JP3308958B2 - 埋立用構造物の構築工法および型枠台船 - Google Patents

埋立用構造物の構築工法および型枠台船

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JP3308958B2 JP2000042793A JP2000042793A JP3308958B2 JP 3308958 B2 JP3308958 B2 JP 3308958B2 JP 2000042793 A JP2000042793 A JP 2000042793A JP 2000042793 A JP2000042793 A JP 2000042793A JP 3308958 B2 JP3308958 B2 JP 3308958B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Underground Or Underwater Handling Of Building Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、港湾等の埋立工事
において護岸で囲まれた埋立地内に構築される中仕切堤
防などの埋立用構造物を構築するする工法およびこの工
法に使用される型枠台船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】港湾工事において、航路の増深あるいは
航路や泊地の水深確保などを目的として、浚渫工事が行
われている。近年、こうした浚渫土の処分地の確保が大
きな課題となっている。このようなことを背景に、最近
の傾向として、浚渫土をリサイクル利用する試みがあ
る。この試みとは、浚渫土は、通常、高含水比の軟弱な
粘性土であるため、固化材(セメント等)を混合して十
分な強度を持つ高品質の材料に改良してから、港湾・空
港等の人工島埋立用材等として利用しようとするもので
ある。
【0003】こうしたリサイクル工法の一つとして開発
されたものに管中混合固化処理工法がある。この工法
は、グラブ浚渫した浚渫土を空気圧送船により揚土埋立
する際に、固化材を添加し、圧送管内で発生するプラグ
流による乱流効果を利用して浚渫土と固化材を攪拌混合
するものである。
【0004】一方、埋立工事は、通常、周囲を護岸(堤
防)で囲った後、この中に揚土し埋立てられるが、埋立
規模や埋立地の将来の用途にもより、施工途中のある段
階で、中仕切りや工事用道路を目的として中仕切堤防
(中仕切堤防上に工事用道路を設置:「アバ」と称され
る)が設けられる場合があり、従来はマサ土あるいは製
鋼スラグ材による撒き出し盛土工法や浅層改良工法によ
る基盤形成後の盛土工法によってアバを構築していた。
しかし、これらの工法は埋立地以外の材料を使うことに
なるので、埋立地の有効処分容量が減少するという大き
な問題やコスト面の問題があった。そこで、管中混合固
化処理工法を用いたアバの構築方法が考えられた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、固化材添加処
理土はスラリーであり、スラリーはレベル状に流れて広
がろうとするので(通常、1/20程度の勾配とな
る)、従来の管中混合固化処理工法(圧送管端部あるい
は減勢サイクロンからスラリーが吐出される方式)のみ
ではアバを任意の位置、形状、寸法に構築することは不
可能である。
【0006】一方、アバの構築を行う対象埋立地の形態
(条件)としては、ポンプ浚渫工法によって揚土した
埋立地、グラブ浚渫したものをバージアンローダ工法
によって揚土した埋立地、グラブ浚渫したものを空気
圧送工法によって揚土した埋立地等がある。
【0007】このような浚渫土は高含水比の軟弱な粘性
土であるため、アバ構築の対象場所である埋立地は軟弱
な粘性土で構成された「底なし沼状」となっている。特
に、上記,は、加水揚土工法なので、非常に軟弱な
ものとなっており、さらに埋め立てられた軟泥上には多
量の余水が残留している。
【0008】そこで、本発明では、余水が残留している
埋立軟泥上でもアバ等の埋立用構造物を任意の位置、形
状、寸法に容易に構築することのできる構築工法および
型枠台船を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の埋立用構造物の
