JP2003049242A - 焼付硬化性に優れた高張力熱延鋼板および高張力めっき鋼板 - Google Patents

焼付硬化性に優れた高張力熱延鋼板および高張力めっき鋼板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶粒を一層の微細化や固溶N量のさらなる
増大などの必要なしに、焼付硬化性を格段に向上させ、
しかも耐常温時効性にも優れた高張力熱延鋼板および高
張力めっき鋼板を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.5
%以下、Mn:1.2 〜3.0%、P:0.05%以下、Al:0.001
〜0.1 %およびN:0.005 〜0.02%を含有し、残部はF
eおよび不可避的不純物の組成とし、さらに低温変態フ
ェライト相とポリゴナルフェライト相を含む複合組織で
あって、低温変態フェライト相の組織全体に対する割合
が面積率で50%超で、かつ低温変態フェライト相とポリ
ゴナルフェライト相の2相の平均結晶粒径が8μm 以下
の鋼組織とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の構造部材
や足周り部材等の使途に供して好適な高張力熱延鋼板お
よび高張力めっき鋼板に関し、特に耐常温時効性の劣化
を招くことなしに焼付硬化性の一層の向上を図ろうとす
るものである。なお、本発明でいう焼付硬化性の向上と
は、加工−焼付塗装後の降伏強さだけでなく、引張り強
さの向上をも意味する。
【0002】
【従来の技術】特開平4−74824 号公報には、Nを多量
に含有した鋼を、フェライトとマルテンサイトを主体と
する複合組織とすることからなる焼付硬化型高張力熱延
鋼板の製造方法が提案されている。しかしながら、上記
の技術は、鋼中Nのみによって加工−塗装焼付処理後の
引張強さを増加させようとするものであるが、あまりに
多量のNの添加は現実的でなく、またこの技術では、耐
常温時効性への配慮がなされていないため、耐常温時効
性が劣化するという問題を残していた。
【0003】また、特開2000−297350号公報には、結晶
粒の微細化および固溶Nの量、存在形態を制御すること
によって、焼付硬化性と耐常温時効性を改善した熱延鋼
板が提案されている。しかしながら、この技術を用いて
焼付硬化性のさらなる向上を図ろうとすると、結晶粒を
一層微細化するか、固溶N量をさらに増大させる必要が
あるが、結晶粒をさらに微細化することは現実的ではな
く、また固溶Nを増加させることは常温時効による延性
の劣化を招くことから、この技術による改善には限界が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を有利に解決するもので、結晶粒を一層の微細化や固溶
N量のさらなる増大などの必要なしに、焼付硬化性を一
層向上させ、しかも耐常温時効性にも優れた高張力熱延
鋼板および高張力めっき鋼板を提案することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、上記
の目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、鋼の成分組
成だけでなく、その組織を適正に制御することによっ
て、耐常温時効性の劣化を招くことなしに、焼付硬化性
の著しい向上が達成されることの知見を得た。本発明
は、上記の知見に立脚するものである。
【0006】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.質量%でC:0.05〜0.12%、Si:0.5 %以下、Mn:
1.2 〜3.0 %、P:0.05%以下、Al:0.001 〜0.1 %お
よびN:0.005 〜0.02%を含有し、残部はFeおよび不可
避的不純物の組成になり、鋼組織が、低温変態フェライ
ト相とポリゴナルフェライト相を含む複合組織であり、
しかも低温変態フェライト相の組織全体に対する割合が
面積率で50%超で、かつ低温変態フェライト相とポリゴ
ナルフェライト相の2相の平均結晶粒径が8μm 以下で
あることを特徴とする焼付硬化性に優れた高張力熱延鋼
板。
【0007】2.上記1において、鋼板が、さらに質量
%でCr:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下およびNi:1.0 %
以下のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組
成になることを特徴とする焼付硬化性に優れた高張力熱
延鋼板。
【0008】3.上記1または2において、鋼板が、さ
らに質量%でTi:0.1 %以下およびNb:0.1 %以下のう
ちから選んだ1種または2種を含有する組成になること
を特徴とする焼付硬化性に優れた高張力熱延鋼板。
【0009】4.上記1〜3のいずれかにおいて、鋼板
表面に、めっき層を形成したことを特徴とする焼付硬化
性に優れた高張力めっき鋼板。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。また、本発明において、鋼板の成分組成を上記の範
囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関す
る「%」表示は特に断らない限り質量%(mass%)を意
味するものとする。 C:0.05〜0.12% Cは、鋼の強度を増加させるだけでなく、結晶粒の粗大
化を抑制するためにも有用な元素であるが、含有量が0.
