JP6903297B1 - 深堀窪地の埋戻し方法 - Google Patents

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【課題】粘性土系の浚渫土を有効活用することが可能な水底の窪地の埋戻し方法を提供する。【解決手段】海底の深堀窪地を埋め戻す施工において、はじめに、粘性土系の浚渫土を窪地の底面付近に打設し、窪地の底面から上部に向かって粘性土層を形成する。次いで、窪地に形成した粘性土層の表層部に改質材を用いて、粘性土層の上を覆うように、原位置で改質土層を更に形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、海底の深掘跡等の水底の窪地の埋戻し方法に関するものである。
海底の深掘跡等の窪地には、生物に悪影響を与える貧酸素水や硫化水素が滞留しやすく、青潮等の原因となって海域環境を悪化させることがある。そこで、海域環境の改善を目的として、従来より、海底の深掘跡等の窪地の埋戻し工事が実施されている。
海底の深掘跡等の窪地の埋戻しを行う場合、施工中の濁り軽減や、埋戻し後の浮泥巻き上がりリスク低減のため、一般的に埋戻し材料として「砂質系の浚渫土」を使用することが多い。
砂質系の浚渫土を使った従来の埋戻しでは、例えば、
・トレミー投入可能水深(例えば水深15m程度)からの自由落下、
・大型密閉グラブの対応可能水深(例えば水深25m程度)からの自由落下、
・大型泥土圧送ポンプを作業船に艤装して、排送管より水中打設する、
などの方法が採用されている。
近年では、高含水粘性土に製鋼スラグを混合した改質土を被覆層として形成することで、埋戻し後の浮泥巻き上がりを防止する方法も提案されている(例えば特許文献1参照)
特許第5573692号公報
砂質系の浚渫土は、海砂として各用途に標準的な材料として使われている。一方で、各種の浚渫工事で大量に発生する、粘性土系の浚渫土は、これまでは廃棄処分または、固化材の多量投入により安定処理して搬出している。
そこで、本願発明者らは、従来では多額のコストをかけて廃棄処分等されていた「粘性土系の浚渫土」を、循環型社会の構築を目的として資源の有効利用の観点から、海底の窪地の埋戻し工事における埋戻し材料として有効活用できないか検討するに至った。
しかしながら、粘性土系の浚渫土は軟質で高含水であるために、前述した従来の埋戻し方法により、粘性土系の浚渫土を単に海底窪地に投入しただけには、施工後に投入した粘性土系浚渫土の巻き上がりによる汚濁が発生し、周囲の漁場を荒らすなどの環境被害を招くリスクがある。
また、大水深域(約20m以深)や強潮流域の窪地の埋戻しにおいては、自由落下での埋戻し施工中に粘性土系の浚渫土が拡散して濁りが発生する。ポンプ圧送などにより、窪地の底面付近に浚渫土を打設すれば、初期は底面に生じる濁りが窪地の外へ拡散しにくいが、工事の進行に伴い窪地が浅くなると窪地の地形による濁り拡散抑制効果が減少する。
特許文献1のように、改質浚渫土を被覆層として形成することができれば、埋戻し後の浚渫土の巻き上がりを防止することが期待できる。しかし、この改質浚渫土の投入は、トレミー管やグラブ船のバケットを活用した方法を想定しているため、大水深域(約20m以深)や強潮流域の窪地の埋戻しには活用することができなかった。
そこで、上述した問題に鑑み、本発明の目的は、大水深域や強潮流域においても、埋戻し材料として「粘性土系の浚渫土」を有効活用することが可能な、水底の窪地の埋戻し方法を提供することにある。
上記目的は、水底の窪地を埋め戻すように、粘性土系の浚渫土を前記窪地の底面付近に打設し、窪地の底面から上部に向かって粘性土層を形成する工程と、粘性土層の表層部に改質材を用いて、粘性土層の上を覆うように、原位置で改質土層を形成する工程と、を含む水底の窪地の埋戻し方法によって達成される。
また、上記埋戻し方法で用いる改質材は、例えば、粘性土系の浚渫土と反応して硬化する材料を用いることができる。具体的には、改質材として鉄鋼スラグを用いることができる。