構築工法は、余水が残留している埋立地内に浚渫土を利
用した構造物(中仕切堤防など)を構築する工法であ
り、バラスト水を注排水可能なフロートを打設区間を取
り囲むように配設し、このフロートの内側面に型枠を設
けてなる船体浮沈式の型枠台船を使用し、型枠台船を沈
降させて、浚渫土と固化材を混合したスラリーを型枠間
に打設した後、型枠台船を浮上させて次の区間へ移動さ
せ、型枠台船の沈降による型枠のセット、スラリーの打
設、型枠台船の浮上による型枠の脱型、型枠台船の移動
の工程を順次繰り返すことにより、連続した構造物を構
築することを特徴とする(請求項1)。
【0010】本発明のもう一つの埋立用構造物の構築工
法は、余水が残留している埋立地内に浚渫土を利用した
構造物(中仕切堤防など)を構築する工法であり、フロ
ートを打設区間を取り囲むように配設し、このフロート
の内側面に型枠を昇降可能に設けてなる型枠スライド式
の型枠台船を使用し、型枠台船の型枠を下降させて、
渫土と固化材を混合したスラリーを型枠間に打設し
後、型枠を上昇・脱型させて次の区間へ移動させ、型枠
の下降による型枠のセット、スラリーの打設、型枠の上
昇による型枠の脱型、型枠台船の移動の工程を順次繰り
返すことにより、連続した構造物を構築することを特徴
とする(請求項2)。
【0011】請求項1または請求項2によれば、フロー
トと型枠を備えた型枠台船を使用することにより、型枠
を余水が残留している埋立軟泥上を移動させて設置する
ことができると共に、レベル状に流れて広がるスラリー
を型枠でせき止めることができ、軟弱な粘性土で構成さ
れた「底なし沼状」の埋立地内に、浚渫土をリサイクル
利用して任意の位置、形状、寸法の中仕切堤防等の構造
物を容易に構築することが可能となる。請求項1の場
合、型枠台船の沈降による型枠のセット、スラリーの打
設、型枠台船の浮上による型枠の脱型、型枠台船の移動
の工程を順次繰り返すことにより、比較的簡易で小型の
型枠台船により、連続した中仕切堤防等を迅速にかつ低
コストで構築することが可能となる。請求項2の場合、
型枠の下降による型枠のセット、スラリーの打設、型枠
の上昇による型枠の脱型、型枠台船の移動の工程を順次
繰り返すことにより、比較的簡易で小型の型枠台船によ
り、連続した中仕切堤防等を迅速にかつ低コストで構築
することが可能となる。
【0012】浚渫土と固化材(セメント等)は、予め混
合してスラリー状のものを圧送するなどしてもよいが、
浚渫土を圧送管により圧送しつつ浚渫土と固化材を圧送
管内で管中混合する所謂管中混合固化処理工法を採用す
るのが好ましい(請求項3)。浚渫土と固化材を圧送管
内で混合することで、圧送管内のプラグ流の乱流効果に
より浚渫土と固化材が十分に混練され、強度等が高く性
能の良い中仕切堤防等の構築が可能となる。
【0013】本発明の型枠台船は余水が残留している
埋立地内に浚渫土を利用した構造物を構築するための型
枠台船であり、バラスト水を給排水可能な単位フロート
を平面視コ字状に並べて打設区間を取り囲むフロートを
構成し、このフロートの内側面に平面視でコ字状の型枠
を設け、この型枠は船体が沈設した打設状態で上端が余
水の水面から突出し、かつ下端が埋立軟泥内に根入れさ
れるようにフロートの内側面に取付け、スラリーを打設
する泥槽とトレミー管を受桁を介して前記打設区間の上
に設けてなることを特徴とする船体浮沈式の型枠台船で
ある請求項4)。フロートおよび型枠は台船移動方向
と反対側の端部が開口した平面視コ字状とし、平面視の
中央に設置された減勢サイクロン(必要に応じて)、泥
槽、トレミー管を介して圧送管からのスラリーを打設区
間に打設する。フロートに送水管からバラスト給水する
ことで、型枠台船が沈降し、型枠がセットされ、前記送
水管から送気を行い、排水管からバラスト排水すること
で、型枠台船が浮上し、型枠が構築物から脱型される。
なお、型枠台船が不等沈降した場合には、複数に分割し
たフロートのうちの任意のフロートにバラスト給水する
ことで対応することができる。
【0014】本発明のもう一つの型枠台船は余水が残
留している埋立地内に浚渫土を利用した構造物を構築す
るための型枠台船であり、単位フロートを平面視コ字状
に並べて打設区間を取り囲むフロートを構成し、このフ
ロートの内側面に平面視でコ 字状の型枠設け、端部お
