのローラ支持
部材10,11の位置が同期して制御され、かつ、同一
位置に調整されることは勿論である。
【0034】なお、図1および図3の実施例において、
回転軸2は、入力ディスク3または出力ディスク4のい
ずれに連結されていてもよい。例えば、回転軸2と入力
ディスク3とが連結されている場合は、駆動力源の動力
が回転軸2を経由して入力ディスク3に伝達される。こ
れに対して、回転軸2と出力ディスク4とが連結されて
いる場合は、駆動力源の動力が入力ディスク3を経由し
て出力ディスク4に伝達されると、この出力ディスク4
の動力が回転軸2に伝達される。さらに図1および図2
の実施例においては、キャビティM1が単数示されてい
るが、トロイダル型無段変速機1は、キャビティM1を
1つ有するシングルキャビティ式の無段変速機、また
は、キャビティ1を2つ有するダブルキャビティ式の無
段変速機のいずれでもよい。
【0035】前述のように、入力ディスク3および出力
ディスク4に対して、第1の軸線A1と平行な方向にロ
ーディング力が付与されている。このローディング力
は、入力ディスク3と出力ディスク4との間で伝達する
トルクに基づいて制御される。また、前記ローディング
力に対応して、各接触点X1,X2,Y1,Y2からパ
ワーローラ5A,5B側に向けて、分力(言い換えれば
押圧力)が作用している。まず、接触点X1,Y1にお
いては、入力ディスク3から、パワーローラ5Aに向け
て、接触点X1,Y1を通過する接線(図示せず)に直
交する向きの分力F1が作用する。また、接触点X2,
Y2においては、出力ディスク4から、パワーローラ5
Aに向けて、接触点X2,Y2を通過する接線(図示せ
ず)に直交する向きの分力F2が作用する。
【0036】そして、図1に示すように、パワーローラ
5Aには、分力F1,F2の合成力(言い換えれば、押
圧力もしくは荷重)F3が作用し、パワーローラ5Bに
は、分力F1,F2の合成力(言い換えれば押圧力もし
くは荷重)F4が作用する。合成力F3,F4の作用方
向は、第1の軸線A1および線分D1とが直交する方向
である。このようにして、パワーローラ5A,5Bに
は、キャビティM1の外側に向く合成力F3,F4が作
用する。具体的には、相互に逆向きの合成力F3,F4
が発生する。そして、パワーローラ5A,5Bに作用す
る合成力F3,F4は、スラスト玉軸受25を経由して
ローラ支持部材10,11に伝達される。ローラ支持部
材10,11に伝達された合成力F3,F4は、ベアリ
ング26を経由してアッパーリンク14に受け止めら
れ、かつ、ベアリング17を経由してロアーリンク15
により受け止められる。
【0037】このように、合成力F3,F4に基づく引
っ張り荷重が、アッパーリンク14およびロアーリンク
15により受け止められて、“引っ張り荷重により、第
3の軸線B1,C1と第1の軸線A1との距離が変化す
ること”が抑制される。したがって、入力ディスク3お
よび出力ディスク4と、パワーローラ5A,5Bとの接
触状態が、所期の状態以外の状態になることを抑制でき
る。例えば、“入力ディスク3および出力ディスク4と
パワーローラ5A,5Bとの接触圧力が低下して、動力
伝達効率が低下する不具合”または“接触半径r1,r
3および接触半径r2,r4が、アクチュエータ12,
13の動作に対応する状態とは異なる状態になる不具
合”を、未然に防止することができる。
【0038】ところで、合成力F3がアッパーリンク1
4の凸部27に伝達された場合は、凸部27において、
合成力F3とは逆向きの反力F5が発生する。また、合
成力F4がアッパーリンク14の凸部28に伝達された
場合は、凸部28において、合成力F4とは逆向きの反
力F6が発生する。前記反力F5,F6は、張り出し部
18に対して別々に作用する。
【0039】これに対して、この実施例においては、張
り出し部18の周囲であって、凸部27,28よりも、
キャビティM1に近い部分を、キャビティM1側に突出
させている。つまり、第2の軸線E1と平行な方向にお
ける張り出し部18の寸法を可及的に長くすることによ
り、反力5,6を受ける構造部分の断面積を拡大して、
張り出し部18の強度が高められている。言い換えれ
ば、キャビティM1を利用することにより、反力F5,