また、上記埋戻し方法は、前記改質土層の上を覆うように、覆砂材からなる覆砂材層を前記窪地に形成する工程を、更に含むことが好ましい。
前記覆砂材層を窪地に形成する工程では、覆砂材として天然砂を用いることが好ましい。
本発明に係る方法は、海底の深掘跡等の水底窪地の埋戻しに利用することで優れた効果が達成される。
なお、本発明における「水底」の具体例としては、例えば、海底、川底、湖底が挙げられる。また、「水底地盤」の具体例としては、例えば、海底地盤、川底の地盤、湖底の地盤が挙げられる。
以下、本発明の説明に於いて水底の一例として海底を挙げ、また、水底地盤の一例として海底地盤を挙げる。
本発明では、はじめに、粘性土系の浚渫土を窪地の底面付近に打設し、窪地の底面から上部に向かって粘性土層を形成する。次いで、窪地に形成した粘性土層の表層部に改質材を用いて、粘性土層の上を覆うように、原位置で改質土層を更に形成する。
「粘性土系の浚渫土」を単に埋戻し材料として使うだけでは、窪地に投入した粘性土系の浚渫土が潮流等の影響を受けて流れ出して海底汚濁が発生するが、このような海底汚濁を防ぐために、本発明では、ケーシングパイプ等を利用した圧送により、窪地の底面付近に浚渫土を直接打設するとともに、粘性土層の上を覆うように改質土層を原位置で形成する。粘性土層の上を、改質土が覆って蓋の如く機能するので、その下の粘性土層が潮流等の影響を受けることがなく、そのため、粘性土系の浚渫土を使っても海底汚濁を招くことがない。また、改質土層を原位置で形成することで、トレミー管等で改質土を落下させるよりも粘性土系浚渫土の巻き上がりによる濁りリスクが小さい。特に大水深域の窪地の埋戻しにおいては、効率よく確実に改質土層を形成できる。
したがって、本発明によれば、従来では廃棄処分等されていた「粘性土系の浚渫土」を、窪地の埋戻し工事における埋戻し材料として有効活用することができる。また、粘性土層の表層部と改質材を使って、改質土層を原位置形成することも、粘性土系の浚渫土の更なる有効活用になっている。しかも、埋戻しに利用した粘性土系の浚渫土によって、海底汚濁を招くことがない。よって、本発明によれば、粘性土系の浚渫土の有効活用と、悪化した海底環境の改善を、同時に実現することができる。
また、本発明によれば、従来では廃棄処分等されていた「粘性土系の浚渫土」を、安定化処理することなく、そのまま埋戻し材料として有効活用できるので、低コストでの埋め戻し工事が可能となる。
また、本発明では、改質材として例えば、粘性土系の浚渫土と反応して硬化する材料を用いる。
このような材料を用いることで、硬化した改質土層が形成され、その結果、その真下の粘性土系の浚渫土を硬く覆うことができ、海底汚濁を確実に防止することが可能になる。
また、海底の窪地に投入された粘性土系の浚渫土と、埋戻しの表層部をなす覆砂材層との間に、硬い改質土層を形成することで、覆砂材が粘性土系浚渫土に埋没することを阻止できる。すなわち、粘性土層の上に硬い改質土層を形成することで、埋め戻された窪地の天端に、覆砂材が露出した状態が確実に維持され、海洋生物の生育・生息環境の復元を図ることができる。
また、本発明では改質材として、水和反応を生じさせる材料、例えばカルシア改質材を利用する。
カルシア改質材は、鉄鋼スラグの一種である転炉系製鋼スラグを原料として成分管理と粒度調整した材料である。したがって、改質材として「カルシア改質材」を利用することで、製鋼スラグを有効活用することができる。
また、本発明では、粘性土層の上に形成した改質土層の上を更に覆うように、覆砂材からなる覆砂材層を深堀窪地に形成する。覆砂材としては、例えば天然砂を用いることができる。
このような天然砂などからなる覆砂材層を改質土層の上に形成し、埋戻し後の海底(埋め戻された窪地の天端)に覆砂材を露出させることで、海洋生物の生育・生息環境の復元を図ることができる。
