JP2003052863A - ラケット用保護材および該保護材を備えたラケット - Google Patents

ラケット用保護材および該保護材を備えたラケット

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JP2003052863A
JP2003052863A JP2001242723A JP2001242723A JP2003052863A JP 2003052863 A JP2003052863 A JP 2003052863A JP 2001242723 A JP2001242723 A JP 2001242723A JP 2001242723 A JP2001242723 A JP 2001242723A JP 2003052863 A JP2003052863 A JP 2003052863A
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clock
frame
protective
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Kunio Niwa
邦夫 丹羽
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラケットフレームに取り付けるバンパー等か
らなる保護材の耐衝撃性を高める。 【解決手段】 周波数10Hzで測定された動的粘弾性
のtanδが極大となる温度をガラス転移温度(Tg)
と定義し、ガラス転移温度(Tg)が −40℃〜10
℃の範囲である材料より形成され、ラケットの外周の一
部に取り付けるものである。また、保護材の動的粘弾性
の複素弾性率E*が、1.0×108〜100×108
yn/cm2の範囲とし、かつ、肉厚が0.6mm〜
1.2mm、長さが100〜900mmかつ、ラケット
フレームの断面周長の40〜75%の範囲を覆う幅とし
ている。ラケットフレームには打球面を時計面とみてト
ップを12時とすると、少なくとも12時と、3時(9
時)の位置に取り付けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラケット用保護材
および該保護材を取り付けたラケットに関し、詳しく
は、バンパー等の形態としてラケットフレームの保護を
図るもので、テニスラケットに好適に用いられ、軽量化
されたラケットの衝撃荷重に対する衝撃緩衝性を向上さ
せ、かつ、容易に重量分布の調整が可能とすることで、
反発性を高めるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラケットフレームは、長尺化・軽
量化が飛躍的に進んでおり、対応するための主たる材料
は、設計の自由度が高く、軽量化が容易となる繊維強化
樹脂が主体となってきている。しかし、その軽量化のた
めに、フレームを地面に叩くなどによる外部応力によっ
て破損しやすくなっている。そのため、本出願人は特許
第2608232号のラケットフレームの保護材を先に
提供している。
【0003】上記保護材は弾性変形可能な材料からな
り、フレーム周方向の湾曲と略同等に長手方向に湾曲す
る形状を有するとともに、フレームの外周面を覆う外側
保護部と、この外側保護部から内側に延びてフレームの
内周面を覆う左右の内側保護部とが連続して形成してい
る。
【0004】さらに、フレームの保護材として、特開昭
62−5369号および特開昭62−5370にtan
δ0.01〜1.0である11ナイロ等の合成樹脂材料
またはゴム材料で形成したものが提供されている。
【0005】また、トップ側に取り付けるバンパーとし
て、本出願人は特許第2523241号において、フレ
ームトップの頂点から左右一方向に4cmの範囲内で左
右両側を併せて8cmの範囲内で、中心軸に対して左右
対称に1〜10gの集中重量を配置して、振動特性、反
発性を向上するラケットを提供している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来提供され
ている保護材は、ラケットフレームの振動を抑制するこ
とを着目して形成されているものが多い。ラケットフレ
ームに要求される機能として振動を抑制する機能が必要
であるが、ラケットフレームが地面を叩きつけられた
り、実使用時にボールがフレームに当たる所謂フレーム
ショットが発生した場合には、保護材が破損する割合が
非常に高い。よって、保護材を取り付けることにより、
ラケットフレームの耐衝撃性を向上させることが必要で
あるが、前記した従来の保護材は耐衝撃性を向上させる
設計になっていない。
【0007】耐衝撃性を高めるためには、保護材の肉厚
を増加して強度を向上を図る手段もあるが、その場合、
ラケットの軽量化が図れないこととなる。そのため、最
近の軽量ラケットの場合、フレーム保護材の肉厚を軽減
したり、フレーム保護材に切れ込みを入れるなどの工夫
がなされている。しかしながら、従来のフレーム保護材
の材料である12ナイロン・11ナイロン・6ナイロン
等を使用した場合、フレーム保護材が破損しやすいとい
う問題がある。
【0008】また、一般のラケットフレームよりも周長
の大きなフレーム保護材を取り付けた場合、打球時にフ
レームと保護材の接触により不快な振動音を発生するこ
とがある。上記した問題は、保護材は加工性の要因で直
線的形状に成形されるが、フレーム形状に合わせて曲げ
ながら設置するため、フレーム周長に対し大きな保護材
となるとフレーム曲率に依存してフレーム保護材の幅が
変化する。そのため曲率が異なる部分では、フレーム保
護材の幅が異なるためフレームと接触する部分と接触し
ない部分ができる。このフレームと非接触部分が、ボー
ル打球時の振動時にフレームとの接触・非接触を繰り返
し、不快振動の原因となる。
【0009】さらに、ラケットにおいては、軽量ラケッ
トといえども、高反発設計とするには重量分布を最適化
し、重心と撃心点との距離を短くすることが重要とな
る。上記重心と撃心点との距離を短くする方法として、
繊維強化樹脂の配置を変更する方法が考えられる。しか
し、繊維強化樹脂の配置を重量分布を優先させて設計す
ると、本来の強化繊維設計の自由度を低減させる問題が
ある。さらに補強層の多い部分と少ない部分に応力集中
が発生しやすく、フレームが破損しやすくなり、耐久性
が劣る設計となる。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、ラケットが地面に叩きつけられた場合や打球がラケ
ットに当たった場合にも破損しない耐衝撃性を備え、か
つ、ラケットの外面の所要の位置に容易に取り付けられ
ようにして最適な重量分布を保護材により実現し、その
結果、繊維強化樹脂からなるフレーム本体自体に部分的
補強部を設けることにより応力集中の発生をなくし、さ
らに、保護材とフレーム本体の接触による不快な振動を
抑制できるようにすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、周波数10Hzで測定された動的粘弾性
のtanδが極大となる温度をガラス転移温度(Tg)
と定義し、上記ガラス転移温度(Tg)が −40℃〜
10℃の範囲である材料より形成され、ラケットの外周
の一部に取り付けるものであることを特徴とするラケッ
ト用保護材を提供している。
【0012】上記ガラス転移温度(Tg)が−40℃〜
10℃の範囲である材料が耐衝撃性を十分に備えること
は、本発明者が鋭意研究および実験を重ねて見い出した
ものである。上記ガラス転移温度(Tg)が−40℃〜
10℃の範囲の材料としているのは、この範囲を外れる
と、肉厚を小さしたり、切れ込みが入ると破損しやすい
ためである。より好ましい保護材の材料は、ガラス転移
温度が−20℃≦Tg≦6℃のものである。
【0013】また、上記ガラス転移温度(Tg)が−4
0℃〜10℃の範囲である材料で、かつ、周波数10H
zで測定された25℃の動的粘弾性の複素弾性率E*
が、1.0×108〜100×108dyn/cm2の範
囲であるものが好ましい。即ち、フレームを地面に打ち
つけた場合の衝撃荷重を効果的に分散するには、粘弾性
特性が必要であり、そのため、10Hzで測定した粘弾
性特性の複素弾性率E*を上記した範囲で大きくしてい
る。上記粘弾性特性の複素弾性率E*が1.0×108
dyn/cm2よりも低下した場合、保護材の剛性によ
る衝撃力の分散が不十分であり、よって、フレームで地
面を叩いた際にフレーム本体に与える衝撃荷重が集中
し、破損が発生しやすい。このことは、フレームの落下
試験により確認されている。一方、粘弾性特性の複素弾
性率E*が100×108dyn/cm2よりも大きい場
合、保護材が変形により裂けやすくなり、例えば、フレ
ーム本体のガット穴に内嵌するグロメット部分に使用し
た場合にストリングによる変形に追従せず、グロメット
の足部分が裂けるという問題が生じる。また、フレーム
本体と保護材の接触により不快な高周波振動が発生しや
すい。上記周波数10Hzで測定された25℃の動的粘
弾性の複素弾性率E*のより好ましい範囲は4.0×1
8〜40×108dyn/cm2である。
【0014】上記周波数10Hzで測定された25℃の
動的粘弾性は、1000Hzで測定された5℃の動的粘
弾性に相当する。従って、フレーム保護材は10Hzで
測定した動的粘弾性特性の損失係数が、5℃付近で大き
いことが好ましい。この動的粘弾性測定では、現実には
1,000Hzのような周波数の測定では困難である。
そのため、動的粘弾性測定の10Hzで測定した損失係
数を、温度と周波数の変換法則(経験則)を使用して判
断するものである。よって、1,000Hzの振動に有
効な損失係数は、5℃の振動数に適合した周波数におい
て高くなることが有効である。具体的には、1,000
Hzの場合、通常の温度(25℃)の使用条件に換算す
ると、5℃相当となる。このことは、周波数を固定し、
温度を変更した場合の、動的粘弾性データの曲線を、周
波数を変更した場合の曲線を重ね合わせることで得られ
る。従って、保護材は、5℃においてtanδが大きい
ことが好ましく、具体的にはtanδが0.1〜0.6
の範囲であることが好ましい。
【0015】上記粘弾性特性の複素弾性率の調整は、長
さ1mm以下の短繊維や充填材を、5〜30体積%で補
強して行っている。この短繊維や充填材の充填量が5体
積%より小さいと補強効果が不十分となり、補強材の分
散も不均一となり、成形収縮が不均一となる。一方、3
0体積%より多いと、材料粘度が増加するため射出成型
が困難となり、材料の破断伸びが小さくなるため、裂け
易くなる。
【0016】保護材は、肉厚が0.6mm〜1.2m
m、長さが100〜900mmで、かつ、ラケットフレ
ームの断面周長の40〜75%の範囲を覆う幅とするこ
とが好ましい。
【0017】肉厚を0.6mm〜1.2mmとしている
のは、0.6mmより小さいとラケットフレームの保護
に寄与しないと共に重量分配の調整に寄与しない。一
方、1.2mmより大きい場合、重量増加となり軽量化
が困難となる。上記範囲の肉厚にすると共に、前記ガラ
ス転移温度および複素弾性率とすることで、フレームや
フレーム保護材の破損の抑制効果が大きい。保護材の肉
厚は、より好ましくは0.7〜1.0mmである。
【0018】また、保護材の長さを100〜900mm
としているのは、100mmより短いと、フレーム保護
の効果が少ないばかりか、重量分布を調整する効果が少
ない。一方、900mmを越えると重量増加を招く。よ
り好ましくは200mm〜700mmでである。
【0019】また、保護材をフレームの断面周長の40
〜75%の範囲を覆う幅としているのは、40%よりも
小さい場合、フレームを覆う部分が小さく保護効果が少
ない。一方、75%を超えた場合、アンダーカットとな
る部分が拡大するため、成形が困難となるためである。
【0020】上記保護材をバンパーとして用いる場合、
ガット孔に挿入するグロメットと分割して使用してもよ
く、その場合には、グロメットが裂ける問題を回避する
ことができる。但し、保護材の分割が多くなると、分割
端の接触部による不快な高周波振動が発生しやすくな
る。 そのため、分割部分はストリングで押さえつけら
れる部分のみとすることが好ましい。
【0021】上記保護材となる材料としては、下記が挙
げられる。 ポリエーテルエステルエラストマー。これはハードセ
グメントであるポリブチレンテレフタレートとソフトセ
グメントである ポリエーテルからなるブロック共重合体。具体的商品
としては、東レ・デュポン株式会社の「ハイトレル」が
適する。ガラス繊維強化グレードも可能である。 ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマ
ー。熱可塑性ポリウレタンとしては、ICI Poly
urethanes社「Avalon 90AB」が好
適に用いられる。 水添イソプレン−スチレン樹脂(クラレ「SEPTO
N2053」)や、ポリスチレンブロックとビニル−ポ
リイソプレンブロックとを有するトリブロック共重合体
(クラレ社の「ハイブラー」)単体あるいはその混合
物。混合物としては、マイカ・炭酸カルシウム等の無機
充填剤やポリスチレン、ポリプロピレン、HDPE、E
VA、ABS等とのポリマーブレンドがある。 熱可塑性樹脂やゴムを改質したもの。例えば、ポリ塩
化ビニール,ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン
酢ビ共重合体,ポリメタクリル酸メチル,ポリフッ化ビ
ニリデン,ポリイソプレン,ポリスチレン,スチレン−
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−ア
クリロニトリル共重合体,NBR,SBR,ブタジエン
ゴム,天然ゴム,イソプレンゴム等の高分子材料、これ
らをブレンドしたものを用いることができる。これら
に、マイカ,ガラス片,クラスファイバー,カーボンフ
ァイバー,炭酸カルシウム,バーライト,沈降硫酸バリ
ウム等の物質や腐食防止剤,染料,酸化防止剤,安定
剤,湿潤剤などを必要に応じて、適時加えることができ
る。上記母材を構成する成分に、双極子モーメント量を
増加させる活性成分を配合したものが好ましい。活性成
分そのものが、双極子モーメント量が大きいもの、ある
いは活性成分そのものの双極子モーメントは小さいが、
活性成分を配合することで、母材における双極子モーメ
ントを飛躍的に増加させることができるが用いられる。
活性成分として具体的には、シクロヘキサン,ベンゾチ
アゾール,ジシクロヘキシルアミン,シクロヘキシルア
ニリン,高級脂肪酸などが混合して使用する。
【0022】本発明は、上記した保護材を取り付けてい
るラケットを提供している。上記ラケットは、保護材を
ラケットの打球面を時計面とみてトップを12時とする
と、少なくともトップと3時(9時)の位置に取り付け
ることが好ましい。また、トップ(12時)から5時ま
での範囲に取り付けてもよい。上記12時から5時の範
囲に保護材を取り付けると、ボールのフレームショット
が発生した時およびフレームを地面の打撃した時に、フ
レームが破損することを防止できる。
【0023】また、保護材をラケットフレームに取り付
けることにより、バランス点(重心点)と撃心点(スイ
ートスポット点)との距離は145mm以下とすること
が好ましい。なお、上記バランス点と撃心点との距離は
ラケットにストリングを取り付けた状態での寸法であ
る。軽量ラケットの場合、重心位置はラケット中央より
トップ側にある。従って、フレーム中央〜トップの間に
保護材を取り付けることが好ましく、具体的には、トッ
プと1時の間に150mm〜140mmの保護材を取り
付け、または/および3時と9時の位置に40〜150
mmの保護材を取り付けることが好ましい。このよう
に、保護材をラケットフレームに取り付けることによ
り、ラケットフレームの保護を図ることが出来ると共
に、重量分布を調整して高剛性設計を行い、反発性の高
いラケットとすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る保
護材および該保護材を取り付けたテニスラケットについ
て説明する。
【0025】図1に示す保護材1はテニスラケットフレ
ーム2のヘッド部(ストリング張架部)3の外周面に取
り付けるバンパーとしている。該保護材1はフレーム2
の厚さ方向の外面2aに密着させて取り付けるバンパー
部1aと、ガット孔2bに夫れ夫れ内嵌される円筒形状
のグロメット部1bとを一体的に備えた形状としてい
る。
【0026】上記保護材1は、周波数10Hzで測定さ
れた動的粘弾性のtanδが極大となる温度をガラス転
移温度(Tg)と定義すると、該ガラス転移温度(T
g)が−40℃〜10℃の範囲である材料より形成して
いる。また、周波数10Hzで測定された25℃の動的
粘弾性の複素弾性率E*が、1.0×108〜100×
108dyn/cm2の範囲のものとしている。本実施形
態では、ポリエーテルエステルエラストマー(東レ・デ
ュポン社製の「ハイトレル」)より成形している。
【0027】保護材1は肉厚を0.6mm〜1.2m
m、長さを100〜900mmとし、かつ、ラケットフ
レームの断面周長の40〜75%の範囲を覆う幅として
いる。図1の実施形態ではフレームの断面周長の40%
を覆うラケットフレームの厚み方向外面のみを覆ってい
る。
【0028】上記保護材1は、ラケットフレーム2に対
して、グロメット部1bをガット孔2bに挿入すること
でラケットフレーム2に取り付けられ、グロメット部1
bにストリング(図示せず)を通していくことで、ラケ
ットフレーム2に固定される。 なお、図2に示すよう
に、保護材1’をバンパー部1a’とグロメット部1
b’とを分割して形成し、グロメット部1b’を筒部1
b’1と、これら筒部1b’1の外端を連結する連結部
1b’2とより構成している。上記のように分割した場
合、バンパー部1a’のみを本発明の保護材からなる材
料で形成し、ラケットフレーム2の外面との接触が少な
いグロメット部1b’は本発明の保護材以外の材料で成
形してもよい。
【0029】上記保護材1は、図3(A)乃至(D)に
示す位置のヘッド部3に取り付けている。図3(A)で
はトップ〜1時(11時)の位置に保護材1A、3時と
9時の位置に保護材1B,1Bを取り付けている。保護
材1Aの長さは370mm、保護材1Bの長さは60m
mとしている。図3(B)では、トップ〜2時(10
時)の位置に保護材1A’、3時から5時(9時から7
時)の位置に保護材1B’、1B’を取り付けている。
保護材1A’の長さは400mm、保護材1B’の長さ
は200mmとしている。図3(C)では、トップ〜1
2時30分(11時30分)の位置に保護材1A”を取
り付けている。保護材1A”の長さは225mmとして
いる。なお、点線で示すように、保護材1A”の長さを
115mmとしてもよい。図3(D)では、トップ〜1
時(11時)の位置に保護材1A’、3時から4時(9
時から8時)の位置に保護材1B”、1B”を取り付け
ている。保護材1A’の長さは375mm、保護材1
B’の長さは115mmとしている。
【0030】「実施例1」カーボン繊維を補強繊維と
し、エポキシ樹脂をマトリクス樹脂としたプリプレグを
積層して予備成形体(レイアップ)を形成し、これを金
型に配置し、145℃、50分間の条件で成形した。内
圧は7kgf/cm2 とした。成形したラケットフレ
ームは、厚みが28mm、長さは27.5インチ、ヘッ
ド部に囲まれるフェイス面積(打球面積)は115in
ch2とした。ラケットはストリング無しで、重量22
5g、バランス(グリップ端から重心位置までの寸法)
は379mmとした。保護材はハイトレルでバンパー形
状の図1に示す形状とした。その長さおよび取付位置は
図3(A)に示す形態とし、ラケットフレームのヘッド
部のトップ及び3時(9時)部分のフレーム外側に取り
付けた。保護材の筒状のグロメット部は通常の12ナイ
ロンを使用した。
【0031】上記実施例1および他の実施例および比較
例の保護材のガラス転移温度、複素弾性率、フレーム最
大周長に対する被覆率、厚さ、長さ、取付位置、保護材
の材料、10Hz、5℃の損失係数tanδ、および、
ラケットの重量、バランスは、下記の表1に示す通りで
ある。
【0032】「実施例2、実施例7」保護材の材料を実
施例1と変え、ハイブラーとポリプロピレンの混合物を
使用し、2軸押出機にて混練りした。その混合比は、ハ
イブラー:PP=85:15とした。他は実施例1と同
様とした。
【0033】「実施例3、実施例6」保護材をガラス繊
維で補強したハイトレルで成形した。他は実施例1と同
様とした。
【0034】「実施例4」保護材はハイブラーとポリプ
ロピレンの混合物を使用した。2軸押出機にて混練りし
た。その混合比は、ハイブラー:PP=70:30とし
た。他は実施例1と同様とした。
【0035】「実施例5」保護材をPEBAXで成形し
た。他は実施例1と同様とした。
【0036】「実施例8」保護材をポリエステル系ポリ
ウレタンで成形した。他は実施例1と同様とした。
【0037】「比較例1」保護材を通常使用している1
2ナイロンで成形した。他は実施例1と同様とした。
【0038】「比較例2」保護材をシリコンゴムで成形
した。他は実施例1と同様とした。
【0039】
【表1】
【0040】表1に記載の落下衝撃試験は、図4に示す
ように、ラケットに500gの錘Wを取り付け、錘Wの
両側を紐10で両側のワイヤ11に連結し、高さ8フィ
ートから自由落下させるものである。破断までの回数の
平均値として表1に示した。
【0041】表1に記載の最大反発係数は、図5に示す
ように、実施例及び比較例のテニスラケット1に、ガッ
トを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テ
ニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ
部を柔らかく固定し、その打球面にボール打出機から一
定速度V1(30m/s)でテニスボールを打球面に衝
突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発
係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)
であり、反発係数が大きい程、ボールの飛びが良いこと
を示している。このような方法で、打球面上で反発係数
が最大となる最大反発位置を求め、最大反発係数を測定
した。表1に記載の音鳴りは、保護材を取り付けたラケ
ットフレームで打撃した状態での音鳴りを聞いて、N=
1とは4本のうちの1本が音鳴りが発生したことを示
す。
【0042】表1に示す実施例および比較例の結果は、
いずれも、実施例1乃至8、比較例1、2の保護材を取
り付けたラケットフレームを4本用意し、その平均値で
記載している。
【0043】表1に示すように、実施例1乃至実施例8
の保護材のガラス転移温度はー20℃〜6℃の範囲であ
り、比較例1は46℃、比較例2はー41℃で本発明の
範囲外となっている。また、複素弾性率E*は実施例1
乃至実施例7が4.40〜37.9×108dyn/c
2であり、比較例1は71.3×108dyn/cm2
で発明の範囲内である。実施例8は0.35×108
yn/cm2、比較例2は0.08×108dyn/cm
2で、本発明の範囲外となっている。
【0044】表1の落下衝突試験に示すように、実施例
1乃至実施例7の保護材を取り付けたラケットフレーム
