JP2003051425A - チップ型電子部品 - Google Patents

チップ型電子部品

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JP2003051425A JP2001239606A JP2001239606A JP2003051425A JP 2003051425 A JP2003051425 A JP 2003051425A JP 2001239606 A JP2001239606 A JP 2001239606A JP 2001239606 A JP2001239606 A JP 2001239606A JP 2003051425 A JP2003051425 A JP 2003051425A
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晃 小野寺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ素子の端部を角錐状に形成すること
で、チップ型電子部品の信頼性を向上する。 【解決手段】 チップ素子12の両端部14はそれぞれ
四角錐状に突出した形に形成され、複数の内部電極の右
側端がそれぞれ接続されるように、端子電極22がチッ
プ素子12の右側の四角錐状に形成された端部14に配
置される。また、複数の内部電極の左側端がそれぞれ接
続されるように、端子電極23がチップ素子12の左側
の四角錐状に形成された端部14に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ素子の端部
を角錐状に形成して信頼性を向上したチップ型電子部品
に係り、特に積層セラミックチップコンデンサに好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なチップ型電子部品は、例
えば内部電極とセラミック層とを交互に複数層積層して
形成されたチップ素子の両端部に、これら内部電極と接
続された端子電極をそれぞれ配置した構造となってい
る。そして、このチップ素子の端部は、チップ素子の上
下面である積層面に対して略垂直の平面として形成され
ていた。しかし、このような従来のチップ型電子部品で
は、チップ素子の端部を切断する際にチップ素子の形状
が変化するのに伴って、チップ型電子部品の形状が不安
定化する虞を有していた。
【0003】さらに、端子電極をチップ素子の端部に形
成する時に、図6(A)の上から下に順に示すようにチ
ップ素子112の平面状に形成された端部114全体
で、槽内の電極ペーストPの液面に一気に接触すること
になる。この為、接触時のショックで気泡Kを電極ペー
ストP内に抱き込み易く、結果として端子電極116に
空孔であるボイドが発生する虞を有していた。また、従
来のチップ型電子部品110では、チップ素子112の
積層面118に対して端部114が略垂直に形成されて
いる関係から、図7(A)に示すように、端子電極11
6の膜厚が不均一になり易く、結果として、端子電極1
16の焼結が不安定となっていた。
【0004】一方、このチップ型電子部品110を検査
する際には、検査装置40の図8(A)に示す搬送レー
ル41に沿って多数のチップ型電子部品110を連続的
に搬送し、案内部材であるインデックス機42に順次供
給するようにしている。しかし、チップ素子112の端
部114が上記の構造になっていると、このインデック
ス機42への供給時において各チップ型電子部品110
間の境界が判り難くなって、CCDカメラ等の判別装置
43による判別が困難となってしまう。この為、搬送レ
ール41からのチップ型電子部品110の分離時に、チ
ップ型電子部品110の角がシャッタ44にかみ込まれ
易く、チップ型電子部品110に摩擦ストレスが発生す
る欠点があった。
【0005】また、このチップ型電子部品110を基板
へ半田付けする際には、基板の必要箇所にクリーム半田
を予め配置しておくリフロー半田付け処理が一般に用い
られている。しかし、このリフロー半田付け処理に際し
て、チップ素子112の端部114が上記の構造では、
クリーム半田が溶融した時の表面張力の相違によりチッ
プ立ちが発生して、チップ型電子部品110を基板へ適
正に装着できない虞を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上より、従来のチッ
プ型電子部品110を構成するチップ素子112の端部
114が、チップ素子112の積層面118に対して略
垂直に形成されるのに伴い、上記のような種々の不具合
を生じ、結果としてチップ型電子部品110の信頼性が
低くなるという欠点を有していた。本発明は上記事実を
考慮し、チップ素子の端部を角錐状に形成することで、
