JP6209698B1 - 水底地盤の改良方法、作業船、バケット内圧力制御システム - Google Patents
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Abstract
Description
上げ下げ可能に設けられたバケットの先端で、水底地盤を掘削する工程と、
バケット内への水の流入を妨げた状態で、該バケット内に掘削土砂を取り込む工程と、
を含むことを特徴とする水底地盤の改良方法によって達成される。
上げ下げ可能に設けられたバケットの先端で、水底地盤を掘削する工程と、
バケット内から水を排出する工程と、
バケット内に掘削土砂を取り込む工程と、
を含むことを特徴とする水底地盤の改良方法によって達成される。
水底地盤を掘削するための掘削手段と、
上げ下げ可能に設けられ、水の流入を妨げた状態で掘削土砂を取り込むためのバケットと、を有する作業船によって達成される。
バケットへ送給する予定の改良材を一時的に保持可能な材料保持部と、
前記材料保持部より下方に位置し、バケットへ通ずる材料ガイド部と、
前記材料保持部と前記材料ガイド部の間に設けられた制御弁と、を具備し、
閉弁状態で、前記改良材は、バケット用送給路の材料保持部において保持され、
開弁状態で、前記改良材は、バケット用送給路の材料保持部から送り出されて、材料ガイド部を介してバケットに送り込まれる。
前記制御弁の動作に利用されるバケット内の空気圧を、バケット用送給路の材料保持部に導くためのバイパスと、
前記バイパスに設けられ、前記制御弁が動作するタイミングを制御するための第2の制御弁と、
を更に有している。
作業船が具備するバケット内の空気圧力を制御するためのシステムであって、
バケット内に圧縮空気を送るためのポンプと、
バケット内の空気圧力を制御するための排気路と、
を具備するバケット内圧力制御システムによって達成される。
作業船が具備するバケット内の空気圧力を制御するためのシステムであって、
バケット内に圧縮空気を送るためのポンプと、
バケット内の空気圧力をバケットの外部にガイドするように設けられた排気路と、
前記排気路の排気口を水中で上げ下げするための昇降手段と、
を具備するバケット内圧力制御システムによって達成される。
作業船が具備するバケットの構造であって、
掘削土砂を内側に収容可能なバケット本体と、
開閉可能に設けられ、掘削土砂をバケット本体に取り込むためのシェルと、を具備し、
前記シェルは開口可能な可動式の底板を具備している、ことを特徴とするバケット構造によって達成される。
シェルが開くときの動作に連動して、底板が開くように設けられ、かつ、
シェルが閉まるときの動作に連動して、底板が閉まるように設けられている。
1. 海底土砂(海底地盤の掘削土砂)を船上や陸上に揚土することなく、改良土を製造できる。すなわち、海底地盤の掘削土砂に汚染土が含まれている場合などでも、海水中で改良土を製造することが可能である。
2. バケット内の海水を排出してから海底土砂の取込ができる。これにより、取り込んだ海底土砂と改良材を練り混ぜるときに過剰な含水を抑えることでき、その結果、製造する改良土の品質を安定させることが可能である。つまり、改良土を製造するときに、バケット内に海水が入り込まない状態で、掘削土砂と改良材とを攪拌・混合することで、常に一定の品質であって且つ高品質の改良土を製造することが可能である。
3. バケットを密閉した状態で、上述した攪拌・混合を行うことで、該バケット内で製造する改良土の品質がより一層安定する。
4. 改良材の状態(固体・粉体・液体)に係わらず、バケット用送給路を介して改良材をバケット内に投入できる。
5. 海底汚染土の浄化・不溶化にも対応可能である。
1. 潜堤堤体の基礎地盤を改良材に置き換えることで、堤体の安定性が向上する。
2. 予め計量した改良材を必要量投入管理できる。
3. アンカーワイヤーを利用した作業船位置決めシステムと埋め戻し材投入装置(シュート)を利用することで、確実に投入ポイントへの埋め戻しができるようになる。
1. 「海底土砂を揚土する工程」と「改良土を海水中に投入する工程」が発生しないため、海水汚濁の低減が期待できる。
