JP2002265593A - フルオロポリアルキルエーテル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 - Google Patents

フルオロポリアルキルエーテル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体

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Takahiro Kamei
隆広 亀井
Noriyuki Kishii
典之 岸井
Kenichi Kurihara
研一 栗原
Takeshi Kobayashi
健 小林
Hiroshi Iwamoto
岩本  浩
Hisanori Tsuboi
寿憲 坪井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)低温特性に優れること、(2)極め
て薄く塗布できること、(3)長時間、あるいは長期間
の使用に耐え、潤滑効果が持続すること、等の要求を満
たす磁気記録媒体用の潤滑剤を提供する。 【解決手段】 例えばHO−Rf−OCO−(CH22
−OCO−Rf−OH(Rfは平均分子量2000のフ
ルオロポリエーテル基)を磁気記録媒体用の潤滑剤とし
て用いる。また磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、磁
性層、カーボン膜層および潤滑剤よりなる潤滑剤層を順
次設けて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルオロポリアル
キルエーテル系化合物、該化合物からなる記録媒体用潤
滑剤、および該潤滑剤からなる潤滑層を含む記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の記録媒体、例えば磁気記録媒体と
しては、強磁性金属材料を蒸着等の手法により非磁性支
持体上に被着し、これを磁性層としたいわゆる金属薄膜
型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合
剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを
磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒体等が知られ
ている。これら従来の磁気記録媒体は、磁性層表面の平
滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドロー
ラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きく、
従って摩擦係数が大きくなり凝着現象(いわゆる張り付
き)が起きやすく走行性や耐久性に欠ける等、問題点が
多い。そこで、これら問題点を改善するために各種の潤
滑剤を使用することが検討されてきており、従来より高
級脂肪酸やそのエステル等を前記磁気記録媒体の磁性層
に内添したり、あるいはトップコートすることにより摩
擦係数を抑えようとする試みがなされている。
【0003】しかしながら、磁気記録媒体に使用される
潤滑剤には、その性質上非常に厳しい特性が要求され、
従来用いられている潤滑剤ではその要求を満足すること
が難しいのが現状である。すなわち、磁気記録媒体に使
用される潤滑剤には、(1)寒冷地での使用に際して所
定の潤滑効果が確保されるように低温特性に優れるこ
と、(2)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるの
で極めて薄く塗布できることと、その場合にも十分な潤
滑特性が発揮されること、(3)長時間、あるいは長期
間の使用に耐え、潤滑効果が持続すること、等が要求さ
れる。
【0004】なお、金属薄膜型の磁気記録媒体のための
潤滑剤として、下記一般式(i)で示されるパーフルオ
ロポリエーテルジオールが提案されている。
【0005】
【化4】HO−Rf−OH (i)
【0006】(式中、Rfは平均分子量が500〜60
00のパーフルオロポリエーテル基を示す。) しかし、前記のパーフルオロポリエーテルジオールはシ
ャトル耐久性が低いという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、記録媒
体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足に起
因して、例えばシャトル走行試験において再生出力がレ
ベルダウンする等、実用特性に不満を残している。そこ
で本発明は、各種使用条件下において優れた潤滑性が保
たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、
優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供することので
きる化合物、該化合物からなる潤滑剤、および記録媒体
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(1):
