JP4300793B2 - 材質均一性に優れた熱延鋼板および溶融めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

材質均一性に優れた熱延鋼板および溶融めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主として自動車・家電用の種々の部品およびその要素部品に適用して好適な材質均一性に優れた熱延鋼板および溶融めっき鋼板の製造方法に間するものである。
本発明の鋼板は、種々の形状に塑性加工される際に、降伏応力(YS)、引張り強さ(TS)が均一であることから、形状凍結の再現性に優れ、またスプリングバック等の量が再現性よく見込めるため、良好な部品形状を維持することができる。強度的には、軟鋼レベルから、引張り強さ(TS)が 590 MPa程度までの高強度鋼板を含む。
【0002】
【従来の技術】
自動車・家電用の部品には比較的厚物の熱延鋼板および冷延薄鋼板が使用されている。表面の美麗さ、板厚公差の小ささおよび材質の安定性等の観点からは、冷延鋼板の方が熱延鋼板に比べて有利であるが、冷延工程と焼鈍工程が不可欠であることから、製造コストは逆に不利となる。
しかしながら、最近では、熱延鋼板に対して種々の改善がなされてきたため、徐々に熱延鋼板の適用範囲が拡大されつつある。
【0003】
また、無塗装の熱延鋼板や冷延鋼板では耐食性が不足する場合には、溶融亜鉛めっきや電気亜鉛めっきに代表される防鋳鋼板が使用される。
さらに、昨今の自動車車体の軽量化に対する要求が高まっていることから、鋼板の強度を増加させることで薄肉化を達成すべく種々の研究がなされている。
【0004】
しかしながら、鋼板の高強度化、薄肉化により形状凍結性は著しく低下する。これに対応するため、プレス成形時に、離型後の形状変化を予め予測し、形状変化量を見込んで型を設計することが広く行われているが、鋼板のYSやTSが変化すると、これらを一定とした見込み量からのズレが大きくなり、形状不良が発生し、プレス成形後に一個一個形状を板金加工する等の手直しが不可欠となり、量産効率を著しく低下させる。従って、鋼板のYS,TSのバラツキは可能な限り小さくすることに対する要求が強い。
【0005】
従来、材質バラツキの小さい加工用高張力熱延鋼板として、例えば化学成分が重量%で、C:0.04〜0.15%、Mn:0.5〜2.0 %、Si:0.5 〜2.0 %、P:0.1%以下、S:0.005 %以下、Al:0.1 %以下、N:0.1 %以下を含み、不純物としてのB:0.0005%以下が存在し、特性的には、強度−延性バランス(引張強さ×全伸び)が 18000 MPa・%以上で、かつそのコイル内変動量が3000 MPa・%未満であり、降伏比YRが65%以下である鋼板が提案されている(例えば特許文献1)。
この技術は、Ar3点以下のフェライト−オーステナイト2相域で熱間圧延を終了し、引き続き急冷・低温巻取りを行うことにより、フェライトとマルテンサイトおよび残留オーステナイトの均質な複合組織を安定して生成しようとするものである。
しかしながら、このような複合組織化によって高強度鋼板を得ようとする技術では、自ずと材質バラツキが大きくなり、また目標とする組織の作り込みも難しい。
このため、よりフェライト単相に近い組織で材質バラツキを抑えて高強度を達成できる技術が求められていた。
【0006】
また、最近では、冷延鋼板の代替となり得る薄物で広幅の熱延鋼板について、引張り特性の変動を抑えることが行われている。
例えば、質量%でC:0.10%以下、Si:0.50%以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Al:0.150 %以下、N:0.0050〜0.020 %でかつ、固溶状態としてのNを0.0030%以上含有する組成とし、板厚が1.8 mm以下かつ板厚/板幅の比を 0.0015 以下として、圧延時の負荷を抑える技術が提案されていて、仕上げ圧延機の入側で被圧延材の幅方向端部を加熱するエッジヒーターなどを用いることにより被圧延材の引張り特性のバラツキを小さくして、材質変動を小さくすることが開示されている(例えば特許文献2)。
【0007】
また、C:0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、Mn:0.8 wt%以下、P:0.04wt%以下、S:0.02wt%以下、Al:0.150 wt%以下、N:0.0050〜0.0200wt%でかつ、固溶状態としてのNを0.0030wt%以上含有する組成とし、板厚が1.4 mm以下で、TSが 340 MPa以上である薄物熱延鋼板について、連続圧延を行ったりあるいはシートバーヒーターやエッジヒーターを使用して、引張り特性のバラツキを抑える技術が提案されている(例えば特許文献3)。