2. 埋め戻し材を投入する際には、埋め戻し材投入装置(例えばシュート)を利用するので、海水汚濁の低減が期待できる。
3. 無振動・無騒音工法である。
はじめに、図1〜図10に基づいて、本発明に係る方法の実施に用いる作業船(地盤改良船)の構成について説明する。
また、図3〜図10の詳細図に示すとおり、主として、
・ アンカーワイヤー2を利用した作業船位置決めシステムと(図2参照)、
・ 作業船1の船首側に立設されたリーダ3と、
・ リーダ3に沿って昇降自在に設けられた掘削兼攪拌混合装置5と、
・ リーダ3に沿って昇降自在に設けられた埋め戻し材投入装置7と、
・ リーダ3の側面に設けられたガイドレールと、
・ このガイドレールに沿って昇降自在に設けられた材料投入用の昇降式バケット9と、
・ 改良材などを計量して昇降式バケット9に充填するための計量用ホッパー11と、
・ 施工に用いる改良材や埋め戻し材を収容する砂箱13(材料収容箱)と、
・ 砂箱内の改良材/埋め戻し材を計量用ホッパー11へ向けて搬送するベルトコンベアー15と、を有している。
作業船位置決めシステムはGPSを用いた位置誘導画面と、図2に示すように、作業船1に固定されたウインチと、該ウインチに巻き取り・繰り出し可能に連結されたアンカーワイヤー2と、の組合せを複数セット含んで構成されている。アンカーワイヤー2が連結されたウインチは、例えば作業船の四隅近傍等に設けられている。
掘削兼攪拌混合装置5は、主として、所定位置の海底地盤を掘削する「掘削装置」としての機能と、掘削土砂と改良材とを攪拌混合する「攪拌混合装置」としての機能を兼ね備えた装置である。
図3、図4、図6、図7等に示すとおり、
・改良材をバケット32内に導くための送給路である一対のケーシングパイプ21(バケット用送給路)と、
・ケーシングパイプ21内に改良材を投入するための改良材投入口23と、
・回転駆動装置であるオーガーモーター25と、
・該モーターの動力を掘削兼攪拌混合部29内の掘削兼攪拌混合翼35(攪拌混合手段)に伝達するためのロッド27と、
・ケーシングパイプ21およびロッド27の下端に設けられた掘削兼攪拌混合部29と、
を有している。
図6、図7、図8等に示すとおり、主として、
・開閉式のグラブバケット31(掘削手段)を具備する密閉可能なバケット32と、
・バケット32内で昇降可能に設けられた掘削兼攪拌混合翼35(攪拌混合手段)と、
を有している。
グラブバケット31が開いた状態を図6(a)に示す。この状態では、バケット32底部は開口している。
グラブバケット31が開いた状態から閉じるときの動作を図6(b)および図8に示す。このときの一連の動作(開いた状態から閉じる動作)を通じて、その先端の掘削爪によって海底地盤が掘削されるとともに、グラブバケット31の内側およびバケット32内に掘削土砂を取り込むことができる。
グラブバケット31と掘削兼攪拌混合翼35を併用して海底地盤を掘削している状態を図6(c)に示す。この掘削兼攪拌混合翼35を併用した掘削では、バケット32内の掘削兼攪拌混合翼35が一時的に下降し、バケット32底部の開口部から突き出た状態で海底地盤を回転掘削している。
グラブバケット31が閉じた状態を図6(d)に示す。この状態では、バケット32底部は閉じて、該バケット32は密閉されている。バケット32内に掘削土砂を取り込んでからグラブバケット31を閉じた場合には、該バケット32は密閉されて、該掘削土砂はバケット32内に閉じ込められることになる。
・グラブバケット31(掘削手段)によってバケット32内に取り込んだ掘削土砂、
・一対のケーシングパイプ21,21を介してバケット32内に投入された改良材、
を攪拌混合する役割を担っている。
また図6(c)に示すように、必要に応じて、バケット32底部の開口部から突き出して、海底地盤を掘削するといった役割を担っている。
埋め戻し材投入装置7は、リーダ3に沿って昇降自在に設けられており、掘削兼攪拌混合装置5(掘削手段)による掘削で生じた掘削孔に、埋め戻し材を投入する役割を担っている。
・埋め戻し材をガイドする略パイプ状のシュート41と、
・シュート41内に改良材を投入するための埋め戻し材投入口43と、