【0009】
【化5】 HO−Rf−OCO−R−OCO−Rf−OH …(1)
【0010】(式中、Rは炭素原子数が2〜30の飽和
もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を示し、Rfは平均分子量が500〜6000のフ
ルオロポリエーテル基を示す。)で表されることを特徴
とするフルオロポリアルキルエーテル系化合物を提供す
るものである。
【0011】また本発明は、下記一般式(1):
【0012】
【化6】 HO−Rf−OCO−R−OCO−Rf−OH …(1)
【0013】(式中、Rは炭素原子数が2〜30の飽和
もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を示し、Rfは平均分子量が500〜6000のフ
ルオロポリエーテル基を示す。)で表されるフルオロポ
リアルキルエーテル系化合物よりなることを特徴とする
記録媒体用潤滑剤を提供するものである。
【0014】さらに本発明は、支持体上に、記録層およ
び潤滑剤よりなる潤滑剤層が少なくとも順次形成されて
なる記録媒体であって、前記潤滑剤が下記一般式
(1):
【0015】
【化7】 HO−Rf−OCO−R−OCO−Rf−OH …(1)
【0016】(式中、Rは炭素原子数が2〜30の飽和
もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水
素基を示し、Rfは平均分子量が500〜6000のフ
ルオロポリエーテル基を示す。)で表されるフルオロポ
リアルキルエーテル系化合物であることを特徴とする記
録媒体を提供するものである。
【0017】本発明のフルオロポリアルキルエーテル系
化合物は記録媒体の潤滑剤として用いることにより、各
種使用条件下において優れた潤滑性が保たれるととも
に、長時間にわたり潤滑効果が持続され、優れた走行
性、耐摩耗性、耐久性等を有する記録媒体を提供するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化合物を磁気記録
媒体用の潤滑剤として使用する場合を例にとり説明す
る。
【0019】本発明のフルオロポリアルキルエーテル系
化合物において、Rは炭素原子数が2〜30、好ましく
は2〜20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、
または芳香族炭化水素基である。Rの炭素数が30を超
えると、有機溶媒への溶解性が減少し、有機溶媒を用い
て例えばカーボン膜層上に潤滑層の膜を形成できなくな
る。また、Rfは平均分子量が500〜6000、好ま
しくは1000〜4000のフルオロポリエーテル基で
ある。Rfの平均分子量が500未満であるとフルオロ
ポリエーテル基が短すぎるため摩擦係数が大きくなる。
逆にRfの平均分子量が6000を超えると有機溶媒へ
の溶解性が減少し、有機溶媒を用いて例えばカーボン膜
層上に潤滑層の膜を形成できなくなる。
【0020】本発明のフルオロポリアルキルエーテル系
化合物は、例えば一般式(1)におけるR基を含むジカ
ルボン酸誘導体を、塩化チオニルとともに100℃程度
に加熱し、反応させ、余分な塩化チオニルを除去した精
製物と、一般式(1)におけるフルオロポリエーテル基
(Rf)を含む化合物とを混合し、150℃程度で加熱
し、反応させ、有機溶媒または無機溶媒を用いた洗浄、
分液ロートを用いた分液洗浄、カラムクロマトグラフィ
ーを用いた精製等により不純物や不要物を除去すること
により容易に合成することができる。
【0021】なお、一般式(1)におけるフルオロポリ
エーテル基(Rf)を含む化合物は、市販されているも
のも利用することができ、例えばアウジモント(株)
製、商品名Z−dol 1000、Z−dol 200
0、Z−dol 4000等が挙げられる。前記Z−d
ol 1000は、構造式としてHOCH2(CF2CF2
O)m(CF2O)nCH2OHを有する平均分子量100
0の化合物である(Z−dol 2000およびZ−d
ol 4000は、Z−dol 1000と同じ構造式を
有する化合物であるが、平均分子量がそれぞれ2000
および4000である)。
【0022】また、前記のように本発明のフルオロポリ
アルキルエーテル系化合物は、とくに記録媒体用の潤滑
剤として好適に用いることができる。なお、該潤滑剤に
は必要に応じて各種添加剤、例えば防錆剤を配合するこ
ともできる。防錆剤としては、従来の磁気記録媒体に使
用されているものであることができ、例えばフェノール
類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化
合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複
素環化合物等が挙げられる。
【0023】本発明の記録媒体は、前記の潤滑剤からな
る潤滑剤層を含むものであり、例えば磁気記録媒体であ
る場合、具体的には、非磁性支持体上に、蒸着等の手法
により形成された金属磁性薄膜からなる磁性層、カーボ
ン膜層および本発明のフルオロポリアルキルエーテル系
