JP6936456B1 - 水底地盤改良方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短工期・低コストでの施工を可能にする水底地盤改良装置と当該装置を用いた水底地盤改良方法を提供する。【解決手段】水底地盤改良装置のケーシング32を海底地盤に突き当て目標深度まで圧入する。このとき、圧入に伴って水底地盤がケーシング32内に取り込まれる。次いで、ケーシング32が海底の目標深度まで圧入された状態で、ケーシング32内の攪拌混合翼35に向けて材料供給路25を介して改良材を送る。そして、ケーシング32が水底地盤に圧入された状態で、ケーシング32内に取り込まれた水底地盤と改良材が攪拌混合されるように攪拌混合翼35を作動させて、原地盤(ケーシング32内に取り込まれた水底地盤)を下から上に向けて改良する。【選択図】図5

Description

本発明は、海底地盤をはじめとする水底地盤の改良に用いる水底地盤改良装置と当該装置を用いた水底地盤の改良方法に関するものである。
改良材を用いて海底地盤の改良を行うことが本願発明者らによって提案されている。
改良材を用いて海底地盤の改良を行う場合には、例えばトレミー船やグラブ船などを利用して、図10(a)に示すように、改良対象の地盤上に改良材を投入する。次いで図10(b)〜(e)に示すように、投入した改良材と海底地盤を、攪拌混合装置を用いて攪拌混合する。
図10(b)〜(e)に示す攪拌工程では、はじめに、図10(b)(c)(d)に図示するように改良対象深度区間の上から下に向かって攪拌混合装置を押し込みつつ、改良材と海底地盤を攪拌混合する。そして攪拌混合装置が改良対象深度区間の下端に達したら、図10(e)に図示するように、改良対象深度区間の下端と天端の範囲内で攪拌混合装置の上げ下げを何度も何度も繰返し、これによって、改良対象深度区間の全域において改良材と海底地盤を均一に混合する。
上述した方法では、改良対象深度区間の全域にわたって攪拌混合装置を繰返し上げ下げする工程が不可欠である。すなわち、改良材の投入工程において、投入された改良材が(改良に必要な全量の改良材が一度に纏まって)海底地盤の天端に堆積するため、その後の攪拌工程において、改良対象深度区間の下端まで改良材を均一に行き渡らせ、かつ、改良材と海底地盤を均一に混合する必要がある。そのため、極めて長いストローク(改良対象深度区間の天端〜下端に及ぶ広大な範囲)で、攪拌混合装置を何度も何度も繰返し上げ下げする作業が不可欠となる。
ところが、上記のように長いストロークで攪拌混合装置の上げ下げを繰り返す工程は、長時間を要する。そのため、前述した方法では、改良対象地盤に対する施工を完了するための工期が長期間に及び、施工コストが高くなるといった問題があった。
また、撹拌混合装置を何度も上下に繰り返したとしても改良対象の深度区間内における改良材の混合割合の偏りが生ずることは避けられず、撹拌混合装置の上下動によって施工対象外に改良材が散逸するという問題もあった。
そこで、上述した課題に鑑み、本発明の目的は、従来よりも短工期・低コストでの施工を可能にし、改良対象の深度区間内における改良材が散逸せず、改良材の偏りを減少させる水底地盤改良装置と当該装置を用いた水底地盤の改良方法を提供することにある。
上記目的は、水底地盤を内側に取り込むことが可能なケーシングと、ケーシングの内側で昇降可能に設けられ、水底地盤と改良材を攪拌混合するための攪拌混合手段と、攪拌混合手段の上方に改良材の排出口を有し、ケーシング内の攪拌混合手段に向けて改良材を供給するための材料供給路と、を有する水底地盤改良装置によって達成される。
上記水底地盤改良装置において、材料供給路は、その排出口が、ケーシング内における攪拌混合手段の昇降動作に追随するように設けられている。
また、上記水底地盤改良装置は、さらに、圧縮エアーによって材料供給路からの改良材の排出を促す改良材排出補助手段を有している。
また、前述した目的は、水底地盤改良装置のケーシングを水底地盤に対し目標深度まで圧入する圧入工程と、ケーシングが水底地盤に圧入された状態で、水底地盤改良装置の攪拌混合手段に向けて改良材を送る改良材供給工程と、ケーシング内に取り込まれた水底地盤と改良材が攪拌混合されるように攪拌混合手段を作動させて、水底地盤を下から上に向けて改良する攪拌工程と、を含む水底地盤改良方法によって達成される。
上記水底地盤改良方法では、ケーシング内を圧縮空気で加圧することによってケーシング内への水の流入を妨げた状態を確保し、その後、圧入工程を実施する。
また、上記水底地盤改良方法では、改良材供給工程を、例えば、攪拌工程の開始時と、ケーシング内に取り込まれた水底地盤を複数層に分けて行う攪拌工程の単層ごとに実施する。
また、上記水底地盤改良方法では、攪拌工程において、ケーシング内に取り込まれた水底地盤を下から上に向けて改良する過程で、攪拌混合手段を小刻みに昇降させてもよい。
また、上記水底地盤改良方法では、攪拌工程において、ケーシング内に取り込まれた水底地盤を下から上に向けて改良する過程で、攪拌混合手段を時折降下させてもよい。
また、上記水底地盤改良方法は、さらに、ケーシングを圧入する過程でケーシング内に取り込まれた水底地盤を解きほぐす解泥工程を含んでいる。
上記水底地盤改良方法の解泥工程では、ケーシング内に取り込まれた水底地盤を解きほぐすと同時に当該水底地盤に対し加水してもよい。
また、上記水底地盤改良方法で用いる改良材は、水和反応を生じさせるものであり、その具体例としては、鉄鋼スラグが挙げられる。
本発明に係る水底地盤改良方法および水底地盤改良装置によれば、次に述べる優れた効果を達成できる。
なお、本発明における「水底」の具体例としては、例えば、海底、川底、湖底が挙げられる。また、「水底地盤」の具体例としては、例えば、海底地盤、川底の地盤、湖底の地盤が挙げられる。また、「水」の具体例としては、例えば、海水、川の水、湖の水が挙げられる。