・リーダ3に対してスライド可能に設けられたシュート振れ止め金物45と(図3(c))、
を有している。
図3に示すように、作業船1の船首側にリーダ3が立設されており、このリーダ3の側面に設けられたガイドレールに沿って、改良材や埋め戻し材などの材料投入用の昇降式バケット9が昇降する。この昇降式バケット9は、掘削兼攪拌混合装置5の改良材投入口23に改良材を投入する役割を担うとともに、埋め戻し材投入装置7の埋め戻し材投入口43に埋め戻し材(改良材)を投入する役割を担う。
次に、図11および図12に基づいて、上述した作業船1が具備する掘削兼攪拌混合装置5の機能・作用の概要について説明する。
(a) 油圧駆動式のグラブバケット31(掘削手段)で海底地盤を掘削し、
その際、必要に応じて、掘削兼攪拌混合翼35による回転掘削を併用し、
(b) 掘削した土砂をバケット32内に取り込んで密閉し、海中で別の場所まで移動させ、
(c) バケット32内に取り込んだ掘削土砂を、任意の場所・任意のタイミングで、該バケットから海底地盤へ向けて排出する、
といった機能・作用を発揮する。
・海底地盤を開閉式のグラブバケット31で掘削してバケット32内に取り込み、
・グラブバケット31を閉じてバケット32を密閉して、掘削土砂をバケット32内に閉じ込め、
・ケーシングパイプ21を介して、改良材(改質材、浄化材、不溶化材など)をバケット32内に投入し、
・バケット32内に取り込んで閉じ込めた掘削土砂と、バケット32内に投入した改良材とを、掘削兼攪拌混合翼35を使ってバケット32内で攪拌混合する、
といった機能・作用を発揮する。
次に、図13に基づいて、上述した作業船1が具備する埋め戻し材投入装置の機能・作用の概要について説明する。
上述した構成を具備し、上述した機能・作用を発揮する作業船は、海底地盤の改良や海底環境の改善を目的とした各種土木工事で利用することができる。具体的には、「潜堤築造」、「浅場造成」、「汚染土措置」などの海上土木工事で利用することができる。
図14(a)に示すような航路や泊地を確保するにあたって、海底地盤を浚渫する際には、本発明を利用して図14(b)や図14(c)に示すような潜堤を築造する。
図14に例示する実施形態において、潜堤は主として、改質材による埋め戻し部と、その上に覆い被さるように設けられた改質土と、で構成されており、改質土によって土留め行っている。改質材は改良材の一種である。改質土は、改質材と浚渫土砂(掘削土砂)とを攪拌混合して得られたものである。
なお、本発明において、改質材は特に限定されず、鉄鋼スラグ、セメント、セメント系固化材、生石灰、石灰系固化材など土質改良効果を備える材料であれば問わない。
図15(a)に示すような海底地盤に浅場を造成する際には、本発明を利用して、図15(b)に示すような浅場を造成する。図15(b)に例示する実施形態において、浅場は主として、改質材による埋め戻し部と、その上に覆い被さるように設けられた改質土と、で構成されている。改質材は改良材の一種である。改質土は、改質材と浚渫土砂(掘削土砂)とを攪拌混合して得られたものである。
また、海底地盤が汚染されている場合には、本発明を利用して、図15(c)に示すような汚染土措置を施す。
また、本発明を利用して、図15(c)に示すような汚染土措置を施すことで、浄化または不溶化を目的として海底地盤に浄化材または不溶化材を混合することができる。
本発明を利用して改良材(改質材)による埋め戻し(乾燥状態で投入)を行うことで、例えば、埋め戻し時の汚濁低減といった優れた効果が達成される。
次に、前述した特徴を具備する作業船を用いた、海底地盤の改良や海底環境の改善の施工方法の具体例として、「潜堤築造」および「浅場造成」を挙げて、本発明の具体的実施形態について説明する。なお、本実施形態では、施工に用いる改良材および埋め戻し材の具体例として、改質材を挙げる。
潜堤築造または浅場造成では、施工ポイントの海上に作業船を移動させ、図17や図18に示すように海底地盤に潜堤を築造する、あるいは浅場を造成する。
なお、次に述べる工程a〜mは、図21Aおよび図21Bに示す工程(a)〜(m)に対応している。