では6回の落下試験では破損が発生しなかった。これに
対して、複素弾性率を小さくした実施例8では2.4回
で破損が発生したが、比較例1、2では1.3回、1回
で破損が発生していた。特に、保護材直撃インパクト試
験では比較例1は全て破損していた。よって、保護材を
ガラス転移温度−40℃〜10℃の材料で成形すると耐
衝撃性が優れていることが認められた。
【0045】保護材とフレームとの接触により発生する
音鳴りは実施例5を除き、実施例1乃至実施例8では発
生していなかった。これは、保護材の10Hz、5℃の
損失係数tanδが0.113〜0.594と比較的大
きくしていることで、保護材の高周波振動を抑制してい
るため、音鳴りが抑制できることが確認できた。tan
δが0.105が比較的小さい実施例5は4本に1本の
割りで音鳴りが発生していた。また。比較例1ではta
nδが0.029であるため音鳴りが発生していた。比
較例2では0.0781と小さいが、シリコンゴムによ
り成形しているため音鳴りは発生していなかった。
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、耐衝撃性に強いガラス転移温度−40℃〜1
0℃の材料でバンパー等の保護材を形成しているため、
保護材自体の耐衝撃性が高められ、ラケットフレームが
地面に叩き付けられた時や打球がフレームに当たった時
に、保護材自体および保護材で保護したフレームに破
損、亀裂を発生させず、十分に保護することができる。
【0047】また、反発性を高めるために、フレーム自
体の重量分布を変えずに、保護材の取付位置でラケット
の重量分布を変えることができる。即ち、高剛性とする
ために、フレームの断面周長を大きく(断面2次モーメ
ントの拡大)すると、周長が大きい部分は肉厚が低減し
て、打撃時の耐久性が低下する。これに対して、本発明
では保護材を取り付けることにより重量分布をかえて、
高反発とすることができるため、フレームの耐久性低下
を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラケット用保護材を示し、(A)は
斜視図、(B)は断面図である。
【図2】 保護材の変形例を示し、(A)は斜視図、
(B)は断面図である。
【図3】 (A)乃至(D)は保護材の取付位置をそれ
ぞれ示す概略図である。
【図4】 落下試験方法を示す図面である。
【図5】 最大反発係数の測定試験方法を示す図面であ
る。
【符号の説明】
1 保護材 1a バンパー部 1b グロメット部 2 ラケットフレーム 2a ヘッド部 2b ガット孔 3 ヘッド部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数10Hzで測定された動的粘弾性
    のtanδが極大となる温度をガラス転移温度(Tg)
    と定義し、 上記ガラス転移温度(Tg)が −40℃〜10℃の範
    囲である材料より形成され、ラケットの外周の一部に取
    り付けるものであることを特徴とするラケット用保護
    材。
  2. 【請求項2】 周波数10Hzで測定された25℃の動
    的粘弾性の複素弾性率E*が1.0×108〜100×
    108dyn/cm2の範囲である請求項1に記載のラケ
    ット用保護材。
  3. 【請求項3】 周波数10Hzで測定された5℃の損失
    係数tanδが0/1〜0.6の範囲である請求項1ま
    たは請求項2に記載のラケット用保護材。
  4. 【請求項4】 肉厚が0.6mm〜1.2mm、長さが
    100〜900mm、ラケットフレームの断面周長の4
    0〜75%の範囲を覆う幅としている請求項1乃至請求
    項3のいずれか1項に記載のラケット用保護材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のラケット用保護材をラケットフレームの外周の一
    部に取り付けている保護材を備えたラケット。
  6. 【請求項6】 上記ラケット用保護材は、ラケットの打
    球面を時計面と見てトップを12時とすると、少なくと
    も12時と、3時(9時)の位置に取り付けている請求
    項5に記載の保護材を備えたラケット。
  7. 【請求項7】 保護材をラケットの12時から5時(7
    時)の範囲に取り付けた状態で、ラケットのバランス点
    (重心点)と撃心点(スイートスポット点)との距離は
    145mm以下としている請求項5または請求項6に記
    載の保護材を備えたラケット。
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