JP2003055310A - パーフルオロポリアルキルエーテル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 - Google Patents
パーフルオロポリアルキルエーテル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体Info
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- JP2003055310A JP2003055310A JP2001246210A JP2001246210A JP2003055310A JP 2003055310 A JP2003055310 A JP 2003055310A JP 2001246210 A JP2001246210 A JP 2001246210A JP 2001246210 A JP2001246210 A JP 2001246210A JP 2003055310 A JP2003055310 A JP 2003055310A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 各種使用条件下において優れた潤滑性が保た
れるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、優
れた走行性、耐磨耗性、耐久性等を有する記録媒体用の
潤滑剤を提供する。 【解決手段】 例えば C18H37-CH(CH2COO・H3NC18H3
7)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・H3NC18H37)-C18H37 (Rfは
平均分子量2000のフルオロポリエーテル基)を磁気
記録媒体用の潤滑剤として用いる。
れるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、優
れた走行性、耐磨耗性、耐久性等を有する記録媒体用の
潤滑剤を提供する。 【解決手段】 例えば C18H37-CH(CH2COO・H3NC18H3
7)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・H3NC18H37)-C18H37 (Rfは
平均分子量2000のフルオロポリエーテル基)を磁気
記録媒体用の潤滑剤として用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーフルオロポリ
アルキルエーテル系化合物、該化合物からなる記録媒体
用潤滑剤、および該潤滑剤を含む潤滑層が形成された記
録媒体に関するものである。
アルキルエーテル系化合物、該化合物からなる記録媒体
用潤滑剤、および該潤滑剤を含む潤滑層が形成された記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の記録媒体、例えば磁気記録媒体と
しては、強磁性金属材料を蒸着等の手法により非磁性支
持体上に被着し、これを磁性層としたいわゆる金属薄膜
型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合
剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを
磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒体では、磁性
層表面の平滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドや
ガイドローラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積
が大きく、従って摩擦係数が大きくなり凝着現象(いわ
ゆる張り付き)が起き易く走行性や耐久性に欠ける等問
題点が多い。そこで、これら問題点を改善するために各
種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来より
高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒体の磁性
層に内添したり、あるいはトップコートすることにより
摩擦係数を抑えようとする試みがされている。
しては、強磁性金属材料を蒸着等の手法により非磁性支
持体上に被着し、これを磁性層としたいわゆる金属薄膜
型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合
剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを
磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒体では、磁性
層表面の平滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドや
ガイドローラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積
が大きく、従って摩擦係数が大きくなり凝着現象(いわ
ゆる張り付き)が起き易く走行性や耐久性に欠ける等問
題点が多い。そこで、これら問題点を改善するために各
種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来より
高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒体の磁性
層に内添したり、あるいはトップコートすることにより
摩擦係数を抑えようとする試みがされている。
【0003】しかしながら、磁気記録媒体に使用される
潤滑剤には、その性質上非常に厳しい特性が要求され、
従来用いられている潤滑剤では対応することが難しいの
が現状である。
潤滑剤には、その性質上非常に厳しい特性が要求され、
従来用いられている潤滑剤では対応することが難しいの
が現状である。
【0004】即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤に
は、(1)寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確
保されるように低温特性に優れること、(2)磁気ヘッ
ドとのスペーシングが問題となるので極めて薄く塗布で
きることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮される
こと、(3)長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤
滑効果が持続すること、等が要求される。
は、(1)寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確
保されるように低温特性に優れること、(2)磁気ヘッ
ドとのスペーシングが問題となるので極めて薄く塗布で
きることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮される
こと、(3)長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤
滑効果が持続すること、等が要求される。
【0005】なお、特開平6−41561号公報には、
金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤として、下記一般式
(i)で示される含フッ素アルキルこはく酸ジエステル
が提案されている。
金属薄膜型磁気記録媒体用の潤滑剤として、下記一般式
(i)で示される含フッ素アルキルこはく酸ジエステル
が提案されている。
【0006】
【化4】R1-CH(COOR2)CH2COOR3‥(i)
【0007】式中、R1は脂肪族アルキル基または脂肪
族アルケニル基であり、R2およびR3の一方はフロロ
アルキルエーテル基であり、他方はフロロアルキル基、
フロロアルケニル基、フロロフェニル基、脂肪族アルキ
ル基、脂肪族アルケニル基のいずれかである。しかし、
前記の含フッ素アルキルこはく酸ジエステルは摩擦係数
が大きいという問題点があった。
族アルケニル基であり、R2およびR3の一方はフロロ
アルキルエーテル基であり、他方はフロロアルキル基、
フロロアルケニル基、フロロフェニル基、脂肪族アルキ
ル基、脂肪族アルケニル基のいずれかである。しかし、
前記の含フッ素アルキルこはく酸ジエステルは摩擦係数
が大きいという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、磁気録
媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足に
起因して、シャトル走行試験における再生出力のレベル
ダウン等の実用特性に不満を残している。そこで本発明
は、各種使用条件下において優れた潤滑性が保たれると
ともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、走行性、
耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とするものである。
媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足に
起因して、シャトル走行試験における再生出力のレベル
ダウン等の実用特性に不満を残している。そこで本発明
は、各種使用条件下において優れた潤滑性が保たれると
ともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、走行性、
耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(1):
一般式(1):
【0010】
【化5】
R1-CH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)-R1
‥(1)
【0011】(式中、R1は炭素原子が6〜30の飽和
の脂肪酸炭化水素基を示し、Rfは平均分子量が500
〜6000のパーフルオロポリエーテル基を示し、R
2、R3、R4は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪酸炭化水素基を示す。)で表されることを特
徴とするパーフルオロポリアルキルエーテル系化合物を
提供するものである。また本発明は、下記一般式
(1):
の脂肪酸炭化水素基を示し、Rfは平均分子量が500
〜6000のパーフルオロポリエーテル基を示し、R
2、R3、R4は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪酸炭化水素基を示す。)で表されることを特
徴とするパーフルオロポリアルキルエーテル系化合物を
提供するものである。また本発明は、下記一般式
(1):
【0012】
【化6】
R1-CH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)-R1
‥(1)
【0013】(式中、R1は炭素原子が6〜30の飽和
の脂肪酸炭化水素基を示し、Rfは平均分子量が500
〜6000のパーフルオロポリエーテル基を示し、R
2、R3、R4は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪酸炭化水素基を示す。)で表されるパーフル
オロポリアルキルエーテル系化合物よりなることを特徴
とする記録媒体用潤滑剤を提供するものである。さらに
本発明は、支持体上に、記録層、及び潤滑剤よりなる潤
滑剤層が少なくとも形成されてなる記録媒体であって、
前記潤滑剤が下記一般式(1):
の脂肪酸炭化水素基を示し、Rfは平均分子量が500
〜6000のパーフルオロポリエーテル基を示し、R
2、R3、R4は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪酸炭化水素基を示す。)で表されるパーフル
オロポリアルキルエーテル系化合物よりなることを特徴
とする記録媒体用潤滑剤を提供するものである。さらに
本発明は、支持体上に、記録層、及び潤滑剤よりなる潤
滑剤層が少なくとも形成されてなる記録媒体であって、
前記潤滑剤が下記一般式(1):
【0014】
【化7】
R1-CH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)-R1
‥(1)
【0015】(式中、R1は炭素原子が6〜30の飽和
の脂肪酸炭化水素基を示し、Rfは平均分子量が500
〜6000のパーフルオロポリエーテル基を示し、R
2、R3、R4は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪酸炭化水素基を示す。)で表されるパーフル
オロポリアルキルエーテル系化合物を含むことを特徴と
する記録媒体を提供するものである。
の脂肪酸炭化水素基を示し、Rfは平均分子量が500
〜6000のパーフルオロポリエーテル基を示し、R
2、R3、R4は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不
飽和の脂肪酸炭化水素基を示す。)で表されるパーフル
オロポリアルキルエーテル系化合物を含むことを特徴と
する記録媒体を提供するものである。
【0016】本発明のパーフルオロポリアルキルエーテ
ル系化合物は新規物質であると共に、記録媒体用、特に
磁気記録媒体用の潤滑剤として用いることにより、各種
使用条件下において優れた潤滑性が保たれるとともに、
長時間にわたり潤滑効果が持続され、優れた走行性、耐
摩耗性、耐久性等を有する記録媒体を提供することがで
きる。
ル系化合物は新規物質であると共に、記録媒体用、特に
磁気記録媒体用の潤滑剤として用いることにより、各種
使用条件下において優れた潤滑性が保たれるとともに、