ケーシングパイプ21を介してバケット32内に圧縮空気を送り込んで、該バケット内の海水を排水し、バケット内を空洞にする。すなわち、空気圧によりバケット32内に海水の無い空間を確保する。以後、空気圧の作用によってバケット32内に海水が流れ込まない状態が保持される。
ケーシングパイプ21の下端に設けられた掘削兼攪拌混合部29を、所定位置の海底地盤に押し付ける。そして、バケット32先端にある油圧駆動式のグラブバケット31(掘削手段)により、所定位置の海底地盤を掘削する。
必要に応じて掘削兼攪拌混合翼35を下げて掘削補助として使用する。すなわち、掘削兼攪拌混合翼35をバケット32底部の開口部から突き出し、回転駆動させる。
なお、この工程は省略してもよい。
バケット32の先端にあるグラブバケット31(掘削手段)の開閉を繰り返し、掘削土砂をバケット32内に取り込む。なお、工程a以降、バケット32内は圧縮空気によって加圧され続けているので、該バケット32内に海水が水圧で流れ込むことはない。以後も同様である。
必要量の掘削土砂をバケット32内に取り込んだら、該バケット先端のグラブバケット31(掘削手段)を閉じる。これによりバケット32が密閉され、バケット32内に取り込んだ掘削土砂がバケット周囲の海水から隔離される。
バケット32底部(グラブバケット31)を閉じたまま掘削兼攪拌混合部29の全体を引き抜き、所定量の改質材をケーシングパイプ21を介してバケット32内に投入する。そして、バケット32内の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、バケット32内で上下動させて、「バケット32内に取り込んだ掘削土砂」と「バケット32内に投入した改質材」とを攪拌混合する。これらをバケット32内で攪拌混合することで、揚土することなくその場で、すなわち水中のバケット32内で「改質土」が製造される。
掘削兼攪拌混合部29(バケット32)を引き抜いた後にできた掘削孔を埋め戻すため、アンカーワイヤー2を利用して操船し、埋め戻し材投入装置7のシュート41下端を、掘削孔の真上に位置決めする。
埋め戻し材投入装置7のシュート41を所定位置まで下げ、該シュートを介して改質材を掘削孔に投入する。
アンカーワイヤーを利用して操船し、掘削孔に投入された改質材位置に、再びバケット32下端を合わせる。バケット32下端のグラブバケット31は閉じた状態とする。
バケット32を下げ、その下端のグラブバケット31で、掘削孔に投入された改質材を圧縮して締め固め、支持力の増強を図る。
掘削孔に投入された改質材高さが、所定深度(在来地盤高さ)になるまで、上記工程g〜jを繰り返す。
上記工程fで攪拌混合して得た改質土(取り込んだ掘削土砂と投入した改質材とを攪拌混合したもの)を、掘削孔を埋めている改質材の真上で排出する。
以上の工程を経て、改質土による潜堤築造または浅場造成が完了する。
築造された潜堤、造成された浅場は、図21Bの工程(m)に示すとおり、掘削孔を埋める改質材(締め固められた改質材)と、その上に覆い被さるように設けられた改質土と、で構成される。改質土は、原位置の掘削土砂を有効活用して海水中(海水が排出されたバケット32内)で製造されたものである。
次に、前述した特徴を具備する作業船を用いた、海底地盤の改良や海底環境の改善の施工方法の具体例として、「海底汚染土の浄化措置」および「海底汚染土の不溶化措置」を挙げて、本発明の具体的実施形態について説明する。なお、本実施形態では、施工に用いる改良材の具体例として、浄化材、不溶化材を挙げる。
浄化措置または不溶化措置の施工では、施工ポイントの海上に作業船を移動させ、図22や図23に示すように海底汚染土に対して浄化措置を施す、あるいは不溶化措置を施す。
なお、次に述べる工程a〜hは、図26Aおよび図26Bに示す工程(a)〜(h)に対応している。
ケーシングパイプ21を介してバケット32内に圧縮空気を送り込んで、該バケット内の海水を排水し、バケット内を空洞にする。すなわち、空気圧によりバケット32内に海水の無い空間を確保する。以後、空気圧の作用によってバケット32内に海水が流れ込まない状態が保持される。
ケーシングパイプ21の下端に設けられた掘削兼攪拌混合部29を、所定位置の海底地盤に押し付ける。そして、バケット32先端にある油圧駆動式のグラブバケット31(掘削手段)により、所定位置の海底地盤を掘削する。
