JP2003053906A - 表面導電性積層体 - Google Patents

表面導電性積層体

Info

Publication number
JP2003053906A
JP2003053906A JP2001249113A JP2001249113A JP2003053906A JP 2003053906 A JP2003053906 A JP 2003053906A JP 2001249113 A JP2001249113 A JP 2001249113A JP 2001249113 A JP2001249113 A JP 2001249113A JP 2003053906 A JP2003053906 A JP 2003053906A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive layer
conductive
resin
thermoplastic resin
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001249113A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4533564B2 (ja
Inventor
Motonori Konno
元紀 金野
Ko Yamaguchi
耕 山口
Takeshi Okamoto
武 岡本
Toshimitsu Hasegawa
利光 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polychem Corp filed Critical Japan Polychem Corp
Priority to JP2001249113A priority Critical patent/JP4533564B2/ja
Publication of JP2003053906A publication Critical patent/JP2003053906A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4533564B2 publication Critical patent/JP4533564B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装部品との接触時の磨耗などによるカーボ
ンブラック等の脱離が原因となる部品の汚染を無くした
導電性積層体の提供。 【解決手段】 基材層の片面又は両面に、熱可塑性樹脂
40〜95重量%と導電性フィラー5〜60重量%とを
含有する熱可塑性樹脂組成物(I)からなり、かつ、表
面固有抵抗値が10Ω/cm未満である導電層と、
表面固有抵抗値が10〜1017Ω/cmである熱
可塑性樹脂組成物(II)からなる厚さ0.1〜20μ
mの非導電層とが順次積層された積層体であって、該積
層体の表面固有抵抗値が1013Ω/cm以下である
ことを特徴とする導電性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性に優れた積
層体に関し、詳しくは、基材層の片面又は両面に導電層
と非導電層とを順次積層してなる、導電性に優れ、カー
ボン脱落、埃付着等による梱包品の汚染が解消された積
層体及びその熱成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話端末の大幅な普及など、IT関
連に関する機器等に使用する電子部品の需要増大に伴
い、電子部品搬送用包材の需要も増加しており、さら
に、近年の電子部品の高性能化により搬送用樹脂包材に
対する品質も厳しい要求がでてきている。
【0003】従来、ICやLCDなどの電子部品等の搬
送用樹脂包材の包装形態としては、インジェクショント
レー、真空成形トレー、マガジン、エンボスキャリアテ
ープなどが使用されており(特開平3−88213号公
報参照)、これらの樹脂包装容器には、静電気によるI
C等の破壊を防止する方法として、(1)包装容器の表
面に帯電防止剤を塗布する方法、(2)導電性塗料を塗
布する方法(特開平7−164601号公報参照)、
(3)樹脂に帯電防止剤を配合させる方法(特開200
0−318080号公報参照)、(4)導電性フィラー
を配合させる方法(特開平9−76422号公報)等が
提案されている。
【0004】しかしながら、上記(1)の方法は、塗装
直後は十分な帯電防止効果を示すが、長時間の使用によ
り、帯電防止剤の水分による流出、磨耗による脱離が生
じ易く安定した性能が得られない。また表面固有抵抗値
も10〜1012Ω程度であり、厳しい帯電防止効果
を要求される電子部品の包装には不適当である。上記
(2)の方法は、製造時において導電性塗料の塗布が不
均一となり易く、また磨耗による剥がれ落ちのため帯電
防止効果を失い、ICを破壊すると共にICのリード部
を汚染するという欠点がある。上記(3)の方法は、帯
電防止剤を多量に添加する必要があるため樹脂の物性を
低下させ、また表面固有抵抗値が湿度により大きく影響
され安定した性能が得られない。
【0005】上記(4)の方法の導電性フィラーとして