05%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.12%を
超えると溶接性が劣化するので、C量は0.05〜0.12%の
範囲に限定した。
【0011】Si:0.5 %以下 Siは、固溶強化により鋼の強度を増加させる元素であ
り、必要な強度に応じて適宜含有量を調整する。しかし
ながら、含有量が 0.5%を超えると加工性を劣化させる
だけでなく、低温変態フェライトの生成を阻害するの
で、Si量は 0.5%以下に限定した。
【0012】Mn:1.2 〜3.0 % Mnは、固溶強化元素であり、高強度鋼板を得るための基
本的構成元素である。また、低温変態フェライトの生成
にも有効に寄与する。しかしながら、含有量が1.2 %に
満たないとその添加効果に乏しく、一方 3.0%を超える
と加工性が劣化するだけでなく、溶接性にも悪影響を与
えるので、Mn量は 1.2〜3.0 %の範囲に限定した。
【0013】P:0.05%以下 Pは、鋼の強度を増加させる元素であり、必要に応じて
適宜含有量を調整する。しかしながら、含有量が0.05%
を超えると溶接性が劣化し、またPが粒界に偏析して粒
界割れを発生するおそれが生じ、さらには低温変態フェ
ライトの生成をも阻害するので、P量は0.05%以下に限
定した。
【0014】Al:0.001 〜0.1 % Alは、脱酸剤として有用な元素であり、鋼の脱酸のため
には少なくとも 0.001%の含有を必要とするが 0.1%を
超えると表面性状が劣化するだけでなく、所定量の固溶
Nの確保が難しくなるので、Alは 0.001〜0.1 %の範囲
で含有させるものとした。
【0015】N:0.005 〜0.02% Nは、本発明において特に重要な元素であり、鋼中に固
溶して加工−塗装焼付処理後の降伏強さおよび引張強さ
を増加させるのに有効に作用する。この目的のために
は、0.005 %以上のNの含有を必要とするが、0.02%を
超えると内部欠陥の発生率が高くなるだけでなく、連続
鋳造時にスラブ割れなどが多発するようになる。そこ
で、N量は 0.005〜0.02%の範囲に限定した。より好ま
しくは 0.007〜0.02%の範囲である。
【0016】以上、必須成分について説明したが、本発
明では、その他にも以下に述べる元素を適宜含有させる
ことができる。 Cr:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下およびNi:1.0 %以下
のうちから選んだ1種または2種以上 Cr,MoおよびNiはいずれも、固溶強化により鋼の強度上
昇に有効に寄与するだけでなく、オーステナイトを安定
化する作用により、熱間圧延において低温変態フェライ
ト相を形成し易くする効果がある。この効果を得るため
には、Cr,Mo,Niの含有量はそれぞれ 0.1%以上とする
ことが好ましい。しかしながら、いずれも含有量が1.0
%を超えるとかえって低温変態フェライト相の生成を阻
害するので、それぞれ1.0 %以下で含有させるものとし
た。
【0017】Ti:0.1 %以下およびNb:0.1 %以下のう
ちから選んだ1種または2種 TiおよびNbはそれぞれ、炭化物、窒化物を形成すること
によって、強度および靱性の向上に寄与する。この効果
を得るためには、Ti, Nbの含有量はそれぞれ0.01%以上
とすることが好ましい。しかしながら、いずれも含有量
が 0.1%を超えると固溶Nを窒化物として固定してしま
い、却って焼付硬化性を低下させるので、それぞれ 0.1
%以下で含有させるものとした。
【0018】以上、必須成分および選択成分について説
明したが、本発明では、成分組成範囲を上記の範囲に調
整するだけでは不十分で、その組織および粒径も併せて
規定する必要がある。低温変態フェライト相とポリゴナ
ルフェライト相を含む複合組織になり、しかも低温変態
フェライト相の全組織に対する面積率V(αB ) :50%
超えここでいう低温変態フェライトαB は、通常の意味
のフェライト(ポリゴナルフェライト:αP )とは区別
され、低温域(概ね 500℃以下)において生成するフェ
ライトで、ベイニティックフェライトあるいは上部ベイ
ナイトのことを意味する。この組織は、本発明において
特に重要で、高い焼付硬化性を担うものである。焼付硬
化は、鋼中の侵入型固溶元素(C,N)が鋼中の転位を
固着し、転位の運動に対する抵抗力が高くなることによ
り強度が高くなる現象である。低温変態フェライト組織
内では、元々転位密度が高くなっているためにその効果
が促進され、固着された転位が塑性変形時の転位の運動
の抵抗として働くために、極めて高い焼付硬化性を示す
ようになる。
【0019】C:0.08%, Si:0.2 %, Mn:2.3 %,
P:0.01%, Al:0.015 %およびN:0.013 %を含有
し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼片