必要に応じて掘削兼攪拌混合翼35を下げて掘削補助として使用する。すなわち、掘削兼攪拌混合翼35をバケット32底部の開口部から突き出し、回転駆動させる。
なお、この工程は省略してもよい。
バケット32の先端にあるグラブバケット31(掘削手段)の開閉を繰り返し、掘削土砂をバケット32内に取り込む。なお、工程a以降、バケット32内は圧縮空気によって加圧され続けているので、該バケット32内に海水が水圧で流れ込むことはない。以後も同様である。
必要量の掘削土砂をバケット32内に取り込んだら、該バケット先端のグラブバケット31(掘削手段)を閉じる。これによりバケット32が密閉され、バケット32内に取り込んだ掘削土砂がバケット周囲の海水から隔離される。
バケット32底部(グラブバケット31)を閉じたままの状態で、所定量の改良材(浄化措置の場合には浄化材、不溶化措置の場合には不溶化材)をケーシングパイプ21を介してバケット32内に投入する。
バケット32内への改良材の投入後、バケット内の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、バケット32内で上下動させて、「バケット32内に取り込んだ掘削土砂」と「バケット32内に投入した改良材」とを攪拌混合する。これらをバケット32内で攪拌混合することで「措置土砂」が製造される。「措置土砂」とは、浄化措置の場合には浄化材によって浄化措置が施された土砂であり、不溶化措置の場合には不溶化材によって不溶化措置が施された土砂である。
続いて、充分に攪拌混合された措置土砂を元の場所(掘削土砂を取り込んだ場所)に埋め戻す。以上の工程を経て、海底汚染土の浄化措置または不溶化措置が完了する。
次に、図27〜図29に基づいて、本発明に係る作業船が具備する「バケット内圧力制御システム」の具体例について説明する。
図28は、バケット内圧力制御システムの機能作用を示す図である。
図29は、施工時におけるバケット内圧力制御システムの機能作用を具体的に示す図である。
なお、図27〜図29において、前述した実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、また、その具体的構成や機能作用についての詳細説明を省略するとともに、前述した説明を援用する。
・バケット32内に圧縮空気を送るためのエアーポンプ51と、
・バケット32内の空気圧を制御するための排気路53と、
・排気路53の先端排気口を水中で上げ下げするための昇降モーター55(昇降手段)を
具備している。
一方、バケット32内に収容された圧縮空気は、排気バイパス管57によってガイドされ、更に、水中排気管バルブ59と排気ホース58を介して、水中排気管56にガイドされる。したがって、水中排気管バルブ59が開いている状況下で、エアーポンプ51から圧縮空気が圧送されている間は、バケット32内の圧縮空気は排気路53によってガイドされて、水中排気口60から水中へ排気され続ける。
この想定下で、前述した水中排気無しで掘削土砂の取込を行う場合には、バケット内部の気圧が体積の減少とともに上昇し、掘削土砂取込の障害となる。
つまり、バケット内に取り込む土砂がピストンの如く作用し、また、バケットがシリンダの如く作用して、バケット内の気圧が土砂取込時に上昇し、これが掘削土砂取込の障害となる。
次に、図30、図31に基づいて、本発明に係る作業船が具備する「バケット構造」の具体例について説明する。
図31は、シェルが開いた状態のバケット構造を比較する比較図であって、図31(a)は一般的構造のバケットを示しており、図31(b)は本実施形態に係るバケット構造を示しており、図31(c)は本実施形態の変形例に係るバケット構造を示している。
・掘削土砂を内側に収容可能なバケット本体71と、
・一対のシェル73,73を含んで構成されるグラブバケット31bを
有している。
一方、図30(a)に示すように、シェル73が開いた状態では、可動式底板76は開いている。すなわち、ヒンジ77を軸として立ち上がる方向に回動している。この状態で、各可動式底板76は外側に開き(外側に回動して)、その結果、シェル73の底部が図30(a)に示すように大きく開口する。