は、(a)金属粉末(特開昭61−236841号公報
参照)、(b)カーボンファイバー(特開昭64−26
435号公報参照)、(c)カーボンブラックなどが挙
げられている。このうち(a)金属微粉末及び(b)カ
ーボンファイバーは、少量の配合量で十分な導電性が得
られるが成形性は、著しく低下し、また均一に分散させ
ることが難しく、かつ成形品の表面に樹脂成分のみのス
キン層ができ易く、安定した表面固有抵抗値が得られに
くい。これに対して、(c)カーボンブラックは、混練
条件等の検討により均一に分散させることが可能であ
り、安定した表面固有抵抗値が得られ易いことから一般
的に使用されている。
【0006】しかしながら、カーボンブラックは、樹脂
に対して比較的多量に配合する必要があり、このような
カーボンブラックを多量に配合した組成物の成形品は、
包装部品などとの接触などによる磨耗、もしくは自然条
件による成形品の表面からカーボンブラックが脱離し易
いという欠点があり、電子部品等を汚染する問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる欠点
を解決するものであり、包装部品との接触時の磨耗など
によるカーボンブラック等の脱離が原因となる部品の汚
染を無くした、導電性積層体を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、基材層に特定の
表面固有抵抗値を有する導電層と特定の表面固有抵抗値
と厚さを有する非導電層とを順次積層した積層体が、カ
ーボンブラック等の脱離がなく、電子部品等の包材とし
て、優れた性能を有することを見出し、本発明に至っ
た。
【0009】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
基材層の片面又は両面に、熱可塑性樹脂40〜95重量
%と導電性フィラー5〜60重量%とを含有する熱可塑
性樹脂組成物(I)からなり、かつ、表面固有抵抗値が
10Ω/cm未満である導電層と、表面固有抵抗値
が10〜1017Ω/cmである熱可塑性樹脂組成
物(II)からなる厚さ0.1〜20μmの非導電層と
が順次積層された積層体であって、該積層体の表面固有
抵抗値が1013Ω/cm以下であることを特徴とす
る導電性積層体が提供される。
【0010】また、本発明の第2の発明によれば、導電
性フィラーが、導電性カーボンであることを特徴とする
第1の発明に記載の導電性積層体が提供される。
【0011】また、本発明の第3の発明によれば、熱可
塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴と
する第1又は2に発明に記載の導電性積層体が提供され
る。
【0012】また、本発明の第4発明によれば、積層体
が、共押出法で成形されてなることを特徴とする第1〜
3のいずれかの発明に記載の導電性積層体が提供され
る。
【0013】また、本発明の第5発明によれば、第1〜
4のいずれかの発明に記載の導電性積層体を熱成形して
なる成形品が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】1.基材層 本発明の導電性積層体の基材層は、シート状に加工でき
る熱可塑性樹脂であれば、何ら制限なく使用することが
できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ
スチレン、ABS等のスチレン系樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
イミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリアリレート、ポリエステルエーテル、ポリア
ミドイミド等が挙げられる。これらの樹脂には各種添加
剤、改質剤、無機フィラー等が配合されていても良い。
さらに、コスト面から考えると、熱可塑性樹脂のリサイ
クル材、スクラップ材、廃材等が成形性を損なわない程
度に配合されていても構わない。上記樹脂の中では、リ
サイクル性の観点からポリオレフィン樹脂が好ましい。
また、基材層は、一層でも二層以上であってもよい。
【0015】2.導電層 本発明の積層体における導電層を構成する熱可塑性樹脂
組成物(I)は、熱可塑性樹脂と導電性フィラーとから
なる組成物である。熱可塑性樹脂は、基材層と同様に何
ら制限されることなく使用することができ、上記と同様
の熱可塑性樹脂が挙げられ、リサイクル性の観点からポ
リオレフィン樹脂が好ましい。
【0016】導電性フィラーとしては、導電性カーボン
が好ましい。導電性カーボンとしては、ファーネスブラ
ック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、カー
ボンファイバー、カーボンナノチューブ等が挙げられ、
単一成分であっても二種以上の混合物であっても良い。
導電性カーボンは、特に制限は無いが、中でも平均粒径
(一次粒径)が50μm以下、好ましくは10μm以
下、さらに好ましくは1μm以下のものが樹脂への添加
量が少量で良好な導電性が得られるので好ましい。好ま
しい導電性カーボンとしては、例えば、S.C.F.
