JP2003055932A - 河川浚渫土砂を利用した土手の補強工法 - Google Patents

河川浚渫土砂を利用した土手の補強工法

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JP2003055932A
JP2003055932A JP2001248863A JP2001248863A JP2003055932A JP 2003055932 A JP2003055932 A JP 2003055932A JP 2001248863 A JP2001248863 A JP 2001248863A JP 2001248863 A JP2001248863 A JP 2001248863A JP 2003055932 A JP2003055932 A JP 2003055932A
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Noriaki Kojima
徳明 小島
Taketoshi Maeda
武俊 前田
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KOJIMAGUMI KK
Kojimagumi Co Ltd
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KOJIMAGUMI KK
Kojimagumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 河川水路の浚渫土砂を遠方の土捨場に運ばな
くても浚渫現場近くの土手で処分可能として,輸送コス
トを大幅に節減できるようにし,しかもその浚渫土砂を
土手法面に対する保護手段に有効に再利用できるように
する。 【解決手段】 土手Dを有する河川の水路Lを浚渫する
工程と,その浚渫現場で浚渫土砂に固化材を混ぜる工程
と,その固化材を混ぜた浚渫土砂を浚渫現場周辺の土手
Dまで搬送する工程と,その土手Dまで搬送された,固
化材が混じる浚渫土砂を,前記土手Dの外側の法面3に
打設して固化させる工程とを備え,前記固化した浚渫土
砂が,前記法面3を被覆保護するカバー体Cを構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,土手を有する河川
の水路を浚渫したときに生じる浚渫土砂を利用した,土
手の補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,河川の水路を浚渫したときに多量
に生じる浚渫土砂は,該河川より離れた土捨場まで土運
搬船やダンプカー等を用いて運搬するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが近年では,土
捨場が遠い場所にしかない上,土捨場そのものが少なく
なってきており,このため,洪水等の心配がある河川を
浚渫しようとしても,その前に浚渫土砂の処分場を確保
しておかなければ浚渫工事を開始できない問題があり,
また土捨場が見つかっても,そこが河川から遠ければ浚
渫土砂の輸送コストが高くなってしまう等の問題もあっ
た。
【0004】本発明は,上記の事情に鑑み提案されたも
ので,従来の上記問題を一挙に解決できるようにした,
河川浚渫土砂を利用した土手の補強工法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に,請求項1の発明は,土手を有する河川の水路を浚渫
する工程と,その浚渫現場で浚渫土砂に固化材を混ぜる
工程と,その固化材を混ぜた浚渫土砂を浚渫現場周辺の
土手まで搬送する工程と,その土手まで搬送された,固
化材が混じる浚渫土砂を,前記土手の外側の法面に打設
して固化させる工程とを備え,前記固化した浚渫土砂
が,前記法面を被覆保護するカバー体を構成するように
したことを特徴とし,また,請求項2の発明は,土手を
有する河川の水路を浚渫する工程と,その浚渫土砂を浚
渫現場から浚渫現場周辺の土手まで搬送する工程と,そ
の搬送途中又は搬送後において浚渫土砂に固化材を混ぜ
る工程と,その固化材が混ぜられた浚渫土砂を前記土手
の外側の法面に打設して固化させる工程とを備え,前記
固化した浚渫土砂が,前記法面を被覆保護するカバー体
を構成するようにしたことを特徴とする。尚,請求項
1,2の発明において,「浚渫現場周辺の土手」とは,
浚渫現場に対し最短距離にある土手領域が含まれること
は元より,その近辺の領域(即ち,浚渫現場から土手ま
での浚渫土砂の搬送を無理なく行い得る,浚渫現場から
比較的近い土手領域)も含まれる。
