JP2007239258A - 人工干潟の造成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧密沈下が発生せず、人工干潟造成予定地区の生態系に適し、且つ別途の耐震工事が不要な人工干潟の造成方法を提供すること。
【解決手段】 人工干潟予定領域で且つ平均低潮位以下の深さにある海底地盤に砂杭を多数打設し、該打設により生じる海底地盤の表層部の盛り上がりを干潟とする砂杭打設工程を有する人工干潟の造成方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、海水浄化能があり、底生生物の生息に適した干潟を人工的に造成する人工干潟の造成方法に関するものである。
潮が引いたときに現れる遠浅の海岸部分を干潟というが、もともとは埋め立て等で遠浅に形成されていない海岸を、自然環境の保全、再生あるいは創生を目的として、遠浅の人工干潟に作り替えることがある。
従来、人工干潟の造成方法としては、内陸部や海底から採取した砂質土を用いて人工干潟を造成する方法、あるいは航路を確保するため浚渫された浚渫土を用いて人工干潟を造成する方法などが知られている(例えば、特開2001−107332号公報)。また、海底の浚渫により得られた砂質土と、海底の浚渫により得られたシルト・粘性土とを、該シルト・粘性土を該砂質土より少量混合した土を用いる方法も知られている(特開2001−295240号公報)。
特開2001−107332号公報(請求項1) 特開2001−295240号公報(請求項1)
しかしながら、干潟として砂質土や浚渫土等を用いる場合、浚渫土等の載荷に伴う自重により圧密沈下が生じるという問題がある。この場合、干潟面積が減少するか、あるいは干潟が消滅し、海水浄化能が失われ、底生生物が死滅してしまう。また、圧密沈下した干潟を修復するため、浚渫土を追加載荷すると再び圧密沈下するという繰り返しになり、メンテナンス費が嵩むという問題もある。また、砂質土とシルト・粘性土を所定割合で予め混合して使用する方法は、その干潟の生態系に合うように調製する必要があり、調製コストを上昇させる。また、既設護岸に隣接して造成される干潟に耐震対策が必要となる場合があり、この場合、人工干潟の造成工事とは別途の耐震工事が必要となる。
従って、本発明の目的は、圧密沈下が発生せず、人工干潟造成予定地区の生態系に適し、且つ別途の耐震工事が不要な人工干潟の造成方法を提供することにある。
かかる実状において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、人工干潟予定領域で且つ平均低潮位以下の深さにある海底地盤に砂杭を多数打設し、該打設により生じる海底地盤の表層部の盛り上がりを干潟とする砂杭打設工程を有するものであれば、圧密沈下が発生せず、人工干潟造成予定地区の生態系に適し、且つ別途の耐震工事が不要であることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、人工干潟予定領域で且つ平均低潮位以下の深さにある海底地盤に砂杭を多数打設し、該打設により生じる海底地盤の表層部の盛り上がりを干潟とする砂杭打設工程を有する人工干潟の造成方法を提供するものである。
また、本発明は、前記砂杭打設工程において、打設後の砂杭の上端は、該盛り上がり土の表面から所定の深さの位置にあることを特徴とする前記人工干潟の造成方法を提供し、また、本発明は、前記砂杭打設工程後、盛り上がった干潟に細粒土を供給し、原地盤土と攪拌混合する粒度調整工程を行う前記人工干潟の造成方法を提供し、また、本発明は、前記砂杭打設工程後、表層部に更に第2の砂杭を打設する第2砂杭打設工程を行う前記人工干潟の造成方法を提供し、また、本発明は、前記第2砂杭打設工程後、盛り上がった干潟の表層部に存在する第2砂杭と、表層部の原地盤土を攪拌混合して、粒度調整を行う前記人工干潟の造成方法を提供し、また、本発明は、前記人工干潟は、既存護岸に隣接して造成される前記人工干潟の造成方法を提供し、また、本発明は、前記砂杭打設工程における砂杭の打設密度は、人工干潟の沖側が、既存護岸側より粗である前記人工干潟の造成方法を提供し、また、本発明は、前記砂杭は、中空管から砂の排出を促進する圧縮空気を使用する締固め砂杭造成工法又はサンドドレーン工法により造成される前記人工干潟の造成方法を提供するものである。