(Super Conductive Furnac
e)、E.C.F.(Electric Conduc
tive Furnace)、ケッチェンブラック(ラ
イオン−AKZO社製商品名)及びアセチレンブラック
などの市販品がある。
【0017】熱可塑性樹脂と導電性フィラーとの配合割
合は、熱可塑性樹脂が40〜95重量%、好ましくは5
5〜85重量%、より好ましくは60〜80重量%であ
り、導電性フィラーが5〜60重量%、好ましくは15
〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%であ
る。導電性フィラーの配合割合が、5重量%未満では満
足な表面固有抵抗値が得られず、また配合量が60重量
%を超えると分散が不均一となり機械強度等が低下し、
また押出加工が困難になる。
【0018】また、導電層は、その表面固有抵抗値が1
Ω/cm未満であり、好ましくは10Ω/cm
以下であり、より好ましくは10Ω/cm以下で
ある。10Ω/cm以上であると全体としての表面
抵抗が低下する。
【0019】3・非導電層 本発明の積層体における非導電層を構成する熱可塑性樹
脂組成物(II)は、熱可塑性樹脂を主成分とする。熱
可塑性樹脂は、基材層と同様に何ら制限されることなく
使用することができ、上記と同様の熱可塑性樹脂が挙げ
られ、リサイクル性の観点からポリオレフィン樹脂が好
ましい。
【0020】また、非導電層は、その表面固有抵抗値が
10〜1017Ω/cmであり、好ましくは10
〜1016Ω/cmであり、より好ましくは1010
〜1016Ω/cmである。10Ω/cm未満で
あると性能的にはなんら問題はないが、導電層の存在が
意味をなさない。一方、1017Ω/cmを超えると
導電不良を起こす。
【0021】4.熱可塑性樹脂組成物の製造 また、本発明のすべての層に対して、必要に応じて基本
的性質を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂に各種の添加
剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、安定剤、染顔料、滑
剤、核剤、紫外線吸収剤、充填剤、剛性を付与する無機
フィラー、及び柔軟性を付与するエラストマー等も添加
することができる。樹脂組成物は、各樹脂原料を、混合
或いは、押出機、バンバリーミキサー、ニーダールーダ
ー等を用いて溶融混練し、あるいは溶融混練物をさらに
適当な大きさの粒状に固化形成して、製造される。すな
わち、最終的に得られる成形物において、各成分の配合
量、層構成が前記の範囲内であって、さらに実用上問題
ない混合状態であれば、熱可塑性樹脂組成物を構成する
各成分の配合方法や工程はいかなるものであってもよ
い。
【0022】5.積層体 本発明の積層体は、基材層の片面または両面に導電層と
非導電層とが順次積層されてなる。層構成としては、基
材層/導電層/非導電層、非導電層/導電層/基材層/
導電層/非導電層が例示できる。各層に用いる樹脂は、
層間の接着性を保持するために同系統の材料を用いるこ
とが好ましいが、成形品の必要性能に応じ、例えば、ヒ
ートシール性とガスバリア性が必要な場合には、非導電
層にポリエチレン樹脂、導電層にポリエチレンテレフタ
レート樹脂を配しても構わない。また層間接着のために
マレイン化ポリプロピレンなどの接着性樹脂層を配する
こともできる。
【0023】基材層の厚さは、最終成形品の用途に応じ
て調整すれば良く、通常0.01〜10mm程度であ
る。また、基材層は、用途によっては単層に限らず多層
にすることも可能である。導電層の厚さは、特に制限的
ではないが、薄いと成形品の安定した導電性が発現しな
い場合があり、また厚すぎるとコストアップの原因とな
り、成形不良を起こす場合もあるので、好ましくは5〜
100μmの範囲から選択される。非導電層の厚さは、
0.1μm〜20μmであり、好ましくは0.5μm〜
10μm、より好ましくは1μm〜5μmである。非導
電層の厚さが0.1μm未満であると厚みのコントロー
ルが困難であり、安定した導電層が発現しない。また、
20μmを超えると導電不良をおこす原因となる。
【0024】本発明の積層体全体の表面固有抵抗値は、
1013Ω/cm以下である。表面固有抵抗値が、1
13Ω/cmを超えると十分な帯電防止効果が得ら
れない。また、表面比抵抗値が小さすぎると通電により
内容物を破壊す恐れがあるので、10〜10Ω/c
が好ましい。
【0025】本発明の積層体においては、導電性フィラ
ーを有する導電層を非導電層が覆うので、導電カーボン