また、山や島などから天然砂を調達する場合であっても、本発明では(埋め戻しの全体ではなく)表層部に天然砂を使うだけなので、調達する天然砂は少量で足り、天然砂の調達先の環境破壊を招くことがない。
本発明の実施に用いる作業船(地盤改良船)の一例を示す側面図(a)と正面図(b)である。 図2(a)は図1(a)に示す作業船の船首側を示す側面拡大図であり、図2(b)は図2(a)に示す攪拌混合装置の単体を示す側面図であり、図2(c)は図2(a)に示す材料投入装置の単体を示す側面図である。 図3(a)は図1(b)に示す作業船が具備する攪拌混合装置を中心に示す正面拡大図であり、図3(b)は図3(a)に示す攪拌混合装置の単体を示す正面図である。 図4(a)は図1(b)に示す作業船が具備する材料投入装置を中心に示す正面拡大図であり、図4(b)は図4(a)に示す材料投入装置の単体を示す正面図である。 図1に示す作業船が具備する攪拌混合装置の具体的構成を示す側面拡大図であって、図5(a)はケーシング先端にあるグラブ(取り込み手段)が開いた状態を示しており、図5(b)はグラブが閉じた状態を示している。 図1に示す作業船が具備する攪拌混合装置の具体的構成を示す正面拡大図であって、図6(a)はケーシング内の攪拌混合翼を上げた状態を示しており、図6(b)はケーシング内の攪拌混合翼を下げた状態を示している。 深堀窪地の埋戻し方法の主要工程を示す図である。 図7に示す深堀窪地の埋戻し方法の一工程であって、改質土層形成工程(図7(d))の具体的手順を示す図である。
(作業船)
はじめに、図1〜図6に基づいて、本発明に係る方法の実施に用いる作業船(地盤改良船)の構成について説明する。
はじめに、本発明の実施に用いる作業船1は、図1に示すような外観を有しており、
また、図2〜図6の詳細図に示すとおり、主として、
・ 作業船1の船首側に立設されたリーダ3と、
・ リーダ3に沿って昇降自在に設けられた攪拌混合装置5(第1の埋め戻し装置)と、
・ リーダ3に沿って昇降自在に設けられた材料投入装置7(第2の埋め戻し装置)を
有している。
海底の深堀窪地を埋戻す工事では、攪拌混合装置5と材料投入装置7の何れか一方を用いて埋戻しを実施する。材料投入装置7を使わずに、攪拌混合装置5だけで埋戻しの全工程を実施することも可能である。
攪拌混合装置5や材料投入装置7を用いた海底の深堀窪地の埋戻しでは、埋戻しの材料として、粘性土系の浚渫土のほか、改質材、覆砂材を用いる。以下、埋戻しに用いる粘性土系の浚渫土を、必要に応じて、単に「埋戻し粘性土」と略称する。
「改質材」の材料は特に限定されず、鉄鋼スラグ、セメント、セメント系固化材、生石灰、石灰系固化材など土質改良効果を備える材料であれば問わない。
利用可能な改質材の具体例としては、経時的な水和反応によって強度を発現させる材料、例えばカルシア改質材が挙げられる。カルシア改質材は、鉄鋼スラグの一種である転炉系製鋼スラグを原料として成分管理と粒度調整した材料である。したがって、改良材として「カルシア改質材」を利用することで、製鋼スラグを有効活用することができる。
「覆砂材」の具体例としては、例えば、天然砂などが挙げられる。
以下、作業船が具備する攪拌混合装置5と材料投入装置7の各構成について詳細に説明する。
(攪拌混合装置/第1の埋め戻し装置)
攪拌混合装置5は、主として、海底の深堀窪地に投入した埋戻し粘性土と改質材とを攪拌混合する「攪拌混合装置」としての機能のほか、作業船から海底の深堀窪地に向けて各種材料(埋戻し粘性土、改質材、覆砂材など)を投入する「材料投入装置」としての機能を備えた装置である。
攪拌混合装置5を使って海底の深堀窪地に向けて投入する「各種材料」とは、
・粘性土系の浚渫土からなる粘性土層を深堀窪地に形成する工程(図7(b)(c)参照)において、攪拌混合装置5を使う場合には、「粘性土系の浚渫土」が当該材料に該当し、
・粘性土層の上を覆うように改質土層を深堀窪地に形成する工程(図7(d)(e)参照)において、攪拌混合装置5を使う場合には、「改質材」が当該材料に該当し、