を、種々の条件で熱間圧延して熱延鋼板とした。これら
の熱延鋼板から、低温変態フェライト相を含む鋼組織を
有するもの選び出し、さらに平均結晶粒径が8μm 以下
のグループと平均結晶粒径が10〜15μm のグループに分
類した。各々のグループについて、低温変態フェライト
相が焼付け硬化量に及ぼす影響について調べた結果を図
1に示す。なお、焼付処理条件は、予歪量:5%、時効
処理:170 ℃×20分とした。同図に示したとおり、低温
変態フェライト相を全組織に対する面積率で50%を超え
て含有させ、かつ平均結晶粒径を8μm 以下とすること
により、100 MPa 以上の優れた焼付け硬化量ΔTSが安定
して得られている。
【0020】上記した低温変態フェライト相以外は、実
質的にポリゴナルフェライト相からなるが、一部マルテ
ンサイト相やパーライト相が混入する場合がある。しか
しながら、これらの混入相があまりに多くなると所期し
た効果を得ることが難しくなるので、これらの相は面積
率で10%以下に抑制することが好ましい。すなわち、上
記した低温変態フェライト相とポリゴナルフェライト相
の2相の面積率の合計を90%以上とすることが好まし
い。
【0021】低温変態フェライト相とポリゴナルフェラ
イト相の2相の平均結晶粒径が8μm以下 本発明でいう平均結晶粒径とは、低温変態フェライト相
(αB ) とポリゴナルフェライト相(αP ) の2相の平
均結晶粒径のことであり、この平均結晶粒径を8μm 以
下に制限することが重要である。図1にも示したとお
り、平均結晶粒径を8μm 以下とすることによって、製
品板の焼付け硬化量(ΔTS)を格段に向上させることが
できる。この点、平均結晶粒径が8μm を超える10〜15
μm の場合には、さほどの引張強さの上昇は望めなかっ
た。ここに、結晶粒を微細にすることにより固溶Nの存
在位置としての粒界面積が増大するが、粒界中に存在す
る固溶Nは室温においては安定で拡散できないため、耐
常温時効性の劣化が抑制される。この点、平均結晶粒径
が8μm を超えるとこの効果は著しく減少する。
【0022】上記のような構成にすることにより、高い
焼付硬化性が得られる理由については、次のように考え
られる。焼付硬化は、予加工されたときに生じる可動転
位と固溶Nとの相互作用により、可動転位が固溶Nによ
って固着されるために生じるものであるが、その際、結
晶粒が微細化され、結晶粒界が増加すると、同一歪み量
だけ加工されても、可動転位は高密度に分布するように
なる。また、低温変態フェライト組織は予加工を加える
前からあらかじめ多量の可動転位を含んでおり、予加工
後の転位密度も高密度になるため、高い焼付硬化性を呈
するようになるものと考えられる。
【0023】次に、本発明鋼の好適製造条件について説
明する。上記の好適成分組成に調整した鋼を、転炉など
で溶製し、連続鋳造法等でスラブとする。この鋼素材
を、高温状態のまま、あるいは冷却したのち、加熱炉に
装入して後、熱間圧延を施して熱延板としたのち、所定
の温度でコイルに巻き取る。ここに、スラブ加熱温度は
1000〜1300℃程度とするのが好ましい。というのは、加
熱温度が1000℃に満たないと熱延板中に十分な量のNを
固溶状態で残存させるのが難しく、一方1300℃を超える
と加熱時のオーステナイト粒が粗大化し、平均結晶粒径
を8μm 以下にすることが難しくなるからである。
【0024】次に、熱間圧延を行うが、この熱間圧延に
際しては、仕上圧延出側温度(FDTと記す)を(Ar3+1
0℃)〜(Ar3+100 ℃)程度とするのが好ましい。と
いうのは、FDT が(Ar3+10℃)を下回ると仕上圧延温
度が低くなりすぎて組織が不均一となり、一部に加工組
織が残留したりして、プレス成形時に種々の不具合を発
生する危険性が高まり、一方 FDTが(Ar3+100 ℃)を
超えると結晶粒の微細化、固溶N量が確保できなくなる
からである。
【0025】上記の熱間圧延終了後、引き続く冷却工程
を厳密に管理することによって、面積率で50%超の低温
変態フェライト相を生成させる。例えば、以下に述べる
ような方法によって、面積率で50%超の低温変態フェラ
イト相を生成させることができる。すなわち、熱間圧延
完了後 0.2秒以内に 200℃/s以上の速度で冷却を開始
し、400 〜500 ℃にて冷却を停止してから直ちに巻き取
り、その後 300℃までの温度域を1℃/s以下で徐冷す
る。
【0026】上記のようにして得られた熱延鋼板は、各
種めっき用原板として好適であるので、必要に応じて各
種のめっき処理を施すことができる。ここに、めっさの
種類としては、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、電気
錫めっき、電気クロムめっきおよび電気ニッケルめっき
等が挙げられるが、本発明ではいずれのめっき処理も有
利に適用することができる。
【0027】
【実施例】表1に示す成分組成になる溶鋼を、小型溶解