の脱離が起こらない。さらに驚くべきことに、最表面が
非導電層であるにもかかわらず表面固有抵抗値は導電層
の同等の値を有し、電子部品等の包材として充分な導電
性を示すことがわかる。
【0026】6.積層体の製造 本発明における積層体の製造は、公知の製造方法に従う
ことができる。樹脂原料をフィードブロック、マルチマ
ニホールドダイ等を使用し溶融状態でシート状に押出す
と同時に積層し、その後に冷却固化して積層体とする共
押出法、フィルム又はシート状に成形したもの同士を溶
融樹脂や接着剤等によって張り合わせるラミネーション
法、一方のシートに他方を溶融状態で積層した後に直ち
に冷却固化し積層シートを得る熱ラミネーション法、も
しくは押出コーティング法等が挙げられる。これらのう
ち薄い表面層を積層しやすいという観点で、共押出法が
好ましい。
【0027】また、積層体の表面平滑性を向上するため
に、冷却固化過程においては、フィルム又はシート状に
押し出された溶融樹脂を表面が平滑な回転する一対のロ
ールで挟み込みながら連続的に冷却固化と表面への平滑
性賦与を行う方法、ロールの代わりに表面が平滑なベル
トを1つあるいは2つ用いる方法が採用でき、一旦表面
の平滑性にかまわず平板状に固化させたものを再度加熱
した上で表面が平滑なロールやベルトを押し当て、最終
的に表面が平滑なシートを得る方法、さらに溶融状態の
樹脂材料を円筒状に押出し周囲から水流や気流によって
冷却固化する方法等が採用できる。また、非連続的に製
造する方法としては、一旦何らかの方法で平板状にした
表面が平滑でないシートを、表面が平滑な一対の板の間
に置き熱を加えながら板同士を押しつけることによって
表面を平滑にする方法、溶融状態の樹脂原料を表面が平
滑な一対の板の間に供給し、板で圧力を加えながら冷却
固化させる方法等が挙げられる。以上に述べた製造方法
のうち、品質の安定性や生産性の面からは、表面が平滑
なロールやスチールベルトで連続的に成形する方法が好
ましい。
【0028】7.熱成形品 本発明の導電性積層体は、各種の熱成形法により、シー
トから所望形状の成形品に加工される。熱成形法として
は、通常の差圧を利用した、真空成形、圧空成形、真空
圧空成形、プラグアシスト成形法、片板熱成形法等を用
いることができる。具体的には、所定温度に加熱した熱
成形用シートを成形金型を用いて、目的とする製品形状
に加工される。シートの加熱温度(成形温度)として
は、材料によって異なるが、主にポリプロピレンを用い
た場合、100〜190℃、好ましくは110〜140
℃が選択される。金型温度は、通常20〜100℃の範
囲で、シート温度より50〜150℃低い温度に保持さ
れる。シートの加熱温度が上記未満では成形性に劣り、
高温過ぎては過剰流動を起こし、いずれも成形品に対し
て厚み変動の原因となり好ましくない。その他、真空
度、圧空の圧力または成形速度等の各種成形条件は、プ
ラグの形状や余型形状乃至原料シートの材料、性質等に
より適当に設定される。
【0029】8.熱成形品の用途 本発明の積層体を熱成形して得られる熱成形品は、導電
性に優れ、埃付着の少ない、また導電カーボン等の脱落
のない内容物の汚染防止性が優れているので、従来使用
することが不可能であった電子部品搬送用トレー等の用
途に好適に用いることができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例における評価方法、使用原
料、積層体製造方法は以下の方法によって行った。
【0031】1.評価方法 (1)表面固有抵抗の測定:ADVANTEC社のUl
tra High Voltage Resistan
ce Meter R8340を用いた。測定は12セ
ンチのリング電極を用い、測定電圧500Vにおいて測
定し、その際の補正に関し電極係数18.84を用い
た。
【0032】(2)カーボン脱離試験:A4版中性紙を
シート表面に圧力約10kg/cmで圧着し、圧力を
保持したまま30cm横に滑らせた後、中性紙表面のカ
ーボン付着具合を評価した。評価基準として、○全くカ
ーボンの付着が見られない、×微量でもカーボン付着が
みられる、という基準で評価を行った。
【0033】2.使用原料 (1)ブロックポリプロピレン:B−PP(日本ポリケ
ム製 ノバテックPPBC4,MFR=6.5) (2)ホモポリプロピレン:H−PP(日本ポリケム製
ノバテックPP MA3、MFR=11) (3)直鎖状低密度ポリエチレン:LLDPE(日本ポ
リケム製 ノバテックLL UJ960 MFR=5.
0) (4)ポリエチレンテレフタレート:PET(三菱化学