本発明によれば、人工干潟を支える地盤が砂杭により強化されており、人工干潟の自重により発生する圧密沈下を早期に終了させて安定化できる。従って、長期間に亘る圧密沈下は生じない。また、潮の干満で細粒分が流され、その消失分を追加供給する覆土があったとしても、圧密沈下は生じない。このため、長期間に亘り、安定した海水浄化が行われ、底生生物の生息を促す。また、人工干潟はその場の海底地盤が盛り上がったものであるため、人工干潟周辺の生物の生息環境を変化させることがない。また、盛り上がった干潟の押さえ盛土効果と砂杭とで耐震補強された安全な海岸を作ることができる。また、盛り上がり土が富栄養化した泥土の場合であっても、砂杭打設工程で生じる残留空気が地表に抜ける際、富栄養化した泥土に空気が供給され、盛り上がり土を改質することができる。また、表層部に存在する第2砂杭と現地盤土を攪拌混合するだけで盛り上がり土の粒度を調整することができる。
本発明の実施の形態における人工干潟の造成方法を図1及び図2を参照して説明する。図1は人工干潟造成前の予定領域の状態を示す図、図2は人工干潟造成後の状態を示す図である。図1において、人工干潟予定領域4は、平均低潮位(L.W.L)以下の深さにある海底地盤1の既設護岸2側である。なお、人工干潟予定領域4は、これに限定されず、海底地盤1の盛り上がりにより干潟とすることができる海岸すべてを対象とすることができる。符号3は海底面である。
砂杭造成により地盤の盛り上がり土6の高さHは、最大8m程度であり、また、干潟10は底生生物が生息するため、干潟層hの厚みは、少なくとも30cmであり、最大で概ね1m、通常30〜50cm程度である。人工干潟の形状としては、特に制限されず、陸側から沖側に向けて緩やかな下り傾斜の遠浅形状、この遠浅形状の沖側の一部を高くし、盛り上げた土や覆土した土砂の流出を防止した凹凸形状、この凹凸形状の沖側の凸部に水道となる溝部を形成した形状等が挙げられる。このような凹凸形状は、砂杭の打設ピッチ、砂杭長及び砂杭径などを調整することで得られる。
海底地盤1としては、特に制限されず、例えば盛り上がり土を形成するために、砂杭5が打設される部分は通常、海底粘土層であり、盛り上がって干潟となる部分は、海底粘土層または海底粘土層の上に堆積した底泥層である。本明細書においては、当該砂杭5が打設される部分を深層部、盛り上がって干潟層を形成する部分を表層部と言う。底泥層は富栄養化したものであっても、富栄養化したものでなくともよい。富栄養化した底泥層を盛り上がらせ、粒度調整された人工干潟とすれば、赤潮等の問題を解消して新たな自然環境を創生することができる。
本発明における砂杭打設工程は、海底地盤の深層部に砂杭を打設して盛上がり土を形成させるための工程である。砂杭の打設により盛り上がり土を形成する方法としては、特に制限されず、軟弱地盤の改良工法として用いられている、締固め砂杭造成工法やサンドドレーン工法が挙げられる。締固め砂杭造成工法は、例えば、中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、地表まで引き抜く過程で、前記中空管を所定高さ引き抜き管内に投入された砂などを排出する引き抜き工程と、前記中空管を再び貫入して排出砂などを締め固める再貫入工程を繰り返して行うことにより、所定の強度に締め固めた砂杭を造成する工法である。締固め砂杭造成工法の砂を排出する際、圧縮空気を中空管に送り砂の排出を容易にしている。
また、サンドドレーン工法は、例えば、中空管の先端を閉じて所定の位置に設置し、バイブロハンマ又は起振機の振動で、中空管を所定の深度まで打ち込み、次いで、砂を中空管の中に投入し、砂の投入口を閉じ、圧縮空気を送りながら中空管を引き抜き、地中に砂杭を造成する工法である。