なお、このような組成の鋼板においては、連続圧延やエッジヒーターなどの使用を行わない場合でも、引張り強さが 360 MPa程度で引張り強さの標準偏差を16MPa 程度にできることが開示されてはいるが、上記のようにシートバーヒーターやエッジヒーター等を使用しない場合、材質均一性が十分に確保できない場合がある。
このため、上記のような装置を使用しなくても材質均一性を確保できる技術が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−204435号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2001−279379号公報(特許請求の範囲、段落〔0041〕)
【特許文献3】
特開2000−54071 号公報(特許請求の範囲、段落〔0041〕〜〔0045〕)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の要請に有利に応えるもので、フェライト単相に近い組織で、しかも特別な加熱装置などを必要とすることなしに、引張り特性を代表とする材質が均一な熱延鋼板(熱延鋼帯ともいう)およびこの熱延鋼板を原板とする溶融めっき鋼板の有利な製造方法提案することを目的とする。
【0010】
なお、均一性については、同一の規格目標で製造した各コイル毎および各コイル内の長手方向を対象とする。
換言すると、転炉から連続鋳造を経て製造される1チャージ分は約 200数十トンであり、これから1コイルの重量が約10〜20トンの熱延コイルが複数個製造されるので、これらが、いずれもコイル内で均一な引張り特性を有するような鋼板を提供することである。
【0011】
特に熱延鋼板の引張り特性は、スラブとして加熱炉に入り、熱延が終了するまでの加工熱処理過程における変動の影響を直接受けるが、これらが変動しても安定した引張り特性を維持できることが重要である。また、熱延巻取り後の冷却は、コイルの内巻き部に比べて外巻き部は速い速度で冷却されるため、冷却速度の変動に関しては鈍感である必要がある。
引張り特性の変動量の目安は、引張り強さに代表させてコイルの長手方向で±15 MPa程度であり、この範囲におさめるこれにより、成形品の形状不良を有利に回避することができる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、成分系や製造法を種々に変更して多数の鋼板を製造し、多くの材質評価実験を行った。
その結果、Mnを 0.6mass%以上含有させると共に、他の含有成分を適正な範囲に制限し、さらに熱延条件特に熱間圧延終了後の巻取りまでの冷却、およびその後の冷却速度を適正化することにより、鋼板の長手方向のバラツキを最小にすることができることの知見を得た。
また、熱間圧延終了後のコイルを、徐冷装置(通常のバッチ焼鈍炉にても同等な効果を得ることができる)に投入して、冷却速度を低減することによってもバラツキの低減が可能であることが明らかになった。
さらに、熱間圧延鋼板を酸洗した後に、連続焼鈍炉にて適正な温度範囲で加熱処理を施すことも有効な手段であることが明らかになった。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0016】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
.質量%で
C:0.03〜0.2 %、
Mn:0.6 〜2.0 %、
Al:0.02〜0.15%
を含有すると共に、
Si:1.0 %以下、
P:0.04%以下、
S:0.003 %以下、
N:0.010 %以下、
Cu, Ni, Cr,Moを合計で 0.2%以下、
Nb,V, Tiを合計で0.01%以下、
B:0.01%以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度:(Ar3変態点−20℃)以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも1秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ってコイルとしたのち、該コイルの平均温度が 200℃以下になるまで該コイルを空冷することを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【0017】
.上記において、巻き取ったコイルを、その平均温度が 200℃以下になるまで空冷することに代えて、コイルに巻き取ったのち、徐冷装置内にて少なくとも 200℃まで50℃/h以下の速度で徐冷することを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【0018】
.質量%で
C:0.03〜0.2 %、
Mn:0.6 〜2.0 %、
Al:0.02〜0.15%
を含有すると共に、
Si:1.0 %以下、
P:0.04%以下、
S:0.003 %以下、
N:0.010 %以下、