以下、本発明の説明に於いて水底の一例として海底を挙げ、また、水底地盤の一例として海底地盤を挙げる。
本発明に係る装置は、海底地盤を内側に取り込むケーシングと、ケーシングの内側で昇降可能に設けられた攪拌混合手段と、攪拌混合手段の上方に改良材の排出口を具備する材料供給路を有している。
このように本発明では、材料供給路が、攪拌混合手段の上方に改良材の排出口を有していて、ケーシング内の攪拌混合手段の真上(手前)まで改良材をガイドするようになっている。
したがって、ケーシングを海底地盤に圧入した状態であっても、(ケーシング内に取り込まれた地盤に邪魔されることなく)改良材をケーシング内の攪拌混合手段まで確実に供給することができる。すなわち、ケーシングを地盤に圧入した後の攪拌工程の途中であっても、改良対象地盤に対し改良材を確実に行き渡らせることができる。
また、本発明に係る装置は、圧縮エアーによって材料供給路からの改良材の排出を促す改良材排出補助手段を備えている。
通常、改良材は、自重によって材料供給路の内部を自由落下し、下端の排出口から排出される。しかしながら、改良材の種類によっては、材料供給路の排出口の近傍で、改良材が時折滞留し、改良材の自由落下を妨げることが想定される。
そこで、改良材排出補助手段を設け、その圧縮エアーによって材料供給路からの改良材の排出を促すようになっている。圧縮エアーによる衝撃波により、出口付近で停滞した改良材に対し瞬間的なインパクトを与えることで、当該改良材に対し排出のきっかけが与えられ、改良材の排出を促すことが可能になる。
また、本発明に係る装置において、材料供給路は、その排出口がケーシング内での攪拌混合手段の昇降動作に追随するように設けられている。すなわち、攪拌混合手段と材料供給路は、一体となって昇降するため、攪拌混合手段とその真上に設けられた排出口の相対距離は、常に一定の至近距離に保たれる。
このように、本発明では、ケーシング内での攪拌混合手段の昇降動作にかかわらず、攪拌混合手段とその真上の排出口の相対距離は、常に一定の至近距離に保たれるので、ケーシング内に取り込んだ地盤に邪魔されることなく、改良材を確実に攪拌混合手段に到達させることができる。
本発明に係る方法では、はじめに、水底地盤改良装置のケーシングを海底地盤に突き当て目標深度まで圧入する。このとき、ケーシングの圧入に伴って、海底地盤が該ケーシング内に取り込まれる。次いで、ケーシングが海底地盤の目標深度まで圧入された状態で、ケーシング内の攪拌混合手段に向けて改良材を送り込む。そして、ケーシングが海底地盤に圧入された状態で、ケーシング内に取り込まれた海底地盤と改良材が攪拌混合されるように攪拌混合手段を作動させて、原地盤(ケーシング内に取り込まれた海底地盤)を下から上に向けて改良する。
このように、はじめにケーシングを目標深度まで圧入し、その後で、圧入状態のケーシング内の攪拌混合手段に向けて改良材を送り込むことで、投入した改良材が海底地盤の天端に纏まって堆積することがない。したがって、前述した背景技術のごとく、改良材の攪拌混合のために極めて長いストローク(改良対象深度区間の天端〜下端に及ぶ広大な範囲)で攪拌混合装置を繰返し上げ下げする必要がない。
また、本発明では、ケーシングを海底地盤に圧入した状態で、ケーシング内の攪拌混合手段に向けて改良材を送り込むようになっている。したがって、攪拌混合手段により原地盤を下から上に向けて改良する過程で、必要量の改良材を複数回に分けて投入することも可能であり、改良材の散逸や偏りを防止できる。
よって、上述した特徴を具備する本発明によれば、改良材の攪拌混合のために長いストローク(改良対象深度区間の天端〜下端に及ぶ広大な範囲)での攪拌混合装置の上げ下げが不要となり、その結果、改良材の攪拌混合工程の短縮を図ることが可能となり、また、それによって施工コストの減縮を図ることが可能となる。
また、本発明に係る方法では、圧入工程を実施する前に、ケーシング内を圧縮空気で加圧することによって当該ケーシング内への海水の流入を妨げた状態を確保する。これにより、ケーシング内の海底地盤や改良材に海水が過剰に混じるのを防止することができ、その結果、海水の過剰混入による改良品質の低下を防止することができる。
また、本発明に係る方法では、改良材供給工程(改良材の投入)を、攪拌工程の開始時と、攪拌工程の途中で実施する。必要量の改良材を一度に纏めて投入するのではなく、改良材を小分けして(少なくとも改良対象深度区間の天端〜下端の範囲を略均等に2区分、もしくはそれ以上に略均等区分し、異なる深度の区分毎で投入することが望ましい。)対象地盤に投入することで、前述した背景技術よりも遥かに短いストロークで改良材を原地盤に対し均一に混合することが可能になる。
また、本発明に係る方法では、攪拌工程において、原地盤を下から上に向けて改良する過程で、攪拌混合手段を短いストローク(改良対象深度区間の天端〜下端の範囲よりも短ければ特に限定されるものではなく、仮に改良対象深度区間を複数層に分けて撹拌工程を実施する際の単層区間内としても良い。)で小刻みに昇降させるようになっている。
このように、対象地盤の下から上に向けて改良する過程で、攪拌混合手段を短いストロークで昇降させることで、下から上に向かう攪拌工程で上下方向の攪拌混合が高頻度で細かく行われ、より均一な攪拌混合が可能となる。
また、本発明に係る方法では、攪拌工程において、原地盤を下から上に向けて改良する過程で、攪拌混合手段を短いストロークで時折降下させるようになっている。
このように、攪拌混合手段を時折降下させつつ、対象地盤の下から上に向けて改良を行うことで、より均一な攪拌混合が可能となる。
また、本発明に係る方法では、ケーシングを圧入する過程で原地盤を、攪拌工程を実施する前に予め解泥する。