化合物からなる潤滑剤層が順次形成された磁気記録媒体
であることができる。また、必要に応じて非磁性支持体
と磁性層との間に下地層を形成してもよい。
【0024】非磁性支持体は、とくに制限されるもので
はなく、公知のものを採用することができる。例えば、
非磁性支持体としてAl合金板やガラス板等の剛性を有
する基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処
理等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその表面を
硬くするようにしてもよい。
【0025】磁性層を構成する金属磁性薄膜もとくに制
限されるものではなく、公知のものを採用することがで
きる。例えば、メッキ、スパッタリング、真空蒸着等の
手法により連続膜として形成されるもので、例えばF
e、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−P
t系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合
金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe
−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、Fe−Co
−Ni−B系合金等からなる面内磁化記録金属磁性薄膜
や、Co−Cr系合金磁性薄膜等が挙げられる。とく
に、面内磁化記録金属磁性薄膜を採用する場合、予め非
磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、
Ge、Si、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成
しておき、その上に前記金属類を下地層に対し垂直方向
から蒸着あるいはスパッタリングし、金属磁性薄膜中に
これら低融点非磁性材料を拡散せしめ、配向性を解消し
て面内等方性を確保するとともに抗磁性を向上するよう
にしてもよい。
【0026】カーボン膜層の形成方法としては、スパッ
タリングが一般的であるがとくに制限するものではな
く、公知のいずれの方法も採用可能である。カーボン膜
の膜厚は、2〜100nmが好ましく、さらに好ましく
は5〜30nmである。
【0027】潤滑剤層は、前記カーボン膜層上に潤滑剤
を常法によりトップコートすることにより形成可能であ
る。潤滑剤の塗布量は、例えば0.5〜100mg/m
2が好ましく、1〜20mg/m2がさらに好ましい。塗
布には潤滑剤をヘキサンなどの有機溶媒に溶解したもの
を使用することができる。なお、防錆剤を用いる場合、
潤滑剤と複合して用いてもよいが、カーボン膜層上に防
錆剤を塗布した後、潤滑剤を塗布して2層以上設けるよ
うにすれば、防錆効果が高まり好ましい。
【0028】本発明のフルオロポリアルキルエーテル系
化合物は、上記のように記録媒体、中でも磁気記録媒体
用の潤滑剤として用いるのが好ましい。しかし本発明の
潤滑剤は磁気記録媒体に限らず光記録媒体にも適用で
き、またその支持体もテープに限らず、磁気ディスクや
光ディスクのようなディスク媒体等の記録媒体にも用い
ることができる。
【0029】
【作用】従来の潤滑剤において、カルボン酸あるいはカ
ルボン酸アミン塩のような比較的極性が大きい化合物
は、摩擦係数が小さいがスチル耐久性が悪い傾向があ
り、エステル化合物のような比較的極性の小さい化合物
はスチル耐久性には優れるが、摩擦係数が大きい。
【0030】本発明のフルオロポリアルキルエーテル系
化合物は、比較的極性の弱いエステル基およびアルコー
ル基を用いているが、従来の潤滑剤に比べ、1分子あた
りの極性基の数が4つと多い。そのため、カーボン膜層
表面への吸着力が強くなる。また、本発明の化合物は、
末端極性基として2つのエステル基およびアルコール基
を有することから摩擦係数が小さく、かつスチル耐久性
に優れた特性を示す。とくにカーボン膜層上に本発明の
フルオロポリアルキルエーテル系化合物を潤滑剤として
塗布すると、カーボン膜層上に末端極性基の2つのエス
テル基および2つのアルコール基が吸着し、疎水基間の
凝集力により耐久性の良好な潤滑剤層を形成することが
できる。
【0031】また、従来の含フッ素潤滑剤を塗布するに
はフッ素系溶媒が必須であるのに対し、本発明のフルオ
ロポリアルキルエーテル系化合物は、トルエン、アセト
ン等の炭化水素系溶媒を用いた塗布が可能であることか
ら環境へ与える負荷が小さく好ましい。
【0032】さらに、現在ではヘッド/記録媒体インタ
ーフェースのスペーシングが数nmになり、ヘッドと記
録媒体が接触する頻度が高くなってきているために、潤
滑剤の分解が大きな問題となりつつある。例えば市販さ
れているアウジモント(株)製、商品名Z−dolのよ
うなパーフルオロポリエーテルであると、CF2−O−
CF2のエーテル部分が摺動により解裂し、潤滑剤の分
解が起こってしまう。しかしながら、本発明のフルオロ
ポリアルキルエーテル系化合物は、摺動により生じたエ