・覆砂材層を深堀窪地に形成する工程(図7(f)(g)参照)において、攪拌混合装置5を使う場合には、「覆砂材」が当該材料に該当する。
この攪拌混合装置5は、リーダ3に沿って昇降自在に設けられており、
図2、図3、図5、図6等に示すとおり、
・ケーシング32や攪拌混合翼35を備えた攪拌混合部29と、
・各種材料をケーシング32内に導くための流路等を含む管路21と、
・管路21内に材料を投入するための材料投入口23と、
・回転駆動装置であるオーガーモーター25と、
・該モーターの動力を攪拌混合部29内の攪拌混合翼35(攪拌混合手段)に伝達するためのロッド27を有している。
管路21の上端側は材料投入口23に連通しており、また、その下端側は攪拌混合部29のケーシング32内に連通している。
また、管路21は、ケーシング32内に圧縮空気を送るエアー流路としての役割も担っている。図示しないエアーコンプレッサから、管路21を介して、ケーシング32内に圧縮空気を送り込むことで、その空気圧によって、海中に水没した状態のケーシング32内から海水を排出することが可能であり、また、ケーシング内から海水を排出した状態を維持することが可能である。なお、攪拌混合装置5は、ケーシング32内の空気をケーシング外に排気することでケーシング内の空気圧を減圧するケーシング内圧力制御装置を備えている。このケーシング内圧力制御装置を利用することで、ケーシング32内の空気圧(ケーシング32内に送り込まれた圧縮空気の圧力)を制御することができる。
オーガーモーター25から出力される回転動力は、ロッド27を介して(図6参照)、攪拌混合部29のケーシング32内に設けられた攪拌混合翼35に伝達される。
このオーガーモーター25は、図2(a)に示すとおりリーダ3に昇降自在に連結されており、また、その上端はワイヤーロープ26に連結されている。当該ワイヤーロープ26を上下方向で操作することでオーガーモーター25を含む攪拌混合装置5の全体がリーダ3に沿って昇降する。
管路21の下端に設けられた攪拌混合部29は、図5、図6に示すとおり、主として、
・開閉式のグラブ31(取り込み手段)を具備する密閉可能なケーシング32と、
・ケーシング32内で昇降可能に設けられた攪拌混合翼35(攪拌混合手段)を有している。
ケーシング32は、平面視略矩形の箱型容器状の構成部材(矩形ケーシング)であり、底部の開口部を開閉可能に構成されている。ケーシング32の上部には、一対の管路21の下端が連結されており、材料投入口23から投入された各種材料は該管路21を介してケーシング32内にガイドされる。また、図示しないエアーコンプレッサから圧送された圧縮エアーは管路21を介してケーシング32内に送り込まれる。攪拌混合部29が海水中に没している場合には、該圧縮エアーの圧力によって、ケーシング32内から海水を排出することができる。すなわち、空気圧によって海水が排出された空間をケーシング32内に確保することができる。
オーガーモーター25に連結されたロッド27の下端は、ケーシング32内に設けられた攪拌混合翼35に連結されている。攪拌混合翼35は、ロッド27を介して伝達された動力によって回転駆動し、また図6に示すように、ケーシング32内で昇降可能に設けられている。
また、ケーシング32の先端(下端)には、開閉式のグラブ31(取り込み手段)が設けられている。ケーシング32とグラブ31の組合せは、全体としてひとつのケーシングを構成しているともいえる。グラブ31が開くことでケーシング32底部が開口し、また、該グラブ31が閉じることでケーシング32底部が閉じて密閉される。つまり、グラブ31は、投入済み埋戻し粘性土をケーシング内に取り込む取り込み手段としての役割のほか、ケーシング底部を開閉する蓋(ケーシング32の底部を密閉する蓋)としての役割を担っている。
このようなグラブ31(取り込み手段)は、開閉動作の手段として例えば油圧シリンダを有している。