Cu, Ni, Cr,Moを合計で 0.2%以下、
Nb,V, Tiを合計で0.01%以下、
B:0.01%以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度:(Ar3変態点−20℃)以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも1秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ったのち、加熱温度が 700〜900 ℃の再加熱処理を行うことを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
4.上記1,2または3において、鋼スラブが、さらに質量%で、CaおよびREM のうちから選んだ1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %含有する組成になることを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【0019】
.質量%で
C:0.03〜0.2 %、
Mn:0.6 〜2.0 %、
Al:0.02〜0.15%
を含有すると共に、
Si:1.0 %以下、
P:0.04%以下、
S:0.003 %以下、
N:0.010 %以下、
Cu, Ni, Cr,Moを合計で 0.2%以下、
Nb,V, Tiを合計で0.01%以下、
B:0.01%以下
を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度:(Ar3変態点−20℃)以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも1秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ったのち、酸洗し、ついで加熱温度が 700〜900 ℃の連続焼鈍を行ったのち、溶融めっき処理を施すことを特徴とする材質均一性に優れた溶融めっき鋼板の製造方法。
6.上記5において、鋼スラブが、さらに質量%で、CaおよびREM のうちから選んだ1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %含有する組成になることを特徴とする材質均一性に優れた溶融めっき鋼板の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼材の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
【0021】
C:0.03〜0.2 %
C量が 0.2%を超えると、鋼中の炭化物の量が増加することに起因して鋼板の延性さらには成形性が著しく劣化し、成形性の観点から好ましくない。また、熱間圧延後の冷却時に変態が遅れ、巻取り後に変態が多く起るようになり、材質のバラツキを減少させるという本発明の目的を達成することが困難となる。さらに、C量が 0.2%を超えると、スポット溶接性、アーク溶接性などが著しく低下する。従って、C量は 0.2%以下とするが、成形性の向上という観点からは0.15%以下が好適である。特に良好な延性が重要となる用途に対しては、0.08%以下がさらに好適である。
一方、C量が0.03%に満たないと、Ar3変態点が高温化して、薄鋼板の熱間圧延を変態点以上で終了させることが困難となり、材質の変動の要因となる。従って、C量は0.03%以上 0.2%以下とした。
【0022】
Mn:0.6 〜2.0 %
Mnは、Sによる熱間割れを防止するのに有効な元素であり、含有するS量に応じて含有させる必要がある。またMnは、結晶粒を微細化する効果も有し、材質上望ましい元素である。
Sを安定して固定するという観点および結晶粒を微細化するという観点からは、Mnは 0.6%以上含有させることが必要である。Mn含有量を高めることで、仕上げ圧延温度をはじめとする熱延条件の変動に対する鋼板の機械的性質の敏感性が格段に改善されるという大きな利点があり、上記した結晶粒の微細化と相まって、材質均質性の確保に大きな効果を発揮する。上記の観点からMn含有量は 0.6%以上とした。より好ましくは0.85%以上である。しかしながら、Mnを過度に含有させると、熱間圧延終了後の冷却時の変態が著しく遅延して、巻取りまでに所定量の変態を完了させることができず、巻取り後に変態することで、材質バラツキの要因となる。以上のことから、Mn量の上限を 2.0%とした。また、熱間圧延後の冷却パターン依存性を軽減するためには 1.5%以下とすることが望ましい。
【0023】
Al:0.02〜0.15%