このように改良対象の原地盤を予め解泥し細かくしておくことで、その後の攪拌工程で改良材を細かく混ぜ込むことができ、高品質の地盤改良が可能となる。
また、本発明に係る方法の実施にあたって、原地盤もしくは原地盤の一部に水分が低く、解きほぐすだけでは改良材を十分均一に混ぜ込むことができない地層がある場合、解きほぐす解泥工程と同時に原地盤の対象該地層に対し加水を行うようにしてもよい。これにより、改良材の混合均一性を向上させることができる。
加水する方法としては、ケーシングの海底地盤への圧入と同時に水をケーシング内に取り込んで解泥する方法でもよいし、改良材の供給路に水配管を付帯させて、解泥工程中に攪拌混合手段に向けて水をポンプ等で圧送させる方法でもよい。
また、本発明に係る方法では、改良材として、水和反応を生じさせる材料、例えばカルシア改質材を利用する。
カルシア改質材は、鉄鋼スラグの一種である転炉系製鋼スラグを原料として成分管理と粒度調整した材料である。したがって、改良材として「カルシア改質材」を利用することで、従来廃棄物として扱われてきた鉄鋼スラグを、資源として有効活用することができる。
本発明に係る水底地盤改良装置を具備する作業船(地盤改良船)を示す側面図(a)と、水底地盤改良装置を用いた地盤改良の様子を示す側面拡大図(b)である。 図1に示す水底地盤改良装置の具体的構成を示す側面拡大図であって、図2(a)は、一体的に昇降する材料供給路と掘削兼攪拌混合翼が上端位置にある状態を示しており、図2(b)は、材料供給路と掘削兼攪拌混合翼が下端位置にある状態を示している。 図1に示す水底地盤改良装置が具備する掘削兼攪拌混合部の具体的構成を示す側面拡大図であって、図3(a)は、ケーシング下端のグラブが開いた状態を示しており、図3(b)は、グラブが閉じた状態を示している。 水底地盤改良装置が具備するケーシング内圧力制御装置の概略構成を示す側面図(a)と、ケーシング内圧力制御装置の機能作用を示す側面図(b)である。 本発明に係る水底地盤改良方法を示す工程図である。 水底地盤改良方法におけるケーシング圧入の原理を示す工程図である。 水底地盤改良方法におけるケーシング圧入の原理を示す工程図である。 水底地盤改良方法における、掘削兼攪拌混合翼(攪拌混合手段)の上下方向の動作例を示すグラフである。 水底地盤改良方法における、掘削兼攪拌混合翼(攪拌混合手段)の上下方向の動作例を示すグラフである。 従来技術を示す工程図である。
(作業船)
本発明の実施に用いる作業船1(地盤改良船)は、図1(a)に示すような外観を有しており、海面上で任意の方向に移動することができる。すなわち、作業船1を施工現場の所望の位置に位置決めすることができ、その装備を利用して図1(b)に示すようにその真下の海底地盤を改良することが可能である。
この作業船1は、図1に示すとおり、
・ 作業船1の船首側に立設されたリーダ2、
・ リーダ2に沿って昇降自在に設けられた水底地盤改良装置3、
などを有している。
次に、作業船が具備する水底地盤改良装置3の構成について図1〜図3を用いて具体的に説明する。
(水底地盤改良装置)
作業船1が具備する水底地盤改良装置3は、主として、所定位置の海底地盤を掘削する「掘削装置」としての機能と、水底地盤改良装置3のケーシング32内に取り込んだ海底地盤と改良材を攪拌混合する「攪拌混合装置」としての機能を兼ね備えた装置である。
この水底地盤改良装置3は、作業船1のリーダ2に沿って昇降自在に設けられており、
図2に示すとおり、
・ケーシング32や掘削兼攪拌混合翼35を備えた掘削兼攪拌混合部11と、
・改良材をケーシング32内に導くための流路等を含む管路13と、
・管路13内に改良材を投入するための改良材投入口15と、
・掘削兼攪拌混合翼35をロッド等を介して回転駆動するためのオーガーモーター17を
有している。
管路13の上端側は改良材投入口15に連通しており、また、その下端側は掘削兼攪拌混合部11のケーシング32内に連通している。
この管路13は、
・ケーシング32へ送給する予定の改良材を一時的に保持可能な材料保持部21と、
・ケーシング32の支持部材として機能する外管23と、
・外管23の内側で昇降可能に設けられた内管からなる材料供給路25と
・材料保持部21と材料供給路25の間に設けられた制御弁(圧力差開閉弁)27を
有している。
管路13が具備する内管である材料供給路25は、掘削兼攪拌混合翼35の上方(真上)に改良材の排出口26を有しており、ケーシング内の掘削兼攪拌混合翼35に向けて改良材を供給するための流路として機能する。内管である材料供給路25は、その排出口26が、ケーシング32内における掘削兼攪拌混合翼35の昇降動作に追随するように設けられている。つまり、掘削兼攪拌混合翼35と材料供給路25は、一体となって昇降できるように構成されている。
図3に示すとおり、内管である材料供給路25には、その排出口26からの改良材の排出を促す改良材排出補助手段40が設けられている。改良材排出補助手段40は、材料供給路25の排出口26の近傍の改良材に向けて圧縮エアーを吐出するための圧縮エアー吐出口41と、圧縮エアーを圧縮エアー吐出口41に向けて供給する圧縮エアー流路43を有している。圧縮エアー流路43は、図示しないエアーコンプレッサに接続されている。
上記構成において、制御弁27が閉弁状態にあるとき、改良材は、管路13の材料保持部21において保持される。一方、制御弁27が開弁状態にあるとき、改良材は、管路13の材料保持部21から放出されて、内管である材料供給路25を介してケーシング32の内部に送り込まれる。
管路13を介してケーシング32に投入する「改良材」の具体例としては、例えば、改質材、浄化材、不溶化材などが挙げられる。本実施形態では、改質材、浄化材、不溶化材などの総称として「改良材」の用語を用いる。