炉で溶製し、粗圧延により板厚:40mmのシートバーとし
た。ついで、1250℃に加熱後、圧延終了温度:890 ℃の
条件下に3パスの熱間圧延を施して板厚:1.5 mmに仕上
げ、引き続きガス冷却を行い、 600〜200 ℃の範囲の特
定の温度に1h保持した後、放冷することにより、種々
の組織を有する熱延鋼板を作製した。なお、一部につい
ては溶融亜鉛めっき処理を施した。得られた熱延鋼板お
よびめっき鋼板について、組織試験、引張試験、焼付硬
化性試験および常温時効性試験を行った。
【0028】なお、鋼組織は、熱延鋼板の圧延方向と直
角な方向の断面のナイタールによる腐食現出組織の拡大
像によって調査した。引張試験は、熱延鋼板の圧延方向
と直角な方向からJIS 5号引張試験片を採取し、歪速
度:10-3/sの条件で実施した。焼付硬化性試験は、引
張試験と同じく、熱延鋼板の圧延方向と直角な方向から
JIS 5号引張試験片を採取し、予歪付与後時効処理を施
し、歪速度:10-3/sの条件で実施した。なお、焼付処
理条件は、予歪量:5%、時効処理条件:170 ℃×20分
とした。そして、焼付け硬化量BHおよび引張り強さの
増加代ΔTSはそれぞれ、次式 BH=(時効後の降伏応力)−(時効処理前の予変形応
力) ΔTS=(時効後の引張強さ)−(熱延ままの引張強
さ) によって求めた。常温時効性試験は、50℃,400 hの時
効処理を施したのち、圧延方向と直角の方向からJIS 5
号引張試験片を採取し、歪速度:10-3/sで引張試験を
実施し、伸びEIA を測定し、時効処理前の伸びEIとの
差、△El=El−EIA で評価した。なお、得られたΔElが
2.0%以下であれば、常温時効性は問題ないといえる。
得られた結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、本発明に従い、
所定の成分調整を行った上で、面積率で低温変態フェラ
イト相を50%を超えて含有し、かつ平均結晶粒径が8μ
m 以下の鋼組織とすることにより、焼付け硬化量が格段
に高く、また耐常温時効性も良好な高張力熱延鋼板およ
び高張力めっき鋼板を得ることができた。
【0032】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、自動車の内
板部品に使用して好適な、焼付硬化性に格段に優れ、ま
た耐常温時効性も良好な高張力熱延鋼板および高張力め
っき鋼板を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製品板の焼付け硬化量(ΔTS)に及ぼす低温
変態フェライト相の影響を、鋼板の平均結晶粒径をパラ
メータとして示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 敬 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 藤生 和正 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で C:0.05〜0.12%、 Si:0.5 %以下、 Mn:1.2 〜3.0 %、 P:0.05%以下、 Al:0.001 〜0.1 %および N:0.005 〜0.02% を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成にな
    り、鋼組織が、低温変態フェライト相とポリゴナルフェ
    ライト相を含む複合組織であり、しかも低温変態フェラ
    イト相の組織全体に対する割合が面積率で50%超で、か
    つ低温変態フェライト相とポリゴナルフェライト相の2
    相の平均結晶粒径が8μm 以下であることを特徴とする
    焼付硬化性に優れた高張力熱延鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋼板が、さらに質量
    %で Cr:1.0 %以下、 Mo:1.0 %以下および Ni:1.0 %以下 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成に
    なることを特徴とする焼付硬化性に優れた高張力熱延鋼
    板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、鋼板が、さ
    らに質量%で Ti:0.1 %以下および Nb:0.1 %以下 のうちから選んだ1種または2種を含有する組成になる
    ことを特徴とする焼付硬化性に優れた高張力熱延鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、鋼板
    表面に、めっき層を形成したことを特徴とする焼付硬化
    性に優れた高張力めっき鋼板。
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