【0006】請求項1,2の発明の上記特徴によれば,
河川水路の浚渫土砂をその浚渫現場近くの土手で処分で
きて,遠方の土捨場までわざわざ輸送する必要はないた
め,従来のように河川浚渫に当たり土捨場の確保に奔走
する必要がないばかりか,浚渫土砂の輸送コストが大幅
に節減される。しかも上記浚渫土砂は固化材により固化
して,土手法面を被覆保護するカバー体となるため,浚
渫土砂の拡散により土手の周辺環境が汚損するのを回避
できるばかりか,洪水等で土手より川の水が万一オーバ
フローした場合でも,土手の外側の法面がオーバフロー
水に浸食されて河川決壊が起きるのを効果的に防止する
ことができる。
【0007】また請求項3の発明は,請求項1又は2の
各発明の前記特徴に加えて,前記法面には,そこに前記
浚渫土砂を打設する前に,複数の補強杭を相互に間隔を
おいて且つ各杭の上端部が該法面より起立するように打
込み,これら補強杭の上端部と前記カバー体とが,前記
浚渫土砂の固化により一体的に結合されるようにしたこ
とを特徴とする。この特徴によれば,土手自体を補強す
る補強杭を,上記カバー体に対するアンカーとして機能
させることができ,そのアンカー効果により上記カバー
体が土手法面よりずれ動くことを効果的に防止できる。
【0008】また請求項4の発明は,請求項3の発明の
前記特徴に加えて,前記固化材が混ぜられた浚渫土砂を
打設するための空間を前記法面との間に形成する型枠を
前記補強杭に支持させ,浚渫土砂の前記固化後に該型枠
を前記補強杭及びカバー体より分離することを特徴とす
る。この特徴によれば,土手自体を補強する補強杭を型
枠の支持手段に兼用できるから,それだけ型枠の支持構
造が簡素化され,型枠の設置作業も簡便となる。
【0009】また請求項5の発明は,請求項4の発明の
前記特徴に加えて,前記型枠の内面に,前記浚渫土砂の
固化後に前記カバー体の外面より露出する土留手段を取
付け,前記固化後において前記カバー体の外面に前記土
留手段を介して覆土をすることを特徴とする。この特徴
によれば,上記土留手段により覆土の保持効果が高めら
れ,また該覆土に植採等を適宜施すことにより土手法面
の景観が良好に保たれる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説
明する。
【0011】添付図面において,図1〜図6は本発明の
第1実施例を示すものであって,図1は河川浚渫現場周
辺の平面図,図2は図1の2−2線断面図,図3は河川
浚渫現場の概要図(図1の3矢視拡大図),図4は土手
法面補強工事の概要図(図1の4矢視拡大断面図),図
5は,土手法面補強工事が完了しカバー体上に覆土及び
植採を施した状態を示す図4対応断面図,図6は,浚渫
工事及び土手法面補強工事の進行例を示す河川浚渫現場
周辺の平面図である。また図7は,本発明の第2実施例
を示す河川浚渫現場周辺の平面図(図1対応図)であ
る。
【0012】先ず,図1,2において,浚渫現場となる
河川Rは,低水路部Lと,その低水路部Lの両側にそれ
ぞれ隣接して拡がる河川敷H,Hと,その各河川敷Hの
外側に隣接して該河川敷Hよりも高く起立する土手Dと
を備える。低水路部Lは,平時より川の水路を構成して
おり,また河川敷H,Hは,平時は水路より高位置にあ
って,大雨等により川が増水したときだけ浸水して臨時
の水路となる。而して本実施例では,前記低水路部Lの
川底が河川改修のために浚渫される。
【0013】土手Dは,良質の土を固めて横断面山形に
形成されており,その平坦な頂部1には,河川に沿って
延びる道路が形成される。土手Dの頂部1には,河川内
側及び外側に向かって下方に緩やかに傾斜した内側法面
2および外側法面3がそれぞれ連なっている。内側法面
2は,大水等に備えて鉄筋コンクリート4により頑丈に
補強されるが,外側法面3は,一般的には鉄筋コンクリ
ートによる補強はされない。しかしながら本発明では,
斯かる外側法面3を,河川の浚渫土砂を固化して成形し
たカバー体Cにより覆うことで,該外側法面3を特別に
被覆,保護して補強するようにしている。
【0014】次に浚渫工事の概要を図3を併せて参照し
て説明する。浚渫現場となる低水路部Lの水域には浚渫
作業船Bが複数条の係留索(図示せず)を介して水底又
は川岸に係留される。その浚渫作業船Bの船体上には,
低水路部Lの川底を浚渫して船上に掻き上げ可能な揚土
機(バックホー)5と,浚渫土砂の攪拌装置6と,浚渫
土砂の風力搬送装置7とが搭載される。また浚渫作業船
Bの近くには,セメント等よりなるスラリー状の固化材
(固化材ミルク)を生成して前記攪拌装置6に供給可能
な固化材プラント等の固化材供給装置CPを搭載したプ