F6を受ける張り出し部18の強度を高めることができ
る。したがって、キャビティM1の外側に向けて、連結
機構R1が突出することが抑制され、トロイダル型無段
変速機の大型化を回避できる。
【0040】図3は、この発明の他の実施例を示す断面
図である。図3において、図1および図2の実施例と同
様の構成については、図1および図2と同じ符号を付し
てその説明を省略する。図3の実施例においては、アッ
パーリンク14に、固定部材50を用いて補助プレート
51が取り付けられている。補助プレート51は金属材
料により構成されている。固定部材51としては、リベ
ット、ネジなどが挙げられる。この補助プレート51
は、一方の端部が凸部27の先端に接合され、他方の端
部が凸部28の先端に接合されている。補助プレート5
1と凸部27,28との接合方法としては、ろう付け、
溶接などが挙げられる。つまり、図3の実施例において
は、凸部27,28であって、アッパーリンク14に連
続する部分とは反対側の自由端同士が、補助プレート5
1により接続されている。
【0041】図3の実施例において、図1および図2の
実施例と同様の構成部分については、図1および図2の
実施例と同様の作用効果を得られる。また、図3の実施
例においては、第3の軸線B1,C1と平行な方向にお
いて、凸部27,28の両端同士が、アッパーリンク1
4および補助プレート51により接続されている。この
ため、前述のように、合成力F3,F4が凸部27,2
8に伝達された場合に、2つの凸部27,28同士が離
れる向きに、凸部27,28が変形することが抑制され
る。したがって、“入力ディスク3および出力ディスク
4とパワーローラ5A,5Bとの接触圧力が低下して、
動力伝達効率が低下することを防止する機能”または
“接触半径r1,r2,r3,r4が、所期の状態以外
の値に変化することを防止する機能”が一層向上する。
【0042】ここで、図1および図2に示す実施例の構
成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、キャビ
ティM1がこの発明の機能空間に相当し、パワーローラ
5A,5Bおよびローラ支持部材10,11がこの発明
の被加圧部材に相当し、張り出し部18、ベアリング2
6、凸部27,28がこの発明の連結機構R1に相当
し、アッパーリンク14がこの発明の受圧部材に相当
し、入力ディスク3がこの発明の第1の回転部材に相当
し、出力ディスク4がこの発明の第2の回転部材に相当
し、パワーローラ5A,5Bがこの発明の転動体に相当
し、ローラ支持部材10,11がこの発明の支持部材に
相当する。さらに、合成力F3,F4がこの発明の力に
相当する。
【0043】また、図3に示す構成と、この発明の構成
との対応関係を説明すれば、補助プレート51がこの発
明の接続部材に相当する。なお、図3のその他の構成
と、この発明の構成との対応関係は、図1および図2の
構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。な
お、この実施例において、孔18Aが、張り出し部18
を貫通しているが、張り出し部18を貫通しない凹部
(窪み)を形成してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
被加圧部材に対して、機能空間の外側に向く力が作用す
ると、この力が受圧部材により受け止められる。また、
前記力とは逆向きの反力が凸部に発生する。このため、
被加圧部材であって、凸部よりも機能空間寄りの部分
を、機能空間側に向けて延ばすことにより、反力に対す
る被加圧部材の強度が増す。したがって、機能空間の外
側に向けて、連結機構が突出することが抑制され、支持
構造の大型化を回避できる。
【0045】請求項2の発明によれば、第1の回転部材
および第2の回転部材と転動体との2つの接触部分か
ら、転動体に向けて各々押圧力が加えられる。2つの押
圧力の合成力が、転動体を機能空間の外側に向けて押圧
する力として作用する。この合成力は支持部材を介して
受圧部材により受け止められるとともに、合成力とは逆
向きの反力が凸部に発生する。このため、支持部材であ
って、凸部よりも機能空間寄りの部分が、機能空間側に
向けて延ばすことにより、反力に対する支持部材の強度