長時間にわたり潤滑効果が持続され、優れた走行性、耐
摩耗性、耐久性等を有する記録媒体を提供することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化合物を磁気記録
媒体用の潤滑剤として使用する場合を例にとり説明す
る。
媒体用の潤滑剤として使用する場合を例にとり説明す
る。
【0018】本発明のパーフルオロポリアルキルエーテ
ル系化合物において、R1(炭化水素)とRf(パーフ
ルオロポリエーテル基)にあっては、Rの炭素数が6〜
30、好ましくは炭素数は8〜20が適しており、総和
炭素数が5以下だと有機溶媒への溶解性が減少し、有機
溶媒を用いてテープ表面に潤滑膜を形成できなくなり、
炭素数が31以上だと潤滑剤をテープ表面に塗布する場
合の溶媒への溶解性が減少し、テープ表面に潤滑膜を形
成できなくなる。R2、R3、R4にあっては、炭素数
が、1〜30好ましくは炭素数は1〜20が適してお
り、総和炭素数が31以上だと潤滑剤をテープ表面に塗
布する場合の溶媒への溶解性が減少し、テープ表面に潤
滑膜を形成できなくなる。一般的にカルボン酸アミン塩
は極性基としては、極性が大きいため,有機溶媒への溶
解性は低いが,上記のように多くの炭化水素鎖を有する
材料は,有機溶媒への溶解性が大きく向上する。
ル系化合物において、R1(炭化水素)とRf(パーフ
ルオロポリエーテル基)にあっては、Rの炭素数が6〜
30、好ましくは炭素数は8〜20が適しており、総和
炭素数が5以下だと有機溶媒への溶解性が減少し、有機
溶媒を用いてテープ表面に潤滑膜を形成できなくなり、
炭素数が31以上だと潤滑剤をテープ表面に塗布する場
合の溶媒への溶解性が減少し、テープ表面に潤滑膜を形
成できなくなる。R2、R3、R4にあっては、炭素数
が、1〜30好ましくは炭素数は1〜20が適してお
り、総和炭素数が31以上だと潤滑剤をテープ表面に塗
布する場合の溶媒への溶解性が減少し、テープ表面に潤
滑膜を形成できなくなる。一般的にカルボン酸アミン塩
は極性基としては、極性が大きいため,有機溶媒への溶
解性は低いが,上記のように多くの炭化水素鎖を有する
材料は,有機溶媒への溶解性が大きく向上する。
【0019】Rfの平均分子量が500〜6000、好
ましくは平均分子量が1000〜4000が適してお
り、平均分子量が500未満だとパーフルオロポリエー
テル基が短すぎるため摩擦係数が大きく、平均分子量が
6000より大きいと有機溶媒への溶解性が減少し、有
機溶媒を用いてテープ表面に潤滑膜を形成できなくな
る。
ましくは平均分子量が1000〜4000が適してお
り、平均分子量が500未満だとパーフルオロポリエー
テル基が短すぎるため摩擦係数が大きく、平均分子量が
6000より大きいと有機溶媒への溶解性が減少し、有
機溶媒を用いてテープ表面に潤滑膜を形成できなくな
る。
【0020】本発明のパーフルオロポリアルキルエーテ
ル系化合物は、例えば一般式(1)におけるR1基を含
むこはく酸誘導体と、一般式(1)におけるパーフルオ
ロエーテル(Rf)を含む化合物とを混合し、150℃
程度で加熱し、反応させ、有機溶媒または無機溶媒を用
いた洗浄、分液ロートを用いた分液洗浄、カラムクロマ
トグラフィーを用いた精製等による不純物や不要物を除
去した精製物とR2、R3、R4基を含むアミン化合物を加熱
反応させ、精製することにより容易に合成することがで
きる。
ル系化合物は、例えば一般式(1)におけるR1基を含
むこはく酸誘導体と、一般式(1)におけるパーフルオ
ロエーテル(Rf)を含む化合物とを混合し、150℃
程度で加熱し、反応させ、有機溶媒または無機溶媒を用
いた洗浄、分液ロートを用いた分液洗浄、カラムクロマ
トグラフィーを用いた精製等による不純物や不要物を除
去した精製物とR2、R3、R4基を含むアミン化合物を加熱
反応させ、精製することにより容易に合成することがで
きる。
【0021】なお、一般式(1)におけるパーフルオロ
ポリエーテル基(Rf)を含む化合物は、市販されてい
るものも利用することができる。例えばアウジモント
(株)製、商品名Z−dol1000、Z−dol20
00、Z−dol4000等が挙げられる。前記Z−d
ol1000は、構造式としてHOCH2(CF2CF2O)m(CF2O)n
CH2OHを有する平均分子量1000の化合物である(Z
−dol2000およびZ−dol4000は、Z−d
ol1000と同じ構造式を有する化合物であるが、平
均分子量がそれぞれ2000および4000である)。
ポリエーテル基(Rf)を含む化合物は、市販されてい
るものも利用することができる。例えばアウジモント
(株)製、商品名Z−dol1000、Z−dol20
00、Z−dol4000等が挙げられる。前記Z−d
ol1000は、構造式としてHOCH2(CF2CF2O)m(CF2O)n
CH2OHを有する平均分子量1000の化合物である(Z
−dol2000およびZ−dol4000は、Z−d
ol1000と同じ構造式を有する化合物であるが、平
均分子量がそれぞれ2000および4000である)。
【0022】また、前記のように本発明のパーフルオロ
ポリアルキルエーテル系化合物は、記録媒体、とくに磁
気記録媒体用の潤滑剤として好適に用いることができ
る。なお、該潤滑剤には必要に応じて各種添加剤、例え
ば防錆剤を配合することもできる。防錆剤としては、従
来の磁気記録媒体に使用されているものであることがで
き、例えばフェノール類、ナフトール類、キノン類、窒
素原子を含む複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合
物、硫黄原子を含む複素環化合物等が挙げられる。
ポリアルキルエーテル系化合物は、記録媒体、とくに磁
気記録媒体用の潤滑剤として好適に用いることができ
る。なお、該潤滑剤には必要に応じて各種添加剤、例え
ば防錆剤を配合することもできる。防錆剤としては、従
来の磁気記録媒体に使用されているものであることがで
き、例えばフェノール類、ナフトール類、キノン類、窒
素原子を含む複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合
物、硫黄原子を含む複素環化合物等が挙げられる。
【0023】本発明の記録媒体は、前記の潤滑剤を含む
潤滑剤層を備えるものであり、例えば磁気記録媒体であ
る場合、具体的には、非磁性支持体上に、蒸着等の手法
により形成された金属磁性薄膜からなる磁性層、カーボ
ン膜および本発明のパーフルオロポリエーテルアルキル
系化合物からなる潤滑剤層が少なくとも順次形成されて
いる、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体であることが
できる。また、必要に応じて非磁性支持体と磁性層との
間に下地層を形成してもよい。
潤滑剤層を備えるものであり、例えば磁気記録媒体であ
る場合、具体的には、非磁性支持体上に、蒸着等の手法
により形成された金属磁性薄膜からなる磁性層、カーボ