社製ポリエチレンテレフタレート ノバペックス) (5)ポリ塩化ビニル:PVC(ヴイテック社製ポリ塩
化ビニル MT1100重合度1100) (6)タルクマスターバッチ:(日本ポリケム製 TX
1778MB) (7)カーボンブラックマスターバッチ:CB1(三菱
化学社製ECX−A304NW MFR=0.03g/
10分、表面固有抵抗1.0×10Ω/cm、カー
ボン一次粒径40nm、カーボン含有量40重量%、希
釈剤ノバテックPP BC4) (8)カーボンブラックマスターバッチ:CB2(三菱
化学社製ECX−2501 MFR=1.5g/10
分、表面固有抵抗1.0×10Ω/cm、カーボン
一次粒径35nm、カーボン含有量35重量%、希釈剤
ノバテックPP BC4)
【0034】3.積層体の成形 (1)成形装置:ポリッシング3本ロール式シート成形
機を用いた。装置の基本構成は、単軸押出機(40mm
φ、L/D=28、2台使用)/フィードブロック/コ
ートハンガーダイ/金属ポリッシング3本ロール引き取
り機/巻き取り機である。 (2)成形条件: a.原料調整:基材層、導電層及び非導電層の原料とな
る各樹脂チップをドライブレンドによって混合し、これ
をシート成形磯の各押出機に供給し、各成分をそれぞれ
溶融混練しながら共押出成形し、5層構造の積層体シー
トを製造した。 b.押出機:押出機は、各層ともスクリュー径40m
m、L/D=25.5の押出機を使用した。 c.押出温度の設定:押出機は、最上流を180℃と
し、徐々に設定を上げながら先端を230℃とした。以
降、途中の接続管、フィードブロック、ダイまで全て2
30℃とした。 d.ダイリップの開度:0.7mmとした。 e.エアギャップ:ダイリップ先端からロールまでの距
離は150mmとした。 f.引取機:溶融樹脂の冷却固化は、金属ポリッシング
(鏡面)ロール3本縦直列式引き取り機で行った。ロー
ル内部は、定温度のオイルの循環によって冷却される構
造となっており、この時のオイル温度は全て60℃とし
た。なお、ロール直径は、30cm、ロールの隙間は
0.5mmとし、厚さ0.50mmのシートを得た。 g.引き取り速度:1.0m/分
【0035】4.積層体容器成形品の成形 積層体シートを、間接加熱式圧空成形機((株)浅野研
究所製、コスミック成形機)を使用して、圧空圧力5k
g/cmの条件で、縦13cm、横18cm、探さ1
cmの容器を成形した。シートは、シートから20cm
離れた位置にある上下ヒータを450℃に保持して加熱
され、加熱時間を変化させることにより最良の外観を得
られたものを得るようにした。
【0036】実施例1 基材層としてB−PPとタルクマスターバッチからなる
熱可塑性樹脂組成物(配合重量比:70/30)を用
い、導電層用樹脂組成物としてB−PP(33重量%)
とCB1(67重量%)からなる樹脂組成物を用い、非
導電層としてH−PPを用い、各樹脂層を非導電層/導
電層/基材層/導電層/非導電層(厚み:2.5μm/
30μm/440μm/30μm/2.5μm)の構成
になるように、共押出法で成形し、断面が図1に示すよ
うな5層の積層シートを得た。得られた積層シートの表
面固有抵抗値、カーボン脱離試験を行った。結果を表1
に示す。なお、導電層に用いた樹脂組成物、非導電層に
用いた樹脂組成物を原料としてそれそれ単層シートを
得、それらの表面固有抵抗を測定したところ、導電層樹
脂は、6.87×10Ω/cmであり、非導電層樹
脂は、2.10×1014Ω/cmであった。
【0037】実施例2 導電層に使用するカーボンブラックマスターバッチをC
B2とした以外は、実施例1と同様にして積層シートを
成形した。得られた積層シートの表面固有抵抗値、カー
ボン脱離試験を行った。結果を表1に示す。なお、導電
層に用いた樹脂組成物の表面固有抵抗は、7.24×1
Ω/cmであった。
【0038】実施例3 非導電層の厚みを両面とも5μmとした以外は、実施例
1と同様にして積層シートを成形した。得られた積層シ
ートの表面固有抵抗値、カーボン脱離試験を行った。結
果を表1に示す。
【0039】実施例4 非導電層の樹脂をB−PPとした以外は、実施例1と同
様にして積層シートを成形した。得られた積層シートの
表面固有抵抗値、カーボン脱離試験を行った。結果を表
1に示す。なお、非導電層樹脂の表面固有抵抗は、1.
64×1015Ω/cmであった。
【0040】実施例5 基材層としてB−PPとタルクマスターバッチからなる
熱可塑性樹脂組成物(配合重量比:70/30)、導電
層としてB−PPとCB1とからなる熱可塑性樹脂組成