Alは、鋼の脱酸元素として添加され、鋼の清浄度を向上させるのに有用な元素であり、また鋼の組織微細化のためにも望ましい元素である。本発明では、変態前のγ(オーステナイト)組織を均一・微細化するために0.02%以上のAlを含有させるものとした。しかしながら、Al量が多くなると表面性状の悪化、スラブ冷却時の割れ発生などの点で工程を不安定化する。このためAl量の上限は0.15%とした。材質の安定性という観点からは0.04〜0.10%の範囲が特に好ましい。
【0024】
Si:1.0 %以下
Siは強化元素の一つで、本発明においては、熱間圧延後の変態を早めるという望ましい効果を示すが、 1.0%を超えて含有させた場合には、熱間変形抵抗が顕著に増加することに加え、変態点が上昇することでAr3変態点以上の温度で熱間圧延を終了することが困難となり、材質のバラツキの要因となるため、1.0 %以下に制限する。鋼板厚みが薄い場合特に1.6 mm以下の場合には 0.5%以下に低減することが変形抵抗、変態点の適正化という観点からは望ましい。
【0025】
P:0.04%以下
Pは、鋼の固溶強化元素であるが、過剰の含有は鋼を脆化させ、さらにスポット溶接性を悪化させるだけでなく、鋼中において偏析する傾向が強く、それに起因した内部割れをもたらすため、0.04以下に制限する。これらの特性低下が特に重視される場合は、Pの含有量は少ない方が好ましく0.01%以下として極力低減することが望ましい。
【0026】
S:0.003 %以下
Sは、介在物として存在し、鋼板の延性を減少させ、さらに耐食性の劣化を招く元素なので、極力低減することが望ましく、その含有量は 0.003%以下に制限するものとした。特に良好な加工性が要求される用途においては 0.002%以下とすることが望ましい。
【0027】
N:0.010 %以下
固溶状態のNとして多量に存在すると、固溶強化に加え、顕著な歪み時効硬化を示し、これが鋼板の長手方向の位置で安定しないため、引張り特性のバラツキの要因となる。しかしながら、含有量を 0.010%以下と制限することで熱延鋼板の段階では安定して窒化アルミとして固定され、機械的性質に及ぼす悪影響はほとんどなくなるので、N量は 0.010%以下に規制する。より好ましくは0.0050%未満である。なお、窒化アルミとして析出すると結晶の微細化に寄与するので、この観点からは 0.002%以上含有させることが好ましい。
【0028】
また不純物として混入する以下の元素については、所定の範囲に抑制する必要がある。
A群:Cu, Ni, Cr,Moを合計で 0.2%以下
B群:Nb,V, Tiを合計で0.01%以下
B:0.01%以下
A群の元素はいずれも、変態点を低下させる元素であり、本発明のように熱間圧延後の変態速度を高めて、機械的性質の安定化を図る観点からは、その混入は望ましくない。しかしながら、合計で 0.2%以下程度であれば上記の弊害は小さい。
【0029】
B群の元素は炭窒化物形成元素であり、組織の微細化という望ましい効果はあるが、反面、熱延巻取り後の微細析出物による析出強化効果が大きく、この析出強化は、加熱温度の変動、仕上げ圧延温度さらには熱延巻取り後の冷却速度の影響を顕著に受けるため、本発明で目的とする引張り特性の安定化という点では望ましくない。さらに、熱間変形抵抗の増加も顕著であり、熱延薄鋼板の製造に当たっては形状・板厚の点で問題を生じる。しかしながら、単独添加、複合添加の如何にかかわらずこれらの合計が0.01%以下であれば上記の問題を生じない。
【0030】
Bは、低い巻取り温度条件で結晶粒を微細化する元素であるが、含有量が0.01%を超えると鋼板の面内異方性が増大する傾向にあり、加工性鋼板としては好ましくない。従って、B含有量は0.01%以下とした。特に加工性を重視する場合には、Bは極力低減することが好ましく、その場合には 0.002%以下に制限することが望ましい。
【0031】
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
CaおよびREM のうちから選んだ1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %
用途的に特に伸びフランジ成形性が要求される場合には、Ca,REM を添加して介在物の形態制御を行うことが有効である。単独添加または複合添加いずれの場合においても、含有量を上記の範囲とすることで、表面欠陥の発生などを伴うことなしに伸びフランジ特性を改善することができる。なお、これらの元素の添加が熱間圧延後の変態挙動に及ぼす影響は小さい。
なお、本発明の鋼板は、上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。
【0032】
ついで鋼板の組織および機械的特性の限定理由について述べる。
フェライト相の面積率:90%以上
本発明は、高度な加工性が要求される薄鋼板を対象としており、フェライトが面積率で90%未満では必要な延性を確保することが困難となる。また、第2相の混入によるいわゆる変態組織強化が過度に増すと必然的にバラツキの要因となる。従って、第2相の混入率が10%未満すなわち、母相であるフェライトの分率を90%以上とすることで材質の変動を小さくすることができる。
