JP2003064035A - 部分フッ化アルキル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 - Google Patents
部分フッ化アルキル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 各種使用条件下において優れた潤滑性が保た
れるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、優
れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供することのでき
る記録媒体用の潤滑剤を提供する。 【解決手段】 例えば、C12H25N(C2H4OCOCH
(C18H37)CH2COORf)2、N(C2H4OCOC
H(C18H37)CH2COORf(Rfは飽和もしくは
不飽和の部分フロロアルキル基)等の部分フッ化アルキ
ル系化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤として用いる。
れるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、優
れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供することのでき
る記録媒体用の潤滑剤を提供する。 【解決手段】 例えば、C12H25N(C2H4OCOCH
(C18H37)CH2COORf)2、N(C2H4OCOC
H(C18H37)CH2COORf(Rfは飽和もしくは
不飽和の部分フロロアルキル基)等の部分フッ化アルキ
ル系化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤として用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分フッ化アルキ
ル系化合物、該化合物からなる記録媒体用潤滑剤、およ
び該潤滑剤を含む潤滑層が形成された記録媒体に関する
ものである。
ル系化合物、該化合物からなる記録媒体用潤滑剤、およ
び該潤滑剤を含む潤滑層が形成された記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の記録媒体、例えば磁気記録媒体と
しては、強磁性金属材料を蒸着等の手法により非磁性支
持体上に被着し、これを磁性層としたいわゆる金属薄膜
型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合
剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを
磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒体等が知られ
ている。これら従来の磁気記録媒体は、磁性層表面の平
滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドロー
ラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きく、
従って摩擦係数が大きくなり凝着現象(いわゆる張り付
き)が起きやすく走行性や耐久性に欠ける等、問題点が
多い。そこで、これら問題点を改善するために各種の潤
滑剤を使用することが検討されてきており、従来より高
級脂肪酸やそのエステル等を前記磁気記録媒体の磁性層
に内添したり、あるいはトップコートすることにより摩
擦係数を抑えようとする試みがなされている。
しては、強磁性金属材料を蒸着等の手法により非磁性支
持体上に被着し、これを磁性層としたいわゆる金属薄膜
型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合
剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを
磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒体等が知られ
ている。これら従来の磁気記録媒体は、磁性層表面の平
滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイドロー
ラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大きく、
従って摩擦係数が大きくなり凝着現象(いわゆる張り付
き)が起きやすく走行性や耐久性に欠ける等、問題点が
多い。そこで、これら問題点を改善するために各種の潤
滑剤を使用することが検討されてきており、従来より高
級脂肪酸やそのエステル等を前記磁気記録媒体の磁性層
に内添したり、あるいはトップコートすることにより摩
擦係数を抑えようとする試みがなされている。
【0003】しかしながら、磁気記録媒体に使用される
潤滑剤には、その性質上非常に厳しい特性が要求され、
従来用いられている潤滑剤ではその要求を満足すること
が難しいのが現状である。
潤滑剤には、その性質上非常に厳しい特性が要求され、
従来用いられている潤滑剤ではその要求を満足すること
が難しいのが現状である。
【0004】すなわち、磁気記録媒体に使用される潤滑
剤には、(1)寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果
が確保されるように低温特性に優れること、(2)磁気
ヘッドとのスペーシングが問題となるので極めて薄く塗
布できることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮さ
れること、(3)長時間、あるいは長期間の使用に耐
え、潤滑効果が持続すること、等が要求される。
剤には、(1)寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果
が確保されるように低温特性に優れること、(2)磁気
ヘッドとのスペーシングが問題となるので極めて薄く塗
布できることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮さ
れること、(3)長時間、あるいは長期間の使用に耐
え、潤滑効果が持続すること、等が要求される。
【0005】なお、特開平6−41561号公報には、
金属薄膜型の磁気記録媒体のための潤滑剤として、下記
一般式(i)で示される含フッ素アルキルこはく酸ジエ
ステルが提案されている。
金属薄膜型の磁気記録媒体のための潤滑剤として、下記
一般式(i)で示される含フッ素アルキルこはく酸ジエ
ステルが提案されている。
【0006】
【化10】
R1−CH(COOR2)CH2COOR3 …(i)
【0007】式中、R1は脂肪族アルキル基または脂肪
族アルケニル基であり、R2およびR3の一方はフロロ
アルキルエーテル基であり、他方はフロロアルキル基、
フロロアルケニル基、フロロフェニル基、脂肪族アルキ
ル基、脂肪族アルケニル基のいずれかである。しかし、
前記の含フッ素アルキルこはく酸ジエステルは摩擦係数
が大きいという問題点があった。
族アルケニル基であり、R2およびR3の一方はフロロ
アルキルエーテル基であり、他方はフロロアルキル基、
フロロアルケニル基、フロロフェニル基、脂肪族アルキ
ル基、脂肪族アルケニル基のいずれかである。しかし、
前記の含フッ素アルキルこはく酸ジエステルは摩擦係数
が大きいという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、記録媒
体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足に起
因して、例えばシャトル走行試験において再生出力がレ
ベルダウンする等、実用特性に不満を残している。そこ
で本発明は、各種使用条件下において優れた潤滑性が保
たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、
優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供することので
きる化合物、該化合物からなる潤滑剤、および記録媒体
を提供することを目的とするものである。
体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足に起
因して、例えばシャトル走行試験において再生出力がレ
ベルダウンする等、実用特性に不満を残している。そこ
で本発明は、各種使用条件下において優れた潤滑性が保
たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、
優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供することので
きる化合物、該化合物からなる潤滑剤、および記録媒体
を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(1):
一般式(1):
【0010】
【化11】
N{X1(OA)p}{X2}{X3} …(1)
【0011】(式中、X1は3価または4価のアミノ基
を含むことがある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環
基、または芳香環で置換された炭化水素基を示し、
X2、X3は同一または異なる基で、それぞれ水素原子、
アミノ基を含むことがある炭化水素基、芳香環基あるい
は複素環基、または芳香環で置換された炭化水素基を示
し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
は2〜3の整数を示す。ただし、−COCHR−CH2
COORf基は分子内に少なくとも2個はあるものとす
る。)で表されることを特徴とする部分フッ化アルキル
系化合物、または下記一般式(2):
を含むことがある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環
基、または芳香環で置換された炭化水素基を示し、
X2、X3は同一または異なる基で、それぞれ水素原子、
アミノ基を含むことがある炭化水素基、芳香環基あるい
は複素環基、または芳香環で置換された炭化水素基を示
し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
は2〜3の整数を示す。ただし、−COCHR−CH2
COORf基は分子内に少なくとも2個はあるものとす
る。)で表されることを特徴とする部分フッ化アルキル
系化合物、または下記一般式(2):
【0012】
【化12】
N{X1(OA)p}{X2(OA)q}{X3} …(2)
【0013】(式中、X1およびX2は2価または3価の
同一または異なる基で、それぞれアミノ基を含むことが
ある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基を示し、X
3は水素原子、アミノ基を含むことがある炭化水素基、
芳香環基あるいは複素環基、または芳香環で置換された
炭化水素基を示し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
およびqはそれぞれ1または2の整数を示す。ただし、
−COCHR−CH2COORf基は分子内に少なくと
も2個はあるものとする。)で表されることを特徴とす
る部分フッ化アルキル系化合物、あるいは下記一般式
(3):
同一または異なる基で、それぞれアミノ基を含むことが
ある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基を示し、X
3は水素原子、アミノ基を含むことがある炭化水素基、
芳香環基あるいは複素環基、または芳香環で置換された
炭化水素基を示し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
およびqはそれぞれ1または2の整数を示す。ただし、
−COCHR−CH2COORf基は分子内に少なくと
も2個はあるものとする。)で表されることを特徴とす
る部分フッ化アルキル系化合物、あるいは下記一般式
(3):
【0014】
【化13】
N{X1(OA)}{X2(OA)}{X3(OA)} …(3)
【0015】(式中、X1、X2、X3は2価の同一また
は異なる基で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化
水素基を示し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示す。た
だし、−COCHR−CH2COORf基は分子内に少
なくとも2個はあるものとする。)で表されることを特
徴とする部分フッ化アルキル系化合物を提供するもので
ある。
は異なる基で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化
水素基を示し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示す。た
だし、−COCHR−CH2COORf基は分子内に少
なくとも2個はあるものとする。)で表されることを特
徴とする部分フッ化アルキル系化合物を提供するもので
ある。
【0016】また本発明は、上記一般式(1)で表され
る部分フッ化アルキル系化合物よりなることを特徴とす
る記録媒体用潤滑剤、または上記一般式(2)で表され
る部分フッ化アルキル系化合物よりなることを特徴とす
る記録媒体用潤滑剤、あるいは上記一般式(3)で表さ
れる部分フッ化アルキル系化合物よりなることを特徴と
する記録媒体用潤滑剤を提供するものである。
る部分フッ化アルキル系化合物よりなることを特徴とす
る記録媒体用潤滑剤、または上記一般式(2)で表され
る部分フッ化アルキル系化合物よりなることを特徴とす
る記録媒体用潤滑剤、あるいは上記一般式(3)で表さ
れる部分フッ化アルキル系化合物よりなることを特徴と
する記録媒体用潤滑剤を提供するものである。
【0017】さらに本発明は、支持体上に、記録層、お
よび潤滑剤よりなる潤滑剤層が少なくとも順次形成され
てなる記録媒体であって、前記潤滑剤が上記一般式
(1)で表される部分フッ化アルキル系化合物を含むこ
とを特徴とする記録媒体、または前記潤滑剤が上記一般
式(2)で表される部分フッ化アルキル系化合物を含む
ことを特徴とする記録媒体、あるいは前記潤滑剤が上記
一般式(3)で表される部分フッ化アルキル系化合物を
含むことを特徴とする記録媒体を提供するものである。
よび潤滑剤よりなる潤滑剤層が少なくとも順次形成され
てなる記録媒体であって、前記潤滑剤が上記一般式
(1)で表される部分フッ化アルキル系化合物を含むこ
とを特徴とする記録媒体、または前記潤滑剤が上記一般
式(2)で表される部分フッ化アルキル系化合物を含む
ことを特徴とする記録媒体、あるいは前記潤滑剤が上記
一般式(3)で表される部分フッ化アルキル系化合物を
含むことを特徴とする記録媒体を提供するものである。
【0018】本発明の部分フッ化アルキル系化合物は新
規物質であるとともに、記録媒体用、とくに磁気記録媒
体用の潤滑剤として用いることにより、各種使用条件下
において優れた潤滑性が保たれるとともに、長時間にわ
たり潤滑効果が持続され、優れた走行性、耐摩耗性、耐
久性等を有する記録媒体を提供することができる。
規物質であるとともに、記録媒体用、とくに磁気記録媒
体用の潤滑剤として用いることにより、各種使用条件下
において優れた潤滑性が保たれるとともに、長時間にわ
たり潤滑効果が持続され、優れた走行性、耐摩耗性、耐
久性等を有する記録媒体を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化合物を磁気記録
媒体用の潤滑剤として使用する場合を例にとり説明す
る。
媒体用の潤滑剤として使用する場合を例にとり説明す
る。
【0020】本発明の部分フッ化アルキル系化合物にお
いて、Rは炭素原子数が6〜30、好ましくは8〜20
の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基である。Rの
炭素数が6未満あるいは30を超えると、有機溶媒への
溶解性が減少し、有機溶媒を用いて例えばカーボン膜層
上に潤滑層の膜を形成できなくなる。
いて、Rは炭素原子数が6〜30、好ましくは8〜20
の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基である。Rの
炭素数が6未満あるいは30を超えると、有機溶媒への
溶解性が減少し、有機溶媒を用いて例えばカーボン膜層
上に潤滑層の膜を形成できなくなる。
【0021】本発明の部分フッ化アルキル系化合物は、
前記一般式(1)、(2)あるいは(3)によって表さ
れ、例えば次のようにして得られる。まず、一般式
(1)、(2)あるいは(3)におけるR基を含むこは
く酸誘導体と、部分フロロアルキル基(Rf)を含むア
ルコール化合物とを混合し、150℃程度で加熱し、反
応させ、有機溶媒または無機溶媒を用いた洗浄、分液ロ
ートを用いた分液洗浄、カラムクロマトグラフィーを用
いた精製等により不純物や不要物を除去して精製し、部
分フッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物
を得る。次に、得られた部分フッ化アルキル系モノエス
テルモノカルボン酸化合物のカルボン酸基を、例えば塩
化チオニル等により処理して酸塩化物となし、一般式
(1)、(2)あるいは(3)におけるアミノ基含有ヒ
ドロキシル化合物と反応させることによって、該部分フ
ッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物のカ
ルボン酸基と該アミノ基含有ヒドロキシル化合物のヒド
ロキシル基がエステル結合を形成し、合成した生成物を
精製することにより本発明の部分フッ化アルキル系化合
物が得られる。
前記一般式(1)、(2)あるいは(3)によって表さ
れ、例えば次のようにして得られる。まず、一般式
(1)、(2)あるいは(3)におけるR基を含むこは
く酸誘導体と、部分フロロアルキル基(Rf)を含むア
ルコール化合物とを混合し、150℃程度で加熱し、反
応させ、有機溶媒または無機溶媒を用いた洗浄、分液ロ
ートを用いた分液洗浄、カラムクロマトグラフィーを用
いた精製等により不純物や不要物を除去して精製し、部
分フッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物
を得る。次に、得られた部分フッ化アルキル系モノエス
テルモノカルボン酸化合物のカルボン酸基を、例えば塩
化チオニル等により処理して酸塩化物となし、一般式
(1)、(2)あるいは(3)におけるアミノ基含有ヒ
ドロキシル化合物と反応させることによって、該部分フ
ッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物のカ
ルボン酸基と該アミノ基含有ヒドロキシル化合物のヒド
ロキシル基がエステル結合を形成し、合成した生成物を
精製することにより本発明の部分フッ化アルキル系化合
物が得られる。
【0022】本発明の一般式(1)、(2)あるいは
(3)で表される部分フッ化アルキル系化合物には、−
OCOCHR−CH2COORf基が分子内に少なくと
も2個は含まれる。一般式(1)の場合には、アミノ基
含有ヒドロキシル化合物としてX1基に水酸基が2個な
いしは3個結合したものを用い、これと前記部分フッ化
アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物のカルボ
ン酸基との反応により、少なくとも2個の水酸基がエス
テル結合を形成し、−OCOCHR−CH2COORf
基が含まれるように処方される。なお、前記アミノ基含
有ヒドロキシル化合物において、X1基は3価または4
価の基であり、X2基およびX3基は同一または異なる1
価の基であり、かかる化合物としては例えば3,4−ジ
ヒドロキシベンジルアミン、4−アミノ−2,6−ジヒ
ドロキシピリミジン、3−アミノ−1,2−プロパンジ
オール、(4−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル)
(4−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタノール、2−ア
ミノ−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピリミジン−
4,6−ジオール、3−ベンジルアミノ−1,2−プロ
パンジオールなどが例示される。
(3)で表される部分フッ化アルキル系化合物には、−
OCOCHR−CH2COORf基が分子内に少なくと
も2個は含まれる。一般式(1)の場合には、アミノ基
含有ヒドロキシル化合物としてX1基に水酸基が2個な
いしは3個結合したものを用い、これと前記部分フッ化
アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物のカルボ
ン酸基との反応により、少なくとも2個の水酸基がエス
テル結合を形成し、−OCOCHR−CH2COORf
基が含まれるように処方される。なお、前記アミノ基含
有ヒドロキシル化合物において、X1基は3価または4
価の基であり、X2基およびX3基は同一または異なる1
価の基であり、かかる化合物としては例えば3,4−ジ
ヒドロキシベンジルアミン、4−アミノ−2,6−ジヒ
ドロキシピリミジン、3−アミノ−1,2−プロパンジ
オール、(4−(ジメチルアミノ)−1−ナフチル)
(4−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタノール、2−ア
ミノ−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピリミジン−
4,6−ジオール、3−ベンジルアミノ−1,2−プロ
パンジオールなどが例示される。
【0023】一般式(2)の場合には、アミノ基含有ヒ
ドロキシル化合物としてX1基およびX2基に水酸基がそ
れぞれ1ないしは2個結合したものを用い、これと前記
部分フッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合
物のカルボン酸基との反応により、少なくとも2個の水
酸基がエステル結合を形成し、−OCOCHR−CH2
COORf基が含まれるように処方される。なお、前記
アミノ基含有ヒドロキシル化合物において、X1基、X2
基は2価または3価の同一または異なる基であり、X3
基は1価の基であり、かかる化合物としては例えばN−
ラウリルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノー
ルアミン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン、
ジエタノールアミン、N−(3−アミノプロピル)、ジ
エタノールアミン、2−(2−ヒドロキシ−エチル)−
(メチル−2−フェニルアミノ−ピリミジン−4−イ
ル)−アミノエタノール、3,3’−ジヒドロキシジフ
ェニル−ベンジルアミンなどが例示される。
ドロキシル化合物としてX1基およびX2基に水酸基がそ
れぞれ1ないしは2個結合したものを用い、これと前記
部分フッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合
物のカルボン酸基との反応により、少なくとも2個の水
酸基がエステル結合を形成し、−OCOCHR−CH2
COORf基が含まれるように処方される。なお、前記
アミノ基含有ヒドロキシル化合物において、X1基、X2
基は2価または3価の同一または異なる基であり、X3
基は1価の基であり、かかる化合物としては例えばN−
ラウリルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノー
ルアミン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン、
ジエタノールアミン、N−(3−アミノプロピル)、ジ
エタノールアミン、2−(2−ヒドロキシ−エチル)−
(メチル−2−フェニルアミノ−ピリミジン−4−イ
ル)−アミノエタノール、3,3’−ジヒドロキシジフ
ェニル−ベンジルアミンなどが例示される。
【0024】一般式(3)の場合には、アミノ基含有ヒ
ドロキシル化合物としてX1基、X2基およびX3基に水
酸基がそれぞれ1個結合したものを用い、これと前記部
分フッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物
のカルボン酸基との反応により、少なくとも2個の水酸
基がエステル結合を形成し、−OCOCHR−CH2C
OORf基が含まれるように処方される。なお、前記ア
ミノ基含有ヒドロキシル化合物において、X1基、X
2基、X3基は2価の同一または異なる基であり、かかる
化合物としては例えばトリエタノールアミン、1−[N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン]−2−プロパ
ノールなどが例示される。
ドロキシル化合物としてX1基、X2基およびX3基に水
酸基がそれぞれ1個結合したものを用い、これと前記部
分フッ化アルキル系モノエステルモノカルボン酸化合物
のカルボン酸基との反応により、少なくとも2個の水酸
基がエステル結合を形成し、−OCOCHR−CH2C
OORf基が含まれるように処方される。なお、前記ア
ミノ基含有ヒドロキシル化合物において、X1基、X
2基、X3基は2価の同一または異なる基であり、かかる