また、改良材として改質材を用いる場合、その材料は特に限定されず、鉄鋼スラグ、セメント、セメント系固化材、生石灰、石灰系固化材など土質改良効果を備える材料であれば問わない。
利用可能な改質材の具体例としては、経時的な水和反応によって強度を発現させる材料、例えばカルシア改質材が挙げられる。カルシア改質材は、鉄鋼スラグの一種である転炉系製鋼スラグを原料として成分管理と粒度調整した材料である。したがって、改良材として「カルシア改質材」を利用することで、従来廃棄物として扱われてきた鉄鋼スラグを、資源として有効活用することができる。
オーガーモーター17から出力される回転動力は、図示しないロッドやギヤボックスなどを介して、掘削兼攪拌混合部11のケーシング32内に設けられた掘削兼攪拌混合翼35に伝達される。
このオーガーモーター17は、図1(a)に示すとおり、作業船1のリーダ2に昇降自在に連結されており、また、その上端はワイヤーロープ4に連結されている。当該ワイヤーロープ4を上下方向で操作することでオーガーモーター17を含む水底地盤改良装置3の全体がリーダ2に沿って昇降する。
管路13の下端に設けられた掘削兼攪拌混合部11は、
図2、図3に示すとおり、主として、
・開閉式のグラブ31(掘削手段)を具備する密閉可能なケーシング32と、
・ケーシング32内で昇降可能に設けられた掘削兼攪拌混合翼35(攪拌混合手段)と、
を有している。
ケーシング32は、平面視略矩形の箱型容器状の構成部材(矩形ケーシング)であり、海底地盤を内側に取り込むことが可能で、底部の開口部を開閉可能に構成されている。ケーシング32の上部には、管路13の下端が連結されており、改良材投入口15から投入された改良材は管路13を介してケーシング32内に供給される。
オーガーモーター17に連結されたロッド(図示省略)の下端は、ケーシング32内に設けられた掘削兼攪拌混合翼35に連結されている。掘削兼攪拌混合翼35は、図示しないロッドやギヤボックスなどを介して伝達された動力によって回転駆動し、また図2(a)(b)に示すように、掘削兼攪拌混合翼35はケーシング32内で昇降可能に設けられている。
掘削兼攪拌混合翼35は、主として、
・ケーシング32内の原地盤、
・管路13を介してケーシング32内に投入された改良材、
をケーシング内で攪拌混合する役割を担っている。
また、必要に応じて、ケーシング32底部の開口部から突き出して、海底地盤を掘削するといった役割を担っている。
なお、本実施形態において、管路13が具備する材料供給路25(内管)と、ケーシング内の掘削兼攪拌混合翼35は、ケーシング32内で一体となって昇降動作するように構成されている。図2(a)(b)参照。したがって、ケーシング32内で掘削兼攪拌混合翼35が昇降動作する際には、内管である材料供給路25は、掘削兼攪拌混合翼35の昇降動作に追随する。よって、掘削兼攪拌混合翼35とその真上の排出口26の相対距離は、(掘削兼攪拌混合翼35の昇降動作にかかわらず)常に一定の至近距離に保たれる。
また、図3に示すように、ケーシング32の先端(下端)には、開閉式のグラブ31(掘削手段)が設けられている。ケーシング32とグラブ31の組合せは、全体としてひとつのケーシングを構成しているともいえる。開閉式のグラブ31が開くことでケーシング32の底部が開口し、また、該グラブ31が閉じることでケーシング32の底部が閉じて密閉される。つまり、グラブ31は、海底地盤を掘削したり掘削土砂を取り込む掘削手段としての役割のほか、ケーシング32底部を開閉する蓋(ケーシング32の底部を密閉する蓋)としての役割を担っている。
このようなグラブ31(掘削手段)は、開閉動作の手段として例えば油圧シリンダを有している。
グラブ31が開いた状態を図3(a)に示す。この状態では、ケーシング32の底部は開口している。グラブ31が開いた状態でケーシングを海底地盤に圧入することで、圧入に伴ってケーシング32内に海底地盤を取り込むことができる。
グラブ31が閉じた状態を図3(b)に示す。この状態では、ケーシング32底部は閉じて、該ケーシング32は密閉されている。ケーシング32内に海底地盤を取り込んでからグラブ31を閉じた場合には、該ケーシング32は密閉されて、該海底地盤はケーシング32内に閉じ込められることになる。
また、水底地盤改良装置3は、前述した構成に加えて、ケーシング32内の圧力を制御するための装置である「ケーシング内圧力制御装置」を有している。
(ケーシング内圧力制御装置)
次に、図4に基づいて、水底地盤改良装置3が具備する「ケーシング内圧力制御装置」について説明する。
図4は、水底地盤改良装置3が具備するケーシング内圧力制御装置の概略構成を示す側面図(a)と、ケーシング内圧力制御装置の機能作用を示す側面図(b)である。
後述するとおり、本実施形態では、材料供給路25を介してケーシング32内に圧縮空気を送り込むことを特徴の一つとしている。そして、本実施形態のケーシング内圧力制御装置は、ケーシング32内の空気圧(ケーシング32内に送り込まれた圧縮空気の圧力)を制御する役割を担っている。
本実施形態のケーシング内圧力制御装置は、図4(a)に示すとおり、主として、
・ケーシング32内に圧縮空気を送るためのエアーポンプ51と、
・ケーシング32内の空気圧を制御するための排気路53を
具備している。
エアーポンプ51は、圧気用パイプを通して圧縮空気をケーシング32内に送り込む。本実施形態では、圧気用パイプとして材料供給路25(図2等参照)を利用しているが、この材料供給路25とは別に、ケーシング32内に圧縮空気を送るための専用のエアー流路を設けてもよい。
排気路53は、全体として、ケーシング32内の空気圧をケーシング32の外部(海水中)に供給するように設けられている。この排気路53は、水中排気管56と、排気バイパス管57を含んで構成されている。