【0033】
ここで、フェライトとしては、いわゆるポリゴナルフェライトの他、炭化物の析出を含まないベイニティックフェライト、アシキュラーフェライトも含むものとする。従って、第2相としては、それ以外のパーライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトおよびセメンタイトを指す。
【0034】
引張り強さのバラツキ:コイル長手方向のTSの変動量が±15 MPaの範囲内
最も問題となるコイル長手方向のバラツキの尺度としてTS(引張り強さ)を採用した。実際、多くの特性値の調査を行った結果、コイル長手方向のTSの変動量は鋼板の機械的性質のバラツキを示す安定した尺度となる。これは、TSが引張り試験において最も再現性の良いパラメータであり、鋼板の微視組織、固溶元素の状態などの差異を最も敏感に反映するためと推定している。最も重要な実生産上の特性という観点でも、TSのバラツキが成形品のスプリングバックをはじめとする成形不良に最も相関が強い。
そこで、発明者らは、TSのバラツキ量と成形不良との関係について検討を重ねた結果、TSの変動、特に鋼板の長手方向での変動が±15 MPa以下であれば、プレス成形した後の部品の形状不良を実用上問題のないレベルにすることが可能であることが明らかになった。特に厳しい部品形状の精度が要求される場合は±10MPa 以下にすることが好ましいことも判明した。
【0035】
ここで、コイル長手方向とは、コイル状に巻き取られた鋼板の長手方向を意味し、コイル長手方向の最先端部および最後端部、すなわちコイルの最外巻き部および最内巻き部に相当するそれぞれ7m程度を除外するものとする。というのは、この部分は多くの場合、コイルの運送時に入る疵などのために実際には使用されない場合が多く、鋼板の形状・板厚精度の問題から切り捨て処理を行って出荷されることによる。本発明では、長手方向のTSの変動を規定するが、幅方向のTSの変動もこれに準じて規定される。
【0036】
なお、引張り強さについては、特に制限されるものではないが、良好な形状凍結性が要求される強度レベルはほとんどが 370 MPa以下の鋼板である。これは、かような強度レベルの鋼板の多くが強度部材として広く利用されるためであり、高強度化と薄肉化を組み合わせて、車体の軽量化を狙うためである。
【0037】
また、鋼板の厚みについては特に限定する必要はない。鋼板が厚い場合でも薄い場合でも本発明の効果は発揮される。しかしながら、形状不良防止の観点からは、板厚が薄いほど、また鋼板の強度が高いほど、困難化する。板厚が概ね 2.6mm以下の鋼板で特にプレス加工後の形状精度の低下が問題となることが多い。従って、本発明は、板厚が概ね 2.6mm以下の鋼板に適用することにより、これを超える厚みの鋼板に適用する場合よりも、大きな効果が発揮される。
【0038】
次に、本発明の製造方法について説明する。
鋼スラブとしては、前記した好適範囲に成分調整した鋼スラブを用いる。
この鋼スラブは、成分のマクロな偏析を防止するために、連続鋳造法で製造することが望ましいが、造塊法、薄スラブ鋳造法によっても可能である。
また、鋼スラブを製造したのち、一旦室温まで冷却し、その後再度加熱する従来法に加え、冷却しないで、温片のままで加熱炉に装入するあるいはわずかの保熱を行った後に直ちに圧延する直送圧延・直接圧延などの省エネルギープロセスも問題なく適用できる。
【0039】
熱延条件については、以下のように規定される。
スラブ加熱温度(SRT):1000℃以上
スラブ加熱温度は、初期状態として加工前の組織を均一化するという観点から下限が規定され、1000℃以上とする。上限は特に規制されないが、酸化重量の増加に伴うロスの増大などから1280℃以下とすることが望ましい。
【0040】
熱延時の仕上げ圧延温度(FT):(Ar3変態点−20℃)以上
仕上げ圧延温度を(Ar3変態点−20℃)以上とすることで、均一微細な熱延鋼板を得ることができ、多くの用途に対して問題なく使用することができる。しかしながら、仕上げ圧延温度が(Ar3変態点−20℃)を下回ると、部分的に加工組織が残留するようになって、鋼板が不均一になり、プレス成形時に種々の不具合が発生する危険性が増大する。また、これより低い圧延温度の場合には加工組織の残留を回避すべく高い巻取り温度を採用しても、この場合は粗大粒の発生に伴う同様の不具合を生じる。従って、仕上げ圧延温度は(Ar3変態点−20℃)以上とした。特に機械的性質を向上させるためには、Ar3変態点以上であることが望まれる。
なお、上限温度については特に規制されることはないが、過度に高い温度で圧延した場合には、スケール疵などの原因となるので、1000℃以下程度とするのが好適である。
【0041】
なお、本発明では、Ar3点は加工フォーマスターなどによる実験室でのデータ、実機圧延設備での圧延データから決定できる。また、これらのデータからAr3変態点の予測式を求めることができ、例えば以下の式が有効である。