化合物としては例えばトリエタノールアミン、1−[N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン]−2−プロパ
ノールなどが例示される。
【0025】また、前記のように本発明の部分フッ化ア
ルキル系化合物は、記録媒体、とくに磁気記録媒体用の
潤滑剤として好適に用いることができる。なお、該潤滑
剤には必要に応じて各種添加剤、例えば防錆剤を配合す
ることもできる。防錆剤としては、従来の磁気記録媒体
に使用されているものであることができ、例えばフェノ
ール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む複素
環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含
む複素環化合物等が挙げられる。
ルキル系化合物は、記録媒体、とくに磁気記録媒体用の
潤滑剤として好適に用いることができる。なお、該潤滑
剤には必要に応じて各種添加剤、例えば防錆剤を配合す
ることもできる。防錆剤としては、従来の磁気記録媒体
に使用されているものであることができ、例えばフェノ
ール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む複素
環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含
む複素環化合物等が挙げられる。
【0026】本発明の記録媒体は、前記の潤滑剤を含む
潤滑剤層を備えるものであり、例えば磁気記録媒体であ
る場合、具体的には、非磁性支持体上に、蒸着等の手法
により形成された金属磁性薄膜からなる磁性層、カーボ
ン膜層および本発明の部分フッ化アルキル系化合物を含
む潤滑剤層が少なくとも順次形成されている、いわゆる
金属薄膜型の磁気記録媒体であることができる。また、
必要に応じて非磁性支持体と磁性層との間に下地層を形
成してもよい。
潤滑剤層を備えるものであり、例えば磁気記録媒体であ
る場合、具体的には、非磁性支持体上に、蒸着等の手法
により形成された金属磁性薄膜からなる磁性層、カーボ
ン膜層および本発明の部分フッ化アルキル系化合物を含
む潤滑剤層が少なくとも順次形成されている、いわゆる
金属薄膜型の磁気記録媒体であることができる。また、
必要に応じて非磁性支持体と磁性層との間に下地層を形
成してもよい。
【0027】非磁性支持体は、とくに制限されるもので
はなく、公知のものを採用することができる。例えば、
非磁性支持体としてAl合金板やガラス板等の剛性を有
する基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処
理等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその表面を
硬くするようにしてもよい。
はなく、公知のものを採用することができる。例えば、
非磁性支持体としてAl合金板やガラス板等の剛性を有
する基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処
理等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその表面を
硬くするようにしてもよい。
【0028】磁性層を構成する金属磁性薄膜もとくに制
限されるものではなく、公知のものを採用することがで
きる。例えば、メッキ、スパッタリング、真空蒸着等の
手法により連続膜として形成されるもので、例えばF
e、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−P
t系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合
金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe
−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、Fe−Co
−Ni−B系合金等からなる面内磁化記録金属磁性薄膜
や、Co−Cr系合金磁性薄膜等が挙げられる。とく
に、面内磁化記録金属磁性薄膜を採用する場合、予め非
磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、
Ge、Si、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成
しておき、その上に前記金属類を下地層に対し垂直方向
から蒸着あるいはスパッタリングし、金属磁性薄膜中に
これら低融点非磁性材料を拡散せしめ、配向性を解消し
て面内等方性を確保するとともに抗磁性を向上するよう
にしてもよい。
限されるものではなく、公知のものを採用することがで
きる。例えば、メッキ、スパッタリング、真空蒸着等の
手法により連続膜として形成されるもので、例えばF
e、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−P
t系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合
金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe
−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、Fe−Co
−Ni−B系合金等からなる面内磁化記録金属磁性薄膜
や、Co−Cr系合金磁性薄膜等が挙げられる。とく
に、面内磁化記録金属磁性薄膜を採用する場合、予め非
磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、
Ge、Si、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成
しておき、その上に前記金属類を下地層に対し垂直方向
から蒸着あるいはスパッタリングし、金属磁性薄膜中に
これら低融点非磁性材料を拡散せしめ、配向性を解消し
て面内等方性を確保するとともに抗磁性を向上するよう
にしてもよい。
【0029】カーボン膜層の形成方法としては、スパッ
タリングが一般的であるがとくに制限するものではな
く、公知のいずれの方法も採用可能である。カーボン膜
の膜厚は、2〜100nmが好ましく、さらに好ましく
は5〜30nmである。
タリングが一般的であるがとくに制限するものではな
く、公知のいずれの方法も採用可能である。カーボン膜
の膜厚は、2〜100nmが好ましく、さらに好ましく
は5〜30nmである。
【0030】潤滑剤層は、前記カーボン膜層上に本発明
の部分フッ化アルキル系化合物を含む潤滑剤を常法によ
りトップコートすることにより形成可能である。潤滑剤
の塗布量は、例えば0.5〜100mg/m2が好まし
く、1〜20mg/m2がさらに好ましい。塗布には潤
滑剤をヘキサンなどの有機溶媒に溶解したものを使用す
ることができる。なお、防錆剤を用いる場合、潤滑剤と
複合して用いてもよいが、カーボン膜層上に防錆剤を塗
布した後、潤滑剤を塗布して2層以上設けるようにすれ
ば、防錆効果が高まり好ましい。
の部分フッ化アルキル系化合物を含む潤滑剤を常法によ
りトップコートすることにより形成可能である。潤滑剤
の塗布量は、例えば0.5〜100mg/m2が好まし
く、1〜20mg/m2がさらに好ましい。塗布には潤
滑剤をヘキサンなどの有機溶媒に溶解したものを使用す
ることができる。なお、防錆剤を用いる場合、潤滑剤と
複合して用いてもよいが、カーボン膜層上に防錆剤を塗
布した後、潤滑剤を塗布して2層以上設けるようにすれ
ば、防錆効果が高まり好ましい。
【0031】本発明の部分フッ化アルキル系化合物は、
上記のように記録媒体、中でも磁気記録媒体用の潤滑剤
として用いるのが好ましい。しかし本発明の潤滑剤は磁
気記録媒体に限らず光記録媒体にも適用でき、またその
支持体もテープに限らず、磁気ディスクや光ディスクの
ようなディスク媒体等の記録媒体にも用いることができ
る。
上記のように記録媒体、中でも磁気記録媒体用の潤滑剤
として用いるのが好ましい。しかし本発明の潤滑剤は磁
気記録媒体に限らず光記録媒体にも適用でき、またその
支持体もテープに限らず、磁気ディスクや光ディスクの
ようなディスク媒体等の記録媒体にも用いることができ
る。
【0032】
【作用】従来の潤滑剤において、カルボン酸、アミンあ
るいはカルボン酸アミン塩のような比較的極性が大きい
化合物は、摩擦係数が小さいがスチル耐久性が悪い傾向
があり、エステル化合物のような比較的極性の小さい化
合物はスチル耐久性には優れるが、摩擦係数が大きい。
本発明の部分フッ化アルキル系化合物は、末端極性基と
して、少なくとも1個のアミノ基と、少なくとも4個の
エステル基を有することから摩擦係数が小さく、かつス
チル耐久性に優れた特性を示す。とくにカーボン膜層上
に本発明の部分フッ化アルキル系化合物を潤滑剤として
塗布すると、カーボン膜層上に潤滑剤分子の極性基部の
アミノ基とエステル基が吸着し、疎水基間の凝集力によ
り耐久性の良好な潤滑剤層を形成することができる。ま
た、従来の含フッ素潤滑剤を塗布するにはフッ素系溶媒
が必須であるのに対し、本発明の部分フッ化アルキル系
化合物は、トルエン、アセトン等の炭化水素系溶媒を用
いた塗布が可能であることから環境へ与える負荷が小さ
く好ましい。このように本発明の部分フッ化アルキル系
化合物を潤滑剤として用いた磁気記録媒体は、各種使用
条件下において優れた潤滑性が保たれるとともに、長時
間にわたり潤滑効果が持続され、優れた走行性、耐摩耗
性、耐久性等を提供できる。
るいはカルボン酸アミン塩のような比較的極性が大きい
化合物は、摩擦係数が小さいがスチル耐久性が悪い傾向
があり、エステル化合物のような比較的極性の小さい化
合物はスチル耐久性には優れるが、摩擦係数が大きい。
本発明の部分フッ化アルキル系化合物は、末端極性基と
して、少なくとも1個のアミノ基と、少なくとも4個の
エステル基を有することから摩擦係数が小さく、かつス
チル耐久性に優れた特性を示す。とくにカーボン膜層上
に本発明の部分フッ化アルキル系化合物を潤滑剤として
塗布すると、カーボン膜層上に潤滑剤分子の極性基部の
アミノ基とエステル基が吸着し、疎水基間の凝集力によ
り耐久性の良好な潤滑剤層を形成することができる。ま
た、従来の含フッ素潤滑剤を塗布するにはフッ素系溶媒
が必須であるのに対し、本発明の部分フッ化アルキル系
化合物は、トルエン、アセトン等の炭化水素系溶媒を用
いた塗布が可能であることから環境へ与える負荷が小さ
く好ましい。このように本発明の部分フッ化アルキル系
化合物を潤滑剤として用いた磁気記録媒体は、各種使用
条件下において優れた潤滑性が保たれるとともに、長時
間にわたり潤滑効果が持続され、優れた走行性、耐摩耗
性、耐久性等を提供できる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに説明するが、本発明は下記例に何ら限定されるもの
ではない。
らに説明するが、本発明は下記例に何ら限定されるもの
ではない。
【0034】合成例1(C12H25N(C2H4OCOCH
(C18H37)CH2COO(CH2)2(CF2)8F)2の
合成) 一般式(2)におけるR基を含むこはく酸誘導体として
オクタデシルこはく酸無水物を、一般式(2)における
部分フロロアルキル基(Rf)を含むアルコール化合物
としてフッ化アルコールF(CF2)8CH2CH2OH
を、一般式(2)におけるX1基、X2基、X3基を含む
アミノ基含有ヒドロキシル化合物としてN−ラウリルジ
エタノールアミンC12H25N(C2H4OH)2をそれぞ
れ用いて、本発明の部分フッ化アルキル系化合物を合成
した。合成手順を以下に示す。オクタデシルこはく酸無
水物C18H37C4H3O3の17.7gとフッ化アルコー
ルF(CF2)8CH2CH2OHの23.2gを混合し、
3時間、150℃で還流した。反応終了後、トルエン2
00mlに反応物を溶解させ、10%NaOH水溶液3
00mlを加え、激しく振盪した。生成した白色固体
(目的物のNa塩)をガラスろ過器で吸引ろ過した。さ
らに水240mlで2回、トルエン200mlで1回、
ガラスろ過器の上で白色固体を洗浄した。この操作で原
料のオクタデシルこはく酸無水物を除去することができ
た。次に、白色固体を分液ロートに入れ、トルエン30
0ml、7.2%HCl 300mlを加え分液洗浄し
脱塩した。さらに7.2%HCl 300mlで2回、
塩化ナトリウム水溶液で2回、分液洗浄し、トルエン相
を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。1時間後、
ろ過し、トルエン相を濃縮した。続いて、カラムクロマ
トグラフィーにより回収物を精製した。カラム条件は、
カラム充填物:シリカゲル、カラム温度:室温、溶離
液:トルエンおよび酢酸エチル20%トルエン80%の
混合溶媒である。目的物は酢酸エチル20%トルエン8
0%の混合溶媒を用いたときに溶出する。回収物は33
gであった。回収物をIR分析したところ、一般式C18
H37−CH(COOH)CH2COO(CH2)2(C
F2)8Fを有することが判明した。
(C18H37)CH2COO(CH2)2(CF2)8F)2の
合成) 一般式(2)におけるR基を含むこはく酸誘導体として
オクタデシルこはく酸無水物を、一般式(2)における
部分フロロアルキル基(Rf)を含むアルコール化合物
としてフッ化アルコールF(CF2)8CH2CH2OH
を、一般式(2)におけるX1基、X2基、X3基を含む
アミノ基含有ヒドロキシル化合物としてN−ラウリルジ
エタノールアミンC12H25N(C2H4OH)2をそれぞ
れ用いて、本発明の部分フッ化アルキル系化合物を合成
した。合成手順を以下に示す。オクタデシルこはく酸無
水物C18H37C4H3O3の17.7gとフッ化アルコー
ルF(CF2)8CH2CH2OHの23.2gを混合し、
3時間、150℃で還流した。反応終了後、トルエン2
00mlに反応物を溶解させ、10%NaOH水溶液3
00mlを加え、激しく振盪した。生成した白色固体
(目的物のNa塩)をガラスろ過器で吸引ろ過した。さ
らに水240mlで2回、トルエン200mlで1回、
ガラスろ過器の上で白色固体を洗浄した。この操作で原
料のオクタデシルこはく酸無水物を除去することができ
た。次に、白色固体を分液ロートに入れ、トルエン30
0ml、7.2%HCl 300mlを加え分液洗浄し
脱塩した。さらに7.2%HCl 300mlで2回、
塩化ナトリウム水溶液で2回、分液洗浄し、トルエン相
を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。1時間後、
ろ過し、トルエン相を濃縮した。続いて、カラムクロマ
トグラフィーにより回収物を精製した。カラム条件は、
カラム充填物:シリカゲル、カラム温度:室温、溶離
液:トルエンおよび酢酸エチル20%トルエン80%の
混合溶媒である。目的物は酢酸エチル20%トルエン8
0%の混合溶媒を用いたときに溶出する。回収物は33
gであった。回収物をIR分析したところ、一般式C18
H37−CH(COOH)CH2COO(CH2)2(C
F2)8Fを有することが判明した。
【0035】さらに、精製したC18H37−CH(COO
H)CH2COO(CH2)2(CF2)8Fの33gに塩
化チオニル5.0gを加え、2時間、50℃で還流し
た。反応終了後、反応物を濃縮し、目的物を回収した。
回収物をIR分析したところ、一般式C18H37−CH
(COCl)CH2COO(CH2)2(CF2)8Fを有
することが判明した。
H)CH2COO(CH2)2(CF2)8Fの33gに塩
化チオニル5.0gを加え、2時間、50℃で還流し
た。反応終了後、反応物を濃縮し、目的物を回収した。
回収物をIR分析したところ、一般式C18H37−CH
(COCl)CH2COO(CH2)2(CF2)8Fを有
することが判明した。
【0036】次に、精製したC18H37−CH(COC
l)CH2COO(CH2)2(CF2) 8FにN−ラウリ
ルジエタノールアミンC12H25N(C2H4OH)2を
5.5g加え、2時間、100℃で還流した。反応終了
後、トルエン200mlに反応物を溶解させ、分液ロー
ト中にて10%NaOH水溶液300mlで2回、塩化
ナトリウム水溶液で2回、分液洗浄し、トルエン相を回
収し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。1時間後、ろ過
し、トルエン相を濃縮した。続いて、カラムクロマトグ
ラフィーにより回収物を精製した。カラム条件は、カラ
ム充填物:シリカゲル、カラム温度:室温、溶離液:ト
ルエンおよび酢酸エチル10%トルエン90%の混合溶
液である。目的物は酢酸エチル10%トルエン90%の
混合溶液を用いたときに溶出する。回収物は33gであ
り、回収率約70%であった。回収物をIR分析したと
ころ、一般式C12H25N(C2H4OCOCH(C
18H 37)CH2COO(CH2)2(CF2)8F)2を有す
ることが判明した。図1にIR分析結果を示す。
l)CH2COO(CH2)2(CF2) 8FにN−ラウリ
ルジエタノールアミンC12H25N(C2H4OH)2を
5.5g加え、2時間、100℃で還流した。反応終了
後、トルエン200mlに反応物を溶解させ、分液ロー
ト中にて10%NaOH水溶液300mlで2回、塩化
ナトリウム水溶液で2回、分液洗浄し、トルエン相を回
収し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。1時間後、ろ過
し、トルエン相を濃縮した。続いて、カラムクロマトグ
ラフィーにより回収物を精製した。カラム条件は、カラ
ム充填物:シリカゲル、カラム温度:室温、溶離液:ト
ルエンおよび酢酸エチル10%トルエン90%の混合溶
液である。目的物は酢酸エチル10%トルエン90%の
混合溶液を用いたときに溶出する。回収物は33gであ
り、回収率約70%であった。回収物をIR分析したと
ころ、一般式C12H25N(C2H4OCOCH(C
18H 37)CH2COO(CH2)2(CF2)8F)2を有す
ることが判明した。図1にIR分析結果を示す。
【0037】合成例2(N(C2H4OCOCH(C18H
37)CH2COO(CH2)2(CF2) 8F)3の合成) 前記合成例1と同様にして、一般式C18H37−CH(C
OCl)CH2COO(CH2)2(CF2)8Fを有する
酸塩化物を合成した。次に、精製したC18H37−CH
(COCl)CH2COO(CH2)2(CF2) 8にトリ
エタノールアミンN(C2H4OH)3を2.0g加え、
2時間、100℃で還流した。反応終了後、トルエン2
00mlに反応物を溶解させ、分液ロート中にて10%
NaOH水溶液300mlで2回、塩化ナトリウム水溶
液で2回、分液洗浄し、トルエン相を回収し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥させた。1時間後、ろ過し、トルエン相
を濃縮した。続いて、カラムクロマトグラフィーにより
回収物を精製した。カラム条件は、カラム充填物:シリ
カゲル、カラム温度:室温、溶離液:トルエンおよび酢
酸エチル20%トルエン80%の混合溶液である。目的
物は酢酸エチル20%トルエン80%の混合溶液を用い
たときに溶出する。回収物は30gであり、回収率約7
0%であった。回収物をIR分析したところ、一般式N
(C2H4OCOCH(C18H37)CH2COO(CH2)
2(CF2)8F)3を有することが判明した。図2にIR
分析結果を示す。
37)CH2COO(CH2)2(CF2) 8F)3の合成) 前記合成例1と同様にして、一般式C18H37−CH(C
OCl)CH2COO(CH2)2(CF2)8Fを有する
酸塩化物を合成した。次に、精製したC18H37−CH
(COCl)CH2COO(CH2)2(CF2) 8にトリ
エタノールアミンN(C2H4OH)3を2.0g加え、
2時間、100℃で還流した。反応終了後、トルエン2
00mlに反応物を溶解させ、分液ロート中にて10%
NaOH水溶液300mlで2回、塩化ナトリウム水溶
液で2回、分液洗浄し、トルエン相を回収し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥させた。1時間後、ろ過し、トルエン相
を濃縮した。続いて、カラムクロマトグラフィーにより
回収物を精製した。カラム条件は、カラム充填物:シリ
カゲル、カラム温度:室温、溶離液:トルエンおよび酢
酸エチル20%トルエン80%の混合溶液である。目的
物は酢酸エチル20%トルエン80%の混合溶液を用い
たときに溶出する。回収物は30gであり、回収率約7
0%であった。回収物をIR分析したところ、一般式N
(C2H4OCOCH(C18H37)CH2COO(CH2)
2(CF2)8F)3を有することが判明した。図2にIR
分析結果を示す。
【0038】なお、前記と同様の手法を採れば、一般式
(1)、(2)および(3)におけるR基、部分フロロ
アルキル基(Rf)およびX1基、X2基、X3基を任意
に設定し、本発明の部分フッ化アルキル系化合物を合成
することができる。その具体例を下記表1〜表3に示
す。
(1)、(2)および(3)におけるR基、部分フロロ
アルキル基(Rf)およびX1基、X2基、X3基を任意
に設定し、本発明の部分フッ化アルキル系化合物を合成
することができる。その具体例を下記表1〜表3に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】実施例1〜31
下記表4および表5に示す構造を有する本発明の部分フ
ッ化アルキル系化合物を前記の合成例と同様の手順で合
成し、これを潤滑剤として下記試験に供した。
ッ化アルキル系化合物を前記の合成例と同様の手順で合
成し、これを潤滑剤として下記試験に供した。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】比較例1〜5
下記表6の構造を有する化合物を潤滑剤として下記試験
に供した。
に供した。
【0046】
【表6】
【0047】サンプルテープの作製
7.0μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上
に、Coを蒸着させ、膜厚180nmの金属磁性薄膜か
らなる磁性層を形成した。次いでマグネトロンスパッタ
リング装置を用いて磁性層上に約8nmの厚さのカーボ
ン膜層を形成した。次に、ポリエチレンテレフタレート
フィルムの磁性層が形成された面と反対側の面に、カー
ボンおよびポリウレタン樹脂よりなる厚さ0.5μm厚
のバックコート層を形成した。続いて、前記表4〜表6
に示される化合物をトルエンに溶解し、前記カーボン膜
層の表面に該化合物の塗布量が5mg/m2となるよう
に塗布した。得られた磁気記録媒体を6.35mm幅に
裁断してサンプルテープとした。
に、Coを蒸着させ、膜厚180nmの金属磁性薄膜か
らなる磁性層を形成した。次いでマグネトロンスパッタ
リング装置を用いて磁性層上に約8nmの厚さのカーボ
ン膜層を形成した。次に、ポリエチレンテレフタレート
フィルムの磁性層が形成された面と反対側の面に、カー
ボンおよびポリウレタン樹脂よりなる厚さ0.5μm厚
のバックコート層を形成した。続いて、前記表4〜表6
に示される化合物をトルエンに溶解し、前記カーボン膜
層の表面に該化合物の塗布量が5mg/m2となるよう
に塗布した。得られた磁気記録媒体を6.35mm幅に
裁断してサンプルテープとした。
【0048】耐久性および走行性の評価
前記のようにして作製された各サンプルテープを用い、
温度40℃、相対湿度80%の条件で摩擦係数を、温度
−5℃の条件でスチル耐久性を、温度40℃、相対湿度
20%の条件でシャトル耐久性をそれぞれ測定した。実
施例1〜31の結果を表7に、また比較例1〜5の結果
を表8に示す。なお、本実施例のこれらの条件は、最も
厳しい使用条件と考えられる。また、スチル耐久性およ
びシャトル耐久性の測定には、市販のデジタルビデオカ
ムコーダー(ソニー社製商品名VX1000)を用い
た。
温度40℃、相対湿度80%の条件で摩擦係数を、温度
−5℃の条件でスチル耐久性を、温度40℃、相対湿度
20%の条件でシャトル耐久性をそれぞれ測定した。実
施例1〜31の結果を表7に、また比較例1〜5の結果
を表8に示す。なお、本実施例のこれらの条件は、最も
厳しい使用条件と考えられる。また、スチル耐久性およ
びシャトル耐久性の測定には、市販のデジタルビデオカ
ムコーダー(ソニー社製商品名VX1000)を用い
た。
【0049】(1)摩擦係数測定方法
摩擦係数の測定は、恒温槽中で温度40℃、相対湿度8
0%に制御して、サンプルテープを摩擦係数測定器に1
00回走行させて測定した。なお、100回走行後の数
値を摩擦係数として表中に記した。 (2)スチル耐久性測定方法 スチル耐久性は、−5℃の恒温槽中で行い、再生出力が
3dB落ちるまでの時間を測定した。 (3)シャトル耐久性測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽を温度40℃、相対湿度20
%に制御して、サンプルテープ60分長をPlayモー
ドで100回走行させ、100回走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定した。
0%に制御して、サンプルテープを摩擦係数測定器に1
00回走行させて測定した。なお、100回走行後の数
値を摩擦係数として表中に記した。 (2)スチル耐久性測定方法 スチル耐久性は、−5℃の恒温槽中で行い、再生出力が
3dB落ちるまでの時間を測定した。 (3)シャトル耐久性測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽を温度40℃、相対湿度20
%に制御して、サンプルテープ60分長をPlayモー
ドで100回走行させ、100回走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定した。
【0050】溶媒に対する溶解度評価
実施例1〜31および比較例3で使用した潤滑剤につい
てエタノール、アセトン、トルエンの各溶媒に対する溶
解性を調べた。評価は、各溶媒に易溶な場合は○、潤滑
剤が溶媒に不溶な場合は×とした。各潤滑剤の溶解性評
価の結果を表9に示す。
てエタノール、アセトン、トルエンの各溶媒に対する溶
解性を調べた。評価は、各溶媒に易溶な場合は○、潤滑
剤が溶媒に不溶な場合は×とした。各潤滑剤の溶解性評
価の結果を表9に示す。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】前記結果より、本発明の部分フッ化アルキ
ル系化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤として用いること
により、高温多湿、高温低湿あるいは低温等の様々な使
用条件下においても摩擦係数、スチル耐久性またはシャ
トル耐久性の劣化が極めて少なく、非常に良好な結果が
得られることが分かる。
ル系化合物を磁気記録媒体用の潤滑剤として用いること
により、高温多湿、高温低湿あるいは低温等の様々な使
用条件下においても摩擦係数、スチル耐久性またはシャ
トル耐久性の劣化が極めて少なく、非常に良好な結果が
得られることが分かる。
【0055】
【発明の効果】本発明の部分フッ化アルキル系化合物
は、とくに磁気記録媒体用の潤滑剤として有用である。
また、記録媒体の潤滑剤として前記の部分フッ化アルキ
ル系化合物を用いれば、各種使用条件下において優れた
潤滑性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が
持続され、優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供す
ることのできる記録媒体が得られる。
は、とくに磁気記録媒体用の潤滑剤として有用である。
また、記録媒体の潤滑剤として前記の部分フッ化アルキ
ル系化合物を用いれば、各種使用条件下において優れた
潤滑性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が
持続され、優れた走行性、耐摩耗性、耐久性等を提供す
ることのできる記録媒体が得られる。
【図1】本発明の部分フッ化アルキル系化合物の一種で
あるC12H25N(C2H4OCOCH(C18H37)CH2
COO(CH2)2(CF2)8F)2のIR分析結果を示
す図である。
あるC12H25N(C2H4OCOCH(C18H37)CH2
COO(CH2)2(CF2)8F)2のIR分析結果を示
す図である。
【図2】本発明の部分フッ化アルキル系化合物の一種で
あるN(C2H4OCOCH(C 18H37)CH2COO
(CH2)2(CF2)8F)3のIR分析結果を示す図で
ある。
あるN(C2H4OCOCH(C 18H37)CH2COO
(CH2)2(CF2)8F)3のIR分析結果を示す図で
ある。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C10M 105/64 C10M 105/64
105/70 105/70
G11B 5/725 G11B 5/725
// C10N 30:00 C10N 30:00 Z
30:06 30:06
40:18 40:18
(72)発明者 亀井 隆広
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
(72)発明者 栗原 研一
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
(72)発明者 岩本 浩
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
(72)発明者 坪井 寿憲
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ
ー株式会社内
Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB60 BJ50 BM10
BM71 BT12 BU32 BU46
4H104 BE02A BE07A BE27A LA03
LA20 PA16
5D006 AA01 EA03 FA02 FA05
Claims (12)
- 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 N{X1(OA)p}{X2}{X3} …(1) (式中、X1は3価または4価のアミノ基を含むことが
ある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基、または芳
香環で置換された炭化水素基を示し、X2、X3は同一ま
たは異なる基で、それぞれ水素原子、アミノ基を含むこ
とがある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基、また
は芳香環で置換された炭化水素基を示し、Aは水素原子
または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
は2〜3の整数を示す。ただし、−COCHR−CH2
COORf基は分子内に少なくとも2個はあるものとす
る。)で表されることを特徴とする部分フッ化アルキル
系化合物。 - 【請求項2】 下記一般式(2): 【化2】 N{X1(OA)p}{X2(OA)q}{X3} …(2) (式中、X1およびX2は2価または3価の同一または異
なる基で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化水素
基、芳香環基あるいは複素環基を示し、X3は水素原
子、アミノ基を含むことがある炭化水素基、芳香環基あ
るいは複素環基、または芳香環で置換された炭化水素基
を示し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
およびqはそれぞれ1または2の整数を示す。ただし、
−COCHR−CH2COORf基は分子内に少なくと
も2個はあるものとする。)で表されることを特徴とす
る部分フッ化アルキル系化合物。 - 【請求項3】 下記一般式(3): 【化3】 N{X1(OA)}{X2(OA)}{X3(OA)} …(3) (式中、X1、X2、X3は2価の同一または異なる基
で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化水素基を示
し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示す。た
だし、−COCHR−CH2COORf基は分子内に少
なくとも2個はあるものとする。)で表されることを特
徴とする部分フッ化アルキル系化合物。 - 【請求項4】 下記一般式(1): 【化4】 N{X1(OA)p}{X2}{X3} …(1) (式中、X1は3価または4価のアミノ基を含むことが
ある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基、または芳
香環で置換された炭化水素基を示し、X2、X3は同一ま
たは異なる基で、それぞれ水素原子、アミノ基を含むこ
とがある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基、また
は芳香環で置換された炭化水素基を示し、Aは水素原子
または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
は2〜3の整数を示す。ただし、−COCHR−CH2
COORf基は分子内に少なくとも2個はあるものとす
る。)で表される部分フッ化アルキル系化合物よりなる
ことを特徴とする記録媒体用潤滑剤。 - 【請求項5】 下記一般式(2): 【化5】 N{X1(OA)p}{X2(OA)q}{X3} …(2) (式中、X1およびX2は2価または3価の同一または異
なる基で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化水素
基、芳香環基あるいは複素環基を示し、X3は水素原
子、アミノ基を含むことがある炭化水素基、芳香環基あ
るいは複素環基、または芳香環で置換された炭化水素基
を示し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
およびqはそれぞれ1または2の整数を示す。ただし、
−COCHR−CH2COORf基は分子内に少なくと
も2個はあるものとする。)で表される部分フッ化アル
キル系化合物よりなることを特徴とする記録媒体用潤滑
剤。 - 【請求項6】 下記一般式(3): 【化6】 N{X1(OA)}{X2(OA)}{X3(OA)} …(3) (式中、X1、X2、X3は2価の同一または異なる基
で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化水素基を示
し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示す。た
だし、−COCHR−CH2COORf基は分子内に少
なくとも2個はあるものとする。)で表される部分フッ
化アルキル系化合物よりなることを特徴とする記録媒体
用潤滑剤。 - 【請求項7】 支持体上に、記録層、および潤滑剤より
なる潤滑剤層が少なくとも順次形成されてなる記録媒体
であって、 前記潤滑剤が下記一般式(1): 【化7】 N{X1(OA)p}{X2}{X3} …(1) (式中、X1は3価または4価のアミノ基を含むことが
ある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基、または芳
香環で置換された炭化水素基を示し、X2、X3は同一ま
たは異なる基で、それぞれ水素原子、アミノ基を含むこ
とがある炭化水素基、芳香環基あるいは複素環基、また
は芳香環で置換された炭化水素基を示し、Aは水素原子
または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
は2〜3の整数を示す。ただし、−COCHR−CH2
COORf基は分子内に少なくとも2個はあるものとす
る。)で表される部分フッ化アルキル系化合物を含むこ
とを特徴とする記録媒体。 - 【請求項8】 前記記録層が磁性層であり、前記記録媒
体が磁気記録媒体であることを特徴とする請求項7記載
の記録媒体。 - 【請求項9】 支持体上に、記録層、および潤滑剤より
なる潤滑剤層が少なくとも順次形成されてなる記録媒体
であって、 前記潤滑剤が下記一般式(2): 【化8】 N{X1(OA)p}{X2(OA)q}{X3} …(2) (式中、X1およびX2は2価または3価の同一または異
なる基で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化水素
基、芳香環基あるいは複素環基を示し、X3は水素原
子、アミノ基を含むことがある炭化水素基、芳香環基あ
るいは複素環基、または芳香環で置換された炭化水素基
を示し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示し、p
およびqはそれぞれ1または2の整数を示す。ただし、
−COCHR−CH2COORf基は分子内に少なくと
も2個はあるものとする。)で表される部分フッ化アル
キル系化合物を含むことを特徴とする記録媒体。 - 【請求項10】 前記記録層が磁性層であり、前記記録
媒体が磁気記録媒体であることを特徴とする請求項9記
載の記録媒体。 - 【請求項11】 支持体上に、記録層、および潤滑剤よ
りなる潤滑剤層が少なくとも順次形成されてなる記録媒
体であって、 前記潤滑剤が下記一般式(3): 【化9】 N{X1(OA)}{X2(OA)}{X3(OA)} …(3) (式中、X1、X2、X3は2価の同一または異なる基
で、それぞれアミノ基を含むことがある炭化水素基を示
し、Aは水素原子または、 −COCHR−CH2COORf (Rは炭素原子数が6〜30の飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、Rfは飽和もしくは不飽和の部
分フロロアルキル基を示す。)で表される基を示す。た
だし、−COCHR−CH2COORf基は分子内に少
なくとも2個はあるものとする。)で表される部分フッ
化アルキル系化合物を含むことを特徴とする記録媒体。 - 【請求項12】 前記記録層が磁性層であり、前記記録
媒体が磁気記録媒体であることを特徴とする請求項11
記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001257857A JP2003064035A (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 部分フッ化アルキル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001257857A JP2003064035A (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 部分フッ化アルキル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003064035A true JP2003064035A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=19085461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001257857A Pending JP2003064035A (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 部分フッ化アルキル系化合物、該化合物からなる潤滑剤および該潤滑剤を用いた記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003064035A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005314636A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-11-10 | Fuji Photo Film Co Ltd | 有機溶剤系増粘・チキソトロピー付与剤、塗布組成物、機能性フィルム、および光学フィルム |
US10517849B2 (en) | 2016-10-26 | 2019-12-31 | Constellation Pharmaceuticals, Inc. | LSD1 inhibitors and medical uses thereof |
US10526287B2 (en) | 2015-04-23 | 2020-01-07 | Constellation Pharmaceuticals, Inc. | LSD1 inhibitors and uses thereof |
-
2001
- 2001-08-28 JP JP2001257857A patent/JP2003064035A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005314636A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-11-10 | Fuji Photo Film Co Ltd | 有機溶剤系増粘・チキソトロピー付与剤、塗布組成物、機能性フィルム、および光学フィルム |
US10526287B2 (en) | 2015-04-23 | 2020-01-07 | Constellation Pharmaceuticals, Inc. | LSD1 inhibitors and uses thereof |
US10517849B2 (en) | 2016-10-26 | 2019-12-31 | Constellation Pharmaceuticals, Inc. | LSD1 inhibitors and medical uses thereof |
US11013718B2 (en) | 2016-10-26 | 2021-05-25 | Constellation Pharmaceuticals, Inc. | LSD1 inhibitors and medical uses thereof |
US11547695B2 (en) | 2016-10-26 | 2023-01-10 | Constellation Pharmaceuticals, Inc. | LSD1 inhibitors and medical uses thereof |
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