JP2003054925A - 賦活処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、賦活処理中に発生したガスを大気中
に放散することのない賦活処理装置を得ること 【解決手段】 賦活処理容器１内を蒸気噴射板６によ
り、上部室７と下部室８に分割する。下部室８に蒸気供
給管５を接続する。上部室７をブロワ２と接続する。ブ
ロワ２を熱交換器３と連通する。熱交換器３の上部にガ
ス回収ライン４を接続する。蒸気供給管５から賦活処理
容器１内へ供給される蒸気によって被処理物が賦活処理
される。賦活処理に伴って発生したガスや一部の蒸気は
ブロワ２に吸引され熱交換器３に至り、気液分離された
ガスだけが、ガス回収ライン４から回収部に回収され
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は炭素を含む有機物か
らなる被処理物を、水蒸気雰囲気中で加熱して賦活処理
するものに関し、特に賦活処理に伴って発生する一酸化
炭素あるいは二酸化炭素等のガスを大気中に放散するこ
とのない賦活処理装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来の賦活処理装置として、例えば、特
開２００１−１７２０１２号公報に示されているものが
ある。これは、回転炉７の外周に加熱炉１を配置して、
加熱炉１で発生したガスは排気口２と排気筒２６及び煙
突２７から外部へ放出すると共に、回転炉７で発生した
ガスは、排出ガスを洗浄するスクラバー２９と燃焼炉３
７を経て、この燃焼炉３７で完全燃焼させて外部に放出
するものである。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
加熱炉で発生したガスは大気中に放出され、依然として
大気を汚染する問題があった。また、回転炉で発生した
ガスは、スクラバーで洗浄し燃焼炉で完全燃焼させるた
めに、賦活装置そのものが大型化、複雑化して高価なも
のとなってしまう問題があった。 【０００４】従って本発明の課題は、大型化、複雑化す
ることなく安価にして、賦活処理中に発生するガスを大
気中に放散することのない賦活処理装置を得ることであ
る。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段は、被処理物を賦活処理容器内に入れて、当該
賦活処理容器内に水蒸気を供給して賦活処理するものに
おいて、賦活処理容器をほぼ密閉状として、当該賦活処
理容器内のガス及び／又は水蒸気を吸引する吸引手段を
賦活処理容器と連通し、当該吸引手段で吸引されたガス
を所定のガス回収部に回収するものである。 【０００６】 【発明の実施の形態】ほぼ密閉状の賦活処理容器を吸引
手段と連通して、賦活処理容器内で発生したガスをガス
回収部へ回収することにより、ガスが大気中に放散され
ることがない。 【０００７】吸引手段とガス回収部を設けるだけであ
り、賦活処理装置そのものが大型化したり複雑化するこ
とがなく、安価なものとすることができる。 【０００８】 【実施例】図１において、縦型で略円筒タンク状の賦活
処理容器１と、容器１と連通した吸引手段としてのブロ
ワ２と、ブロワ２で吸引した流体を熱交換する熱交換器
３と、熱交換器３で分離したガスを回収するガス回収ラ
イン４、及び、賦活処理容器１に水蒸気を供給する蒸気
供給管５とで賦活処理装置を構成する。 【０００９】賦活処理容器１の内部は、蒸気噴射板６に
より上部室７と下部室８に分割する。下部室８に蒸気供
給管５を接続し、上部室７の蒸気噴射板６上に炭素を含
む有機物からなる被処理物を戴置する。蒸気噴射板６に
は、多数の小径貫通孔９を設ける。賦活処理容器１には
図示しない蓋を開閉自在に取り付けて、被処理物を容器
１内へ出し入れできるようにする。 【００１０】賦活処理容器１の下部室８には、ガス供給
管１０を接続して、賦活処理する場合に必要なガスを供
給する。 【００１１】賦活処理容器１は、蒸気供給管５とガス供
給管１０、及び、後述する吸引管１１を除いて外部と直
接連通する箇所がないように、ほぼ密閉状とする 【００１２】賦活処理容器１の上端を吸引管１１によっ
てブロワ２と連通する。ブロワ２は、処理容器１内の一
酸化炭素等のガス、水蒸気等の流体を吸引して下方の熱
交換器３へ供給することができるものである。 【００１３】熱交換器３には、ブロワ２から供給される
流体を冷却するための冷却流体供給管１２と排出管１３
を接続すると共に、上部にバルブ１４を介してガス回収
ライン４を接続する。ガス回収ライン４は図示しないガ