グラブ31が開いた状態を図5(a)に示す。この状態では、ケーシング32底部は開口している。そして、グラブ31が開いた状態から閉じるときの一連の動作を通じて、グラブ31の内側およびケーシング32内に投入済み埋戻し粘性土を取り込むことができる。
グラブ31が閉じた状態を図5(b)に示す。この状態では、ケーシング32底部は閉じて、該ケーシング32は密閉されている。ケーシング32内に投入済み埋戻し粘性土を取り込んでからグラブ31を閉じた場合には、該ケーシング32は密閉されて、該投入済み埋戻し粘性土はケーシング32内に閉じ込められることになる。
攪拌混合翼35(攪拌混合手段)は、回転可能であって、かつ、図6に示すようにケーシング32内で昇降可能に設けられている。
この攪拌混合翼35は、主として、
・グラブ31(取り込み手段)によってケーシング32内に取り込んだ埋戻し粘性土、
・管路21を介してケーシング32内に投入された改質材、
を攪拌混合する役割を担っている。
また、攪拌混合翼35は、上述した攪拌混合を行う前に、ケーシング32内に取り込んだ埋戻し粘性土を解泥する役割も担っている。
上記構成を具備する攪拌混合装置5は、
・粘性土系の浚渫土からなる粘性土層を深堀窪地に形成する工程(図7(b)(c))、
・粘性土層の上を覆うように改質土層を深堀窪地に形成する工程(図7(d)(e))、
・覆砂材層を深堀窪地に形成する工程(図7(f)(g))、
の各工程で使用することが可能である。
改質土層形成工程(図7(d)(e)参照)では攪拌混合装置5を使用する。この工程には、攪拌混合装置5が具備する全ての構成を使用する。すなわち、改質土層形成工程では、作業船から海底の深堀窪地に向けて埋戻し粘性土を投入する「材料投入装置」として攪拌混合装置5を機能させるとともに、深堀窪地に投入した埋戻し粘性土と改質材とを攪拌混合する「攪拌混合装置」として攪拌混合装置5を機能させる。
よって原位置で粘性土層の上を覆うように形成する改質土層の層厚は撹拌混合部29のサイズと略等しくなる。
粘性土層形成工程(図7(b)(c)参照)と覆砂材層形成工程(図7(f)(g)参照)では、攪拌混合装置5、材料投入装置7の何れか一方を選択して使用する。粘性土層形成工程と覆砂材層形成工程で攪拌混合装置5を使用する場合には、オーガーモーター25や攪拌混合翼35といった攪拌混合のための構成を機能させることなく、作業船から海底の深堀窪地に向けて各種材料(改質材、覆砂材など)を投入する「材料投入装置」として攪拌混合装置5を機能させる。したがって、粘性土層形成工程と覆砂材層形成工程では、ケーシング32や攪拌混合翼35を備えた攪拌混合部29は、管路21と同様に、各種材料を深堀窪地に向けてガイドする単なるケーシングとして機能する。
(材料投入装置/第2の埋め戻し装置)
材料投入装置7は、リーダ3に沿って昇降自在に設けられており、作業船から海底の深堀窪地に向けて各種材料(埋戻し粘性土、覆砂材など)を投入する役割を担っている。
なお、材料投入装置7を使って海底の深堀窪地に向けて投入する「各種材料」とは、
粘性土系の浚渫土からなる粘性土層を深堀窪地に形成する工程で、材料投入装置7を使う場合には「粘性土系の浚渫土」が当該材料に該当し、
覆砂材層を深堀窪地に形成する工程で、材料投入装置7を使う場合には、「覆砂材」が当該材料に該当する。
材料投入装置7は、図2(c)、図4に示すように、
・海底の窪地に向けて材料をガイドする略パイプ状のシュート41と、
・シュート41内に材料を投入するための材料投入口43と、
・リーダ3に対してスライド可能に設けられたシュート振れ止め金物45と(図2(c))を有している。
シュート41の上端側はワイヤーロープ46に連結されている。当該ワイヤーロープ46を上下方向で操作することでシュート41を含む材料投入装置7の全体がリーダ3に沿って昇降する。そのときシュート41が振れないように、シュート振れ止め金物45がリーダ3によってガイドされる。
シュート41の下端側は、図4に示すように正面視で拡径しており、また、その上端側は略Y字状に分岐している。略Y字状に分岐したシュート41上端のそれぞれに、材料投入口43が設けられている。
(深堀窪地の埋戻し方法)
次に、前述した攪拌混合装置5や材料投入装置7などを具備する作業船を用いた、海底の深堀窪地の埋戻し方法について説明する。
図7に基づいて、施工手順を具体的に説明する。
なお、次に述べる工程a〜gは、図7(a)〜(g)に対応している。
工程a
図7(a)は、埋戻しを施工する前の海底の深堀窪地を概略的に示している。
前述した攪拌混合装置5や材料投入装置7などを具備する作業船を、埋戻しの施工対象である深堀窪地の真上に移動させる。
工程b
次に、材料投入装置7(第2の埋め戻し装置)を使い、作業船から海底の深堀窪地に向けて、粘性土系の浚渫土を投入する。
なお、この工程では、材料投入装置7の代わりに、攪拌混合装置5(第1の埋め戻し装置)を用いてもよいし、両装置を併用しても良い。前述したとおり、攪拌混合装置5は、作業船から海底の深堀窪地に向けて各種材料を投入する「材料投入装置」としての機能も備えているので、攪拌混合装置5を使って、粘性土系の浚渫土を深堀窪地に向けて投入することも可能である。
工程c
引き続き、海底の深堀窪地を埋め戻すように、粘性土系の浚渫土の投入を継続する。その際、窪地に投入した粘性土がほぼ一様な高さになるように留意し、また、粘性土の投入の過程で汚濁を発生させないように留意する。
そして、窪地に投入された粘性土の天端がほぼ一様に所定高さに達した段階で、粘性土系の浚渫土からなる粘性土層の形成が完了する。
工程d
次に、攪拌混合装置5(第1の埋め戻し装置)を使い、工程b,cで形成した粘性土層の上を覆うように、改質土からなる改質土層を深堀窪地に形成する。具体的には、工程b,cで形成した粘性土層の表層部と、作業船から新たに投入する改質材を用いて、原位置で(粘性土層が形成されたその場所で)改質土層を形成する。粘性土と改質材を使った改質土層の形成手順については、図8に基づいて後述する。
なお、この工程で用いる改質材は、粘性土系の浚渫土と反応して硬化する材料であって、時間とともに強度が向上する材料である。改質材の具体例としては、鉄鋼スラグが挙げられる。
工程e
上記工程dの手順を場所をずらして繰返し、粘性土層の上が改質土層によって一様に覆われるように、改質土層を深堀窪地に形成する。
工程f
次に、材料投入装置7(第2の埋め戻し装置)を使い、改質土層の上を覆うように、覆砂材からなる覆砂材層を深堀窪地に形成する。覆砂材としては、例えば天然砂を用いることができる。
なお、この工程では、材料投入装置7の代わりに、攪拌混合装置5(第1の埋め戻し装置)を用いてもよいし、両装置を併用しても良い。前述したとおり、攪拌混合装置5は、作業船から海底の深堀窪地に向けて各種材料を投入する「材料投入装置」としての機能も備えているので、攪拌混合装置5を使って、覆砂材を深堀窪地に向けて投入することも可能である。
工程g
上記工程fの手順を場所をずらして繰返し、改質土層の天端全面が改質土層によって一様に覆われるように、改質土層を深堀窪地に形成する。
(改質土層の原位置形成の具体的手順)
次に、前述した深堀窪地の埋戻し方法における一工程であって、攪拌混合装置5を用いた改質土層形成工程(図7(d))の具体的手順について説明する。
図8に基づいて、攪拌混合装置5(第1の埋め戻し装置)を用いた改質土層の形成手順を具体的に説明する。
なお、次に述べる手順1〜8は、図8(1)〜(8)に対応している。
手順1
管路21を介してケーシング32内に圧縮空気を送り込んで、該ケーシング内の海水を排水し、ケーシング内を空洞にする。すなわち、空気圧によりケーシング32内に海水の無い空間を確保する。以後、空気圧の作用によってケーシング32内に海水が流れ込まない状態が保持される。
手順2
ケーシング32の先端、すなわち攪拌混合部29の先端を、投入済み粘性土(図7(b)(c)で形成した粘性土層)の天端に押し付ける。そして、ケーシング32先端にある油圧駆動式のグラブ31(取り込み手段)を使って、粘性土層の天端部分をケーシング内に取り込む。