なお、図31に記載した数値は、本実施形態の効果を分かり易くするために一例として記載したものであり、バケット構造の構造や機能はこれに限定されるものではない。
また、シェルの底板側が大きく開くことで、開口したシェルの底板を通じて、上下可動式の掘削手段(例えば図6に示す掘削兼攪拌混合翼35)を、当該シェルの前方(下方)に突き出すことができる(図6(c)に示す如く)。
また、シェルの底板側が大きく開口することで、前述した上下可動式の掘削手段(例えば図6に示す掘削兼攪拌混合翼35)のサイズをより大きなもので構成することが可能になり、掘削効率の更なる向上が期待できる。
また、本実施形態では、シェルの開閉に連動する可動式底板を採用しているので、当該可動式底板の開閉操作が不要になり、作業効率が良くなる。
次に、図32〜図34に基づいて、本発明に係る作業船の第2実施形態について説明する。
なお、第2実施形態に係る作業船は、前述した図27に示す特徴(バケット内圧力制御システム)を具備することを前提としている。
図33は、図32に示す掘削兼攪拌混合装置が具備する圧力差開閉弁(制御弁)の開閉動作を示す図である。
図34は、図32に示す掘削兼攪拌混合装置が具備する圧力差開閉弁(制御弁)の施工時における機能作用を示す図である。
なお、図32〜図34において、前述した実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、また、その具体的構成や機能作用についての詳細説明を省略するとともに、前述した説明を援用する。
・改良材をバケット32内に導くための送給路である一対のケーシングパイプ21b(バケット用送給路)と、
・ケーシングパイプ21b内に改良材を投入するための改良材投入口23と、
・改良材投入口23を開け閉めするための投入口弁24と、
・回転駆動装置であるオーガーモーター25と、
・該モーターの動力を掘削兼攪拌混合部29内の掘削兼攪拌混合翼35(攪拌混合手段)に伝達するためのロッド27と、
・ケーシングパイプ21bおよびロッド27の下端に設けられた掘削兼攪拌混合部29と、を有している。
・バケット32へ送給する予定の改良材を一時的に保持可能な材料保持部81と、
・材料保持部81より下方に位置し、バケット32へ通ずる材料ガイド部83と、
・材料保持部81と材料ガイド部83の間に設けられた圧力差開閉弁(制御弁)85と、
を具備している。
材料ガイド部83(材料通過部)は、ケーシングパイプ21bの一部であって下方に位置する管状部である。
・バイパス管91,92(バイパス)と、
・バイパス管バルブ93(第2の制御弁)を
具備している。
この閉弁状態で、投入口弁24は開いており、バケット32・材料保持部81間のバイパス管(バイパス管バルブ93)は閉じている。
バケット32から材料ガイド部83を介してガイドされた気圧が、材料保持部81内の気圧を上回っている場合に、圧力開閉差弁85は図33(a)に示すように閉じることになる。
この開弁状態で、投入口弁24は閉じており、バケット32・材料保持部81間のバイパス管(バイパス管バルブ93)は開いている。
バケット32から材料ガイド部83を介してガイドされた気圧と、材料保持部81内の気圧が同圧になった場合に、圧力開閉差弁85は図33(b)に示すように開くことになる。
この状態では、バケット32内と材料保持部81内のいずれにも、空気圧は作用しておらず、すなわち、両者のあいだに圧力差は無い。そして、ウエイト89の作用によって、材料保持部81下端と弁体87との間には隙間が空いている。
この閉弁状態では、投入口弁24は開いており、バケット32・材料保持部81間のバイパス管(バイパス管バルブ93)は閉じている。
この状態では、材料保持部81にある改良材の重量(W)が、バケット32からの空気圧(押し上げ力)を下回るため、弁体87が閉じた状態を保っている。すなわち、圧力差開閉弁85が閉じた状態を保ち、投入された改良材がケーシングパイプの材料保持部81に一時的に保持されている。