信頼性を向上したチップ型電子部品を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1によるチップ型
電子部品は、内部導体を内蔵したチップ素子の端部に、
内部導体と接続される端子電極を配置したチップ型電子
部品であって、チップ素子の端部の形状を角錐状に形成
したことを特徴とする。
【0008】請求項1に係るチップ型電子部品によれ
ば、内部導体を内蔵したチップ素子の端部の形状を角錐
状に形成し、このチップ素子の端部に、内部導体と接続
された端子電極を配置した。本請求項のチップ素子の端
部を角錐状に加工する際には、切断刃が高速回転して切
り込み加工や切断加工できる例えばシリコンウェハー加
工用のダイサーにより加工することが考えられる。この
為、乾式切断と異なり、切断刃の影響によって被切断材
であるチップ型電子部品に曲がり等の変形が発生せず、
狙いの寸法や形状に加工し易くなるので、端部の加工後
におけるチップ型電子部品の形状が安定化する。
【0009】また、チップ素子の端部の形状を角錐状に
形成したことにより、チップ素子の端部表面と積層面と
の間の角度が大きくなり、これに伴って端子電極の膜厚
が均一化する。さらに、端子電極の形成時において、チ
ップ素子の角錐状に形成された端部の先端から電極ペー
ストの液面に接触する為、気泡が逃げ易くなって電極ペ
ースト内に気泡を抱き込み難くなる結果、端子電極にボ
イドが発生し難くなる。
【0010】一方、このチップ型電子部品を検査する際
に、多数のチップ型電子部品を検査装置の搬送レールに
沿って連続して搬送し、これらチップ型電子部品を個々
に分離して案内する為のインデックス機に供給するが、
このインデックス機への供給時において、角錐状となっ
た端部での光の反射状態が他の部分の反射状態と異なる
ので、チップ型電子部品の境界の判別が容易となる。従
って、本請求項によれば、搬送レールからインデックス
機へのチップ型電子部品の分離時にチップ型電子部品の
角がシャッタにかみ込まれ難くなり、搬送時にチップ型
電子部品に加わる摩擦ストレスが低減される。
【0011】また、このチップ型電子部品を基板に装着
する際には、角錐状に端部を形成したことから、フィレ
ット接触角が増大し、これに伴って基板との間の固着強
度が向上して下向きにチップ型電子部品を引っ張る力の
ベクトルが大きくなる。この結果として、リフロー半田
付け処理時のチップ立ちを防止できると共に、セルフア
ライメント効果を向上でき、チップ型電子部品を基板に
適正に装着可能となる。以上より、チップ素子の端部の
形状を角錐状にすることで、種々の欠点が解決されてチ
ップ型電子部品の信頼性が向上した。
【0012】請求項2に係るチップ型電子部品によれ
ば、請求項1のチップ型電子部品と同様の構成の他に、
チップ素子の端部の形状を四角錐状に形成するという構
成を有する。つまり、チップ型電子部品の積層面及び一
対の側面の計四面に対応すべく、チップ素子の端部の形
状を角錐状の内でも一般的な四角錐状としたことで、チ
ップ型電子部品の端部を容易に加工可能となった。
【0013】請求項3に係るチップ型電子部品によれ
ば、請求項1のチップ型電子部品と同様の構成の他に、
チップ素子の両端部の形状をそれぞれ四角錐状に形成し
たという構成を有する。つまり、チップ素子の両端部の
形状をそれぞれ四角錐状に形成したことで、請求項1の
作用効果がこれら両端部でそれぞれ生じるようになっ
て、チップ型電子部品の信頼性が一層向上するようにな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るチップ型電子
部品の一実施の形態を図面に基づき説明する。図1から
図3に示すように、誘電体シートであるセラミックグリ
ーンシートを複数枚積層した積層体を切断すると共に焼
成することで得られた直方体状の焼結体であるチップ素
子12を主要部として、本実施の形態に係るチップ型電
子部品である積層セラミックチップコンデンサ(以下単
に、チップコンデンサと言う)10が構成されている。
【0015】図3に示すように、このチップ素子12内
には、セラミックグリーンシートが焼結されたものであ
るセラミック層12Aを介して、チップ素子12の図3
の長手方向に沿って延びる内部電極21が複数枚配置さ
れている。具体的には、チップ素子12の右側寄りに配
置された内部電極21A及び、チップ素子12の左側寄
りに配置された内部電極21Bの2種類により、この内
部電極21が構成されており、これら内部電極21Aと
内部電極21Bとが交互にチップ素子12内に配置さ
れ、これら内部電極21A、21B間にそれぞれセラミ
ック層12Aが存在する形となっている。つまり、内部
導体である内部電極21とセラミック層12Aとが交互
に複数層積層されて、これら内部電極21を内蔵したチ
ップ素子12が形成されている。