物(配合重量比:33/67)を、導電層/基材層(厚
み:30μm/440μm)の構成で、共押出法でシー
トを成形した。シートの導電層面に、非導電層としてL
LDPEを厚さ10μmとなるように熱ラミネーション
を施し、積層シートを得た。得られた積層シートの表面
固有抵抗値、カーボン脱離試験を行った。結果を表1に
示す。なお、非導電層樹脂の表面固有抵抗は、4.52
×1015Ω/cmであった。
【0041】実施例6 非導電層の熱ラミネーション樹脂をPETとした以外
は、実施例5と同様にして積層シートを得た。得られた
積層シートの表面固有抵抗値、カーボン脱離試験を行っ
た。結果を表1に示す。なお、非導電層樹脂の表面固有
抵抗は、3.17×1015Ω/cmであった。
【0042】実施例7 非導電層の熱ラミネーション樹脂をPVCとした以外
は、実施例5と同様にして積層シートを得た。得られた
積層シートの表面固有抵抗値、カーボン脱離試験を行っ
た。結果を表1に示す。なお、非導電層樹脂の表面固有
抵抗は、6.99×1013Ω/cmであった。
【0043】比較例1 非導電層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様に
して積層シートを得た。得られた積層シートの表面固有
抵抗値、カーボン脱離試験を行った。結果を表2に示
す。
【0044】比較例2 非導電層の厚みを両面とも25μmとした以外は、実施
例1と同様にして積層シートを得た。得られた積層シー
トの表面固有抵抗値、カーボン脱離試験を行った。結果
を表2に示す。
【0045】比較例3 非導電層の厚みを両面とも25μmとした以外は、実施
例5と同様にして積層シートを得た。得られた積層シー
トの表面固有抵抗値、カーボン脱離試験を行った。結果
を表2に示す。
【0046】比較例4 非導電層の熱ラミネーション樹脂をPETとし、厚みを
両面とも100μmとした以外は、実施例5と同様にし
て積層シートを得た。得られた積層シートの表面固有抵
抗値、カーボン脱離試験を行った。結果を表2に示す。
【0047】比較例5 非導電層の熱ラミネーション樹脂をPVCとし、厚みを
両面とも100μmとした以外は、実施例5と同様にし
て積層シートを得た。得られた積層シートの表面固有抵
抗値、カーボン脱離試験を行った。結果を表2に示す。
【0048】実施例8 実施例3で得られた積層シートを原反として、積層体容
器成形品を熱成形した。容器の表面固有抵抗値、カーボ
ン脱離試験を行った。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表1及び2から明らかなように、本発明の
積層体は、表面固有抵抗値が小さく導電性に優れ、か
つ、カーボン脱落のない導電性積層体、および導電性熱
成形容器である(実施例1〜8)。一方、非導電性層で
被覆しない積層体は、カーボン脱離が見られ(比較例
1)、非導電層の厚みが厚すぎる積層体は、カーボン脱
離が見られないものの表面固有抵抗が高く、導電性が悪
い(比較例2〜5)。
【0052】
【発明の効果】本発明の導電性に優れた積層体、及びそ
の成形品は、基材層の片面又は両面に導電層と極薄い非
導電層とを順次積層してなる、カーボン脱落が低減され
た導電層に優れた積層体、及びその成形品である。積層
体の利点を生かし高価なカーボンを全体に練り込む必要
も無くコストが低減でき、カーボン脱落、および埃付着
による梱包品の汚染が解消されるという機能性を持ち、
静電気、埃等の影響を受けやすい電子部品搬送用の容
器、梱包材に好適に使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性積層体の断面図である。
【符号の説明】
1 基材層 2 導電層 3 非導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 H01B 5/14 H01B 5/14 Z (72)発明者 岡本 武 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社技術開発センター内 (72)発明者 長谷川 利光 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社技術開発センター内 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA14 AA20 AB03 AE15 AF37Y AF39Y AH04 BB03 BB06 BC02 BC04 4F100 AA37B AA37D AK01A AK01B