このとき、改良材の重量(W)に材料保持部81の内圧が加わった力が、バケット32からの空気圧(押し上げ力)を上回るため、バケットからの空気圧に抗して図34(d)に示すように弁体87が開くことになる。すなわち、改良材の重量(W)を受けて圧力差開閉弁85が開いて、材料保持部81に保持されていた改良材が自重で落下し、材料ガイド部83を介してバケット32内に供給される。
そこで、本実施形態では、ケーシングパイプの一部を「材料保持部」で構成し、他の一部を「材料ガイド部」で構成している。上方に位置する「材料保持部」は、バケットへ送給予定の改良材を一時的に保持する役割を担い、その下方に位置する「材料ガイド部」はバケットへ通じている。
そして、材料保持部と材料ガイド部の間に圧力差開閉弁を設けて、閉弁状態では、改良材が、上方の材料保持部で一時的に保持されるようにし、また、開弁状態では、改良材が材料保持部から送り出されて、その下方の材料ガイド部を介してバケットに送り込まれるようにしている。
したがって、ケーシングパイプが上記特徴を具備することにより、バケット内の空気圧によってバケット内への改良材の送給を妨げられることがない。すなわち、バケット内の空気圧にかかわらず、必要量の改良材をケーシングパイプを通じてバケット内に確実に送り込むことが可能になる。
これにより、圧力差開閉弁(制御弁)の開閉を簡単に行うことができ、また、改良材をバケット内に送り込むタイミングを簡単に制御することが可能になる。
また、本発明の用途は、海底地盤の改良に限定されるものではなく、川底の地盤改良や、湖底の地盤改良にも利用可能である。
2 アンカーワイヤー
3 リーダ
5 掘削兼攪拌混合装置
5b 掘削兼攪拌混合装置
7 埋め戻し材投入装置
9 昇降式バケット
11 計量用ホッパー
13 砂箱(材料収容箱)
15 ベルトコンベアー
21 ケーシングパイプ(バケット用送給路/バケット用流路)
21b ケーシングパイプ(バケット用送給路/バケット用流路)
23 改良材投入口(材料投入口)
24 投入口弁
25 オーガーモーター(回転駆動装置)
26 ワイヤーロープ
27 ロッド
29 掘削兼攪拌混合部(攪拌混合手段)
31 グラブバケット(掘削手段)
31b グラブバケット(掘削手段)
32 バケット
32b バケット
34 ギアボックス(回転方向変換手段)
35 掘削兼攪拌混合翼
37 横向きの軸部材
39 ブレード状部材
41 シュート(ケーシングパイプ)
43 埋め戻し材投入口(材料投入口)
45 シュート振れ止め金物
46 ワイヤーロープ
51 エアーポンプ
53 排気路
55 昇降モーター(昇降手段)
56 水中排気管
57 排気バイパス管
58 排気ホース
59 水中排気管バルブ
60 水中排気口
71 バケット本体
73 シェル
75 固定底板
76 可動式底板
77 ヒンジ
81 材料保持部(材料保持管)
83 材料ガイド部(材料ガイド管/材料通過部)
85 圧力差開閉弁(制御弁)
87 弁体(圧力弁)
88 ヒンジ
89 ウエイト
91 バイパス管(バイパス)
92 バイパス管(バイパス)
93 バイパス管バルブ(第2の制御弁)
Claims (19)
- 作業船を利用した水底地盤の改良方法であって、
上げ下げ可能に設けられたバケットの先端で、水底地盤を掘削する工程と、
バケット内を圧縮空気で加圧することによってバケット内への水の流入を妨げた状態で、該バケット内に掘削土砂を取り込む工程と、
バケット内に取り込んだ前記掘削土砂を、水上に揚土することなく、該バケット内で改良材と攪拌混合する工程と、
を含むことを特徴とする水底地盤の改良方法。 - 作業船を利用した水底地盤の改良方法であって、
上げ下げ可能に設けられたバケットの先端で、水底地盤を掘削する工程と、
バケット内から水を排出する工程と、
バケット内に掘削土砂を取り込む工程と、
バケット内に取り込んだ前記掘削土砂を、水上に揚土することなく、該バケット内で改良材と攪拌混合する工程と、
を含むことを特徴とする水底地盤の改良方法。 - 前記バケットによる掘削で生じた掘削孔を埋め戻す工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水底地盤の改良方法。
- 前記改良材を、バケット用送給路を介して水中のバケット内に送り込む、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水底地盤の改良方法。
- バケット内で掘削土砂と改良材を攪拌混合して得られた改良土を、掘削した水底地盤に向けて排出する工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の水底地盤の改良方法。
- バケット内に送り込んだ圧縮空気によって、バケット内への水の流入を妨げる、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の水底地盤の改良方法。
- バケット内に掘削土砂を取り込む際に、バケット内の圧縮空気をバケット外部に排気する、ことを特徴とする請求項6に記載の水底地盤の改良方法。
- 作業船に連結されたアンカーワイヤーの操作により該作業船を移動させる工程を更に含む、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の水底地盤の改良方法。
- 前記改良材は、改質材、浄化材、不溶化材の何れかである、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の水底地盤の改良方法。
- 水底地盤を掘削するための掘削手段と、
上げ下げ可能に設けられ、圧縮空気で加圧することによって水の流入を妨げた状態で掘削土砂を取り込むためのバケットと、
前記バケット内に取り込んだ掘削土砂に対して攪拌混合する改良材を、前記バケット内に送るためのバケット用送給路と、
を有することを特徴とする作業船。 - 前記バケット内への水の流入を妨げる圧縮空気をバケット内に圧送するためのポンプを、更に有することを特徴とする請求項10に記載の作業船。
- 前記バケット用送給路は、
バケットへ送給する改良材を一時的に保持可能な材料保持部と、
前記材料保持部より下方に位置し、バケットへ通ずる材料ガイド部と、
前記材料保持部と前記材料ガイド部の間に設けられた制御弁と、を具備し、
閉弁状態で、前記改良材は、バケット用送給路の材料保持部において保持され、
開弁状態で、前記改良材は、バケット用送給路の材料保持部から送り出されて、材料ガイド部を介してバケットに送り込まれる、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の作業船。 - 前記制御弁は、バケット内の空気圧を利用して動作するように設けられている、ことを特徴とする請求項12に記載の作業船。
- 前記制御弁の動作に利用されるバケット内の空気圧を、バケット用送給路の材料保持部に導くためのバイパスと、
前記バイパスに設けられ、前記制御弁が動作するタイミングを制御するための第2の制御弁と、
を更に有することを特徴とする請求項13に記載の作業船。 - 前記バケット内に取り込んだ掘削土砂と改良材を該バケット内で攪拌混合するための攪拌混合手段を、更に有することを特徴とする請求項10乃至14の何れかに記載の作業船。
- 前記掘削手段による掘削で生じた掘削孔に、埋め戻し材を投入するための埋め戻し材投入装置を、更に有することを特徴とする請求項10乃至15の何れかに記載の作業船。
- 前記バケットは、
掘削土砂を内側に収容可能なバケット本体と、
開閉可能に設けられ、掘削土砂をバケット本体に取り込むためのシェルと、を具備し、
前記シェルは開口可能な可動式の底板を具備している、ことを特徴とする請求項10乃至16の何れかに記載の作業船。 - 前記シェルが具備する可動式の底板は、
シェルが開くときの動作に連動して、底板が開くように設けられ、かつ、
シェルが閉まるときの動作に連動して、底板が閉まるように設けられている、
ことを特徴とする請求項17に記載の作業船。 - 請求項11に記載の作業船が具備するバケット内の空気圧力を制御するためのシステムであって、
バケット内に圧縮空気を送るためのポンプと、
バケット内の空気圧力をバケットの外部にガイドするように設けられた排気路と、
前記排気路の排気口を水中で上げ下げするための昇降手段と、
を具備することを特徴とするバケット内圧力制御システム。
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