手順3
ケーシング32の先端にあるグラブ31(取り込み手段)の開閉を繰り返し、粘性土層の天端部分をケーシング32内に取り込む。
なお、本実施形態において、攪拌混合装置5は、ケーシング32内の空気をケーシング外に排気することでケーシング内の空気圧を減圧するケーシング内圧力制御装置を備えている。このケーシング内圧力制御装置を利用することで、ケーシング32内の空気圧に妨げられることなく、粘性土層の天端部分をケーシング32内に取り込むことができる。
手順4
必要量の粘性土をケーシング32内に取り込んだら、該ケーシング先端のグラブ31(取り込み手段)を閉じる。これによりケーシング32が密閉され、ケーシング32内に取り込んだ粘性土がケーシング周囲の海水や粘性土から隔離される。
手順5
ケーシング32内の攪拌混合翼35を下降させ、ケーシング32内に取り込まれた粘性土を、攪拌混合翼35の回転によって解泥する。これにより、ケーシング32内の粘性土が解きほぐされて、後の工程(手順7)で粘性土と改質材を均一に攪拌混合することが可能になる。
手順6
ケーシング32の底部(グラブ31)を閉じたままの状態で、所定量の改質材を管路21を介してケーシング32内に投入する。
手順7
ケーシング32内への改質材の投入後、ケーシング内の攪拌混合翼35を回転させつつ、ケーシング32内で上下動させて、「ケーシング32内に取り込んだ粘性土」と「ケーシング32内に投入した改質材」とを攪拌混合する。これらをケーシング32内で攪拌混合することで「改質土」が製造される。
手順8
続いて、ケーシング32の底部(グラブ31)を開き、充分に攪拌混合された改質土を元の場所(粘性土を取り込んだ場所)に埋め戻す。以上の手順を経て、粘性土層の天端の一部分において、改質土層の原位置形成が完了する。
最後に、上述した実施形態は、特許請求の範囲に記載した本発明の例示であって、本発明の形態は必ずしもこれに限定されるものではない。また、本発明の用途は、海底地盤の改良に限定されるものではなく、川底の地盤改良や、湖底の地盤改良にも利用可能である。
1 作業船(地盤改良船)
3 リーダ
5 攪拌混合装置(第1の埋め戻し装置)
7 材料投入装置(第2の埋め戻し装置)
21 管路
23 材料投入口
25 オーガーモーター(回転駆動装置)
26 ワイヤーロープ
27 ロッド
29 攪拌混合部
31 グラブ(取り込み手段)
32 ケーシング
35 攪拌混合翼(攪拌混合手段)
41 シュート
43 材料投入口
45 シュート振れ止め金物
46 ワイヤーロープ

Claims (5)

  1. 水底の窪地を埋め戻すように、粘性土系の浚渫土を前記窪地の底面付近に打設し、前記窪地の底面から上部に向かって粘性土層を形成する工程と、
    水中のケーシング内に前記粘性土層の表層部を取り込むとともに、当該ケーシング内に改質材を投入し、前記粘性土層の表層部と前記改質材を撹拌混合することによって、前記粘性土層の上を覆う改質土層を原位置で形成する工程と、
    を含むことを特徴とする水底の窪地の埋戻し方法。
  2. 前記改質材は、粘性土系の浚渫土と反応して硬化する材料である、ことを特徴とする請求項1に記載の水底の窪地の埋戻し方法。
  3. 前記改質材が鉄鋼スラグであることを特徴とする請求項2に記載の水底の窪地の埋戻し方法。
  4. 前記改質土層の上を覆うように、覆砂材からなる覆砂材層を前記窪地に形成する工程を、更に含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水底の窪地の埋戻し方法。
  5. 前記覆砂材層を前記窪地に形成する工程において、
    前記覆砂材として天然砂を用いる、ことを特徴とする請求項4に記載の水底の窪地の埋戻し方法。
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