AK01C AK01D AK01E AK03A AK03B AK03D AK07 AT00A BA03 BA10A BA10C BA10E CA21B CA21D EH202 GB15 GB16 JB16B JB16C JB16D JB16E JG01 JG04C JG04E YY00C YY00E 4J002 BB011 BB031 BB121 BC021 BD031 BN151 CF061 CF081 CF161 CG001 CH091 CL001 CM041 CN011 CN031 DA036 FD116 GF00 GG00 5G307 GA02 GC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層の片面又は両面に、熱可塑性樹脂
    40〜95重量%と導電性フィラー5〜60重量%とを
    含有する熱可塑性樹脂組成物(I)からなり、かつ、表
    面固有抵抗値が10Ω/cm未満である導電層と、
    表面固有抵抗値が10〜1017Ω/cmである熱
    可塑性樹脂組成物(II)からなる厚さ0.1〜20μ
    mの非導電層とが順次積層された積層体であって、該積
    層体の表面固有抵抗値が1013Ω/cm以下である
    ことを特徴とする導電性積層体。
  2. 【請求項2】 導電性フィラーが、導電性カーボンであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の導電性積層体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性
    積層体。
  4. 【請求項4】 積層体が、共押出法で成形されてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導
    電性積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導
    電性積層体を熱成形してなる成形品。
JP2001249113A 2001-08-20 2001-08-20 成形品 Expired - Fee Related JP4533564B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249113A JP4533564B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249113A JP4533564B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003053906A true JP2003053906A (ja) 2003-02-26
JP4533564B2 JP4533564B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=19078163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001249113A Expired - Fee Related JP4533564B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4533564B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004202948A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Research Laboratory Of Plastics Technology Co Ltd 積層体

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06305084A (ja) * 1993-04-27 1994-11-01 Denki Kagaku Kogyo Kk 導電性複合プラスチックシート及び成形品
JPH07276574A (ja) * 1994-04-06 1995-10-24 Toyo Alum Kk 導電性包装材料
JPH0976425A (ja) * 1995-09-19 1997-03-25 Denki Kagaku Kogyo Kk 導電性複合プラスチックシート及び容器
JPH0976422A (ja) * 1995-09-19 1997-03-25 Denki Kagaku Kogyo Kk 導電性複合プラスチックシート及び容器