【0016】さらに、図1に示すように、このチップ素
子12の両端部14はそれぞれ四角錐状に突出した形に
形成されており、図3に示す複数の内部電極21Aの右
側端がそれぞれ接続されるように、端子電極22がチッ
プ素子12の右側の四角錐状に形成された端部14に配
置されている。また、これら複数の内部電極21Bの左
側端がそれぞれ接続されるように、端子電極23がチッ
プ素子12の左側の四角錐状に形成された端部14に配
置されている。
【0017】図2に示すこのチップコンデンサ10の端
部14を構成するそれぞれ三角形の面同士の間の角度で
ある先端角θは140°〜179°とされており、ま
た、このチップコンデンサ10の端部14の縦寸法H及
び横寸法Dはそれぞれ例えば0.3mmとされていて、
チップコンデンサ10の長さ寸法Lは例えば0.6mm
とされている。
【0018】以上より、端子電極22、23にそれぞれ
繋がる内部導体である内部電極21A、21Bがコンデ
ンサの電極を構成する形とされている。尚、これら内部
電極21A、21Bは単に図3に示す8層だけでなく、
さらに多数層配置しても良い。
【0019】次に、本実施の形態に係るチップコンデン
サ10の製造を説明する。予め、所定の厚みを有したセ
ラミックグリーンシートの一方の表面上に、内部電極2
1を複数個配置した形で、このセラミックグリーンシー
トを多数枚作製しておくことにする。尚、各セラミック
グリーンシート上に複数個配置された内部電極21の位
置関係は、各セラミックグリーンシート共に例えば同一
とする。
【0020】そして、これらセラミックグリーンシート
を複数積み重ねて圧力を加えることで、図4に示すプレ
ート状の積層体31を作製する。この後、切断刃が高速
回転して切り込み加工や切断加工できるダイサーにより
この積層体31を個々のチップ素子12に切断するが、
この際まず高速で回転する切断刃であるブレード33に
より、図5(A)に示すように積層体31の厚みTの半
分となる深さS=2/Tで角度α=1°〜40°程度の
V字状の溝部32をこの積層体31に加工する。
【0021】次に、この溝部32に対して直交する方向
に沿って、ダイサーのブレード33で完全に切断して、
図5(B)に示す四角柱状に積層体31を加工した後、
この四角柱状になった積層体31を90°の角度だけ回
転し、このブレード33で同じく深さS=2/Tで角度
α=1°〜40°程度のV字状の溝部32を同様に加工
して、積層体31を図5(C)に示す形にする。
【0022】さらに、同じく積層体31を90°の角度
だけ再度回転し、このブレード33で深さS=2/Tの
V字状で角度α=1°〜40°程度の溝部32を加工し
て積層体31を図5(D)に示す形にし、同じくこの積
層体31を90°の角度だけ再度回転し、このブレード
33で深さS=2/Tで角度α=1°〜40°程度のV
字状の溝部32を加工して、加工を一旦終了する。
【0023】以上より、四角柱状の積層体31が図5
(E)に示すように切断されて、チップ素子12の一方
の端部14とされる部分が、四角錐状に形成されること
になるが、この際、四角錐状の端部14の先端角θは1
40°〜179°の角度に加工されることになる。そし
て、他方の端部14となる部分も同様に四角錐状に加工
することで、チップ素子12が形造られる。さらに同様
の加工を多数回実行することで、多数のチップ素子12
がそれぞれ形成されることになる。
【0024】次に、このチップ素子12を焼成すると共
に、チップ素子12の両端部14に端子電極22、23
を取り付けて、図1に示すチップコンデンサ10を完成
するが、この端子電極22、23は、下層部分となる銅
製の焼付け層の上に電気ニッケルメッキ層及びすずメッ
キ層が配置される構造となっている。そして、この端子
電極22、23をチップ素子12の両端部14に取り付
ける為に、電極ペーストPにこのチップ素子12の両端
部14を順次漬けるようにする。この端子電極22、2
3が取り付けられた後、このチップコンデンサ10を図
8(B)に示す検査装置40によって検査し、また、リ
フロー通路に通過させて基板51に半田付けすること
で、基板51にこのチップコンデンサ10を装着する。
【0025】次に、本実施の形態に係るチップコンデン
サ10の作用を説明する。本実施の形態に係るチップコ
ンデンサ10によれば、内部電極21を内蔵したチップ
素子12の両端部14の形状をそれぞれ四角錐状に突出
するように形成し、このチップ素子12の両端部14
に、内部電極21と接続された端子電極22、23をそ
れぞれ配置した。
【0026】そして、本実施の形態のチップ素子12の
両端部14を四角錐状に加工する際に、切断刃が高速回
転して切り込み加工や切断加工できる前述のダイサーに
より加工することにした。この為、乾式切断と異なり、
切断刃の影響によって被切断材であるチップコンデンサ