本発明における砂杭打設は、例えば、既存護岸の海側に地盤改良専用船、砂杭施工機を搭載した台船、陸上砂杭施工機又はこれらを組み合わせた施工機を用いて行うことができる。また、砂杭打設前に海底地盤面を浚渫土などで埋め立てた後、あるいは敷砂を行い敷砂の上に浚渫土などで埋め立てた後、砂杭を打設してもよい。敷砂があると、砂杭の圧密効果が得られる点で好ましい。
本発明の砂杭打設工程において、砂杭の打設ピッチ、打設長(打設深度)、打設方向あるいは砂杭径などは、盛り上がりの高さ、盛り上がりの形状、干潟の自重による圧密沈下などを考慮して適宜決定される。例えば、盛り上がり土を高くする場合、砂杭の密な打設ピッチ、長い打設長、大きな砂杭径又はこれらを組み合わせて行うことができる。
砂杭の打設方向としては、既設護岸付近では、該既設護岸から沖側に向けて順次打設することが、既設護岸への変位の影響を少なくすることができる点で好ましいが、既設護岸付近の盛り上がり量を大きくするには、逆に沖側から既設護岸側に向けて打設することもできる。また、海底地盤面が略水平の場合、人工干潟を沖側に向けて下り傾斜とするには、沖側の砂杭5の打設ピッチpを既存護岸側の砂杭5の打設ピッチpより粗とするか、あるいは砂杭の径を小さくすることで対処できる(図2参照)。
本発明の砂杭打設工程において、打設後の砂杭の上端位置は、特に制限されず、盛上がり土の表面又はその近傍位置にあってもよく、また盛上がり土の表面から所定の深さの位置にあってもよい。打設後の砂杭の上端位置が盛上がり土の表面から所定の深さの位置にあるとは、例えば、海底粘性土層の上に底泥層が堆積する海底地盤において、海底粘性土層に砂杭を打設し、盛り上がりにより底泥層が干潟層となった場合であり、砂杭が干潟層、すなわち表層部には存在せず、その下層の深層部である海底粘性土層に存在する場合である。人工干潟が、砂質土をほとんど必要としない場合、あるいは後述の第2砂杭を打設する場合などは、砂杭が表層部に存在しない打設方法が好適となる。
砂杭打設工程における砂杭の材料としては、特に制限されず、公知の材料を使用することができる。砂杭が表層部には存在せず、深層部に存在する場合における該砂杭の材料としては、砂、貝殻粉砕物、再生砕石、スラグ、石炭灰造粒物、浚渫土砂、浚渫土砂の固化物、またはこれらの混合物が好適である。これにより砂杭材料のコストを低減することができる。また、砂杭が表層部に至るものである場合、当該砂杭の材料は比較的良質な砂とすることが、該砂が干潟層に含まれることになる点で好ましい。
本発明において、前記砂杭打設工程後は、盛り上がった干潟を粒度調整を行うことなく、そのまま人工干潟とすることもできるが、通常、盛り上がった干潟に細粒分を供給し、原地盤土と攪拌混合する粒度調整工程(第1粒度調整方法)を行うか、第2砂杭打設工程後、盛り上がった干潟の表層部に存在する第2砂杭と、表層部の原地盤土を攪拌混合して、粒度調整工程(第2粒度調整方法)を行う。
第1粒度調整方法は、盛り上がった干潟が細粒分の少ない土壌の場合、当該干潟に細粒分を補給する方法である。細粒分はシルト・粘性土からなる。細粒分としては、例えば現地の近海の底泥を浚渫した細粒分の多い浚渫土が挙げられる。干潟に細粒分を供給し、原地盤土と攪拌混合する粒度調整方法としては、特に制限されず、例えば、図3に示すような、水平回転式攪拌機を備える施工装置を用いた方法が挙げられる。すなわち、図3において、施工装置31は、伸縮ロッド38の先端に水平回転式攪拌機30と泥土吐出口35を備える。水平回転式攪拌機30は、比較的厚みの無い表層部の土壌を攪拌混合するのに好適な装置であり、例えば駆動スプロケット37と、駆動スプロケット37に対して水平方向の対向位置にある従動スプロケット36間に攪拌羽根が付いたチェーン34を緊張状態に架設したものであり、従動スプロケット36は図中の矢印方向に回転する。符号32は泥土圧送ポンプであり、33は例えば浚渫土を貯留する貯泥槽である。