ネルギーを、フルオロポリエーテルの連結基(R基)の
分解により散逸させることで、潤滑剤主鎖のフルオロポ
リエーテル部分の分解を抑えることができる。
【0033】このように本発明のフルオロポリアルキル
エーテル系化合物を潤滑剤として用いた磁気記録媒体
は、各種使用条件下において優れた潤滑性が保たれると
ともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、優れた走
行性、耐摩耗性、耐久性等を提供できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに説明するが、本発明は下記例に何ら限定されるもの
ではない。
【0035】本発明のフルオロポリアルキルエーテル系
化合物の合成例 一般式(1)におけるR基を含むジカルボン酸誘導体と
してエチルジカルボン酸を用い、一般式(1)における
フルオロポリエーテル基(Rf)を含む化合物としてZ
−dol 2000を用いて、本発明のフルオロポリア
ルキルエーテル系化合物を合成した。合成手順を以下に
示す。
【0036】エチルジカルボン酸HOOC−(CH22
−COOHの1.0gと塩化チオニル2gを約100℃
で加熱混合し、約3時間還流した。反応終了後、エバポ
レーターにより未反応の塩化チオニルを除去し、反応精
製物を回収した。次に得られた反応精製物にZ−dol
2000の30gを混合し、3時間、150℃で還流
した。反応終了後、トルエン100mlに反応物を溶解
させ、続いて、カラムクロマトグラフィーにより回収物
を精製した。カラム条件は、カラム充填物:シリカゲ
ル、カラム温度:室温、溶離液:トルエンおよび酢酸エ
チル10%トルエン90%の混合溶媒である。目的物は
酢酸エチル10%トルエン90%の混合溶媒を用いたと
きに溶出する。回収物は20gであった。回収物をIR
分析したところ、一般式HO−Rf−OCO−(C
22−OCO−Rf−OH(Rfは平均分子量200
0のフルオロポリエーテル基である)を有することが判
明した。図1にIR分析結果を示す。
【0037】なお、前記と同様の手法を採れば、一般式
(1)におけるR基および任意のフルオロポリエーテル
基(Rf)を任意に設定し、本発明のフルオロポリアル
キルエーテル系化合物を合成することができる。その具
体例を下記表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1〜18 下記表2の構造を有する本発明のフルオロポリアルキル
エーテル系化合物を前記の合成例と同様の手順で合成
し、これを潤滑剤として下記試験に供した。
【0040】
【表2】
【0041】比較例1〜5 下記表3の構造を有する化合物を潤滑剤として下記試験
に供した。
【0042】
【表3】
【0043】サンプルテープの作製 7.0μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、Coを蒸着させ、膜厚180nmの金属磁性薄膜か
らなる磁性層を形成した。次いでマグネトロンスパッタ
リング装置を用いて磁性層上に約8nmの厚さのカーボ
ン膜層を形成した。次に、ポリエチレンテレフタレート
フィルムの磁性層が形成された面と反対側の面に、カー
ボンおよびポリウレタン樹脂よりなる厚さ0.5μm厚
のバックコート層を形成した。続いて、前記表2または
表3に示される化合物をトルエンに溶解し、前記カーボ
ン膜層の表面に該化合物の塗布量が5mg/m2となる
ように塗布した。得られた磁気記録媒体を6.35mm
幅に裁断してサンプルテープとした。
【0044】耐久性および走行性の評価 前記のようにして作製された各サンプルテープを用い、
温度40℃、相対湿度80%の条件で摩擦係数を、温度
−5℃の条件でスチル耐久性を、温度40℃、相対湿度
20%の条件でシャトル耐久性をそれぞれ測定した。結
果を表4に示す。なお、本実施例のこれらの条件は、最
も厳しい使用条件と考えられる。また、スチル耐久性お
よびシャトル耐久性の測定には、市販のデジタルビデオ
カムコーダー(ソニー社製商品名VX1000)を用い
た。
【0045】(1)摩擦係数測定方法 摩擦係数の測定は、恒温槽中で温度40℃、相対湿度8
0%に制御して、サンプルテープを摩擦係数測定器に1
00回走行させて測定した。なお、100回走行後の数
値を摩擦係数として表中に記した。
【0046】(2)スチル耐久性測定方法 スチル耐久性は、−5℃の恒温槽中で行い、再生出力が
3dB落ちるまでの時間を測定した。
【0047】(3)シャトル耐久性測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽を温度40℃、相対湿度20
%に制御して、サンプルテープ60分長をPlayモー
ドで100回走行させ、100回走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定した。
【0048】溶媒に対する溶解度評価 実施例1〜18および比較例3で使用した潤滑剤につい
てエタノール、アセトン、トルエンの各溶媒に対する溶
解性を調べた。評価は、各溶媒に易溶な場合は○、潤滑