よび左右両側部の型枠をスライド装置によりスライド自
在に案内支持し、吊り上げ装置で昇降させ、スラリーを
打設する泥槽とトレミー管を受桁を介して前記打設区間
の上に設けてなることを特徴とする型枠スライド式の型
枠台船である請求項5)。この場合も、フロートおよ
び型枠は台船移動方向と反対側の端部が開口した平面視
コ字状とし、平面視の中央に設置された減勢サイクロン
(必要に応じて)、泥槽、トレミー管を介して圧送管か
らのスラリーを打設区間に打設する。型枠は、複数に分
割して軽量化を図り、各分割型枠をスライド装置により
スライド自在に案内支持し、チェーンブロックや電動ホ
イストからなる吊り上げ装置で昇降させる。型枠台船を
浮泥あるいは余水上に浮かせたまま、型枠を下降させれ
ば、型枠がセットされ、型枠を上昇させれば、型枠が構
築物から脱型される。この場合、前記不等沈降に対する
処置は必要としない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態に基づいて説明する。この実施形態は、護岸で囲まれ
た埋立地内にアバ(中仕切堤防)を管中混合固化処理工
法を用いて構築する例である。図1は本発明の構築工法
を示したものである。図2〜図10は本発明で用いる型
枠台船の具体例を示したものであり、図2〜図5は船体
浮沈式の型枠台船、図6〜図10は型枠スライド式の型
枠台船の場合である。
【0016】図1に示すように、本発明においては、護
岸1で囲まれた埋立地2をポンプ浚渫工法、グラブ浚渫
・バージアンローダ工法、あるいは図1(c) の管中混合
固化処理工法等により埋立てた後、余水3が残留してい
る埋立軟泥4上を型枠台船5を移動させ、管中混合固化
処理工法を用いて浚渫土6と固化材(セメント等)7の
スラリー8を型枠台船5へ圧送し、型枠11間にスラリ
ー8を打設してアバAを構築する。
【0017】型枠台船5は、主に、平面視コ字状のフロ
ート10および型枠11と、船体中央に跨がって設置さ
れる受桁12などからなり、管中混合固化処理工法の圧
送管13の先端部を前記受桁12の中央部に接続し、減
勢サイクロン14等・トレミー管15を介して型枠11
間にスラリー8を打設する。なお、減勢サイクロン14
を用いずにスラリー8を直接打設することも可能であ
る。
【0018】この管中混合固化処理工法は、図1(c) に
示す埋立に使用した浚渫船・空気圧送船・固化材供給船
を利用することができ、浚渫船によるグラブ浚渫土6
を空気圧送船のホッバに入れ、空気圧送で埋立地2まで
輸送し、この輸送の際に、空気圧送船のホッパ部付
近、あるいは圧送管途中の固化材供給船において固化材
7を添加し、圧送管13の中では浚渫土6と固化材7
がプラグ流として運ばれており、圧送管13内の乱流効
果により浚渫土6と固化材7が混練され、圧送管13
の吐出口では浚渫土6と固化材7が十分に混練されたス
ラリー8が排出される。なお、このような管中混合固化
処理工法に限定されることなく、浚渫土6と固化材7の
スラリー8が型枠台船5に供給されるような工法などで
もよい。
【0019】アバAの構築に際しては、図1(a) に示す
ように、例えば海側の護岸1から陸側へと、平面視ほぼ
正方形状の単位アバ(例えば30m角)を順次継ぎ足し
て構築を行う。型枠台船5は、船体浮沈式あるいは型枠
スライド式を採用することができ、浮沈式の場合、フロ
ート10への注水により型枠台船5を沈設して型枠11
間へスラリー8を打設し、例えば1昼夜経過して強度が
発現すると、型枠台船5を浮上させて脱型し、次いで1
単位アバ分だけ型枠台船5を移動させ、前記工程を繰り
返す。型枠スライド式の場合は、型枠台船5を浮泥ある
いは余水上に浮かべたまま型枠11を昇降させればよ
い。その他の工程は浮沈式の場合と同じである。
【0020】また、型枠台船5の移動には、例えばウイ
ンチ牽引方式を採用することができ、例えば対向する護
岸1と陸側にそれぞれウインチ16を左右一対で配設
し、一方のウインチ16のワイヤロープ17を巻き上
げ、他方のウインチ16のワイヤロープ17を繰り出す
ことで、型枠台船5を移動させる。
【0021】図2の平面図に示すように、船体浮沈式の
型枠台船5−1は、フロート10をバラストタンクとし
て機能する多数の直方体形状の単位フロート10aから
構成し、これを平面視コ字状に並べ、移動方向の端部に