水中排気管56の先端にある水中排気口60は、作業船を用いた施工時に海水中に水没した状態にあり、当該水中排気管56は、この状態で昇降モーターによって上げ下げ可能に設けられている。水中排気管56の上下動の距離は特に限定されないが、例えば、ケーシング32の上端と下端の深度範囲内の距離で水中排気口60を上下動(縦方向の移動が)できるように、水中排気管56の長さなどを設定する。
排気バイパス管57は、ケーシング32内の空気圧(圧縮空気)をケーシング外部の水中排気管56にガイドする役割を担っている。排気バイパス管57の一端はケーシング32内(天端)に接続され、他端は、水中排気管バルブ59と排気ホース58を介して水中排気管56に接続されている。
排気ホース58は、可撓性の耐圧耐水ホースで構成されており、その一端は水中排気管バルブ59に接続され、他端は水中排気管56に接続されている。なお、水中排気管56が上下動する際には、排気ホース58はその動きに追従するので、水中排気管56の動作によって両者の接続が外れることはない。
上記構成において、エアーポンプ51から圧気用パイプを通してケーシング32内に送り込まれた圧縮空気は、ケーシング32内に収容されて、その空気圧によって海水をケーシング外に押し出す。
また、ケーシング32内に収容された圧縮空気は、排気バイパス管57によってガイドされ、更に、水中排気管バルブ59と排気ホース58を介して、水中排気管56にガイドされる。したがって、水中排気管バルブ59が開いている状況下で、エアーポンプ51から圧縮空気が圧送されている間は、ケーシング32内の圧縮空気は排気路53によってガイドされて、水中排気口60から水中へ排気され続ける。
(ケーシング内圧力制御装置の機能作用)
次に、上記構成を具備するケーシング内圧力制御装置の機能作用の概要について、図4(b)に基づいて説明する。
ケーシング32下端位置の深度に水中排気口60を位置決めした水中排気管56を、昇降モーターによって上昇させると、これに連動して(上昇する水中排気口60に追従するように)、ケーシング内水位も上昇する。逆に、ケーシング上端位置の深度に水中排気口60を位置決めした水中排気管56を、昇降モーターによって下降させると、これに連動して(下降する水中排気口60に追従するように)、ケーシング内水位も下降する。すなわち、水中排気口60(水中排気管56)の上下動に連動して、ケーシング内水位が上下動する。
このように、(ケーシング内に通ずる)水中排気管56の水中排気口60を海水中で上げ下げすることで、海水中のケーシング32に対する水中排気口60の相対高さに応じて、ケーシング内の空気圧が変動するので、ケーシング内圧力の制御が簡単である。また、このような機能を簡単な装置構成で実現することができる。
また、ケーシング32内に送り込んだ圧縮空気の圧力によって、ケーシング32内への海水流入を簡単に妨げることができる。また、ケーシング32内にすでに海水が進入している場合には、その空気圧によって、ケーシング32内の海水をケーシング外に排出する(空気圧によって押し出す)ことができる。したがって、水中排気口60(水中排気管56)を上げ下げするだけで、ケーシング32内の水位をコントロールすることができるので、必要なときに簡単にケーシング32内を排水することができる。なお、ケーシング32内水位をコントロールする際、水中排気口60を上下動させる幅は、ケーシング32の上端と下端の深度範囲内である。
なお、後述する水底地盤の改良方法において、ケーシング32内の排水には、エアーポンプ51からの圧気を利用する。また、後述するケーシング32の圧入およびケーシング32への海底地盤の取り込みには、ケーシング32を圧入する力が必要であるところ、この圧入力には、水中排気管56を引上げた際に発生する水頭差(海底地盤から水中排気管先端までの距離)による負圧を利用する。この場合、最大水深分の圧力差が利用できる。
(水底地盤の改良方法)
次に、前述した特徴を具備する水底地盤改良装置を用いた、海底地盤の改良方法について説明する。
主として図5に基づいて、施工手順を具体的に説明する。
なお、次に述べる工程a〜kは、図5(a)〜(k)に対応している。
工程a
はじめに、材料供給路21を介してケーシング32内に圧縮空気を送り込んで、該ケーシング内の海水を排水し、ケーシング内を空洞にする。すなわち、空気圧によりケーシング32内に海水の無い空間を確保する。以後、空気圧の押し出し作用によってケーシング32内に海水が流れ込まない排水状態が保持される。
また、ケーシング32が下端に具備する開閉式のグラブ31を、図3(a)に示すように開いた状態にセットする。なお、図5では、ケーシング32が下端に具備するグラブ31の図示を省略している。
そして、水底地盤改良装置3を作業船のリーダ2に沿って吊り下ろし、ケーシング32の下端(グラブ31の先端)を、改良対象の海底地盤の天端に突き当てる。
工程b
次に、海底地盤へのケーシング32の圧入を開始する。ケーシング32を圧入する過程で、当該ケーシング32内に海底地盤が取り込まれる。ケーシング32の圧入原理については、図6、図7に基づいて後述する。
なお、ケーシング32の圧入過程で、ケーシング32の先端にあるグラブ31の開閉を繰り返して、海底地盤を(グラブ31の開閉動作を利用して)ケーシング32内に取り込むようにしてもよい。
ケーシング32の圧入が、図5(b)に示すように改良対象深度区間の下端(目標深度)に達したら、ケーシング32の圧入を停止する。この時点で、改良対象深度区間の天端から下端に及ぶ海底地盤が、ケーシング32内に取り込まれている。
改良対象深度区間の天端から下端に及ぶ海底地盤をケーシング32内に取り込んだら、該ケーシング先端のグラブ31を閉じる。図3(b)参照。これによりケーシング32の内部が密閉され、ケーシング32内の原地盤がケーシングにより周囲から隔離される。
工程c