Figure 0004300793
ただし、[%M] はM元素の含有量(質量%)
【0042】
熱間圧延終了後の冷却:少なくとも1秒間の空冷
熱間圧延終了後、少なくとも1秒間の空冷の後に、水による強制冷却を実施することが、幅方向の材質の均一性を確保する上で重要である。というのは、この空冷の間に種々の不均一性(温度、加工歪み、加工速度など)が平準化されるためである。空冷時間については、下限の他には特に制限はなく、冷却テーブルの長さや鋼板の冷却速度等から決定すればよい。
【0043】
強制冷却中における平均冷却速度:100 ℃/s以下
熱間圧延後の冷却は、空冷および強制冷却を組み合わせて、所定の巻取り温度となるように行われるが、このような冷却において、鋼板の強制冷却中における冷却速度は 100℃/s以下とすることで冷却速度の差に起因する材質の変動を回避することができる。この調整は、多くの場合、鋼板の上面、下面に噴射する冷却水の量により制御される。さらに、高精度の材質均一性が要求される用途では平均冷却速度は50℃/s以下にすることがより好適である。なお、ここで強制冷却中の平均冷却速度とは、水冷あるいはガス冷却等、積極的に冷却を行い、単なる空冷以上の速度で冷却する際の冷却中における平均冷却速度であり、概ね30℃/s以上となる。
【0044】
また、上記の狙いをさらに高精度で達成するために、鋼板の幅方向のエッジ部に対していわゆる冷却水のマスキングを行うことは有効である。幅方向のエッジ部は冷却水が流れ落ちる効果や突起部であるエッジ部でより有効に熱が放散されるいわゆるフィン効果等で一般に冷却速度が幅方向の中央部よりも増加する傾向にある。そこで、鋼板上に直撃する冷却水は、局部的に大きな冷却能を有することに注目し、幅方向のエッジ部では冷却水が鋼板を直撃しないように冷却水をマスキングして鋼板の幅方向中央部の冷却速度とのバランス化を図ろうとするものである。
【0045】
そして、本発明の熱延鋼板では、熱間圧延終了後、巻取り前の冷却中に、オーステナイトからの変態がほぼ85%以上完了し、材質均一性を確保している。
【0046】
熱延巻取り温度:450 〜750 ℃
熱延巻取り温度が 450℃未満では、巻取り後の保熱に由来する材質の均一化効果が発揮されず、それまでの工程条件の変動がそのまま材質変動に反映される。また、巻取り温度が 750℃を超えると、巻取り完了時の変態量が少なく、巻取り完了後に変態が進行するため、巻取り後の冷却速度の不均一による材質変動が避けられない。このため、巻取り温度は 450〜750 ℃の範囲とした。より一層材質均一性が要求される用途に対しては 500〜700 ℃の範囲がさらに好適である。
【0047】
巻取り後の冷却:コイルの平均温度が 200℃以下になるまで空冷
近年、製造に要する日数を短縮するため、巻取り後のコイルを水槽内で冷却したりスプレー冷却することが行われている。しかしながら、この工程は、熱延巻取り後の材質の均一化にとって重要な工程の一つである。
すなわち、少なくとも 200℃の温度までは空冷(持に強制的な冷却を行わずに放置して冷却する)することが材質の均一化のためには必要である。これは 200℃より高い温度で水冷を開始すると冷却速度の差により、製品の固溶C量が変化し、これが引張り特性のYS,TSのバラツキとなって現われるためである。より一層材質の均一性が要求される用途では 100℃以下まで徐冷することが望ましい。室温まで空冷により徐冷するのが最も望ましいが、製品製造に要する時間が長くなるという欠点、問題点が生じることはいうまでもない。
従って、200 ℃以下あるいは100 ℃以下まで空冷後、水冷することが好ましい。なお、ここでコイルの平均温度とは、コイルの中央部すなわちコイルを形成する鋼板の長手方向中央部、幅方向中央部の温度である。
【0048】
この状態のままのスケールが付着したいわゆる黒皮の状態でも製品として適用することができる。また、これに対して酸洗を行うことも可能である。この場合、酸洗は常法に従って行えばよい。
なお、本発明では、上述したとおり、巻取り前までにオーステナイトからの変態が85%以上完了している。これにより、コイル巻取り後の冷却速度の変動の影響はほぼ解消され、TSに代表される引張り特性の均一化が達成される。巻取り前の変態率が低い場合、同一の巻取り温度で巻き取った場合でも変態発熱量の変動などから複雑にコイル内での変態挙動の差異となり、これは直接、引張り特性の変動に結び付くことから、さらに高い精度の制御が必要となる。このような観点から、より一層引張り特性の変動を小さくするためには変態の完了率を90%以上とする必要がある。
ここに、変態の完了率を大きくするためには、例えば仕上げ圧延率を高めることや、成分的に変態を遅らす元素を低減することが好ましい。
【0049】
巻取り後、徐冷装置内で徐冷:
巻取り後、直ちに(約30分以内に)徐冷装置内に移送して、その中で徐冷し、少なくとも 200℃以下までボックス内で保持する。その間の冷却速度としては、50℃/h以下の速度で徐冷することがコイル内の材質のバラツキ発生を抑制するために有利である。これは、徐冷装置内で徐冷することでコイル内の温度の均一化が徐々に進行し、それに伴って引張り特性が均一化されることによる。この効果を達成するためには、少なくとも 200℃まで徐冷を行う必要がある。徐冷装置としては特に限定しないが、断熱性のある箱状のものの他、バッチ焼鈍炉を加熱しない状態で用いてもよい。
【0050】
熱延鋼板の再加熱処理:
巻取り後に加熱温度が 700℃以上、900 ℃以下の再加熱処理を行う。設備的には、いわゆる連続焼鈍炉にて実施するのが最も効率的であるが、箱焼鈍での対応も可能である。コイルに巻取り・冷却した鋼板に対して、再度、加熱処理を行うことは、熱延直後から巻取り・冷却までの過程で生じた種々の要因による材質の不均一を解消するために有効である。加熱温度は 700℃以上とすることが、主として固溶C量の差異による材質バラツキ軽減のためには必要である。しかしながら、900 ℃を上回って加熱・冷却した場合には、この熱処理自体のバラツキが大きくなるという問題等を生じ好ましくない。
【0051】
熱延鋼板を原板とした溶融めっき鋼板;
鋼板コイルを巻戻して酸洗を行ったのち、加熱温度が 700℃以上、900 ℃以下の連続焼鈍を行い、さらにインラインの処理で連続的に溶融めっき鋼板を製造する。熱延鋼板に対し、酸洗後に、連続溶融めっきラインにて溶融めっきを行うことも材質の均一化に有効である。すなわち、熱延鋼板を原板とした材質均一性に優れためっき鋼板が製造可能である。
【0052】
この際の溶融めっきは、亜鉛の他、亜鉛をベースにしたAl等の合金さらにはAlめっきに対して適用可能である。また、合金化溶融亜鉛めっきのように溶融めっきの後、合金化処理を施してもよい。
なお、材質均一性を図る上からは、従来から知られているような、仕上げ圧延機の入側でシートバー同志を接合して連続的に圧延することや、仕上圧延機入側でシートバーヒーターやエッジヒーターにより板長手方向端部や板幅方向端部を加熱したり、潤滑圧延を行うことが好ましいのはいうまでない。
【0053】
【実施例】
実施例1
表1に示す成分組成になる溶鋼を、転炉で溶製し、スラブとしたのち、表2に示す条件で、熱間圧延を施し、熱延後巻き取ってコイルとしたのち、同じく表2に示すコイル平均温度までコイルを空冷し、その後、水冷した。また、一部のコイル(表2のNo.3)については、徐冷装置内でコイルを30℃/hで平均温度:200℃となるまで徐冷し、酸洗して熱延鋼板とした。
かくして得られた熱延鋼板の組織および引張り特性について調べた結果を表3に示す。
なお、引張り特性は、圧延方向を長手方向とするJIS 5号試験片を用いた引張り試験により測定した。調査対象材は、鋼板の長手方向に先端を含む5分割の位置から採取し、これらの引張り強さ(TS)の平均値とその変動量について調査した。TSの変動量はTSの標準偏差で示す。なお、ここでコイルの先端とは、コイルの最外巻き部および最内巻き部のそれぞれ7m程度を除外した上での、先端を意味する。
【0054】
【表1】
Figure 0004300793
【0055】
【表2】
Figure 0004300793
【0056】
【表3】
Figure 0004300793
【0057】
表3から明らかなように、発明例はいずれも、フェライト相が面積率で90%以上で、かつコイル長手方向における引張り強さの標準偏差が15 MPa以下すなわち引張り強さの変動量が±15 MPaの範囲内という要件を満足している。
また、各位置から採取した鋼板を、プレス成形した時のスプリングバックについても調査したが、発明鋼板は、比較鋼板に比べてスプリングバックの角度バラツキが小さく、成形品の形状不良率を大幅に低減できることが確認された。
【0058】
実施例2
C:0.051 %、Si:0.01%、Mn:1.25%、P:0.009 %、S:0.002 %、Al:0.045 %、N:0.0035%、Cu:0.01%、Ni:0.005 %、Cr:0.003 %、Mo:0.005 %、Nb:0.003 %、Ti:0.002 %、V:0.003 %およびB:0.0002%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材とし、表4に示すように、製造条件を幅広く変化させて熱延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
得られた熱延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板の組織および引張り特性について調べた結果を表5に示す。
【0059】
【表4】
Figure 0004300793
【0060】
【表5】
Figure 0004300793