JPH11115102A (ja) * 1997-10-09 1999-04-27 Fujimori Pra Chemical Kk 包装用フィルム及びこれを用いた包装袋

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06305084A (ja) * 1993-04-27 1994-11-01 Denki Kagaku Kogyo Kk 導電性複合プラスチックシート及び成形品
JPH07276574A (ja) * 1994-04-06 1995-10-24 Toyo Alum Kk 導電性包装材料
JPH0976425A (ja) * 1995-09-19 1997-03-25 Denki Kagaku Kogyo Kk 導電性複合プラスチックシート及び容器
JPH0976422A (ja) * 1995-09-19 1997-03-25 Denki Kagaku Kogyo Kk 導電性複合プラスチックシート及び容器
JPH11115102A (ja) * 1997-10-09 1999-04-27 Fujimori Pra Chemical Kk 包装用フィルム及びこれを用いた包装袋

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004202948A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Research Laboratory Of Plastics Technology Co Ltd 積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4533564B2 (ja) 2010-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0470760B1 (en) Composite plastics film or sheet
EP2716451B1 (en) Method for making multi-layer print media by extrusion coating
TWI239889B (en) Transparent heat-sealing film
JP5701461B1 (ja) ラベル付きプラスチック容器
JP6429175B2 (ja) カバーテープ及びその製造方法
JP4951484B2 (ja) 帯電防止性シート及び包装用成形品
TWI706853B (zh) 聚烯烴離型膜及其製造方法、熱塑性聚氨酯複合結構
JP3209394B2 (ja) 導電性複合プラスチックシート及び容器
JP2003053906A (ja) 表面導電性積層体
JP3276818B2 (ja) 導電性複合プラスチックシート及び容器
WO2020203836A1 (ja) ポリアミド系積層フィルム及びその製造方法
JP6342102B2 (ja) シボ模様が形成された成形品の製造方法、及びシボ模様が形成された成形品
JP5753937B1 (ja) インモールドラベル及びラベル付きプラスチック容器
EP0983842B1 (en) Conductive sheet, process for producing the same, and molded article
JP7040007B2 (ja) 包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体
JPS63299923A (ja) 複合プラスチツクシ−ト
JP7315113B1 (ja) 多層フィルムの製造方法
JP4141570B2 (ja) 表面導電性ポリオレフィン系シート
JP3202553B2 (ja) 導電性複合プラスチックシート及び容器
JP2000178364A (ja) インモールドラベル用フィルム
JP2003237003A (ja) 積層体及びそれからなる成形品
JP5744561B2 (ja) ポリオレフィン系積層フィルム
CN115956024A (zh) 多层树脂片以及成型容器
JP4253950B2 (ja) 表面導電性ポリオレフィン系シート
JP2002301792A (ja) 導電性複合プラスチックシート及び容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100614

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4533564

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees