JP2003051525A6 - 基板搬送装置及び基板搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 搬送カセット内に撓みある状態で狭ピッチに収納された基板を扱うことができて、装置の大型化が回避される搬送装置及び搬送方法を提供する。
【解決手段】 3本のハンドアーム8a,8b,8cの位置及び角度を、基板の種類(材質,大きさ、厚さ)に応じて変化させ、搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板7を、撓んだ状態のまま取り出す。その後、ハンドアーム8a,8b,8cを移動させて基板7を平坦にし、他の装置に搬送する。
【選択図】図3
【解決手段】 3本のハンドアーム8a,8b,8cの位置及び角度を、基板の種類(材質,大きさ、厚さ)に応じて変化させ、搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板7を、撓んだ状態のまま取り出す。その後、ハンドアーム8a,8b,8cを移動させて基板7を平坦にし、他の装置に搬送する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルや半導体装置の製造に用いられる大型又は薄型の基板を搬送する基板搬送装置及び基板搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルや半導体装置の製造工程では、複数枚の基板を搬送カセットに収納した状態で装置間を搬送している。例えば、液晶表示装置の場合、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)及び配線等が形成された基板(ガラス基板)は、搬送カセット内に収納され、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)により検査装置の近傍のカセットステーションまで搬送される。そして、搬送装置(搬送ロボット)により搬送カセットから基板が1枚づつ取り出されて、検査装置に供給される。検査終了後の基板は、搬送装置で搬送されて再び搬送カセット内に収納される。
【0003】
図12は、液晶パネル用基板を収納する搬送カセットを示す斜視図である。この図12に示すように、カセット31の側板の内面には複数の突起(リブ)32が設けられており、基板30はこれらの突起32に両端部を支持された状態でカセット31の高さ方向に一定のピッチで並べて収納される。基板30は、搬送装置(搬送ロボット)の平板状又はフォーク状のハンドアームによってカセット31から1枚ずつ取り出された後、検査装置に搬送され、検査装置で基板の検査がなされる。検査終了後の基板は、搬送装置により再び逆方向に搬送され、搬送カセット31内に収納される。
【0004】
搬送装置のハンドアームの上面には複数のパッド(基板受けパッド)が設けられており、搬送装置は、これらのパッドで基板と接触するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示パネルの製造工程では、一般的に1枚の大型基板を用いて複数の液晶表示パネルを途中の工程まで同時に製造し、最終工程近くで基板を切断し各液晶表示パネルに分割している。近年、液晶表示パネルの大型化が促進されており、それに伴って基板のサイズも大きくなっている。
【0006】
このような大型基板を従来構造の搬送カセットに収納すると、図13に示すように、基板30に大きな撓みが生じる。例えば、サイズが730×920×0.6mmの基板では、撓み量は約34mmにもなる。カセット31の基板収納ピッチPは、基板30の撓み量に搬送装置のハンドアームの厚さを加えた値以上であることが必要であるので、搬送カセット31内に20〜25枚の基板30を収納する場合、搬送カセット31の高さは、おおよそ800mm〜1, 000mmにもなる。
【0007】
このように、搬送カセット31が大型になると、搬送装置、AGV及びクリーンストッカ等の設備も大型化する必要があり、設備コストが著しく上昇する。また、大型基板を平坦に保ったまま搬送するためには、搬送装置のハンドアーム上のパッドの数を多くする必要がある。しかし、パッドの数を多くすると、基板の裏面に汚れやパーティクルが付着する可能性が高くなり、好ましくない。
【0008】
基板の撓みによる搬送カセットの大型化を回避するために、基板を縦にして搬送する垂直ハンドリングも考えられる。しかし、垂直ハンドリングでは、基板が極めて薄いため、搬送カセットに基板を収納したり取り出す際にチッピング(欠け)が発生する虞がある。また、搬送カセットと搬送装置との間の基板受け渡しが複雑になるため、搬送装置のコストが増加するという難点もある。
【0009】
本発明の目的は、搬送カセット内に撓みある状態で狭ピッチに収納された基板を扱うことができて、装置の大型化が回避される搬送装置及び搬送方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板搬送装置は、基板の両端部をそれぞれ支持する第1及び第2のハンドアームと、前記第1のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第1の回転機構と、前記第2のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第2の回転機構とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の基板搬送装置は、基板の両端部を支持する第1及び第2のハンドアームと、これらの第1及び第2のハンドアームを回転させる第1及び第2の回転機構を有している。例えば、搬送カセット内に収納された基板の撓みの状態に応じて第1及び第2のハンドアームの角度を調整することにより、搬送カセットから基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。従って、従来の搬送装置では、搬送カセット内の基板の配列ピッチが基板の撓み量にハンドアームの厚さを加えた値以上必要であるのに対し、本発明では、搬送カセット内の基板の配列ピッチをハンドアームの厚さ分よりも若干大きくする程度でよい。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【0012】
第1及び第2のハンドアームに加えて、基板の中央部を支持する第3のハンドアームを設けることにより、基板をより安全に支持することができる。この場合、第3のハンドアームには回転機構を設ける必要はないが、垂直方向に移動できるように、垂直スライド機構を設ける必要がある。基板の撓み量は、基板の種類(材質、大きさ及び厚さ)により決まる。従って、第1及び第2のハンドアームを水平方向に移動させる第1及び第2の水平スライド機構を設け、基板の種類に応じて第1及び第2の回転機構、第1及び第2の水平スライド機構並びに垂直スライド機構を駆動制御することにより、各種基板に対応できるようになる。
【0013】
本発明の基板搬送方法は、搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板を取り出して搬送する基板搬送装置であって、前記基板の撓み状態に応じて複数本のハンドアームの位置及び角度を変化させ、前記ハンドアームを前記搬送カセット内に挿入し、前記搬送カセットから前記基板を撓んだ状態のまま取り出すことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、複数本のハンドアームの位置及び角度を基板の状態に合わせて変化させるので、搬送カセットから基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。この場合、従来の基板搬送方法では、搬送カセット内の基板の配列ピッチが基板の撓み量にハンドアームの厚さを加えた値以上必要であるのに対し、本発明では、搬送カセット内の基板の配列ピッチをハンドアームの厚さ分よりも若干大きくする程度でよい。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【0015】
基板検査装置やその他の装置に基板を渡す際には、前記ハンドアームを駆動して基板を平坦な状態してからに渡すことが好ましい。これにより、検査装置等の設備は従来のものをそのまま使用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の搬送装置(搬送ロボット)を含む搬送システムの構成図、図2は同じくその平面図である。本実施の形態では、搬送カセットから基板を取り出して検査装置に供給し、検査終了後の基板を再び搬送カセットに収納する搬送装置について説明する。
【0017】
本実施の形態の搬送装置5は、カセットステーション1と基板検査装置2との間に設置される。カセットステーション1の上には、AGVにより搬送された2個の搬送カセット4が載置される。これらの搬送カセット4には、TFT及び配線等が形成された複数の基板(ガラス基板)が収納されている。搬送装置5は、搬送カセット4から1枚の基板を取り出して検査装置2の基板検査ステージ6上に載置する。この検査ステージ6は水平方向(X−Y方向)に移動し、欠陥の有無を検査する。搬送装置5は、検査装置2による検査が終了した後、基板を検査ステージ6から取り出して搬送カセット4内に収納する。そして、次の基板を搬送カセット4から取り出して、検査装置2の検査ステージ6上に載置する。このようにして、搬送カセット4内の基板が搬送装置5により1枚づつ順番に検査装置2に送られて、検査される。
【0018】
図3は搬送装置5の外観を示す斜視図、図4は同じくその搬送装置5の上面図、図5は同じくその搬送装置5の正面図である。但し、図3は、図4,図5に示す位置からハンドアーム駆動機構部9が移動した状態を示している。台12上には軸11が垂直に配置されている。この軸11は、台12内に設けられた駆動装置により、回転及び上下方向への移動が可能になっている。軸11の上部には水平駆動アーム10aが固定されている。この水平駆動アーム10aは連結部10cを介して水平駆動アーム10bに連結され、水平駆動アーム10bは連結部10dを介してハンドアーム駆動機構部9に連結されている。連結部10c内に設けられた駆動装置により水平駆動アーム10bが水平方向に回転し、連結部10d内に設けられた駆動装置によりハンドアーム駆動機構部9が水平方向に回転する。
【0019】
ハンドアーム8a,8bは基板7の両端部を支持するアームである。これらのハンドアーム8a,8bは、細長い板状の部材であり、ハンドアーム駆動機構部9内の水平スライド機構(リニアアクチュエータ)14a,14bによって水平方向に移動可能であり、且つ回転機構13a,13bによって長手方向に平行な軸を中心にして回転可能である。
【0020】
ハンドアーム8cは、基板7の中央部を支持するアームである。このハンドアーム8cも細長い板状の部材であり、ハンドアーム駆動機構部9内の垂直スライド機構(リニアアクチュエータ)14cによって、垂直方向に移動する。なお、ハンドアーム8cには、ハンドアーム8a,8bと異なり回転機構は設けられていない。
【0021】
ハンドアーム8a,8b,8cの上面には、それぞれ複数(図では3個)のパッド15が設けられており、ハンドアーム8a,8b,8cは、これらのパッド15の先端で搬送対象である基板7の下面と接触するようになっている。なお、本実施の形態ではパッド15として突起物を用いているが、減圧装置に接続された吸着パッドを使用し、基板7をパッドに吸着するようにしてもよい。
【0022】
図6はハンドアーム駆動機構部9の構成をより詳細に示す上面図、図7は同じくその正面図である。ハンドアーム8aの水平スライド機構14aは、水平に配置されて軸受けで支持されたリードスクリュー16aと、このリードスクリュー16aに連結されたモータ17aと、リードスクリュー16aの回転によって水平方向に移動する移動ステージ18aとにより構成されている。また、ハンドアーム8aの回転機構13aは、回転モータ(ギアモータ)19aと、このモータ19aとハンドアーム8aとを連結する動力伝達ブッシュ20aとにより構成され、スライド機構14aの移動ステージ18aの上に取り付けられている。
【0023】
これと同様に、ハンドアーム8bの水平スライド機構14bは、水平に配置されて軸受けで支持されたリードスクリュー16bと、このリードスクリュー16bに連結されたモータ17bと、リードスクリュー16bの回転によって水平方向に移動する移動ステージ18bとにより構成されている。また、ハンドアーム8bの回転機構13bは、回転モータ(ギアモータ)19bと、このモータ19bとハンドアーム8bとを連結する動力伝達ブッシュ20bとにより構成され、スライド機構14bの移動ステージ18bの上に取り付けられている。
【0024】
ハンドアーム8cの垂直スライド機構14cは、垂直に配置されて軸受けで支持されたリードスクリュー16cと、このリードスクリュー16cに連結されたモータ17cと、リードスクリュー16cの回転によって垂直方向に移動する移動ステージ18cとにより構成されている。基板の撓み量は基板の種類により決まるので、基板の種類に応じてこれらの回転機構13a,13b及びスライド機構14a,14b,14cを適切に制御することにより、撓んだ状態の基板の面に沿って各ハンドアーム8a,8b,8cを配置することができる。
【0025】
図8は、ハンドアーム駆動機構部9内のモータ17a,17b,17c,19a,19bを駆動制御するハンドアーム駆動制御部を示すブロック図である。このハンドアーム駆動制御部は、水平スライド機構14aのモータ17aを駆動する駆動ユニット21と、水平スライド機構14bのモータ17bを駆動する駆動ユニット22と、垂直スライド機構14cのモータ17cを駆動する駆動ユニット23と、回転機構13aのモータ19aを駆動する駆動ユニット24と、回転機構13bのモータ19bを駆動する駆動ユニット25と、これらの駆動ユニット21〜25を制御するコントローラ26と、コントローラ26にデータを設定するデータ設定部27と、基板の種類(材質、サイズ及び厚さ)に応じたハンドアーム8a,8b,8cの適切な位置を示すデータを記憶する記憶部28とにより構成されている。
【0026】
以下、上述した構成の本実施の形態の基板搬送装置を用いた基板搬送方法について説明する。本実施の形態では、図9に示すように搬送カセット4内に収納された基板7を取り出して、検査装置2に搬送する。この場合、搬送カセット4には複数の基板7が撓んだ状態で高さ方向に並べて収納されている。搬送カセット4の基板支持用突起(リブ)31のピッチPは搬送装置5のハンドアーム8a〜8cの厚さよりも若干大きい程度でよく、基板7の撓み量よりも小さくてもよい。従って、大型の基板を収納するにもかかわらず、搬送カセット4の高さを比較的低くすることができる。また、予め、記憶部28には、ハンドアーム8a,8b,8cの最適な位置を示すデータを、基板7の種類(材質、大きさ及び厚さ)毎に記憶しておく。
【0027】
まず、搬送すべき基板7の種類(材質、サイズ及び厚さ等)を示すデータを、データ設定部27を介してコントローラ26に入力する。データ入力はオペレータにより手動で行ってもよいし、他の装置(システムコントローラ等)から基板の種類を示すデータがデータ設定部27に信号線を介して自動的に送られてくるようにしてもよい。データ設定部27を介して基板7の種類を示すデータが送られてくると、コントローラ26は、記憶部28に記憶されているデータを参照し、ハンドアーム8a,8b,8cが基板の種類に応じた位置となるように、駆動ユニット21〜25を介してモータ17a,17b,17c,19a,19bを駆動する。
【0028】
これにより、搬送装置5のハンドアーム8a,8b,8cは、基板7の撓み量に応じた位置に移動する。すなわち、図3〜図5に示すように、ハンドアーム8a,8bは基板7の種類に応じて水平方向に移動し、且つ、支持する位置の基板7の傾きに応じた角度に回転する。また、ハンドアーム8cは、基板7の撓み量に応じて垂直方向に移動する。そして、これらのハンドアーム8a,8b,8cは、それぞれ搬送カセット4内に収納された基板7の面に沿った位置に配置される。
【0029】
その後、軸11が上下方向に移動し、水平駆動アーム10a,10bが駆動されて、ハンドアーム8a,8b,8cが、搬送カセット4内の所定の基板7の下に挿入される。このとき、ハンドアーム8a,8b,8cが基板7に接触しないように、各駆動部は同期がとられた状態で駆動される。次に、軸11が若干上昇する。これにより、ハンドアーム8a,8b,8cのパッド15が基板7の下面に接触し、ハンドアーム8a,8b,8cにより基板7が支持される。その後、ハンドアーム8a,8b,8cが後退し、搬送カセット4から1枚の基板7が取り出される。このときも、ハンドアーム8a,8b,8c及びハンドアーム8a,8b,8c上の基板が他の基板に接触しないように、各駆動部は同期がとられた状態で駆動される。
【0030】
次に、図10(a),(b)に示す状態から図11(a),(b)に示す状態になるまで、コントローラ26により回転機構13a,13b及び垂直スライド機構14cのモータ19a,19b,17cが駆動され、基板7が平坦な状態に矯正される。このときも、基板7に大きな応力がかからないように、回転機構13a,13b及び垂直スライド機構14cは同期した状態で駆動される。
【0031】
次いで、軸11が上下方向に移動し、水平駆動アーム10a,10bが駆動されて、基板7が検査装置2の検査ステージ6の上方に移動する。そして、検査ステージ6上に基板7が載置される。検査装置2により基板7の検査が終了した後は、逆方向に動作して検査済みの基板7を搬送カセット4内に収納する。その後、同様にして次の基板7を搬送カセット4から取り出し、検査装置2に搬送する。
【0032】
このようにして、本実施の形態の搬送装置5は、搬送カセット4内から基板7を1枚ずつ取り出して検査装置2に搬送し、検査済みの基板7を搬送カセット4内に収納する。上述した実施の形態の搬送装置5は、コントローラ26により、3本のハンドアーム8a,8b,8cが基板の撓みに応じた位置に配置され、搬送カセット4内に撓んだ状態で収納された基板7を、撓んだ状態のまま取り出すことができる。従って、搬送カセット4内に収納する基板7のピッチを従来に比べて小さくすることができる。これにより、大型基板を収納する搬送カセット4であっても、高さを低くできる。その結果、搬送装置5だけでなく、クリーンストッカやAGV等の装置も小型のものを使用することが可能になり、設備コストを低く抑えることができる。
【0033】
また、本実施の形態の基板搬送装置5においては、記憶部28に、ハンドアーム8a,8b,8cの適切な位置を示すデータが基板の種類毎に記憶されているので、各種基板に対応することができる。また、搬送カセット4から基板7を取り出した後、ハンドアーム8a,8b,8cを同期した状態で駆動させ、基板7の撓みを修正して平坦にするので、検査装置2は従来のものをそのまま使用することができる。
【0034】
なお、上記実施の形態においては、本発明を液晶表示パネルの検査装置に基板を搬送する搬送装置及び搬送方法に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、液晶表示パネルの他の製造工程や、半導体装置の製造工程における半導体基板の搬送装置及び搬送方法に適用することもできる。
【0035】
また、上記実施の形態においては3本のハンドアーム8a,8b,8cにより基板7を支持するものとしたが、本発明はこれに限定されるものでなく、2本又は4本以上のハンドアームで基板を支持するようにしてもよい。
(付記1)基板を搬送カセットに出し入れする搬送装置において、前記基板の両端部をそれぞれ支持する第1及び第2のハンドアームと、前記第1のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第1の回転機構と、前記第2のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第2の回転機構とを有することを特徴とする基板搬送装置。
【0036】
(付記2)前記第1及び第2のハンドアームをそれぞれ水平方向に移動させる第1及び第2の水平スライド機構を有することを特徴とする付記1に記載の基板搬送装置。
(付記3)前記基板の種類毎に前記第1及び第2のハンドアームの位置及び角度を示すデータを記憶した記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて前記第1及び第2の回転機構並びに前記第1及び前記第2の水平スライド機構を駆動制御する駆動制御部とを有することを特徴とする付記2に記載の基板搬送装置。
【0037】
(付記4)前記第1及び第2のハンドアームの間に配置された第3のハンドアームと、前記第3のハンドアームを垂直方向に移動させる垂直スライド機構と、前記基板の種類毎に、前記第1及び第2のハンドアームの角度と前記第1、第2及び第3のハンドアームの位置とを記憶した記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて前記第1及び第2の回転機構、前記第1及び第2の水平スライド機構並びに前記垂直スライド機構を駆動制御する駆動制御部とを有することを特徴とする付記2に記載の基板搬送装置。
【0038】
(付記5)前記第1及び第2のハンドアームの間に配置された第3のハンドアームと、前記第3のハンドアームを垂直方向に移動させる垂直スライド機構とを有することを特徴とする付記1に記載の基板搬送装置。
(付記6)搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板を取り出して搬送する基板搬送装置であって、前記基板の撓み状態に応じて複数本のハンドアームの位置及び角度を変化させ、前記ハンドアームを前記搬送カセット内に挿入し、前記搬送カセットから前記基板を撓んだ状態のまま取り出すことを特徴とする基板搬送方法。
【0039】
(付記7)前記基板を前記搬送カセットから取り出した後、前記複数のハンドアームを駆動して前記基板を平坦な状態にすることを特徴とする付記6に記載の基板搬送方法。
(付記8)3本のハンドアームを使用し、これらのハンドアームの位置及び角度を、前記基板のサイズに応じて変化させることを特徴とする付記6に記載の基板搬送方法。
【0040】
(付記9)前記基板の種類に応じて前記ハンドアームの位置及び角度を変化させることを特徴とする付記6に記載の基板搬送方法。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の基板搬送装置によれば、基板の両端部を支持する第1及び第2のハンドアームと、これらのハンドアームを回転させる第1及び第2の回転機構を有しているので、搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板の面に対向するように第1及び第2のハンドアームを回転させて、基板を撓んだ状態のまま搬送カセットから取り出すことができる。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【0042】
また、本発明の基板搬送方法によれば、複数本のハンドアームの位置及び角度を基板の状態に合わせてそれぞれ変化させるので、搬送カセットから基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の基板搬送装置(搬送ロボット)を含む搬送システムの構成図である。
【図2】図2は同じくその搬送システムの平面図である。
【図3】図3は実施の形態の基板搬送装置の外観を示す斜視図である。
【図4】図4は同じくその基板搬送装置の上面図である。
【図5】図5は同じくその基板搬送装置の正面図である。
【図6】図6はハンドアーム駆動機構部の構成を示す上面図である。
【図7】図7は同じくそのハンドアーム駆動機構部の正面図である。
【図8】図8はハンドアーム駆動機構部内のモータを駆動制御するハンドアーム駆動制御部の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は実施の形態で使用する搬送カセットを示す斜視図ある。
【図10】図10(a),(b)は撓んだままの基板が実施の形態の基板搬送装置のハンドアームに支持された状態を示す正面図及び側面図である。
【図11】図11(a),(b)はハンドアームの移動により平坦に矯正された基板を示す正面図及び側面図である。
【図12】図12は液晶パネル用基板を収納する搬送カセットを示す斜視図である。
【図13】図13は大型基板を収納した搬送カセットの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…カセットステーション、
2…基板検査装置、
4,31…搬送カセット、
5…搬送装置(搬送ロボット)、
6…検査ステージ、
7…基板、
8a,8b,8c…ハンドアーム、
9…ハンドアーム駆動機構部、
13a,13b…回転機構、
14a,14b…水平スライド機構、
14c…垂直スライド機構、
17a,17b,17c,19a,19b…モータ、
18a,18b,18c…移動ステージ
21,22…水平スライド機構駆動ユニット、
23…垂直スライド機構駆動ユニット、
24,25…回転機構駆動ユニット、
26…コントローラ、
27…データ設定部、
28…記憶部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルや半導体装置の製造に用いられる大型又は薄型の基板を搬送する基板搬送装置及び基板搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルや半導体装置の製造工程では、複数枚の基板を搬送カセットに収納した状態で装置間を搬送している。例えば、液晶表示装置の場合、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)及び配線等が形成された基板(ガラス基板)は、搬送カセット内に収納され、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)により検査装置の近傍のカセットステーションまで搬送される。そして、搬送装置(搬送ロボット)により搬送カセットから基板が1枚づつ取り出されて、検査装置に供給される。検査終了後の基板は、搬送装置で搬送されて再び搬送カセット内に収納される。
【0003】
図12は、液晶パネル用基板を収納する搬送カセットを示す斜視図である。この図12に示すように、カセット31の側板の内面には複数の突起(リブ)32が設けられており、基板30はこれらの突起32に両端部を支持された状態でカセット31の高さ方向に一定のピッチで並べて収納される。基板30は、搬送装置(搬送ロボット)の平板状又はフォーク状のハンドアームによってカセット31から1枚ずつ取り出された後、検査装置に搬送され、検査装置で基板の検査がなされる。検査終了後の基板は、搬送装置により再び逆方向に搬送され、搬送カセット31内に収納される。
【0004】
搬送装置のハンドアームの上面には複数のパッド(基板受けパッド)が設けられており、搬送装置は、これらのパッドで基板と接触するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示パネルの製造工程では、一般的に1枚の大型基板を用いて複数の液晶表示パネルを途中の工程まで同時に製造し、最終工程近くで基板を切断し各液晶表示パネルに分割している。近年、液晶表示パネルの大型化が促進されており、それに伴って基板のサイズも大きくなっている。
【0006】
このような大型基板を従来構造の搬送カセットに収納すると、図13に示すように、基板30に大きな撓みが生じる。例えば、サイズが730×920×0.6mmの基板では、撓み量は約34mmにもなる。カセット31の基板収納ピッチPは、基板30の撓み量に搬送装置のハンドアームの厚さを加えた値以上であることが必要であるので、搬送カセット31内に20〜25枚の基板30を収納する場合、搬送カセット31の高さは、おおよそ800mm〜1, 000mmにもなる。
【0007】
このように、搬送カセット31が大型になると、搬送装置、AGV及びクリーンストッカ等の設備も大型化する必要があり、設備コストが著しく上昇する。また、大型基板を平坦に保ったまま搬送するためには、搬送装置のハンドアーム上のパッドの数を多くする必要がある。しかし、パッドの数を多くすると、基板の裏面に汚れやパーティクルが付着する可能性が高くなり、好ましくない。
【0008】
基板の撓みによる搬送カセットの大型化を回避するために、基板を縦にして搬送する垂直ハンドリングも考えられる。しかし、垂直ハンドリングでは、基板が極めて薄いため、搬送カセットに基板を収納したり取り出す際にチッピング(欠け)が発生する虞がある。また、搬送カセットと搬送装置との間の基板受け渡しが複雑になるため、搬送装置のコストが増加するという難点もある。
【0009】
本発明の目的は、搬送カセット内に撓みある状態で狭ピッチに収納された基板を扱うことができて、装置の大型化が回避される搬送装置及び搬送方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板搬送装置は、基板の両端部をそれぞれ支持する第1及び第2のハンドアームと、前記第1のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第1の回転機構と、前記第2のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第2の回転機構とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の基板搬送装置は、基板の両端部を支持する第1及び第2のハンドアームと、これらの第1及び第2のハンドアームを回転させる第1及び第2の回転機構を有している。例えば、搬送カセット内に収納された基板の撓みの状態に応じて第1及び第2のハンドアームの角度を調整することにより、搬送カセットから基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。従って、従来の搬送装置では、搬送カセット内の基板の配列ピッチが基板の撓み量にハンドアームの厚さを加えた値以上必要であるのに対し、本発明では、搬送カセット内の基板の配列ピッチをハンドアームの厚さ分よりも若干大きくする程度でよい。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【0012】
第1及び第2のハンドアームに加えて、基板の中央部を支持する第3のハンドアームを設けることにより、基板をより安全に支持することができる。この場合、第3のハンドアームには回転機構を設ける必要はないが、垂直方向に移動できるように、垂直スライド機構を設ける必要がある。基板の撓み量は、基板の種類(材質、大きさ及び厚さ)により決まる。従って、第1及び第2のハンドアームを水平方向に移動させる第1及び第2の水平スライド機構を設け、基板の種類に応じて第1及び第2の回転機構、第1及び第2の水平スライド機構並びに垂直スライド機構を駆動制御することにより、各種基板に対応できるようになる。
【0013】
本発明の基板搬送方法は、搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板を取り出して搬送する基板搬送装置であって、前記基板の撓み状態に応じて複数本のハンドアームの位置及び角度を変化させ、前記ハンドアームを前記搬送カセット内に挿入し、前記搬送カセットから前記基板を撓んだ状態のまま取り出すことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、複数本のハンドアームの位置及び角度を基板の状態に合わせて変化させるので、搬送カセットから基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。この場合、従来の基板搬送方法では、搬送カセット内の基板の配列ピッチが基板の撓み量にハンドアームの厚さを加えた値以上必要であるのに対し、本発明では、搬送カセット内の基板の配列ピッチをハンドアームの厚さ分よりも若干大きくする程度でよい。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【0015】
基板検査装置やその他の装置に基板を渡す際には、前記ハンドアームを駆動して基板を平坦な状態してからに渡すことが好ましい。これにより、検査装置等の設備は従来のものをそのまま使用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の搬送装置(搬送ロボット)を含む搬送システムの構成図、図2は同じくその平面図である。本実施の形態では、搬送カセットから基板を取り出して検査装置に供給し、検査終了後の基板を再び搬送カセットに収納する搬送装置について説明する。
【0017】
本実施の形態の搬送装置5は、カセットステーション1と基板検査装置2との間に設置される。カセットステーション1の上には、AGVにより搬送された2個の搬送カセット4が載置される。これらの搬送カセット4には、TFT及び配線等が形成された複数の基板(ガラス基板)が収納されている。搬送装置5は、搬送カセット4から1枚の基板を取り出して検査装置2の基板検査ステージ6上に載置する。この検査ステージ6は水平方向(X−Y方向)に移動し、欠陥の有無を検査する。搬送装置5は、検査装置2による検査が終了した後、基板を検査ステージ6から取り出して搬送カセット4内に収納する。そして、次の基板を搬送カセット4から取り出して、検査装置2の検査ステージ6上に載置する。このようにして、搬送カセット4内の基板が搬送装置5により1枚づつ順番に検査装置2に送られて、検査される。
【0018】
図3は搬送装置5の外観を示す斜視図、図4は同じくその搬送装置5の上面図、図5は同じくその搬送装置5の正面図である。但し、図3は、図4,図5に示す位置からハンドアーム駆動機構部9が移動した状態を示している。台12上には軸11が垂直に配置されている。この軸11は、台12内に設けられた駆動装置により、回転及び上下方向への移動が可能になっている。軸11の上部には水平駆動アーム10aが固定されている。この水平駆動アーム10aは連結部10cを介して水平駆動アーム10bに連結され、水平駆動アーム10bは連結部10dを介してハンドアーム駆動機構部9に連結されている。連結部10c内に設けられた駆動装置により水平駆動アーム10bが水平方向に回転し、連結部10d内に設けられた駆動装置によりハンドアーム駆動機構部9が水平方向に回転する。
【0019】
ハンドアーム8a,8bは基板7の両端部を支持するアームである。これらのハンドアーム8a,8bは、細長い板状の部材であり、ハンドアーム駆動機構部9内の水平スライド機構(リニアアクチュエータ)14a,14bによって水平方向に移動可能であり、且つ回転機構13a,13bによって長手方向に平行な軸を中心にして回転可能である。
【0020】
ハンドアーム8cは、基板7の中央部を支持するアームである。このハンドアーム8cも細長い板状の部材であり、ハンドアーム駆動機構部9内の垂直スライド機構(リニアアクチュエータ)14cによって、垂直方向に移動する。なお、ハンドアーム8cには、ハンドアーム8a,8bと異なり回転機構は設けられていない。
【0021】
ハンドアーム8a,8b,8cの上面には、それぞれ複数(図では3個)のパッド15が設けられており、ハンドアーム8a,8b,8cは、これらのパッド15の先端で搬送対象である基板7の下面と接触するようになっている。なお、本実施の形態ではパッド15として突起物を用いているが、減圧装置に接続された吸着パッドを使用し、基板7をパッドに吸着するようにしてもよい。
【0022】
図6はハンドアーム駆動機構部9の構成をより詳細に示す上面図、図7は同じくその正面図である。ハンドアーム8aの水平スライド機構14aは、水平に配置されて軸受けで支持されたリードスクリュー16aと、このリードスクリュー16aに連結されたモータ17aと、リードスクリュー16aの回転によって水平方向に移動する移動ステージ18aとにより構成されている。また、ハンドアーム8aの回転機構13aは、回転モータ(ギアモータ)19aと、このモータ19aとハンドアーム8aとを連結する動力伝達ブッシュ20aとにより構成され、スライド機構14aの移動ステージ18aの上に取り付けられている。
【0023】
これと同様に、ハンドアーム8bの水平スライド機構14bは、水平に配置されて軸受けで支持されたリードスクリュー16bと、このリードスクリュー16bに連結されたモータ17bと、リードスクリュー16bの回転によって水平方向に移動する移動ステージ18bとにより構成されている。また、ハンドアーム8bの回転機構13bは、回転モータ(ギアモータ)19bと、このモータ19bとハンドアーム8bとを連結する動力伝達ブッシュ20bとにより構成され、スライド機構14bの移動ステージ18bの上に取り付けられている。
【0024】
ハンドアーム8cの垂直スライド機構14cは、垂直に配置されて軸受けで支持されたリードスクリュー16cと、このリードスクリュー16cに連結されたモータ17cと、リードスクリュー16cの回転によって垂直方向に移動する移動ステージ18cとにより構成されている。基板の撓み量は基板の種類により決まるので、基板の種類に応じてこれらの回転機構13a,13b及びスライド機構14a,14b,14cを適切に制御することにより、撓んだ状態の基板の面に沿って各ハンドアーム8a,8b,8cを配置することができる。
【0025】
図8は、ハンドアーム駆動機構部9内のモータ17a,17b,17c,19a,19bを駆動制御するハンドアーム駆動制御部を示すブロック図である。このハンドアーム駆動制御部は、水平スライド機構14aのモータ17aを駆動する駆動ユニット21と、水平スライド機構14bのモータ17bを駆動する駆動ユニット22と、垂直スライド機構14cのモータ17cを駆動する駆動ユニット23と、回転機構13aのモータ19aを駆動する駆動ユニット24と、回転機構13bのモータ19bを駆動する駆動ユニット25と、これらの駆動ユニット21〜25を制御するコントローラ26と、コントローラ26にデータを設定するデータ設定部27と、基板の種類(材質、サイズ及び厚さ)に応じたハンドアーム8a,8b,8cの適切な位置を示すデータを記憶する記憶部28とにより構成されている。
【0026】