ラント船B′が複数条の係留索(図示せず)を介して水
底又は川岸に係留される。
【0015】この固化材供給装置CPで生成されたスラ
リ状固化材と,揚土機5で川底より掻き上げられて前記
攪拌装置6のホッパ6a内に投入された浚渫土砂とが,
該攪拌装置6の内部で粉砕されつつ攪拌混合される。そ
して,その固化材混合浚渫土砂が風力搬送装置7により
その搬送口8に向けて高圧空気の風圧を利用して勢いよ
く吹き飛ばされ,これにより,固化材混合浚渫土砂の土
手Dに向けての風力搬送がなされる。
【0016】前記搬送口8にはフレキシブルな輸送管9
の上流端が接続され,その輸送管9の下流端は,浚渫現
場周辺の土手Dの頂部1に停車するサイクロン10付き
トラックTのサイクロン入口10aに接続される。尚,
輸送管9の,低水路部Lを横切る中間部分には,該部分
を水面上に支持するためのフロートが連結される。
【0017】前記サイクロン10内では,そこに前記輸
送管9を経て風力搬送されてきた固化材混合浚渫土砂の
中より空気が分離され,その空気を分離した固化材混合
浚渫土砂がサイクロン10の排出口10bから延長ホー
スHを介して土手Dの外側の法面3上に打設される。
【0018】次にこの打設工事について,図4を併せて
参照して説明する。その打設工事に当たり,土手Dの外
側の法面3には,予め鋼材等よりなる複数の補強杭Aが
相互に間隔をおいて且つ各杭Aの上端部が該法面3より
起立するように略鉛直に打込まれる。その一部の補強杭
Aの上端部には,厚さ略1m程度の打設用空間Spを外
側法面3との間に形成するための型枠Pが適当な支持具
16を介して固定,支持される。
【0019】また前記打設用空間Sp内には,強靱な材
料(例えば竹材,強化合成樹脂材,木材,鋼材等)によ
り,浚渫土砂が通過可能な適宜の二次元形状又は三次元
形状(図示例では立体格子状)に形成された補強材20
が収容され,該補強材20は各補強杭Aの上部に固着さ
れる。
【0020】更に前記型枠Pの内面には,ネット等の土
留手段Nが容易に分離し得るように保持され,この土留
手段Nは,固化材混合浚渫土砂が固化してカバー体Cと
なった後,該カバー体Cの外面より一部が露出する。
【0021】而して固化材混合浚渫土砂がサイクロン1
0の排出口10bより延長ホースHを介して型枠P内側
の前記空間Spに打設され,それが固化材の作用で固ま
ることにより,土手Dの外側法面3上に,これを一体的
に覆うカバー体Cが形成される。このカバー体Cにおい
ては,これに一体的に埋設された前記補強材20及び補
強杭Aにより該カバー体Cの剛性,強度が高められるか
ら,カバー体Cの崩壊防止に効果的である。
【0022】上記のようにしてカバー体Cが形成された
後に,型枠Pを補強杭A(具体的には支持具16)及び
カバー体Cより取り外し,これにより,土手Dに対する
一連の補強工事が終了する。尚,型枠Pを除去した状態
で前記支持具16の一部がカバー体C上に突出する場合
は,その突出部分を切除する。
【0023】その後,図5に例示したように,カバー体
Cの外面に前記土留手段Nを介して覆土Sを例えば50
cm程度施し,更にその覆土Sに植採等を適宜施すこと
により,上記カバー体Cの特設に因る土手法面3の景観
悪化を回避でき,また上記土留手段Nにより覆土Sをカ
バー体C上に長期間に亘り安定良く効果的に保持させる
ことができる。
【0024】而して以上説明した低水路部Lの浚渫工事
と,その低水路部Lの近くの土手Dの外側法面3に対す
る浚渫土砂利用の補強工事とは並行して行われる。この
場合,土手法面補強工事は,例えば図6の鎖線矢印Xで
示したように,該法面3を水路流れ方向に幾つかの工事
区画に分割して,それら工事区画に対し水路流れ方向に
沿って上流側から下流側(或いは下流側から上流側)に
順次に打設工事を行い,また各工事区画においては,上
下方向に幾つかの小工事区画に分割して,それら小工事
区画に対し下から上へ順次に打設工事を行えば,作業を
能率よく進めることが可能である。
【0025】上記実施例によれば,河川水路の浚渫土砂
がその浚渫現場近くの土手Dで処分可能となって,その
浚渫土砂を遠方の土捨場までわざわざ輸送する必要はな
いため,従来のように河川浚渫に当たり土捨場の確保に
奔走する必要がないばかりか,浚渫土砂の輸送コストが
大幅に節減される。しかも上記浚渫土砂は固化材により
固化した後は,土手法面3を被覆保護するカバー体Cと
なるため,浚渫土砂の拡散により土手Dの周辺環境が汚
損するのを回避できるばかりか,洪水等で土手より川の
水が土手Dを万一オーバフローした場合でも,土手Dの
外側法面3がオーバフロー水に浸食されて河川決壊が起
