JP6435073B1 - 水底地盤へのケーシング圧入装置、ケーシング、水底の土砂取込み方法 - Google Patents

水底地盤へのケーシング圧入装置、ケーシング、水底の土砂取込み方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケーシングに圧縮空気を送り込むことで生じる浮力を、現有の施工設備の吊り能力で制御することができ、先行技術と同等以上の施工品質を確保することを可能とする、水底地盤へのケーシング圧入装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るケーシング圧入装置では、ケーシング33の土砂取込み空間71に圧縮空気を送り込んで、この空気圧力によって土砂取込み空間71から海水を排水する。この圧縮空気は、ケーシング内を排水する一方で、ケーシングの浮力を増す方向に作用するが、本発明では、この浮力の影響を低減させるために、浮力制御用の液体(海水)を貯留可能な液体保持部65を具備している。ケーシング内に送り込まれた圧縮空気の影響(浮力)は、液体貯留部65の液体重量によって低減する。したがって、浮力によってケーシングの圧入が邪魔されることがなく、ケーシングを水底地盤に対し必要な分だけ確実に圧入することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、海底、湖底、川底などの水底地盤の改良や水底環境の改善などの各種工事で利用可能な装置や方法に関するものであり、具体的には、海底地盤などの水底地盤にケーシングを圧入するための装置、水底地盤に圧入可能なケーシング、水底地盤の土砂をケーシング内に取り込む方法に関するものである。
従来より、海底地盤の改良や海底環境の改善を目的として各種工事が実施されている。そして、本願出願人らが先行して出願した特願2018−012931では、そのような海底地盤の改良や海底環境の改善などに利用可能な技術(以下「先行技術」という。)が提案されている。なお、本願の出願時において上記先行技術は公知ではなく、従来技術には該当しない。
以下、図8〜図17に基づいて、上記先行技術の内容について概略的に説明する。
(作業船)
先行技術で利用する作業船1は、図8〜図14に示すとおり、主として、
・ 作業船1の船首側に立設されたリーダ3と、
・ リーダ3に沿って昇降自在に設けられた掘削兼攪拌混合装置5と、
・ リーダ3に沿って昇降自在に設けられた埋め戻し材投入装置7と、
・ リーダ3の側面に設けられたガイドレールと、
・ このガイドレールに沿って昇降自在に設けられた材料投入用の昇降式バケット9と、
・ 改良材などを計量して昇降式バケット9に充填するための計量用ホッパー11と、
・ 施工に用いる改良材や埋め戻し材を収容する砂箱13(材料収容箱)と、
・ 砂箱内の改良材/埋め戻し材を計量用ホッパー11へ向けて搬送するベルトコンベアー15と、
・ アンカーワイヤー2を利用した作業船位置決めシステムと(図9参照)を
有している。
また、先行技術の作業船1は、前述した構成に加えて、掘削兼攪拌混合装置5が具備するケーシング内の圧力を制御するための装置である「ケーシング内圧力制御装置」を有している。ケーシング内圧力制御装置の詳細については後述する。
以下、作業船の主要部の構成について詳細に説明する。
(作業船位置決めシステム)
作業船位置決めシステムはGPSを用いた位置誘導画面と、図9に示すように、作業船1に固定されたウインチと、該ウインチに巻き取り・繰り出し可能に連結されたアンカーワイヤー2の組合せを複数セット含んで構成されている。複数のアンカーワイヤー2の一又は二以上を選択的に操作することで、作業船1を海面上で任意の方向に移動させることができ、その結果、作業船1を施工現場の所望の位置に位置決めすることができる。
(掘削兼攪拌混合装置)
掘削兼攪拌混合装置5は、主として、所定位置の海底地盤を掘削する「掘削装置」としての機能と、掘削土砂と改良材とを攪拌混合する「攪拌混合装置」としての機能を兼ね備えた装置である。
掘削兼攪拌混合装置5は、リーダ3に沿って昇降自在に設けられており、
図10、図11、図13、図14等に示すとおり、
・改良材をケーシング32内に導くための送給路である材料供給管21と、
・材料供給管21に改良材を投入するための材料投入口23と、
・回転駆動装置であるオーガーモーター25と、
・材料供給管21およびロッド27の下端に設けられた掘削兼攪拌混合部29と、
・オーガーモーター25の動力を掘削兼攪拌混合部29内の掘削兼攪拌混合翼35に伝達するためのロッド27と、
を有している。
図14の正面図に示すとおり、材料供給管21の上端側は材料投入口23に連通しており、また、その下端側は掘削兼攪拌混合部29のケーシング32内に連通している。
また、材料供給管21は、ケーシング32内に圧縮空気を送るエアー流路(圧気用パイプ52)を具備している。エアーポンプから、材料供給管21を介して、ケーシング32内に圧縮空気を送り込むことで、その空気圧によって、海中に水没した状態のケーシング32内から海水を排出することが可能であり、また、ケーシング32内から海水を排出した状態を維持することが可能である。
オーガーモーター25から出力される回転動力は、ロッド27を介して(図14参照)、掘削兼攪拌混合部29のケーシング32内に設けられた掘削兼攪拌混合翼35に伝達される。
このオーガーモーター25は、図10(a)に示すとおりリーダ3に昇降自在に連結されており、また、その上端はワイヤーロープ26に連結されている。当該ワイヤーロープ26を上下方向で操作することでオーガーモーター25を含む掘削兼攪拌混合装置5の全体がリーダ3に沿って昇降する。
材料供給管21の下端に設けられた掘削兼攪拌混合部29は、
図13、図14等に示すとおり、主として、
・開閉式のバケット31(掘削手段)を具備する密閉可能なケーシング32と、
・ケーシング32内で昇降可能に設けられた掘削兼攪拌混合翼35と、
を有している。
ケーシング32は、平面視略矩形の箱型容器状の構成部材(矩形ケーシング)であり、底部の開口部を開閉可能に構成されている。また、ケーシング32の天端は、該ケーシングの上から内部に海水が入り込まないように塞いである。また、ケーシング32の天端の上面側は、ケーシングより上に位置する海水による水圧を受ける水圧受け面として機能する。ケーシング32がその天端の水圧受け面で受ける水圧は、該ケーシングを海底の地盤に圧入する際の圧入力に利用される。
また、ケーシング32の上部には、一対の材料供給管21の下端が連結されており、材料投入口23から投入された改良材は該材料供給管21を介してケーシング32内にガイドされる。また、エアーポンプから圧送された圧縮エアーは材料供給管21を介してケーシング32内に送り込まれる。掘削兼攪拌混合部29が海水中に没している場合には、該圧縮エアーの圧力によって、ケーシング32内から海水を排出することができる。すなわち、空気圧によって海水が排出された空間をケーシング32内に確保することができる。
オーガーモーター25に連結されたロッド27の下端は、ケーシング32内に設けられた掘削兼攪拌混合翼35に連結されている。掘削兼攪拌混合翼35は、ロッド27を介して伝達された動力によって回転駆動し、また図13及び図14に示すように、ケーシング32内で昇降可能に設けられている。
また、ケーシング32の先端(下端)には、開閉式のバケット31(掘削手段)が設けられている。ケーシング32とバケット31の組合せは、全体としてひとつのケーシングを構成しているともいえる。バケット31が開くことでケーシング32の底部が開口し、また、該バケット31が閉じることでケーシング32の底部が閉じて密閉される。つまり、バケット31は、海底地盤を掘削したり掘削土砂を取り込む掘削手段としての役割のほか、ケーシング32底部を開閉する蓋(ケーシング32の底部を密閉する蓋)としての役割を担っている。