おいては1列で配設し、左右両側部では2列で配設し
(図示例では39隻の単位フロート)、各単位フロート
10aを適宜の連結手段で連結することにより、台船本
体を構成している。
【0022】このような構成のフロート10の3つの内
側面に鋼板(敷鉄板を利用)からなる型枠11を取り付
けて、全体として平面視でコ字状の型枠11が形成され
るようにしている。図2,図3(b),図4(a) に示すよう
に、型枠11の外側面(フロート側)にはH形鋼等から
なる水平材20を上下2段で取り付けておき、下部の水
平材20を単位フロート10aの下部のフック金具21
に上から引っ掛けて取り付け、上部の水平材20を水平
ピンヒンジ22を介して単位フロート10aの上部に取
り付ける。
【0023】また、この型枠11は、図3(b),図4(a)
に示すように、上方に向かって内側に狭まる勾配を付け
ておき、沈設状態の型枠台船5−1を浮上させるだけ
で、脱型を行えるようにしている。また、型枠11の高
さ寸法は、船体が沈設した状態(打設状態)で、上端が
余水3の水面から十分に突出し、かつ下端が埋立軟泥4
内に十分に根入れされるような寸法(例えば3m弱)と
されている。
【0024】受桁12は、トラス構造であり、図2に示
すように、台船移動方向に所定の距離をおいて一対で配
設され両端部を左右両側部の単位フロート10aの上面
に固定される受桁12aと、この一対の受桁12a,1
2aを中央部で連結する一対の受桁12b,12bから
構成され、各受桁の側部に作業通路30が設けられてい
る。
【0025】受桁12b,12bの中央、即ち3つの型
枠11で囲まれた打設エリアの中央位置には、支持架台
31を介して泥槽32が設置され、この泥槽32の上部
に減勢サイクロン14が接続されており、この減勢サイ
クロン14に、空気圧送船あるいは固化材供給船からの
圧送管13の先端部が接続されている。
【0026】トレミー管15は、泥槽32の下部に設け
られており、圧送されたスラリーが余水や浮泥と混ざり
品質を損ねないようにトレミー管先端を打設スラリー面
より下へ必要長調整しながら貫入させるため、並びに、
打設後に台船を移動させる際に支障がないように、二重
管による昇降式とされている。即ち、図3(c),図4(c)
に示すように、泥槽32の下部に固定される固定内管1
5aと、昇降装置33により昇降可能な可動外管15b
から構成され、打設時に可動外管15bを下降させ、台
船移動時には可動外管15bを上昇収納する。昇降装置
33としては、例えば、可動外管15bに上部に接続し
た取付部材33aをチェーンブロック33bで昇降させ
る方式を採用することができる。
【0027】各単位フロート10aは、台船浮沈用のバ
ラストタンクであり、図5に示すように、それぞれに送
水管(兼送気管)40が接続され、かつ排水管41およ
びエア抜きバルブ42が設けられ、バラスト給水時に
は、送水管40でバラスト給水可能、かつエア抜きバル
ブ42でフロート内の自然排気可能とされ、バラスト排
出時には、送水管40からフロート内へパージ用空気を
送気して排水管41からバラスト排水可能とされてい
る。
【0028】送水管(兼送気管)40は、図2に示すよ
うに、端部の横1列、左右両側部の縦4列の単位フロー
ト10a毎に配設されており、端部および左右両側部の
送水管40に対して3系統の送水本管43が接続され、
さらに送気本管44が接続される。なお、送気には圧送
管13の圧縮空気を利用することができる。
【0029】図5(i) の沈設状態から、送水管40より
各単位フロート10aに送気して排水管41からバラス
ト排水すると、型枠台船5−1を浮上させることができ
る。例えば、10数分で浮上させることができる。図5
(ii)の浮上状態から、送水管40から各単位フロート1
0aにバラスト給水し、エア抜きバルブ42で自然排気
させれば、バラスト水の重量により型枠台船5が沈降す
る。
【0030】図5(iv)に示すように、不等沈降が発生す
ると、大きく沈降した側の単位フロート10aのエア抜
きバルブ42を閉じ、沈降の小さい側の単位フロート1
0aのみエア抜きバルブ42を開けてバラスト給水を行
えば、図5(v) に示すように、台船を均衡復帰させるこ
とができる。
【0031】次に、図6の平面図に示すように、型枠ス
ライド式の型枠台船5−2は、フロート10を浮き機能
のみを有する多数の単位フロート10aから構成し、こ
のようなフロート10の内側面に型枠11を昇降可能に
設けている。従って、バラスト水のための送水管40や
排水管41等がなく、また型枠11の昇降のため受桁1
2とフロート10との間隔を大きくしている(図7,図
8参照)。その他の構成は船体浮沈式の場合と同様であ
る。
【0032】型枠11は、容易に昇降できるように、例
えば端部で長手方向に2分割とし、左右両側部で3分割
とし(図6〜図8参照)、各分割型枠11aを昇降装置
50で昇降させる。昇降装置50は、図8(b) 、図9、
図10に示すように、吊り架台51と、吊り上げ装置5
2と、スライド装置53とから構成されている。
【0033】吊り架台51は、H形鋼を組んで構成さ
れ、図8(b) に示すように、分割型枠11a毎に配設さ
れ、左右両側部においては2隻の単位フロート10aの
上面に固定されている。吊り上げ装置52は、図9(b)
に示すように、チェーンブロックあるいは電動ホイスト
52aを有し、吊り架台51に左右一対で配設され、分
割型枠11aをスライド装置53を介してスライド昇降
させる。
【0034】スライド装置53は、図9(b) ,図10に
示すように、分割型枠11aの外側面(フロート側面)
に固定されるH形鋼からなるスライド部材53aと、こ
のスライド部材53aをスライド自在に案内支持するH
形鋼からなる案内部材53bからなり、このスライド部
材53bが下部のフック金具21と上部の水平ピンヒン
ジ22を介して単位フロート10aに固定されている。
スライド部材53aと案内部材53bは、図9(a) に示
すように嵌合している。
【0035】スライド部材53aの上部には、図9(b)
に示すように、H形鋼からなる水平材53cが取り付け
られており、この水平材53cに左右一対の吊り上げ装
置52のフック52bが接続される。スライド部材53
aおよび案内部材53bは、上方に向かって外側へ広が
るように傾斜しており、分割型枠11aを吊り上げ装置
52で上昇させるだけで、分割型枠11aがアバAから
遠ざかる方向に上昇し、脱型が簡単に行われる。
【0036】なお、以上はアバ(中仕切堤防)を構築す
る場合について説明したが、これに限らず埋立地内に浚
渫土と固化材のスラリーによるその他の構造物を構築す
る場合にも本発明を適用できることはいうまでもない。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成からなるの
で、次のような効果を奏する。 (1) フロートと型枠を備えた型枠台船を使用することに
より、型枠を余水が残留している埋立軟泥上を移動させ
て設置することができ、またレベル状に流れて広がるス
ラリーを型枠でせき止めることができ、軟弱な粘性土で
構成された「底なし沼状」の埋立地内に、浚渫土をリサ
イクル利用して任意の位置、形状、寸法の中仕切堤防等
の構造物を容易に構築することが可能となる。
【0038】(2) 浚渫土を圧送管により圧送しつつ浚渫
土と固化材を圧送管内で管中混合する所謂管中混合固化
処理工法を併用することで、圧送管内のプラグ流の乱流
効果により浚渫土と固化材が十分に混練され、強度等が
高く性能の良い中仕切堤防等の構築が可能となる。
【0039】(3) 船体浮沈式あるいは型枠スライド式の
比較的簡易で小型の型枠台船により、連続した中仕切堤
防等を迅速にかつ低コストで構築することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の埋立用構造物の構築工法を示したもの
であり、(a) は平面図、(b) は横断面図、(c) は管中混
合固化処理工法を示す縦断面図である。
【図2】本発明の構築工法を実施するための船体浮沈式
の型枠台船の1例を示す平面図である。
【図3】図2の型枠台船の横断面図である。
【図4】図2の型枠台船の縦断面図である。
【図5】図2の型枠台船の浮沈工程を示す縦断面図であ
る。
【図6】本発明の構築工法を実施するための型枠スライ
ド式の型枠台船の1例を示す平面図である。
【図7】図6の型枠台船の横断面図である。
【図8】図6の型枠台船の縦断面図である。
【図9】図6の型枠台船の詳細を示したものであり、
(a) は平面図、(b) は縦断面図でをある。
【図10】図6の型枠台船の型枠部分の詳細を断面図で
ある。
【符号の説明】
A……アバ(中仕切堤防) 1……護岸 2……埋立地 3……余水 4……埋立軟泥 5……型枠台船 5−1…船体浮沈式型枠台船 5−2…型枠スライド式型枠台船 6……浚渫土 7……固化材 8……スラリー 10……フロート 10a…単位フロート 11……型枠 11a…分割型枠 12……受桁 12a…船体幅方向に平行な受桁 12b…船体移動方向に平行な受桁 13……圧送管 14……減勢サイクロン 15……トレミー管 15a…固定内管 15b…可動外管 16……ウインチ 17……ワイヤロープ 20……水平材 21……フック金具 22……水平ピンヒンジ 30……作業通路 31……支持架台 32……泥槽 33……トレミー管昇降装置 33a…取付部材 33b…チェーンブロック 40……送水管 41……排水管 42……エア抜きバルブ 43……送水本管 44……送気本管 51……吊り架台 52……吊り上げ装置 52a…チェーンブロックあるいは電動ホイスト 52b…フック 53……スライド装置 53a…スライド部材 53b…案内部材 53c…水平材

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 余水が残留している埋立地内に浚渫土を
    利用した構造物を構築する工法であり、バラスト水を注
    排水可能なフロートを打設区間を取り囲むように配設
    し、このフロートの内側面に型枠を設けてなる船体浮沈
    式の型枠台船を使用し、型枠台船を沈降させて、浚渫土
    と固化材を混合したスラリーを型枠間に打設した後、型
    枠台船を浮上させて次の区間へ移動させ、型枠台船の沈
    降による型枠のセット、スラリーの打設、型枠台船の浮
    上による型枠の脱型、型枠台船の移動の工程を順次繰り
    返すことにより、連続した構造物を構築することを特徴
    とする埋立用構造物の構築工法。
  2. 【請求項2】 余水が残留している埋立地内に浚渫土を
    利用した構造物を構築する工法であり、フロートを打設
    区間を取り囲むように配設し、このフロートの内側面に
    型枠を昇降可能に設けてなる型枠スライド式の型枠台船
    を使用し、型枠台船の型枠を下降させて、浚渫土と固化
    材を混合したスラリーを型枠間に打設した後、型枠を上
    昇・脱型させて次の区間へ移動させ、型枠の下降による
    型枠のセット、スラリーの打設、型枠の上昇による型枠
    の脱型、型枠台船の移動の工程を順次繰り返すことによ
    り、連続した構造物を構築することを特徴とする埋立用
    構造物の構築工法。
  3. 【請求項3】 浚渫土を圧送管により圧送しつつ浚渫土
    と固化材を圧送管内で管中混合することを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の埋立用構造物の構築工
    法。
  4. 【請求項4】 余水が残留している埋立地内に浚渫土を
    利用した構造物を構築するための型枠台船であり、バラ
    スト水を給排水可能な単位フロートを平面視コ字状に並
    べて打設区間を取り囲むフロートを構成し、このフロー
    トの内側面に平面視でコ字状の型枠を設け、この型枠は
    船体が沈設した打設状態で上端が余水の水面から突出
    し、かつ下端が埋立軟泥内に根入れされるようにフロー
    トの内側面に取付け、スラリーを打設する泥槽とトレミ
    ー管を受桁を介して前記打設区間の上に設けてなること
    を特徴とする船体浮沈式の型枠台船。
  5. 【請求項5】 余水が残留している埋立地内に浚渫土を
    利用した構造物を構築するための型枠台船であり、単位
    フロートを平面視コ字状に並べて打設区間を取り囲むフ
    ロートを構成し、このフロートの内側面に平面視でコ字
    状の型枠設け、端部および左右両側部の型枠をスライ
    ド装置によりスライド自在に案内支持し、吊り上げ装置
    で昇降させ、スラリーを打設する泥槽とトレミー管を受
    桁を介して前記打設区間の上に設けてなることを特徴と
    する型枠スライド式の型枠台船。
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