【0061】
表5に示したとおり、発明例はいずれも、フェライト相が面積率で90%以上およびコイル長手方向における引張り強さの変動量が±15 MPaの範囲内という要件を満足している。
【0062】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、フェライト単相に近い組織で、しかも特別な加熱装置などを必要とすることなしに、引張り特性などの材質が均一な熱延鋼板および溶融めっき鋼板を、安定して得ることができる。

Claims (6)

  1. 質量%で
    C:0.03〜0.2 %、
    Mn:0.6 〜2.0 %、
    Al:0.02〜0.15%
    を含有すると共に、
    Si:1.0 %以下、
    P:0.04%以下、
    S:0.003 %以下、
    N:0.010 %以下、
    Cu, Ni, Cr,Moを合計で 0.2%以下、
    Nb,V, Tiを合計で0.01%以下、
    B:0.01%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度:(Ar3変態点−20℃)以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも1秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ってコイルとしたのち、該コイルの平均温度が 200℃以下になるまで該コイルを空冷することを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  2. 請求項において、巻き取ったコイルを、その平均温度が 200℃以下になるまで空冷することに代えて、コイルに巻き取ったのち、徐冷装置内にて少なくとも 200℃まで50℃/h以下の速度で徐冷することを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  3. 質量%で
    C:0.03〜0.2 %、
    Mn:0.6 〜2.0 %、
    Al:0.02〜0.15%
    を含有すると共に、
    Si:1.0 %以下、
    P:0.04%以下、
    S:0.003 %以下、
    N:0.010 %以下、
    Cu, Ni, Cr,Moを合計で 0.2%以下、
    Nb,V, Tiを合計で0.01%以下、
    B:0.01%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度:(Ar3変態点−20℃)以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも1秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ったのち、加熱温度が 700〜900 ℃の再加熱処理を行うことを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  4. 請求項1,2または3において、鋼スラブが、さらに質量%で、CaおよびREM のうちから選んだ1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %含有する組成になることを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  5. 質量%で
    C:0.03〜0.2 %、
    Mn:0.6 〜2.0 %、
    Al:0.02〜0.15%
    を含有すると共に、
    Si:1.0 %以下、
    P:0.04%以下、
    S:0.003 %以下、
    N:0.010 %以下、
    Cu, Ni, Cr,Moを合計で 0.2%以下、
    Nb,V, Tiを合計で0.01%以下、
    B:0.01%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、仕上げ圧延出側温度:(Ar3変態点−20℃)以上の条件で熱間圧延を終了し、ついで少なくとも1秒間の空冷後、 100℃/s以下の速度で強制冷却し、 450〜750 ℃の温度で巻き取ったのち、酸洗し、ついで加熱温度が 700〜900 ℃の連続焼鈍を行ったのち、溶融めっき処理を施すことを特徴とする材質均一性に優れた溶融めっき鋼板の製造方法。
  6. 請求項5において、鋼スラブが、さらに質量%で、CaおよびREM のうちから選んだ1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %含有する組成になることを特徴とする材質均一性に優れた溶融めっき鋼板の製造方法。
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