を増すことができる。したがって、機能空間の外側に向
けて、連結機構が突出することが抑制され、トロイダル
型無段変速機の大型化を回避できる。
【0046】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と同様の効果を得られる他に、2つの転動体に作用する
2つの合成力の向きは逆であり、各合成力が、異なる凸
部に対して別々に伝達されて、凸部同士の間隔を広げよ
うとする引っ張り荷重となるが、この引っ張り荷重が、
接続部材により受け止められるため、2つの凸部同士の
間隔が広げられることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の支持構造を適用したトロイダル型
無段変速機の部分的な断面図である。
【図2】 図1に示す変速部の平面図である。
【図3】 この発明の支持構造の他の例を適用したトロ
イダル型無段変速機の部分的な断面図である。
【符号の説明】
1…トロイダル型無段変速機、 3…入力ディスク、
4…出力ディスク、5A,5B…パワーローラ、 8…
支持構造、 10,11…ローラ支持部材、14…アッ
パーリンク、 18A…支持軸、 18B…孔、 2
7,28…凸部、 51…補助プレート、 A1…第1
の軸線、 B1,C1…第3の軸線、E1…第2の軸
線、 F3,F4…合成力、 M1…キャビティ、 R
1…連結機構、 r1,r2,r3,r4…接触半径、
X1,X2,Y1,Y2…接触点。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能空間に臨んで設けられ、かつ、機能
    空間の外側に向けて力が加えられる被加圧部材と、 この被加圧部材に連結機構を介して連結され、かつ、前
    記被加圧部材に加えられた力を受ける受圧部材とを有す
    る支持構造において、 前記連結機構が、前記被加圧部材側に設けられる凹部
    と、 前記受圧部材側に設けられ、かつ、前記凹部に配置され
    るように、前記力の作用方向に対してほぼ直交して突出
    される凸部とを有することを特徴とする支持構造。
  2. 【請求項2】 第1の軸線を中心として回転可能な第1
    の回転部材および第2の回転部材と、 前記第1の回転部材および前記第2の回転部材に接触
    し、かつ、前記第1の軸線と交わる第2の軸線を中心と
    して回転することにより、前記第1の回転部材と第2の
    回転部材との間で動力の伝達をおこなう転動体とを有
    し、 前記第1の回転部材および第2の回転部材と前記転動体
    との接触半径を調整するために、前記転動体を所定角度
    範囲内で回転させる基準となり、かつ、前記第2の軸線
    と直交する第3の軸線が設定され、この第3の軸線が、
    前記第1の回転部材および第2の回転部材と前記転動体
    との接触点同士を結ぶ線分と交差しない位置に設定され
    ているとともに、 前記転動体を支持する支持部材と、 前記転動体および前記支持部材に加えられ、かつ、前記
    第1の軸線に直交する方向の力を受け止めるために、前
    記支持部材に連結機構を介して連結された受圧部材とを
    有するトロイダル型無段変速機において、 前記連結機構が、前記支持部材側に設けられる凹部と、 前記受圧部材側に設けられ、かつ、前記凹部に配置され
    るように、前記力の作用方向に対してほぼ直交して突出
    された凸部とを有することを特徴とするトロイダル型無
    段変速機。
  3. 【請求項3】 前記転動体が、前記第1の軸線の両側に
    2つ設けられており、2つの転動体を別々に支持する支
    持部材が別々に設けられており、各支持部材にそれぞれ
    前記凹部が設けられており、前記受圧部材には、各凹部
    に配置される凸部が設けられているとともに、 前記各凸部の先端同士を、前記力の作用方向と同方向に
    接続する接続部材が設けられていることを特徴とする請
    求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
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