剤が溶媒に不要な場合は×とした。各潤滑剤の溶解性評
価の結果を表5に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】前記結果より、本発明のフルオロポリアル
キルエーテル系化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤として
用いることにより、高温多湿、高温低湿あるいは低温等
の様々な使用条件下においても摩擦係数、スチル耐久性
またはシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非常に良
好な結果が得られたことが分かる。
【0052】
【発明の効果】本発明のフルオロポリアルキルエーテル
系化合物は新規な物質であり、記録媒体用、とくに磁気
記録媒体用の潤滑剤として有用である。また、支持体上
に、記録層および潤滑剤よりなる潤滑剤層を順次形成し
た記録媒体において、潤滑剤として前記のフルオロポリ
アルキルエーテル系化合物を用いれば、各種使用条件下
において優れた潤滑性が保たれるとともに、長時間にわ
たり潤滑効果が持続され、優れた走行性、耐摩耗性、耐
久性等を提供することのできる記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフルオロポリアルキルエーテル系
化合物の一例におけるIR分析測定結果を示す図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:18 C10N 40:18 (72)発明者 栗原 研一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小林 健 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岩本 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 坪井 寿憲 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4H104 CD04A EA03R LA03 LA04 PA17 4J005 BD02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 HO−Rf−OCO−R−OCO−Rf−OH …(1) (式中、Rは炭素原子数が2〜30の飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示し、
    Rfは平均分子量が500〜6000のフルオロポリエ
    ーテル基を示す。)で表されることを特徴とするフルオ
    ロポリアルキルエーテル系化合物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1): 【化2】 HO−Rf−OCO−R−OCO−Rf−OH …(1) (式中、Rは炭素原子数が2〜30の飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示し、
    Rfは平均分子量が500〜6000のフルオロポリエ
    ーテル基を示す。)で表されるフルオロポリアルキルエ
    ーテル系化合物よりなることを特徴とする記録媒体用潤
    滑剤。
  3. 【請求項3】 支持体上に、記録層および潤滑剤よりな
    る潤滑剤層が少なくとも順次形成されてなる記録媒体で
    あって、前記潤滑剤が下記一般式(1): 【化3】 HO−Rf−OCO−R−OCO−Rf−OH …(1) (式中、Rは炭素原子数が2〜30の飽和もしくは不飽
    和の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示し、
    Rfは平均分子量が500〜6000のフルオロポリエ
    ーテル基を示す。)で表されるフルオロポリアルキルエ
    ーテル系化合物であることを特徴とする記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記記録層が磁性層であり、前記記録媒
    体が磁気記録媒体であることを特徴とする請求項3記載
    の記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010250929A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Wd Media Singapore Pte Ltd 磁気ディスク用潤滑剤化合物、磁気ディスク及びその製造方法

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JP2010250929A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Wd Media Singapore Pte Ltd 磁気ディスク用潤滑剤化合物、磁気ディスク及びその製造方法

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