きるのを効果的に防止できる。即ち,カバー体Cは,コ
ンクリートのような高い剛性,強度はないものの,上記
オーバフロー水からの浸食等には十分に耐え得る程度の
剛性,強度は少なくとも有すべきものであり,したがっ
て,その程度の剛性,強度が少なくとも得られるよう
に,浚渫土砂の組成や水分含量等に応じて,固化材の浚
渫土砂への混入量が適宜調整される。
【0026】また上記土手法面3には,浚渫土砂の打設
前に複数の補強杭Aが相互に間隔をおいて且つ各杭Aの
上端部が該法面3より起立するように打込まれており,
これら補強杭Aの上端部に補強材20を固着して,それ
らと前記カバー体Cとが浚渫土砂の固化により一体的に
結合されるようにしているため,カバー体Cに対する補
強杭Aによるアンカー効果と,補強材20による補強効
果とが相俟って,カバー体Cの崩壊や土手法面3からの
ずれ落ちが効果的に阻止される。さらに上記補強杭Aは
型枠Pの支持手段に兼用されているから,それだけ型枠
Pの支持構造が簡素化され,型枠Pの設置作業も簡便と
なる。
【0027】次に図7を参照して本発明の第2実施例を
説明する。この実施例では,低水路部Lの水域には浚渫
作業船Bのみが係留され,固化材プラント船は省略され
る。その代わりに,浚渫現場近くの土手Dの頂部1には
サイクロン10付きトラックTと,固化材供給装置11
付きトラックT′と,その何れかのトラックに牽引され
たミキサー12付き台車T″とが停車する。
【0028】而して浚渫作業船B上の揚土機5で川底よ
り掻き上げられて攪拌装置6のホッパ6a内に投入され
た浚渫土砂が,該攪拌装置6の内部で粉砕されつつ攪拌
され,その浚渫土砂が風力搬送装置7により輸送管9を
介して土手D上のサイクロン10付きトラックTのサイ
クロン10内に風力搬送される。そのサイクロン10内
では,そこに風力搬送されてきた浚渫土砂の中より空気
が分離され,その分離後の浚渫土砂がサイクロン10底
部よりミキサー12内に供給される。それと同時に,固
化材供給装置11付きトラックT′からはスラリ状固化
材(固化材ミルク)がミキサー12内に供給され,その
固化材と浚渫土砂とがミキサー12内で攪拌混合され,
その固化材混合浚渫土砂がミキサー12の排出口12a
から延長ホースHを介して土手Dの外側の法面3上に打
設される。
【0029】而してこの第2実施例では,第1実施例と
異なり,浚渫土砂が固化材と混合されない状態のまま土
手Dの頂部1まで風力搬送され,その搬送後に土手頂部
1で固化材と攪拌混合されるが,この第2実施例によっ
ても,第1実施例と基本的に同様の作用効果が達成可能
である。
【0030】以上,本発明の実施例を詳述したが,本発
明は前記実施例に限定されるものでなく,種々の設計変
更を行うことができる。
【0031】例えば,第1実施例では,水路を浚渫して
生じた浚渫土砂に浚渫現場(図示例では低水路L上)で
固化材を混ぜてから土手Dへの搬送を開始するように
し,また第2実施例では,浚渫土砂を浚渫現場から浚渫
現場周辺の土手Dまで搬送した後(図示例では土手Dの
頂部1で),該浚渫土砂に固化材を混ぜるようにしたも
のを示したが,本発明(請求項2)では,浚渫土砂の搬
送途中,例えば河川敷H等に固化材混入装置付き車両を
配して固化材を搬送途中の浚渫土砂に混ぜるようにして
もよい。
【0032】前記実施例では,カバー体Cの外面にネッ
ト等の土留手段Nを介して覆土Sをするようにしたが,
本発明(請求項1〜4)では,斯かる土留手段N及び/
又は覆土Sを省略可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のように請求項1,2の各発明によ
れば,河川水路の浚渫土砂に固化材を混ぜたものを,浚
渫現場周辺の土手の外側法面に打設して固化させるの
で,河川水路の浚渫土砂をその浚渫現場近くの土手で処
分できるようになって,従来のように遠方の土捨場まで
わざわざ輸送する必要はなくなり,従って,土捨場の確
保に奔走する必要がないばかりか,浚渫土砂の輸送コス
トを大幅に節減することができる。しかも上記浚渫土砂
は固化材により固化して,土手法面を被覆保護するカバ
ー体となるため,浚渫土砂の拡散により土手の周辺環境
が汚損するのを回避できるだけでなく,洪水等で土手よ
り川の水がオーバフローした場合に土手の外側の法面が
削られて河川決壊が起きるのを効果的に防止でき,浚渫
土砂が土手の法面保護手段として有効に再利用可能とな
る。
【0034】また特に請求項3の発明によれば,土手の
前記法面には,そこに浚渫土砂を打設する前に,複数の
補強杭を相互に間隔をおいて且つ各杭の上端部が該法面
より起立するように打込み,これら補強杭の上端部と上