以下、上述した構成の本実施の形態の基板搬送装置を用いた基板搬送方法について説明する。本実施の形態では、図9に示すように搬送カセット4内に収納された基板7を取り出して、検査装置2に搬送する。この場合、搬送カセット4には複数の基板7が撓んだ状態で高さ方向に並べて収納されている。搬送カセット4の基板支持用突起(リブ)31のピッチPは搬送装置5のハンドアーム8a〜8cの厚さよりも若干大きい程度でよく、基板7の撓み量よりも小さくてもよい。従って、大型の基板を収納するにもかかわらず、搬送カセット4の高さを比較的低くすることができる。また、予め、記憶部28には、ハンドアーム8a,8b,8cの最適な位置を示すデータを、基板7の種類(材質、大きさ及び厚さ)毎に記憶しておく。
【0027】
まず、搬送すべき基板7の種類(材質、サイズ及び厚さ等)を示すデータを、データ設定部27を介してコントローラ26に入力する。データ入力はオペレータにより手動で行ってもよいし、他の装置(システムコントローラ等)から基板の種類を示すデータがデータ設定部27に信号線を介して自動的に送られてくるようにしてもよい。データ設定部27を介して基板7の種類を示すデータが送られてくると、コントローラ26は、記憶部28に記憶されているデータを参照し、ハンドアーム8a,8b,8cが基板の種類に応じた位置となるように、駆動ユニット21〜25を介してモータ17a,17b,17c,19a,19bを駆動する。
【0028】
これにより、搬送装置5のハンドアーム8a,8b,8cは、基板7の撓み量に応じた位置に移動する。すなわち、図3〜図5に示すように、ハンドアーム8a,8bは基板7の種類に応じて水平方向に移動し、且つ、支持する位置の基板7の傾きに応じた角度に回転する。また、ハンドアーム8cは、基板7の撓み量に応じて垂直方向に移動する。そして、これらのハンドアーム8a,8b,8cは、それぞれ搬送カセット4内に収納された基板7の面に沿った位置に配置される。
【0029】
その後、軸11が上下方向に移動し、水平駆動アーム10a,10bが駆動されて、ハンドアーム8a,8b,8cが、搬送カセット4内の所定の基板7の下に挿入される。このとき、ハンドアーム8a,8b,8cが基板7に接触しないように、各駆動部は同期がとられた状態で駆動される。次に、軸11が若干上昇する。これにより、ハンドアーム8a,8b,8cのパッド15が基板7の下面に接触し、ハンドアーム8a,8b,8cにより基板7が支持される。その後、ハンドアーム8a,8b,8cが後退し、搬送カセット4から1枚の基板7が取り出される。このときも、ハンドアーム8a,8b,8c及びハンドアーム8a,8b,8c上の基板が他の基板に接触しないように、各駆動部は同期がとられた状態で駆動される。
【0030】
次に、図10(a),(b)に示す状態から図11(a),(b)に示す状態になるまで、コントローラ26により回転機構13a,13b及び垂直スライド機構14cのモータ19a,19b,17cが駆動され、基板7が平坦な状態に矯正される。このときも、基板7に大きな応力がかからないように、回転機構13a,13b及び垂直スライド機構14cは同期した状態で駆動される。
【0031】
次いで、軸11が上下方向に移動し、水平駆動アーム10a,10bが駆動されて、基板7が検査装置2の検査ステージ6の上方に移動する。そして、検査ステージ6上に基板7が載置される。検査装置2により基板7の検査が終了した後は、逆方向に動作して検査済みの基板7を搬送カセット4内に収納する。その後、同様にして次の基板7を搬送カセット4から取り出し、検査装置2に搬送する。
【0032】
このようにして、本実施の形態の搬送装置5は、搬送カセット4内から基板7を1枚ずつ取り出して検査装置2に搬送し、検査済みの基板7を搬送カセット4内に収納する。上述した実施の形態の搬送装置5は、コントローラ26により、3本のハンドアーム8a,8b,8cが基板の撓みに応じた位置に配置され、搬送カセット4内に撓んだ状態で収納された基板7を、撓んだ状態のまま取り出すことができる。従って、搬送カセット4内に収納する基板7のピッチを従来に比べて小さくすることができる。これにより、大型基板を収納する搬送カセット4であっても、高さを低くできる。その結果、搬送装置5だけでなく、クリーンストッカやAGV等の装置も小型のものを使用することが可能になり、設備コストを低く抑えることができる。
【0033】
また、本実施の形態の基板搬送装置5においては、記憶部28に、ハンドアーム8a,8b,8cの適切な位置を示すデータが基板の種類毎に記憶されているので、各種基板に対応することができる。また、搬送カセット4から基板7を取り出した後、ハンドアーム8a,8b,8cを同期した状態で駆動させ、基板7の撓みを修正して平坦にするので、検査装置2は従来のものをそのまま使用することができる。
【0034】
なお、上記実施の形態においては、本発明を液晶表示パネルの検査装置に基板を搬送する搬送装置及び搬送方法に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、液晶表示パネルの他の製造工程や、半導体装置の製造工程における半導体基板の搬送装置及び搬送方法に適用することもできる。
【0035】
また、上記実施の形態においては3本のハンドアーム8a,8b,8cにより基板7を支持するものとしたが、本発明はこれに限定されるものでなく、2本又は4本以上のハンドアームで基板を支持するようにしてもよい。
(付記1)基板を搬送カセットに出し入れする搬送装置において、前記基板の両端部をそれぞれ支持する第1及び第2のハンドアームと、前記第1のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第1の回転機構と、前記第2のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第2の回転機構とを有することを特徴とする基板搬送装置。
【0036】
(付記2)前記第1及び第2のハンドアームをそれぞれ水平方向に移動させる第1及び第2の水平スライド機構を有することを特徴とする付記1に記載の基板搬送装置。
(付記3)前記基板の種類毎に前記第1及び第2のハンドアームの位置及び角度を示すデータを記憶した記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて前記第1及び第2の回転機構並びに前記第1及び前記第2の水平スライド機構を駆動制御する駆動制御部とを有することを特徴とする付記2に記載の基板搬送装置。
【0037】
(付記4)前記第1及び第2のハンドアームの間に配置された第3のハンドアームと、前記第3のハンドアームを垂直方向に移動させる垂直スライド機構と、前記基板の種類毎に、前記第1及び第2のハンドアームの角度と前記第1、第2及び第3のハンドアームの位置とを記憶した記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて前記第1及び第2の回転機構、前記第1及び第2の水平スライド機構並びに前記垂直スライド機構を駆動制御する駆動制御部とを有することを特徴とする付記2に記載の基板搬送装置。
【0038】
(付記5)前記第1及び第2のハンドアームの間に配置された第3のハンドアームと、前記第3のハンドアームを垂直方向に移動させる垂直スライド機構とを有することを特徴とする付記1に記載の基板搬送装置。
(付記6)搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板を取り出して搬送する基板搬送装置であって、前記基板の撓み状態に応じて複数本のハンドアームの位置及び角度を変化させ、前記ハンドアームを前記搬送カセット内に挿入し、前記搬送カセットから前記基板を撓んだ状態のまま取り出すことを特徴とする基板搬送方法。
【0039】
(付記7)前記基板を前記搬送カセットから取り出した後、前記複数のハンドアームを駆動して前記基板を平坦な状態にすることを特徴とする付記6に記載の基板搬送方法。
(付記8)3本のハンドアームを使用し、これらのハンドアームの位置及び角度を、前記基板のサイズに応じて変化させることを特徴とする付記6に記載の基板搬送方法。
【0040】
(付記9)前記基板の種類に応じて前記ハンドアームの位置及び角度を変化させることを特徴とする付記6に記載の基板搬送方法。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の基板搬送装置によれば、基板の両端部を支持する第1及び第2のハンドアームと、これらのハンドアームを回転させる第1及び第2の回転機構を有しているので、搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板の面に対向するように第1及び第2のハンドアームを回転させて、基板を撓んだ状態のまま搬送カセットから取り出すことができる。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【0042】
また、本発明の基板搬送方法によれば、複数本のハンドアームの位置及び角度を基板の状態に合わせてそれぞれ変化させるので、搬送カセットから基板を撓んだ状態のまま取り出すことができる。これにより、搬送カセットの高さを抑えることができ、基板搬送装置だけでなく、AGVやクリーンストッカ等の設備の大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態の基板搬送装置(搬送ロボット)を含む搬送システムの構成図である。
【図2】図2は同じくその搬送システムの平面図である。
【図3】図3は実施の形態の基板搬送装置の外観を示す斜視図である。
【図4】図4は同じくその基板搬送装置の上面図である。
【図5】図5は同じくその基板搬送装置の正面図である。
【図6】図6はハンドアーム駆動機構部の構成を示す上面図である。
【図7】図7は同じくそのハンドアーム駆動機構部の正面図である。
【図8】図8はハンドアーム駆動機構部内のモータを駆動制御するハンドアーム駆動制御部の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は実施の形態で使用する搬送カセットを示す斜視図ある。
【図10】図10(a),(b)は撓んだままの基板が実施の形態の基板搬送装置のハンドアームに支持された状態を示す正面図及び側面図である。
【図11】図11(a),(b)はハンドアームの移動により平坦に矯正された基板を示す正面図及び側面図である。
【図12】図12は液晶パネル用基板を収納する搬送カセットを示す斜視図である。
【図13】図13は大型基板を収納した搬送カセットの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…カセットステーション、
2…基板検査装置、
4,31…搬送カセット、
5…搬送装置(搬送ロボット)、
6…検査ステージ、
7…基板、
8a,8b,8c…ハンドアーム、
9…ハンドアーム駆動機構部、
13a,13b…回転機構、
14a,14b…水平スライド機構、
14c…垂直スライド機構、
17a,17b,17c,19a,19b…モータ、
18a,18b,18c…移動ステージ
21,22…水平スライド機構駆動ユニット、
23…垂直スライド機構駆動ユニット、
24,25…回転機構駆動ユニット、
26…コントローラ、
27…データ設定部、
28…記憶部。
Claims (5)
- 基板を搬送カセットに出し入れする搬送装置において、
前記基板の両端部をそれぞれ支持する第1及び第2のハンドアームと、
前記第1のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第1の回転機構と、
前記第2のハンドアームをその長手方向に平行な回転軸に対し回転させる第2の回転機構とを有することを特徴とする基板搬送装置。 - 前記第1及び第2のハンドアームをそれぞれ水平方向に移動させる第1及び第2の水平スライド機構を有することを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
- 前記第1及び第2のハンドアームの間に配置された第3のハンドアームと、
前記第3のハンドアームを垂直方向に移動させる垂直スライド機構と、
前記基板の種類毎に、前記第1及び第2のハンドアームの角度と前記第1、第2及び第3のハンドアームの位置とを記憶した記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータに基づいて前記第1及び第2の回転機構、前記第1及び第2の水平スライド機構並びに前記垂直スライド機構を駆動制御する駆動制御部とを有することを特徴とする請求項2に記載の基板搬送装置。 - 搬送カセット内に撓んだ状態で収納された基板を取り出して搬送する基板搬送装置であって、
前記基板の撓み状態に応じて複数本のハンドアームの位置及び角度を変化させ、前記ハンドアームを前記搬送カセット内に挿入し、前記搬送カセットから前記基板を撓んだ状態のまま取り出すことを特徴とする基板搬送方法。 - 前記基板を前記搬送カセットから取り出した後、前記複数のハンドアームを駆動して前記基板を平坦な状態にすることを特徴とする請求項4に記載の基板搬送方法。
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