ン膜および本発明のパーフルオロポリエーテルアルキル
系化合物からなる潤滑剤層が少なくとも順次形成されて
いる、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体であることが
できる。また、必要に応じて非磁性支持体と磁性層との
間に下地層を形成してもよい。
【0024】非磁性支持体は、とくに制限されるもので
はなく、公知のものを採用することができる。例えば、
非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛性を有する
基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等
の酸化皮膜やNi‐P皮膜等を形成してその表面を硬く
するようにしてもよい。磁性層を構成する金属磁性薄膜
もとくに制限されるものではなく、公知のものを採用す
ることができる。例えば、メッキやスパッタリング、真
空蒸着等のPVDの手法により連続膜として形成される
もので、Fe、Co、Ni等の金属やCo‐Ni系合
金、Co‐Pt系合金、Co‐Pt‐Ni系合金、Fe
‐Co系合金、Fe‐Ni系合金、Fe‐Co‐Ni系
合金、Fe‐Ni‐B系合金、Fe‐Co‐B系合金、
Fe‐Co‐Ni‐B系合金等からなる面内磁化記録金
属磁性膜やCo‐Cr系合金薄膜等が挙げられる。特
に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、予め非磁性支持
体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、S
i、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成してお
き、金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタ
し、金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性材料を拡散せ
しめ、配向性を解消して面内等方性を確保するととも
に、抗磁性を向上するようにしてもよい。
はなく、公知のものを採用することができる。例えば、
非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛性を有する
基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等
の酸化皮膜やNi‐P皮膜等を形成してその表面を硬く
するようにしてもよい。磁性層を構成する金属磁性薄膜
もとくに制限されるものではなく、公知のものを採用す
ることができる。例えば、メッキやスパッタリング、真
空蒸着等のPVDの手法により連続膜として形成される
もので、Fe、Co、Ni等の金属やCo‐Ni系合
金、Co‐Pt系合金、Co‐Pt‐Ni系合金、Fe
‐Co系合金、Fe‐Ni系合金、Fe‐Co‐Ni系
合金、Fe‐Ni‐B系合金、Fe‐Co‐B系合金、
Fe‐Co‐Ni‐B系合金等からなる面内磁化記録金
属磁性膜やCo‐Cr系合金薄膜等が挙げられる。特
に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、予め非磁性支持
体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、S
i、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成してお
き、金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタ
し、金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性材料を拡散せ
しめ、配向性を解消して面内等方性を確保するととも
に、抗磁性を向上するようにしてもよい。
【0025】カーボン膜を形成する方法としては、スパ
ッタリングが一般的であるが特に限定するものではな
く、いずれの方法も使用可能である。この場合カーボン
膜の膜厚は2〜100nmであることが望ましく、更に
望ましくは5〜30nmである。
ッタリングが一般的であるが特に限定するものではな
く、いずれの方法も使用可能である。この場合カーボン
膜の膜厚は2〜100nmであることが望ましく、更に
望ましくは5〜30nmである。
【0026】潤滑剤層は、前記カーボン膜上に潤滑剤を
常法によりトップコートすることにより形成可能であ
る。潤滑剤の塗布量は、例えば0.5〜100mg/m
2が好ましく、1〜20mg/m2がさらに好ましい。塗
布には潤滑剤をヘキサン等の有機溶媒に溶解したものを
使用することができる。なお、防錆剤等を用いる場合、
潤滑剤と複合してもよいが、カーボン膜上に防錆剤を塗
布した後、潤滑剤を塗布して2層以上設けるようにすれ
ば、防錆効果が高まり好ましい。
常法によりトップコートすることにより形成可能であ
る。潤滑剤の塗布量は、例えば0.5〜100mg/m
2が好ましく、1〜20mg/m2がさらに好ましい。塗
布には潤滑剤をヘキサン等の有機溶媒に溶解したものを
使用することができる。なお、防錆剤等を用いる場合、
潤滑剤と複合してもよいが、カーボン膜上に防錆剤を塗
布した後、潤滑剤を塗布して2層以上設けるようにすれ
ば、防錆効果が高まり好ましい。
【0027】本発明のパーフルオロポリアルキルエーテ
ル系化合物は、上記のように記録媒体、中でも磁気記録
媒体用の潤滑剤として用いるのが好ましい。しかし本発
明の潤滑剤は磁気記録媒体に限らず光記録媒体にも適用
でき、またその支持体もテープに限らず、磁気ディスク
や光ディスクのようなディスク媒体等の記録媒体にも用
いることができる。
ル系化合物は、上記のように記録媒体、中でも磁気記録
媒体用の潤滑剤として用いるのが好ましい。しかし本発
明の潤滑剤は磁気記録媒体に限らず光記録媒体にも適用
でき、またその支持体もテープに限らず、磁気ディスク
や光ディスクのようなディスク媒体等の記録媒体にも用
いることができる。
【0028】
【作用】従来の潤滑剤において、カルボン酸あるいはカ
ルボン酸アミン塩のような比較的極性が大きい化合物は
摩擦係数が小さいが、スチル耐久性が悪い傾向があり、
エステルのような比較的極性の小さい化合物はスチル耐
久性には優れるが、摩擦係数が大きい。本発明のパーフ
ルオロポリアルキルエーテル系化合物は、比較的極性の
弱いエステル基を有しているとともに、極性の強いカル
ボン酸アミン塩も有しているために、カーボン膜表面へ
の吸着力が強く、さらに流動性も得られることにより、
摩擦係数が小さく、スチル耐久性、シャトル耐久性に優
れた特性を示す。とくにカーボン膜上に本発明のパーフ
ルオロポリアルキルエーテル系化合物を潤滑剤として塗
布すると、カーボン膜上に潤滑剤分子の極性基部の一般
式(1)の2つのカルボン酸アミン塩が強固に吸着し、
疎水基間の凝集力およびエステル基の流動性により耐久
性の良好な潤滑剤層を形成することができる。また、従
来の含フッ素潤滑剤を塗布するにはフッ素系溶媒が必須
であるのに対し、本発明のパーフルオロポリアルキルエ
ーテル系化合物は、トルエン、アセトン等の炭化水素系
溶媒で塗布する事が可能であることから、環境へ与える
負荷が小さい好ましい。このように本発明のパーフルオ
ロポリアルキルエーテル系化合物を潤滑剤として用いた
磁気記録媒体は、各種使用条件下において優れた潤滑性
が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続さ
れ、優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供できる。
ルボン酸アミン塩のような比較的極性が大きい化合物は
摩擦係数が小さいが、スチル耐久性が悪い傾向があり、
エステルのような比較的極性の小さい化合物はスチル耐
久性には優れるが、摩擦係数が大きい。本発明のパーフ
ルオロポリアルキルエーテル系化合物は、比較的極性の
弱いエステル基を有しているとともに、極性の強いカル
ボン酸アミン塩も有しているために、カーボン膜表面へ
の吸着力が強く、さらに流動性も得られることにより、
摩擦係数が小さく、スチル耐久性、シャトル耐久性に優
れた特性を示す。とくにカーボン膜上に本発明のパーフ
ルオロポリアルキルエーテル系化合物を潤滑剤として塗
布すると、カーボン膜上に潤滑剤分子の極性基部の一般
式(1)の2つのカルボン酸アミン塩が強固に吸着し、
疎水基間の凝集力およびエステル基の流動性により耐久
性の良好な潤滑剤層を形成することができる。また、従
来の含フッ素潤滑剤を塗布するにはフッ素系溶媒が必須
であるのに対し、本発明のパーフルオロポリアルキルエ
ーテル系化合物は、トルエン、アセトン等の炭化水素系
溶媒で塗布する事が可能であることから、環境へ与える
負荷が小さい好ましい。このように本発明のパーフルオ
ロポリアルキルエーテル系化合物を潤滑剤として用いた
磁気記録媒体は、各種使用条件下において優れた潤滑性
が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続さ
れ、優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに説明するが、本発明は下記例に何ら限定されるもの
ではない。
らに説明するが、本発明は下記例に何ら限定されるもの
ではない。
【0030】本発明のパーフルオロポリアルキルエーテ
ル系化合物の合成例1 一般式(1)におけるR1基を含むこはく酸誘導体とし
てオクタデシルこはく酸無水物を用い、一般式(1)に
おけるパーフルオロポリエーテル基(Rf)を含む化合
物としてZ−dol2000を用い、一般式(1)にお
けるR2、R3、R4基を含むアミン化合物としてステ
アリルアミンを用いて、本発明のパーフルオロポリアル
キルエーテル系化合物を合成した。合成手順は以下に示
す。
ル系化合物の合成例1 一般式(1)におけるR1基を含むこはく酸誘導体とし
てオクタデシルこはく酸無水物を用い、一般式(1)に
おけるパーフルオロポリエーテル基(Rf)を含む化合
物としてZ−dol2000を用い、一般式(1)にお
けるR2、R3、R4基を含むアミン化合物としてステ
アリルアミンを用いて、本発明のパーフルオロポリアル
キルエーテル系化合物を合成した。合成手順は以下に示
す。
【0031】オクタデシルこはく酸無水物C18H37C4H3O3
の10.0gとZ−dol2000の28.4gを混合
し、3時間、120℃で還流した。反応終了後、トルエ
ン200mlに反応物を溶解させ、10%NaOH水溶
液300mlを加え、激しく振った。生成した白色固体
(目的物のNa塩)をガラスろ過器で吸引ろ過した。さ
らに水240mlで2回、トルエン200mlで1回、
ガラスろ過器の上で白色固体を洗浄した。この操作で原
料のオクタデシルこはく酸無水物を除去することができ
た。次に、白色固体を分液ロートに入れ、トルエン30
0ml、塩酸300mlを加え分液洗浄し脱塩した。さ
らに塩酸300mlで2回、塩化ナトリウム水溶液で2
回、分液洗浄し、トルエン相を回収し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥させた。1時間後、ろ過し、トルエン相を濃縮
した。続いて、カラムクロマトグラフィーにより回収物
を精製した。カラム条件は、カラム充填物:シリカゲ
ル、カラム温度:常温、溶離液:トルエンおよび酢酸エ
チル10%トルエン90%の混合溶媒である。目的物は
酢酸エチル10%トルエン90%の混合溶媒を用いた時
に溶出する。回収物は19gであった。回収物をIR分
析したところ、一般式C18H37-CH(CH2COOH)COO-Rf-OCOCH
(CH2COOH)-C18H37(Rfは平均分子量2000のパーフ
ルオロポリエーテル基である)を有することが判明し
た。
の10.0gとZ−dol2000の28.4gを混合
し、3時間、120℃で還流した。反応終了後、トルエ
ン200mlに反応物を溶解させ、10%NaOH水溶
液300mlを加え、激しく振った。生成した白色固体
(目的物のNa塩)をガラスろ過器で吸引ろ過した。さ
らに水240mlで2回、トルエン200mlで1回、
ガラスろ過器の上で白色固体を洗浄した。この操作で原
料のオクタデシルこはく酸無水物を除去することができ
た。次に、白色固体を分液ロートに入れ、トルエン30
0ml、塩酸300mlを加え分液洗浄し脱塩した。さ
らに塩酸300mlで2回、塩化ナトリウム水溶液で2
回、分液洗浄し、トルエン相を回収し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥させた。1時間後、ろ過し、トルエン相を濃縮
した。続いて、カラムクロマトグラフィーにより回収物
を精製した。カラム条件は、カラム充填物:シリカゲ
ル、カラム温度:常温、溶離液:トルエンおよび酢酸エ
チル10%トルエン90%の混合溶媒である。目的物は
酢酸エチル10%トルエン90%の混合溶媒を用いた時
に溶出する。回収物は19gであった。回収物をIR分
析したところ、一般式C18H37-CH(CH2COOH)COO-Rf-OCOCH
(CH2COOH)-C18H37(Rfは平均分子量2000のパーフ
ルオロポリエーテル基である)を有することが判明し
た。
【0032】さらに、精製したC18H37-CH(CH2COOH)COO-
Rf-OCOCH(CH2COOH)-C18H37 19gにステアリルアミン
4.6g加え、2時間加熱混合した。反応終了後、目的
物を回収した。回収物をIR分析したところ、一般式C1
8H37-CH(CH2COO・H3NC18H37)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・H3N
C18H37)-C18H37 を有することが判明した。回収物は2
3.5gであり、回収率約100%であった。回収物を
IR分析したところ、一般式C18H37-CH(CH2COO・H3NC18
H37)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・H3NC18H37)-C18H37を有する
ことが判明した。
Rf-OCOCH(CH2COOH)-C18H37 19gにステアリルアミン
4.6g加え、2時間加熱混合した。反応終了後、目的
物を回収した。回収物をIR分析したところ、一般式C1
8H37-CH(CH2COO・H3NC18H37)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・H3N
C18H37)-C18H37 を有することが判明した。回収物は2
3.5gであり、回収率約100%であった。回収物を
IR分析したところ、一般式C18H37-CH(CH2COO・H3NC18
H37)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・H3NC18H37)-C18H37を有する
ことが判明した。
【0033】本発明のパーフルオロポリアルキルエーテ
ル系化合物の合成例2 一般式(1)におけるR1基を含むこはく酸誘導体とし
てオクタデシルこはく酸無水物を用い、一般式(1)に
おけるパーフルオロポリエーテル基(Rf)を含む化合
物としてZ−dol2000を用い、一般式(1)にお
けるR2、R3、R4基を含むアミン化合物としてトリ
エチルアミンを用いて、本発明のパーフルオロポリアル
キルエーテル系化合物を合成した。合成手順は以下に示
す。
ル系化合物の合成例2 一般式(1)におけるR1基を含むこはく酸誘導体とし
てオクタデシルこはく酸無水物を用い、一般式(1)に
おけるパーフルオロポリエーテル基(Rf)を含む化合
物としてZ−dol2000を用い、一般式(1)にお
けるR2、R3、R4基を含むアミン化合物としてトリ
エチルアミンを用いて、本発明のパーフルオロポリアル
キルエーテル系化合物を合成した。合成手順は以下に示
す。
【0034】オクタデシルこはく酸無水物C18H37C4H3O3
の10.0gとZ−dol2000の28.4gを混合し、
3時間、120℃で還流した。反応終了後、トルエン2
00mlに反応物を溶解させ、10%NaOH水溶液3
00mlを加え、激しく振った。生成した白色固体(目
的物のNa塩)をガラスろ過器で吸引ろ過した。さらに
水240mlで2回、トルエン200mlで1回、ガラ
スろ過器の上で白色固体を洗浄した。この操作で原料の
オクタデシルこはく酸無水物を除去することができた。
次に、白色固体を分液ロートに入れ、トルエン300m
l、塩酸300mlを加え分液洗浄し脱塩した。さらに
塩酸300mlで2回、塩化ナトリウム水溶液で2回、
分液洗浄し、トルエン相を回収し、硫酸マグネシウムで
乾燥させた。1時間後、ろ過し、トルエン相を濃縮し
た。続いて、カラムクロマトグラフィーにより回収物を
精製した。カラム条件は、カラム充填物:シリカゲル、
カラム温度:常温、溶離液:トルエンおよび酢酸エチル
10%トルエン90%の混合溶媒である。目的物は酢酸
エチル10%トルエン90%の混合溶媒を用いた時に溶
出する。回収物は19gであった。回収物をIR分析し
たところ、一般式C18H37-CH(CH2COOH)COO-Rf-OCOCH(CH2
COOH)-C18H37(Rfは平均分子量2000のパーフルオ
ロポリエーテル基である)を有することが判明した。
の10.0gとZ−dol2000の28.4gを混合し、
3時間、120℃で還流した。反応終了後、トルエン2
00mlに反応物を溶解させ、10%NaOH水溶液3
00mlを加え、激しく振った。生成した白色固体(目
的物のNa塩)をガラスろ過器で吸引ろ過した。さらに
水240mlで2回、トルエン200mlで1回、ガラ
スろ過器の上で白色固体を洗浄した。この操作で原料の
オクタデシルこはく酸無水物を除去することができた。
次に、白色固体を分液ロートに入れ、トルエン300m
l、塩酸300mlを加え分液洗浄し脱塩した。さらに
塩酸300mlで2回、塩化ナトリウム水溶液で2回、
分液洗浄し、トルエン相を回収し、硫酸マグネシウムで
乾燥させた。1時間後、ろ過し、トルエン相を濃縮し
た。続いて、カラムクロマトグラフィーにより回収物を
精製した。カラム条件は、カラム充填物:シリカゲル、
カラム温度:常温、溶離液:トルエンおよび酢酸エチル
10%トルエン90%の混合溶媒である。目的物は酢酸
エチル10%トルエン90%の混合溶媒を用いた時に溶
出する。回収物は19gであった。回収物をIR分析し
たところ、一般式C18H37-CH(CH2COOH)COO-Rf-OCOCH(CH2
COOH)-C18H37(Rfは平均分子量2000のパーフルオ
ロポリエーテル基である)を有することが判明した。
【0035】さらに、精製したC18H37-CH(CH2COOH)COO-
Rf-OCOCH(CH2COOH)-C18H37 19gにトリエチルアミン
1.7g加え、2時間加熱混合した。反応終了後、目的
物を回収した。回収物をIR分析したところ、一般式C1
8H37-CH(CH2COO・HN(C2H5)3)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN
(C2H5)3)-C18H37 を有することが判明した。回収物は
20.5gであり、回収率約80%であった。回収物を
IR分析したところ、一般式C18H37-CH(CH2COO・HN(C2H
5)3)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(C2H5)3)-C18H37 を有す
ることが判明した。
Rf-OCOCH(CH2COOH)-C18H37 19gにトリエチルアミン
1.7g加え、2時間加熱混合した。反応終了後、目的
物を回収した。回収物をIR分析したところ、一般式C1
8H37-CH(CH2COO・HN(C2H5)3)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN
(C2H5)3)-C18H37 を有することが判明した。回収物は
20.5gであり、回収率約80%であった。回収物を
IR分析したところ、一般式C18H37-CH(CH2COO・HN(C2H
5)3)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(C2H5)3)-C18H37 を有す
ることが判明した。
【0036】なお、前記と類似な手法を採れば、一般式
(1)におけるR1基、任意のパーフルオロポリエーテ
ル基(Rf)およびR2、R3、R4基を任意に設定
し、本発明のパーフルオロポリアルキルエーテル系化合
物を合成することができる。その具体例を下記表1に示
す。
(1)におけるR1基、任意のパーフルオロポリエーテ
ル基(Rf)およびR2、R3、R4基を任意に設定
し、本発明のパーフルオロポリアルキルエーテル系化合
物を合成することができる。その具体例を下記表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1〜32
下記表2の原料を用いて本発明のパーフルオロポリアル
キルエーテル系化合物を前記の合成例と同様の手順で合
成し、これを潤滑剤として下記試験に供した。
キルエーテル系化合物を前記の合成例と同様の手順で合
成し、これを潤滑剤として下記試験に供した。
【0039】
【表2】
【0040】比較例1〜5
下記表3の構造を有する化合物を潤滑剤をして下記試験
に供した。
に供した。
【0041】
【表3】
【0042】サンプルテープの作製
7.0μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに
上述の斜法蒸着法によりCoを被着させ、膜厚180n
mの金属磁性薄膜を形成した。次いで上述のマグネトロ
ンスパッタリング装置を用いて前記金属磁性薄膜上に約
8nmの厚さのカーボン保護膜を形成した。次いでポリ
エチレンテレフタレートフィルムの金属磁性薄膜が形成
された面と反対側の面にカーボン及びポリウレタン樹脂
よりなる厚さ0.5μmのバックコート層を形成した。
次に、上記表1または表2、表3に示される化合物をト
ルエン溶媒に溶解したものを上記カーボン保護膜の表面
に塗布量が5mg/m2となるように塗布した。得られ
た磁気記録媒体を6.35mm幅に裁断して実施例とな
るサンプルテープを作製した。
上述の斜法蒸着法によりCoを被着させ、膜厚180n
mの金属磁性薄膜を形成した。次いで上述のマグネトロ
ンスパッタリング装置を用いて前記金属磁性薄膜上に約
8nmの厚さのカーボン保護膜を形成した。次いでポリ
エチレンテレフタレートフィルムの金属磁性薄膜が形成
された面と反対側の面にカーボン及びポリウレタン樹脂
よりなる厚さ0.5μmのバックコート層を形成した。
次に、上記表1または表2、表3に示される化合物をト
ルエン溶媒に溶解したものを上記カーボン保護膜の表面
に塗布量が5mg/m2となるように塗布した。得られ
た磁気記録媒体を6.35mm幅に裁断して実施例とな
るサンプルテープを作製した。
【0043】耐久性および走行性の評価
上述のようにして作製された各サンプルテープを用い、
温度40℃、湿度80%の条件で摩擦係数を、温度―5
℃の条件でスチル耐久性を、温度40℃、湿度20%の
条件でシャトル耐久性をそれぞれ測定した。結果を表4
に示す。尚本発明者等の評価において、上記各環境条件
が最も厳しい環境条件であることから各測定の環境条件
を決定した。また、スチル耐久性及びシャトル耐久性の
測定には、市販のデジタルビデオカムコーダー(ソニー
製VX1000)を用いた。
温度40℃、湿度80%の条件で摩擦係数を、温度―5
℃の条件でスチル耐久性を、温度40℃、湿度20%の
条件でシャトル耐久性をそれぞれ測定した。結果を表4
に示す。尚本発明者等の評価において、上記各環境条件
が最も厳しい環境条件であることから各測定の環境条件
を決定した。また、スチル耐久性及びシャトル耐久性の
測定には、市販のデジタルビデオカムコーダー(ソニー
製VX1000)を用いた。
【0044】(1)摩擦係数測定方法
摩擦係数の測定は、恒温槽中で温度40℃、湿度80%
RHに制御して、サンプルテープを100パス走行させ
て測定した。尚摩擦走行100パス目の数値を摩擦係数
として表中に記した。 (2)スチル耐久性測定方法 スチル耐久性は、―5℃の恒温槽中で行い、再生出力が
3dB落ちるまでの時間を測定した。 (3)シャトル耐久性測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽中で温度40℃湿度20%R
Hに制御して、サンプルテープ60分長を100パスシ
ャトル走行させ、100パス走行後にその再生出力が初
期出力から何dB落ちるかを測定した。
RHに制御して、サンプルテープを100パス走行させ
て測定した。尚摩擦走行100パス目の数値を摩擦係数
として表中に記した。 (2)スチル耐久性測定方法 スチル耐久性は、―5℃の恒温槽中で行い、再生出力が
3dB落ちるまでの時間を測定した。 (3)シャトル耐久性測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽中で温度40℃湿度20%R
Hに制御して、サンプルテープ60分長を100パスシ
ャトル走行させ、100パス走行後にその再生出力が初
期出力から何dB落ちるかを測定した。
【0045】溶媒に対する溶解度評価
実施例1〜実施例32及び比較例3で使用した潤滑剤に
ついてエタノール、アセトン、トルエンの各溶媒に対す
る溶解性を調べた。評価は、各溶媒に易溶な場合は、潤
滑剤が溶媒に不溶な場合は×とした。各潤滑剤の溶解性
評価の結果を表5に示す。
ついてエタノール、アセトン、トルエンの各溶媒に対す
る溶解性を調べた。評価は、各溶媒に易溶な場合は、潤
滑剤が溶媒に不溶な場合は×とした。各潤滑剤の溶解性
評価の結果を表5に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】前記結果より、本発明のパーフルオロポリ
アルキルエーテル系化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤と
して用いることにより、高温多湿、高温低湿あるいは低
温等の様々な使用条件下においても摩擦係数、スチル耐
久性またはシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非常
に良好な結果が得られたことが分かる。
アルキルエーテル系化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤と
して用いることにより、高温多湿、高温低湿あるいは低
温等の様々な使用条件下においても摩擦係数、スチル耐
久性またはシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非常
に良好な結果が得られたことが分かる。
【0049】
【発明の効果】本発明のパーフルオロポリアルキルエー
テル系化合物は、記録媒体、とくに磁気記録媒体用の潤
滑剤として有用である。特に、非磁性支持体上に、磁性
層、カーボン膜層、および潤滑剤よりなる潤滑剤層が少
なくとも順次形成されてなる磁気記録媒体において、潤
滑剤として前記のパーフルオロポリアルキルエーテル系
化合物を用いれば、各種条件下において優れた潤滑性が
保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続さ
れ、優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供すること
のできる磁気記録媒体が得られる。
テル系化合物は、記録媒体、とくに磁気記録媒体用の潤
滑剤として有用である。特に、非磁性支持体上に、磁性
層、カーボン膜層、および潤滑剤よりなる潤滑剤層が少
なくとも順次形成されてなる磁気記録媒体において、潤
滑剤として前記のパーフルオロポリアルキルエーテル系
化合物を用いれば、各種条件下において優れた潤滑性が
保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続さ
れ、優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供すること
のできる磁気記録媒体が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G11B 5/72 G11B 5/72
// C10N 30:00 C10N 30:00 Z
30:06 30:06
40:18 40:18
(72)発明者 岸井 典之
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
(72)発明者 岩本 浩
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
(72)発明者 坪井 寿憲
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB60 BM10 BM71
BS10 KC12
4H104 BD07A CD04A LA03 LA20
PA16
4J005 AA10 BD02 BD05
5D006 AA01 FA02 FA05 FA06
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 R1-CH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)-R1 ‥(1) (式中、R1は炭素原子が6〜30の飽和の脂肪酸炭化
水素基を示し、Rfは平均分子量が500〜6000の
パーフルオロポリエーテル基を示し、R2、R3、R4
は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪酸炭
化水素基を示す。)で表されることを特徴とするパーフ
ルオロポリアルキルエーテル系化合物。 - 【請求項2】 下記一般式(1): 【化2】 R1-CH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)-R1 ‥(1) (式中、R1は炭素原子が6〜30の飽和の脂肪酸炭化
水素基を示し、Rfは平均分子量が500〜6000の
パーフルオロポリエーテル基を示し、R2、R3、R4
は炭素原子が1〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪酸炭
化水素基を示す。)で表されるパーフルオロポリアルキ
ルエーテル系化合物よりなることを特徴とする記録媒体
用潤滑剤。 - 【請求項3】 支持体上に、記録層、及び潤滑剤よりな
る潤滑剤層が少なくとも形成されてなる記録媒体であっ
て、前記潤滑剤が下記一般式(1): 【化3】 R1-CH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)COO-Rf-OCOCH(CH2COO・HN(R2)(R3)R4)-R1 ‥(1) 式中、R1は炭素原子が6〜30の飽和の脂肪酸炭化水
素基を示し、Rfは平均分子量が500〜6000のパ
ーフルオロポリエーテル基を示し、R2、R3、R4は
炭素原子が1〜30の飽和もしくは不飽和の脂肪酸炭化
水素基を示す。)で表されるパーフルオロポリアルキル
エーテル系化合物を含むことを特徴とする記録媒体。 - 【請求項4】 前記記録層が磁性層であり、前記記録媒
体が磁気記録媒体であることを特徴とする請求項3記載
の記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001246210A JP2003055310A (ja) | 2001-08-14 | 2001-08-14 | パーフルオロポリアルキルエーテル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001246210A JP2003055310A (ja) | 2001-08-14 | 2001-08-14 | パーフルオロポリアルキルエーテル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003055310A true JP2003055310A (ja) | 2003-02-26 |
Family
ID=19075817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001246210A Pending JP2003055310A (ja) | 2001-08-14 | 2001-08-14 | パーフルオロポリアルキルエーテル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003055310A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018159378A1 (ja) * | 2017-03-02 | 2018-09-07 | 昭和電工株式会社 | 磁気記録媒体用潤滑剤および磁気記録媒体の製造方法 |
-
2001
- 2001-08-14 JP JP2001246210A patent/JP2003055310A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018159378A1 (ja) * | 2017-03-02 | 2018-09-07 | 昭和電工株式会社 | 磁気記録媒体用潤滑剤および磁気記録媒体の製造方法 |
CN110301005A (zh) * | 2017-03-02 | 2019-10-01 | 昭和电工株式会社 | 磁记录介质用润滑剂及磁记录介质的制造方法 |
JPWO2018159378A1 (ja) * | 2017-03-02 | 2020-01-16 | 昭和電工株式会社 | 磁気記録媒体用潤滑剤および磁気記録媒体の製造方法 |
CN110301005B (zh) * | 2017-03-02 | 2021-01-26 | 昭和电工株式会社 | 磁记录介质用润滑剂及磁记录介质的制造方法 |
JP7034135B2 (ja) | 2017-03-02 | 2022-03-11 | 昭和電工株式会社 | 磁気記録媒体用潤滑剤および磁気記録媒体の製造方法 |
US11514945B2 (en) | 2017-03-02 | 2022-11-29 | Showa Denko K.K. | Lubricant for magnetic recording medium, and method for producing magnetic recording medium |
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