記カバー体とが,浚渫土砂の固化により一体的に結合さ
れるようにしたので,土手の補強杭を上記カバー体に対
するアンカーに兼用することができて,該カバー体が土
手法面よりずれ動くことを効果的に防止できる。
【0035】また特に請求項4の発明によれば,固化材
入りの浚渫土砂を打設するための空間を土手法面との間
に形成する型枠を,前記補強杭に支持させるので,土手
の補強杭を型枠の支持手段に兼用できて,型枠の支持構
造を簡素化できる上,型枠の設置作業を簡便化できる。
【0036】また特に請求項5の発明によれば,型枠の
内面に,浚渫土砂の固化後に上記カバー体の外面より露
出する土留手段を取付け,前記固化後においてカバー体
の外面に該土留手段を介して覆土をするので,その覆土
に植採等を適宜施すことにより,上記カバー体の特設に
因る土手法面の景観悪化を回避でき,また上記土留手段
により覆土をカバー体上に長期間に亘り効果的に保持さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す河川浚渫現場周辺の
平面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】河川浚渫現場の概要図(図1の3矢視拡大図)
【図4】土手法面補強工事の概要図(図1の4矢視拡大
断面図)
【図5】土手法面補強工事が完了しカバー体上に覆土及
び植採を施した状態を示す図4対応断面図
【図6】浚渫工事及び土手法面補強工事の進行例を示す
河川浚渫現場周辺の平面図
【図7】本発明の第2実施例を示す河川浚渫現場周辺の
平面図(図1対応図)
【符号の説明】
A・・・補強杭 Au・・上端部 C・・・カバー体 D・・・土手 L・・・低水路部(水路) N・・・ネット(土留手段) P・・・型枠 R・・・河川 S・・・覆土 Sp・・空間 3・・・土手の外側法面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土手(D)を有する河川(R)の水路
    (L)を浚渫する工程と,その浚渫現場で浚渫土砂に固
    化材を混ぜる工程と,その固化材を混ぜた浚渫土砂を浚
    渫現場周辺の土手(D)まで搬送する工程と,その土手
    (D)まで搬送された,固化材が混じる浚渫土砂を,前
    記土手(D)の外側の法面(3)に打設して固化させる
    工程とを備え,前記固化した浚渫土砂が,前記法面
    (3)を被覆保護するカバー体(C)を構成するように
    したことを特徴とする,河川浚渫土砂を利用した土手の
    補強工法。
  2. 【請求項2】 土手(D)を有する河川(R)の水路
    (L)を浚渫する工程と,その浚渫土砂を浚渫現場から
    浚渫現場周辺の土手(D)まで搬送する工程と,その搬
    送途中又は搬送後において浚渫土砂に固化材を混ぜる工
    程と,その固化材が混ぜられた浚渫土砂を前記土手
    (D)の外側の法面(3)に打設して固化させる工程と
    を備え,前記固化した浚渫土砂が,前記法面(3)を被
    覆保護するカバー体(C)を構成するようにしたことを
    特徴とする,河川浚渫土砂を利用した土手の補強工法。
  3. 【請求項3】 前記法面(3)には,そこに前記浚渫土
    砂を打設する前に,複数の補強杭(A)を相互に間隔を
    おいて且つ各杭(A)の上端部(Au)が該法面(3)
    より起立するように打込み,これら補強杭(A)の上端
    部(Au)と前記カバー体(C)とが,前記浚渫土砂の
    固化により一体的に結合されるようにしたことを特徴と
    する,請求項1又は2に記載の河川浚渫土砂を利用した
    土手の補強工法。
  4. 【請求項4】 前記固化材が混ぜられた浚渫土砂を打設
    するための空間(Sp)を前記法面(3)との間に形成
    する型枠(P)を前記補強杭(A)に支持させ,浚渫土
    砂の前記固化後に該型枠(P)を前記補強杭(A)及び
    カバー体(C)より分離することを特徴とする,請求項
    3に記載の河川浚渫土砂を利用した土手の補強工法。
  5. 【請求項5】 前記型枠(P)の内面に,前記浚渫土砂
    の固化後に前記カバー体(C)の外面より露出する土留
    手段(N)を取付け,前記固化後において前記カバー体
    (C)の外面に前記土留手段(N)を介して覆土(S)
    をすることを特徴とする,請求項4に記載の河川浚渫土
    砂を利用した土手の補強工法。
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