ス回収容器等からなるガス回収部と連通する。 【００１４】熱交換器３に供給された流体は、冷却流体
供給管１２から供給される冷却流体によって冷却され、
蒸気は凝縮して復水となり下方の復水排出管１５からポ
ンプ１６へ流下すると共に、凝縮しない一酸化炭素等の
ガスはガス回収ライン４からガス回収部へ回収される。
このように、熱交換器３は蒸気を凝縮させ、復水とガス
を気液分離する機能をも合せ持つ。 【００１５】復水排出管１５からポンプ１６へ流下した
復水は、ポンプ１６によって電磁誘導加熱器１７の入口
側に圧送され、この電磁誘導加熱器１７で加熱されて再
度蒸気となり、蒸気供給管５から賦活処理容器１に供給
される。 【００１６】蒸気供給管５の下方にボイラー蒸気管１８
を接続する。ボイラー蒸気管１８は、図示しないボイラ
ーと接続して、電磁誘導加熱器１７を介して賦活処理容
器１へ蒸気を補助的に供給するものである。 【００１７】電磁誘導加熱器１７では、ボイラー蒸気管
１８から供給される蒸気、あるいは、ポンプ１６から供
給される復水に伝熱する熱量を適宜制御することによっ
て、賦活処理容器１へ供給する蒸気を飽和温度蒸気とし
たり、あるいは、過熱温度蒸気に調節することができ
る。 【００１８】賦活処理容器１で被処理物を賦活処理する
場合、まず、ボイラー蒸気管１８から電磁誘導加熱器１
７を経て所定温度の蒸気を処理容器１へ供給すると共
に、ブロワ２で容器１内の流体を吸引する。 【００１９】賦活処理容器１へ供給された蒸気は、蒸気
噴射板６から上部室７へ噴射されて、被処理物を攪拌し
ながら加熱して賦活処理を行う。この場合、被処理物は
噴射蒸気によって均一に攪拌されることにより、被処理
物の全体に蒸気が接触して、被処理物を均一に賦活処理
することができる。 【００２０】賦活処理によって発生したガスと蒸気の一
部は、ブロワ２に吸引されて熱交換器３に至る。熱交換
器３で蒸気が凝縮して気液分離され、分離したガスは回
収ライン４から回収部に回収され、一方、凝縮した復水
はポンプ１６で電磁誘導加熱器１７に供給されて、所定
温度の蒸気となって再度処理容器１に供給される。 【００２１】本実施例においては、賦活処理容器１内へ
蒸気を供給する方法として、下部室８から蒸気噴射板６
を介して供給する例を示したが、蒸気の供給方法はこれ
に限ることはなく、蒸気供給管５の端部に複数のノズル
を取り付けて、被処理物に噴射することも、あるいは、
容器１の底部横から噴射することもできる。要するに、
容器１内の被処理物を攪拌しながら、被処理物の全体に
且つ均一に蒸気が接触するように噴射できれば良い。 【００２２】また、本実施例においては、吸引手段とし
てブロワ２を用いた例を示したが、吸引手段としては、
その他に各種ポンプやエゼクタ、あるいは、循環ポンプ
と水エゼクタと水タンクを組み合わせた所謂エゼクタ式
組み合わせポンプ等を用いることもできる。 【００２３】本実施例においては、賦活処理容器１内で
発生した蒸気の凝縮水としての復水を外部に排出するこ
との例示はないが、容器１の下部室８に、蒸気を排出す
ることはなく、復水だけを外部に自動的に排出するスチ
ームトラップを接続することにより、容器１内の復水を
外部に排出することができる。 【００２４】また、本実施例では、賦活処理容器１の外
部に加熱部あるいは保温部を示していないが、必要に応
じて周知の通りに別個の加熱部あるいは保温部を取り付
けることができる。 【００２５】 【発明の効果】上記のように本発明によれば、密閉状の
賦活処理容器を吸引手段と連通して、賦活処理容器内で
発生したガスをガス回収部へ回収することにより、賦活
処理装置を安価なものとすることができると共に、賦活
処理中に発生したガスが大気中に放散されることがな
く、環境負荷を低減することができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の賦活処理装置の実施例を示す構成図。 【符号の説明】 １ 賦活処理容器 ２ ブロワ ３ 熱交換器 ４ ガス回収ライン ５ 蒸気供給管 ６ 蒸気噴射板 １７ 電磁誘導加熱器 １８ ボイラー蒸気管

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 被処理物を賦活処理容器内に入れて、当
   該賦活処理容器内に水蒸気を供給して賦活処理するもの
   において、賦活処理容器をほぼ密閉状として、当該賦活
   処理容器内のガス及び／又は水蒸気を吸引する吸引手段
   を賦活処理容器と連通し、当該吸引手段で吸引されたガ
   スを所定のガス回収部に回収することを特徴とする賦活
   処理装置。