このようなバケット31(掘削手段)は、開閉動作の手段として例えば油圧シリンダを有している。
バケット31が開いた状態を図13(a)に示す。この状態では、ケーシング32の底部は開口している。
バケット31が開いた状態から閉じるときの動作を図13(b)に示す。このときの一連の動作(開いた状態から閉じる動作)を通じて、その先端の掘削爪によって海底地盤が掘削されるとともに、バケット31の内側およびケーシング32内に掘削土砂を取り込むことができる。
バケット31と掘削兼攪拌混合翼35を併用して海底地盤を掘削している状態を図13(c)に示す。この掘削兼攪拌混合翼35を併用した掘削では、ケーシング32内の掘削兼攪拌混合翼35が一時的に下降し、ケーシング32底部の開口部から突き出た状態で海底地盤を回転掘削している。
バケット31が閉じた状態を図13(d)に示す。この状態では、ケーシング32底部は閉じて、該ケーシング32は密閉されている。ケーシング32内に掘削土砂を取り込んでからバケット31を閉じた場合には、該ケーシング32は密閉されて、該掘削土砂はケーシング32内に閉じ込められることになる。
掘削兼攪拌混合翼35(攪拌混合手段)は、図14に示すようにケーシング32内で昇降可能に設けられている。
上記構成の掘削兼攪拌混合翼35は、主として、
・バケット31(掘削手段)によってケーシング32内に取り込んだ掘削土砂、
・一対の材料供給管21,21を介してケーシング32内に投入された改良材、
を攪拌混合する役割を担っている。すなわち、掘削兼攪拌混合翼35は、掘削土砂や改良材を攪拌混合する際には、「攪拌混合手段」として機能する。
また図13(c)に示すように、必要に応じて、ケーシング32底部の開口部から突き出して、海底地盤を掘削するといった役割を担っている。すなわち、掘削兼攪拌混合翼35は、海底地盤を掘削する際には、「掘削手段」として機能する。
(ケーシング内圧力制御装置)
次に、図15に基づいて、前述した作業船が具備する「ケーシング内圧力制御装置」について説明する。このケーシング内圧力制御装置は、海底地盤にケーシングを圧入する際には「圧入装置」の一部として機能し、また、ケーシング内の材料を水中で排出する際には「材料排出装置」の一部として機能する。
図15は、作業船が具備するケーシング内圧力制御装置を示す、概略構成図、側面図、正面図である。なお、システム構成の特徴を容易に理解できるように、図15(a)には、システム構成の要部のみを概略的に図示する。
後述するとおり、先行技術では、材料供給管21(圧気用パイプ52)を介してケーシング32内に圧縮空気を送り込むことを特徴の一つとしている(図17Aの工程(a)を参照)。そして、先行技術のケーシング内圧力制御装置は、ケーシング内の空気圧(ケーシング32内に送り込まれた圧縮空気の圧力)を制御する役割を担っている。
先行技術のケーシング内圧力制御装置は、図15に示すとおり、主として、
・ケーシング32内に圧縮空気を送るためのエアーポンプ51と、
・ケーシング32内の空気圧を制御するための排気路53と、
・排気路53の先端排気口を水中で上げ下げするための昇降モーター55(昇降手段)を
具備している。
排気路53は、全体として、ケーシング32内の空気圧をケーシングの外部(海水中)にガイドするように設けられている。この排気路53は、水中排気管56と、排気バイパス管57と、排気ホース58と、水中排気管バルブ59を含んで構成されている。
水中排気管56の先端にある水中排気口60は、作業船を用いた施工時に海水中に水没した状態にあり、当該水中排気管56は、この状態で昇降モーター55によって上げ下げ可能に設けられている。水中排気管56の上下動の距離は特に限定されないが、例えば、ケーシング32の上端と下端の深度範囲内の距離で水中排気口60を上下動(縦方向の移動が)できるように、水中排気管56の長さやと昇降モーター55などを設定する。
排気バイパス管57は、ケーシング32内の空気圧(圧縮空気)をケーシング外部の水中排気管56にガイドする役割を担っている。排気バイパス管57の一端はケーシング32内(天端)に接続され、他端は、水中排気管バルブ59と排気ホース58を介して水中排気管56に接続されている。
排気ホース58は、可撓性の耐圧耐水ホースで構成されており、その一端は水中排気管バルブ59に接続され、他端は水中排気管56に接続されている。なお、水中排気管56が上下動する際には、排気ホース58はその動きに追従するので、水中排気管56の動作によって両者の接続が外れることはない。
上記構成において、エアーポンプ51からケーシング32内に送り込まれた圧縮空気は、ケーシング内に収容されて、その空気圧によって海水をケーシング外に押し出す。
また、ケーシング32内に収容された圧縮空気は、排気バイパス管57によってガイドされ、更に、水中排気管バルブ59と排気ホース58を介して、水中排気管56にガイドされる。したがって、水中排気管バルブ59が開いている状況下で、エアーポンプ51から圧縮空気が圧送されている間は、ケーシング32内の圧縮空気は排気路53によってガイドされて、水中排気口60から水中へ排気され続ける。
(ケーシング内圧力制御装置の機能作用)
次に、図16に基づいて、ケーシング内圧力制御装置の機能作用の概要について説明する。
図16は、ケーシング内圧力制御装置の機能作用を示す図である。
図16に示すように、ケーシング32下端位置の深度に水中排気口60を位置決めした水中排気管56を、昇降モーター55によって上昇させると、これに連動して(上昇する水中排気口60に追従するように)、ケーシング内水位も上昇する。逆に、ケーシング上端位置の深度に水中排気口60を位置決めした水中排気管56を、昇降モーター55によって下降させると、これに連動して(下降する水中排気口60に追従するように)、ケーシング内水位も下降する。すなわち、水中排気口60(水中排気管56)の上下動に連動して、ケーシング内水位が上下動する。
このように、(ケーシング内に通ずる)排気路の排気口60を水中で上げ下げすることで、水中のケーシング32に対する排気口60の相対高さに応じて、ケーシング内の空気圧が変動するので、ケーシング内圧力の制御が簡単である。
また、ケーシング内に送り込んだ圧縮空気の圧力によって、ケーシング内への海水流入を簡単に妨げることができる。また、ケーシング内にすでに海水が進入している場合には、その空気圧によって、ケーシング内の海水をケーシング外に排出する(空気圧によって押し出す)ことができる。したがって、水中排気口60(水中排気管56)を上げ下げするだけで、ケーシング内水位を精度よくコントロールすることができ、また、必要なときに簡単にケーシング内を排水することができる。
(埋め戻し材投入装置)
埋め戻し材投入装置7は、図10に示すようにリーダ3に沿って昇降自在に設けられており、掘削兼攪拌混合装置5(掘削手段)による掘削で生じた掘削孔に、埋め戻し材を投入する役割を担っている。
この埋め戻し材投入装置7は、図10(c)、図12に示すように、
・埋め戻し材をガイドする略パイプ状のシュート41と、
・シュート41内に改良材を投入するための埋め戻し材投入口43と、
・リーダ3に対してスライド可能に設けられたシュート振れ止め金物45と(図10(c))、
を有している。
シュート41の上端側はワイヤーロープ46に連結されている。当該ワイヤーロープ46を上下方向で操作することでシュート41を含む埋め戻し材投入装置7の全体がリーダ3に沿って昇降する。そのときシュート41が振れないように、シュート振れ止め金物45がリーダ3によってガイドされる。
シュート41の下端側は、図12に示すように正面視で拡径しており、また、その上端側は略Y字状に分岐している。略Y字状に分岐したシュート41上端のそれぞれに、埋め戻し材投入口43が設けられている。
上記構成の埋め戻し材投入装置7は、掘削兼攪拌混合装置5による掘削で生じた海底の掘削孔に、シュート41を介して埋め戻し材を投入し、該埋め戻し材で掘削孔を埋め戻す、といった機能・作用を発揮する。
(昇降式バケット)
図10に示すように、作業船1の船首側にリーダ3が立設されており、このリーダ3の側面に設けられたガイドレールに沿って、改良材や埋め戻し材などの材料投入用の昇降式バケット9が昇降する。この昇降式バケット9は、掘削兼攪拌混合装置5の材料投入口23に改良材を投入する役割を担うとともに、埋め戻し材投入装置7の埋め戻し材投入口43に埋め戻し材(改良材)を投入する役割を担う。
昇降式バケット9への改良材/埋め戻し材の充填は、計量ホッパー11を介して行われる。作業船1に設けられた砂箱13には改良材/埋め戻し材が収容されており、ベルトコンベアー15を介して計量ホッパー11へ搬送される。
(海底地盤を対象とする工事の一例)
次に、前述した特徴を具備する作業船を用いた、海底地盤の改良や海底環境の改善の施工方法の具体例として、潜堤築造および浅場造成について説明する。
図17A、図17Bに基づいて、施工手順を具体的に説明する。
なお、次に述べる工程a〜mは、図17Aおよび図17Bに示す工程(a)〜(m)に対応している。
工程a
材料供給管21を介してケーシング32内に圧縮空気を送り込んで、該ケーシング内の海水を完全に排水し、ケーシング内を空洞にする。すなわち、空気圧によりケーシング32内に海水の無い空間を確保する。以後、空気圧の押し出し作用によってケーシング32内に海水が流れ込まない完全排水状態が保持される。
工程b
材料供給管21の下端に固設されたケーシング32を、バケット31を開いた状態で、所定位置の海底地盤に突き当てる。
工程c
ケーシング32を海底地盤に突き当てた状態で、該ケーシングを地盤に圧入する。
なお、ケーシング圧入の際には、必要に応じて掘削兼攪拌混合翼35を下げて掘削補助として使用する。すなわち、掘削兼攪拌混合翼35をケーシング32底部の開口部から突き出し、回転駆動させる。
工程d
ケーシング32の先端にあるバケット31(掘削手段)の開閉を繰り返し、掘削土砂をケーシング32内に取り込む。なお、工程a以降、ケーシング32内は圧縮空気によって加圧され続けて完全排水状態が維持されているので、該ケーシング32内に海水が水圧で流れ込むことはない。以後も同様である。
工程e
必要量の掘削土砂をケーシング32内に取り込んだら、該ケーシング先端のバケット31(掘削手段)を閉じる。これによりケーシング32が密閉され、ケーシング32内に取り込んだ掘削土砂がケーシング周囲の海水から隔離される。
工程f
ケーシング32底部(バケット31)を閉じたまま掘削兼攪拌混合部29の全体を引き抜き、所定量の改質材を材料供給管21を介してケーシング32内に投入する。そして、ケーシング32内の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、ケーシング32内で上下動させて、「ケーシング32内に取り込んだ掘削土砂」と「ケーシング32内に投入した改質材」とを攪拌混合する。これらをケーシング32内で攪拌混合することで、揚土することなくその場で、すなわち水中のケーシング32内で「改質土」が製造される。
工程g
掘削兼攪拌混合部29(ケーシング32)を引き抜いた後にできた掘削孔を埋め戻すため、アンカーワイヤー2を利用して操船し、埋め戻し材投入装置7のシュート41下端を、掘削孔の真上に位置決めする。
工程h
埋め戻し材投入装置7のシュート41を所定位置まで下げ、該シュートを介して改質材を掘削孔に投入する。
工程i
アンカーワイヤーを利用して操船し、掘削孔に投入された改質材位置に、再びケーシング32下端を合わせる。ケーシング32下端のバケット31は閉じた状態とする。
工程j
ケーシング32を下げ、その下端のバケット31で、掘削孔に投入された改質材を圧縮して締め固め、支持力の増強を図る。
工程k
掘削孔に投入された改質材高さが、所定深度(在来地盤高さ)になるまで、上記工程g〜jを繰り返す。
工程l
上記工程fで攪拌混合して得た改質土(取り込んだ掘削土砂と投入した改質材とを攪拌混合して得た材料)を、掘削孔を埋めている改質材の真上で排出する。
工程m
以上の工程を経て、改質土による潜堤築造または浅場造成が完了する。
築造された潜堤、造成された浅場は、図17Bの工程(m)に示すとおり、掘削孔を埋める改質材(締め固められた改質材)と、その上に覆い被さるように設けられた改質土と、で構成される。改質土は、原位置の掘削土砂を有効活用して海水中(海水が排出されたケーシング32内)で製造された材料である。
上述した先行技術を、海底、湖底、川底などの水底地盤を対象とする各種工事に利用することが検討されている。具体的には、水底地盤へのケーシングの圧入、水底地盤の土砂のケーシング内への取り込み、ケーシング内の材料の水中での排出などを伴う改質工事において、上述した先行技術を利用することが検討されている。
加えて、この先行技術を用いた海底地盤などの改質工事を効率的に進めるためには、改質の幅(面積)を広くするまたは改質深度を深くする必要があり、その実現のために、施工装置の一部であるケーシングの内部容量を増やして、土砂の取込み量を増やすことが出願人らによって検討されている。具体的には、ケーシングの土砂取込み容量を増やすために、ケーシングの幅や長さのサイズアップが検討されている。
しかしながら前述したとおり、先行技術では、ケーシング内に圧縮空気を送り込んで、その空気圧力によって該ケーシング内を排水し、その状態で海底の土砂の取込みを行う。そのため、先行技術を用いた施工では、ケーシング内に送り込んだ圧縮空気によって、必然的にケーシングに生じる浮力が増加する。
したがって、先行技術においてケーシングの容量を単に増やすだけでは、過大な浮力の作用によりケーシングを含む施工装置の全体が浮き上がろうとする、といった課題が生じる。
また、ケーシングの容量を増やすことで生じる過大な浮力は、ケーシングの鉛直性を妨げるほか、施工の位置決めを阻害する。さらに、ケーシングに生じる浮力が過大になることで、潮流等の影響を受けやすくなる。したがって、先行技術のケーシングの容量を単に増やすだけでは、改質工事を効率的に進めることができないばかりか、施工品質の低下を招くといった課題が生じる。
上述した課題の解決策として、過大な浮力を上回る装備重量または不足分のウエイト(浮力に対するウエイト)を補うためのカウンターを、別途、作業船に搭載することが検討された。
ここで、水中での作業(施工)は浮力と自重が相殺し合うので吊り能力を上げる必要がない。一方、水面上での作業(作業開始前・作業終了時・えい航時・点検作業・修理作業など)は吊り能力を上げる必要がある。
そのため、上述したようにカウンターウエイトを別途搭載する場合には、作業船の吊り能力を大幅に上げる必要がある。
しかしながら、作業船の吊り能力を大幅に上げる場合には、ウインチの能力アップが必要となり、結果として設備コストの増加を招く、といったコスト面の問題が生じる。
また、動滑車の原理を利用して吊り作業のワイヤー掛け数を増やすことも検討したが、この場合には、吊り作業の速度が落ちて、施工サイクルタイムの低下を招き、結果として出来高が減るといった問題が生じる。
そこで、上述した問題に鑑み、本発明の目的は、ケーシングに圧縮空気を送り込むことで生じる浮力を、現有の施工設備の吊り能力(またはこれに近い吊り能力)で制御することができ、先行技術と同等またはそれ以上の施工品質を確保することを可能とする、水底地盤へのケーシング圧入装置、ケーシング、水底の土砂取込み方法を提供することにある。
上記目的は、
土砂取込み空間を有するケーシングを水底地盤に圧入するための装置であって、
水中のケーシングに生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部と、
前記液体保持部を通過して、水中のケーシング内の土砂取込み空間に圧縮空気を送るためのポンプと圧気用パイプと、
を有する水底地盤へのケーシング圧入装置によって達成される。
また上記目的は、
土砂取込み空間を有するケーシングを水底地盤に圧入するための装置であって、
水中のケーシング内の土砂取込み空間に圧縮空気を送るためのポンプと、
前記圧縮空気を取込み可能な水中のケーシング内の土砂取込み空間と、
水中のケーシングに生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部と、
を有する水底地盤へのケーシング圧入装置によって達成される。
上記ケーシング圧入装置は、
前記液体保持部へ液体を注入するための注液部と、
前記液体保持部の液体を排出するための排液部と、
を更に有することが好ましい。
また上記ケーシング圧入装置は、ケーシング内を上下2つの空間に仕切る可動隔壁を更に有することが好ましい。この可動隔壁はケーシング内を、水底の土砂を収容可能な土砂取込み空間と、前記液体保持部を有する浮力制御用空間の、2つの空間に仕切るようになっている。
また上記ケーシング圧入装置において、浮力制御用空間に設けられた前記液体保持部は、ケーシングの軸方向において伸縮可能であることが好ましい。このような構成を採用することにより、可動隔壁が浮力制御用空間を広げる方向に移動したときには、前記液体保持部を伸展させることが可能となり、可動隔壁が浮力制御用空間を狭める方向に移動したときには、前記液体保持部を縮退させることが可能となる。
また上記目的は、
水底地盤に圧入可能なケーシングであって、
水底の土砂を収容可能な土砂取込み空間と、
水中のケーシングに生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部と、
を有するケーシングによって達成される。
また上記目的は、
ケーシング圧入装置を用いて、ケーシング内に水底の土砂を取込む方法であって、
ケーシング圧入装置の液体保持部に、ケーシングの浮力を制御するための液体を注入する工程と、
ケーシングの土砂取込み空間を圧縮空気で加圧し、その空気圧力によって土砂取込み空間への水の流入を妨げる工程と、
ケーシングの下端を水底に当接させて、水の流入が妨げられた土砂取込み空間に水底の土砂を取込む工程と、
を含むことを特徴とする水底の土砂取込み方法によって達成される。
上記土砂取込み方法は、
土砂取込み空間への土砂の取込み量に応じて、浮力制御用空間が狭まる方向に可動隔壁を移動させる工程を更に含んでいてもよい。
本発明に係る装置および方法は、水底地盤の改良や水底環境の改善などの水上土木工事に応用することで優れた効果が達成される。
なお、本発明における「水底」の具体例としては、例えば、海底、川底、湖底が挙げられる。また、「水底地盤」の具体例としては、例えば、海底地盤、川底の地盤、湖底の地盤が挙げられる。また、「水」の具体例としては、例えば、海水、川の水、湖の水が挙げられる。
以下、水底の一例として海底を挙げ、また、水底地盤の一例として海底地盤を挙げる。
本発明に係るケーシング圧入装置では、ケーシングの土砂取込み空間に圧縮空気を送り込んで、この空気圧力によって土砂取込み空間から海水を排水するようになっている。
この圧縮空気は、ケーシング内を排水する一方で、ケーシングの浮力を増す方向に作用するものであるが、本発明では、この浮力の影響を低減させるために、浮力制御用の液体(海水)を貯留可能な液体保持部を具備している。
すなわち、ケーシング内に送り込まれた圧縮空気の影響(浮力)は、液体貯留部の液体重量によって低減する。したがって、ケーシング内に送り込まれた圧縮空気(浮力)によって該ケーシングの圧入が邪魔されることがなく、ケーシングを水底地盤に対し必要な分だけ確実に圧入することができる。
また、ケーシングに生じる浮力の影響を、液体貯留部の液体重量によって低減させることで、施工の位置決めが浮力によって邪魔されることがなく、また、施工時のケーシングの鉛直性が維持され、さらに、潮流等の影響を受けにくくなる。したがって、ケーシングの容量を増やしても、浮力の影響を受けにくくなり、先行技術と同等またはそれ以上の施工品質を確保することが可能となる。
また、液体保持部で貯留する「浮力制御用の液体」には、施工現場の海水を利用できるので、液体保持部で貯留する液体重量について、施工設備の吊り能力を上げる必要がない。
また、本発明に係るケーシング圧入装置では、ケーシング圧入装置が更に、液体保持部への注液部と、液体保持部からの排液部を具備している。このような注液部と排液部を有することで、液体保持部に貯留される液量を施工現場で自在に設定することができる。すなわち、液体貯留部の液体重量を施工現場で自在に変えることができるので、水中のケーシングに生ずる浮力を、必要なときに必要な分だけ自在に低減させることが可能となる。
また、液体保持部で貯留する「浮力制御用の液体」として、施工現場の海水を利用することで、浮力対策専用のカウンターウエイトを作業船等に予め搭載する必要がなく、また、液体貯留部の液体重量を必要なときに必要な分だけ自在に変えることができる。
また、本発明に係るケーシング圧入装置では、ケーシング内を「土砂取込み空間」と「浮力制御用空間」に仕切る可動隔壁を更に有している。
このような可動隔壁で、ケーシング内を上下2つの空間に仕切ることで、ケーシングに浮力制御機能を持たせることができる。
また、隔壁を上下方向で可動に構成することで、「土砂を取込む空間」と「浮力制御機能を持つ空間(液体保持部の容量)」のバランスを任意のタイミングで変えることができる。
また、本発明に係るケーシング圧入装置では、浮力制御用空間に設けた液体保持部は、ケーシングの軸方向において伸縮可能(膨縮可能)に構成されている。
したがって、可動隔壁を上下方向(ケーシングの軸方向)で動作させるだけで、液体保持部の容量を簡単かつ確実に変えることができるようになる。
また、本発明に係るケーシングでは、土砂取込み空間に加えて、浮力制御用の液体を貯留可能な液体保持部を具備させている。これにより、ケーシングそのものに浮力制御機能を持たせることができる。
また、液体保持部で貯留する「浮力制御用の液体」には、施工現場の海水を利用できるので、液体保持部で貯留する液体重量について、施工設備の吊り能力を上げる必要がない。
本発明に係る土砂取込み方法では、ケーシングの土砂取込み空間に圧縮空気を送り込んで、この空気圧力によって土砂取込み空間から海水を排水するようになっている。
この圧縮空気は、ケーシング内を排水する一方で、ケーシングの浮力を増す方向に作用するものであるが、本発明では、この浮力の影響を低減させるために、ケーシング圧入装置の液体保持部に浮力制御用の液体を注入する。
すなわち、ケーシング内に送り込まれた圧縮空気の影響(浮力)は、液体貯留部の液体重量によって低減する。したがって、ケーシング内に送り込まれた圧縮空気(浮力)によって該ケーシングの圧入が邪魔されることがなく、ケーシングを水底地盤に対し必要な分だけ確実に圧入することができる。
また、ケーシングに生じる浮力の影響を、液体貯留部の液体重量によって低減させることで、施工の位置決めが浮力によって邪魔されることがなく、また、施工時のケーシングの鉛直性が維持され、さらに、潮流等の影響を受けにくくなる。したがって、ケーシングの容量を増やしても、先行技術と同等またはそれ以上の施工品質を確保することが可能となる。
また、液体保持部で貯留する「浮力制御用の液体」には、施工現場の海水を利用できるので、液体保持部で貯留する液体重量について、作業船の吊り能力を上げる必要がない。
本発明に係る土砂取込み方法では、土砂取込み空間への土砂の取込み量に応じて、浮力制御用空間が狭まる方向に可動隔壁を移動させる。これにより、「土砂を取込む空間」と「浮力制御機能を持つ空間(液体保持部の容量)」のバランス調整を任意のタイミングで行うことができる。
また、土砂取込み空間への土砂の取込み量に応じて、浮力制御用空間が狭まる方向に可動隔壁を移動させることで、液体保持部が縮小して液体重量が低減する。その結果、ケーシングに生じる浮力による影響が再び大きくなるので、この影響力を増した浮力を、ケーシング引き抜きの補助に利用することができる。
水底地盤へのケーシング圧入装置(可動隔壁を上げた状態)を示す側面図と正面図である。 水底地盤へのケーシング圧入装置(可動隔壁を下げた状態)を示す側面図と正面図である。 液体保持部の概略構成を示す透視図である。 ケーシング内圧力制御装置を示す概略構成図である。 ケーシング内圧力制御装置の機能作用を示す図である。 水底の土砂取込み方法を示す工程図である。 水底地盤へのケーシング圧入方法の一例を示す工程図である。 先行技術の実施に利用可能な作業船(地盤改良船)の一例を示す側面図と正面図である。 先行技術の実施に利用可能な作業船(地盤改良船)の一例を示す平面図である。 図10(a)は図8(a)に示す作業船の船首側を示す側面拡大図であり、図10(b)は図10(a)に示す掘削兼攪拌混合装置の単体を示す側面図であり、図10(c)は図10(a)に示す埋め戻し材投入装置の単体を示す側面図である。 図11(a)は図8(b)に示す作業船が具備する掘削兼攪拌混合装置を中心に示す正面拡大図であり(掘削兼攪拌混合装置に隣接する部材等の図示を適宜省略)、図11(b)は図11(a)に示す掘削兼攪拌混合装置の単体を示す正面図である。 図12(a)は図8(b)に示す作業船が具備する埋め戻し材投入装置を中心に示す正面拡大図であり(埋め戻し材投入装置に隣接する部材等の図示を適宜省略)、図12(b)は図12(a)に示す埋め戻し材投入装置の単体を示す正面図である。 図8(b)に示す作業船が具備する掘削兼攪拌混合装置の具体的構成を示す側面拡大図であって、図13(a)はケーシング先端にあるバケット(掘削手段)が開いた状態を示しており、図13(b)は海底地盤を掘削するときのバケットの動作を示しており、図13(c)はバケットが開いた状態であって且つ掘削兼攪拌混合翼を降ろして海底地盤を掘削しているときの状態を示しており、図13(d)は掘削土砂をケーシング内に取り込んでバケットを閉じたときの状態を示している。 図8(b)に示す作業船が具備する掘削兼攪拌混合装置の具体的構成を示す正面拡大図であって、図14(a)はケーシング内の掘削兼攪拌混合翼を上げた状態を示しており、図14(b)はケーシング内の掘削兼攪拌混合翼を下げた状態を示している。 ケーシング内圧力制御装置を示す、概略構成図、側面図、正面図である。 ケーシング内圧力制御装置の機能作用を示す図である。 先行技術を利用した水上施工の主要工程を示す工程図である。 先行技術を利用した水上施工の主要工程を示す工程図である。
図1〜図7に基づいて、本発明の具体的実施形態について説明する。
本実施形態は、原則として、図8〜図17に示す先行技術と同様の作業船(地盤改良船)及びその付属物等を利用することを前提とする。
図8〜図17に示す先行技術と共通する機能や特徴については、先行技術の説明を援用する。
また、図8〜図17に示す先行技術と共通する機能を持つ構成については、図1〜図7において同一の符号を用いるとともに、その詳細な説明を省略する。
以下、図8〜図17に示す先行技術と異なる特徴について説明する。
なお、本実施形態で例示する作業船は、本発明の実施に利用可能な作業機材の一例であり、本発明はこのような船体に代えて、陸上に用意した重機などを利用して実施することも可能である。
(ケーシング圧入装置)
ケーシング圧入装置は、土砂取込み空間を有するケーシング33を水底地盤に圧入するための装置である。
このケーシング圧入装置は、図1〜図3に示すとおり、主として、
・ケーシング33内を上下2つの空間に仕切る可動隔壁61(昇降隔壁)と、
・可動隔壁61をケーシング内で昇降させるためのロッド63と、
・水中のケーシング内の下側空間に圧縮空気を送るエアーポンプと(図4参照)、
・水中のケーシングに生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部65と、
・液体保持部65へ液体を注入するための注液部67と、
・液体保持部65の液体を排出するための排液部69と、
を有している。
本実施形態で用いるケーシング33は、先行技術で用いているケーシング32と同様に、平面視略矩形の箱型容器状の構成部材(矩形ケーシング)であり、底部の開口部を開閉可能に構成され、海底の土砂を収容可能な機能を具備している。また、ケーシング33の天端は、該ケーシングの上から内部に海水が入り込まないように塞いである。また、ケーシング33の天端の上面側は、ケーシングより上に位置する海水による水圧を受ける水圧受け面として機能する。ケーシング33がその天端の水圧受け面で受ける水圧は、該ケーシングを海底の地盤に圧入する際の圧入力に利用される。
注液部67はケーシング33の上部に設けられ、液体保持部65に形成されたポンプ注入口74(図3参照)に接続されている。
排液部69はケーシング33の上部に設けられ、液体保持部65に形成された海水排水口75(図3参照)に接続されている。
可動隔壁61は、ケーシング33内を上下2つの空間に仕切る可動式の隔壁であって、上下動可能に設けられている。可動隔壁61には、当該隔壁を昇降させるためのロッド63が接続されている。このロッド63を上下動させることで、(シリンダに対するピストンの如く)可動隔壁61をケーシング33内で昇降させることができる。
可動隔壁61はケーシング33内を、水底の土砂を収容可能な「土砂取込み空間71」と、液体保持部65を有する「浮力制御用空間72」の、2つの空間に仕切っており、ケーシング33の軸方向において動作可能に設けられている。図1にはケーシング33内の可動隔壁61を上げた状態を示し、図2には可動隔壁61を下げた状態を示す。
図1及び図2に示すように可動隔壁61が上下動することで、土砂取込み空間71と浮力制御用空間72の容量バランスが変化する。可動隔壁61の上下動は、ロッド63を通じて行われる。
可動隔壁61によって仕切られたケーシング下側の空間である「土砂取込み空間71」には、エアーポンプ51を利用し圧気用パイプ52を介して圧縮空気が送り込まれる(図4参照)。また、この土砂取込み空間71には、バケット31等を利用して海底の土砂を取込むことが可能である。なお、可動隔壁61によって仕切られたケーシング下側の空間である「土砂取込み空間」と、先行技術のケーシングの内側空間とは、空間容量が異なるが、土砂を取込み可能な空間である点において共通している。
可動隔壁61によって仕切られたケーシング上側の空間である「浮力制御用空間72」には、水中のケーシング33に生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部65が設けられている。なお、可動隔壁61によって仕切られたケーシング上側の空間である「浮力制御用空間」は、先行技術には無い特徴である。
本実施形態ではケーシンング33内を上下2つの空間に仕切って、ケーシングの一部である上側空間に液体保持部65を装備させているが、このような液体保持部をケーシングに持たせるのではなく、ケーシングから離隔した位置に装備させることも可能である。具体的には、海水タンクなどからなる液体保持部を、ケーシングの上の方であって、かつ、施工時に水面より上に位置するように装備させることも可能である。水面上にこのような海水タンク(液体保持部)を設け、必要に応じて当該タンクに海水を注入することで自重の制御が可能となり、浮力に影響されにくいケーシング圧入が可能となる。
可動隔壁61には、シール部材としてパッキンが設けられている。このようなシール部材を可動隔壁に設けることで、土砂取込み空間71の圧気が浮力制御用空間72に漏れることがなく、また、浮力制御用空間72(液体保持部65)の海水が土砂取込み空間71に漏れることがない。
材料供給管21は、可動隔壁61を貫いて土砂取込み空間71に通じている。水中のケーシングの土砂取込み空間71に圧縮空気を送るためのエアーポンプは、この材料供給管21を介して、土砂取込み空間71に圧縮空気を送り込んでいる。つまり、本実施形態において材料供給管21は、ケーシングの土砂取込み空間71に圧縮空気を送るための流路を具備している。
掘削兼攪拌混合翼35の攪拌昇降用のロッド27は、可動隔壁61を貫いて掘削兼攪拌混合翼35に接続されている。
(液体保持部)
液体保持部65は浮き袋などと同様に袋体で構成され、図3に示すように、上端には天板81を有し、下端には底板82を有している。ただし、一般的に広く知られた浮き袋の通し孔が一つであるのに対し、本実施形態で用いる液体保持部には、通し孔が複数形成されている。
具体的には、袋体からなる液体保持部には、通し孔として
・材料供給管21を通すための通し孔84、
・可動隔壁昇降用のロッド63を通すための通し孔85、
・掘削兼攪拌混合翼35の攪拌昇降用のロッド27を通すための通し孔86、
が形成されている。
また、液体保持部65には、上述した通し孔のほか、
・液体保持部65へ海水を注入するためのポンプ注入口74と
・液体保持部65へ海水を注入するための海水排水口75と、
が形成されている。
液体保持部65のポンプ注入口74は、ケーシング上部に設けられた注液部67に連通している。
液体保持部65の海水排水口75は、ケーシング上部に設けられた排液部69に連通している。
また、液体保持部65は、側部と、通し孔を形成する部分が、蛇腹状に形成されている。このような蛇腹構造により、ケーシングの軸方向において自在に伸縮(膨縮)させることが可能である。伸縮(膨縮)の原理は、蛇腹構造を持つ伸縮式ストローやアコーディオンなどと同様である。
図2に示すように、可動隔壁61が浮力制御用空間72を広げる方向(土砂取込み空間71を狭める方向)に移動したときには、図3(b)に示すように液体保持部65を伸展させることが可能となる。なお、可動隔壁61の下降動作に伴って液体保持部65を自動的に伸展させてもよい。また、その際に、液体保持部65に自動的に海水が注入されるようにしてもよい。
図1に示すように、可動隔壁61が浮力制御用空間72を狭める方向(土砂取込み空間71を広げる方向)に移動したときには、図3(a)に示すように液体保持部65を縮退させることが可能となる。なお、可動隔壁61の上昇動作に伴って液体保持部65を自動的に縮退させてもよい。また、その際に、液体保持部65から自動的に海水が排出されるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、浮力制御用空間72に袋状の液体保持部65を設けて、この液体保持部に海水を貯留しているが、このような袋状の構造物を浮力制御用空間72に設けることなく、浮力制御用空間72を液体保持部として機能させることも可能である。
ただし、土砂取込み空間71と浮力制御用空間72の間をシール部材を具備する可動隔壁61で仕切った上で、更に、袋状の液体保持部65を設けて、この液体保持部に海水を貯留することで、二重の止水対策によって、土砂取込み空間71への海水漏れを確実に防ぐことができる。
また、本実施形態では、液体保持部65に貯留する液体として、施工現場の海水を利用しているが、液体の種類は必ずしも海水に限られるものではなく、施工現場に豊富に存在する環境水を利用することができる。すなわち、河川で施工する場合には川の水を利用することができ、湖で施工する場合には湖の水を利用することができる。
(ケーシング内圧力制御装置)
本実施形態は、ケーシング内圧力制御装置を用いることを前提とする。
このケーシング内圧力制御装置は、先行技術が具備するもの(図15参照)と同様に、海底地盤にケーシングを圧入する際には「圧入装置」として機能し、また、ケーシング内の材料を水中で排出する際には「材料排出装置」として機能するものである。
ただし本実施形態では、圧気用パイプ52と、排気バイパス管の配置が先行技術のものと異なるので、この相違点について、図4に基づいて説明する。
本実施形態では図4に示すとおり、ケーシング内圧力制御装置の圧気用パイプ52と排気バイパス管57は、材料供給管21の内側を通り、液体保持部65を通過し、(更に可動隔壁61を通過して)、ケーシングの土砂取込み空間71に連通している。
すなわち、エアーポンプ51から圧送される圧縮空気は、圧気用パイプ52を通って液体保持部65を通過し、可動隔壁61より下の土砂取込み空間71に送り込まれる。
その他の点は、先行技術と同様である。
なお、本実施形態では、材料供給管21の内側に圧気用パイプ52に配設しているが、このような圧気用パイプ52(材料供給管21とは別体のパイプ)を設けることなく、材料供給管21そのものを圧気用パイプとして機能させることも可能であり、特許請求の範囲に記載の圧気用パイプにはこのような実施形態も含まれる。
(ケーシング内圧力制御装置の機能作用)
本実施形態で利用するケーシング内圧力制御装置の機能作用は、先行技術のものと同様であるが、念のため図5に基づいて説明する。
図5は、本実施形態で利用するケーシング内圧力制御装置の機能作用を示す図である。
図5に示すように、ケーシング33下端位置の深度に水中排気口60を位置決めした水中排気管56を、昇降モーターによって上昇させると、これに連動して(上昇する水中排気口60に追従するように)、ケーシング内の土砂取込み空間71の水位も上昇する。逆に、土砂取込み空間71の上端位置の深度に水中排気口60を位置決めした水中排気管56を、昇降モーターによって下降させると、これに連動して(下降する水中排気口60に追従するように)、ケーシング内の土砂取込み空間71の水位も下降する。すなわち、水中排気口60(水中排気管56)の上下動に連動して、土砂取込み空間71における水位が上下動する。
このように、(土砂取込み空間71に通ずる)排気路の排気口60を水中で上げ下げすることで、水中のケーシング33に対する排気口60の相対高さに応じて、土砂取込み空間71の空気圧が変動するので、土砂取込み空間内の圧力の制御が簡単である。
また、土砂取込み空間71に送り込んだ圧縮空気の圧力によって、土砂取込み空間への海水流入を簡単に妨げることができる。また、ケーシングの土砂取込み空間71にすでに海水が進入している場合には、その空気圧によって、土砂取込み空間71の海水をケーシング外に排出する(空気圧によって押し出す)ことができる。したがって、水中排気口60(水中排気管56)を上げ下げするだけで、土砂取込み空間71における水位を精度よくコントロールすることができ、また、必要なときに簡単に土砂取込み空間内を排水することができる。
(水底の土砂取込み方法)
次に、前述したケーシング圧入装置等を具備する作業船を用いた、海底地盤の土砂の取込み方法について説明する。
図6に基づいて、施工手順を具体的に説明する。
なお、次に述べる工程a〜fは、図6に示す工程(a)〜(f)に対応している。
工程a
作業船が具備するリーダに沿って、ケーシングを具備する掘削兼攪拌混合装置(図13参照)の全体を吊り下ろす。本実施形態で利用するケーシング33は、先行技術と同様に掘削兼攪拌混合装置の構成の一部である。
なお、ケーシング33内を上下2つの空間に仕切る可動隔壁61は、もっとも上の位置に位置決めされており、土砂取込み空間71の容量が最大に設定されている。また、浮力制御用空間の液体保持部65に海水は注入されていない。
このとき、ケーシングの土砂取込み空間71に圧縮空気を送り込むことなく、ケーシング33を海中へ向けて下ろす。したがって、ケーシング33を海中に水没させたときに、ケーシングの下開口部から土砂取込み空間71に海水が流れ込む。
続いて、ケーシング33を海底へ向けて下降させると、図6(a)に示すように、ケーシングの土砂取込み空間71が海水で満たされる。
このように、ケーシングの土砂取込み空間71が海水で満たされることで、ケーシング33に過大な浮力を生じさせることなく、海中に水没させることができる。
工程b
次に、ロッドを介して可動隔壁61を押し下げて浮力制御用空間72を拡大させ、液体保持部65に海水を注入する。
蛇腹構造を持つ液体保持部65は、可動隔壁61を下げることで(浮力制御用空間72が拡がるため)拡がることが可能となり、また、上下方向で拡がった液体保持部65の内部には海水を注入することができる。注入する海水は、ポンプを用いて施工現場の海中から吸い上げ、注液部67を介して浮力制御用空間の液体保持部65に送り込まれる。
そして、後の工程d〜eでの土砂取込みや改質土製造に必要な位置に、可動隔壁61を位置決めする。
なお、可動隔壁61を押し下げることで、その分、土砂取込み空間71から海水が排出されるが、その一方で、液体保持部65に海水が注入されるので、この工程において浮力が増すことは無い。
液体保持部65への海水の注入は、可動隔壁61の下降に連動して自動的に注入するようにしてもよく、あるいは、可動隔壁61の下降のタイミングに合わせて手動操作で注入するようにしてもよい。
工程c
次に、材料供給管21を介してケーシング33の土砂取込み空間71に圧縮空気を送り込んで、土砂取込み空間71を満たしていた海水を完全に排水し、土砂取込み空間71を空洞にする。以後、空気圧の押し出し作用によって土砂取込み空間71に海水が流れ込まない完全排水状態が保持される。
なお、土砂取込み空間71に圧縮空気を送り込むことで、ケーシング33に生じる浮力が大幅に増加することが想定される。しかしながら、本実施形態では、前工程で浮力制御用空間72を拡大させ、更に、その空間が液体保持部でいっぱいになるように該液体保持部65に海水を注入している。したがって、土砂取込み空間71に送り込んだ圧縮空気によって増加した浮力の影響は、液体保持部65の液体重量によって確実に低減する。
工程d
次に、ケーシング33を海底地盤に突き当てた状態で、該ケーシングを地盤に圧入し、その土砂取込み空間71に海底土砂を取込む。ケーシングの圧入原理については、図7との関係で後述する。
なお、ケーシング圧入の際には、必要に応じて掘削兼攪拌混合翼35を下げて掘削補助として使用する。すなわち、掘削兼攪拌混合翼35をケーシング33底部の開口部から突き出し、回転駆動させる。
続いて、土砂取込み空間71への土砂取込み量に応じて、浮力制御用空間が狭まる方向に可動隔壁61を移動させるとともに、浮力制御用空間72が狭まった分だけ液体保持部65から海水を排水する。
このように、土砂の取込み量に応じて可動隔壁61の位置を調整することで、土砂取込み空間71の容量が増して、次工程に必要な改質材投入空間を確保することができる。つまり、容量が増した土砂取込み空間71の一部を、次工程に必要な改質材投入空間として利用することが可能になる。
なお、工程cと工程dを比較すると、工程dの方が土砂取込み空間71の容量が増しているが、ケーシング内の空気量はほとんど変わらない。つまり、工程cから工程dの過程でケーシング33に生じる浮力はほとんど変わらない。したがって、工程cから工程dに至った段階でも、浮力の影響が低減された状態が保持されている。
工程e
圧入させたケーシング33の土砂取込み空間に必要量の掘削土砂を取り込んだら、該ケーシング先端のバケット31(掘削手段)を閉じる。これによりケーシング33が密閉され、ケーシング33内に取り込んだ掘削土砂がケーシング周囲の海水から隔離される。
続いて、所定量の改質材を材料供給管21を介してケーシングの土砂取込み空間71に投入する。なお、改質材のほか、浄化材や不溶化材などを土砂取込み空間に投入してもよい。
工程f
次に、ケーシングの土砂取込み空間71内の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、土砂取込み空間で上下動させて、「土砂取込み空間に取り込んだ掘削土砂」と「土砂取込み空間に投入した改質材」とを攪拌混合する。これらをケーシング33内で攪拌混合することで、揚土することなくその場で、すなわち水中のケーシング33内で「改質土」が製造される。
海底地盤に圧入させたケーシングを引抜く際には、施工現場によっては、海底地盤の粘着力の影響により、ケーシングの引抜きに対する抵抗が生じることが想定される。
このような場合には、浮力制御用空間72が狭まる方向に可動隔壁61を更に移動させて、液体保持部65の海水を排水し、同時に、土砂取込み空間71に更に圧縮空気を送り込む。
これにより、送り込まれた圧縮空気の分、ケーシング33に作用する浮力が増して、ケーシング引抜き力の補助に利用することができる。
(海底地盤へのケーシング圧入の原理)
次に、図6の工程(d)におけるケーシングの圧入原理について、図7に基づいて具体的に説明する。
図7(d1)(d2)は、図6の工程(d)に対応する工程図であって、ケーシング圧入原理を具体的に示す図である。なお図7では、ケーシングの圧入原理の説明に必要な主要部のみを図示しており、可動隔壁や浮力制御用空間などの図示を省略している。
本実施形態では、前述したケーシング内圧力制御装置を使用して、海底地盤の所定位置にケーシングを圧入する。海底地盤の土質は特に限定されないが、例えば粘性土の地盤にケーシングを圧入することが可能である。
具体的な圧入方法は次のとおりである。
ケーシング33の圧入にあたっては、予め、ケーシング下端位置の深度に、ケーシング内圧力制御装置の水中排気口60を位置決めする。これにより、ケーシングの土砂取込み空間71における水位が、水中排気口60の深度に追従し、ケーシング下端位置まで下がる。その結果、土砂取込み空間71が圧縮空気で満たされ、その圧縮空気の加圧力によって、土砂取込み空間71への海水流入が妨げられる。つまり、ケーシング下端と水中排気口60の深度を水中で揃えることで、ケーシングの土砂取込み空間71が完全排水された状態となる。なお、土砂取込み空間71の容量を超える過剰な圧縮空気は、図7に示すように、水中排気管56を介して水中排気口60から水中に排気される。
このように土砂取込み空間への海水流入が妨げられた状態が確保されたら、続いて、図7(d1)に示すようにケーシング下端を海底に突き当てて密着させる。これにより、ケーシング33の下開口部が、海底地盤(粘性土)によって隙間なく塞がれた様な状態に至る。
図7(d1)は、圧縮空気で満たされたケーシング33の下端を、バケット31を開けた状態で海底地盤に対し隙間なくぴったりと突き当てた状態を示している。この状態では、ケーシングの土砂取込み空間に作用する水圧および土圧と、土砂取込み空間の気圧が均衡している。
次に、圧縮空気により土砂取込み空間71への海水流入を妨げた状態で、且つ、ケーシング33の下端が海底に当接した状態(ケーシング33の下開口部が海底地盤によって塞がれたような状態)で、水中排気管56を引き上げて水中排気口60を上昇させる。つまり、ケーシング33に対して水中排気口60を相対的に上昇させる。すると、図7(d2)に示すように、土砂取込み空間71の圧縮空気が水中排気管56を介してケーシング外に排出され、その結果、土砂取込み空間71の気圧が低下して、土砂取込み空間に負圧が発生する。その結果、土砂取込み空間に作用する水圧および土圧と、土砂取込み空間の気圧との均衡が崩れて、土砂取込み空間に作用する水圧が支配的となる。すなわち、水中排気管56を引き上げることで土砂取込み空間71の気圧が急激に低下し、その結果、ケーシング33に作用する水圧が圧入力となってケーシング33が圧入方向に押し進められる。
したがって、ケーシング内圧力制御装置を利用し、図7(d2)に示すように水中排気管56を引き上げることで、水圧を利用してケーシングを対象地盤に圧入することが可能となる。
このようにしてケーシング33を地盤に圧入することができれば、ケーシングの土砂取込み空間内に相対的に海底地盤が入り込むため、ケーシング内に海底地盤の土砂を取り込むことが可能となる。したがって、ケーシング内圧力制御装置は、海底地盤にケーシングを圧入する方法で利用することが可能であり、また、海底地盤の土砂をケーシング内に取り込む方法で利用することも可能である。
(むすび)
最後に、上述した実施形態は、特許請求の範囲に記載した本発明の例示であって、本発明の形態は必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態で利用している作業船は、本発明の実施に利用可能な作業機材の一例であり、本発明はこのような船体なしでも実施することが可能である。すなわち、上述した実施形態では船体を利用していたが、これに代えて、例えば陸上に用意した移動式重機に、ケーシング圧入装置やケーシング内圧力制御装置などの必要機材を取り付けて、陸上から海底地盤の改良や海底環境の改善などの各種工事を実施することも可能である。また、このような陸上に用意した重機を利用して施工を行う場合には、当該重機を護岸や桟橋などに配置して海底に向けてケーシングの圧入などの作業を行うことも可能である。
また、前述した土砂取込み方法における工程の実施順序は、前述した順序に限定されるものではなく、本実施形態に係る方法を利用した施工を妨げるものでない限り、工程の順序を入れ替えることができ、また、海水注入や排水などの工程を同時並行で実施することも可能である。
また、本発明の用途は、海底地盤を対象とするものに限定されるものではなく、川底の地盤や、湖底の地盤を対象とする工事にも利用可能である。
1 作業船(地盤改良船)
2 アンカーワイヤー
3 リーダ
5 掘削兼攪拌混合装置
7 埋め戻し材投入装置
9 昇降式バケット
11 計量用ホッパー
13 砂箱(材料収容箱)
15 ベルトコンベアー
21 材料供給管(材料送給路)
23 材料投入口(材料投入口)
25 オーガーモーター(回転駆動装置)
26 ワイヤーロープ
27 掘削兼攪拌混合翼の攪拌昇降用のロッド
29 掘削兼攪拌混合部(攪拌混合手段)
31 バケット(掘削手段)
32 ケーシング
33 ケーシング
35 掘削兼攪拌混合翼(掘削手段/攪拌混合手段/材料押出手段)
41 シュート
43 埋め戻し材投入口(材料投入口)
45 シュート振れ止め金物
46 ワイヤーロープ
51 エアーポンプ
52 圧気用パイプ
53 排気路
55 昇降モーター(昇降手段)
56 水中排気管
57 排気バイパス管
58 排気ホース
59 水中排気管バルブ
60 水中排気口
61 可動隔壁(昇降隔壁)
63 可動隔壁昇降用のロッド
65 液体保持部
67 注液部
69 排液部
71 土砂取込み空間
72 浮力制御用空間
74 ポンプ注入口
75 海水排水口
81 液体保持部の天板
82 液体保持部の底板
84 材料供給管を通すための通し孔
85 可動隔壁昇降用のロッドを通すための通し孔
86 掘削兼攪拌混合翼の攪拌昇降用のロッドを通すための通し孔

Claims (7)

  1. 土砂取込み空間を有するケーシングを水底地盤に圧入するための装置であって、
    水中のケーシングに生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部と、
    前記液体保持部を通過して、水中のケーシング内の土砂取込み空間に圧縮空気を送るためのポンプと圧気用パイプと、
    ケーシング内を上下2つの空間に仕切る可動隔壁と、を有しており、
    前記可動隔壁はケーシング内を、水底の土砂を収容可能な土砂取込み空間と、前記液体保持部を有する浮力制御用空間の、2つの空間に仕切っている、ことを特徴とする水底地盤へのケーシング圧入装置。
  2. 土砂取込み空間を有するケーシングを水底地盤に圧入するための装置であって、
    水中のケーシング内の土砂取込み空間に圧縮空気を送るためのポンプと、
    前記圧縮空気を取込み可能な水中のケーシング内の土砂取込み空間と、
    水中のケーシングに生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部と、
    ケーシング内を上下2つの空間に仕切る可動隔壁と、を有しており、
    前記可動隔壁はケーシング内を、水底の土砂を収容可能な土砂取込み空間と、前記液体保持部を有する浮力制御用空間の、2つの空間に仕切っている、ことを特徴とする水底地盤へのケーシング圧入装置。
  3. 前記液体保持部へ液体を注入するための注液部と、
    前記液体保持部の液体を排出するための排液部と、
    を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水底地盤へのケーシング圧入装置。
  4. 浮力制御用空間に設けられた前記液体保持部は、ケーシングの軸方向において伸縮可能に構成されており、
    前記可動隔壁が浮力制御用空間を広げる方向に移動したときには、前記液体保持部を伸展させることが可能となり、
    前記可動隔壁が浮力制御用空間を狭める方向に移動したときには、前記液体保持部を縮退させることが可能となる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水底地盤へのケーシング圧入装置。
  5. 水底地盤に圧入可能なケーシングであって、
    水底の土砂を収容可能な土砂取込み空間と、
    水中のケーシングに生じる浮力を制御するための液体を貯留可能な液体保持部と、
    ケーシング内を上下2つの空間に仕切る可動隔壁と、を有しており、
    前記可動隔壁はケーシング内を、水底の土砂を収容可能な土砂取込み空間と、前記液体保持部を有する浮力制御用空間の、2つの空間に仕切っている、ことを特徴とするケーシング。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載のケーシング圧入装置を用いて、ケーシング内に水底の土砂を取込む方法であって、
    ケーシング圧入装置の液体保持部に、ケーシングの浮力を制御するための液体を注入する工程と、
    ケーシングの土砂取込み空間を圧縮空気で加圧し、その空気圧力によって土砂取込み空間への水の流入を妨げる工程と、
    ケーシングの下端を水底に当接させて、水の流入が妨げられた土砂取込み空間に水底の土砂を取込む工程と、
    を含むことを特徴とする水底の土砂取込み方法。
  7. 請求項1乃至4の何れかに記載のケーシング圧入装置を用いて、ケーシング内に水底の土砂を取込む方法であって、
    ケーシング圧入装置の液体保持部に、ケーシングの浮力を制御するための液体を注入する工程と、
    ケーシングの土砂取込み空間を圧縮空気で加圧し、その空気圧力によって土砂取込み空間への水の流入を妨げる工程と、
    ケーシングの下端を水底に当接させて、水の流入が妨げられた土砂取込み空間に水底の土砂を取込む工程と、
    土砂取込み空間への土砂の取込み量に応じて、浮力制御用空間が狭まる方向に可動隔壁を移動させる工程と、
    を含むことを特徴とする水底の土砂取込み方法。
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