施工装置31を用いて施工するには、泥土圧送ポンプ32で貯泥槽33から泥土を吸い取り、施工装置31に圧送し、泥土吐出口35から泥土(細粒分)を表層部6に供給しつつ、水平回転式攪拌機30を作動させ、回転させた水平回転式攪拌機30を上下させて、泥土と原地盤土を攪拌混合する。これにより、細粒分が少ない表層部は、細粒分を均一に且つ多く含む土壌へと改質される。泥土の供給量は、原地盤土の土質、容積及び干潟の目標土質などにより適宜決定される。なお、泥土と原地盤土の攪拌混合は、水平回転式攪拌機30に限定されず、それ以外の攪拌装置を使用することができる。
第2粒度調整方法は、盛り上がった干潟が砂質土の少ない土壌の場合、当該干潟に砂質土を補給する方法である。すなわち、この第2粒度調整方法は、砂杭打設工程後、表層部に第2砂杭を打設する第2砂杭打設工程を行い、これに続いて、盛り上がった干潟の表層部に存在する第2砂杭と、表層部の原地盤土を攪拌混合して、粒度調整工程を行うものである。
第2砂杭打設工程において、第2の砂杭は、前記砂杭打設工程で打設される砂杭とは異なり、干潟に必要な砂質土を補給するものである。第2砂杭打設工程は、砂杭打設工程において使用された砂杭打設装置をそのまま使用し、且つ補給分を砂杭として残置するため、わざわざ砂質土を搬入し供給する方法に比べて、簡単かつ短い工期で行うことができる。第2砂杭打設工程において、砂杭の打設ピッチ、砂杭径などは、干潟層(表層部)の粒度調整における砂質土の供給量に基づいて適宜決定される。第2砂杭打設方法は、サンドドレーン工法でよく、締固めは特に必要としない。また、第2砂杭の材料は、比較的良質な砂であることが、該砂は干潟層に含まれることになる点で好ましい。
表層部に打設された第2砂杭と原地盤土を攪拌混合する粒度調整方法としては、特に制限されず、例えば、図4に示すような、水平回転式攪拌機を備える施工装置を用いた方法が挙げられる。すなわち、図4において、施工装置31aは、泥土圧送ポンプ及び貯泥槽を不要とする以外、図3の施工装置31と同じものである。
施工装置31aを用いて施工するには、水平回転式攪拌機30を作動させ、回転させた水平回転式攪拌機30を上下させ、第2砂杭7を削りつつ、第2砂杭7の破砕砂と原地盤土を攪拌混合する。これにより、砂質分が少ない表層部は、砂質分を均一に且つ多く含む土壌へと改質される。砂質分の供給量は、原地盤土の土質、容積及び干潟の目標土質などにより適宜決定される。なお、砂質分と原地盤土を攪拌混合は、水平回転式攪拌機30に限定されず、それ以外の攪拌装置を使用することができる。
また、本発明において、表層部に砂質分を補給する方法としては、上記第2の砂杭を打設して補給する方法以外に、例えば表層部面に所定量の砂質土を一定の厚さで覆土して、その砂質土を水平回転式攪拌機を回転させて表層部に押し込んで攪拌混合して補給する方法なども用いることができる。水平回転式攪拌機やそれ以外の攪拌機を用いて混合攪拌する際、泥土吐出口35から空気を吐出させて混合することで、表層部内に空気を供給することができ、表層部を改質することができる。また、砂杭又は第2の砂杭の間隙内に残留した圧縮空気が地表に抜け出る際、かき回して耕耘した干潟層を通り抜けるため、この通り抜け空気によっても改質される。
なお、表層部に更に第2砂杭を打設した後、第2砂杭は削ることなく、残置状態としてもよい。この場合、潮の干満などにより表面の土砂が削り取られても下から砂分が供給されるため、砂質土が不足することはない。また、細粒分が波により削られ沖側に運ばれることが多く見られるが、この場合、干潟における陸側の砂杭を少なくし、沖側の砂杭を多くしてもよい。
本発明の表層部の粒度調整方法によれば、細粒分又は砂質土の一方の補給でよく、低コストである。特に砂質土を補給する場合、第2砂杭を補給材として利用できるため、工期の短縮が図れる。また、干潟に含有される細粒分が干満の流れで流出することがあり、この場合、再度、細粒分を補給して粒度調整を行うが、現状の干潟土壌に細粒分のみを追加供給して攪拌混合すればよく、覆土することなく、補修ができ、更に攪拌混合による耕耘効果が期待できコスト低減された維持補修が可能となる。
このように粒度調整されず、又は粒度調整された干潟の土質としては、環境条件によって異なるものの、底生生物が生息できる土壌であれば特に制限されず、例えばシルトと粘性土を0〜40%含む土壌が挙げられる。このような土質であれば、生息する底生生物により干潟が浄化される。シルトと粘性土がほとんど含まれない砂質土からなる干潟の場合、土壌の粒径が大きく、透水性が極めて良好であり、人工干潟の出入りする海水量が多くなる。
本発明において、砂杭の打設により生じる盛り上がり部分が干潟となるため、人工干潟の自重により発生する圧密沈下を早期に終了させて安定化できる。従って、長期間に亘る圧密沈下は生じない。また、潮の干満で細粒分が流され、その消失分を追加供給する覆土があったとしても、圧密沈下は生じない。このため、長期間に亘り、安定した海水浄化が行われ、底生生物の生息を促す。また、人工干潟はその場の海底地盤が盛り上がったものであるため、人工干潟周辺の生物の生息環境を変化させることがない。また、盛り上がった干潟の押さえ盛土効果と砂杭とで耐震補強された安全な海岸を作ることができる。また、干潟上に既設護岸から沖側に向けて階段状やスロープ状の親水護岸等の構造物を構築する際、支持力不足、スベリ破壊、沈下の対策として打設した砂杭が有効に作用する。このため、別途の杭基礎やその他の地盤改良基礎を採用する必要がなく経済的である。また、盛り上がり土が富栄養化した泥土の場合であっても、砂杭打設工程で生じる残留空気が地表に抜ける際、富栄養化した泥土に空気が供給され、盛り上がり土を改質することができる。また、表層部に存在する第2砂杭と現地盤土を攪拌混合するだけで盛り上がり土の粒度を調整することができる。
本発明の人工干潟の造成方法は、圧密沈下が発生せず、人工干潟造成予定地区の生態系に適し、且つ別途の耐震工事をしなくとも、既設護岸の耐震対策がされており、安全な海岸であり、メンテナンスフリーの海岸であり、自然と共生する海岸を創生することができる。
人工干潟造成前の予定領域の状態を示す図である。 人工干潟造成後の状態を示す図である。 第1粒度調整方法を説明する図である。 第2粒度調整方法を説明する図である。
符号の説明
1 海底地盤
2 既設護岸
3 海底面
4 人工干潟予定領域
5 砂杭
6 表層部
7 第2砂杭
8 深層部
10 盛上がり土
30 水平回転式攪拌機
31 施工装置
32 泥土圧送ポンプ
33 貯泥槽

Claims (8)

  1. 人工干潟予定領域で且つ平均低潮位以下の深さにある海底地盤に砂杭を多数打設し、該打設により生じる海底地盤の表層部の盛り上がりを干潟とする砂杭打設工程を有することを特徴とする人工干潟の造成方法。
  2. 前記砂杭打設工程において、打設後の砂杭の上端は、該盛り上がり土の表面から所定の深さの位置にあることを特徴とする請求項1記載の人工干潟の造成方法。
  3. 前記砂杭打設工程後、盛り上がった干潟に細粒土を供給し、原地盤土と攪拌混合する粒度調整工程を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の人工干潟の造成方法。
  4. 前記砂杭打設工程後、表層部に更に第2の砂杭を打設する第2砂杭打設工程を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の人工干潟の造成方法。
  5. 前記第2砂杭打設工程後、盛り上がった干潟の表層部に存在する第2砂杭と、表層部の原地盤土を攪拌混合して、粒度調整を行うことを特徴とする請求項4記載の人工干潟の造成方法。
  6. 前記人工干潟は、既存護岸に隣接して造成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の人工干潟の造成方法。
  7. 前記砂杭打設工程における砂杭の打設密度は、人工干潟の沖側が、既存護岸側より粗であることを特徴とする請求項6記載の人工干潟の造成方法。
  8. 前記砂杭は、中空管から砂の排出を促進する圧縮空気を使用する締固め砂杭造成工法又はサンドドレーン工法により造成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の人工干潟の造成方法。
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