10に曲がり等の変形が発生せず、狙いの寸法や形状に
加工し易くなるので、両端部14の加工後におけるチッ
プコンデンサ10の形状が安定化するようになった。
【0027】また、チップ素子12の端部14の形状を
四角錐状に形成したことにより、図7(B)に示すチッ
プ素子12の端部14の表面と積層面15との間の角度
βが、図7(A)に示す従来のものより大きくなり、こ
れに伴って端子電極22、23の膜厚が均一化する結果
として、チップコンデンサ10の信頼性が向上した。
【0028】つまり、図7に示すように、端子電極を形
成する電極ペーストPは、表面張力の作用によって球に
なろうとする性質を有するので、平面を覆う部分の膜厚
T2より角部を覆う部分の膜厚T1の方が薄くなる現象
が生じる。そして、この電極ペーストPを構成するガラ
スフリットと金属との焼結速度の違いにより、チップ素
子12と端子電極22、23との間の密着性が変化する
為、均一な熱伝導が要求されるものの、図7(A)に示
す従来のものでは端子電極116の膜厚が不均一になっ
て、焼結の際の熱伝導速度に大きな差が生じる。これに
対して、本実施の形態では図7(B)に示すように端子
電極22、23の膜厚が従来のものより均一化されるの
に伴い密着性が高まって信頼性が向上するようになる。
【0029】さらに、端子電極22、23の形成時にお
いて、図6(B)に示すチップ素子12の四角錐状に形
成された端部14の先端から電極ペーストPの液面に徐
々に接触する為、図6(A)に示す従来のものより気泡
Kが逃げ易くなって電極ペーストP内に気泡Kを抱き込
み難くなる結果、端子電極22、23にボイドが発生し
難くなる。つまり、端部の表面が平面状に形成されてい
ると、図6(A)に示す端子電極の塗布時に空気の巻き
込みによるボイドが発生するのに合わせて、電気めっき
液がこのボイド内に浸入して閉じ込められることもあ
る。この結果として、基板にチップコンデンサを半田付
けする際のリフロー通路の通過時に、端子電極のめっき
が溶融するのに伴い加熱されて膨張したボイド内の空気
が勢い良くはぜたり、溶融した半田や電気めっき液が端
子電極から飛散する虞が生じる。しかし、図6(B)に
示す本実施の形態のように端部14を四角錐状に形成す
れば、このような虞が小さくなる。
【0030】一方、本実施の形態のチップコンデンサ1
0を検査する際には、図8(B)に示すように、多数の
チップコンデンサ10を検査装置40の搬送レール41
に沿って連続して搬送し、これらチップコンデンサ10
を個々に分離して案内する為の矢印方向に回転するイン
デックス機42に供給するようにしている。但し、この
インデックス機42への供給時において、四角錐状とな
った端部14での光の反射状態が他の部分の反射状態と
大きく異なるので、判別装置43によりチップコンデン
サ10の境界の判別が容易となる。従って、本実施の形
態によれば、搬送レール41からインデックス機42へ
のチップコンデンサ10の分離時にチップコンデンサ1
0の角がシャッタ44にかみ込まれ難くなり、搬送時に
チップコンデンサ10に加わる摩擦ストレスが低減され
る。
【0031】さらに、従来技術の構造では端部同士が搬
送レール41内で密着し、チップコンデンサ10同士が
繋がった状態でインデックス機42に入る虞があった
が、本実施の形態のような構造にすれば、端部14の先
端部分同士が相互に接触する形になるので、密着し難く
なってこのような問題点をも改善できるようになる。
【0032】また、このチップコンデンサ10を基板5
1に装着する際には、四角錐状に端部14を形成したこ
とから、図9(B)に示す半田52の端部14との接触
部分の角度であるフィレット接触角γが、図9(A)に
示す従来のものより増大し、これに伴って基板51との
間の固着強度が向上して下向きにチップコンデンサ10
を引っ張る力Fのベクトルが大きくなる。この結果とし
て、リフロー半田付け処理時のチップ立ちを防止できる
と共に、セルフアライメント効果を向上でき、チップコ
ンデンサ10を基板51に適正に装着可能となる。
【0033】さらに、本実施の形態では、図1に示すチ
ップコンデンサ10の一対の積層面15及び一対の側面
16の計四面に対応すべく、チップ素子12の両端部1
4の形状を角錐状の内でも一般的な四角錐状にそれぞれ
形成した。これにより、チップコンデンサ10の端部1
4を容易に加工可能となると共に、上記の作用効果がこ
れら両端部14でそれぞれ生じるようになって、チップ
コンデンサ10の信頼性が一層向上するようになる。
【0034】次に、端部14の先端角θとチップコンデ
ンサ10の不良率との関係を評価した結果を表1に表
し、この表1の内容を以下に説明する。まず、上述の検
査装置40でチップコンデンサ10を検査する際におい
てチップコンデンサ10の境界の判別性が低下する結果
の認識不良をサンプルにより評価した。さらに、チップ
コンデンサ10の端部14の割れかけの不良をサンプル
により評価した。すなわち、先端角θがそれぞれ120
°、140°、160°、180°となっている四種類
のサンプルを作製して、認識不良率と割れかけ不良率を
確認し、この結果を下記の表1に表した。
【0035】
【表1】
【0036】この表1より、先端角θが大きくなるに従
って、認識不良率が増加する傾向が理解できると共に、
先端角θが小さくなって鋭角に近づくのに従って、割れ
かけ不良率が増加する傾向が理解できる。そして、先端
角θの下限は、割れかけ不良率から140°程度の角度
と考えられ、先端角θの上限は、認識不良率から180
°未満とされ、具体的には179°程度の角度が上限と
考えられる。
【0037】尚、上記実施の形態に係るチップコンデン
サ10は、2種類で8枚の内部電極21A、21Bを有
する構造とされているものの、層数、内部電極の枚数は
これらの数に限定されず、さらに多数としても良く、ま
た、チップコンデンサ10の大きさも本実施の形態に限
定されない。さらに、チップ素子12の両端部14の形
状を四角錐状とせずに他の三角錐状や五角錐状等の他の
角錐状に形成しても良い。そして、上記実施の形態では
チップコンデンサを例として本発明を説明したが、他の
チップ型電子部品にも本発明は適用可能であり、例えば
1005形状以下の極小サイズチップ型電子部品に好適
である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、チップ素子の端部を角
錐状に形成することで、信頼性を向上したチップ型電子
部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るチップコンデンサ
を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るチップコンデンサ
を示す図であって、(A)は正面図であり、(B)は側
面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るチップコンデンサ
を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に適用される積層体に溝
部を加工する状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に適用される積層体の加
工手順を示す説明図であって、(A)は図4の要部拡大
斜視図であり、(B)は積層体を四角柱状に加工した斜
視図であり、(C)は二つ目の溝部を加工した斜視図で
あり、(D)は三つ目の溝部を加工した斜視図であり、
(E)は四つ目の溝部を加工して積層体を切断した斜視
図である。
【図6】端子電極の形成の手順を示す説明図であって、
(A)は従来の端子電極の形成に伴って端子電極内への
気泡の抱き込みのメカニズムを示す図であり、(B)は
一実施の形態の端子電極の形成を示す図である。
【図7】端子電極の断面状態を示す拡大断面図であっ
て、(A)は従来の端子電極を示す図であり、(B)は
一実施の形態の端子電極を示す図である。
【図8】検査装置における摩擦ストレスの説明図であっ
て、(A)は従来のチップ型電子部品での状態を説明す
る図であり、(B)は一実施の形態での状態を説明する
図である。
【図9】リフロー半田付け時における姿勢安定化の説明
図であって、(A)は従来のチップ型電子部品での状態
を説明する図であり、(B)は一実施の形態での状態を
説明する図である。
【符号の説明】
10 チップコンデンサ 12 チップ素子 14 端部 21A、21B 内部電極(内部導体) 22、23 端子電極
フロントページの続き (72)発明者 栗本 哲 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AA01 EE23 FF05 FG26 FG46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部導体を内蔵したチップ素子の端部
    に、内部導体と接続される端子電極を配置したチップ型
    電子部品であって、 チップ素子の端部の形状を角錐状に形成したことを特徴
    とするチップ型電子部品。
  2. 【請求項2】 チップ素子の端部の形状を四角錐状に形
    成したことを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部
    品。
  3. 【請求項3】 チップ素子の両端部の形状をそれぞれ四
    角錐状に形成したことを特徴とする請求項1記載のチッ
    プ型電子部品。
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