次に、上記工程bのケーシング圧入工程でケーシング32内に取り込まれた海底地盤を(すなわち、ケーシング32により周囲から隔離された原地盤を)、ケーシング32内の掘削兼攪拌混合翼35を利用して解泥する。
ケーシング32内の原地盤に対する解泥工程では、掘削兼攪拌混合翼35を回転駆動させつつ、ケーシング32内の上端位置から下端位置へ向けて下降させる。これにより、工程bのケーシング圧入工程でケーシング32内の原地盤が、上から下まで掘削兼攪拌混合翼35によって解きほぐされる。
なお、図5(b)〜(c)に示す実施形態では、はじめに圧入工程を実施し、次いで、解泥工程を実施しているが、圧入工程と解泥工程を同時に進めてもよい。また、解泥工程の実施タイミングは、攪拌工程(図5(d)〜(j))を実施する前に行うものである限り特に限定されるものではない。
以後(工程d〜工程jにおいて)、ケーシング32を定位置に保持する。すなわち、ケーシング32の下端が改良対象深度区間の下端に達した状態を保持して、改良対象深度区間の地盤改良を実施する。
工程d
次に、管路13が具備する材料供給路25を通じて、改良材をケーシング32内に投入する。このとき、手動で又は自動で、改良材排出補助手段40の圧縮エアー吐出口41から圧縮エアーを吐出し、その衝撃波によって材料供給路25からの改良材の排出を促す。図3参照。後で実施する工程e、工程gでも同様である。
材料供給路25は、掘削兼攪拌混合翼35の真上に改良材の排出口26を有しているので、投入された改良材は、ケーシング32内の掘削兼攪拌混合翼35まで確実に供給される。
この工程で投入する改良材の量は、例えば、改良対象深度区間の下層部(上中下の三層に分けた場合の下層領域)を改良するのに必要な量とする。
なお、投入する改良材の量は特に限定されず、改良対象深度区間の天端から下端に及ぶ原地盤を改良するのに必要な全量を、攪拌工程の開始時に一度に纏めて投入してもよく、あるいは、改良対象深度区間を複数層に分け、単層分の改良に必要な量をだけを投入してもよい。本実施形態では、改良材の供給を、攪拌工程の開始時(図5の工程(d))と、攪拌工程の途中(図5の工程(f)(h))で実施している。改良対象深度区間を複数層に分ける場合、改良対象深度における層区分は、ケーシング32を吊持するワイヤーロープの繰り出し長を用いて区分してもよいし、ケーシングの上端面に深度計を設置して区分するようにしてもよい。
ケーシング32内への改良材の投入後、ケーシング32内の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、「ケーシング32内の原地盤」と「ケーシング32内に投入した改良材」とを攪拌混合する。このとき、ケーシング32内で掘削兼攪拌混合翼35を回転させながら同時に短いストロークで小刻みに昇降させつつ、昇降式の掘削兼攪拌混合翼35による攪拌混合位置を下から上に向かって移動させる。つまり、ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良する過程で、掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ短いストロークで繰返し昇降させる。
上記の要領で、「ケーシング32内の原地盤」と「ケーシング32内に投入した改良材」とを攪拌混合することで、原地盤と改良材とが混合してなる改良土が形成される。改良土が形成された部分の地盤は改良されている。
工程e
前記工程dと同様に、ケーシング32内で掘削兼攪拌混合翼35を回転させながら同時に小刻みに昇降させつつ、掘削兼攪拌混合翼35による攪拌混合位置を更に下から上に向かって移動させる。また、ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良する過程で、掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ小刻みに昇降させる。
工程f
ケーシング32内における掘削兼攪拌混合翼35の位置が、改良対象深度区間の下層部の天端(中層部の下端)に達したら、再び、管路13が具備する材料供給路25を通じて、改良材をケーシング32内に投入する。この工程で投入する改良材の量は、例えば、改良対象深度区間の中層部(上中下の三層に分けた場合の中層領域)を改良するのに必要な量とする。
なお、本実施形態において、材料供給路25は、その排出口26がケーシング32内での掘削兼攪拌混合翼35の昇降動作に追随するように設けられている。すなわち、掘削兼攪拌混合翼35と材料供給路25は、一体となって昇降できるように一体的に構成されているため、掘削兼攪拌混合翼35とその真上の排出口26の相対距離は、常に一定の至近距離に保たれる。
ケーシング32内への改良材の投入後、ケーシング32内の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、「ケーシング32内の原地盤」と「ケーシング32内に投入した改良材」とを攪拌混合する。このとき、ケーシング32内で掘削兼攪拌混合翼35を回転させながら同時に短いストロークで小刻みに昇降させつつ、掘削兼攪拌混合翼35による攪拌混合位置を更に上に向かって移動させる。つまり、ケーシング32内の原地盤を更に上に向けて改良する過程で、掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ小刻みに昇降させる。
工程g
前記工程fと同様に、ケーシング32内で掘削兼攪拌混合翼35を回転させながら同時に小刻みに昇降させつつ、掘削兼攪拌混合翼35による攪拌混合位置を更に下から上に向かって移動させる。また、ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良する過程で、掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ小刻みに昇降させる。
工程h
ケーシング32内における掘削兼攪拌混合翼35の位置が、改良対象深度区間の中層部の天端(上層部の下端)に達したら、再び、管路13が具備する材料供給路25を通じて、改良材をケーシング32内に投入する。この工程で投入する改良材の量は、例えば、改良対象深度区間の上層部(上中下の三層に分けた場合の上層領域)を改良するのに必要な量とする。
ケーシング32内への改良材の投入後、ケーシング32内の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、「ケーシング32内の原地盤」と「ケーシング32内に投入した改良材」とを攪拌混合する。このとき、ケーシング32内で掘削兼攪拌混合翼35を回転させながら同時に短いストロークで小刻みに昇降させつつ、掘削兼攪拌混合翼35による攪拌混合位置を更に上に向かって移動させる。つまり、ケーシング32内の原地盤を更に上に向けて改良する過程で、掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ小刻みに昇降させる。
工程i
前記工程hと同様に、ケーシング32内で掘削兼攪拌混合翼35を回転させながら同時に小刻みに昇降させつつ、掘削兼攪拌混合翼35による攪拌混合位置を更に下から上に向かって移動させる。また、ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良する過程で、掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ小刻みに昇降させる。
工程j
掘削兼攪拌混合翼35による攪拌混合が、改良対象深度区間の天端に達したら、掘削兼攪拌混合翼35を停止する。
工程k
次に、グラブ31を開き(図3(a)参照)、ケーシング32を地盤から引抜き、その後、改良後の地盤の天端を整地する。以上の工程を経て、1地点の地盤改良が完了する。
その後、図1(b)に示すように、必要に応じて、位置を変えて上記と同様の工程を繰り返して、対象領域の全体について地盤改良を行う。
(海底地盤へのケーシング圧入の原理)
次に、図5(b)の圧入工程におけるケーシング圧入の原理について、図6、図7に基づいて具体的に説明する。
図6(1)(2)は、図5(b)の圧入工程におけるケーシング圧入原理を示す図である。
図7(1)(2)(3)は、図5(b)の圧入工程におけるケーシング圧入原理を更に詳細に示す図である。
本実施形態では、前述したケーシング内圧力制御装置(図4参照)を使用して、海底地盤の所定位置にケーシング32を圧入する。具体的な圧入方法は次のとおりである。
ケーシング32の圧入にあたっては、予め、ケーシング32下端位置の深度に、ケーシング内圧力制御装置の水中排気口60を位置決めしておく。これにより、ケーシング内水位が、水中排気口60の深度に追従し、ケーシング下端位置まで下がる。その結果、ケーシング32内が圧縮空気で満たされ、その圧縮空気の加圧力によって、ケーシング32内への海水流入が妨げられる。つまり、ケーシング32の下端と水中排気口60の深度を水中で揃えることで、ケーシング32内が排水された状態となる。なお、ケーシング32内の容量を超える過剰な圧縮空気は、図6に示すように、水中排気管56を介して水中排気口60から水中に排気される。
このようにケーシング32内への海水流入が妨げられた状態が確保されたら、続いて、図6(1)に示すようにケーシング32下端を海底に突き当てて密着させる。これにより、ケーシング32の下開口部が、海底地盤(粘性土)によって隙間なく塞がれた様な状態に至る。
図6(1)は、圧縮空気で満たされたケーシング32の下端を、グラブ31を開けた状態で海底地盤に対し隙間なくぴったりと突き当てた状態を示している。この状態では、図7(1)に示すように、ケーシング32に作用する水圧および土圧とケーシング内気圧が均衡している。
次に、圧縮空気によりケーシング32内への海水流入を妨げた状態で、且つ、ケーシング32の下端が海底に当接した状態(ケーシング32の下開口部が海底地盤によって塞がれたような状態)で、水中排気管56を引き上げて水中排気口60を上昇させる。つまり、ケーシング32に対して水中排気口60を相対的に上昇させる。すると、図7(2)に示すように、ケーシング32内の圧縮空気が水中排気管56を介してケーシング32外に排出され、その結果、ケーシング32内の気圧が低下して、ケーシング32内に負圧が発生する。その結果、ケーシング32に作用する水圧および土圧とケーシング内気圧の均衡が崩れて、ケーシング32に作用する水圧が支配的となる。すなわち、図7(2)に示すように水中排気管56を引き上げることでケーシング内の気圧が急激に低下し、その結果、ケーシング32に作用する水圧が圧入力となってケーシング32が圧入方向に押し進められる。
したがって、ケーシング内圧力制御装置を利用し、図6(2)に示すように水中排気管56を引き上げることで、水圧を利用してケーシングを対象地盤に圧入することが可能となる。このケーシング圧入方法において、ケーシング内に発生する負圧およびケーシングに作用する水圧(圧入力)は、図7(3)に示すように、最大で水深分の圧力を与えることが可能である。
このようにしてケーシング32を海底地盤に圧入することができれば、ケーシング32内に相対的に海底地盤が入り込むため、当該ケーシング32内に海底地盤の土砂を取り込むことが可能となる。
(水底地盤改良方法における水底地盤改良装置の上下方向の動作例)
次に、図8、図9に基づいて、前述した水底地盤改良方法における掘削兼攪拌混合翼35(攪拌混合手段)の上下方向の動作例について説明する。
図8、図9に示す各グラフは、水底地盤改良装置3が具備する掘削兼攪拌混合翼35の下端の上下方向の軌跡をグラフで示したものである。
なお、図8、図9に示す工程a〜kは、図5(a)〜(k)に対応している。
前述した工程c(図5(c))では、ケーシング32内の原地盤の解泥を行う。
このような解泥は、例えば図8(1)の工程cに示すように、水底地盤改良装置の掘削兼攪拌混合翼35を回転させつつ、上から下に向かって(改良深度範囲の天端から下端に向かって)1回貫入することで達成することが可能である。
なお、改良対象の原地盤をより細かく解泥するために、例えば図8(2)の工程cに示すように、改良深度範囲の天端から下端の間の範囲内で、掘削兼攪拌混合翼35の昇降を複数回繰り返してもよい。
前述した工程d〜j(図5(d)〜(j))では、ケーシング32内に取り込まれた原地盤と改良材が攪拌混合されるように掘削兼攪拌混合翼35を作動させて、ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良する。
ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良する過程では、例えば図9(1)(2)(3)の工程d〜jに示すように、掘削兼攪拌混合翼35を短いストロークで小刻みに昇降させる。つまり、攪拌工程の全体(工程d〜j)を総合的に見れば、ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良するのであるが、断片的には、掘削兼攪拌混合翼35を短いストロークで小刻みに昇降させる。このときの昇降ストローク(昇降の距離)は、改良深度範囲の天端から下端に及ぶ範囲より短ければ特に限定されるものではなく、例えば図9(1)(2)(3)の工程d〜jに例示するように、多様なバリエーションを採用することが可能である。
また、例えば図9(3)に示すように、ケーシング32内の原地盤を下から上に向けて改良する過程で、掘削兼攪拌混合翼35を短いストロークで時折降下させてもよい。
最後に、上述した実施形態は、特許請求の範囲に記載した本発明の例示であって、本発明の形態は必ずしもこれに限定されるものではない。また、本発明の用途は、海底地盤の改良に限定されるものではなく、川底の地盤改良や、湖底の地盤改良にも利用可能である。
1 作業船(地盤改良船)
2 リーダ
3 水底地盤改良装置
4 ワイヤーロープ
11 掘削兼攪拌混合部
13 管路(流路)
15 改良材投入口(材料投入口)
17 オーガーモーター(回転駆動装置)
21 材料保持部(材料保持管)
23 外管(ケーシング支持部材)
25 材料供給路(内管)
26 排出口
27 制御弁(圧力差開閉弁)
31 グラブ(掘削手段)
32 ケーシング
35 掘削兼攪拌混合翼(攪拌混合手段)
40 改良材排出補助手段
41 圧縮エアー吐出口
43 圧縮エアー流路
51 エアーポンプ
53 排気路
56 水中排気管
57 排気バイパス管
58 排気ホース
59 水中排気管バルブ
60 水中排気口

Claims (8)

  1. 水底地盤を内側に取り込むことが可能なケーシングと、前記ケーシングの内側で昇降可能な攪拌混合手段と、前記攪拌混合手段に向けて改良材を供給するための材料供給路と、を有する水底地盤改良装置を用いた水底地盤改良方法であって、
    前記水底地盤改良装置のケーシングを水底地盤に対し目標深度まで圧入する圧入工程と、
    前記ケーシングを圧入する過程で前記ケーシング内に取り込まれた前記水底地盤を解きほぐす解泥工程と、
    前記ケーシングが前記水底地盤に圧入された状態で、前記水底地盤改良装置の攪拌混合手段に向けて改良材を送る改良材供給工程と、
    前記ケーシング内に取り込まれた前記水底地盤と前記改良材が攪拌混合されるように前記攪拌混合手段を作動させて、前記水底地盤を下から上に向けて改良する攪拌工程と、
    を含むことを特徴とする水底地盤改良方法。
  2. 前記解泥工程において、前記ケーシング内に取り込まれた前記水底地盤を解きほぐすと同時に当該水底地盤に対し加水する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の水底地盤改良方法。
  3. 前記ケーシング内を圧縮空気で加圧することによって前記ケーシング内への水の流入を妨げた状態を確保し、その後、前記圧入工程を実施する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水底地盤改良方法。
  4. 前記改良材供給工程を、前記攪拌工程の開始時と、前記ケーシング内に取り込まれた前記水底地盤を複数層に分けて行う前記攪拌工程の単層ごとに実施する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水底地盤改良方法。
  5. 前記攪拌工程において、
    前記ケーシング内に取り込まれた前記水底地盤を下から上に向けて改良する過程で、前記攪拌混合手段を小刻みに昇降させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の水底地盤改良方法。
  6. 前記攪拌工程において、
    前記ケーシング内に取り込まれた前記水底地盤を下から上に向けて改良する過程で、前記攪拌混合手段を時折降下させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の水底地盤改良方法。
  7. 前記改良材は水和反応を生じさせるものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の水底地盤改良方法。
  8. 前記改良材が鉄鋼スラグである、
    ことを特徴とする請求項7に記載の水底地盤改良方法。
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